JP6634879B2 - 電子写真感光体、画像形成装置および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、耐摩耗性、耐傷性などの耐久性に優れて長寿命化が図られる感光体として、導電性支持体上に感光層が積層され、さらに当該感光層上に、例えば重合性単量体の硬化物による表面層が積層された感光体が開発されている。このような硬化物による表面層にはホール輸送剤が添加されており、画像形成においては、正孔を導電性支持体から表面層側へ輸送することによって表面近傍に位置する残存負電荷を消去(キャンセル)している。
また、表面層にフィラーが添加された感光体に、近接帯電方式の例えば交流電圧を重畳して印加する方式の帯電を行うと、表面層を構成する樹脂の放電に対する耐性が十分ではないことから、放電箇所の強度低下による樹脂の結合の切断により、感光体の減耗が進行してしまう、という問題がある。
前記表面層が、下記一般式(2)で表されるモノマーと、表面処理剤由来の反応性有機基が結合された金属酸化物微粒子と、電子輸送剤とを含有する組成物の硬化物からなり、
前記表面処理剤は、後述の式(S−1)、(S−3)、(S−4)および(S−5)の少なくともいずれか一つの化合物であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に、中間層、感光層および表面層がこの順に積層されてなる電子写真感光体の製造方法であって、
前記表面層の形成工程が、
金属酸化物微粒子を後述の式(S−1)、(S−2)、(S−3)、(S−4)および(S−5)の少なくともいずれか一つの化合物を含む表面処理剤で処理することにより、前記表面処理剤由来の反応性有機基を前記金属酸化物微粒子に結合させ、
前記反応性有機基が結合された前記金属酸化物微粒子と、下記一般式(2)で表されるモノマーと、電子輸送剤とを含有する組成物を硬化させることを含むことを特徴とする。
一般式(2):(R) m −Si−(X) 4−m
〔式中、Rは、隣接するケイ素原子(Si)に炭素が直接結合した形状の有機基を表し、Xは、加水分解性基を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
電子写真感光体が、上記の電子写真感光体であることを特徴とする。
本発明の感光体は、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段を備える画像形成装置に搭載される感光体であって、導電性支持体上に中間層、感光層および表面層がこの順に積層されてなる有機感光体である。
本発明の感光体を構成する表面層1eは、アルコキシシラン構造を有するモノマーと、当該モノマーにおける重合性反応基以外の基と反応する反応性有機基を有する金属酸化物微粒子(以下、「特定の金属酸化物微粒子」ともいう。)1eAと、電子輸送剤とを含有する組成物(以下、「表面層用組成物」ともいう。)の硬化物からなる。すなわち、表面層1eは、アルコキシシラン構造を有するモノマーの硬化物からなるバインダー樹脂(以下、「特定のシロキサン樹脂」ともいう。)中に、特定の金属酸化物微粒子が反応性有機基に由来する基を介して結合されると共に、電子輸送剤が含有されてなるものである。
これは、まず、表面層1eが特定のシロキサン樹脂を含有するために高い膜硬度が得られ、また、当該表面層1eに特定の金属酸化物微粒子1eAが含有されていることによりフィラー効果が得られてより一層高い膜硬度が得られることにより、高い耐久性が得られる。
そして、この感光体によれば、特定のシロキサン樹脂におけるSi−O結合は放電エネルギーに対してC−C結合よりも結合エネルギーが大きいために強固であり、従って帯電の放電エネルギーによって化学結合が切断されにくく、さらに、特定の金属酸化物微粒子1eAが特定のシロキサン樹脂に対して反応性有機基に由来する基を介して結合されていることにより、より放電エネルギーに対する耐性が高い。従って、耐久末期にも高解像度の画像を形成することができる。さらに、帯電手段によって付与された負電荷が、電子輸送剤により表面層1eと電荷輸送層1dとの境界領域まで輸送されて、この領域において導電性支持体1aから輸送される正孔によって当該負電荷の消去が行われ、これにより、耐久末期に感光体の物理的な表面形状が変化したとしても負電荷の消去を確実に行うことができると考えられる。従って、より一層、耐久末期にも高解像度の画像を形成することができる。
本発明者らは、このような電子輸送剤による負電荷の輸送の安定性が、当該電子輸送剤がSi−O結合を有する樹脂(特定のシロキサン樹脂)に含有されている場合に飛躍的に向上されることを見出した。この理由については定かではないが、特定のシロキサン樹脂におけるSi−O結合は結合角が直線ではないため分極しやすいことが、電子輸送剤の負電荷の輸送に対して有利に働いているものと推測することができる。
なお、通常の樹脂による表面層を備えた感光体を用いた場合、耐久末期には解像度の低下が見られ、この傾向は近接帯電方式の中でも接触帯電方式の帯電、特に交流電圧を重畳して印加する接触帯電方式の帯電を行う場合に顕著に見られる。
特定のシロキサン樹脂は、アルコキシシラン構造を有するモノマーが含有された表面層用組成物の重合硬化物である。
アルコキシシラン構造を有するモノマーとは、重合して硬化させた後の構造単位にシロキサン結合(−OSi−)を有するものをいう。本発明に係るアルコキシシラン構造を有するモノマーは、オリゴマーや架橋ネットワークが形成される前のポリマーの形態であってもよい。
一般式(2):(R)m −Si−(X)4-m
〔式中、Rは、隣接するケイ素原子(Si)に炭素が直接結合した形状の有機基を表し、Xは、加水分解性基を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
