JP2002268335A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002268335A
JP2002268335A JP2001070240A JP2001070240A JP2002268335A JP 2002268335 A JP2002268335 A JP 2002268335A JP 2001070240 A JP2001070240 A JP 2001070240A JP 2001070240 A JP2001070240 A JP 2001070240A JP 2002268335 A JP2002268335 A JP 2002268335A
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image
image forming
forming method
photoreceptor
charging
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Takeo Oshiba
武雄 大柴
Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Kazuhisa Shida
和久 志田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は1)繰り返し使用後も感光体
1回転目と2回転目以降の帯電性の差が少なく、一回転
目から良好な画像を形成できること。2)1枚目の画像
形成が短時間で開始されることである。 【解決手段】 有機感光体上に形成された潜像を反転現
像によりトナー画像を形成する画像形成方法において、
該有機感光体が円筒状支持体上に中間層、電荷発生層、
電荷輸送層をこの順に積層され、且つ中間層がN型半導
性微粒子を、電荷発生層がフタロシアニン顔料を含有し
ており、該有機感光体上への画像形成起動時の像露光に
先立ち、予備帯電工程、光除電工程、帯電工程を経るこ
とを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンタ等に用いられる画像形成方法、及び画像
形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電性物
質を含有する有機電子写真感光体(以下、有機感光体又
は単に感光体とも云う)が最も広く用いられている。有
機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応し
た材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択で
きること、製造コストが安いこと等が他の電子写真感光
体に対して有利な点であるが、欠点としては機械的強度
が弱く、多数枚の複写やプリント時に有機感光体表面の
劣化や傷の発生、感光体の帯電能の劣化、帯電暗減衰
(以後、電位暗減衰又は単に暗減衰とも云う)の増大を
引き起こしやすいことである。
【0003】一方、電子写真方式の画像形成方法におい
ては、近年レーザービームによる像露光等のデジタル方
式の画像形成方法が従来のアナログ方式の像露光画像に
よる形成方法に代わって広く普及してきている。電子写
真方式を採用したレーザービームプリンタもしくはデジ
タル方式の複写機及びファクス等は文字及び図形等の画
像を感光体にレーザービームのドット照射で形成する。
このようなデシタル方式の像露光は文字及び図形等の画
像部を露光し、この露光部を反転現像で顕像化するのが
画像処理上最も広く行われている方式である。このデジ
タル方式の反転現像による画像形成方法においては前記
画像部以外の領域、即ちレーザービームのドット照射が
中断された未露光部分の未露光部電位(以下、暗電位と
も云う)では画像が出現してはならない。
【0004】この様なデジタル的画像形成において、感
光体に対するドット露光には主としてレーザ光やLED
光が用いられている。現在もっともよく使用される露光
光の発信波長は780nmや660nmの近赤外光やそ
れに近い長波長光である。そこで、このような長波長光
に対して感度の高い感光体が開発されてきた。例えば、
各種アゾ顔料、縮合多環系顔料、各種フタロシアニン顔
料等を用いた高感度の感光体が報告されているが、中で
もフタロシアニン顔料は合成が比較的容易であり長波長
光に高感度を示すものが多いことから、幅広く検討され
実用に供されている。
【0005】例えば特公平5−5860号公報にはチタ
ニルフタロシアニンを用いた感光体が、特開昭59−1
55851号公報にはβ型インジウムフタロシアニンを
用いた感光体が、特開平2−233769号公報にはχ
型無金属フタロシアニンを用いた感光体が、特開昭61
−28557号公報にはバナジルオキシフタロシアニン
を用いた感光体がそれぞれ開示されている。
【0006】ところが、この様なフタロシアニン顔料を
電荷発生物質として用いた感光体は長波長で高感度であ
るものの、一回転目の帯電圧が低く、二回転目からよう
やく帯電圧が安定するという欠点があった。フタロシア
ニン顔料を電荷発生層に使用した積層型感光体は広く実
用化されているが、このような現象は程度の差はあるも
ののすべてにおいて観測された。
【0007】また、この現象は感光体を繰り返し使用
し、かなり疲労させた時には、一回転目の帯電では表面
電位の低下幅は更に拡大することがわかった。これは、
疲労により電荷発生層中のエレクトロントラップ量が徐
々に増加していくために初期の状態と較べて感光体中の
電荷蓄積量が増加するためであると考えられる。一方、
デジタル的に画像形成する場合には、光の有効利用或い
は解像力を上げる目的から、光を照射した部分にトナー
を付着させ、画像を形成する、いわゆる反転現像方式を
採用することが多い。反転現像プロセスにおいては、暗
電位部が白地となり、明電位部が黒地部(画線部)にな
る。
【0008】したがって、反転現像プロセスにおいて
は、正規現像プロセスのように明部電位が上昇してもか
ぶり(白地部に黒点が生じる現象)が発生することはな
いが、暗部電位が低下するとかぶりが発生する。そのた
め、フタロシアニン顔料を用いた感光体では、高感度で
はあるが、一回転目のプロセスによる画像は極端に地肌
が汚れ良好な画像が得られない現象が見られた。更に連
続してコピーを行った場合、感光体2回転目のプロセス
による画像では多少地肌の汚れが残っていたがほぼ良好
な画像となり、それ以降では良好な画像が得られた。
【0009】以上詳述したように、フタロシアニン顔料
を電荷発生層に使用した積層型感光体を光除電プロセス
を含む反転現像電子写真プロセスで使用すると、潜在的
にこの様な問題を含んでいる。しかし、これまでは帯電
圧が低下する感光体1回転目のプロセスは画像形成には
使用せず(いわゆる空回転)、帯電圧が安定する2回転
目以降から画像形成に使用し、このような問題を回避し
ているのが現状である。これは、比較的コピー速度の遅
い(例えばA4紙10枚/分以下)反転現像方式のプリ
ンタ等においては、帯電器の帯電制御能力に余裕ができ
るためにこの様な現象が顕著に現れないこと、またコン
ピュータ等からのデータ転送に時間を要すること等から
一回転目を空回転とするプロセスにしても特に支障は生
じなかったためである。ところがコピー速度の速いデジ
タルコピア等、直接原稿をコピーする場合には、このよ
うな空回転を入れると高速化の大きな支障となるため、
感光体の一回転目から画像形成出来るようにすることが
熱望されている。
【0010】予備帯電を行わない画像形成方法の提案も
行われている。例えば特開平10−186703ではフ
タロシアニン顔料を用いた感光体の下引き層にバンドギ
ャップが2.2eV以上の半導体物質を用いることによ
り予備帯電を行わないプロセスの提案が成されている。
しかし、このような下引き層を用いても、感光体を繰り
返し使用しかなり疲労させた状態では、一回転目のプロ
セスでは表面電位の低下が発生することがわかった。
【0011】しかし、帯電手段作動開始後感光体1周分
の空回転は時間の浪費であり、複写機やプリンタ等のよ
うな電子写真画像形成装置の高速化(特に1枚目)には
大きな支障となる。
【0012】本発明はこのような障害を排除し帯電手段
の作動開始後感光体ドラム1周分の空回転をさせたりす
ることなく速やかに正常な画像形成がなされる電子写真
画像形成装置を提供することを課題目的にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記従
来技術の問題点に鑑み下記の性能を達成した画像形成方
法及び画像形成装置を提供することにある。 1)繰り返し使用後も感光体1回転目と2回転目以降の
帯電性の差が少なく、一回転目から良好な画像を形成で
きること。 2)1枚目の画像形成が短時間で開始されること。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は以
下の構成により達成される。
【0015】1.有機感光体上に形成された潜像を反転
現像によりトナー画像を形成する画像形成方法におい
て、該有機感光体が円筒状支持体上に中間層、電荷発生
層、電荷輸送層をこの順に積層され、且つ中間層がN型
半導性微粒子を、電荷発生層がフタロシアニン顔料を含
有しており、該有機感光体上への画像形成起動時の像露
光に先立ち、予備帯電工程、光除電工程、帯電工程を経
ることを特徴とする画像形成方法。
【0016】2.前記有機感光体の回転速度が定常速度
に到達した時点より予備帯電工程の帯電を行うことを特
徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0017】3.前記予備帯電工程が予備帯電手段を用
いて行われることを特徴とする前記1又は2に記載の画
像形成方法。
【0018】4.前記予備帯電手段として、分離器を用
いることを特徴とする前記3に記載の画像形成方法。
【0019】5.前記帯電工程の帯電手段がスコロトロ
ンであり、予備帯電工程の予備帯電手段がコロトロンで
あることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載
の画像形成方法。
【0020】6.前記N型半導性微粒子が複数回の表面
処理を施され、且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素
