JP2001511733A - トレッドパターン及びその製造方法 - Google Patents

トレッドパターン及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トレッドの回転表面(2)に対して直交し或いは傾斜した主壁(5、6)によって定められる複数の切欠き(3、4、27)を備えた、厚さEのトレッド(1)に関する。本発明は、走行時にタイヤの地面での載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に置かれた少なくとも1つの切欠き(3)の2つの主壁(5、6)が、少なくとも1つのゴムの連結要素(7)によって連結されており、連結要素(7)が、壁(5、6)の各々について、全体交差表面に相当する連結表面SEを有し、各壁での連結表面SEが、前記壁の表面STの少なくとも10%であり、壁(5、6)の一方について、少なくとも1つの連結要素(7)の交差箇所の表面の外部断面形の全ての箇所が、切欠きの深さよりも小さな回転表面(2)から一定距離のところに置かれており、各壁について、連結表面SEが、表面SGのせいぜい80%であり、表面SGが、切欠きの前記壁で測定して、最小長さの断面形Lによって構成され、連結表面SEを覆う表面と等しい、ことによって特徴付けられる。本発明は又、このようなトレッドの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 トレッドパターン及びその製造方法 本発明は、新品のタイヤを製造し、或いはタイヤを更生するためのトレッドに 関する。より詳細には、本発明は、溝および/又は切込みの形態の多数の切欠き を備えたトレッドのパターンに関する。本発明は又、このようなトレッドを製造 する方法に関する。 新しい車両の改良された性能にタイヤの性能を適合させるためには、とりわけ 、他の性能に悪影響を及ぼすことなしに、湿潤路面上でのタイヤの付着性能を向 上させることが必要になっている。“付着”とは、車両の移動に対して横断方向 におけるタイヤの付着性能(コーナリング性能)と車両の移動に対して長さ方向 におけるタイヤの付着性能(路面に対して制動力又は駆動力を伝達する能力)を 両方を意味している。 水膜で覆われた路面上を走行するタイヤのトレッドの付着性能を増大させるた めに、路面と接触するトレッドの表面(この表面は、回転表面と呼ばれている) に開放し、複数の切欠きで形成されたパターンを、トレッドに設けることが知ら れている。 “切欠き”は、トレッドを加硫し、材料を取り除くことによって、或いは、ス トリップを成形し、成形表面上に突出した成形要素(各成形要素は、所望の切欠 きの形体と同じ形成を有している)を備えたモールド内で成形することによって 、トレッドに形成される。一般に、トレッドに形成される切欠きは、対面する少 なくとも2つのゴム壁によって構成され、ゴム壁は、切欠きの幅となる平均距離 だけ隔てられており、ゴム壁と回転表面との交差部は、ゴムの稜線を形成してい る。切欠きの種類には、例えば、 トレッドの厚さの約10%以上の幅によって特徴付けられる溝、 トレッドの厚さと比較して比較的小さな幅の切込み(切込みは、一定の応力条 件下において、路面と接触して少なくとも部分的に塞がる。対面する壁は、少な くとも壁の表面の多少大きな部分にわたって接触する。切込みによって回転表面 に形成される稜線が接触して、切込みが閉じる。)、 のようなものがある。 切欠きの中には、少なくとも1つの他の切欠きに開放しているものがある。ト レッドの回転表面での切欠きの形状は、回転表面の切欠きの壁によって形成され る稜線から平均距離のところに位置する幾何学的形体として決定される平均的な 幾何学的形体を辿る。回転表面での切欠きの形状の中心軸線は、平均的な形体の 点の切欠きの形状からの距離の最小二乗法による得られる直線に相当する。さら に、パターンの溝比率を、回転表面での切欠きの面積をタイヤと路面との間の全 接触面積で除した比率として定義するのが普通である。 回転表面上に開放している複数の切欠きを形成することによって、複数のゴム の稜線が、路面に存在する水膜を破砕するようになっており、タイヤを地面と接 触させ、かつ、タイヤと路面との接触帯域にある水を収集し除去する溝となるキ ャビティを形成する。何故ならば、これらの切欠きが、接触帯域の外側に開放す るように構成されているからである。 このようなパターンの一例が、米国特許第1,452,099号に示されてお り、この特許には、横断方向に配向された複数の規則的に間隔を隔てた切込みを 備えたトレッドが記載されている。 しかしながら、切欠きの数が急速に増加すると、トレッドの剛性がかなり減少 し、タイヤの性能、及び付着に悪影響を及ぼす。“トレッドの剛性”とは、路面 との接触によって影響を及ぼされる領域での圧縮応力と剪断応力の作用下でのト レッドの剛性を意味している。また、排水溝となる多数の切欠きの存在により、 最近の車両の設計では特に出来るだけ減少させるのが望ましいとされている乾燥 路面での走行音が発生する。この走行音は、閉鎖時の切欠きの壁の摩擦と関連し た切欠きの周期的な開閉によって増幅される。 仏国特許第1028978号では、このような課題に対する解決策が提案され ているが、この特許は、回転表面付近のみにおいてトレッドの可撓性を増大させ るように、新しいトレッドの回転表面上に深さの小さい複数の円周方向切込みを 備えたトレッドを提供することにある。 しかしながら、タイヤが車両に取付けられると、その全寿命にわたって(すな わち、少なくとも法的に許容される程度に相当する程度までトレッドが磨耗する まで)良好な性能を提供することを意図しているので、湿潤路面での付着性能の 持続的な品質を確保するパターンを有するトレッドを提供することが必要である 。 本発明の目的は、湿潤路面および乾燥路面において騒音を発生させずに極めて 良好な付着を提供し、かつ、寿命の少なくとも大部分にわたって走行できる、タ イヤ用トレッドを開発することである。また、本発明の目的の1つは、トレッド の磨耗に関する性能を向上させることである。 本発明によれば、タイヤの外側に半径方向に置かれるようになった、ゴム混合 物の厚さのトレッドが提供され、このトレッドには、走行時に路面と接触するよ うになった回転表面が設けられている。トレッドには、タイヤの路面との接触帯 域によって影響を及ぼされるように、多数の切欠きが設けられている。各切欠き は、主として2つの対向壁間の空隙によって構成されており、これらの壁は、回 転表面と直交し或いは傾斜しており、各切欠きは、せいぜいトレッドの厚さEと 等しい深さを有しており、切欠きの深さは、新しいタイヤの回転表面および前記 回転表面から最も離れた切欠きの断面形の箇所の間の半径方向距離として測定さ れる。さらに、走行時にタイヤの路面への載荷によって影響を及ぼされるトレッ ドの部分に置かれた少なくとも1つの切欠きの2つの主壁が、少なくとも1つの ゴムの連結要素によって連結されている。 基準SEは、単一の要素の場合には連結要素の全体交差表面に、そして幾つか の要素の場合には全ての連結要素の交差表面の全体に等しい切欠きの各壁の全体 連結表面で表され、切欠きの各主壁の全体表面は、STで表される。 