JP6732529B2 - 伝導冷却装置及び伝導冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明に係る実施形態は、永久電流スイッチ(PCS)を備えた超電導応用機器の伝導冷却装置及び伝導冷却方法に関する。
長時間にわたって安定した磁場の発生が求められるMRI(磁気共鳴画像診断装置)やリニアモーターカー等の超電導応用機器では、一般的に超電導線材で巻回した永久電流スイッチ(PCS; persistent current switch)が使用され、超電導コイルとPCSとで超電導の閉回路を構成して電流減衰を抑制することで永久電流モード運転を実施し、磁場の時間的安定性を高めている。
PCSは定常的に磁場を発生する際には超電導状態となるが、超電導コイルを予め電源で励磁する際には常電導状態にする必要があり、ヒータで超電導状態から常電導状態へと遷移させる熱的なオンオフ切替方式が用いられている。
一方、液体ヘリウムが世界的に供給不足に陥っていることから、超電導コイルを液体ヘリウムに浸漬して冷却するのではなく、極低温冷凍機による熱伝導で超電導コイルやPCSを冷却する伝導冷却式の冷却手段が開発されている。伝導冷却手段では、高純度のアルミニウム金属が極低温で高い熱伝導率を有することが知られており、この高純度のアルミニウム金属を、超電導コイル等を伝導冷却するための熱伝達材として利用することが検討されている。
特開2012−234938号公報
ところで、超電導応用機器を永久電流モード運転する際に、まず、外部電源から超電導コイルを励磁化するための電流を流すとともにPCSを臨界温度以上になるまで加熱してオフ状態にする必要がある。その際、PCSと極低温冷凍機との間に温度差が生じることになるが、PCSの冷却に熱抵抗の小さい高純度アルミニウム金属等からなる熱伝達材を使用すると、超電導コイルにも熱が伝わって温度が上昇し、極低温冷凍機への熱負荷が過大になり、超電導コイルの冷却効率が低下するという課題がある。
一方、PCSと極低温冷凍機との間に熱抵抗が大きい熱伝達材を使用すると、超電導コイルの温度上昇は抑制できるが、PCSをオン状態にする際にPCSを冷却して超電導状態にするまでの冷却時間が長期化し、永久電流モード運転を速やかに実施することができないという課題がある。
本発明に係る実施形態は、上記課題を解決するためになされたもので、PCSのオン状態時又はオフ状態時に、超電導コイル及びPCSを短時間で効率的に冷却することができる超電導応用機器の伝導冷却装置及び伝導冷却方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る伝導冷却装置は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられ、少なくとも一つが磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記接続端子のうちの少なくとも1つの接続端子は、前記伝熱体の磁束の方向に対する磁場角度異方性の方向が変わるように、移動可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却装置は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた磁場角度異方性を有する少なくとも1つの板状の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記板状の伝熱体を回転可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却装置は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、磁場角度異方性を有する少なくとも1つの可撓性の伝熱体又は板状の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記永久電流スイッチ用伝熱部材に前記超電導コイルからの平行又は垂直の磁束を遮断する磁気遮蔽部材を当該永久電流スイッチ用伝熱部材の下部又は側面に設けたことを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却方法は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置の伝導冷却方法において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記各接続端子の間に設けられた少なくとも1つの可撓性の伝熱体とを有し、前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記各接続端子を相互に離間させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は接続端子の1つを移動させ、隣接する接続端子の1つに接触させることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却方法は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記各接続端