化合物による表面処理であることを特徴とする前記1〜
5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0021】7.前記反応性有機ケイ素化合物が下記一
般式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特
徴とする前記6に記載の画像形成方法。
【0022】一般式(1) R−Si−(X)3 〔式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ
基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。〕 8.前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアル
キル基であることを特徴とする前記7に記載の画像形成
方法。
【0023】9.前記反応性有機ケイ素化合物がメチル
ハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする
前記6に記載の画像形成方法。
【0024】10.前記N型半導性微粒子が酸化チタン
粒子であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項
に記載の画像形成方法。
【0025】11.前記フタロシアニン顔料がCu−K
α特性X線(波長1.54Å)に対するブラック角2θ
で、27.2°±0.2°に最大ピークを有するオキシ
チタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前
記1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0026】12.前記1〜11のいずれか1項に記載
の画像形成方法を用いた画像形成装置。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に適用される画像形成装置
の実施の形態について、図1の概略構成図により説明す
る。
【0028】図1に示す画像形成装置1は、デジタル方
式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像
処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写
紙搬送部Dから構成されている。
【0029】画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送
する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台1
1上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1
枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取
りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送
ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
【0030】一方、プラテンガラス13上に置かれた場
合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び
第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vに
よる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び
第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向へ
の速度v/2による移動によって読み取られる。
【0031】読み取られた画像は、投影レンズ17を通
してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像
される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学
像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA
/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィ
ルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メ
モリに記憶される。
【0032】画像形成部Cでは、画像形成ユニットとし
て、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周
に、帯電手段である帯電器(帯電工程)22、現像手段
である現像装置(現像工程)23、転写手段である転写
器(転写工程)24、分離手段である分離器(分離工
程)25、クリーニング手段(クリーニング工程)26
及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ:
光除電工程)27が各々動作順に配置されている。有機
感光体(以下、単に感光体とも言う)21は、光導電性
化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、図示の時
計方向に駆動回転される。
【0033】回転する感光体21へは帯電器22による
一様帯電がなされた後、露光光学系30により画像処理
部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露
光が行われる。書き込み手段である露光光学系(像露光
工程)30は図示しないレーザーダイオードを発光光源
とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、
シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により
光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に
対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21
の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の
形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成す
る。
【0034】感光体21上の潜像は現像装置23によっ
て反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナ
ー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニ
ットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写
紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41
(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給
紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、そ
れらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43
によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写
紙の傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によ
って転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、
搬送路40、転写前ローラ43a及び転写進入ガイド板
46に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置
Boにおいて転写器24によって転写紙Pに転写され、
次いで分離器25によって除電されて転写紙Pは感光体
21面より分離し、搬送装置45により定着器(定着工
程)50に搬送される。
【0035】定着器50は定着ローラ51と加圧ローラ
52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧
ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧
によってトナーを熔着させる。トナー画像の定着を終え
た転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
【0036】以上は転写紙の片側への画像形成を行う状
態を説明したものであるが、本実施の形態の画像形成装
置1は転写紙の排出前に反転搬送を行い、転写紙の裏面
への画像形成も行い両面転写が行えるようにしてある
が、この両面転写については本発明に直接関係がないの
で説明を省略する。
【0037】次に本発明の大きな特色である画像形成の
起動時の最初の画像形成が迅速且つ正常に作成される方
法について説明する。
【0038】複写機やプリンタ等の画像形成装置の高速
化には、前述のように帯電開始から感光体1周分の空回
転は大きな支障となっている。これは感光体の使用回数
やコピー直前の放置時間によっては帯電手段作動開始か
ら感光体1周分は所定の電位が得られないためである。
しかし、本発明の中間層を有する有機感光体を用いる
と、画像形成の起動時に、該有機感光体に予備帯電工程
と光除電工程を経由させれば、通常の画像形成の工程を
始めても、初期から良好な画像が得られることを見出し
た。本発明はこの事実を適用して、画像形成起動時の時
間短縮の目的を達成しようとするものである。
【0039】この目的は画像形成起動時に、即ち有機感
光体の起動時に予備帯電と光除電を行い、その後、画像
形成の為の帯電、像露光、現像等の画像形成工程を開始
する事により達成される。
【0040】ここで、予備帯電、及び光除電とは前記し
た有機感光体の起動時の電位変動を消去するための帯
電、及び光除電であり、予備帯電工程は本来の帯電工程
