JP2001336845A - 蓄冷器およびそれを使用した蓄冷式冷凍機 - Google Patents

蓄冷器およびそれを使用した蓄冷式冷凍機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】微粉化するおそれが少なく加工性および耐久性
に優れ、低温度域において顕著な冷凍能力を発揮できる
蓄冷器およびその蓄冷器を使用した蓄冷式冷凍機等を提
供する。 【解決手段】蓄冷器本体2内に蓄冷材3を充填し、蓄冷
器本体2の一方向から他方向に冷媒ガスを流通せしめて
低温度を達成する蓄冷器1において、上記蓄冷材3の少
なくとも一部が、厚さ0.03mm以上2mm以下の板
状の蓄冷材3であることを特徴とする蓄冷器である。ま
た、蓄冷材が、希土類元素を10at%以上含有する合
金から成ることが好ましい。さらに、冷媒ガスの流れ方
向における板状の蓄冷材の長さが1mm以上100mm
以下であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄冷器および蓄冷式
冷凍機に係り、特に微粉化するおそれが少なく加工性お
よび耐久性に優れ、低温度域において顕著な冷凍能力を
発揮できる蓄冷器およびその蓄冷器を使用した蓄冷式冷
凍機等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って小型で高性能の冷凍機の開
発が不可欠になってきている。かかる小型冷凍機は、軽
量・小型で熱効率の高いことが要求されており、種々の
応用分野において実用化が進められている。
【0003】例えば、超電導MRI装置やクライオポン
プなどにおいては、ギフォード・マクマホン(GM)方
式やスターリング方式やパルスチューブ冷凍機などの冷
凍サイクルによる冷凍機が用いられている。また、磁気
浮上列車にも超電導磁石を用いて磁力を発生させるため
に高性能な冷凍機が必須とされている。さらに、最近で
は、超電導電力貯蔵装置(SMES)、および高品質の
シリコンウェハーなどを製造する磁場中単結晶引き上げ
装置などにおいても高性能な冷凍機が用いられている。
【0004】このような冷凍機においては、蓄冷材が充
填された蓄冷器内を、圧縮されたHeガスなどの作動媒
質が一方向に流れて、その熱エネルギーを蓄冷材に供給
し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流れ、蓄冷材
から熱エネルギーを受け取る。こうした過程での復熱効
果が良好になるに伴い、作動媒質サイクルでの熱効率が
向上し、より低い温度を実現することが可能となる。
【0005】上述したような冷凍機に使われる蓄冷材と
しては、従来、CuやPbなどが主に用いられてきた。
しかし、このような蓄冷材は、20K以下の極低温で比
熱が著しく小さくなるため、上述した復熱効果が十分に
機能せず、冷凍機での作動に際して極低温下で1サイク
ル毎に蓄冷材に充分な熱エネルギーを貯蔵することがで
きず、かつ作動媒質が蓄冷材から充分な熱エネルギーを
受け取ることができなくなる。その結果、前記蓄冷材を
充填した蓄冷器を組み込んだ冷凍機では極低温に到達さ
せることができない問題があった。
【0006】そこで、最近では前記蓄冷器の極低温での
復熱特性を向上し、より絶対零度に近い冷凍温度を実現
するために、特に20K以下の極低温域において体積比
熱の極大値を有し、かつその値が大きなErNi,E
rNi,HoCuなどのように希土類元素と遷移金属
元素とから成る金属間化合物を主体とした磁性蓄冷材が
使用されている。このような磁性蓄冷材をGM冷凍機に
用いることにより、4Kでの冷凍が実現されている。上
記のような磁性蓄冷材は、冷媒としてのHeガスとの熱
交換を効率的に行えるように、通常は直径が0.1〜
0.5mm程度の球状に加工して用いられている。特に
磁性蓄冷材(粒子状蓄冷物質)が希土類元素を含む金属
間化合物である場合には、遠心噴霧法などを用いた加工
法によって球状に加工されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スター
リング冷凍機やパルスチューブ冷凍機などのように高速
運転を行う冷凍機においては、球状の磁性蓄冷粒子を充
填した蓄冷器での圧力損失が大きくなり、十分な冷凍能
力が実現できない問題点があった。またGM冷凍機など
においては、冷凍機の運転中に作用する振動や衝撃力に
よって磁性体粒子が微粉化して冷媒ガスの通気抵抗を高
め、熱交換効率が急激に低下するなどの不具合が発生し
易い難点があった。
【0008】これに対して、圧力損失が低くなる蓄冷材
の構成例として、磁性材料板に多数の冷媒ガス流通口を
穿設したパンチングプレートや磁性体リボンを巻回した
ロール状リボンや網状の磁性体を積層したスクリーンな
どが知られている。しかしながら、上記した磁性蓄冷材
は、金属間化合物に特有の脆性を示すために、穿孔や曲
げ加工が困難であり、上記のような形状に加工すること
は極めて困難であり、膨大な加工コストを要する問題点
もあった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、特に微粉化するおそれが少なく加工性
および耐久性に優れ、低温度域において顕著な冷凍能力
を発揮できる蓄冷器およびその蓄冷器を使用した蓄冷式
冷凍機等を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る蓄冷器は、蓄冷器本体内に蓄冷材を充
填し、蓄冷器本体の一方向から他方向に冷媒ガスを流通
せしめて低温度を達成する蓄冷器において、上記蓄冷材
の少なくとも一部が、厚さ0.03mm以上2mm以下
の板状の蓄冷材であることを特徴とする。
【0011】また、上記蓄冷器において、蓄冷材が、希
土類元素を10at%以上含有する合金から成ることが
好ましい。さらに、冷媒ガスの流れ方向における板状の
蓄冷材の長さが1mm以上100mm以下であることが
好ましい。さらに、複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流
れ方向と直交する方向に間隙をおいて配設され、この間
隙が0.01mm以上1mm以下であることが好まし
い。
【0012】また、上記蓄冷器において、蓄冷器本体の
内壁に溝が形成され、この溝に上記板状の蓄冷材の縁部
が挿入されるように構成するとよい。さらに、蓄冷器本
体の内壁に突起が形成され、この突起間に上記板状の蓄
冷材の縁部が挿入されるように構成してもよい。また、
複数の板状の蓄冷材が保持器によって固定されており、
この保持器が蓄冷器本体内に挿入されるように構成する
ことも可能である。
【0013】さらに、複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの
流れ方向に配設されており、上記冷媒ガスの流れ方向に
隣接する板状の蓄冷材の平板面がなす蓄冷器径方向の角
度が0.5度以上であることが好ましい。
【0014】また、特殊な構成として、上記複数の板状
の蓄冷材が冷媒ガスの流路断面を仕切るように配置さ
れ、冷媒ガスが流通する複数のセルが形成されるように
構成することもできる。上記構成において、セルを形成
する蓄冷材の厚さの平均値が0.05mm以上、2mm
以下であることが好ましい。また、上記複数のセルの断
面積の平均値が1×10−9以上2×10−6
以下であることが好ましい。さらに、上記複数のセルの
平均長さが3mm以上100mm以下であることが好ま
しい。
【0015】また、上記複数の板状の蓄冷材およびセル
は、蓄冷材粉末とバインダーとの混合物の押し出し加工
により形成してもよい。なお、上記蓄冷材粉末は、希土
類元素を10at%以上含有することが好ましい。
【0016】また、本発明に係る蓄冷式冷凍機は、蓄冷
器の上流高温側から作動媒質(冷媒ガス)を流して上記
作動媒質と蓄冷材との熱交換によって蓄冷器の下流側に
て、より低温度を得る蓄冷式冷凍機において、上記蓄冷
器の少なくとも一部が上記板状の蓄冷材を充填した本発
明の蓄冷器であることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明に係るMRI(Magne
tic Resonance Imaging)装置、
磁気浮上列車用超電導磁石、クライオポンプおよび磁界
印加式単結晶引上げ装置は、いずれも上記した本発明に
係る蓄冷式冷凍機を具備することを特徴としている。
【0018】本発明に係る蓄冷器の本体内に充填される
蓄冷材の少なくとも一部は、希土類元素を10at%以
上含有する磁性合金で形成することが好ましい。上記蓄