本発明によるトレッドは、 走行時にタイヤの地面での載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に置 かれた少なくとも1つの切欠きの2つの主壁が、少なくとも1つのゴムの連結要 素によって連結されており、連結要素が、壁の各々について、全体交差表面に相 当する連結表面SEを有し、各壁での連結表面SEが、前記壁の表面STの少なく とも10%であり、 壁の一方について、少なくとも1つの連結要素の交差箇所の表面の外部断面形 の全ての箇所が、切欠きの深さよりも小さな回転表面から一定距離のところに置 かれており、 各壁について、連結表面SEが、表面SGのせいぜい80%であり、表面SGが 、切欠きの前記壁で測定して、最小長さの断面形Lによって構成され、連結表面 SEを覆う表面と等しい、 ことによって特徴付けられている。 壁について、この壁の全体連結表面SEを覆う最小長さの幾何学的断面形Lは 、全ての連結要素の交差表面によって形成される全ての全体連結表面を覆うよう に壁上にトレースされる断面形に対応している。切欠きが、互いに面する少なく とも2つの主壁によって構成される連続空隙として定義されるので、本発明によ る壁間の少なくとも1つの連結要素の存在は、切欠きを有するトレッドの磨耗の 度合いにかかわらず、この空隙の連続性を妨げない。 有利には、付着効果および騒音性能は、走行音に関する性能に悪影響を及ぼす ことなしに大きな付着性能を得るように、少なくとも1つのゴムの連結要素を備 えたタイヤ用トレッドのパターンを形成する切欠きの数を多くすれば、向上する 。 有利には、切欠きの壁間の最適な連結効果および十分な長さのゴムの稜線を得 るために、最小長さの断面形Lによって構成され、全体連結表面表面SEを覆う 表面SGは各々、対応する壁の表面STの少なくとも15%である。好ましくは、 少なくとも1つの切欠きの少なくとも1つの主壁の全体連結表面SEは、トレッ ドに十分な付着性能を与える切欠きの容積を保持するように、対応する壁の表面 STのせいぜい80%である。 本発明のトレッドは、以下のような幾つかの利点を有している。 第1に、トレッドの長さ方向に対して実質的に横断方向に配向された切欠きに ついて、ゴムの稜線の路面への衝撃が減少し、その結果、比較的多数の稜線の存 在にもかかわらず、走行時の騒音の発生がかなり減少する。 第2に、接触面積に関して、横断方向に配向され、リリーフ要素の対向面間の 切込みの壁の間の連結要素の存在により、騒音を発生させる振動を引き起こす、 接触面積からのタイヤのゴム要素の振動運動を制限し、これにより、振動による 騒音を減少させる。 第3に、騒音の減少により、接触時の切込みの壁の摩擦が減少し、連結要素が 、 壁の全体移動および相対移動を回避する。 第4に、幅が小さく、少なくとも1つの連結要素を備えた複数の切込みの場合 に、磨耗される大きな表面のゴムを維持しつつ、付着が極めて向上する。 全体にわたり、このようなパターンと関連した騒音源は、連結要素のない同じ 切欠きを有するパターンと比較して、前記壁間の連結要素の存在から得られる切 欠きの壁の移動の減少により、極めて弱くなる。 本発明によるトレッドパターンは、少なくとも1つの連結要素を備えた複数の 切欠きと連結要素のない複数の切欠きとを結合してもよく、これらの切欠きの比 率は、例えば、パターンを有するタイヤの種類の関数である。 本出願人は、実質的に同じ方向に配向された複数の切欠き(各切欠きが、主と して2つの対向壁間に定められた空隙によって構成され、前記壁が、回転表面と 直交し或いは回転表面に対して傾斜しており、前記切欠きが、深さhを有してい る)を備えた厚さEのトレッドを設けたタイヤを使用したとき、極めて良好な結 果を得た。 “切欠きの深さh”とは、新しいトレッドの回転表面に近接した切欠きの稜線 と、回転表面から半径方向に最も離れた切欠きの壁の箇所との間で測定した最大 半径方向距離を意味している。深さhは、切欠きの壁の半径方向に最も離れた箇 所間の最大半径方向距離を表しており、せいぜいトレッドの厚さEに等しい。 さらに、本発明の1つの変形例によるトレッドは、 切欠きの2つの主壁が、少なくとも1つのゴムの連結要素によって連結されて おり、連結要素が、壁の各々について、全体交差表面と等しい連結表面SEを有し ており、 各切欠きについての連結比率TP=SE/STが、少なくとも0.10、せいぜ い0.80であり、SEが、壁の各々について連結要素の全体交差表面と等しく 、STが、切欠きの各主壁の全体表面を表しており、 切込みのピッチpと深さhとの比率p/hが、少なくとも0.2、せいぜい1 .9である、 によって特徴付けられている。 トレッドの異常な磨耗の出現を回避するために、そして切欠きの連結比率TP の値が一定の場合には、新品状態で比率p/hが、式 (p/h)≧(1/5)×(1/TP0.75 を満足するように、ピッチを選定するのが好ましい。 また、良好な付着性能を得るために、比率p/hが、式 (p/h)≦2×(1−TP0.5 を満足するように、ピッチを選定するのが妥当である。 また、走行時に良好な結果が得られる連結比率TPを得るようにトレッドのピ ッチに応じて規則的に配列された切欠きの平均幅(すなわち、切欠きの主壁間の 平均距離)eを考慮することも可能である。本出願人は、連結比率TPが少なく とも0.10、せいぜい式 1/〔1+(1/3)ε0.75〕 (ここで、ε=(p−e)h) に等しいときに、良好な付着と磨耗に関する結果が得られることを見い出した。 連結比率TPが約0.10以下であると、目的を達成することができる。何故 ならば、連結要素が、十分な剛性を提供せず、連結される切欠きの壁の移動を十 分に阻止することができないからである。好ましくは、連結比率TPは、0.2 5以上である。 一方、この比率が提案した制限値を超えると、剛性が大きくなりすぎ、活性稜 線の長さは、満足すべき付着性能を維持することができない程に小さくなる。タ イヤのトレッドの“活性稜線の長さ”とは、所定の磨耗度のトレッドについて路 面と接触する全てのゴムの稜線の長さの総計を意味している。 さらに、トレッドの磨耗に関する十分な性能を維持するために、切欠きの壁の 一方に関して、トレッドの部分的な磨耗の後に残る連結表面を表す所定の部分磨 耗レベルSP、およびトレッドの同じ部分磨耗レベルに対応する壁の全体残部表 面を表すSTから少なくとも開始して、トレッドの異なる磨耗レベルについて評 価した連結比率TP=SP/STの値が、タイヤの磨耗につれて実質的に規則的に 減少するのが妥当である。このようにして、剛性に関する連結要素の効果は、ト レッドが新しいときに最大であるが、磨耗から生ずるトレッドの剛性の増加につ れて徐々に減少する。 一方、タイヤの回転試験によれば、本発明により以下の結果が得られる。 第1に、横断方向の切欠きの接触帯域から生じ、或いは円周方向の切欠きのコ ーナリング時に生ずる路面に対するゴムの摺動を減少させることによって、磨耗 を改善する。 第2に、切欠きの底部(すなわち、トレッドの内側に半径方向に最も離れた部 分)の疲労強度を改善する。 第3に、連結要素を備えた切欠き内に石が保持されにくい。 本発明によるタイヤの排水能力(すなわち、路面に存在する水を排出する能力 )は、トレッドの磨耗度にかかわらず、十分であり、これは、使用者にとって特 に魅力的な利点である。 湿潤路面の走行時に本発明によるトレッドパターンの長期的な効率を得るため に、各磨耗度に対応するパターンの活性稜線の長さは、好ましくは、新品状態の トレッドの回転表面の活性稜線の長さの少なくとも50%として定義される。 極めて多数の切欠きが存在しているにもかかわらず、トレッドが接触応力を受 けるときに十分な剪断強度と曲げ強度を維持するために、新品状態における回転 表面に密接した稜線と前記壁の前記要素の交差表面の断面形の箇所との距離が、 切欠きの高さhのせいぜい60%、好ましくは40%〜60%であるように、各 切欠きの連結要素を配列するのが妥当である。 本発明によるトレッドのもう1つの改良点は、切欠きの壁によって構成される ゴム要素の剛性を生じさせる良好な規則性を確保するように、各切欠きに極めて 規則的に分布した多数の連結要素を備えた複数の切欠きを設けることにある。 