(以後、単に帯電工程という)とは別に、帯電工程の上
流側に設けてもよいが、帯電工程の上流側にある転写器
24、分離器25、転写前帯電器、光除電前帯電器等の
うち、感光体21を画像形成(コピー)時と同じ極性に
帯電できる帯電手段を転用してもよい。
【0041】以下に前記図1の分離器25を予備帯電極
として作動させた例を挙げる。図2に感光体21周りの
上記各機能の位相配置を示し、図3に分離器25を予備
帯電手段として作動させ、A4、2枚連続コピー時の作
動線図を示した。又、図4は従来例の感光体21を1回
転空回ししたあと画像作成に入る状態を示すA4、2枚
連続コピー時の作動線図である。ちなみに、これら作動
線図は感光体面の周速210mm/s、外径60mmを
用いた場合のものである。
【0042】図3の作動線図は図2の分離器25を予備
帯電手段として作動させ、感光体に帯電器22と同極性
で、且つほぼ同電位の帯電を行った。分離極25の位置
は帯電器22の設置位置の上流側で感光体の位相角度に
して167°の位置に設置してある。
【0043】以下に図3の作動線図を説明する。 感光体21回転を起動させる(感光体ドラムモータ、
メインモータを起動する) 同時に分離器25(帯電ワイヤー:コロトロン)に電
圧が印加され、感光体に予備帯電を行う。又、PCL2
7、現像装置23の攪拌スクリュウ、転写進入ガイド板
電圧等が同時に起動する。
【0044】300ms後に、感光体の回転速度が定
常速度になり、帯電器22(帯電ワイヤー:スコロトロ
ン)の電圧が印加され、感光体が帯電される。この時感
光体は予備帯電、及びPCLによる光除電を経ており、
1回転目の帯電電位の低下は避けられる。
【0045】続いて、感光体は書き込み手段による像
露光、現像装置により反転現像、転写紙への転写工程、
分離器、分離爪による転写紙分離工程を経て、転写紙は
定着工程に搬送され、画像形成が完了する。
【0046】一方、感光体は転写紙分離後、クリーニ
ング工程、PCLを経て、2回目の画像形成をスタート
する。
【0047】図3の方式では1枚目の画像形成は300
ms後に開始される。図4は図2の感光体21に帯電極
22及びPCLを作動させ、感光体1回転空回しした
後、画像作成工程を開始する作動線図である。
【0048】以下、図4の作動線図を説明する。 感光体回転を起動させる(感光体ドラムモータ、メイ
ンモータを起動する)同時にPCL、現像装置の攪拌ス
クリュウ、転写進入ガイド板電圧等が起動する。
【0049】300ms後に、感光体の回転速度が定
常速度になり、帯電器(帯電ワイヤー:スコロトロン)
の電圧が印加され、感光体が帯電される。
【0050】続いて、帯電された感光体が1周以上の
回転を行い書き込み手段による像露光が行われる。この
間感光体にはPCLによる光除電、帯電器による再帯電
が行われ、1回転目の帯電空回りを行った後、画像形成
が開始される。
【0051】前記像露光後、現像装置により反転現
像、転写紙への転写工程、分離器、分離爪による転写紙
分離工程を経て、転写紙は定着工程に搬送され、画像形
成が完了する。
【0052】一方、感光体は転写紙分離後、クリーニ
ング工程、PCLを経て、2回目の画像形成をスタート
する。
【0053】図4の方式では、1枚目の画像形成は13
00ms後に開始される。従来の感光体21を1回転空
回ししたあと画像作成に入る状態を示す図4の作動線図
に較べて感光体1周分に近い時間だけ短縮可能であるこ
とが分かる。
【0054】そのことは、また、図5の(a)本発明の
起動時の感光体帯電電位の状態を表す線図及び(b)の
従来例の起動時の感光体帯電電位の状態を表す線図に示
すように、安定化に到達できる時間が大きく違う(ほ
ぼ、感光体1周分)ことが分かる。この図から本発明の
方が従来例に比し、1秒近く速く正常な画像形成が得ら
れることを示している。
【0055】図6は本発明の実施の形態に係る画像形成
装置の制御部を示すブロック図である。
【0056】制御手段である制御部CPUには、例えば
感光体温度センサ、定着器温度センサ、トナー濃度セン
サ(センサS1、S2、S3)等からの情報、帯電、露
光、現像等の画像形成を実行する画像形成部Cからの情
報、及び操作部OPからの情報が入力される。
【0057】OPは操作部であり、制御部CPUは該操
作部OPのコピーボタン等の操作による画像形成開始信
号等を受理する。CPは外部機器であるコンピュータ、
MDはファクシミリ通信を行う通信手段であり、制御部
CPUはこれらの機能部からも画像形成開始信号を受理
する。
【0058】Cは画像形成部であり、帯電、露光、現像
及び転写により転写材上にトナー像を形成する。制御手
段である制御部CPUはこれら各機能部を監視し、制御
する。
【0059】本発明では、感光体回転、予備帯電、主帯
電、転写分離帯電、露光、現像等の画像形成に関するタ
イミングチャートをあらかじめメモリーに保持し、この
タイミングチャートの情報に従って制御部CPUが各工
程を監視し、制御することによって画像形成を行う。
【0060】次に、本発明の有機感光体について記載す
る。本発明において、有機電子写真感光体(有機感光
体)とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生
機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化
合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公
知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成さ
れた感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体
で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含
有する。
【0061】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。本発明の電子写真感光体(以下、
単に感光体ともいう)は導電性支持体と電荷発生層の間
にN型半導性微粒子を含有する中間層を有する。
【0062】本発明に用いられるN型半導性微粒子と
は、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示
す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、
該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させるこ
とにより、基体からのホール注入を効率的にブロック
し、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性
を示さない性質を有するものをいう。
【0063】前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化
チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、
特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0064】本発明に用いられるN型半導性微粒子の平
均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200
nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10
nm〜100nm、特に好ましくは、15nm〜50n
mである。
【0065】数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN
型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密な
ものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ
発生防止機能を有する。
【0066】前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径
は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察に
よって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒
子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方
向平均径としての測定値である。
【0067】本発明に用いられるN型半導性微粒子の形
状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このよ
うな形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子
では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びア
モルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用い
てもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよ
い。その中でもルチル型のものが最も良い。
【0068】又、そのN型半導性微粒子は、複数回の表
面処理が行われ、かつ該複数回の表面処理のうち最後の
表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であ
ることが好ましい。
【0069】このようなN型半導性微粒子を含有さた中
間層を導電性支持体と感光層の間に設けることにより、
電荷発生層にフタロシアニン顔料の電荷発生物質を用い
た感光体に発生しやすい電位変動を小さくし、且つ該感
光体に本発明の予備帯電を行う画像形成方法を適用する
ことにより、画像形成時に発生する濃度変動を防止し、
しかも1枚目の画像を短時間で形成できる。更に、反転
現像に特有の黒ポチの発生を著しく抑制することがで
き、更には、レーザー露光のよるモアレの発生も改善で
きることを見出したものである。
【0070】以下、本発明に好ましく用いられる表面処