特定の有機ケイ素化合物において、基Rである有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基などのアリール基;γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基などの含エポキシ基;γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタアクリロキシプロピル基などの含(メタ)アクリロイル基;γ−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル基などの含水酸基;ビニル基、プロペニル基などの含ビニル基;γ−メルカプトプロピル基などの含メルカプト基;γ−アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などの含アミノ基;γ−クロロプロピル基、1,1,1−トリフロオロプロピル基、ノナフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチルエチル基などの含ハロゲン基;ニトロ基;シアノ置換アルキル基などが挙げられる。
また、基Xである加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;ハロゲン基;アシルオキシ基などが挙げられる。
mが1である特定の有機ケイ素化合物の具体例としては、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン(下記式(1)で表される化合物)、メルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(下記式(3)で表される化合物)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(下記式(5)で表される化合物)、ビス(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
mが2である特定の有機ケイ素化合物の具体例としては、ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン(下記式(2)で表される化合物)、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン(下記式(4)で表される化合物)、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシランなどが挙げられる。
mが3である特定の有機ケイ素化合物の具体例としては、トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプトプロピルメチルメチルシランなどが挙げられる。
これらの中で、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシランを用いることが好ましい。
アルコキシシラン構造を有するモノマー以外のその他のモノマーとしては、例えば水酸基、エポキシ基またはグリシジル基を有するメタクリレート、水酸基、エポキシ基またはグリシジル基を有するアクリレート、水酸基、エポキシ基またはグリシジル基を有するビニル化合物などが挙げられる。
本発明に係る特定の金属酸化物微粒子1eAは、その表面にアルコキシシラン構造を有するモノマーにおける重合性反応基以外の基と反応する反応性有機基が導入されたものであり、具体的には、原料となる未処理の金属酸化物微粒子(以下、「原料金属酸化物微粒子」ともいう。)を、アルコキシシラン構造を有するモノマーにおける重合性反応基以外の基と反応する反応性有機基(以下、「特定の反応性有機基」ともいう。)を有する表面処理剤(以下、「特定の反応性有機基含有表面処理剤」ともいう。)によって表面処理することにより、当該特定の反応性有機基が原料金属酸化物微粒子の表面に結合されたものである。
原料金属酸化物微粒子は、少なくとも表面の一部が金属酸化物によって形成されたものであり、単一材料によって構成されていても、複数材料によって構成されていてもよい。
複数材料から構成される原料金属酸化物微粒子としては、具体的には、芯材の表面に金属酸化物が被覆材として付着されてなるコア−シェル構造の複合微粒子が挙げられる。このコア−シェル構造の複合微粒子は、芯材表面の一部が露出されたものであっても、芯材表面を被覆材によって完全に被覆したものであってもよい。
このようなコア−シェル構造の複合微粒子よりなる酸化物微粒子が用いられることにより、光透過性を確保しつつ、絶縁性を確保することができるため、所期の画像特性が確保されながら耐摩耗性が十分に得られる。
コア−シェル構造の複合微粒子において、金属酸化物の芯材に対する付着量は、芯材に対して30〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。被覆材である金属酸化物の芯材に対する付着方法としては、例えば、特開2009−255042号公報などに開示されている方法を採用することができる。
原料金属酸化物微粒子の表面処理に用いる特定の反応性有機基含有表面処理剤は、特定の反応性有機基を有する化合物とすることができる。
特定の反応性有機基含有表面処理剤を用いることにより、特定の金属酸化物微粒子1eAが特定の反応性有機基を有するものとなり、このような特定の金属酸化物微粒子1eAを、アルコキシシラン構造を有するモノマーが含有された表面層用組成物の重合硬化物である特定のシロキサン樹脂を形成する際に当該アルコキシシラン構造を有するモノマーと共に重合反応させることにより、当該アルコキシシラン構造を有するモノマーとの化学反応により強固に固定され、その結果、高い耐久性を有する表面層1eを形成することができる。
特定の金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径が上記範囲内であることにより、十分に高い膜強度を確保することができる。一方、特定の金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径が3nm未満である場合は、表面層1eを形成するための塗布液中における分散性が低くなるために特定の金属酸化物微粒子1eAが凝集し、従って均一な塗膜を形成することができないことがある。また、特定の金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径が150nmを超える場合は、表面層1e内における分散の均一性が低くなり、長期間にわたって使用すると表面の粗さが大きくなってしまう傾向がある。
