JPWO2012056577A1 - 熱交換器および磁気冷凍システム - Google Patents

熱交換器および磁気冷凍システム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012056577A1
JPWO2012056577A1 JP2012540632A JP2012540632A JPWO2012056577A1 JP WO2012056577 A1 JPWO2012056577 A1 JP WO2012056577A1 JP 2012540632 A JP2012540632 A JP 2012540632A JP 2012540632 A JP2012540632 A JP 2012540632A JP WO2012056577 A1 JPWO2012056577 A1 JP WO2012056577A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat exchanger
transport medium
heat exchange
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012540632A
Other languages
English (en)
Inventor
忠彦 小林
忠彦 小林
斉藤 明子
明子 斉藤
志織 加治
志織 加治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Publication of JPWO2012056577A1 publication Critical patent/JPWO2012056577A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2321/00Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B2321/002Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

本発明の実施形態に係る熱交換器は、熱輸送媒体が導入される容器と、前記容器の内部に設けられ、前記熱輸送媒体が流れる方向に延在した磁気熱量効果材料を含む基部と、前記基部の表面に設けられた複数の熱伝導部と、を有した熱交換要素と、を備えている。そして、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記基部の熱伝導率よりも高くなっている。

Description

本発明の実施形態は、熱交換器および磁気冷凍システムに関する。
近年、環境配慮型でかつ効率の高い冷凍技術の一つとして、磁気熱量効果を利用して、磁気冷凍サイクルを構成し、高温部と低温部とを生成する磁気冷凍技術への期待が高まり、室温域を対象とした磁気冷凍技術の研究開発が活発化して来ている。
このような磁気冷凍技術の一つとして、室温域における磁気冷凍にとって阻害要因と位置付けられていた格子エントロピーを、むしろ積極的に利用し、磁気熱量効果を利用した磁気冷凍作業を磁気熱量材料を含んだ要素に行わせるとともに、この磁気冷凍作業により生成された冷熱を蓄える蓄熱効果を同時に担わせる室温AMR(Active Magnetic Regenerative Refrigeration)方式が提案されている。
AMR方式では、例えば、従来のフロンなどの気体の圧縮・膨張サイクルを利用した冷凍方式に比べ高い熱交換効率が得られることが期待されている。
もっとも、省エネルギー化の観点から、さらに熱交換効率の高い磁気冷凍技術の開発が望まれている。
特開2006−283987号公報 特開2009−210165号公報
本発明の実施形態は、熱交換効率の向上を図ることができる熱交換器および磁気冷凍システムを提供する。
実施形態によれば、熱輸送媒体が導入される容器と、前記容器の内部に設けられ、前記熱輸送媒体が流れる方向に延在した磁気熱量効果材料を含む基部と、前記基部の表面に設けられた複数の熱伝導部と、を有した熱交換要素と、を備え、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記基部の熱伝導率よりも高いこと、を特徴とする熱交換器が提供される。
第1の実施形態に係る熱交換器の構成を例示するための模式図である。(a)は熱交換要素を例示するための模式図、(b)は複数の熱交換要素から構成された層状構成体を例示するための模式図、(c)は層状構成体を収納する容器を例示するための模式図、(d)は熱交換器の両端部に低温側熱交換器、高温側熱交換器を配置した状態を例示するための模式図である。 本発明の実施形態に係るハイブリッド構造の熱交換器を例示するための模式図である。 本発明の実施形態に係る熱交換要素を例示するための模式図である。(a)は熱交換要素の側面図、(b)は熱交換要素の平面図、(c)は(b)におけるA部の拡大図である。 本発明の実施形態に係る等方的で不連続な配設パターンとなるように基部に熱伝導部を配設する場合を例示するための模式図である。(a)は平面視において矩形状を呈する熱伝導部の場合、(b)は平面視において円状を呈する熱伝導部の場合、(c)は平面視において楕円状を呈する熱伝導部の場合である。 本発明の実施形態に係る層状構成体を例示するための模式図である。(a)は層状構成体の模式側面図、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図である。 第4の実施形態に係る磁気冷凍システムを例示するための模式系統図である。 本発明の実施形態に係るAMR冷凍サイクルを例示するための模式図である。(a)は、熱交換器に磁場を印加した状態を例示するための模式図であり、(b)は、熱交換器に印加されていた磁場を除去した状態を例示するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、図中において、矢印x、y、zは互いに直交する三方向(軸)を表している。そして、z方向を磁場の方向としている。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る熱交換器の構成を例示するための模式図である。図1(a)は熱交換要素を例示するための模式図、図1(b)は複数の熱交換要素から構成された層状構成体を例示するための模式図、図1(c)は層状構成体を収納する容器を例示するための模式図、図1(d)は熱交換器の両端部に低温側熱交換器、高温側熱交換器を配置した状態を例示するための模式図である。
図1(a)に示すように、熱交換要素1には、基部10、熱伝導部11が設けられている。すなわち、熱交換要素1は、容器4の内部に設けられ、熱輸送媒体117が流れる方向に延在した磁気熱量効果材料を含む基部10と、基部10の表面に設けられた複数の熱伝導部11と、を有している。また、熱伝導部11の熱伝導率は、基部10の熱伝導率よりも高くなっている。また、熱伝導部11は、熱輸送媒体117が流れる方向において互いに接しないように配設されている。