子の間に設けられ、少なくとも1つが磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材を前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記磁場角度異方性を有する伝熱体が略平坦状になるように前記接続端子の1つを移動させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記磁場角度異方性を有する伝熱体が逆U字状になるように当該接続端子を移動させることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却方法は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた少なくとも1つの磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記可撓性の伝熱体が前記磁束に略平行になるように前記接続端子の1つを移動させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記可撓性の伝熱体が前記磁束に略垂直になるように当該接続端子を移動させることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る伝導冷却方法は、極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた少なくとも1つの磁場角度異方性を有する板状の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記板状の伝熱体を前記磁束に略平行になるように回転させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記板状の伝熱体が前記磁束に略垂直になるように回転させることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、永久電流スイッチ(PCS)のオン状態時又はオフ状態時に、超電導コイル及びPCSを短時間で効率的に冷却することができる。
第1の実施形態に係る伝導冷却装置の構成図。 (a)及び(b)は第1の実施形態に係るPCS用伝熱部材の構成図。 (a)及び(b)は第2の実施形態に係るPCS用伝熱部材の構成図。 第2の実施形態の変形例に係る伝導冷却装置の構成図。 (a)及び(b)は第3の実施形態に係るPCS用伝熱部材の構成図。 第4の実施形態に係る伝導冷却装置の構成図。 第4の実施形態の変形例に係る伝導冷却装置の構成図。
以下、本発明に係る永久電流スイッチ(PCS)を備えた超電導応用機器の伝導冷却装置及び伝導冷却方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る伝導冷却装置及び伝導冷却方法について、図1及び図2を用いて説明する。
(全体構成)
本実施形態に係る伝導冷却装置は、図1に示すように、超電導コイル1、極低温冷凍機2、永久電流スイッチ(以下、「PCS」という。)3、コイル用伝熱部材4、PCS用伝熱部材5から構成される。
コイル用伝熱部材4は、一方が端子42を介して超電導コイル1に接続され、他方が端子41を介して極低温冷凍機2の冷却ステージ2aに接続されている。
PCS用伝熱部材5は、一方が極低温冷凍機2側の端子41に接続され、他方がPCS3側の端子43に接続される。
コイル用伝熱部材4、PCS用伝熱部材5、各端子41〜43、接続端子61〜63は、基本的に熱抵抗の小さい高純度のアルミニウム金属が用いられるが、アルミニウム金属の他に熱抵抗の小さい銅金属を用いてもよい。
なお、超電導コイル1、PCS3、外部電源(図示せず)等は、それぞれ電流回路により接続されているが、図1では回路構成を省略している。
(PCS用伝熱部材)
PCS用伝熱部材5は、図2(a)、(b)に示すように、複数の接続端子61〜63と、各接続端子間に設けられた可撓性の帯状の伝熱体51、52から構成される。そして、両端の接続端子61、63の間にある中間の接続端子62は、両端の接続端子61又は62に接触可能となるように、移動可能に構成されている。なお、接続端子62の移動機構は公知の機械的又は空圧式の移動装置や、電磁気的な移動装置を用いることができる(図示せず)。
帯状の伝熱体51、52は、可撓性を付与するために、例えば厚みが数mmのアルミニウム薄板を複数積層したものを用いるのが好ましいが、可撓性を有するものであれば1枚のアルミニウム板でもよい。
なお、図2(a)、(b)の例では、接続端子数が3つで伝熱体51、52が2つの例を示しているが、接続端子数を増減させて伝熱体を1又は3以上としてもよく、また、伝熱体51、52を、交互に上方、下方に向くように逆方向に配置してもよい(図示せず)。これにより、伝熱体51、52が熱接触するのを確実に防止することができる。
さらに、移動可能な接続端子は中間の接続端子62に限定されず、端部の接続端子61、63を移動可能に構成してもよい。
(作用)