特定の金属酸化物微粒子1eAの含有割合が上記範囲であることによって、表面層1eの硬度を適切に調整することができる。
電子輸送剤としては、従来公知の種々の電子輸送剤を用いることができるが、特に、上記一般式(1)で表されるナフトキノン構造を有する化合物を用いることが好ましい。
電子輸送剤としては、電界強度が5×105 v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2 /V/sec以上である化合物を用いることがより好ましい。
電子輸送剤の含有割合が上記範囲であることによって、表面層1eに適度な電子輸送性が得られる。
滑剤粒子としては、例えばフッ素原子含有樹脂粒子が挙げられる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂などが挙げられ、これらの共重合体を用いることもできる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に四フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂を用いることが好ましい。
本発明の感光体のように、表面層1eが特定のシロキサン樹脂によって構成されていると、クリーニングブレードによるトルクが増大し易いが、有機微粒子を添加することにより、感光体表面が適度に粗面化されることや当該有機微粒子の表面エネルギーのため、クリーニングブレードによるトルクが低減されてクリーニング性の向上を図ることができる。
有機微粒子としては、例えば架橋スチレンアクリル樹脂やベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子を用いることができる。
表面層1eの層厚が上記の範囲内にあることにより、帯電手段により付与される負電荷を確実に表面層1eの表面から電荷輸送層1dとの境界領域に輸送することができる。
表面層1eのユニバーサル硬さが上記の範囲であることにより、感光体に適度な耐摩耗性が得られる。
具体的には、「フィッシャースコープH100」により試験荷重下でダイヤモンド四角錐のビッカーズ圧子に荷重Fをかけて感光体表面を押し込んだときの、押し込み深さhおよび荷重Fから下記式(HU)により求める。
式(HU):HU(ユニバーサル硬さ)=F/(26.45×h2 )
表面層1eは、アルコキシシラン構造を有するモノマー、特定の金属酸化物微粒子1eA、電子輸送剤を含有する表面層用組成物に、必要に応じて公知の樹脂、光塩基発生剤、滑剤粒子、酸化防止剤、溶媒などを添加して調製した塗布液を、公知の方法により電荷輸送層1dの表面に塗布して塗布膜を形成し、硬化処理することにより、作製することができる。
アルコキシシラン構造を有するモノマー同士の反応や、アルコキシシラン構造を有するモノマーと特定の金属酸化物微粒子1eAの特定の反応性有機基との反応には、例えばゾル・ゲル法による加水分解・重縮合反応や、光塩基発生剤による反応を利用することができる。
光塩基発生剤の使用割合は、例えばアルコキシシラン構造を有するモノマー100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部である。
表面層1eの形成に使用される溶媒としては、純水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
導電性支持体1aは、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
中間層1bは、導電性支持体1aと感光層1fとの間にバリアー機能と接着機能とを付与するものである。種々の故障防止などの観点から、このような中間層1bを設けることが好ましい。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
金属酸化物粒子は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
中間層形成用塗布液における中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層1bの層厚や塗布方法に応じて適宜選択することができる。
電荷発生層1cは、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
また、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、中間層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
電荷輸送層1dは、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層1dの形成において用いられる溶媒としては、電荷発生層1cの形成に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。
また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
近接帯電方式の帯電による画像形成を行う場合においては感光体が薄膜であるほど帯電しやすく、かつ、拡散による静電潜像の劣化が抑制されるため、感光層1fおよび表面層1eの合計の層厚が20μm以下であることにより、高解像度の画像を確実に形成することができる。
感光層1fの層厚が過大である場合は、接触帯電方式の帯電を行う場合に帯電不良が生じ易く、特に低温低湿環境での帯電不良に伴うハーフトーンスジが発生し易くなる。
感光層1fおよび表面層1eが積層された膜は、導電性支持体1a上に感光層1fおよび表面層1eのみを上記の塗布等の方法によって形成されるものである。
本発明の画像形成装置は、上記の感光体を備えるものである。