なお、本明細書において熱輸送媒体117が流れる方向とは、容器4内の熱輸送媒体117の流線をいい、容器4への熱輸送媒体117の導入方向ではない。
ここで、流線とは、y方向の中心点をY0,xとし、Y0,xと同じx位置におけるy方向の端点(容器4の壁面と接する点)をYr,x、Y−r,x、とした場合、Y0,xとYr,xとの距離が等距離となる軌跡を書いた線L1、および、Y0,xとY−r,xとの距離が等距離となる軌跡を描いた線L2、で定義する。例えば、容器4の断面が図1のような長方形の場合、L1、L2はx軸方向に平行である。
なお、熱交換要素1に関する詳細は後述する。
図1(b)に示すように、層状構成体3は、熱輸送媒体117が流れることになる空隙2を介して複数の熱交換要素1を積層した構成となっている。すなわち、層状構成体3は、熱交換要素1と、熱輸送媒体117の流路となる空隙2とが繰り返し積層された構成となっている。なお、図1(b)においては、煩雑化を避けるため熱伝導部11を省略して描いている。また、熱交換要素1の積層数は図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
図1(c)に示すように、容器4は、層状構成体3をその内部に収納して固定することができるようになっている。容器4は、非磁性体であり、例えば、プラスチック等の樹脂から形成されるようにすることができる。また、容器4は、機械的強度を向上させるためにステンレスやアルミニウム合金等の金属から形成されるようにすることもできる。ただし、容器4が金属から形成されるものとすれば、後述する温度勾配を維持するための図示しない断熱層を設ける必要がある。またさらに、磁場の印加・除去に伴う渦電流の発生を抑制する必要もある。そのため、これらの観点からは熱伝導がし難く、電気抵抗も高い樹脂から形成されるようにすることが好ましい。
なお、容器4の内部に複数の熱交換要素1が収納、固定されたものが本実施の形態に係る熱交換器(ARM bed)20となる。
図1(d)に示すように、層状構成体3が収納された容器4の一方の端部には低温側熱交換器115、他方の端部には高温側熱交換器116を設けるようにすることができる。この場合、熱輸送媒体117は、低温側熱交換器115または高温側熱交換器116を介して容器4内に設けられた層状構成体3の空隙2を流れる。
図2は、いわゆるハイブリッド構造の熱交換器を例示するための模式図である。図2に示すように、複数の熱交換器(ARM bed)20a〜20cを直列に接続して一つの熱交換器とすることができる。
この場合、熱交換器20a〜20cに設けられた各熱交換要素が、それぞれ異なるキュリー温度(磁気転移温度)を有する磁気熱量効果材料を含んだものとすることができる。
AMR方式の磁気冷凍システムにおいては、熱交換器の両端(高温端と低温端)の間に温度勾配が形成された状態で運転が行われる。すなわち、磁気熱量効果材料を含んだ熱交換要素の蓄熱効果によって温度勾配が形成され、温度勾配が形成された状態で運転が行われる。
そのため、高温端側の熱交換器20aにはキュリー温度の高い磁気熱量効果材料を含んだ熱交換要素を設け、低温端側の熱交換器20cにはキュリー温度の低い磁気熱量効果材料を含んだ熱交換要素を設けるようにする。そして、高温端側と低温端側の中間にある熱交換器20bには、これらの中間となるようなキュリー温度を有する熱交換要素を設けるようにする。
この様に、熱交換器の熱輸送媒体117が流れる方向に生じる温度勾配に即して、キュリー温度の異なる磁気熱量効果材料を含んだ熱交換要素を設けるようにすれば、より広い温度領域において効率のよい熱交換を行うことができる。
次に、熱交換要素1についてさらに例示をする。
図3は、熱交換要素を例示するための模式図である。なお、図3(a)は熱交換要素の側面図、図3(b)は熱交換要素の平面図、図3(c)は図3(b)におけるA部の拡大図である。
図3に示すように、熱交換要素1には、基部10、熱伝導部11が設けられている。
基部10は、板状を呈し、熱輸送媒体117が流れる方向に伸びるようにして設けられている(図1を参照)。
基部10は、磁気熱量効果材料を含んだものとすることができる。磁気熱量効果材料としては、例えば、Gd(ガドリニウム)、Gd(ガドリニウム)に各種元素を混合したGd化合物、各種希土類元素と遷移金属元素からなる金属間化合物、NiMnGa合金、GdGeSi系化合物、LaFe13系化合物、LaFe13H系化合物などを例示することができる。ただし、例示をしたものに限定されるわけではなく、磁気熱量効果を発現することができる材料を適宜選択することができる。
ここで、磁気冷凍システムにおいては、熱交換器20の両端(高温端と低温端)の間に温度勾配が形成される。すなわち、熱輸送媒体117が流れる方向における基部10の両端(図3(a)、(b)においては基部10の長手方向の両端)の間に温度勾配が形成される。そのため、両端に形成される高温端−低温端の間は、材料物性値である熱伝導の大きさに比例して、高温側は低温側に、低温側は高温側に熱的につながる軸熱伝導が生じる。このような軸熱伝導が生じると高温端−低温端の間における温度差が減少するので、磁気冷凍システムの出力低下や熱交換効率の低下などを招くことになる。
そのため、熱交換要素1においては、基部10の表面に熱伝導部11を設けることで、軸熱伝導を抑制するとともに熱交換要素1と熱輸送媒体117との間における熱交換効率を向上させるようにしている。
熱伝導部11は、基部10の材料が有する熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料を用いて形成されたものとすることができる。この場合、基部10の材料が有する熱伝導率と、熱伝導部11の材料が有する熱伝導率との差を大きくすることで、軸熱伝導の抑制や熱交換効率の向上をさらに図ることができる。また、熱伝導率を高くすることで、熱伝導部11の厚さを薄くできる効果もある。
熱伝導部11は、熱輸送媒体117が流れる方向と交差する方向に伸びるようにして設けることができる。すなわち、熱伝導部11は、熱輸送媒体117が流れる方向と交差する方向に延在している。熱伝導部11を熱輸送媒体117が流れる方向と交差する方向に伸びるようにして設ければ、熱伝導部11による軸熱伝導を抑制することができる。
また、熱伝導部11の材料が有する熱伝導率は、基部10の材料が有する熱伝導率よりも高いので、軸熱伝導により基部10中を移動する熱移動量よりも熱伝導部11を介して熱輸送媒体117に受け渡す熱移動量の方が多くなる。そのため、見かけ上の軸熱伝導を小さくすることができる。
図3に例示をした熱交換要素1においては、基部10の主面にライン状の熱伝導部11を設けている。熱伝導部11は、熱輸送媒体117が流れる方向と直交する方向に伸びるようにして設けられている。熱伝導部11は、熱輸送媒体117が流れる方向に所定の間隔で複数設けられている。