理されたN型半導性微粒子について詳細に説明する。
【0071】本発明のN型半導性微粒子に行われる表面
処理の1つは、複数回の表面処理を行うものであり、か
つ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性
有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。ま
た、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面
処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる
少なくとも1種類以上の化合物を用いて行われ、最後に
反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものであ
ることが好ましい。なお、これらの化合物は水和物を有
するものも含まれる。
【0072】この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導
性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことによ
り、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)さ
れ、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用い
ると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性
微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発
生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0073】また、該複数回の表面処理をアルミナ、シ
リカを用いて表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素
化合物による表面処理を行うものが特に好ましい。
【0074】なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同
時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、
次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミ
ナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシ
リカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好
ましい。
【0075】前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のア
ルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による
表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリ
カ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性微粒子
は以下の様に作製することができる。
【0076】例えば、N型半導性微粒子として酸化チタ
ン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子
径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分
散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又
は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、ア
ルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面
にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗
浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記
水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場
合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができ
る。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アル
ミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム等のアルカリで中和することができる。
【0077】なお、上記表面処理に用いられる金属酸化
物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子
等のN型半導性微粒子100質量部に対して、0.1〜
50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化
物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた
場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子1
00質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好
ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好まし
い。
【0078】上記の金属酸化物による表面処理の次に行
われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の
様な湿式法で行うことが好ましい。
【0079】即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有
機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸
化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分か
ら1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加
熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表
面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得
る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させ
た懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構
わない。
【0080】尚、本発明において酸化チタン粒子表面が
反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、
光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Au
ger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反
射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって
確認されるものである。
【0081】前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ
素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属
酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反
応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ま
しくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範
囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中
間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。
また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化さ
せ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてし
まう。
【0082】本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合
物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げら
れるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反
応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0083】一般式(2) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは0〜3の整数を表す。
【0084】一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形
の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアル
キル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等の
アリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、
γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロ
ピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロ
ピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等
の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−
メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプ
ロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−ト
リフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフル
オロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、
シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分
解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、
ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0085】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。
【0086】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR
は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の
場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一
般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用
いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0087】nが0の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロ
シラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シ
ラン等が挙げられる。
【0088】nが1の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロ
ロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロ
シラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリク
ロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
ルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニ
ルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,
4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノ
メチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−ア
リルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケト
オキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリ
エトキシシラン等が挙げられる。
【0089】nが2の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエト
キシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−ク
ロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジ
エトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキ
シ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメ
チルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、
ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビ
ニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロ
ロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキ
シメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、
3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメ
チルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−
ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、
3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グ
リシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキ
シプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジ
メトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエ
トキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0090】nが3の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。トリメチルクロロシラン、メトキシトリメ
チルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−
クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3
−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられ
る。
【0091】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される有機
ケイ素化合物が用いられる。
【0092】一般式(1) R−Si−(X)3 式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、
エトキシ基、ハロゲン基を表す。
【0093】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までの
アルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的
な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチル
シラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシ
ヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げら
れる。
【0094】又、最後の表面処理に用いる好ましい反応
性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキ
サン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキ
サン化合物の分子量は1000〜20000のものが一
般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好であ
る。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の
表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0095】本発明の好ましい酸化チタンの表面処理の
他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により
表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原
子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した
湿式法で行うのが好ましい。
【0096】即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原
子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、こ
の中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を
数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加
熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸
化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で
被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分
散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合
物を添加しても構わない。
【0097】尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有
する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、
光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Au
ger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反