この後者の改良点によるトレッドは、複数の切欠きを備え、各切欠きが、主と して2つの対向する主壁間に定められた空隙によって構成されており、前記壁が 、回転表面と直交し或いは回転表面に対して傾斜しており、せいぜいトレッドの 厚さEと等しい新品タイヤの回転表面から最も離れた切欠きの輪郭の箇所の間で 測った半径方向距離として測定して、深さhを有している。 このトレッドは、 走行時にタイヤの地面での載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に置 かれた少なくとも1つの切欠きの2つの主壁が、複数のゴムの連結要素によって 連結されており、連結要素が、少なくとも1つの主壁について、前記壁について 全ての連結要素の交差表面に等しい全体連結表面SEを有しており、各壁につい ての連結表面SEが、前記壁の表面STの少なくとも10%であり、 各連結要素が、各壁について、せいぜい(E*E/20)に等しい交差表面を 有しており、 最小周囲の断面形Lによって構成され、全体連結表面SEを覆う表面SGが、前 記壁の表面STの少なくとも70%である、 ことによって特徴付けられている。 このトレッドは、トレッドの磨耗度にかかわらず、特に均一で一定の性能をタ イヤに与える。 本発明の別の目的は、少なくとも1つの連結要素を有する複数の切欠きを備え たトレッドの製造方法を提供することである。切欠きを製造する普通の方法は、 このようなトレッドパターンを容易に且つ精密に製造するのに適していない。何 故ならば、トレッドの回転表面の下方に少なくとも1つの連結要素を配列すると いう事実により、切込みを成形するのに金属刃を用いる普通の成形法を使用する と、トレッドを脱型することができないからである。 本発明の1つの目的は、少なくとも1つの切欠きを備え、切欠きの主壁が、少 なくとも1つの連結要素によって連結されており、脱型の課題を取り除いた、タ イヤのトレッドの製造方法を提供することである。本発明による厚さEのトレッ ドの製造方法は、以下の工程、すなわち、 a)適当な材料でインサートを製造する工程を備え、インサートが、トレッド に所望の切欠きの一般形態と、切欠きの幅に等しい厚さとを有しており、 b)各インサートにおいて材料を取り除いて、オリフィスを予め選定した配列 に得る工程を備え、各オリフィスが、一方の同じ切欠きの2つの主壁間で連結要 素の横断面に等しい形状を有しており、 c)インサートをゴムの非加硫ストリップ内に挿入する工程と、 d)トレッドの寸法を有するモールド内で成形し、トレッドを成形して加硫し 、インサートのオリフィス内で連結要素を形成する工程と、 e)加硫の後、トレッドを脱型する工程と、 を備えている。 もちろん、このトレッドは、所定長さのストリップの形態に形成してもよく、 製造又は更生時にタイヤ素材の半径方向外側に配置されるようになった閉鎖リン グの形態に形成してもよい。 上述の製造方法の1つの変形は、前記工程a)〜c)を行い、そしてこのよう に組み立てられたタイヤ/トレッド・アセンブリの成形および加硫を行う前に、 非加硫、非成形ゴムストリップをタイヤ素材上に置くことにある。 より一般的には、ゴムストリップ内にインサートを挿入することにあるこの方 法は、連結要素をもたない複数の切欠きを成形するために、オリフィスのない複 数のインサートを備えたトレッドを製造する場合に適用してもよい。 ゴムストリップ内へのインサートの挿入を容易にするため、非加硫ゴムストリ ップ内に、壁間に少なくとも1つの連結要素を備えた切欠きの寸法と実質的に等 しい寸法を有する切欠きを製造する方法が、提供される。 インサートを形成し、少なくとも1つの連結要素を備えた切欠きを充填する材 料は、長い稜線を恒久的に維持するために、少なくとも部分的に、すなわち新品 時そして走行時に徐々に回転表面に少なくとも密接する部分を取り除くことがで きるように選定される。 本出願人は、このような用途に紙パルブが特に適している充填材料であること を見い出した。何故ならば、紙パルブが、十分な時間水が存在すると凝集力が極 めて小さいことによって特徴付けられ、従って、タイヤの走行時に徐々に取り除 くことができるという利点、或いは水の存在下に配置し且つ走行前に取り除くこ とができるという利点を有しているからであり、少なくとも1つの連結要素を備 えた切欠きの厚さが少なくとも0.4mmであるとき、これらのことが一層容易 になる。 この方法の1つの変形は、例えば吸引又はトレッドの加硫後の送風によって充 填材料の除去を可能にするように、トレッドを形成するゴムの温度の漸進的な上 昇を考慮して、加硫の終期に向かってのみ流体になるため、インサートを構成す る材料として、トレッドの加硫温度に十分に近接した融点を有する材料を選定し たことにある。好ましくは、充填材料は、合金の除去を可能にし、合金のリサイ クルを可能にするように、低融点を有する合金、又はトレッドの成形段階の際、 そしてトレッドの加硫の終期に流体になる前の加硫段階の際、剛であるという利 点を有する合金である。 また、上述の方法に引き続いて、実質的に新品のトレッドの表面にのみ影響を 及ぼし、トレッドの回転表面に複数の稜線を形成することを意図した研磨作業を 行ってもよい。モールドから出現する良好な表面状態を得る別の方法は、少なく とも1つの連結要素を備えた全ての切欠きを、複数の切欠きを回転表面に成形す るようになった複数のリリーフ要素を有するモールドに配列することにあり、切 欠きの深さは、回転表面の少なくとも1つの連結要素を備えた切欠き間の最小距 離よりも僅かに大きい。このようにして、トレッドは、磨耗するにつれて、複数 の切欠きを新しいトレッドの回転表面の下方に徐々に見せるであろう。 本発明は、限定的なものではなく、例示的な実施例を示した添付図面を参照す ることによって、容易に理解されるであろう。 第1図は、本発明によるトレッドの一部を示した概略図である。 第2図は、連結要素を備えた切欠きの壁に沿った、第1図のトレッドの断面図 である。 第3図は、本発明による単一の連結要素を備えた切欠きの壁に沿った、トレッ ドの断面図である。 第4図は、連結要素を備えた切込みを有するタイヤのトレッドであって、前記 切込みが、第1に円周方向に、第2に横断方向に配向されている。 第5図は、第4図のトレッドのXXに沿った断面であって、トレッドの回転表 面に対して傾斜した連結要素を備えた切欠きを示したものである。 第6図は、切欠きの連結要素の配置の変形例を示した図である。 第7図は、多数の連結要素を備えた切欠きの壁に沿ったトレッドの断面図であ る。 第8図は、新品のトレッドの回転表面の下方に複数の連結要素を備えた複数の 切込みを有するトレッドの変形例を示した図である。 第9図は、回転試験を行った、本発明によるトレッドパターンの2つの変形例 A、Bを示した図である。 第10図は、第9図の変形例A、Bを製造するのに使用されるインサートを示 した図である。 第11図は、切欠きの変形例を示した図であって、切欠きの主壁と連結要素が 、トレッドを形成するゴムとは異なる種類のゴム混合物を有するものである。 第1図において長さ方向に部分的に示されているトレッド1は、厚さEおよび 幅Wを有している。ストリップの外壁の1つが、トレッドを備えたタイヤの回転 表面2を形成するようになっている。タイヤは、新しいタイヤでもよく、修繕し たタイヤ、すなわち新しいトレッドが必要になる程にトレッドが磨耗したタイヤ でもよい。 トレッド1には、その幅Wの全体にわたって、複数の切欠き3、4が形成され ている。