熱輸送媒体117が流れる方向と直交する方向に伸びるような熱伝導部11とすれば、熱伝導部11による軸熱伝導をさらに小さくすることができる。
熱伝導部11の厚み寸法は、1μm以上、100μm以下とすることができる。熱伝導部11の厚み寸法が1μm未満となれば、前述した軸熱伝導の抑制効果や熱交換効率の向上効果が著しく低下するおそれがある。熱伝導部11の厚み寸法が100μmを超えるものとなれば、熱輸送媒体117との間の熱交換に時間がかかったり、段差(障壁)が高くなることで圧力損失が増大したりするおそれがある。
ライン状の熱伝導部11を複数設ける場合には、図3(b)に例示をしたようなライン&スペースの配設パターンとすることができる。
この場合、図3(c)に示すように、熱伝導部11の幅寸法をL、熱伝導部11と熱伝導部11との間の寸法をSとすると、L/S比は、0.5以上、20以下とすることができる。また、L/S比は、0.5以上、10以下とすることがより好ましい。
L/S比が0.5未満となれば熱伝導部11の面積が小さくなりすぎるため軸熱伝導の抑制効果や熱交換効率の向上効果が著しく低下するおそれがある。L/S比が20を超えるものとなれば、熱伝導部11の面積が全体の95%を越えてしまうことになり、熱伝導部11による軸熱伝導が大きくなるおそれがある。
熱伝導部11は、Au(金)やCu(銅)などの非磁性体から形成するようにすることができる。後述するように、熱交換要素1に対しては磁場の印加と除去が行われるので、磁場変化の影響を受けることになる。そのため、熱伝導部11を非磁性体から形成するようにすれば、磁場変化の影響を低減させることができる。
また、熱伝導部11は、非金属から形成するようにすることができる。熱交換要素1に対しては磁場の印加と除去が行われるので、熱伝導部11を電気抵抗が低い材料から形成すると渦電流が生じてジュール熱が発生する。そのため、高温端−低温端の間における温度差が小さい場合やより高性能な熱交換器20とする場合などにおいては、熱伝導部11を非金属から形成するようにすることが好ましい。この場合、渦電流の発生を抑制するために、熱伝導部11を高抵抗且つ熱伝導性の高いセラミックス材料から形成するようにすることができる。この様なセラミックス材料としては、例えば、Al(酸化アルミニウム)やAlN(窒化アルミニウム)などの高熱伝導性セラミックス材料を例示することができる。
熱伝導部11の形成方法としては、例えば、メッキ法や気相成長法などを例示することができる。
例えば、メッキ法を用いて熱伝導部11を形成する場合には、基部10の主面に所望の配設パターン形状を有するマスクを施した後、Cu(銅)メッキなどを行い、その後マスクを取り除くことで熱伝導部11を形成するようにすることができる。
また、熱伝導部11の表面に酸化防止膜を形成するようにすることができる。例えば、熱伝導部11がCu(銅)などから形成される場合には、熱輸送媒体117と反応して酸化してしまう場合がある。そのため、熱伝導部11の表面に酸化防止膜を形成することで、熱輸送媒体117との反応を抑制するようにすることができる。
[第2の実施の形態]
熱交換要素1が設けられた熱交換器20においては、熱輸送媒体117に接する熱交換要素1の面積が大きくなるほど熱交換効率が向上する。従って、熱交換要素1の厚み寸法を薄くして、なるべく多くの熱交換要素1が熱交換器20に設けられるようにすることが好ましい。また、なるべく多くの熱交換要素1が熱交換器20に設けられるように空隙2も狭くすることが好ましい。
ところが、熱交換要素1の厚み寸法を薄くすれば、すなわち、基部10の厚み寸法を薄くすれば、機械的強度が低下することになる。また、磁気冷凍システムを運転した際に振動が発生する場合がある。例えば、熱輸送媒体117の流動により機械的振動が発生したり、印加磁場および磁気トルク変動により磁歪振動が発生したりする場合がある。
この様な振動が発生すると、熱交換要素1が撓み、熱輸送媒体117の流路となる空隙2を塞いでしまうおそれがある。このことは、熱交換要素1(基部10)の厚み寸法を薄くするほど、また、空隙2を狭くするほど顕著となる。
本実施の形態においては、等方的な配設パターンとなるように基部10に熱伝導部を配設することで、熱交換要素全体としての機械的強度を向上させるようにしている。
さらに、等方的で不連続な配設パターンとなるように基部10に熱伝導部を配設することで、軸熱伝導の低減と機械的強度の向上の両立を図るようにしている。
なお、ここで等方的とは、基部10の表面に形成された熱伝導部の配設パターンに方向性(異方性)がないことを意味する。
例えば、図3(b)に例示をした熱伝導部11は、互いに平行となるように設けられているので配設パターンに方向性(異方性)があり異方的な配設パターンとなる。この様な異方的な配設パターンとすれば、特定の方向における機械的強度を向上させることができるが、他の方向における機械的強度を向上させることができない。
これに対して、等方的な配設パターンとすれば、どの方向でも機械的強度を一様に向上させることができる。
また、不連続とは、熱伝導部が独立して形成されており、熱伝導部同士が接していないことを意味する。
図4は、等方的で不連続な配設パターンとなるように基部に熱伝導部を配設する場合を例示するための模式図である。
図4(a)〜(c)に例示をするように、熱伝導部は基部10の表面に点在したものとすることができる。
図4(a)は、平面視において矩形状を呈する熱伝導部11aを等方的で不連続な配設パターンとなるように基部10に設けた場合である。
熱輸送媒体117が流れる方向に対して不連続となるように熱伝導部11aを基部10に設けるようにすれば、熱伝導部11aによる軸熱伝導を抑制することができる。
また、隣接する熱伝導部11a同士の軸線が互いに交差するようにすれば等方的な配設パターンとすることができる。
図4(b)は、平面視において円状を呈する熱伝導部11bを等方的で不連続な配設パターンとなるように基部10に設けた場合である。
平面視において円状を呈する熱伝導部11bを互いに接触しないように設けることで、熱輸送媒体117が流れる方向に対して不連続となるように熱伝導部11bを基部10に設けることができる。この様にすれば、熱伝導部11bによる軸熱伝導を抑制することができる。
また、熱伝導部11bを千鳥格子状に設けるようにすれば等方的な配設パターンとすることができる。
図4(c)は、平面視において楕円状を呈する熱伝導部11cを等方的で不連続な配設パターンとなるように基部10に設けた場合である。
平面視において楕円状を呈する熱伝導部11cを互いに接触しないように設けることで、熱輸送媒体117が流れる方向に対して不連続となるように熱伝導部11cを基部10に設けることができる。この様にすれば、熱伝導部11cによる軸熱伝導を抑制することができる。
また、熱伝導部11cを千鳥格子状に設けるようにすれば等方的な配設パターンとすることができる。なお、隣接する熱伝導部11cの長軸または短軸が互いに交差するようにすることで等方的な配設パターンとしてもよい。