冷材を構成する合金または単体は、例えば、一般式RM
…(1)(但し、RはY,La,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
mおよびYbから選択される少なくとも1種の希土類元
素であり、MはNi,Co,Cu,Ag,Al,Ru,
In,Ga,Ge,SiおよびRhから選択される少な
くとも1種の元素であり、zは原子比で0≦z≦9.0
を満足する。)で表わされる希土類元素単体または希土
類元素を含む金属間化合物で構成することが好ましい。
【0019】本発明に係る蓄冷器に充填する蓄冷材は、
前記一般式(1)から明らかなようにRM(0≦z≦
9.0)なる組成を有する希土類元素単体、または、希
土類元素を含む金属間化合物などの磁性体から構成する
ことが好ましい。なお、上記磁性体の他に、Pb,Pb
合金,Cu,Cu合金,ステンレス鋼などの金属材料で
構成された蓄冷材を併用してもよい。
【0020】上記一般式においてR成分は、Y,La,
Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,H
o,Er,Dy,TmおよびYbから選択される少なく
とも1種の元素であり、M成分はNi,Co,Cu,A
g,Al,Ru,In,Ga,Ge,SiおよびRhか
ら選択される少なくとも1種の元素である。
【0021】上記M成分のR成分に対する配合比zが
9.0を超えると磁性元素である希土類元素の比率が著
しく低下して比熱が小さくなる。ここで、z=0の場
合、すなわち、蓄冷材が希土類元素単体から成る場合で
は、比熱ピークを示す温度の調整が難しいため、希土類
元素を含む金属間化合物がより好ましい。zの好ましい
範囲は、0.1≦z≦5であり、さらに好ましくは1≦
z≦3である。特に好ましい具体的組成は、Er
i,ErCo,ErNi,ErNi0.9
0. ,HoCu,ErIn,HoSb,Ho
Alである。なお、ErNiのNiの一部をCoに置換
したErNi0.9Co0.1のように、上記組成をも
とにR成分の一部を他のR成分の少なくとも1種の元素
で置換したり、またはM成分の一部を他のM成分の少な
くとも1種の元素で置換したりすることにより、比熱ピ
ークを示す温度やピークの幅などに制御することができ
る。
【0022】本発明で使用する蓄冷材は、20K以下の
極低温領域において比熱ピークを有する酸化物を主体と
する多数の磁性粒子の成形体から構成してもよい。この
磁性粒子を構成する酸化物としては、例えば下記一般式
(2),(3),(4),(5)で示す組成物が好適に
使用できる。
【0023】 すなわち、一般式:RM´ ……(2) (但し、Rは、Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tmおよび
Ybから選択される少なくとも1種の希土類元素であ
り、M´は3B族元素(長周期律表)から選択される少
なくとも1種の元素である。)で表わされるペロブスカ
イト系酸化物; 一般式:AB ……(3) (但し、Aは、2B族元素から選択される少なくとも1
種の元素であり、Bは少なくともCrを含む遷移金属元
素である。)で表わされるスピネル系酸化物; 一般式:CD ……(4) (但し、CはMnおよびNiから選択される少なくとも
1種の元素であり、DはNbおよびTaから選択される
少なくとも1種の元素である。)で表わされる酸化物;
および 一般式:Gd1−x1−y……(5) (式中、RはCe,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,H
oおよびErから選択される少なくとも1種の希土類元
素を示し、AはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Ga,Ge,Al,Siから選択され
る元素を示し、x=0かつy=0の場合には少なくとも
2種の元素が選択される一方、x≠0またはy≠0の場
合には少なくとも1種の元素が選択され、BはZr,N
b,Mo,Ag,In,Sn,Sb,Hf,Ta,W,
Au,Biから選択される少なくとも1種の元素を示
し、xは原子比で0≦x≦0.4、yは原子比で0≦y
≦0.4を満足する。)で表わされる酸化物磁性体から
成る蓄冷材である。
【0024】前記一般式:Gd1−x1−y
……(5)において、x=0かつy=0のとき
の一般式はGdAOで表わされるが、このGdAO
についてA成分が単一の元素のみである場合には、一般
的に極低温域に比熱ピークを有する磁性体が得られる一
方、4〜6Kの温度域においては大きな比熱ピークを示
すことが少ない。そのため、x=0かつy=0の場合に
は、A成分として少なくとも2種の元素が選択される。
一方、Gdの一部を他の希土類元素で置換するか、ある
いはA成分の一部を他の元素で置換することにより、比
熱特性を調整し、高性能な蓄冷材としている。
【0025】また、上記一般式(5):Gd1−x
1−yにおいて、R成分はCe,Pr,N
d,Sm,Tb,Dy,HoおよびErから選択される
少なくとも1種の希土類元素であり、急峻な比熱ピーク
をブロードしたり、ピーク温度位置を制御するために有
効な成分であり、Gdの一部を置換するように添加され
る。R成分の置換量を示す添加比率xが0.4を超える
と比熱が小さくなる。上記R成分のうち、Tb,Dy,
Ho,Erが好ましく、さらにはTb,Dyがさらに好
ましい。
【0026】また、A成分はTi,V,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Al,Si
から選択される元素を示し、比熱ピークを制御する効果
を有する。そして、x=0かつy=0の場合には少なく
とも2種の元素が選択される一方、x≠0またはy≠0
の場合には少なくとも1種の元素が選択されるため、G
dAO系におけるGdまたはA成分の一部が必ず他の
元素で置換されることになる。上記A成分元素として
は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ga,
Alが好ましく、さらにはCr,Mn,Fe,Co,N
i,Ga,Alがより好ましい。
【0027】さらに、B成分は上記A成分の一部を置換
することにより、(Gd1−x)原子間の距離を調
整するなどの作用により比熱特性を改善する元素であ
る。B成分はZr,Nb,Mo,Ag,In,Sn,S
b,Hf,Ta,W,Au,Biから選択される少なく
とも1種の元素を示す。このB成分元素としては、Z
r,Nb,Mo,Sn,Ta,Wが好ましく、さらには
Ta,Wがより好ましい。このB成分の添加量を示す比
率yが0.4を超えるとペロブスカイト構造を維持する
ことが困難になり、磁性体から成る蓄冷材の比熱特性が
低下してしまう。
【0028】また前記一般式:Gd1−x1−y
における酸素の原子比については、原子の欠陥
などにより、化学量論比である3からずれる場合があ
る。しかしながら、酸素の原子比が2.5〜3.5の範
囲内であれば、比熱特性に大きな影響を与えることはな
い。
【0029】本発明に係る蓄冷器に充填される板状の蓄
冷材の製造方法は、特に限定されるものではなく、例え
ば、上記組成を有する蓄冷材合金インゴットをブレード
ソーなどの切断手段を用いて切断する加工法や粉末焼結
法などを用いることができる。
【0030】また、冷媒ガスが流通する複数のセルが形
成されている蓄冷材は、後述するように、蓄冷材粉末と
バインダーとの混合物を押し出し加工することによって
形成してもよい。
【0031】図1および図2に示すように、本発明に係
る蓄冷器1は、例えば筒状の蓄冷器本体2内に複数の板
状の蓄冷材3を、冷媒ガス流路4の方向と直交する方向
に所定の間隔(間隙)Gをおいて配置固定して形成され
る。
【0032】本発明に係る蓄冷器1に充填される板状の
蓄冷材3の板厚Tは、冷凍機の蓄冷特性に大きな影響を
及ぼす一要因であり、本発明では0.03mm以上2m
m以下の範囲とされる。蓄冷材3の板厚Tが0.03m
m未満と過小になると蓄冷材としての構造強度が不十分
となり、蓄冷器1を組み立てる際に破損し易くなるとと
もに、冷凍機の運転中に発生する振動によって破損し易
くなる。
【0033】一方、蓄冷材3の板厚Tが2mmを超える
ように過大になると、1回の冷凍サイクル中で蓄冷材3
の内部(深部)までの熱の浸透が不十分となり、蓄冷効
率が低下してしまう。そのため、本発明では蓄冷材3の
板厚Tは0.03〜2mmの範囲に規定しているが、
0.2〜1.3mmの範囲がより好ましく、0.4〜
1.0mmの範囲がさらに好ましい。
【0034】また、図3および図4に例示するように、
