JP2002006516A - 電子写真感光体と電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
電子写真感光体と電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジInfo
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Abstract
コール系溶媒を用いた電子写真感光体に発生する電子写
真特性等の劣化を防止すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも中間層及び
感光層を積層塗布した電子写真感光体において、該中間
層及び感光層が水又はアルコール系溶媒を主要溶媒とし
た塗布液を塗布することにより得られることを特徴とす
る電子写真感光体。
Description
の分野で用いられる電子写真感光体、該電子写真感光体
の製造方法、画像形成装置、及び該画像形成装置に用い
られるプロセスカートリッジに関するものである。
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導
電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体
が、広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るも
のではなく、また一部の無機感光体では感光体中に人体
に有害な物質を含むため、廃棄に際しての問題がある。
これら無機感光体の持つ欠点を克服する目的で近年様々
な有機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する有
機感光体の研究、開発が近年盛んに行われている。
間層、或いは感光層は通常、有機溶媒に光導電性物質及
びバインダー樹脂を溶解せしめた塗布液を塗布すること
により製造されるが、これまでに用いられる溶媒はエチ
レンクロライド、メチレンクロライド等ハロゲン化溶
媒、1,4−ジオキサン等が多く用いられている。しか
しこれらの溶媒類はあるものは変異源性やオゾン層破壊
等の点で人体、環境に対して問題があった。
溶媒として水又はアルコール系溶媒が望ましいが、これ
ら溶媒の使用は以下の点で問題となる。
では高強度のものが少なく、感光体の機械的耐久性に問
題が生じる。
な特性を持つ同一溶媒で塗布すると、塗布時に各層間の
界面が乱れ、電子写真特性が劣化しやすい。
な特性を持つ同一溶媒で塗布すると、既に塗布された中
間層、或いは感光層が塗布液中に溶出し、塗布液の汚染
が起こりやすい。
検討を重ねた結果、環境負荷の少ない溶媒として水又は
アルコール系溶媒を用いた塗布液で塗布する塗布層を架
橋硬化させることで、1)各層間の界面の乱れ、塗布液
の汚染をなくし、また2)機械的耐久性にも問題のない
感光体が得られることを見出し本発明に至った。
成が挙げられる。 1.導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を積
層塗布した電子写真感光体において、該中間層及び感光
層が水又はアルコール系溶媒を主要溶媒とした塗布液を
塗布することにより得られることを特徴とする電子写真
感光体。
層の塗布後に架橋硬化されることを特徴とする前記1に
記載の電子写真感光体。
に塗布後、架橋硬化されることを特徴とする前記1又は
2に記載の電子写真感光体。
以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項
に記載の電子写真感光体。
電荷発生層、及び電荷輸送層を積層塗布した電子写真感
光体において、該中間層、及び電荷輸送層が水又はアル
コール系溶媒を主要溶媒とした塗布液を塗布することに
より得られることを特徴とする電子写真感光体。
れることを特徴とする前記5に記載の電子写真感光体。
ことを特徴とする前記5又は6に記載の電子写真感光
体。
ロン以下であることを特徴とする前記5〜7のいずれか
1項に記載の電子写真感光体。
塗布後に架橋硬化されることを特徴とする前記1〜8の
いずれか1項に記載の電子写真感光体。
及び感光層を積層塗布した電子写真感光体の製造方法に
おいて、該中間層及び感光層が水又はアルコール系溶媒
を主要溶媒とした塗布液を用いて塗布することを特徴と
する電子写真感光体の製造方法。
面層の塗布後に架橋硬化されることを特徴とする前記1
0に記載の電子写真感光体の製造方法。
毎に塗布後、架橋硬化されることを特徴とする前記10
又は11に記載の電子写真感光体の製造方法。
帯電・像露光・現像・転写・分離・クリーニングの各手
段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体
に前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を
用いることを特徴とする画像形成装置。
帯電・像露光・現像・転写・分離・クリーニングの各手
段を有する画像形成装置に用いるプロセスカートリッジ
において、該プロセスカートリッジは前記1〜9のいず
れか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、像露光手
段、現像手段、転写又は分離手段、及びクリーニング手
段の少なくとも一つを組み合わせて有しており、且つ前
記画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを
特徴とするプロセスカートリッジ。
発明は導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を
積層塗布した電子写真感光体において、該中間層及び感
光層が水又はアルコール系溶媒を主要溶媒とした塗布液
を塗布することにより得られることを特徴とする。
とした塗布液とは、少なくとも塗布液溶媒の50%以上
が水、アルコール系溶媒であることを意味する。一般に
有機電子写真感光体の場合は環境負荷の大きいハロゲン
系溶媒等の使用はその処理コストが年々大きくなってき
ており、環境負荷の小さい水やアルコール系溶媒を用い
て有機感光体を製造できることの意味は極めて大きい。
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類で、且つ沸点が60〜120℃の溶媒が好ましい。
アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル類、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メチル
セルソルブ、エチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテ
ル類を使用しても良いが、主要溶媒が少なくとも50質
量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは
補助溶媒無しが良い。
との2層以上の積層構造を有している。即ち、導電性支
持体上の中間層とその上の感光層、或いは該中間層上に
電荷発生層、電荷輸送層等が積層される構造を有するこ
とを特徴としているが、これらの各層を同じアルコール
系溶媒で積層すると、例えばアルコール系溶媒で塗布乾
燥した中間層の上に、同じアルコール系溶媒の感光層を
浸積塗布方式で塗布すると、感光層の塗布液中に該中間
層が溶出し、感光層の塗布液が中間層成分で汚染され、
且つ該汚染の程度が塗布時間と共に変化し、製造された
感光体の特性が塗布時間と共に変化すると言う問題が発
生する。
溶媒を用いた塗布液で積層構造の感光体を製造する場合
に、既に塗布された層は三次元状の硬化反応により、積