切欠き3は、回転表面2と直交し、切欠き3の幅Wと等しい平均距離e だけ間隔を隔てた2つの平らな主壁5、6によって構成されている。切欠き3を 構成する2つの壁5、6は、切欠きの半径方向最内箇所8のところで、回転表面 2に連結されている。壁5、6と回転表面2との交差部はそれぞれ、ゴムの稜線 51、61となっており、稜線の1つの機能は、トレッドと路面との間の水膜を 切ることである。 切欠き3は、切欠きの壁5、6を連結する5つのゴムの連結要素7を備えてお り、これらの連結要素7により、壁が実質的に一定の距離のところに維持され、 切欠き3を開閉しないようにすることができる。 第2図は、第1図のトレッド1の切欠き3の壁6に沿った横断面図である。連 結要素7の交差表面71、72、73、74、75が、壁6に沿って実質的に均 一に分布しており、これらの交差表面の総計が、全体交差表面SEを形成してい る。この場合には、連結要素は全て、回転表面2の下方であって、かつ、表面か ら切欠きの深さh以下の半径方向距離のところに全体が置かれた交差表面71、 72、73、74、75を有している。さらに、全体交差表面SEは、壁6に形 成され、壁6の連結要素7の交差表面71、72、73、74、75の全てを覆 う最小長さの断面形(破線で図示)によって構成される表面SGのせいぜい80 %である。これらの3つの条件は、結合したとき、トレッドの厚さと比較して比 較的大きな深さを有する多数の切欠きを備えたトレッドパターンを得ることがで き、これらの切欠きは、回転表面2に多数のゴムの稜線を形成し、トレッドパタ ーンは、荷重や走行による応力に抵抗するのに十分な剛性を提供するように製造 される。 公知の方法では、切欠きの主壁は、平らでもよく、湾曲していてもよい。 有利には、最適な効果を得るためには、トレッドは、少なくとも1つの連結要 素を有する複数の切欠きを備えており、最小長さの断面形Lによって構成され、 切欠きの外壁の全体交差表面SEを覆う表面SGは各々、対応する壁の表面STの 少なくとも15%である。 連結要素の1つと切欠きとの相対位置は、切欠きが地面に接触する活性稜線の 長さを大きくするように決定される。 別の実施例が、第3図に示されており、第3図は、トレッド1のリブの、切欠 きを構成する主壁間に延びた単一の連結要素10を備えた壁9に沿った断面図で ある。この要素10は、切込みの幅の方向に配向された2つの枝部101、10 2を備えており、これらの枝部は、トレッドの厚さの方向に配向された第3の枝 部103によって互いに連結されている。破線で示されている断面形Lは、単一 の要素の全体交差表面を覆い、枝部101、102の端部を通る最小長さの外形 に対応している。本発明の精神は、枝部101、102を連結する第3の枝部1 03が回転表面2まで延びているときに維持される。何故ならば、切欠きに対応 する単一容積が形成されるからである。 第4図は、円周方向に配向された切込みと横断方向に配向された切込みとを備 えたタイヤのトレッド1の一部を示しており、これらの切込みには各々、連結要 素が設けられ、トレッドの回転表面112に開放している。トレッド11は、軸 線方向に3つの環状領域I、II、IIIに分割されており、中央領域IIは、円周方 向に配向された溝12、13によって、2つの縁部領域I、IIIから分離されて いる。走行時の騒音によって妨げられることなしに、このようなトレッドを備え たタイヤの付着性能を向上させるため、実質的に横断方向に配向された幅狭の複 数の切込み14が、中央領域IIに設けられており、切込み14が、中央領域IIの 各々の 側で溝12、13に開放している。深さh、幅eが少なくとも0.1mmのこれ らの切込み14は、比率h/(p−e)が0.9以上になるように、平均ピッチ pで規則的に配列されている。かくして、領域IIの機械的特性を損なうことなし に、接触圧痕に高密度の稜線を有することができる。 縁部領域I、IIIには、実質的に円周方向に配向された少なくとも1つの切込 み15が設けられている。横断方向の切込み14と円周方向の切込み15には全 て、前記切込みを形成する主壁を連結する複数の連結要素141、151がそれ ぞれ設けられている。 ここで、“実質的に横断方向に配向された”とは、回転表面112の切込みの 痕の中心軸線が、トレッドの横断方向とせいぜい45°の角度をなしていること を意味している。また、“実質的に円周方向に配向された”とは、回転表面の切 込みの痕の中心軸線が、トレッドの横断方向と少なくとも75°、せいぜい90 °の角度をなしていることを意味している。トレッドの回転表面の切込みの痕の 回転軸線は、距離の最小二乗法を使用して、回転表面の切欠きの稜線の箇所間に 求められる平均方向に対応している。 このようにして、領域IIに横断方向に配向された切込みの存在によるトレッド の長さ方向における良好な付着性能、および、領域I、IIIに実質的に円周方向 に配向された少なくとも1つの切込みの存在による横断方向の付着性能を有する タイヤを得ることができ、これらの切込みには、壁を連結する連結要素が設けら れている。 補間的に、領域IIを領域I、IIIから分離する円周方向溝を構成する壁を連結 する連結要素を設けることもできる。 本発明によるトレッドの部分的な磨耗の後、切欠きの少なくとも1つの連結要 素が回転表面に表れ、従って、回転表面2の切欠きの主壁の各々によって形成さ れる稜線145、146の長さを減少させる。この影響を軽減するために、第4 図のトレッドの線XXに沿った断面に対応する第5図に示されるように、切欠き 14の第1の主壁142と第2の主壁143との間に連結要素141を配列する のが妥当であり、前記要素が、新しいトレッドの回転表面と直交する線に対して 90°以外の角度(好ましくは、30°〜70°)をなしている。 上述の欠点を克服する別の方法として、そして本発明によるトレッドの一定領 域での磨耗の局所化を回避するために、切欠き14が第4図に示されるトレッド の中央領域IIに局所化されている場合のように、実質的に同一の配向の2つの隣 接する切欠き間において連結要素の位置を半径方向にオフセットさせるのが有利 である。かくして、切欠きの壁の交差部によって形成されるゴムの稜線の位置は 、無秩序に分布される。多少のオフセットでの磨耗の後に連結要素が回転表面に 到達するという事実は、恒久的に(すなわち、タイヤの使用期間全体において) 路面との接触によって影響を及ぼされる回転表面の領域において長い稜線を維持 することを可能にし、(異常な外観、すなわち、局部的な磨耗を回避する)磨耗 を軽減し、走行時の騒音を軽減することを可能にする。 長さ方向において実質的な付着性能が要求される使用の場合には、少なくとも 1つの連結要素を備えた複数の切欠きのみを提供することができ、タイヤの回転 表面の切欠きの痕の中心軸線は、トレッドの横断方向に対してせいぜい45°の 角度をなしている。一方、横断方向において実質的な付着性能が要求される使用 の場合には、少なくとも1つの連結要素を備えた複数の切欠きを提供することが でき、トレッドの回転表面の切欠きの痕の中心軸線は、トレッドの軸線方向に対 して少なくとも75°、せいぜい90°の角度をなしている。回転表面の切欠き の痕の中心軸線が螺旋をなすように、横断方向に対して90°に近い角度に配向 された単一の連続した切欠きを形成することによって、同等の結果が得られる。 何故ならば、あたかもトレッドに実質的に円周方向に配向された複数の切欠きが 設けられているかのように、全てが路面との接触帯域で発生するからである。 少なくとも1つの連結要素を備えた切欠きは、回転表面と直交していてもよく 、選定した切欠きの傾斜の配向方向に応じて駆動力又は制動力を良好に伝達する ことができるように一定の使用におけるゴムの稜線の効率を増大させるため、新 品時にトレッドの回転表面と直交する方向に対してせいぜい20°の平均角度を なしていてもよい。 