本発明に係る蓄冷器1aにおいて、冷媒ガス(Heガ
ス)の流れ方向における板状の蓄冷材3aの長さLは1
mm以上100mm以下であることが好ましい。板状蓄
冷材3aの長さLが1mm未満と短尺である場合には、
冷媒ガスの流れ方向に長尺である蓄冷器本体2aを、上
記短尺な蓄冷材3aで満たすように充填する作業に多大
な工数を要し、生産性の観点から望ましくない。
【0035】一方、板状蓄冷材3aの長さLが100m
mを超えるように長尺になると、ガス流路方向の熱伝導
量が大きくなるため、冷凍機の低温端に熱が流入し易く
なり、冷凍能力が低下してしまう。そのため冷媒ガスの
流れ方向における板状蓄冷材3aの長さLは1〜100
mmの範囲とされるが、5〜40mmの範囲が好まし
く、8〜20mmの範囲がさらに好ましい。
【0036】すなわち、図1および図2に示すように、
蓄冷器1の冷媒ガスの流れ方向全長に亘る長尺の蓄冷材
3を配置するよりも、図3および図4に示すように、複
数の短尺の蓄冷材3aを流れ方向に連設して配置する方
が、隣接する蓄冷材3a,3aの切れ目が上記熱伝導を
抑止する効果を発揮するため、冷凍能力をより高めるこ
とが可能になる。
【0037】さらに、例えば図1および図4に示すよう
に、本発明に係る蓄冷器1において、冷媒ガスの流れ方
向と直交する方向に配設される複数の板状の蓄冷材3,
3aの間隙Gの幅は、0.01mm以上1mm以下の範
囲とすることが好ましい。板状蓄冷材3,3aの間隙G
が0.01mm未満と過小な場合には、ガス流路4にお
ける冷媒ガスの通気抵抗が大きくなり冷凍能力が低下す
る。
【0038】一方、蓄冷材3,3a間の間隙Gが1mm
を超えるように過大になると、蓄冷材3,3aの充填率
が低下するとともに、冷媒ガスと蓄冷材3,3aとの熱
交換が不十分となり蓄冷効率が低下する。そのため板状
蓄冷材間の間隙Gは0.01〜1mmの範囲に規定され
るが、0.02〜0.3mmの範囲が好ましく、0.0
5〜0.15mmの範囲が、さらに好ましい。
【0039】本発明に係る蓄冷器において、各板状蓄冷
材の蓄冷器本体に対する固定構造は、特に限定されるも
のではないが、以下のような固定構造が望ましい。例え
ば、図4に示すように、蓄冷器本体2aの内壁に形成さ
れた溝5に各板状蓄冷材3aの縁部を挿入することによ
り、各蓄冷材3aを固定して蓄冷器を形成できる。この
場合、溝5を形成する突起部分の厚さが、隣接する蓄冷
材3a,3a間に形成される間隙Gとなり、冷媒ガス流
路(セル)4を形成する。なお、上記溝5に板状蓄冷材
3aを挿入する前に予めグリースなどの潤滑材を塗布す
ることにより、挿入操作を円滑に実施できる。
【0040】また、板状蓄冷材の他の固定構造として、
例えば図6および図7に示す方式も採用できる。すなわ
ち、図6〜図7に示す蓄冷器1bにおいては、蓄冷器本
体2bの内壁に突起6が形成され、この突起6,6間に
板状の蓄冷材3bの縁部が挿入されて固定される構造を
有し、突起6の厚さが、隣接する蓄冷材3b間に形成さ
れる間隙となり、冷媒ガス流路(セル)を形成する。上
記突起6の形状は、特に限定されるものではなく、爪
状,ボタン状,棒状などの種々の形状をとり得る。ま
た、突起は、板状の蓄冷材の表面に形成することも可能
である。
【0041】さらに板状蓄冷材のその他の固定構造とし
て、例えば図8および図9に示す方式も採用できる。す
なわち、蓄冷器本体2内に嵌装可能な保持器7であり、
板状蓄冷材3の縁部を挿入する多数の溝5aを内面軸方
向に形成した保持器7内に複数の板状蓄冷材3を挿入し
て固定してもよい。すなわち、筒状の蓄冷器本体2自体
に加工を施し板状蓄冷材3を直接に固定する方式ではな
く、予め蓄冷器本体2と同一または異なる材料から成る
保持器7内に複数の板状蓄冷材3を、所定の間隙を保持
した状態で固定し、こうして得られた保持器7を蓄冷器
本体2内の軸方向に複数個挿入して蓄冷器を形成するこ
とも可能である。
【0042】この場合、複数の板状蓄冷材3は、予め保
持器7内に固定されているため、蓄冷材3を交換する際
は、保持器7を新しいものと入れ替えるだけで交換作業
は完了する。したがって、蓄冷材3の交換作業が迅速に
完了するとともに、蓄冷材3の取扱いも容易になり、破
損も少なくなる。
【0043】また、複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流
れ方向に配設されて形成される蓄冷器においては、冷媒
ガスの流れ方向に隣接する板状蓄冷材の平板面が同一平
面上に存在する場合と比較して上記隣接する蓄冷材の平
板面が相互に若干ずれている場合の方が、より熱交換作
用が円滑に進行し、蓄冷効率が高まるという知見を本発
明者らは得ている。
【0044】そこで本発明に係る蓄冷器の好ましい態様
として、上記冷媒ガスの流れ方向に隣接する板状の蓄冷
材の平板面がなす蓄冷器径方向の角度が0.5度以上と
なるように規定している。例えば、図8および図9に示
すように、複数の板状蓄冷材3を保持器7内に配置固定
し、この保持器7を冷媒ガス流れ方向に多段に積み重ね
て蓄冷器1cとした場合に、隣接する板状蓄冷材3,3
aの平板面がなす蓄冷器径方向の角度θを0.5度以上
に調節することにより、冷媒ガスの流路抵抗の大きさを
抑制することが可能である。
【0045】上記冷媒ガス流路方向に隣接する板状蓄冷
材3,3aの平板面がなす蓄冷器径方向の角度θが0.
5度未満と過小な場合には、冷媒ガスの流路抵抗が小さ
く、冷媒ガス(作動ガス)と蓄冷材との間で十分な熱交
換が困難である。上記隣接する蓄冷材の平板面のなす角
度θは0.5度以上と規定されるが、1度以上が好まし
く、さらには2度以上が、さらに好ましい。
【0046】また、本発明に係るは蓄冷器において、複
数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流路断面を仕切るように
配置され、冷媒ガスが流通する複数のセルが形成される
ように構成することもできる。
【0047】上記構成の蓄冷器において、上記セルを形
成する蓄冷材の厚さの平均値は、好ましくは0.05m
m以上、2mm以下に規定される。蓄冷材の厚さの平均
値が0.05mm未満になると、蓄冷材の構造強度が不
十分となり、蓄冷器中に組み込むことが困難になるのみ
ならず、冷凍機の運転中に生じる振動や衝撃によって破
損し易くなる。
【0048】一方、セルを形成する蓄冷材の厚さの平均
値が2mmを超えると、1回の冷凍サイクル中で蓄冷材
内部までの熱浸透が不十分となり、蓄冷効率が低下して
しまう。そのためセルを形成する隔壁としての蓄冷材の
厚さの平均値は、0.05〜2mmとされるが、0.1
〜1mm以下の範囲がより好ましく、0.2〜0.5m
mの範囲が特に好ましい。
【0049】上記複数のセルを形成した蓄冷材を充填し
た蓄冷器において、複数のセルの断面積の平均値は1×
10−9以上2×10−6以下の範囲とするこ
とが好ましい。ここで、セルの断面積は、冷媒ガスの流
れ方向(軸方向)に直角な方向の断面積を意味する。こ
のセルの断面積の平均値が1×10−9未満になる
と、冷媒ガスの流路抵抗が大きくなり、この蓄冷材を使
用した冷凍機の冷凍能力が低下してしまう。
【0050】一方、セルの断面積の平均値が2×10
−6を超えると、蓄冷材の蓄冷器への充填率が低下
するとともに、冷媒ガスと蓄冷材との熱交換が不十分と
なり、蓄冷効率が低下してしまう。したがって、複数の
セルの断面積の平均値は1×10−9〜2×10
−6の範囲とされるが、2×10−9〜5×1
−7以下の範囲が好ましく、さらに5×10−9
〜2×10−7以下の範囲が特に好ましい。
【0051】また、上記セルを形成した蓄冷材を充填し
た蓄冷器において、複数のセルの平均長さは3mm以上
100mm以下の範囲とすることが好ましい。上記セル
の平均長さが3mm未満では、冷媒ガス流路方向に長尺
な蓄冷器を蓄冷材で満たすために、多数の蓄冷材が必要
となり、蓄冷器の組立が煩雑であり、生産性の観点から
好ましくない。
【0052】一方、セルの平均長さが100mmを超え
ると、ガス流路方向における熱伝導が大きくなるため、
冷凍機の蓄冷器の低温端に熱が流入し易くなって冷凍能
力が低下してしまう。そのためセルの平均長さは、3〜
100mmの範囲とすることが好ましいが、5〜40m
mの範囲がより好ましく、さらには8〜20mmの範囲
がより好ましい。
【0053】上記蓄冷材のセルの断面形状は、特に限定
されるものではなく、図10(a)〜(d)に示すよう
に、三角形,四角形,六角形および円形など種々の形状
を採用できる。また上記の少なくとも2種の断面形状が