層される塗布液中に不溶な膜物性を形成していることが
必要である。
性支持体上に積層される各塗布層が各塗布層の塗布後に
架橋反応により硬化されることが好ましい。特に中間
層、感光層の積層構成では中間層が架橋硬化されている
ことが、又、中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層構
成では、中間層、電荷輸送層が架橋硬化されることが好
ましい。又、積層構造の中で、感光体の表面層になる層
は画像形成の過程で機械的強度が要求されることから、
高い強度が得られる架橋硬化がなされることが好まし
い。以下、本発明の電子写真感光体の層構成について詳
しく説明する。
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するため
に、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含
む)を設ける。該中間層の材料としては、ポリアミド樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの
樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹
脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用
に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリア
ミド樹脂が好ましい。
層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の
有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた
中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましい。
タン、ジルコニウム等の含金属有機化合物の具体例を以
下に挙げる。
ド及び金属キレート化合物が挙げられる。金属の種類と
しては、チタニウム、ジルコニウム又はアルミニウムな
どが一般的なものとして挙げられる。
ロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラプロポ
キシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウムなどが
挙げられる。
の種類があり、キレート基の種類としては、 (1)アセチルアセトン、2,4−ヘプタンジオンなど
のβ−ジケトン (2)アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸プロピル、アセト酢酸ブチルなどのケトエステル (3)乳酸、サリチル酸、リンゴ酸などのヒドロキシカ
ルボン酸 (4)乳酸メチル、乳酸エチル、サリチル酸エチル、リ
ンゴ酸エチルなどのヒドロキシカルボン酸エステル (5)オクタンジオール、ヘキサンジオールなどのグリ
コール (6)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンな
どのケトアルコール (7)トリエタノールアミンなどのアミノアルコール などが挙げられる。それら化合物としては、 ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテー
ト) ジイソプロポキシアルミニウムビス(アセチルアセテー
ト) ブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート) ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテ
ート) ジイソプロポキシアルミニウムビス(エチルアセトアセ
テート) ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート) ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート) ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミ
ナート) などが例として挙げられる。
合物が好ましい。 (Z)a(A)bSi(Y)c Z:加水分解性基(例えばアルコキシ基、ハロゲン原子
又はアミノ基) A:アルキル基又はアリール基 Y:有機官能基 a,b,c:a,cは1以上、bは0以上の整数を表
し、a+b+c=4である。その特性を大きく左右する
有機官能基Yの末端基の種類としては、 γ−メタクリロキシ基 γ−アミノ基 N−フェニル−γ−アミノ基 N−β(アミノエチル)γ−アミノ基 γ−グリシドキシ基 β−(3,4エポキシシクロヘキシル)基 γ−クロロ基 γ−メルカプト基 等が挙げられ、化合物としては、 γ−アミノプロピルトリメトキシシラン N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシ
ラン γ−クロロプロピルトリメトキシシラン γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 等が挙げられる。中でも、γ−メタクリロキシ基、γ−
アミノ基、N−フェニル−γ−アミノ基を末端に有する
有機官能基を持つ化合物は、電位特性、画像特性とも良
好な特性を示す。
ては下記に示す樹脂が好ましい。 アルコール可溶ポリアミド系樹脂 CM8000、CM4000、AQナイロンA−70、
AQナイロンA−90、AQナイロンP−70。以上東
レ社製。ラッカマイド5003、ラッカマイド521
6。以上大日本インキ社製。トレジンF30、トレジン
MF−30、トレジンEF30T、トレジンM−20、
トレジンFS−350、トレジンFS−500。以上帝
国化学産業社製。これら樹脂を用いた中間層の膜厚は
0.01〜1.0μmが好ましい。
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成、或いは感光層の機能を電荷発生層(CGL)
と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとる。機能を
分離した構成は繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さ
く制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制
御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発
生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成
を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構
成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。
材料としては、前記単層構成の感光層の場合、及び機能
分離構成の電荷発生層、電荷輸送層の場合のいずれの場
合も以下のものが挙げられる。
樹脂 具体例としては、デンカブチラール#2000、#30
00、#4000、#5000、#6000。以上、電
気化学工業社製。エスレックBL−S、BM−S、BX
−1、W−101、W−102、W−201、W−20
2。以上、積水化学工業社製。XYHL。以上、ベーク
ライト社製。
AQナイロンA−90、AQナイロンP−70。以上東
レ社製。ラッカマイド5003、ラッカマイド521
6。以上大日本インキ社製。トレジンF30、トレジン
MF−30、トレジンEF30T、トレジンM−20、
トレジンFS−350、トレジンFS−500。以上帝
国化学産業社製。