上記のように構成された第1の実施形態において、外部電源(図示せず)から超電導コイル1を励磁する場合、PCS3の近傍に設けられた加熱装置等により(図示せず)、PCS3を臨界温度以上になるまで加熱してオフ状態にする。その際、図2(a)に示すように、接続端子61〜63を相互に離間した状態とし、PCS3からの熱は63→52→62→51→61を伝わることになり、伝熱経路が長くなるため熱抵抗が大きくなる。
これにより、PCS3からの熱はPCS用伝熱部材5の熱抵抗が大となるため、極低温冷凍機2側へ熱が伝わりにくくなる。これにより、超電導コイル1の温度上昇を抑制し、極低温冷凍機2の熱負荷が過大になるのを防止することができる。
一方、PCS3をオン状態(永久電流モード運転時)にする場合は、図2(b)に示すように、中間の接続端子62を移動させて隣接する接続端子61に接触させる。これにより、極低温冷凍機2からの冷温は61→62→52→63を伝わることになり、伝熱経路が短くなる。これにより熱抵抗が小さくなるため、極低温冷凍機2によりPCS3を速やかに冷却することができる。
(効果)
本第1の実施形態によれば、PCS3のオフ状態時には、PCS用伝熱部材5内の伝熱経路を長くして熱抵抗を増大させることで、極低温冷凍機2側へ熱が伝わりにくくし、これにより極低温冷凍機2は超電導コイル1を効率的に冷却することができるため超電導コイル1の励磁化時間の短縮化を図ることができる。また、PCS3のオン状態時には、PCS用伝熱部材5内の伝熱経路を短くして熱抵抗を小さくすることで極低温冷凍機2によりPCS3を急速に冷却することが可能となり、永久電流モード運転を速やかに開始することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る伝導冷却装置及び伝導冷却方法について、図3及び図4を用いて説明する。
(原理)
高純度のアルミニウム金属(例えば、純度6N8(99.99998質量%)以上)は、伝熱方向に垂直の磁場を印加すると残留抵抗比RRRが低下する一方、伝熱方向と平行に磁場を印加すると残留抵抗比RRRが向上する性質を有する。これは、材料表面での電子散乱の影響の違いに起因する磁場に対する導電率の異方性(磁場角度異方性)の挙動によるものと考えられる。
また、熱伝導率に関しても同様な磁場角度異方性を有するため、本第2の実施形態ではこの性質を利用してPCS用伝熱部材5の熱抵抗を変化させる構成としている。
すなわち、本第2の実施形態では、超電導コイル1からの磁場印加方向に対し、可撓性の伝熱体51の位置を変化させることで、伝熱体51の熱抵抗を変化させる。
(構成)
本実施形態では、図3(a)に示すように、可撓性を有する2つの伝熱体51、52のうち、1つの伝熱体51を、磁場角度異方性を有する高純度のアルミニウム金属(例えば、純度6N8(99.99998質量%)以上)から構成し、他の伝熱体52を伝熱体51よりも純度の低いアルミニウム金属又は銅金属から構成する。この純度の低いアルミニウム金属又は銅金属からなる伝熱体52は、磁場角度異方性を有さず、磁場の印加方向によって熱抵抗はほとんど変化しない性質を有する。
また、本実施形態のPCS用伝熱部材5は、図3(a)、(b)に示すように、超電導コイル1からの磁束Aに対し略水平になるように配置されている。
(作用)
上記のように構成された第2の実施形態において、PCS3のオフ状態時には、図3(a)に示すように、接続端子62を接続端子61に近接する位置に移動させることで、伝熱体51を逆U字状に屈曲させる一方、伝熱体52を平坦にする。これにより、伝熱体51は磁束Aの向きに垂直になることで熱抵抗が大きくなり、PCS3からの熱は、極低温冷凍機2側へ伝わりにくくなる。これにより、超電導コイル1の温度上昇を抑制し、極低温冷凍機2の熱負荷が過大になるのを防止することができる。
一方、PCS3をオン状態(永久電流モード運転時)にする場合は、接続端子62を接続端子63に近接させ、伝熱体51を平坦にする一方、伝熱体52を逆U字状に屈曲させる。これにより、伝熱体51は磁束Aの向きと水平になることで熱抵抗が小さくなり、極低温冷凍機2によりPCS3を速やかに冷却することができる。
なお、伝熱体52の熱抵抗は磁束Aの向きに影響を受けないため常に略一定であり、PCS用伝熱部材5の熱抵抗は伝熱体51の位置によってのみ変化する。
なお、本実施形態では、伝熱体を磁場角度異方性を有する伝熱体51と磁場角度異方性を有さない伝熱体52から構成しているが、後述する変形例で説明するように、磁場角度異方性を有さない伝熱体52を省略して磁場角度異方性を有する少なくとも1つの伝熱体51のみから伝熱体を構成してもよい。
(効果)
本第2の実施形態によれば、上記の実施形態と同様な作用効果を奏するほか、高純度アルミニウム金属の使用量を低減させることができる。
(変形例)
本変形例では、PCS用伝熱部材5の伝熱体を、磁場角度異方性を有する伝熱体のみから構成する。
本変形例は、図4に示すように、PCS用伝熱部材5として、2つの接続端子61、63の間に磁場角度異方性を有する高純度のアルミニウム金属からなる可撓性の伝熱体51を配置し、一方の接続端子61を移動可能に構成する。
接続端子61は、例えば、テレスコープ状又はベローズ状の伸縮部材8を介して極低温冷凍機2側の端子41に接続される。なお、PCS3側の接続端子63を移動可能に構成してもよい。