混在するようなセル形状を採用することもできる。上記
セルの断面形状のうち、特に四角形状および三角形状の
セルを形成した場合に、蓄冷材の機械的強度が優れ、耐
久性に優れた蓄冷材が得られる。
【0054】本発明に係る蓄冷器に充填され、上記のよ
うな複数のセルを有する蓄冷材の製造方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、押し出し法,コルゲート
法,エンボスおよびカレンダー法などの各種成形法が使
用される。特に成形操作の簡便性の観点から、複数の板
状の蓄冷材およびセルは、蓄冷材粉末とバインダーとの
混合物の押し出し加工により形成されていることが望ま
しい。ここで、上記蓄冷材粉末は、希土類元素を10a
t%以上含有することが望ましい。
【0055】上記押し出し法においては、粒度調整した
蓄冷材粉末にバインダー,潤滑剤,界面活性剤,分散媒
としての水などを加えて混練した混合物を、目的とする
セル構造の隔壁を形成するための押し出し溝を有する成
形ダイスなどの成形金型を通すことにより、複数のセル
を有する成形体が形成される。その後、必要に応じて脱
脂処理を行い、焼成することにより、所定断面形状を有
する蓄冷材が形成される。
【0056】上記製造方法において、より緻密で高強度
な蓄冷材を得るために、原料となる蓄冷材粉末の平均粒
径は10μm以下とすることが好ましい。この平均粒径
は5μm以下がより好ましく、さらには3μm以下が特
に好ましい。また、上記バインダーとしては、例えば、
メチルセルロース,カルボキシルメチルセルロース,ポ
リビニルアルコール(PVA),澱粉糊,グリセリン,
各種ワックスなどが好適に使用できる。また、バインダ
ーとしてPb,Sn,In,各種半田合金などの低融点
金属材を使用することもできる。
【0057】なお、従来から、例えば、エンボス加工を
施した蓄冷材要素やリボン状の蓄冷材要素を巻回した
り、あるいは積層したりすることにより、隣接する蓄冷
材要素間の隙間に擬似的なセル構造を形成した蓄冷材が
提案されているが、それらの蓄冷材を用いた蓄冷器は、
本発明の蓄冷器とは作用効果が異なるものである。
【0058】すなわち、上記従来の蓄冷材はセルを形成
する板状の蓄冷材の一部が可動的に接触しているのみで
あるのに対して、本発明ではセルが、一体化して形成さ
れた強固な隔壁により囲まれた構造を形成している。し
たがって、このセル構造により、外力に対して各セルの
形状を安定に維持することが可能となり、冷凍機の特性
の安定化が実現される。
【0059】特に、セルを構成する隔壁の厚さが薄い場
合には、上記従来例のように板状の蓄冷材要素が相互に
接触する構造では蓄冷材の機械的強度は不十分であるの
に対して、本発明では、複数の板状の蓄冷材が一体化し
て形成され、高剛性のフレーム構造が形成されているた
めに、十分な機械的強度および耐久性が確保できる。
【0060】また、前記従来のセル構造を有する蓄冷材
においては、加工精度を高くできない技術上の問題か
ら、一部のセルを構成する隔壁の接触が不十分となり、
隙間を生じる場合がある。この場合、冷媒ガスと隔壁を
構成する蓄冷材との間での熱交換が不十分となり、蓄冷
性能が低下する問題がある。これに対して、本発明の蓄
冷器で使用する蓄冷材においては、隣接する隔壁間に隙
間が形成されることがないため、上記問題は発生しな
い。
【0061】また、他の従来例として、磁性材料から成
る薄板に、冷媒ガスの流路となる複数の穴を、機械的加
工,エッチング,あるいは蒸発処理などの手段によって
形成した薄板を積層した蓄冷材も提案されていた。しか
しながら、脆性が高い磁性材料から成る薄板に機械的加
工法によって微細な穴を多数形成することは、極めて困
難であり、また工業的に高コストになるという問題点が
あった。
【0062】また、本願発明者の知見として、蓄冷材と
は異なる材料から成る芯材の周りに蓄冷材を巻き付け、
それを多数束ねた状態で線引き加工して一体化し、その
後、エッチングまたは蒸発処理などにより芯材を取り除
いて孔を形成した蓄冷材の製造方法も考えられている。
【0063】しかしながら、一般に脆性が高く加工性が
悪い磁性材料を線引き加工することは困難であり、工業
的な製造方法にはなり得ない。また、上記製造方法で
は、断面が円形状の孔が一般的となるが、円形状の孔を
形成するためには孔を取り囲む隔壁が曲面で構成され、
図10(d)に示すように薄い隔壁部分と厚い隔壁部分
とが混在する。そのため、薄い部分は構造強度が不足す
る一方、厚い部分は熱交換が不十分となり、いずれにし
ても蓄冷材としての要求特性が低下する部分が存在する
ことになる。
【0064】したがって、本発明において、セルの断面
形状は図10(d)に示す円形状の断面を有するセルよ
りも図10(a)〜(c)に示すように、三角形状,四
角形状,または六角形状を有するものが、高い機械的特
性と良好な伝熱特性とを同時に確保するために、より好
ましいと言える。
【0065】本発明に係る蓄冷式冷凍機は、蓄冷器の少
なくとも一部として、上記の蓄冷材を充填した蓄冷器を
使用して構成される。なお、所定の冷却段の蓄冷器とし
て、本発明に係る蓄冷器を装填する一方、他の蓄冷器と
して、その温度分布に応じた比熱特性を有する他の蓄冷
材を充填した蓄冷器を併用して構成してもよい。
【0066】上記構成に係る蓄冷器によれば、板状の蓄
冷材を蓄冷器本体に充填して形成されており、かつ冷媒
ガスが容易に通過でき蓄冷材との間で十分な熱交換が可
能な空隙が確保されているため、スターリング冷凍機や
パルスチューブ冷凍機などの高速運転を行う冷凍機の蓄
冷器として使用した場合においても、圧力損失が小さ
く、長期間に亘り安定した冷凍特性を示す蓄冷器が得ら
れる。そして、その蓄冷器を冷凍機の少なくとも一部の
蓄冷器として使用することにより、冷凍能力が高く、か
つ長期間に亘って安定した冷凍性能が維持できる冷凍機
を提供することができる。
【0067】そして、MRI装置、クライオポンプ、磁
気浮上列車用超電導磁石、および磁界印加式単結晶引上
げ装置は、いずれも冷凍機性能が各装置の性能を左右す
ることから、上述したような冷凍機を用いた本発明のM
RI装置、クライオポンプ、磁気浮上列車用超電導磁
石、および磁界印加式単結晶引上げ装置は、いずれも長
期間に亘って優れた性能を発揮させることができる。
【0068】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
【0069】実施例1 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造し、このインゴットを真空中で温度75
0℃で12時間熱処理した。得られた合金インゴットを
ブレードソーを用いて切断することにより、図3に示す
ように幅Wが35mmであり、長さLが10mmであ
り、厚さTが0.5mmの短冊状の蓄冷材3aを多数調
製した。
【0070】一方、図3に示すように、内のり寸法で縦
35mm×横35mm×長さ150mmの角筒状の蓄冷
器本体2aであり、図4に示すように内壁に深さ0.5
mmの溝5を多数形成した蓄冷器本体2aを用意した。
次に上記蓄冷器本体2aの溝5に前記短冊状の蓄冷材3
aの両縁部を挿入して固定することにより、実施例1に
係る蓄冷器1aを調製した。
【0071】上記実施例1に係る蓄冷器1aにおいて
は、短冊状の蓄冷材3aの長さ方向が冷媒ガスの流れ方
向と一致するように、冷媒ガスの流れ方向に15枚連設
されるように構成されている。また溝5を形成する突起
の厚さを0.1mmとしたため、冷媒ガスの流れ方向と
直交する方向に隣接する短冊状蓄冷材3a,3a間に
は、それぞれ間隙Gが0.1mmである冷媒ガス流路4
が形成される。
【0072】次に上記のように調製した蓄冷器の特性を
評価するため、2段式パルスチューブ冷凍機を用意し
た。図5に1段式パルスチューブ冷凍機の基本構成を示
す。このパルスチューブ冷凍機70の最大の構造的特徴
は、後述するGM冷凍機では必須となっている寒冷発生
用の往復動ピストンを具備しないことである。そのた
め、機械的信頼性および低振動性に優れる長所を有し、
特に素子やセンサー冷却用冷凍機として期待を担ってい
る。
【0073】パルスチューブ冷凍機70は蓄冷式冷凍機
の一種であり、冷媒ガスとして一般にヘリウムガスが用
いられる。基本的な構成として、冷凍機は蓄冷器1の他
にヘリウムガスを圧縮する圧力振動源71、および冷媒
ガスの圧力変動と位置変動(変位)の時間差を制御する
位相調節機構72から成る。
【0074】GM冷凍機やスターリング冷凍機において
は、上記位相調節機構72は低温部に配置された往復動