具体的には、例えば上記の感光体と、当該感光体の表面を負に帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、帯電手段により帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体にトナーを供給して静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段とを備える。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット70と、給紙手段21および定着手段24とからなる。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
本発明に係る画像形成装置は、感光体1Y,1M,1C,1Bkとして、各々上記の本発明の感光体を用いる。
ここで、近接帯電方式とは、感光体の表面近傍の微小な空隙で発生する近接放電を利用した帯電方式を指す。近接帯電方式には、具体的には、接触ローラ帯電方式、非接触ローラ帯電方式、ブラシ帯電方式などが含まれる。
帯電手段2Yとしては、表面層1eと接触する帯電部材を有するもの、具体的には接触ローラ帯電方式やブラシ帯電方式のものなどが好ましく用いられる。
帯電手段2Yとしては、表面層1eと接触する帯電部材によって交流電圧を重畳して印加する構造のものを用いることが特に好ましい。
この例の帯電手段2Yは、感光体1Yの表面に接触して配設された帯電ローラと、帯電ローラに電圧を印加する電源とからなる。
帯電ローラは、例えば、導電性支持体上に抵抗調整層が形成されてなるものである。
次いで、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkを、回動する中間転写体77と当接させる。それにより、感光体1Y,1M,1C,1Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー像を、回動する中間転写体77上に逐次転写させて、カラートナー像を形成する(一次転写工程)。画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは、常時、感光体1Bkに当接する。一方、他の一次転写ローラ5Y,5M,5Cは、カラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに当接する。
二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラートナー像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写体77は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
本発明に係る画像形成装置に用いられるトナーは、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
上記式(S−1)で表される化合物よりなる表面処理剤2.5gを、テトラヒドロフラン10mLに溶解させて撹拌し、これを、SiO2 「アエロジル200」(平均一次粒子径:12nm、日本アエロジル社製)20.0gにガラス製のパスツールピペットを用いて、約2分間かけて滴下した後、得られた粉体を1Lのセパラブルフラスコに移し、窒素気流下で2時間加熱撹拌した。この時、窒素流量は200ml/minとした。得られた微粒子を金属酸化物微粒子〔1〕とした。
金属酸化物微粒子の作製例1において、原料金属酸化物微粒子として表1に記載のものを用い、表面処理剤の量を表1に記載の通りにしたこと以外は同様にして、金属酸化物微粒子〔2〕〜〔5〕を作製した。
ただし、Al2 O3 「Nanotek」およびSnO2 「Nanotek」はシーアイ化成社製、SiO2 「SFP−20M」は電気化学工業社製、SiO2 「アエロジルOX50」は日本アエロジル社製のものである。
(1)導電性支持体の作製
ドラム状のアルミニウム支持体(外径30mm)の表面を切削加工して導電性支持体〔1〕を作製した。
下記組成物を分散機としてサンドミルを用いてバッチ式で5時間分散して分散液を得た。
・中間層用バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1質量部
・金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3質量部
・溶媒:メタノール 10質量部
この分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液を調製した。
この中間層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体〔1〕の外周面に浸漬コーティング法によって塗布し、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(3−1)電荷発生物質の合成
1,3−ジイミノイソインドリン29.2質量部をo−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250質量部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000質量部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225質量部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
得られた無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比)とを、オルトクロロベンゼン(ODB)200質量部中にて混合し、60〜70℃で6時間加熱撹拌し、得られた溶液を一夜放置した後、この反応液にメタノールを加え、生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗浄することにより、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料よりなる電荷発生物質〔CG−1〕10.3質量部を得た。