本変形例において、PCS3のオフ状態時には、伸縮部材8により接続端子61を接続端子63に近接する位置に移動させることで、伝熱体51を逆U字状に屈曲させ熱抵抗を大きくする一方、PCS3をオン状態(永久電流モード運転時)にする場合は、接続端子61を接続端子63から離間させることで伝熱体51を平坦にし、熱抵抗を小さくする。
本変形例によれば、上記第2の実施形態と同様な作用効果を奏するほか、PCS用伝熱部材5の構成を簡素化することができる。
なお、接続端子数を3以上とし、磁場角度異方性を有する伝熱体51の数を増やしてもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る伝導冷却装置及び伝導冷却方法について、図5(a)、(b)を用いて説明する。
(構成)
本実施形態に係るPCS用伝熱部材5は、図5(a)、(b)に示すように、2つの接続端子61、63の間に、略平行に配置した少なくとも1つ以上の板状の伝熱体53と、各伝熱体53の両端部にそれぞれ接続された接続端子64a、64bとからなり、板状の伝熱体53が水平方向又は垂直方向に向くように駆動部材(図示せず)により回転可能に構成されている。また、接続端子64a、64bは接続端子61、63に可撓性の帯状の伝熱体51、52を介して接続されている。
このPCS用伝熱部材5のうち、少なくとも板状の伝熱体53は、上記実施形態と同様に、磁場角度異方性を有する高純度のアルミニウム金属が用いられ、伝熱体51、52及び各接続端子64a、64b、61、63は磁場角度異方性を有さない低純度のアルミニウム金属又は銅金属等が用いられる。
(作用)
上記のように構成された第3の実施形態において、PCS3のオフ状態時には、図5(a)に示すように、磁束Aに対し、板状の伝熱体53が垂直になるように配置する。これにより、伝熱体53は磁束Aの向きに対し垂直になることで熱抵抗が大きくなり、PCS3からの熱は、極低温冷凍機2側へ伝わりにくくなる。これにより、超電導コイル1の温度上昇を抑制し、極低温冷凍機2の熱負荷が過大になるのを防止することができる。
一方、PCS3をオン状態(永久電流モード運転時)にする場合は、板状の伝熱体53を図5(b)に示すように回転させ、伝熱体53を磁束Aに対し略水平にする。これにより、伝熱体53は磁束Aの向きに対し水平になることで熱抵抗が小さくなり、極低温冷凍機2によりPCS3を速やかに冷却することができる。
なお、図5(a)、(b)の例では、複数の板状の伝熱体53を用いているが、これに限定されず板状の伝熱体53の数を1つとしてもよい。
(効果)
本第3の実施形態によれば、上記実施形態と同様な作用効果を奏するほか、板状の伝熱体53の数を適宜増減することで、PCS用伝熱部材5の熱抵抗の値を調整することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る伝導冷却装置及び伝導冷却方法について、図6を用いて説明する。
(構成)
本実施形態では、図6に示すように、少なくとも1つ以上の板状の伝熱体53が略水平に配列されたPCS用伝熱部材5(図5(b)参照)の下部に磁気遮蔽体7を設置した構成としている。
この磁気遮蔽体7の下方には超電導コイル1が配置されており、磁気遮蔽体7はPCS用伝熱部材5へ下方から略垂直に印加される磁束Bを遮断し、PCS用伝熱部材5の側部から略水平に印加される磁束Aのみを許容する。
(作用)
上記のように構成された第4の実施形態において、PCS3のオン状態時(永久電流モード運転時)では、PCS用伝熱部材5には板状の伝熱体53に平行な磁束Aのみが入るため熱抵抗が小さくなり、極低温冷凍機2によりPCS3を速やかに冷却することができる。
一方、PCS3のオフ状態時には、超電導コイル1が励磁状態にあるため、磁気強度が小さく、伝熱体53の熱抵抗は小さくならないため、PCS3からの熱は、極低温冷凍機2側へ伝わりにくくなる。これにより、超電導コイル1の温度上昇を抑制し、極低温冷凍機2の熱負荷が過大になるのを防止することができる。
なお、高純度のアルミニウム金属は温度によって熱抵抗値が変化することを利用して、PCS用伝熱部材5の近傍に設けられた加熱装置により(図示せず)、伝熱体53を加熱して熱抵抗値を大きくするようにしてもよい。
本第4の実施形態によれば、上記実施形態と同様な作用効果を奏するほか、単に磁気遮蔽体7を設置することで熱抵抗値を変化させることができるので、装置構成を簡略化させることができる。
(変形例)
本変形例では、磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体51から構成されるPCS用伝熱部材5を駆動機構により(図示せず)移動可能な箱状の磁気遮蔽体7で覆う構成としている。その際、伝熱体51は、図7に示すように、略平坦状に配置されている。
PCS3のオン状態時(永久電流モード運転時)では、磁気遮蔽体7による覆いを外して超電導コイルからの磁束Aが印加可能とする。これにより、伝熱体51に平行な磁束AがPCS用伝熱部材5に印加され高純度のアルミニウム金属からなる伝熱体51の熱抵抗が小さくなり、極低温冷凍機2によりPCS3を速やかに冷却することができる。