ピストン機構であるのに対して、パルスチューブ冷凍機
70では、それが室温部に配置され、蓄冷器1の低温端
と室温部の位相調節機構72との間がパルス管と呼ばれ
る配管で連結され、冷媒ガスの圧力波の位相の遠隔制御
がなされる。そして圧力変動による冷媒ガスと蓄冷材と
の間のエントロピー授受が変位との適当なタイミングで
進行することにより、エントロピーが一方向へ順次汲み
上げられ、蓄冷器1の低温部において、より低温度の冷
熱が得られる。
【0075】そして、前記のように調製した実施例1に
係る蓄冷器を、上記2段式パルスチューブ冷凍機の2段
目蓄冷器として組み込み、実施例1に係る冷凍機を組み
立て5Hzで冷凍試験を実施し、4.2Kにおける冷凍
能力を測定した。
【0076】なお本実施例における冷凍能力は、冷凍機
運転時にヒータによって第2冷却段に熱負荷を作用さ
せ、第2冷却段の温度上昇が4.2Kで停止したときの
熱負荷で定義した。
【0077】その結果、4.2Kにおける冷凍能力とし
て0.11Wが得られた。また、冷凍試験完了後に冷凍
機の蓄冷器内に充填した蓄冷材を取り出し外観を観察し
たが、各板状蓄冷材に損傷は認められなかった。
【0078】実施例2 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造し、このインゴットを真空中で温度75
0℃で12時間熱処理した。得られた合金インゴットを
ブレードソーを用いて切断することにより、図6および
図7に示すように幅が35mmであり、長さが15mm
であり、厚さが0.7mmの短冊状の蓄冷材3bを多数
調製した。
【0079】一方、図6および図7に示すように、内の
り寸法で縦35mm×横35mm×長さ150mmの角
筒状の蓄冷器本体2bであり、図7に示すように内壁に
縦1mm×横2mm×厚さ0.2mmの突起6を多数形
成した蓄冷器本体2bを用意した。次に上記蓄冷器本体
2bの突起6,6間に前記短冊状の蓄冷材3bの両縁部
を挿入して固定することにより、実施例2に係る蓄冷器
1bを調製した。
【0080】上記実施例2に係る蓄冷器1bにおいて
は、短冊状の蓄冷材3bの長さ方向が冷媒ガスの流れ方
向と一致するように、冷媒ガスの流れ方向に10枚連設
されるように構成されている。また突起6の厚さを0.
2mmとしたため、冷媒ガスの流れ方向と直交する方向
に隣接する短冊状蓄冷材3b,3b間には、それぞれ間
隙が0.2mmである冷媒ガス流路が形成される。
【0081】そして、この蓄冷器1bについて、実施例
1と同様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器
として組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験
を実施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したとこ
ろ、0.10Wの冷凍能力が得られた。
【0082】実施例3 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造し、このインゴットを真空中で温度75
0℃で12時間熱処理した。得られた合金インゴットを
ブレードソーを用いて切断することにより、図8および
図9に示すように長さが25mmであり、厚さが1mm
の短冊状の蓄冷材3を多数調製した。
【0083】この場合、各短冊状の蓄冷材3の幅は、図
8および図9に示すような、外径が39mmであり、長
さが25mmの略円筒状の保持器7内でガス流れ方向と
直交する方向に所定の間隙をおいて配設できる寸法に調
整されている。
【0084】上記保持器7は、蓄冷器本体2内に嵌装可
能な外径を有するように調製されており、保持器7の内
面には、板状の蓄冷材3の両縁部を挿入して保持・固定
するための溝5aがガス流れ方向に形成されている。そ
して、幅が異なる蓄冷材3の両縁部を保持器7の溝5a
に挿入して蓄冷材3を一体に固定した保持器7を多数組
み立てた。さらに、内径が39mmであり長さが150
mmの蓄冷器本体2内の軸方向に、上記保持器7を6段
積み重ねて充填することにより、実施例3に係る蓄冷器
1cを調製した。なお、軸方向に隣接する板状蓄冷材
3,3の平板面がなす蓄冷器周方向の角度θはゼロとし
た。
【0085】そして、この蓄冷器1cについて、実施例
1と同様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器
として組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験
を実施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したとこ
ろ、0.13Wの冷凍能力が得られた。
【0086】実施例4 実施例3において、各板状蓄冷材3を挿入・固定した保
持器7を6段積み重ねて形成した蓄冷器1cについて、
最下段の保持器7に対して第2段目以降〜第6段目の保
持器7を蓄冷器本体の中心軸回りに5度ずつ順次回転さ
せた状態で蓄冷器本体内に多段に積層・充填して実施例
4に係る蓄冷器を調製した。
【0087】すなわち、各段の保持器7内に固定された
板状蓄冷材3の平板面と、ガス流路方向に隣接する保持
器7内に固定された板状蓄冷材3の平板面とがなす蓄冷
器径方向の角度θが5度となるように、隣接する各保持
器7内の蓄冷材3が相互に変位するように構成したもの
である。
【0088】そして、この蓄冷器について、実施例1と
同様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器とし
て組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験を実
施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したところ、
0.20Wの冷凍能力が得られた。
【0089】比較例1 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造した。この合金インゴットを約1350
Kで溶融せしめ、得られた合金溶湯を、圧力が90KP
aに調整されたAr雰囲気中で回転速度1×10rp
mで回転する円盤上に滴下して分散後、急冷凝固せしめ
ることにより、磁性体粒子を調製した。得られた磁性体
粒子を篩い分け並びに形状分級することにより、粒径が
0.2〜0.3mmの球状磁性体粒子を得た。この球状
磁性体粒子を、内径が35mmであり、長さが150m
mの蓄冷器本体に充填することにより、比較例1に係る
従来の蓄冷器を調製した。
【0090】そして、この蓄冷器について、実施例1と
同様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器とし
て組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験を実
施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したところ、
0.02Wの冷凍能力が得られた。
【0091】比較例2 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造し、このインゴットを真空中で温度75
0℃で12時間熱処理した。得られた合金インゴットを
ブレードソーを用いて切断し、さらに機械研削加工する
ことにより、図11に示すように幅Wが35mmであ
り、長さLが150mmであり、厚さTが2.3mmで
あり、長手方向両縁部に幅1.5mm×高さ1.2mm
のフランジ部8を有し、断面がコの字状の蓄冷材3cを
多数調製した。
【0092】一方、図12に示すように、内のり寸法で
縦35mm×横35mm×長さ150mmの角筒状の蓄
冷器本体2cを用意した。次に、前記のように調製した
断面コの字状の板状の蓄冷材3cを、図12に示すよう
に10枚積層した状態で角筒状の上記蓄冷器本体2c内
に挿入して固定することにより、比較例2に係る蓄冷器
1dを調製した。
【0093】上記比較例2に係る蓄冷器1dにおいて
は、板状の各蓄冷材3cが蓄冷器本体2cの全長に及ぶ
ように配置され、冷媒ガスの流れ方向と直交する方向に
10枚積層されるように構成されている。また、各蓄冷
材3cの両側縁に形成されたフランジ部8は、隣接する
蓄冷材3c,3cの実質的な間隙を保つスペーサとして
機能する。そして各フランジ部8の高さを1.2mmと
したため、冷媒ガスの流れ方向と直交する方向に隣接す
る板状蓄冷材3c,3c間には、それぞれ間隙Gが1.