射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認す
ることができる。
【0098】本発明に用いられるフッ素原子を有する有
機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロ
ロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオ
ロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙
げられる。
【0099】次に、前記表面処理が施された酸化チタン
粒子等のN型半導性微粒子(以下、表面処理N型半導性
微粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化
チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中
間層の構成について説明する。
【0100】本発明の中間層は、前記複数回の表面処理
を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型
半導性微粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散さ
せた液を導電性支持体上に塗布することにより作製され
る。
【0101】本発明の中間層は導電性支持体と感光層の
間に設けられ、該導電性支持体と感光層との接着性改
良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能
を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返
し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられ
る。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に
好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のア
ルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0102】前記バインダー樹脂中に分散される本発明
の表面処理N型半導性微粒子の量は、例えば表面処理酸
化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に
対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜
1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの
範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好
に保つことができ、黒ポチの発生しない、良好な中間層
を形成することができる。
【0103】本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μm
が好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポ
チの発生しない、電子写真特性の良好な中間層を形成で
きる。
【0104】本発明の中間層を形成するために作製する
中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N
型半導性微粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成
されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いら
れる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0105】即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹
脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−
ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イ
ソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエ
チレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリ
クロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸
ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が
挙げられる。
【0106】中間層塗布液溶媒としては、これらに限定
されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタ
ノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ま
しく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種
以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0107】また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗
布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性
を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用
いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比で
メタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.
6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混
合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗
布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることがで
きる。
【0108】中間層塗布液の作製に用いられる表面処理
酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミ
ル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0109】前記中間層を含め、本発明の電子写真感光
体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、
スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用い
られるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力
溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためス
プレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型が
その代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−
90250号及び特開平3−269238号公報に詳細
に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0110】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性支持体 本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエ
ンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を
意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下
の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及
び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難にな
る。
【0111】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0112】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0113】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた前記した中間層を設ける。
【0114】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成を
有する。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し
使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電
子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。
【0115】電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)としてフタロシ
アニン顔料を含有する。その他の物質としては必要によ
りバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0116】本発明には公知のフタロシアニン顔料(C
GM)を用いることができる。本発明に用いられる最も
好ましいフタロシアニン顔料はCu−Kα線に対するブ
ラッグ角2θで、27.2°に最大ピークを有するオキ
シチタニルフタロシアニン顔料である。該オキシチタニ
ルフタロシアニン顔料は高感度で、且つ繰り返し使用に
伴う劣化が比較的小さい。