また、熱伝導部を必ずしも規則的に配設する必要はない。例えば、熱伝導部は基部10の表面に任意の形態で点在したものとすることもできる。
また、平面視において矩形状、円状、楕円状を呈する熱伝導部を例示したが、これらの形状に限定されるわけではない。平面視における熱伝導部の形状は適宜変更することができる。例えば、三角形などの他の多角形、任意の曲線から形成された形状、任意の曲線と任意の直線とから形成された形状などとすることもできる。また、形状や大きさなどが異なる熱伝導部が混在していても良い。
[第3の実施の形態]
容器4の内部に複数の熱交換要素を設ける場合には、容器4の内壁に熱交換要素の厚みと空隙2とを考慮した溝を加工し、加工された溝に熱交換要素を挿入することで容器4の内部に層状構成体を形成するようにすることができる。しかしながら、熱交換要素の厚みが薄いため熱交換要素を溝に挿入する際に破損したり、曲がって挿入されたりするおそれがある。また、基部10の厚み寸法に、熱伝導部の厚みの2倍の寸法を加えた長さ以上のピッチ寸法で溝を加工する必要がある。そのため、容器4の内部に設けられる熱交換要素の数が少なくなったり、熱交換器が大型化したりするおそれがある。
本実施の形態においては、支持部12を介して複数の熱交換要素1aを層状に積層した層状構成体3aを形成し、これを容器4の内部に収納するようにしている。
図5は、層状構成体を例示するための模式図である。なお、図5(a)は層状構成体の模式側面図、図5(b)は図5(a)におけるB−B線矢視断面図である。
図5(a)、(b)に示すように、層状構成体3aは、熱交換要素1aと、熱交換要素1aに積層して設けられた熱交換要素1bと、を有している。そして、熱交換要素1bに面する熱交換要素1aの主面に設けられた熱伝導部11b1と、熱交換要素1aに面する熱交換要素1bの主面に設けられた熱伝導部11b2と、が積層方向から見て少なくとも一部が重ならないようになっている。
なお、図5(a)においては、一例として、熱伝導部11b1と、熱伝導部11b2と、が積層方向から見て重ならないようになっている。例えば、配設周期を半ピッチずらすなどすれば、熱伝導部11b1と、熱伝導部11b2と、が積層方向から見て重ならないようにすることができる。
また、所定の寸法を空けて熱交換要素同士を重ね合わせるための支持部12が設けられている。支持部12を設けることで熱交換要素同士の間に形成される空隙2が、熱輸送媒体117が流れる流路となる。
この様にすれば、熱交換要素同士をより近接させることができるので、容器4の内部に設けられる熱交換要素の数を増加させることができる。また、熱交換器の小型化を図ることができる。
また、容器4の外部において層状構成体を形成し、これを容器4に収納するようにしているので、熱交換要素の組立て精度や組立の作業性などを向上させることができる。
ここで、熱交換器20においては、空隙2を熱輸送媒体117が流れる。そのため、熱伝導部の厚み、熱伝導部の厚み方向の断面形状、配設パターンの形態、熱伝導部の配設に関する面内密度などにより熱輸送媒体117の圧力損失が変化する。この場合、圧力損失が大きくなると内部摩擦などにより発熱が生じ、磁気冷凍システムの出力が低下してしまうおそれがある。そのため、圧力損失が小さくなるようにすることが好ましい。
例えば、図5(a)に例示をしたように、熱伝導部11b1、11b2の厚み方向の断面形状を円弧状とすれば、熱輸送媒体117の圧力損失を低減させることができる。また、熱伝導部11b1、11b2の厚み方向の断面形状を円弧状とすれば、熱交換要素と熱輸送媒体117との間における熱交換効率を向上させることができる。すなわち、熱輸送媒体117が空隙2をS字状に流れるため熱伝導部11b1、11b2と熱輸送媒体117とが接する面積を増加させることができる。そのため、基部10における温度変化を熱輸送媒体117に効率良く伝えることができる。
なお、メッキ法を用いて厚み方向の断面形状が円弧状の熱伝導部を形成するには、例えば、配設パターンを形状する際に用いるマスクの厚みや、析出速度などを制御するようにすればよい。
[実施例]
次に、実施例について例示をする。
まず、以下の手順に従い図3に例示をした熱交換要素1を作成した。
基部10の材料(磁気熱量効果材料)はGd(ガドリニウム)とした。また、基部10は矩形の板とし、その寸法を厚み0.5mm、幅15mm、長さ30mmとした。
熱伝導部11は、メッキ法を用いて形成した。
基部10の両主面にフィルム製マスクを接着固定し、既知のメッキ法を用いてCu(銅)からなる熱伝導部11を形成した。
熱伝導部11の形成後、フィルム製マスクを溶剤加熱により剥がし、熱交換要素1を作成した。
フィルム製マスクには、L/S比が5となる配設パターンを形成するためのスリットが設けられている。この場合、Lを1mm、Sを0.2mmとした。また、形成される熱伝導部11の厚み(Cu(銅)の厚み)を約20μmとした。
次に、樹脂製の容器4の内壁に幅0.51mmの溝を互いに対向させるようにして形成した。そして、形成された溝に熱伝導部11を挿入することで、容器4の内部に熱伝導部11を収納した。収納した熱伝導部11は20枚とした。なお、熱輸送媒体117の流路となる空隙2は0.1mmとした。
そして、熱伝導部11が動かないようにするために、容器4の両端を仕切り板で固定した。これにより、熱交換器20が形成されたことになる。
また、熱交換器20の両端部に低温側熱交換器115、高温側熱交換器116を設けた。そして、熱交換器20に熱輸送媒体117を導入させるためのポンプを配管を介して接続した。なお、ポンプは低温側熱交換器115、高温側熱交換器116に接続され、低温側熱交換器115または高温側熱交換器116を介して熱交換器20に熱輸送媒体117が導入されるようになっている。
この場合、低温側熱交換器115は、例えば、断熱槽に冷熱が熱輸送できるようになっている。また、高温側熱交換器116は、例えば、断熱槽に温熱が熱輸送できるようになっている。この断熱槽は、例えば、冷凍庫内であったり暖房された空調室に相当する。
また、熱輸送媒体117は純水とした。
熱交換器20に対する磁場の印加には永久磁石による磁気回路を用いた。また、磁気回路の位置をモータを用いて変化させることで、熱交換器20に対する磁場の印加と除去とが繰り返し行えるようにした。
そして、「磁場の印加⇒高温端側への熱輸送媒体117の移動⇒磁場の除去⇒低温端側への熱輸送媒体117の移動」のAMR冷凍サイクルを繰り返し、熱交換要素1の両端(高温端と低温端)の間に温度勾配を形成させた。
この結果、高温端と低温端との間に形成された温度差は約19℃であった。
また、比較のために、熱伝導部11を設けていない熱交換要素を用いて高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約10℃であった。
また、厚みが40μmのCu(銅)をメッキし、さらにその上に厚みが3μmのAu(金)をメッキしたものを熱伝導部とした。なお、熱伝導部の厚みと材料構成以外は前述した熱伝導部11と同様とした。