トレッドのパターンの剛性が、トレッドの磨耗による厚さの減少に伴い増大す るので、タイヤの荷重によって影響を及ぼされるトレッドの部分に配置され、少 なくとも1つの連結要素を備えた少なくとも1つの切欠きについて、比率TP= SP/STが、所定の部分的な磨耗度から少なくとも開始するタイヤの磨耗に伴い 、実質的に規則的に減少するのが妥当である。ここで、SPは、切欠きの壁の1 つについて、トレッドの部分磨耗の後に残る連結表面を表しており、STは、ト レッドの同程度の部分磨耗に対応する壁の全体表面を表している。これに関連し て、第6図は、回転表面2と実質的に平行な列に配列された連結要素7を備えた 切欠きの壁を横断面で示しており、列毎の連結要素7の数は、回転表面2が接近 するにつれて増加する。 第7図は、トレッドの同じ切欠きの主壁の連結による有利な構成を示している 。第7図では、連結要素の壁との交差部76の複数の表面が、切欠きの主壁66 に規則的に分布しているのが分かり、連結要素の密度は、比較的大きい(すなわ ち、壁の表面毎に多数の要素がある)。この場合には、最小長さの断面形Lによ って構成され、連結要素の交差表面を全て覆う表面SGは、壁66の全体表面の 90%程度であり、連結表面SEは、全体表面の40%程度である。連結要素が 各切欠きの壁に規則的に分布していてるときに、トレッドの剛性に関する最適な 効果が得られる。 さらに、連結要素間に置かれた切欠きの壁の領域が互いの方へ移動しないよう に、連結要素を備えた切欠きの壁の1つのみに連結された付加的なゴム要素を提 供するのが有利である。 本出願人は、本発明によるトレッドを備えた重車両用タイヤ(寸法215/7 5R17.5)について、回転試験と回転シミュレーション試験を実施した。第 9図は、試験した2つの型式のトレッドパターンの図を示している。第9A図は 、横断方向に配向され、15mmの平均ピッチpだけ円周方向に間隔を隔てた0 .1mm幅の複数の切欠き21を備えたトレッド18の変形例Aに対応している 。この変形例Aは更に、トレッドを4つの部分に軸線方向に分割する3つの円周 方向溝(幅5mm)を備えており、これらの部分も各々、幅2mmの円周方向切 欠き20によって2つに分割されている。切欠きは全て、同じ深さ(13.3m m)を有している。第9B図は、タイヤの横断方向に対して15°の平均角度を なす方向に配向され、10mmの平均ピッチpだけ間隔を隔てた1mm幅の複数 の切欠き25を備えたトレッド22の変形例Bに対応している。この変形例Bは 更に、 トレッドを3つの部分に軸線方向に分割する2つの実質的に円周方向19の起伏 形状の溝23(幅10mm)を備えており、これらの部分も各々、幅2mmの円 周方向切欠き24によって2つに分割されている。切欠きは、溝と同じ外形を有 している。2つの変形例A、Bの切欠きは全て、同じ深さを有しており、平均し て13.5mmである。 変形例A、Bのタイヤは、以下のようにして製造される。適当な幅と長さを有 する非加硫ゴムストリップを、所望の切欠きのトレースに沿って切り欠いた後、 変形例Aでは、0.1mm厚の紙でインサートを製造し、変形例Bでは、1mm 厚の板紙でインサートを製造する。切欠きの数と寸法は、同じである。次いで、 切欠きの連結要素の断面形状に相当する形状を有する複数のオリフィスを形成す るように各インサートを切り欠く。第10図は、実質的に矩形形状の複数のオリ フィス17を備えた1つのこのようなインサート16を示している。これらのオ リフィスの寸法は2×5mmであり、例えば、レーザ切断法又はパンチによって 形成される。次いで、これらのインサートを、非加硫トレッドに形成された切欠 きに配置する。 次いで、加硫モールド内でタイヤに成形される前に、このトレッドを非加硫タ イヤ素材上に置く。トレッドの加硫の際、トレッドのゴムは、オリフィスの箇所 のところでインサートに通され、切欠きの連結要素を形成し、切欠きに、インサ ートを構成する材料が満たされる。変形例A、Bを得るためには、トレッドを備 えたタイヤを製造した後、連結要素のない溝と円周方向切欠きを切断によって形 成する。もちろん、本発明の方法によって、付加的な溝と切欠きを製造してもよ い。 個々の場合において、選定したタイヤは、寸法215/75R17.5の重車 両用タイヤであり、切欠きは、45%の連結比率TPを有し、比率SE/STおよ び比率SE/SGがそれぞれ45%、40%である連結要素を備えている。2つの 変形例A、Bの新品状態における回転表面の溝比率はそれぞれ、15%、18% であった(“溝比率”とは、回転表面の切欠きの表面と回転表面の全体表面との 比率を意味している)。 測定用の付加的な車輪(変形例A又はBによるタイヤを備えた車輪)を装備し た重車両について、付着試験を実施した。この試験では、所定の速度および所定 の制動力の作用の下でのタイヤの道路に対する滑り度を測定した。この試験は、 平滑なコーティングを有する試験トラックで、約1.5mm厚の水膜の存在下に おいて実施した。同じ寸法を有し、溝比率が18%のXZEタイヤを、基準タイ ヤとして使用した。変形例A、Bのタイヤの溝比率は、基準タイヤの溝比率と同 等である。 付着試験の結果によれば、変形例Aのタイヤは、基準タイヤよりも約15%良 好であり、変形例Bのタイヤは、基準タイヤよりもかなり(少なくとも30%) 良好であった。変形例Aのタイヤと変形例Bのタイヤとの性能の相違は、切欠き の幅の差によって、部分的に説明することができる。 一方、ISO362によって規定される条件下での走行時に発生する騒音を測 定する試験によれば、本発明によるトレッドを備えたタイヤによって発生する騒 音レベルを、基準タイヤと比較して、変形例Aでは少なくとも3dbA、変形例 Bでは少なくとも2dbA減少させることができる。 重車両用の普通のパターンのタイヤの場合には、良好な騒音性能は常に、平滑 な路面での付着性能の減少によって得られるが、これらの試験により、本発明の トレッドパターンのおかげで、付着と走行時の騒音の両方において、性能が著し く改良されることが分かった。 本発明によるトレッド、及びその製造方法は、小さな溝比率(すなわち、切欠 きに対応する表面と地面と接触するようになったストリップの全体表面との比率 )によって、より大きな溝比率をもつ普通のトレッドと少なくとも等価な性能を 得ることを可能にし、トレッドの剛性に実質的に影響を及ぼさないという事実と 比較して、多数のゴムの稜線は、溝比率の差を補整する。 切欠きにおける連結要素の存在により、トレッドが剛性を保持することができ 、その結果、連結要素が取り外された同じタイヤで得られるよりも小さな回転抵 抗が損失する(前記トレッドを備えたタイヤの走行時にエネルギが消散する)。 本発明によるトレッドを備えたタイヤの製造の後、稜線を回転表面の切欠きか ら係合解除するように、インサートを部分的に(すなわち、回転表面の近傍にお いてのみ)除去することができる。引き続き、インサートを形成する材料は、ト レッドが磨耗するにつれて、除去される。 トレッドの加硫モールドから出るときにトレッドの良好な外観が得られるよう に、連結要素を備えた切欠きが、新品のタイヤの回転表面の完全に下方に置かれ 、連結要素がなく、連結要素を備えた切欠きの回転表面間の距離よりも少なくと も僅かに大きい深さを有する複数の切欠きが、前記回転表面の上に置かれるよう に補整するのがよい。このような構成が、新品時に、複数の連結要素28を備え た複数の切欠き27を有するトレッド26の断面図である第8図に示されている 。 