物縮合物を熱硬化させた硬化性シロキサン樹脂 アルコキシシラン化合物の具体例としてはメチルトリメ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルト
リメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、
ナフチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、プロペニ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、1,1,1−トリフロオロプロピルトリメトキシ
シラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、パ
ーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。
加水分解縮合物にはコロイダルシリカを加えて熱硬化さ
せても良い。
ルコール可溶ポリビニルブチラール樹脂、アルコール可
溶ポリアミド系樹脂はそれらを公知の架橋剤、例えばイ
ソシアネート化合物、二塩基酸無水物等で架橋硬化する
事が好ましい。特にはイソシアネート架橋が好ましく、
使用できるイソシアネート化合物の具体例としてはメチ
レンジフェニルジイソシアネート、トルイレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等のポリイソシアネート類、またこ
れらモノマー型ポリイソシアネートをウレトンイミン
型、シアヌール型、またはトリメチロールプロパン等の
多価アルコールとアダクト型変性を行った変性イソシア
ネート類(例えば商品名;コロネートHX、コロネート
HK、コロネートL、コロネートMX、コロネート20
67、ミリオネートMTL。以上、日本ポリウレタン社
製。スミジュールN3200、スミジュールIL、スミ
ジュールHT、スミジュールFL−2、スミジュールL
−75。以上、住友バイエルウレタン社製。)等が挙げ
られる。
溶ポリビニルブチラール樹脂、アルコール可溶ポリアミ
ド系樹脂、硬化性シロキサン樹脂の架橋硬化には触媒を
使用しても良い。触媒として有機カルボン酸、亜硝酸、
亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカ
リ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有
機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセ
テート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメル
カプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチ
ルチンマリエート等)、アルミニウム化合物、亜鉛のオ
クテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等
が挙げられる。
て説明する。以下に電荷発生層、電荷輸送層の機能分離
の感光層構成について説明する。
含有する。その他の物質としては必要によりバインダー
樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
ルコール可溶性のバインダーを用いる場合、バインダー
としては、前記アルコール可溶ポリビニルブチラール樹
脂、、アルコール可溶ポリアミド系樹脂が好ましく用い
られるが、このほかにもシリコーン変性ブチラール樹脂
等も好ましく用いられる。バインダー樹脂と電荷発生物
質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20
〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いること
により、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さく
できる。電荷発生層の乾燥膜厚は0.01μm〜2μm
が好ましい。
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤
を含有しても良い。
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は前記水、又は
アルコール可溶性のバインダー樹脂中に溶解して層形成
が行われる。即ち、前記アルコール可溶ポリビニルブチ
ラール樹脂、アルコール可溶ポリアミド系樹脂、アルコ
キシシランまたはその加水分解物縮合物を熱硬化させた
硬化性シロキサン樹脂等が好ましく用いられる。
ロキサン樹脂をバインダーとして用いる場合、電荷輸送
物質としては該アルコキシシランと化学結合して硬化性
シロキサン樹脂層を形成する電荷輸送性化合物を用いる
ことが好ましい。これらの化合物としては下記一般式
(1)で表される水酸基、メルカプト基、アミノ基を有
する電荷輸送性化合物、或いはアルコキシシリル基を有
する電荷輸送性化合物が挙げられる。
位を含む1価又は多価の基を表し、R 2は単結合、置換
又は無置換のアルキレン基、アリーレン基を表し、Zは
酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数
を表す) 上記一般式(1)の化合物を下記に示すが、これらに限
定されるものではない。
合物としては以下のような化合物が例示される。
構成の感光層を用いる場合は、少なくとも前記電荷発生
物質、及び電荷輸送物質を水、又はアルコール系溶媒に
可溶なバインダー中に分散して塗布液を作製し、前記中
間層上に積層すればよい。該水、又はアルコール系溶媒
に可溶バインダーとしては前記アルコール可溶ポリビニ
ルブチラール樹脂、アルコール可溶ポリアミド系樹脂、
アルコキシシランまたはその加水分解物縮合物を熱硬化
させた硬化性シロキサン樹脂等を用いればよい。電荷輸
送層の乾燥膜厚は5〜30μmが好ましく、5〜15μ
mがより好ましい。
荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に
対し50〜600質量部が好ましい。またバインダー樹
脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質
量部に対し10〜100質量部が好ましい。
30μmが好ましいが、更に好ましくは5〜15μmす
るとよい。乾燥膜厚を5〜15μmにする事により静電
潜像を形成するために感光層中を走行するキャリアの拡
散を抑制でき、光スポットによって与えられた画像情報
が劣化しにくく高解像度の感光体が得られる。
層の塗布毎に加熱硬化するのが好ましい。各層毎に加熱
硬化することにより、積層塗布時に発生しやすい塗布液
の汚染を防止できる。
硬化条件としては使用する溶媒種、触媒有無によって異
なるが、およそ60〜160℃の範囲で10分〜20時
間の加熱が好ましく、より好ましくは90〜120℃の
範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。
塗布加工方法としては、ディップ塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等を用いることができる。特に感光層
の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、また均
一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制
型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を