この場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約23℃であった。
また、L/S比を0.2としたものを熱伝導部とした。なお、L/S比以外は前述した熱伝導部11と同様とした。
この場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約11℃であった。
また、L/S比を30としたものを熱伝導部とした。なお、L/S比以外は前述した熱伝導部11と同様とした。
この場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約9℃であった。
すなわち、L/S比を0.2、30とすれば温度差が小さくなることが判明した。
また、Al(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)からなる熱伝導部を形成した。熱伝導部の厚みは1μm程度とし、熱伝導部の配設パターンは図4に例示をしたものとした。すなわち、平面視において矩形状、円状、楕円状の熱伝導部とした。なお、熱伝導部の形成法は既知のスパッタ法とした。
平面視において矩形状の熱伝導部の場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約23℃であった。
平面視において円状の熱伝導部の場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約22℃であった。
平面視において楕円状の熱伝導部の場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約25℃であった。
なお、Al(酸化アルミニウム)の場合とAlN(窒化アルミニウム)の場合とでは温度差に大きな差はなかった。
また、図5に例示をした層状構成体3aを作成し高温端と低温端との間に形成された温度差を測定した。
熱伝導部11b1、11b2は、平面視において円状を呈したものとした。熱伝導部11b1、11b2は、厚み方向の断面形状が円弧状となっており、最も厚い部分の寸法(頂点部分の厚み)を30μmとした。熱伝導部11b1、11b2は、Cu(銅)から形成し、形成法は既知のメッキ法とした。
また、支持部12の寸法は、直径3mm、高さ0.13mmとし、その材料は樹脂とした。
熱伝導部11b1、11b2が設けられた熱交換要素を20枚重ねることで層状構成体3aを作成し、容器4内に収納、固定した。
なお、熱伝導部11b1と、熱伝導部11b2と、が積層方向から見て重ならないようになっている。
この様な層状構成体3aの場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は約26℃であった。
次に、図2に例示をしたハイブリッド構造の熱交換器を作成し高温端と低温端との間に形成された温度差を測定した。
基部10は矩形の板とし、その寸法を厚み0.4mm、幅20mm、長さ15mmとした。
熱伝導部11b1、11b2は、平面視において円状を呈したものとした。熱伝導部11b1、11b2は、厚み方向の断面形状が円弧状となっており、最も厚い部分の寸法(頂点部分の厚み)を30μmとした。熱伝導部11b1、11b2は、Cu(銅)から形成し、形成法は既知のメッキ法とした。
また、支持部12の寸法は、直径3mm、高さ0.13mmとし、その材料は樹脂とした。
熱伝導部11b1、11b2が設けられた熱交換要素を25枚重ねることで層状構成体3aを作成し、容器4内に収納、固定した。
なお、熱伝導部11b1と、熱伝導部11b2と、が積層方向から見て重ならないようになっている。
また、基部10の材料(磁気熱量効果材料)は、Gd、GdY合金、GdHo合金とした。
ここで、低温端側で用いる基部10をキュリー温度が低いGdHo合金から形成されたものとし、高温端側で用いる基部10をキュリー温度が高いGdから形成されたものとした。また、低温端側と高温端側との中間で用いる基部10をキュリー温度がこれらの中間にあるGdY合金から形成されたものとした。
この場合、高温端と低温端との間に形成された温度差を測定したところ、温度差は最大で30℃であった。
[第4の実施の形態]
図6は、第4の実施形態に係る磁気冷凍システムを例示するための模式系統図である。
なお、ここでは一例として、前述した熱交換器20が備えられた磁気冷凍システム100について説明する。
図6に示すように、磁気冷凍システム100には、熱交換器20、配管103、磁場発生部105a、磁場発生部105b、移動部106、低温側熱交換器115、高温側熱交換器116、輸送部111が設けられている。
図6に示すように、熱交換器20を間に挟むように、一対の磁場発生部105a、105bが設けられている。磁場発生部105a、105bは、互いに対向するとともに、ヨーク(図示せず)を介して互いに結合されている。これによって、互いに対を成す磁場発生部105a、105bの間隙部分に、磁場空間が形成される。
磁場発生部105a、105bは、例えば、永久磁石などとすることができる。永久磁石としては、NdFeB(ネオジム・鉄・ホウ素)磁石、SmCo(サマリウムコバルト)磁石、フェライト磁石などを例示することができる。
移動部106は、磁場発生部105a、105bと接続され、熱交換器20と磁場発生部105a、105bとの相対位置を変化させる。
ここで、相対位置を変化させるとは、磁場発生部105a、105bが熱交換器20に磁場を印加する位置(ON位置)と、熱交換器20に磁場を印加しない位置(OFF位置)とが切り替えられるように、熱交換器20と磁場発生部105a、105bとの相対位置を変化させることを意味する。
そのため、移動部106により熱交換器20と磁場発生部105a、105bとの相対位置を変化させることで、熱交換器20に磁場を印加したり、熱交換器20に印加されていた磁場を除去したりすることができる。
移動部106は、例えば、熱交換器20と磁場発生部105a、105bとの相対位置を変化させるために磁場発生部105a、105bに機械的変動を印加するものとすることができる。
図6に例示をしたものの場合には、磁場発生部105a、105bと移動部106とが熱交換器20に対する磁場を変化させる磁場変化部となる。
図6に例示をしたものの場合には、移動部106と磁場発生部105a、105bとを接続し磁場発生部105a、105bに機械的変動を与えているが、移動部106と熱交換器20とを接続し熱交換器20に機械的変動を与えても良い。移動部106は、例えば、モータなどの駆動手段を備えたものとすることができる。
なお、磁場発生部105a、105bとして永久磁石を例示したが、例えば、磁場発生部105a、105bとして電磁石などを用いることもできる。磁場発生部105a、105bとして電磁石を用いる場合には、磁場発生部105a、105bに機械的変動を与える移動部106とすることもできるが、電磁石への通電と通電の停止とを切り替えるスイッチなどを移動部106とすることもできる。