2mmである冷媒ガス流路4が形成される。
【0094】そして、この蓄冷器1dについて、実施例
1と同様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器
として組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験
を実施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したとこ
ろ、0.04Wの低い冷凍能力しか得られなかった。ま
た、各蓄冷材3cのフランジ部8を形成する際に多大な
加工工数が必要であり、製造コストが大幅に上昇するこ
とが判明した。
【0095】実施例5 実施例1において使用した板状蓄冷材3aの厚さTを
0.1〜2.3mmまでの範囲で変化させ、隣接する板
状蓄冷材3a,3a間の間隙寸法を実施例1と同一に設
定して、各蓄冷材を縦横35mm×長さ150mmの蓄
冷器本体内に挿入固定することにより、それぞれ実施例
5に係る蓄冷器を調製した。
【0096】そして、各蓄冷器について、実施例1と同
様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器として
組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験を実施
し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したところ、図1
3に示す結果が得られた。
【0097】図13に示す結果から明らかなように、板
厚が0.4mm以下の蓄冷材を使用した冷凍機において
は、冷凍能力に顕著な差異は認められないが、板厚が減
少するに伴って蓄冷材を蓄冷器本体に組み込むことが困
難になることが判明した。図13に示す結果から、特に
板厚が0.4〜2mmの範囲の蓄冷材を使用したとき
に、高い冷凍能力が得られることが判明した。
【0098】実施例6 実施例1において使用した厚さ0.5mmの板状蓄冷材
3a,3a間の間隙寸法Gを0.008〜1.5mmま
での範囲で変化させ、各蓄冷材を縦横35mm×長さ1
50mmの蓄冷器本体内に挿入固定することにより、そ
れぞれ実施例6に係る蓄冷器を調製した。
【0099】そして、各蓄冷器について、実施例1と同
様にしてパルスチューブ冷凍機の第2段目蓄冷器として
組み込み、冷凍機を組み立て、5Hzで冷凍試験を実施
し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したところ、図1
4に示す結果が得られた。
【0100】図14に示す結果から明らかなように、隣
接する板状蓄冷材間の間隙Gが0.01〜1mmの範囲
にある蓄冷器を使用した冷凍機においては、冷凍能力に
ピークが存在し、特に間隙が0.05〜0.5mmの範
囲の蓄冷器を使用したときに、高い冷凍能力が得られる
ことが判明した。
【0101】実施例7 高周波溶解法によりErNiなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造し、このインゴットを真空中で温度70
0℃で12時間熱処理した。得られた合金インゴットを
ブレードソーを用いて切断することにより、幅Wが40
mmであり、長さLが15mmであり、厚さTが0.6
mmの短冊状の蓄冷材を多数調製した。
【0102】一方、内のり寸法で縦40mm×横40m
m×長さ180mmの角筒状の蓄冷器本体であり、内壁
に深さ0.6mmの溝を多数形成した蓄冷器本体を用意
した。次に,この蓄冷器本体の溝に前記短冊状の蓄冷材
の両縁部を挿入して固定することにより、実施例7に係
る蓄冷器を調製した。
【0103】上記実施例7に係る蓄冷器においては、短
冊状の蓄冷材の長さ方向が冷媒ガスの流れ方向と一致す
るように、冷媒ガスの流れ方向に12枚連設されるよう
に構成されている。また溝を形成する突起の厚さを0.
08mmとしたため、冷媒ガスの流れ方向と直交する方
向に隣接する短冊状蓄冷材間には、それぞれ間隙Gが
0.08mmである冷媒ガス流路が形成される。
【0104】次に上記のように調製した蓄冷器の特性を
評価するため、図15に示すような2段膨張式GM冷凍
機を用意した。なお、図15に示す2段式のGM冷凍機
10は、本発明の冷凍機の一実施例を示すものである。
【0105】図15に示す2段式のGM冷凍機10は、
大径の第1シリンダ11と、この第1シリンダ11と同
軸的に接続された小径の第2シリンダ12とが設置され
た真空容器13を有している。第1シリンダ11には第
1蓄冷器14が往復動自在に配置されており、第2シリ
ンダ12には第2蓄冷器15が往復動自在に配置されて
いる。第1シリンダ11と第1蓄冷器14との間、およ
び第2シリンダ12と第2蓄冷器15との間には、それ
ぞれシールリング16,17が配置されている。
【0106】第1蓄冷器14には、Cuメッシュ等の第
1蓄冷材18が収容されている。第2蓄冷器15の低温
側には、本発明の蓄冷器に使用される板状の極低温用蓄
冷材が第2蓄冷材19として収容されている。第1蓄冷
器14および第2蓄冷器15は、第1蓄冷材18や極低
温用蓄冷材19の間隙等に設けられたHeガス等の作動
媒質(冷媒ガス)の通路をそれぞれ有している。
【0107】第1蓄冷器14と第2蓄冷器15との間に
は、第1膨張室20が設けられている。また、第2蓄冷
器15と第2シリンダ12の先端壁との間には、第2膨
張室21が設けられている。そして、第1膨張室20の
底部に第1冷却ステージ22が、また第2膨張室21の
底部に第1冷却ステージ22より低温の第2冷却ステー
ジ23が形成されている。
【0108】上述したような2段式のGM冷凍機10に
は、コンプレッサ24から高圧の作動媒質(例えばHe
ガス)が供給される。供給された作動媒質は、第1蓄冷
器14に収容された第1蓄冷材18間を通過して第1膨
張室20に到達し、さらに第2蓄冷器15に収容された
極低温用蓄冷材(第2蓄冷材)19間を通過して第2膨
張室21に到達する。この際に、作動媒質は各蓄冷材1
8,19に熱エネルギーを供給して冷却される。
【0109】各蓄冷材18,19間を通過した作動媒質
は、各膨張室20,21で膨張して寒冷を発生させ、各
冷却ステージ22,23が冷却される。膨張した作動媒
質は、各蓄冷材18,19間を反対方向に流れる。作動
媒質は各蓄冷材18,19から熱エネルギーを受け取っ
た後に排出される。こうした過程で復熱効果が良好にな
るに従って、作動媒質サイクルの熱効率が向上し、より
一層低い温度が実現されるように構成されている。
【0110】そして、前記のように調製した実施例7に
係る蓄冷器を、上記2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷
器として組み込み、実施例7に係る冷凍機を組み立て2
Hzで冷凍試験を実施し、4.2Kにおける冷凍能力を
測定し、0.57Wの冷凍能力が得られた。また、冷凍
試験完了後に冷凍機の蓄冷器内に充填した蓄冷材を取り
出し外観を観察したが、板状蓄冷材に損傷は認められな
かった。
【0111】比較例3 高周波溶解法によりErNiなる組成を有する合金イ
ンゴットを鋳造した。この合金インゴットを約1200
Kで溶融せしめ、得られた合金溶湯を、圧力が90KP
aに調整されたAr雰囲気中で回転速度1×10rp
mで回転する円盤上に滴下して分散後、急冷凝固せしめ
ることにより、磁性体粒子を調製した。得られた磁性体
粒子を篩い分け並びに形状分級することにより、粒径が
0.2〜0.3mmの球状磁性体粒子を得た。この球状
磁性体粒子を、実施例7と同様な縦40mm×横40m
m×長さ180mmの角筒状の蓄冷器本体に充填するこ
とにより、比較例3に係る従来の蓄冷器を調製した。
【0112】そして、この蓄冷器について、実施例7と
同様にして2段膨張式GM冷凍機の第2段目蓄冷器とし
て組み込み、GM冷凍機を組み立て、2Hzで冷凍試験
を実施し、4.2Kにおける冷凍能力を測定したとこ
ろ、0.21Wの冷凍能力が得られた。
【0113】次に複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流路
断面を仕切るように配置され、冷媒ガスが流通する複数
のセルを形成した蓄冷材を用いた実施例について説明す
る。
【0114】実施例8 高周波溶解法によりHoCuなる組成を有するインゴ
ットを調製した。このHoCuインゴットをジェット
ミルにて粉砕して平均粒径2.6μmの蓄冷材粉末を作
製した。この蓄冷材粉末にポリビニルアルコールと水と
を加えて混合した混合体を、図10(b)に示すセルの
断面形状を有する成形用金型(ダイス)を備えたスクリ
ュー押し出し機に供給して押し出し成形を実施し、所定
の断面形状のセルを有する押し出し成形体を得た。各セ
ルの断面形状は一辺が50μmの正方形であり、セルを
取り囲む隔壁としての蓄冷材の厚さは100μmであっ
た。この押し出し成形体を脱脂後、温度850℃で焼成
することにより、直径が35mmで長さが30mmの実
施例8用の蓄冷材を調製した。
【0115】上記のようなセル構造を有する3個の蓄冷