【0117】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0118】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0119】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0120】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0121】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノ
ール樹脂、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリカーボ
ネート、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これら
の樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体
樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0122】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0123】保護層 本発明の感光体には保護層を用いてもよい。保護層とし
ては、樹脂の部分構造として電荷輸送性構造基を有する
シロキサン系樹脂層が好ましい。
【0124】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0125】以下に本発明の像担持体として、以下の感
光体を作製した。 感光体P1の作製 長さ345mm、直径60mmの円筒状導電性支持体上
に下記の塗布液を塗布し感光体P1を作製した。
【0126】〈中間層〉ポリアミド樹脂CM8000
(東レ社製)1質量部、酸化チタンSMT500SAS
(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン処理、数平均一次粒径35n
m:テイカ社製)3質量部、メタノール10質量部を同
一容器中に加え超音波ホモジナイザーを用いて分散し
て、中間層塗布液1を作製した。該中間層塗布液1を上
記円筒状導電性支持体上に浸漬塗布し、4μmの乾燥膜
厚で中間層を設けた。
【0127】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するオキシチタニルフ タロシアニン顔料) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。
【0128】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(下記化合物A) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚23μmの電荷輸送層を形成し、感光体P1を作
製した。
【0129】感光体P2の作製 感光体P1の中間層の酸化チタンSMT500SAS
(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン処理、数平均一次粒径35n
m:テイカ社製)をST495MAヘキシルトリメチル
シラン処理品(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回
目:ヘキシルトリメチルシラン処理、数平均一次粒径1
70nm:東レ社製)に代えた他は同様にして感光体P
2を作製した。
【0130】感光体P3の作製 感光体P1の中間層の酸化チタンSMT500SAS
(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン処理、数平均一次粒径35n
m:テイカ社製)をMT500SAオクチルトリメトキ
シシラン処理品(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回
目:オクチルトリメトキシシラン処理、数平均一次粒径
35nm:テイカ社製)に代え、更に電荷輸送層上に下
記の保護層を設けた他は同様にして感光体P3を作製し
た。
【0131】 〈保護層〉 メチルトリメトキシシラン 150g ジメチルジメトキシシラン 30g 反応性電荷輸送性化合物(下記化合物B) 50g 酸化防止剤(下記化合物C) 1g 1−ブタノール 225g コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 100g 2%酢酸 106g アルミニウムトリスアセチルアセトナート 1g シラン化合物と1−ブタノール、2%酢酸を混合し、撹
拌しながら40℃の温度で16時間撹拌した後、反応性
電荷輸送性化合物(下記化合物B)、酸化防止剤(下記
化合物C)、アルミニウムトリスアセチルアセトナート
を加えて更に室温で1時間撹拌して保護層用の塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規
制型塗布装置により乾燥膜厚1μmの保護層を形成し、
この保護層を110℃、1時間の加熱硬化を行い、電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂層の保護層を形成した。
【0132】
【化1】
【0133】感光体P4の作製 感光体P1の中間層の酸化チタンSMT500SAS
(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン処理、数平均一次粒径35n
m:テイカ社製)を除き、乾燥膜厚を1μmにした他は
同様にして感光体P4を作製した。
【0134】評価 基本的に図1記載の画像形成プロセスを有するデジタル
複写機(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、爪分離、クリーニングブレードを有する)を用い、
有機感光体及び画像形成条件を表1のように組み合わせ
て、画像形成起動時の変動を評価した。複写条件は常温
常湿環境(24℃、60%RH)で行った。
【0135】又、感光体の使用履歴による評価を行うた
めに、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画
像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル
画像を用い、A4中性紙に20万枚複写し、その後1時
間休止した後の画像形成再起動時の変動についても評価
した。
【0136】画像形成条件 画像形成起動時に以下のような条件の予備帯電工程を設
け、光除電工程、帯電工程を経て像露光を実施する。
【0137】A;予備帯電極に図2の分離極を用いた画
像形成方法 B;図2のCの位置に予備帯電(コロトロン電極)を用
いた画像成方法 C;予備帯電極を設けず、画像形成起動時に帯電工程、
光除電工程を2回通過させ像露光を実施する画像形成方
法(感光体空回し1回後画像形成) D;画像形成起動時に予備帯電を実施せず、光除電工
程、帯電工程の後像露光を行う画像形成方法 E;Aにおいて、感光体回転速度が定常回転に達する前
に予備帯電極を動作させた画像形成方法
【0138】
【表1】
【0139】その他画像形成条件 尚、上記A〜E以外の画像形成条件は全て下記の共通の
条件に設定した。
【0140】有機感光体面の外径60mm 有機感光体面の周速210mm/s。
【0141】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を約−75
0V 露光条件 露光部電位を約−50Vにする露光量に設定。
【0142】現像条件 現像剤:フェライトキャリアを用いた2成分現像剤 転写条件 転写極;コロトロン帯電器 分離極;コロトロン帯電器 クリーニング:クリーニングブレード方式 上記コロトロン帯電器とは、制御グリッドを有しない帯
電器である。
【0143】上記スコロトロン帯電器とは、金属ワイヤ
ー、金属メッシュ等の制御グリッドを設置した帯電極で
ある。
【0144】評価1(電位特性評価) 初期画像形成起動時、及び連続20万枚コピー後の画像
形成再起動時の電位変動 図1の現像位置での電位変動を電位センサーにて測定し
た。
【0145】VH1:コピー1枚目のべた黒画像の電位 VH2:コピー2枚目のべた黒画像の電位 VL1:コピー1枚目のべた白画像の電位 VL2:コピー2枚目のべた白画像の電位 ΔVH12:|VH1−VH2| ΔVL12:|VL1−VL2| 評価2(画像評価) 初期画像形成起動時、及び連続20万枚コピー後の画像
形成再起動時の画像変動を目視で判定した。
【0146】◎:画像形成起動時に、A4画像1枚目と
2枚目の画像濃度に全く差がなく、カブリ発生も全く見
られない ○:画像形成起動時に、A4画像1枚目と2枚目の画像
濃度にわずかに差はあるが、カブリ発生は全く見られず
実用上問題なし ×:画像形成起動時に、A4画像1枚目と2枚目の画像
濃度に明らかに差がある ××:画像形成起動時に、A4画像1枚目と2枚目の画
像濃度に明らかに差があり、カブリも発生している 評価3(1枚目の画像形成開始時間) 1枚目の画像形成開始時間の評価 コピーボタンを押してから、排紙トレイに完全に印刷紙
が排紙されるまでの時間をストップウォッチで計測し
た。
【0147】評価4(黒ポチ) 黒ポチ(20万枚コピー後のベタ白画像で評価) 黒ポチの評価は、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4
紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデ
オプリンタ付き顕微鏡等で測定できる。黒ポチ評価の判
定基準は、下記に示す通りである。
【0148】 ○・・・0.4mm以上の黒ポチが3個/A4以下の発
生 ×・・・0.4mm以上の黒ポチが4〜19個/A4の
発生 ××・・0.4mm以上の黒ポチが20個/A4以上の
発生 評価結果を表2、表3に示す。
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】表2、表3から、使用初期の評価では組み
合わせNo.1〜10はいずれも画像評価は実用上問題
のないレベルであるが、20万枚コピー後の評価では本
発明の予備帯電工程の組み合わせ、No.1.2.5.