低温側熱交換器115は、温度が下降した熱交換器20の低温端側において図示しない熱交換先との間における熱交換を行う。低温側熱交換器115としては、例えば、低温の熱輸送媒体117と空気との間における熱交換を行うことで、空気を冷却するようなものを例示することができる。
高温側熱交換器116は、温度が上昇した熱交換器20の高温端側において図示しない熱交換先との間における熱交換を行う。高温側熱交換器116としては、例えば、高温の熱輸送媒体117と空気との間における熱交換を行うことで、空気を加熱するようなものを例示することができる。
配管103は、低温側熱交換器115、熱交換器20、高温側熱交換器116、輸送部111を閉ループ状に接続する。
熱輸送媒体117は、磁気熱量効果によって生じた熱を輸送する役割を担う。熱輸送媒体117は、例えば、水や、エチレングリコール水溶液など有機系媒体、鉱油やシリコンなどのオイル系媒体などとすることができる。この場合、水は最も比熱が高く安価である。ただし、0℃以下の温度域では凍結するおそれがあるので有機系媒体などのいわゆる不凍液を用いるようにすることができる。また、磁気冷凍システム100の到達温度域における熱輸送媒体117の粘性などを考慮して適宜選択するようにすることもできる。
輸送部111は、熱輸送媒体117を輸送する。すなわち、輸送部111は、配管103、低温側熱交換器115を介して熱輸送媒体117を熱交換器20に導入する。また、輸送部111は、配管103、高温側熱交換器116を介して熱輸送媒体117を熱交換器20に導入する。そして、「磁場の印加⇒高温端側への熱輸送媒体117の移動⇒磁場の除去⇒低温端側への熱輸送媒体117の移動」のAMR冷凍サイクルを繰り返させ、熱交換要素1の両端(高温端と低温端)の間に温度勾配を形成させる。輸送部111は、例えば、ポンプなどとすることができる。
次に、磁気冷凍システム100の運転について例示をする。
磁気冷凍システム100は、AMR冷凍サイクルを繰り返すことにより熱交換要素1の両端(高温端と低温端)の間に温度勾配を形成させる。すなわち、高温端側の温度を上昇させ、低温端側の温度を下降させる。
そして、低温端側に設けられた低温側熱交換器115を介して、例えば、冷凍庫内に冷熱を移動させたり、空調により室内温度を下げたりすることができる。また、高温端側に設けられた高温側熱交換器116を介して、例えば、空調により室内温度を上げたりすることができる。
図7は、AMR冷凍サイクルを例示するための模式図である。図7(a)は、熱交換器20に磁場を印加した状態を例示するための模式図である。図7(b)は、熱交換器20に印加されていた磁場を除去した状態を例示するための模式図である。
図7(a)に示すように、移動部106により磁場発生部105a、105bの位置を変化させて、熱交換器20に磁場を印加する。
熱交換器20に磁場が印加されると、磁気熱量効果により熱交換要素1(基部10)の温度が上昇する。熱交換器20に磁場が印加された状態で、図7(a)中の矢印方向に熱輸送媒体117を移動させて、高温端側への熱の移動を行う。すなわち、温度上昇した熱交換要素1の表面と、これに接触する熱輸送媒体117との間における熱交換を経て、高温端側への熱の移動を行う。
次に、図7(b)に示すように、移動部106により磁場発生部105a、105bの位置を変化させて、熱交換器20に印加されていた磁場を除去する。
熱交換器20に印加されていた磁場が除去されると、熱交換要素1(基部10)の温度が下降する。熱交換器20に印加されていた磁場が除去された状態で、図7(b)中の矢印方向に熱輸送媒体117を移動させて、低温端側への熱の移動を行う。すなわち、温度下降した熱交換要素1の表面と、これに接触する熱輸送媒体117との間における熱交換を経て、低温端側への熱の移動を行う。
本実施の形態に係る磁気冷凍システム100に備えられた熱交換器には、前述した熱交換要素が設けられているので、出力や熱交換効率などを向上させることができる。
以上説明した実施形態によれば、熱交換効率の向上を図ることができる熱交換器および磁気冷凍システムを実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びそれと等価とみなされるものの範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
例えば、熱交換器20、20a〜20c、磁気冷凍システム100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1 熱交換要素
1a 熱交換要素
1b 熱交換要素
2 空隙
3 層状構成体
3a 層状構成体
4 容器
10 基部
11 熱伝導部
11a〜11c 熱伝導部
11b1 熱伝導部
11b2 熱伝導部
12 支持部
20 熱交換器
20a〜20c 熱交換器
100 磁気冷凍システム
105a 磁場発生部
105b 磁場発生部
106 移動部
111 輸送部
115 低温側熱交換器
116 高温側熱交換器
117 熱輸送媒体

Claims (6)

  1. 熱輸送媒体が導入される容器と、
    前記容器の内部に設けられ、前記熱輸送媒体が流れる方向に延在した磁気熱量効果材料を含む基部と、前記基部の表面に設けられた複数の熱伝導部と、を有した熱交換要素と、
    を備え、
    前記熱伝導部の熱伝導率は、前記基部の熱伝導率よりも高いこと、を特徴とする熱交換器。
  2. 前記複数の熱伝導部は、前記熱輸送媒体が流れる方向において互いに接していないことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記複数の熱伝導部は、前記熱輸送媒体が流れる方向と交差する方向に延在したことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  4. 前記複数の熱伝導部は、隣接する熱伝導部同士の軸線が互いに交差したことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  5. 前記複数の熱伝導部は、前記基部の表面に点在したことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  6. 請求項1に記載された熱交換器と、
    前記熱交換部に対する磁場を変化させる磁場変化部と、
    前記熱交換部に熱輸送媒体を導入する輸送部と、
    を備えたことを特徴とする磁気冷凍システム。