回転表面には、トレッドの初期使用時に積極的な役割を果たすようになった深 さの小さな複数の切欠き29が設けられている。トレッドの部分的な磨耗の後、 切欠き29は、下に位置する切欠き27を残して、消失する。 インサートの1つの変形実施例は、縦糸と横糸とを有する織布の形態の材料を 使用することにあり、前記織布は、前記ストリップの加硫化に抵抗する性質を有 し、タイヤの走行時に徐々に除去され、縦糸と横糸によって構成される空隙は、 切欠きの連結要素の成形を可能にする。インサートを形成する材料は、糸が完全 に加硫化した後、或いは走行時に徐々に除去される糸網となる1以上の糸で形成 することもできる。 本発明による製造方法は更に、第11図に示されるように、連結要素を備えた 切欠きの特別な場合において、トレッドの残部を形成する配合物以外のゴム配合 物で壁が被覆される切欠きを生じさせることができ、もちろん、この型式の切欠 きを形成する方法を、連結要素を備えていない切欠きにも適用することができる 。 第11B図は、複数の連結要素311を備えた切欠き38の変形例を示してい る。連結要素311の製造工程は、以下の通りである。 まず、(第11A図で見ることができる)複数のオリフィス31を有する少な くとも1つのインサート39を製造し、 次いで、少なくとも1つのインサートを、インサートの厚さと略等しい厚さを 有し、対面する2層の生ゴム(32、33)の各々に被覆することによってスタ ックを形成し、 次いで、このように形成されたスタックの各々の側に、各層(32、33)を インサートの壁に多少強固に当てるように、そして互いに接触するまで各層をオ リフィスに侵入させるように、圧力を及ぼし(このように形成された接触は、生 トレッドに設けられた切欠きに配置する前に、ゴム配合物で被覆されたインサー トの取扱いを容易にする)、 次いで、各インサートを、非加硫ゴムストリップに挿入し、 次いで、このように形成されたストリップを加硫化し、適当なモールドで成形 する。このモールドは、溝形態の切欠き又は切込みに成形するため、成形面上に 突出したリリーフ要素を備えていてもよい。 この方法の1つの変形例は、まず第1に、非孔インサートによって構成され、 2つの面が2層の生ゴムで被覆されたスタックを形成し、第2に、スタックを生 ゴムのストリップに挿入する前に、厚さに応じてスタックを保持し、最後に、ス トリップを成形し加硫することにある。このようにして、トレッドを形成するゴ ムは、各オリフィスを占有し、このように成形された切欠きの各連結要素を形成 する。 加硫の後、第11B図に示されるように、インサート39を形成する材料を、 少なくとも表面のところで除去することができる。トレッドを形成する混合物と 同じ性質を有するゴム混合物、或いは異なる性質を有するゴム混合物で、インサ ートのコーティングを行う。異なる性質の混合物は、切欠きの稜線に、路面との 接触から生ずる磨耗に対する良好な抵抗力を与える。特にタイヤの好ましい走行 方向を考慮するためには、インサートの各々の側に、異なる性質の2層のゴム混 合物を使用してもよい。さらに、層は、インサートの厚さよりも大きな異なる厚 さを有していてもよい。インサートを被覆する各層は、1層以上の混合物で形成 される。 少なくとも1つの連結要素を備えた少なくとも1つの切欠きが、トレッドを形 成する混合物とは異なる性質および機械的性状をもつゴム混合物で形成された少 なくとも1つの連結要素を有するのがよい。 本出願に記載されている変形例は全て、本発明の精神から逸脱することなしに 、所望の目的に応じて結合することができる。たとえば、タイヤは、連結要素を 有するものと有しないものとから成る複数の切込みを備えていてもよく、これら の切込みは、たとえば、直前に記載した方法の1つによって形成することができ る。 本発明の適用分野は、あらゆる種類のタイヤ、乗用車、バン、又は重車両に取 付けるようになっているか否かにかかわらず、特にハイウェー用のタイヤ、或い は特に地下鉄用車両に関する。より詳細には、重車両の駆動軸に取付けられるよ うになったタイヤは、本発明によるトレッドを設けると、付着および騒音性状が かなり改善される。本発明のトレッドパターンを土木機械(特に、ダンプカー) のタイヤに適用すると、有益である。何故ならば、荷重および駆動力又は制動力 の下でトレッドの十分な剛性を確保しつつ、複数の切欠きを有するトレッドを製 造することができるからである。 重車両および乗用車用のタイヤの分野では、本発明による連結要素を備えた切 込みの少なくとも80%が各々、少なくとも0.1mm、せいぜい2mmの幅を 有しているとき、最良の性能が得られる。 本発明によるトレッドは、適当な加硫モールド内でタイヤ素材を加硫する前に 、タイヤ素材に配置してもよい。 最後に、本発明によるトレッドは、溝によって構成され、切込みの主壁間に少 なくとも1つの連結要素を備えた少なくとも1つの切込みを有する複数のゴムブ ロックを備えていてもよく、溝に更に、高性能のトレッドパターンを製造するよ うに、連結要素を設けてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 11/12 B60C 11/04 H 11/13 E

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.回転表面(2)を備えたタイヤ用の厚さEのトレッド(1、26)であって 、トレッド(1)に、主として2つの対向壁(5、6)間に定められる空隙に よって各々構成された複数の切欠き(3、4、27)が設けられ、前記壁が、 回転表面(2)と直交し或いは回転表面(2)に対して傾斜しており、前記切 欠きが、せいぜいトレッドの厚さEと等しい半径方向に最も離れた切欠きの壁 の箇所の間で測った最大半径方向距離として測定して、深さhを有する、トレ ッドにおいて、 走行時にタイヤの地面での載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に 置かれた少なくとも1つの切欠き(3)の2つの主壁(5、6)が、少なくと も1つのゴムの連結要素(7)によって連結されており、連結要素(7)が、 壁(5、6)の各々について、全体交差表面に相当する連結表面SEを有し、 各壁での連結表面SEが、前記壁の表面STの少なくとも10%であり、 壁(5、6)の一方について、少なくとも1つの連結要素(7)の交差箇所 の表面の外部断面形の全ての箇所が、切欠きの深さよりも小さな回転表面(2 )から一定距離のところに置かれており、 各壁について、連結表面SEが、表面SGのせいぜい80%であり、表面SG が、切欠きの前記壁で測定して、最小長さの断面形Lによって構成され、連結 表面SEを覆う表面と等しい、 ことを特徴とするトレッド。 2.少なくとも1つの切欠き(3、4、27)について少なくとも1つの連結要 素(7)を備えており、切欠きの一方の主壁について、最小長さの断面形Lに よって構成され、全体連結表面表面SEを覆う表面SGが、対応する壁の表面 STの少なくとも15%であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のト レッド。 3.少なくとも1つの連結要素(7、28)を備えた切欠き(3、4、27)が 全て、新品時にトレッドの回転表面(2)の完全に下方に置かれており、さら に、新品タイヤのトレッドの表面に、切欠き間の最小距離よりも大きな深さを 有する切欠き(29)が設けられ、少なくとも1つの連結要素と、新品時のタ イヤのトレッドの回転表面とを備えていることを特徴とする請求の範囲第1項 又は第2項に記載のトレッド。 4.