材を、長さ150mmの蓄冷器の低温側に充填するとと
もに、蓄冷器の高温側の残り空間には、粒径180〜3
00μmのPb球状粉末をフェルト製スペーサを介して
充填して実施例8に係る蓄冷器を調製した。
【0116】この蓄冷器を図5に示すパルスチューブ型
冷凍機の2段目蓄冷器として組み込み、パルフチューブ
型冷凍機を6Hzで運転したところ、4.2Kにおける
冷凍能力が0.15Wと安定していた。また、運転終了
後、セル構造の蓄冷材を蓄冷器から取り出して観察した
ところ、破損した隔壁は観察されなかった。
【0117】実施例9 平均粒径1.8μmのGdAlO粉末を蓄冷材粉末と
して用意した。この蓄冷材粉末にポリビニルアルコール
と水とを加えて混合した混合体を、図10(b)に示す
セルの断面形状を有する成形用金型ダイスを備えたスク
リュー押し出し機に供給して押し出し成形を実施し、所
定の断面形状のセルを有する押し出し成形体を得た。各
セルの断面形状は一辺が50μmの正方形であり、セル
を取り囲む隔壁としての蓄冷材の厚さは100μmであ
った。この押し出し成形体を脱脂後、温度1500℃で
焼成することにより、直径が35mmで長さが30mm
の実施例9用の蓄冷材を調製した。
【0118】上記のようなセル構造を有する1個の蓄冷
材を、長さ150mmの蓄冷器の低温側に充填するとと
もに、蓄冷器の高温側の残り空間には、実施例8で作製
した蓄冷材を2個充填するとともに、さらにその高温側
に粒径180〜300μmのPb球状粉末をフェルト製
スペーサを介して充填して実施例9に係る蓄冷器を調製
した。
【0119】この蓄冷器を図5に示すパルスチューブ型
冷凍機の2段目蓄冷器として組み込み、パルフチューブ
型冷凍機を6Hzで運転したところ、4.2Kにおける
冷凍能力が0.18Wと安定していた。また、運転終了
後、セル構造の蓄冷材を蓄冷器から取り出して観察した
ところ、破損した隔壁は観察されなかった。
【0120】比較例4 高周波溶解法により、HoCuなる組成を有する合金
インゴットを調製した。このHoCuインゴットを約
1350Kで溶融せしめ、この合金溶湯を、圧力が90
KPaのアルゴン雰囲気中で1×10rpmで回転す
る円盤上に滴下して急冷凝固させることにより、磁性体
粒子を調製した。得られた磁性体粒子を篩い分けし、さ
らに形状分級することにより、粒径が0.2〜0.3m
mの球状磁性体粒子から成る比較例4に係る蓄冷材粒子
を調製した。
【0121】この蓄冷材粒子を、実施例8,9で使用し
たパルスチューブ型冷凍機の蓄冷器本体に充填して比較
例4に係る蓄冷器を調製した。この蓄冷器を図5に示す
パルスチューブ型冷凍機の2段目蓄冷器として組み込
み、パルフチューブ型冷凍機を6Hzで運転したとこ
ろ、4.2Kにおける冷凍能力が0.01Wであった。
【0122】このように本実施例に係る蓄冷器によれ
ば、パルスチューブ型冷凍機やスターリング冷凍機など
のように高速運転を行う冷凍機に使用された場合でも、
圧力損失が小さく、熱交換効率が高い蓄冷器が実現で
き、ひいては冷凍能力が高い冷凍機を提供することがで
きる。
【0123】実施例10 成型用金型の断面形状が図10(a)に示すように三角
形であり、その一辺の長さが75μmである成型用金型
を使用した点以外は、実施例8と同一の手順を繰り返し
て、所定のセル構造を有する実施例10用の蓄冷材を調
製した。そして、実施例8と同様に蓄冷器に充填して、
冷凍試験を実施した。
【0124】その結果、4.2Kにおける冷凍能力は
0.14Wであった。また、この冷凍機を500時間連
続して運転した後に、4.2Kにおける冷凍能力を測定
したところ、0.14Wと安定した特性を示した。さら
に運転終了後、セル構造を有する蓄冷材を蓄冷器から取
り出して観察したところ、破損した隔壁は発見されなか
った。
【0125】実施例11 成型用金型の断面形状が図10(d)に示すように円形
であり、セルを形成する隔壁の厚さが90μmである成
型用金型を使用した点以外は、実施例8と同一の手順を
繰り返して、所定のセル構造を有する実施例11用の蓄
冷材を調製した。そして、実施例8と同様に蓄冷器に充
填して、冷凍試験を実施した。
【0126】その結果、4.2Kにおける冷凍能力は
0.11Wであった。また、この冷凍機を500時間連
続して運転した後に、4.2Kにおける冷凍能力を測定
したところ、0.05Wに低下していた。さらに運転終
了後、セル構造を有する蓄冷材を蓄冷器から取り出して
観察したところ、破損した隔壁が19箇所観察され、微
粉化した蓄冷材も検出された。
【0127】次に、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使用し
た超電導MRI装置、磁気浮上列車用超電導磁石、クラ
イオポンプ、および磁界印加式単結晶引上げ装置の実施
例について述べる。
【0128】図16は、本発明を適用した超電導MRI
装置の概略構成を示す断面図である。図16に示す超電
導MRI装置30は、人体に対して空間的に均一で時間
的に安定な静磁界を印加する超電導静磁界コイル31、
発生磁界の不均一性を補正する図示を省略した補正コイ
ル、測定領域に磁界勾配を与える傾斜磁界コイル32、
およびラジオ波送受信用プローブ33等により構成され
ている。そして、超電導静磁界コイル31の冷却用とし
て、前述したような本発明に係る蓄冷式冷凍機34が用
いられている。なお、図中35はクライオスタット、3
6は放射断熱シールドである。
【0129】本発明に係る蓄冷式冷凍機34を用いた超
電導MRI装置30においては、超電導静磁界コイル3
1の動作温度を長期間に亘って安定に保証することがで
きるため、空間的に均一で時間的に安定な静磁界を長期
間に亘って得ることができる。したがって、超電導MR
I装置30の性能を長期間に亘って安定して発揮させる
ことが可能となる。
【0130】図17は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使
用した磁気浮上列車用超電導磁石の要部概略構成を示す
斜視図であり、磁気浮上列車用超電導マグネット40の
部分を示している。図17に示す磁気浮上列車用超電導
マグネット40は、超電導コイル41、この超電導コイ
ル41を冷却するための液体ヘリウムタンク42、この
液体ヘリウムタンクの揮散を防ぐ液体窒素タンク43お
よび本発明に係る蓄冷式冷凍機44等により構成されて
いる。なお、図中45は積層断熱材、46はパワーリー
ド、47は永久電流スイッチである。
【0131】本発明に係る蓄冷式冷凍機44を用いた磁
気浮上列車用超電導マグネット40においては、超電導
コイル41の動作温度を長期間に亘って安定に保証する
ことができるため、列車の磁気浮上および推進に必要な
磁界を長期間に亘って安定して得ることができる。特
に、磁気浮上列車用超電導マグネット40では加速度が
作用するが、本発明に係る蓄冷式冷凍機44は加速度が
作用した場合においても長期間に亘って優れた冷凍能力
を維持できることから、磁界強度等の長期安定化に大き
く貢献する。したがって、このような超電導マグネット
40を用いた磁気浮上列車は、その信頼性を長期間に亘
って発揮させることが可能となる。
【0132】図18は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使
用したクライオポンプの概略構成を示す断面図である。
図18に示すクライオポンプ50は、気体分子を凝縮ま
たは吸着するクライオパネル51、このクライオパネル
51を所定の極低温に冷却する本発明に係る蓄冷式冷凍
機52、これらの間に設けられたシールド53、吸気口
に設けられたバッフル54、およびアルゴン、窒素、水
素等の排気速度を変化させるリング55等により構成さ
れている。
【0133】本発明に係る蓄冷式冷凍機52を用いたク
ライオポンプ50においては、クライオパネル51の動
作温度を長期間に亘って安定に保証することができる。
したがって、クライオポンプ50の性能を長期間に亘っ
て安定して発揮させることが可能となる。
【0134】図19は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使
用した磁界印加式単結晶引上げ装置の概略構成を示す斜
視図である。図19に示す磁界印加式単結晶引上げ装置
60は、原料溶融用るつぼ、ヒータ、単結晶引上げ機構
等を有する単結晶引上げ部61、原料融液に対して静磁
界を印加する超電導コイル62、および単結晶引上げ部
61の昇降機構63等により構成されている。そして、
超電導コイル62の冷却用として、前述したような本発
明に係る蓄冷式冷凍機64が用いられている。なお、図
中65は電流リード、66は熱シールド板、67はヘリ
ウム容器である。
【0135】本発明に係る蓄冷式冷凍機64を用いた磁
界印加式単結晶引上げ装置60においては、超電導コイ
ル62の動作温度を長期間に亘って安定に保証すること
ができるため、単結晶の原料融液の対流を抑える良好な
磁界を長期間に亘って得ることができる。したがって、
磁界印加式単結晶引上げ装置60の性能を長期間に亘っ