用いるとより好ましい。なお前記スプレー塗布について
は特開平3−90250、269238にその記載があ
り、前記円形量規制型塗布については特開昭58−18
9061に詳細が記載されている。
の電子写真画像形成装置の断面図である。
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部51による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等
を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
れる。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとか
ら成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、
マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリ
ーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば
前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂
をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリ
ル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と
荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる
着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーと
からなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリ
ーブ541上に100〜600μmの層厚に規制されて
現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感
光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイア
ス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行わ
れる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接
触の状態で現像される。
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)
58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写さ
れる。
に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって
除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して
定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ロー
ラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち
排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお
前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は記録紙P
の通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次な
るトナー像の形成に備える。
50は、クリーニング器62のブレード621の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部51による
除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがあ
る。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像
器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも
1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可
能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別
体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又
は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着
脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感
光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリ
ッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
が、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定
されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッター
アレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどによ
り行われる。
する場合には、像露光器53は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
性基体上に、下記の中間層塗布液を浸漬塗布し、105
℃;20分加熱硬化し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を
形成した。
パーにて塗布して、110℃;20分加熱硬化し、乾燥
膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
液に下記架橋剤を添加した。
パーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、乾燥
膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置した後、下記物質を添加し
た。
と同様にして感光体2を作製した。
℃;30分熱処理し、乾燥膜厚0.5μmの中間層を形
成した。
と同様にして感光体3を作製した。
℃;30分熱処理し、乾燥膜厚0.5μmの中間層を形
成した。
と同様にして感光体4を作製した。
℃;30分熱処理し、乾燥膜厚0.5μmの中間層を形
成した。
と同様にして感光体5を作製した。
℃;30分熱処理し、乾燥膜厚0.5μmの中間層を形
成した。
例3と同様にして感光体6を作製した。
ホッパーにて塗布して、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生
層を形成した。
例2と同様にして感光体7を作製した。
ホッパーにて塗布して、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生
層を形成した。
例1と同様にして感光体8を作製した。
ホッパーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、
乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置した後、下記物質を添加し
た。
例1と同様にして感光体9を作製した。
ホッパーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、
乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置した後、下記物質を添加し
た。
例2と同様にして感光体10を作製した。
ホッパーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、
乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置し後、下記物質を添加し
た。
例6と同様にして感光体11を作製した。
ホッパーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、
乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置した後、下記物質を添加し
た。
例7と同様にして感光体12を作製した。
ホッパーにて塗布して、120℃;60分加熱硬化し、
乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
せ、さらに室温で一昼夜放置した後、下記物質を添加し
た。
は実施例1と同様にして感光体13を作製した。
は実施例9と同様にして感光体14を作製した。 (評価)各実施例の感光体をレーザー露光量を適正化し
た800dpiの画素ドットで、感光体上に書き込みが
行えるようにしたコニカ(株)社製デジタルコピアプリ
ンタ機「Konica7150」に装着し、初期帯電位
を−650Vに設定して、常温常湿(NN)環境下(2
5℃;65%)にて5万回の実写試験を行い、複写画像
及び感光体表面の異物付着、傷を観察した。また実写試
験前後で現像位置の未露光部電位VH及び露光部電位V
L、実写試験後の感光体の膜厚減耗量を測定した。結果
を表1に示す。
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
〜14全てにおいて、各感光体の電位特性、膜厚減耗特
性が良好であり、これら各感光体は電子写真感光体とし
て、十分に実用性があることが明らかである。複写画像
及び感光体表面の観察では、実施例1〜14とも実写試
験中の複写画像はカブリ、黒斑点、画像ボケ無く良好で
あった。また感光体表面にも特に傷、異物の付着は無く
良好であった。
体を順次コニカ(株)社製デジタルコピアプリンタ機
「Konica7150」に設定し、1mm当たり等間
隔の縦線を6本、9本、12本設けたプリント画像を出
力した。結果は縦線の判別できるグレードを解像度とし
て表示した。結果を表2に示す。
体を用いた解像度試験では、15〜28の全ての実施例
において良好な解像特性を有している。
負荷の小さい水、又はアルコール系溶媒を用いた塗布液
により作製した本発明の感光体は電子写真特性、機械的
摩耗特性、画像の解像特性等いずれの特性においても優
れた特性を有している。このような結果は感光体の製造
において、各層を塗布した後各層毎に加熱硬化し、積層
によって生じる電子写真特性の劣化を防ぎ、しかも出来
上がりの膜強度を強化したことによると推定される。
画像形成装置の断面図。
Claims (14)
- 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも中間層及び
感光層を積層塗布した電子写真感光体において、該中間
層及び感光層が水又はアルコール系溶媒を主要溶媒とし
た塗布液を塗布することにより得られることを特徴とす
る電子写真感光体。 - 【請求項2】 前記電子写真感光体の表面層が該表面層
の塗布後に架橋硬化されることを特徴とする請求項1に
記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 前記中間層及び感光層の各層が塗布毎に
塗布後、架橋硬化されることを特徴とする請求項1又は
2に記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】 前記感光層の乾燥膜厚が15ミクロン以
下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
に記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 導電性支持体上に少なくとも中間層、電
荷発生層、及び電荷輸送層を積層塗布した電子写真感光
体において、該中間層、及び電荷輸送層が水又はアルコ
ール系溶媒を主要溶媒とした塗布液を塗布することによ
り得られることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項6】 前記電荷輸送層が塗布後に架橋硬化され
ることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。 - 【請求項7】 前記中間層が塗布後に架橋硬化されるこ
とを特徴とする請求項5又は6に記載の電子写真感光
体。 - 【請求項8】 前記電荷輸送層の乾燥膜厚が15ミクロ
ン以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか
1項に記載の電子写真感光体。 - 【請求項9】 前記電子写真感光体の各層が該各層の塗
布後に架橋硬化されることを特徴とする請求項1〜8の
いずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 【請求項10】 導電性支持体上に少なくとも中間層及
び感光層を積層塗布した電子写真感光体の製造方法にお
いて、該中間層及び感光層が水又はアルコール系溶媒を
主要溶媒とした塗布液を用いて塗布することを特徴とす
る電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項11】 前記電子写真感光体の表面層が該表面
層の塗布後に架橋硬化されることを特徴とする請求項1
0に記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項12】 前記中間層及び感光層の各層が塗布毎
に塗布後、架橋硬化されることを特徴とする請求項10
又は11に記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項13】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯
電・像露光・現像・転写・分離・クリーニングの各手段
を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体に
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を
用いることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項14】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯
電・像露光・現像・転写・分離・クリーニングの各手段
を有する画像形成装置に用いるプロセスカートリッジに
おいて、該プロセスカートリッジは請求項1〜9のいず
れか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、像露光手
段、現像手段、転写又は分離手段、及びクリーニング手
段の少なくとも一つを組み合わせて有しており、且つ前
記画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを
特徴とするプロセスカートリッジ。
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