少なくとも1つの連結要素(7、141)を備えた複数の切欠き(3、4、 14)を有し、タイヤの回転表面での切欠き(3、4、14)の痕の中心軸線 が、トレッドの横断方向に対してせいぜい45°の角度をなしていることを特 徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のトレッド。 5.少なくとも1の連結要素(7、151)を備えた複数の切欠き(3、4、 15)を有し、新品時のトレッドの回転表面での切欠き(3、4、15)の各 々の痕の軸線が、トレッドの横断方向に対して少なくとも75°、せいぜい 90°の角度をなしていることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいず れか1項に記載のトレッド。 6.横断方向の縁部(I、III)の少なくとも一方に、少なくとも1つの連結要 素(151)を備えた少なくとも1つの切欠き(15)を有し、切欠き(15 )が、回転表面上でのトレースの中心軸線がトレッドの横断方向に対して少な くとも75°、せいぜい90°の角度をなすように、配向されており、トレッ ドの中央領域(II)が、少なくとも1つの連結要素(141)を備えた複数の 切欠き(14)を有し、切欠き(14)が、回転表面上での痕の中心軸線がト レッドの横断方向に対して0°〜45°の角度をなすように、配向されている ことを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載のトレッド 。 7.タイヤの載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に置かれ、少なくと も1つの連結要素(7、141、151)を備えた切欠き(3、4、 14、15)のうち少なくとも1つが、回転表面と平行で且つ回転表面の半径 方向内側に置かれた表面に、痕を有し、その中心軸線の配向が、新品のトレッ ドの回転表面の切欠きの痕の中心軸線の配向と異なることを特徴とする請求の 範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載のトレッド。 8.少なくとも1つの連結要素(7、141、151)を備えた切欠き(3、 4、14、15)のうち少なくとも1つが、新品のトレッドの回転表面(2) と直交する方向に対して、せいぜい20°の平均角度をなしていることを特徴 とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載のトレッド。 9.回転表面(2)を備えたタイヤ用の厚さEのトレッドであって、トレッド (1)に、実質的に同じ方向に配向された複数の切欠き(3、4)が設けられ 、前記切欠き(3)の各々が、主として2つの対向壁(5、6)間に定められ た空隙によって構成されており、前記壁が、回転表面(2)と直交し或いは回 転表面(2)に対して傾斜しており、前記切欠きが、回転表面に密接し、せい ぜいトレッドの厚さEと等しい新品タイヤの回転表面から最も離れた切欠きの 壁の箇所の間で測った最大半径方向距離として測定して、深さhを有し、切欠 きが、平均ピッチpだけ間隔を隔てられている、トレッドにおいて、 切欠き(3、4)の2つの主壁(5、6)が、少なくとも1つのゴムの連結 要素(7)によって連結されており、連結要素(7)が、壁(5、6)の各々 について、全体交差表面と等しい連結表面SEを有しており、 各切欠きについての連結比率TP=SE/STが、少なくとも0.10、せ いぜい0.80であり、SEが、壁(5、6)の各々について連結要素(7) の全体交差表面と等しく、STが、切欠きの各主壁の全体表面を表しており、 切込みのピッチpと深さhとの比率p/hが、少なくとも0.2、せいぜい 1.9であることを特徴とするトレッド。 10.比率p/hが、式 (p/h)≧(1/5)×(1/TP0.75 を満足することを特徴とする請求の範囲第9項に記載のトレッド。 11.比率p/hが、式 (p/h)≦2×(1−TP0.5 を満足することを特徴とする請求の範囲第10項に記載のトレッド。 12.回転表面(2)を備えたタイヤ用の厚さEのトレッドであって、トレッド (1)に、実質的に同じ方向に配向された複数の切欠き(3、4)が設けられ 、前記切欠き(3)の各々が、主として2つの対向壁(5、6)間に定められ た空隙によって構成されており、前記壁が、回転表面(2)と直交し或いは回 転表面(2)に対して傾斜しており、前記切欠きが、回転表面に密接し、せい ぜいトレッドの厚さEと等しい新品タイヤの回転表面から最も離れた切欠きの 壁 の箇所の間で測った半径方向距離として測定して、幅eおよび深さhを有し、 切欠きが、平均ピッチpだけ間隔を隔てられている、トレッドにおいて、 複数の切欠き(3、4)の2つの主壁(5、6)が、少なくとも1つのゴム の連結要素(7)によって連結されており、連結要素(7)が、壁(5、6) の各々について、全体交差表面と等しい連結表面SEを有しており、 切欠きの主壁(5、6)の一方についての比率TP=SE/ST、すなわち 一方の切欠きの主壁の連結比率が、少なくとも0.10、せいぜい式 1/〔1+(1/3)ε0.75〕 ここで、ε=(p−e)h に等しいことを特徴とするトレッド。 13.荷重による影響を及ぼされる切欠きの少なくとも40%が、少なくとも1つ の連結要素を有しており、前記切欠きの連結比率TPが、少なくとも0.25 であることを特徴とする請求の範囲第12項に記載のトレッド。 14.切欠きが、少なくとも0.1mmに等しい幅を有する切込みであり、 比率h/(p−e)が、0.9よりも大きいことを特徴とする請求の範囲 第12項又は第13項に記載のトレッド。 15.少なくとも1つの切欠き(3、4、14、15)が、タイヤの荷重によって 影響を及ぼされるトレッドの部分に置かれ、少なくとも1つの連結要素(7、 141、151)を備えており、比率TP=SP/STが、少なくとも所定レベ ルの磨耗から開始したタイヤの磨耗につれて、実質的に規則的に減少し、SP が、切欠きの主壁の一方に関するトレッドの部分磨耗の後に残る連結表面を表 しており、STが、トレッドの同レベルの部分磨耗に対応する壁の全体表面を 表していることを特徴とする請求の範囲第1項〜第14項のいずれか1項に記 載のタイヤ用トレッド。 16.切欠きの第1の主壁と第2の主壁との間に少なくとも1つの連結要素(7、 141、151)を備えた少なくとも1つの切欠き(3、4、14、15)に ついて、トレッドの磨耗の度合いにかかわらず、回転表面に長い稜線を維持す るように、各連結要素(7、141)が、新しいトレッドの表面と直交する方 向に対して90°以外の角度をなしていることを特徴とする請求の範囲第1項 〜第15項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド。 17.第1の主壁を第2の主壁に連結する少なくとも1つの連結要素(7、141 、151)を備えた複数の切欠き(3、4、14)を有する請求の範囲第9項 〜第14項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッドにおいて、 実質的に同じ配向の2つの隣接する切欠きについて、各切欠きの連結要素の 半径方向および/又は軸線方向の位置が、トレッドの磨耗の度合いにかかわら ず、回転表面に長い活性稜線を保持することができるように、異なっているこ とを特徴とするタイヤ用トレッド。 18.