て安定して発揮させることが可能となる。
【0136】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る蓄冷器に
よれば、板状の蓄冷材を蓄冷器本体に充填して形成され
ており、かつ冷媒ガスが容易に通過でき蓄冷材との間で
十分な熱交換が可能な空隙が確保されているため、スタ
ーリング冷凍機やパルスチューブ冷凍機などの高速運転
を行う冷凍機の蓄冷器として使用した場合においても、
圧力損失が小さく、長期間に亘り安定した冷凍特性を示
す蓄冷器が得られる。そして、その蓄冷器を冷凍機の少
なくとも一部の蓄冷器として使用することにより、冷凍
能力が高く、かつ長期間に亘って安定した冷凍性能が維
持できる冷凍機を提供することができる。
【0137】そして、MRI装置、クライオポンプ、磁
気浮上列車用超電導磁石、および磁界印加式単結晶引上
げ装置は、いずれも冷凍機性能が各装置の性能を左右す
ることから、上述したような冷凍機を用いた本発明のM
RI装置、クライオポンプ、磁気浮上列車用超電導磁
石、および磁界印加式単結晶引上げ装置は、いずれも長
期間に亘って優れた性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄冷器の一実施例を示す断面図。
【図2】図1に示す蓄冷器を部分的に破断して示す正面
図。
【図3】本発明に係る蓄冷器の他の実施例を示す斜視
図。
【図4】図3におけるIV部の拡大断面図。
【図5】パルス管冷凍機の要素構成および温度分布を模
式的に示す図。
【図6】本発明に係る蓄冷器の他の実施例を示す斜視
図。
【図7】図6におけるVII部の拡大斜視図。
【図8】本発明に係る蓄冷器の他の実施例を示す半断面
図。
【図9】図8に示す蓄冷器の縦断面図。
【図10】蓄冷材のセルの断面形状を示す図であり、図
10(a)は三角形状のセルを示す断面図,図10
(b)は四角形状のセルを示す断面図,図10(c)は
六角形状のセルを示す断面図および図10(d)は円形
のセルを示す断面図。
【図11】従来の蓄冷材の形状例を示す斜視図および断
面図。
【図12】図11に示す蓄冷材を積層して蓄冷器本体中
に挿入して蓄冷器を組み立てる操作を示す斜視図。
【図13】蓄冷材の板厚と冷凍機能力との関係を示すグ
ラフ。
【図14】蓄冷材間の間隙寸法と冷凍機能力との関係を
示すグラフ。
【図15】蓄冷式冷凍機(GM冷凍機)の要部構成を示
す断面図。
【図16】本発明の一実施例による超電導MRI装置の
概略構成を示す断面図。
【図17】本発明の一実施例による超電導磁石(磁気浮
上列車用)の要部概略構成を示す斜視図。
【図18】本発明の一実施例によるクライオポンプの概
略構成を示す断面図。
【図19】本発明の一実施例による磁界印加式単結晶引
上げ装置の要部概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d 蓄冷器 2,2a,2b,2c 蓄冷器本体 3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g 蓄冷
材 4,4a,4b,4c,4d 冷媒ガス流路(セル) 5,5a 溝 6 突起 7 保持器(ホルダー) 8 フランジ部 10 GM冷凍機(蓄冷式冷凍機) 11 第1シリンダ 12 第2シリンダ 13 真空容器 14 第1蓄冷器 15 第2蓄冷器 16,17 シールリング 18 第1蓄熱材 19 第2蓄熱材(極低温用蓄冷材) 20 第1膨張室 21 第2膨張室 22 第1冷却ステージ 23 第2冷却ステージ 24 コンプレッサ 30 超電導MRI装置 31 超電導静磁界コイル 32 傾斜磁界コイル 33 ラジオ波送受信用プローブ 34 蓄冷式冷凍機 35 クライオスタット 36 放射断熱シールド 40 超電導磁石(マグネット) 41 超電導コイル 42 液体ヘリウムタンク 43 液体窒素タンク 44 蓄冷式冷凍機 45 積層断熱材 46 パワーリード 47 永久電流スイッチ 50 クライオポンプ 51 クライオパネル 52 蓄冷式冷凍機 53 シールド 54 バッフル 55 リング 60 磁界印加式単結晶引上げ装置 61 単結晶引上げ部 62 超電導コイル 63 昇降機構 64 蓄冷式冷凍機 65 電流リード 66 熱シールド板 67 ヘリウム容器 70 パルス管型冷凍機 71 圧力振動源 72 位相調節機構

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄冷器本体内に蓄冷材を充填し、蓄冷器
    本体の一方向から他方向に冷媒ガスを流通せしめて低温
    度を達成する蓄冷器において、上記蓄冷材の少なくとも
    一部が、厚さ0.03mm以上2mm以下の板状の蓄冷
    材であることを特徴とする蓄冷器。
  2. 【請求項2】 上記蓄冷材が、希土類元素を10at%
    以上含有する合金から成ることを特徴とする請求項1記
    載の蓄冷器。
  3. 【請求項3】 冷媒ガスの流れ方向における板状の蓄冷
    材の長さが1mm以上100mm以下であることを特徴
    とする請求項1記載の蓄冷器。
  4. 【請求項4】 複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流れ方
    向と直交する方向に間隙をおいて配設され、この間隙が
    0.01mm以上1mm以下であることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の蓄冷器。
  5. 【請求項5】 蓄冷器本体の内壁に溝が形成され、この
    溝に上記板状の蓄冷材の縁部が挿入されていることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄冷器。
  6. 【請求項6】 蓄冷器本体の内壁に突起が形成され、こ
    の突起間に上記板状の蓄冷材の縁部が挿入されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄
    冷器。
  7. 【請求項7】 複数の板状の蓄冷材が保持器によって固
    定されており、この保持器が蓄冷器本体内に挿入されて
    いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の蓄冷器。
  8. 【請求項8】 複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流れ方
    向に配設されており、上記冷媒ガスの流れ方向に隣接す
    る板状の蓄冷材の平板面がなす蓄冷器径方向の角度が
    0.5度以上であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の蓄冷器。
  9. 【請求項9】 複数の板状の蓄冷材が冷媒ガスの流路断
    面を仕切るように配置され、冷媒ガスが流通する複数の
    セルが形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    蓄冷器。
  10. 【請求項10】 上記セルを形成する蓄冷材の厚さの平
    均値が0.05mm以上、2mm以下であることを特徴
    とする請求項9記載の蓄冷器。
  11. 【請求項11】 上記複数のセルの断面積の平均値が1
    ×10−9以上2×10−6以下であることを
    特徴とする請求項9記載の蓄冷器。
  12. 【請求項12】 上記複数のセルの平均長さが3mm以
    上100mm以下であることを特徴とする請求項9記載
    の蓄冷器。
  13. 【請求項13】 上記複数の板状の蓄冷材およびセル
    は、蓄冷材粉末とバインダーとの混合物の押し出し加工
    により形成されていることを特徴とする請求項9記載の
    蓄冷器。
  14. 【請求項14】 蓄冷器の上流高温側から冷媒ガスを流
    して上記冷媒ガスと蓄冷材との熱交換によって蓄冷器の
    下流側にて、より低温度を得る蓄冷式冷凍機において、
    上記蓄冷器の少なくとも一部が請求項1ないし13のい
    ずれかに記載の蓄冷器であることを特徴とする蓄冷式冷
    凍機。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の蓄冷式冷凍機を具備
    したことを特徴とする超電導磁石。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の蓄冷式冷凍機を具備
    したことを特徴とするMRI(核磁気共鳴イメージン
    グ)装置。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の蓄冷式冷凍機を具備
    したことを特徴とするクライオポンプ。
  18. 【請求項18】 請求項14記載の蓄冷式冷凍機を具備
    したことを特徴とする磁界印加式単結晶引上げ装置。
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