電荷発生物質〔CG−1〕のX線回折スペクトルを測定した結果、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°にピークが確認された。また、IRスペクトルを測定した結果、970cm-1付近にのTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れ、また熱分析(TG)を行った結果、390〜410℃に約7%の質量減少があることから、得られた電荷発生物質〔CG−1〕は、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、チタニルフタロシアニン(非付加体)との混合物であると推定される。
得られた電荷発生物質〔CG−1〕のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所社製)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
(3−2)電荷発生層の形成
下記原料を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質〔CG−1〕 20質量部
・電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化
学工業社製) 12質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
上記中間層〔1〕上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬コーティング法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:下記式(CTM)で表される化合物 225質量部
・電荷輸送層用バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製
) 300質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 6質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 1600質量部
・溶媒:トルエン 400質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を、円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚28μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
・重合性化合物:上記式(1)で表されるアルコキシシラン構造を有するモノマー
100質量部
・金属酸化物微粒子〔1〕 15質量部
・溶媒:2−ブタノール 400質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 40質量部
からなる組成物を遮光下で混合し、分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、
・電子輸送剤:上記式(A1)で表される化合物 40質量部
・光塩基発生剤:「WPBG−266」(和光純薬工業社製) 10質量部
・純水 3質量部
を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、表面層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この表面層形成用塗布液〔1〕を、円形スライドホッパー塗布装置を用いて電荷輸送層〔1〕上に塗布して塗膜を形成し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射することにより、乾燥膜厚3.5μmの表面層〔1〕を形成し、これにより、感光体〔1〕を作製した。
感光体の作製例1における表面層の形成工程において、表1の処方に従ったこと以外は同様にして、感光体〔2〕〜〔15〕を作製した。
なお、表1中の比較例4,5に用いられる金属酸化物微粒子〔6〕は、「SFP−20M」(平均一次粒子径:30nm、電気化学工業社製)そのままである。
また、表1中の比較例4,5に用いられる重合性化合物は、下記式(6)で表される化合物である。
また、表1中の比較例2に用いられる電荷輸送剤は、下記式(B)で表される化合物(ホール輸送剤)である。
印字率5%相当の文字チャートを3万枚印字した後に、感光体の表面層の膜厚を測定し、表面層の減耗量を算出し、下記の評価基準に従って評価した。膜厚の測定は渦電流式膜厚測定機「フィッシャースコープMMS PC」(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いた。
−評価基準−
A:減耗量が0.3μm以内である場合(合格)
B:減耗量が0.3μmより大きく0.6μm以内である場合(合格)
C:減耗量が0.6μmより大きく1.0μm以内である場合(不合格)
D:減耗量が1.0μmより大きい場合(不合格)
(2−1)画像ムラの評価
評価機によってA3用紙10万枚に対して印字率が5%相当の文字チャートを連続して印刷した。その後、A3用紙1枚に対して図3に示すような黒ベタ画像によるパッチ部Cとハーフトーン画像による画像部Bとを有するチャートを印刷し、このハーフトーン画像を目視で観察し、下記の評価基準に従って画質を評価した。
−評価基準−
A:ハーフトーン画像の品質の劣化がほとんど確認されない場合(合格)
B:ハーフトーン画像の品質の劣化が若干、確認された場合(合格)
C:ハーフトーン画像の品質の劣化が確認される場合(不合格)
D:ハーフトーン画像の品質の劣化が著しく、実用上問題となるレベル(不合格)
評価機によって、高温高湿(温度30℃、相対湿度85%)環境下で、A3用紙2000枚に対して印字率が5%相当の文字チャートを連続して印刷した。その後、A3用紙1枚に対してハーフトーン画像(参照用ハーフトーン画像)を印刷した。その後、評価機の電源を切り、8時間放置した後、当該評価機の電源を再び入れ、A3用紙20枚に対してハーフトーン画像を連続して印刷した。印刷されたハーフトーン画像(テスト用ハーフトーン画像)を参照用ハーフトーン画像と比較して目視にて観察し、下記の評価基準に従って画質を評価した。
−評価基準−
A:テスト用ハーフトーン画像の品質が参照用ハーフトーン画像の品質と同等であった場合(合格)
B:テスト用ハーフトーン画像の品質が参照用ハーフトーン画像の品質に比べてわずかに劣化が認められた場合(合格)