回転表面(2)を備えたタイヤ用の厚さEのトレッドであって、トレッドに 、複数の切欠きが設けられ、各切欠きが、主として2つの対向する主壁間に定 められた空隙によって構成されており、前記壁が、回転表面と直交し或いは回 転表面に対して傾斜しており、せいぜいトレッドの厚さEと等しい新品タイヤ の回転表面から最も離れた切欠きの輪郭の箇所の間で測った半径方向距離とし て測定して、深さhを有している、トレッドにおいて、 走行時にタイヤの地面での載荷によって影響を及ぼされるトレッドの部分に 置かれた少なくとも1つの切欠きの2つの主壁が、複数のゴムの連結要素によ って連結されており、連結要素が、少なくとも1つの主壁(66)について、 前記壁について全ての連結要素の交差表面(76)に等しい全体連結表面SE を有しており、各壁についての連結表面SEが、前記壁の表面STの少なくと も10%であり、 各連結要素が、各壁(66)について、せいぜい(E*E/20)に等しい 交差表面(76)を有しており、 最小周囲の断面形Lによって構成され、全体連結表面SEを覆う表面SGが、 前記壁の表面STの少なくとも70%である、 ことを特徴とするトレッド。 19.全ての連結要素の交差表面(76)が、少なくとも1つの切欠きの主壁の表 面に規則的に分布していることを特徴とする請求の範囲第18項に記載のタイ ヤ用トレッド。 20.切欠きの壁が互いの方へ移動するのを阻止するため、付加的なゴム要素が、 少なくとも1つの切欠きに設けられており、これらの付加的なゴム要素が、切 欠きの主壁の一方にのみ連結されていることを特徴とする請求の範囲第1項〜 第19項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド。 21.連結要素(311)を備えた複数の切欠き(21、25、38)が、ストリ ップの加硫の後に除去することができる少なくとも1つの充填材料によって、 少なくとも部分的に充填されていることを特徴とする請求の範囲第1項〜 第20項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド。 22.充填材料が、トレッドの加硫温度以下で且つ加硫温度付近の融点を有してい ることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のタイヤ用トレッド。 23.充填材料が、紙パルプのような、実質的に繊維を基材とした材料であること を特徴とする請求の範囲第21項又は第22項に記載のタイヤ用トレッド。 24.少なくとも1つの連結要素を備えた少なくとも1つの切欠きに、縦糸と横糸 を有する織布の形態の材料が充填されており、前記織布が、トレッドの加硫化 に抵抗する性質を有し、タイヤの走行時に取り除くことができ、縦糸と横糸に よって構成される空隙が、切欠きの連結要素の通路に対応していることを特徴 とする請求の範囲第21項〜第23項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッ ド。 25.複数の切欠きに、少なくとも部分的に、トレッドの形態の材料が充填されて おり、この材料を、トレッドの加硫の後に除去することができることを特徴と する請求の範囲第21項〜第23項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド 。 26.少なくとも1つの連結要素(311)を備えた少なくとも1つの切欠き (38)について、切欠きの少なくとも1つの主壁が、トレッドを形成するゴ ム混合物(34)以外の少なくとも1つのゴム混合物(32、33)で被覆さ れており、このゴム混合物(32、33)が、良好な耐磨耗性能を有している ことを特徴とする請求の範囲第1項〜第25項のいずれか1項に記載のタイヤ 用トレッド。 27.一方の同じ切欠きの対面する壁を被覆するゴム混合物(32、33)が、異 なる種類のものであることを特徴とする請求の範囲第26項に記載のタイヤ用 トレッド。 28.トレッドの磨耗度にかかわらず、痕のパターンの活性稜線の長さが、新品時 にトレッドの回転表面の活性稜線の長さの少なくとも50%であることを特徴 とする請求の範囲第1項〜第27項のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド 。 29.連結要素を備えた切欠きの少なくとも80%が、少なくとも0.1mm、せ いぜい2mmの幅を有していることを特徴とする請求の範囲第1項〜第28項 のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッド。 30.新品状態における回転表面に密接した切欠きの連結要素が、新品状態の回転 表面の切欠きの主壁の一方によって形成された稜線と、前記壁の前記要素の交 差表面の断面形の箇所との距離が、切欠きの深さhの40%〜80%となるよ うに、構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項〜第29項のいずれ か1項に記載のタイヤ用トレッド。 31.厚さEのタイヤ用トレッドの製造方法であって、トレッドに、各切欠きの主 壁間に少なくとも1つの連結要素を備えた複数の切欠きが設けられている方法 において、 適当な材料でインサート(16)を製造する工程を備え、インサートが、ト レッドに所望の切欠きの一般形態と、切欠きの幅に等しい厚さとを有しており 、 各インサート(16)において材料を取り除いて、オリフィス(17)を予 め選定した配列に得る工程を備え、各オリフィスが、一方の同じ切欠きの2つ の主壁間で連結要素の横断面に等しい形状を有しており、 インサート(16)をゴムの非加硫ストリップ内に挿入する工程と、 トレッドの寸法を有するモールド内で成形し、トレッドを成形して加硫し、 インサート(16)のオリフィス(17)内で連結要素を形成する工程と、 加硫の後、トレッドを脱型する工程と、 を備えていることを特徴とする方法。 32.インサート(16)を非加硫ゴムのストリップ内に挿入させるために、まず 、前記ストリップの厚さより小さいか或いは等しい深さを有する切欠きを製造 することを特徴とする請求の範囲第31項に記載の方法。 33.請求の範囲第31項又は第32項に記載の厚さEのタイヤ用トレッドの製造 方法において、 加硫トレッドを脱型した後、回転表面上で十分な深さにわたって研磨作業を 行い、少なくとも1つの連結要素を備えた切欠きの壁によって形成された複数 のゴムの稜線を表面に出現させることを特徴とする方法。 34.請求の範囲第31項〜第33項のいずれか1項に記載の厚さEのタイヤ用ト レッドの製造方法において、 得られたトレッドが、閉鎖リングの形態であることを特徴とする方法。 35.請求の範囲第31項〜第34項のいずれか1項に記載の厚さEのタイヤ用ト レッドの製造方法において、 インサートを構成する材料が、例えば吸引又は送風によって加硫の後に充填 材料を取り除くことができるように、ストリップを形成するゴムの温度の漸進 的な上昇を考慮して、加硫の直前に流体になるようにトレッドの加硫温度以下 で且つ加硫温度付近の融点を有する材料であることを特徴とする請求の範囲第 31項〜第34項のいずれか1項に記載の方法。 36.インサートを形成する材料が、好ましくは、紙パルプのようなセルロース系 材料であることを特徴とする請求の範囲第31項〜第35項のいずれか1項に 記載の方法。 37.少なくとも1つの連結要素を備えた切欠きが、少なくとも0.4mmの厚さ を有していることを特徴とする請求の範囲第31項〜第35項のいずれか1項 に記載の方法。 38.請求の範囲第1項〜第30項のいずれか1項のトレッドを備えたタイヤ。 39.重車両の駆動軸に取付けられるようになっていることを特徴とする請求の範 囲第38項に記載のタイヤ。
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