JP2012540632A 2010-10-29 2010-10-29 熱交換器および磁気冷凍システム Pending JPWO2012056577A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2010/069361 WO2012056577A1 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 熱交換器および磁気冷凍システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2012056577A1 true JPWO2012056577A1 (ja) 2014-03-20

Family

ID=45993330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012540632A Pending JPWO2012056577A1 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 熱交換器および磁気冷凍システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2012056577A1 (ja)
WO (1) WO2012056577A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2994253B1 (fr) 2012-08-01 2018-10-05 Cooltech Applications Piece monobloc comprenant un materiau magnetocalorique comprenant un alliage comprenant du fer et du silicium et au moins un lanthanide, et procede de fabrication de ladite piece monobloc
FR2994252B1 (fr) * 2012-08-01 2014-08-08 Cooltech Applications Piece monobloc comprenant un materiau magnetocalorique ne comprenant pas un alliage comprenant du fer et du silicium et un lanthanide, et generateur thermique comprenant ladite piece
JP5853907B2 (ja) * 2012-08-27 2016-02-09 株式会社デンソー 磁気冷凍材料熱交換器の製造方法
JP6344103B2 (ja) * 2014-07-14 2018-06-20 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP2019120426A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 サンデンホールディングス株式会社 材料容器及び磁気ヒートポンプ装置
JP2019120425A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 サンデンホールディングス株式会社 材料容器及び磁気ヒートポンプ装置
JP2019120427A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 サンデンホールディングス株式会社 材料容器及び磁気ヒートポンプ装置

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4986896A (ja) * 1972-12-26 1974-08-20
JPH10185339A (ja) * 1996-10-30 1998-07-14 Toshiba Corp 極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材
JP2001336845A (ja) * 2000-03-24 2001-12-07 Toshiba Corp 蓄冷器およびそれを使用した蓄冷式冷凍機
US20040182086A1 (en) * 2003-03-20 2004-09-23 Hsu-Cheng Chiang Magnetocaloric refrigeration device
JP2006283987A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toshiba Corp 磁気冷凍機
JP2007147209A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Toshiba Corp 磁気冷凍機
JP2009210165A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Toshiba Corp 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
EP2109119A1 (en) * 2008-04-07 2009-10-14 Haute Ecole d'Ingénierie et de Gestion du Canton de Vaud (HEIG-VD) A permeable-magnetocaloric material and a magnetic refrigerator, a heat pump or a power generator using this material
JP2009544927A (ja) * 2006-07-24 2009-12-17 クールテック アプリケーションズ エス.エー.エス. 磁気熱生成装置
JP2010025435A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Toshiba Corp 磁気冷凍デバイス、磁気冷凍システムおよび磁気冷凍方法
JP2010060211A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Toshiba Corp 磁気冷凍用磁性材料、磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
WO2010034907A1 (fr) * 2008-09-25 2010-04-01 Cooltech Applications Element magnetocalorique
JP2010516042A (ja) * 2007-02-12 2010-05-13 ヴァキュームシュメルツェ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 磁気熱交換用構造体及びその製造方法
WO2010094854A1 (fr) * 2009-02-17 2010-08-26 Cooltech Applications S.A.S. Generateur thermique magnetocalorique