C:テスト用ハーフトーン画像の品質が参照用ハーフトーン画像の品質に比べて劣化が認められた場合(不合格)
D:テスト用ハーフトーン画像の品質が参照用ハーフトーン画像の品質に比べて著しい劣化が認められ、実用上問題となるレベル(不合格)
評価機によってA3用紙10万枚に対して印字率が5%相当の文字チャートを連続して印刷した後、A3用紙1枚に対してハーフトーン画像を印刷した。その後、評価機に搭載されている感光体の表面を目視で観察した。また、印刷されたハーフトーン画像における画像欠陥の有無を目視で観察した。そして、下記の評価基準に従って、感光体の表面の状態とハーフトーン画像における画像欠陥の有無との相関性を評価した。この評価において、感光体の表面にスジの発生およびフィルミング(例えば、像現像剤や外添剤の残存)の発生が確認されなければ、感光体の表面層の硬度が高いといえる。また、画像欠陥は、フィルミングの発生に相関して発生するものである。
−評価基準−
A:感光体の表面にスジの発生およびフィルミングの発生が確認されず、かつ、ハーフトーン画像に画像欠陥の発生が確認されなかった場合(合格)
B:感光体の表面にはスジの発生およびフィルミングの発生が確認されるものの、ハーフトーン画像には画像欠陥の発生が確認されなかった場合(合格)
C:感光体の表面にスジの発生およびフィルミングの発生が確認され、かつ、ハーフトーン画像に画像欠陥の発生が確認された場合(不合格)
D:感光体の表面にスジの発生およびフィルミングの発生が確認され、かつ、ハーフトーン画像に画像欠陥が顕著に発生し、実用上問題となるレベル(不合格)
1b 中間層
1c 電荷発生層
1d 電荷輸送層
1e 保護層
1eA 特定の金属酸化物微粒子
1f 感光層
1Y,1M,1C,1Bk 感光体
2Y,2M,2C,2Bk 帯電手段
3Y,3M,3C,3Bk 露光手段
4Y,4M,4C,4Bk 現像手段
5Y,5M,5C,5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6Y,6M,6C,6Bk,6b クリーニング手段
10Y,10M,10C,10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A,22B,22C,22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 中間転写体ユニット
71,72,73,74 ローラ
77 中間転写体
80 筐体
82L,82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材
Claims (9)
- 導電性支持体上に、中間層、感光層および表面層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、
前記表面層が、下記一般式(2)で表されるモノマーと、表面処理剤由来の反応性有機基が結合された金属酸化物微粒子と、電子輸送剤とを含有する組成物の硬化物からなり、
前記表面処理剤は、下記式(S−1)、(S−3)、(S−4)および(S−5)の少なくともいずれか一つの化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
一般式(2):(R) m −Si−(X) 4−m
〔式中、Rは、隣接するケイ素原子(Si)に炭素が直接結合した形状の有機基を表し、Xは、加水分解性基を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
- 前記金属酸化物微粒子が、SnO2、SiO2およびAl2O3よりなる群から選ばれる少なくとも1つよりなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電子輸送剤が、下記一般式(1)で表されるナフトキノン構造を有する化合物よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層および表面層の合計の層厚が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の層厚が4μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体と、当該電子写真感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された電子写真感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段とを備える画像形成装置であって、
電子写真感光体が、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記近接帯電方式の帯電手段が、前記表面層と接触する帯電部材を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材が、交流電圧を重畳して印加するものであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 導電性支持体上に、中間層、感光層および表面層がこの順に積層されてなる電子写真感光体の製造方法であって、
前記表面層の形成工程が、
金属酸化物微粒子を下記式(S−1)、(S−2)、(S−3)、(S−4)および(S−5)の少なくともいずれか一つの化合物を含む表面処理剤で処理することにより、前記表面処理剤由来の反応性有機基を前記金属酸化物微粒子に結合させ、
前記反応性有機基が結合された前記金属酸化物微粒子と、下記一般式(2)で表されるモノマーと、電子輸送剤とを含有する組成物を硬化させることを含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
一般式(2):(R) m −Si−(X) 4−m
〔式中、Rは、隣接するケイ素原子(Si)に炭素が直接結合した形状の有機基を表し、Xは、加水分解性基を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
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