6.8に比し、本発明外の予備帯電工程なしの組み合わ
せ、No.4.7.10では著しく画像が劣化してい
る。又、帯電工程を2回繰り返して画像形成をスタート
する組み合わせ、No.3では1枚目の画像形成開始に
要する時間が予備帯電工程を別に設けた組み合わせに比
し、2〜3秒多く要している。又、本発明の中間層を有
していない感光体を用いた組み合わせ、No.9.10
では20万枚コピー後の画像劣化が大きく、本発明のN
型半導性微粒子を含有する中間層の感光体を用いた組み
合わせに比し、画像劣化が著しい。
【0152】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
の画像形成方法を用いることにより、1枚目の画像形成
に要する時間の短縮と反転現像に特有の画像形成立ち上
げ時の帯電電位変動の問題を同時に解決することがで
き、コピー時間の短縮と良質な画像形成の獲得を同時に
達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概略
構成図である。
【図2】本発明の感光体周りの各機能の位相配置を示す
正面図である。
【図3】分離器を予備帯電手段として作動させ、A4、
2枚連続コピー時の作動線図である。
【図4】従来例の感光体21を1回転空回ししたあと画
像作成に入る状態を示すA4、2枚連続コピー時の作動
線図である。
【図5】(a)本発明の起動時の感光体帯電電位の状態
を表す線図であり、(b)従来例の起動時の感光体帯電
電位の状態を表す線図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御
部を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 21 感光体 22 帯電器 23 現像装置 24 転写器 25 分離器 27 PCL(プレチャージランプ:光除電工程)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H068 AA19 AA21 AA37 AA45 BA39 BA58 CA29 FA12 2H200 FA02 GA15 GA23 GA30 GA31 GA44 GA59 GB02 GB03 GB10 HA12 HA29 HB02 HB28 HB41 KA02 KA07 LA12 PA10 PB14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機感光体上に形成された潜像を反転現
    像によりトナー画像を形成する画像形成方法において、 該有機感光体が円筒状支持体上に中間層、電荷発生層、
    電荷輸送層をこの順に積層され、且つ中間層がN型半導
    性微粒子を、電荷発生層がフタロシアニン顔料を含有し
    ており、該有機感光体上への画像形成起動時の像露光に
    先立ち、予備帯電工程、光除電工程、帯電工程を経るこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記有機感光体の回転速度が定常速度に
    到達した時点より予備帯電工程の帯電を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記予備帯電工程が予備帯電手段を用い
    て行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画
    像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記予備帯電手段として、分離器を用い
    ることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記帯電工程の帯電手段がスコロトロン
    であり、予備帯電工程の予備帯電手段がコロトロンであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記N型半導性微粒子が複数回の表面処
    理を施され、且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化
    合物による表面処理であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般
    式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴
    とする請求項6に記載の画像形成方法。 一般式(1) R−Si−(X)3 〔式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ
    基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。〕
  8. 【請求項8】 前記一般式(1)のRが炭素数4から8
    までのアルキル基であることを特徴とする請求項7に記
    載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハ
    イドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請
    求項6に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記N型半導性微粒子が酸化チタン粒
    子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記フタロシアニン顔料がCu−Kα
    特性X線(波長1.54Å)に対するブラック角2θ
    で、27.2°±0.2°に最大ピークを有するオキシ
    チタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の画像形成方法を用いた画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7537872B2 (en) 2005-04-13 2009-05-26 Ricoh Company Limited Image bearing member with charge blocking layer and moire prevention layer, and image forming apparatus and process cartridge using the same
EP2078988A2 (en) 2008-01-10 2009-07-15 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method

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