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4986896A (ja) * 1972-12-26 1974-08-20
JPH10185339A (ja) * 1996-10-30 1998-07-14 Toshiba Corp 極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材
JP2001336845A (ja) * 2000-03-24 2001-12-07 Toshiba Corp 蓄冷器およびそれを使用した蓄冷式冷凍機
US20040182086A1 (en) * 2003-03-20 2004-09-23 Hsu-Cheng Chiang Magnetocaloric refrigeration device
JP2006283987A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toshiba Corp 磁気冷凍機
JP2007147209A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Toshiba Corp 磁気冷凍機
JP2009544927A (ja) * 2006-07-24 2009-12-17 クールテック アプリケーションズ エス.エー.エス. 磁気熱生成装置
JP2010516042A (ja) * 2007-02-12 2010-05-13 ヴァキュームシュメルツェ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 磁気熱交換用構造体及びその製造方法
JP2009210165A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Toshiba Corp 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
EP2109119A1 (en) * 2008-04-07 2009-10-14 Haute Ecole d'Ingénierie et de Gestion du Canton de Vaud (HEIG-VD) A permeable-magnetocaloric material and a magnetic refrigerator, a heat pump or a power generator using this material
JP2010025435A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Toshiba Corp 磁気冷凍デバイス、磁気冷凍システムおよび磁気冷凍方法
JP2010060211A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Toshiba Corp 磁気冷凍用磁性材料、磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
WO2010034907A1 (fr) * 2008-09-25 2010-04-01 Cooltech Applications Element magnetocalorique
JP2012503754A (ja) * 2008-09-25 2012-02-09 クールテック アプリケーションズ エス.エイ.エス. 磁気熱量効果素子
WO2010094854A1 (fr) * 2009-02-17 2010-08-26 Cooltech Applications S.A.S. Generateur thermique magnetocalorique
JP2012518149A (ja) * 2009-02-17 2012-08-09 クールテック アプリケーションズ エス.エー.エス. 磁気熱量による熱発生器

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012056577A1 (ja) 2012-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012056577A1 (ja) 熱交換器および磁気冷凍システム
JP5060602B2 (ja) 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
US20120031109A1 (en) Magnetocaloric refrigerator
US20110048031A1 (en) Magneto-caloric regenerator system and method
JP6000814B2 (ja) 磁気冷凍デバイス及び磁気冷凍システム
JP5677351B2 (ja) 磁気冷凍デバイス及び磁気冷凍システム
US7536866B2 (en) Magnetic refrigerator
US10544965B2 (en) Magnetocaloric refrigerator
JP5966740B2 (ja) 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置
US8312730B2 (en) Magnetic refrigeration device and magnetic refrigeration system
JP2008082663A (ja) 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍方法
CN104136867A (zh) 磁冷冻用材料以及磁冷冻元件
JP5449104B2 (ja) 熱交換容器ユニット、および熱サイクルユニット
JP2016520256A (ja) 磁気冷却装置用の回転磁気遮蔽システムの使用方法
US9970690B2 (en) Magnetic refrigerator and device including the same
JP6732529B2 (ja) 伝導冷却装置及び伝導冷却方法
JP5734991B2 (ja) 磁気冷凍システム
CN104067493A (zh) 线性电动机
US10436481B2 (en) Magnetocaloric refrigerator
JP2012177499A (ja) 磁気式温度調整装置
CN102403925B (zh) 一种往复式运动活塞泵驱动的热磁发电系统
JP2016151393A (ja) 熱交換器及び磁気ヒートポンプ装置
JP2011080711A (ja) 温度調整装置および温度調整システム
US20240171044A1 (en) Two-phase liquid-cooled alternating current (ac) rotating electrical machine
JP2016145655A (ja) 熱交換器及び磁気ヒートポンプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150629