一方、PCS3のオフ状態時には、磁気遮蔽体7を移動させてPCS用伝熱部材5を被うことにより、伝熱体51に平行な磁束Aが印加されるのを防止する。これにより、伝熱体51の熱抵抗を大きくすることができるため、PCS3からの熱は、極低温冷凍機2側へ伝わりにくくなる。これにより、超電導コイル1の温度上昇を抑制し、極低温冷凍機2の熱負荷が過大になるのを防止することができる。
なお、上記第4の実施形態と同様に、PCS用伝熱部材5の近傍に設けられた加熱装置により(図示せず)、伝熱体51を加熱して熱抵抗値を大きくするようにしてもよい。
また、伝熱体51の数は1つに限定されず、接続端子数を増やし、複数の伝熱体を用いてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…超電導コイル、2…極低温冷凍機、2a…冷却ステージ、3…永久電流スイッチ(PCS)、4…コイル用伝熱部材、41〜43…端子、5…永久電流スイッチ(PCS)用伝熱部材、51〜53…伝熱体、61〜63、64a、64b…接続端子、7…磁気遮蔽体、8…伸縮部材。

Claims (8)

  1. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられ、少なくとも一つが磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記接続端子のうちの少なくとも1つの接続端子は、前記伝熱体の磁束の方向に対する磁場角度異方性の方向が変わるように、移動可能に構成されていることを特徴とする伝導冷却装置。
  2. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた磁場角度異方性を有する少なくとも1つの板状の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記板状の伝熱体を回転可能に構成したことを特徴とする伝導冷却装置。
  3. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、磁場角度異方性を有する少なくとも1つの可撓性の伝熱体又は板状の伝熱体と、を有し、前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置されるとともに、前記永久電流スイッチ用伝熱部材に前記超電導コイルからの平行又は垂直の磁束を遮断する磁気遮蔽部材を当該永久電流スイッチ用伝熱部材の下部又は側面に設けたことを特徴とする伝導冷却装置。
  4. 前記伝熱体は高純度のアルミニウム金属であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の伝導冷却装置。
  5. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備えた伝導冷却装置の伝導冷却方法において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記各接続端子の間に設けられた少なくとも1つの可撓性の伝熱体とを有し、
    前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記各接続端子を相互に離間させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は接続端子の1つを移動させ、隣接する接続端子の1つに接触させることを特徴とする伝導冷却方法。
  6. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記各接続端子の間に設けられ、少なくとも1つが磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材を前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、
    前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記磁場角度異方性を有する伝熱体が略平坦状になるように前記接続端子の1つを移動させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記磁場角度異方性を有する伝熱体が逆U字状になるように当該接続端子を移動させることを特徴とする伝導冷却方法。
  7. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた少なくとも1つの磁場角度異方性を有する可撓性の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、
    前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記可撓性の伝熱体が前記磁束に略平行になるように前記接続端子の1つを移動させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記可撓性の伝熱体が前記磁束に略垂直になるように当該接続端子を移動させることを特徴とする伝導冷却方法。
  8. 極低温冷凍機と、超電導コイルと、前記極低温冷凍機に永久電流スイッチ用伝熱部材を介して熱的に接続された永久電流スイッチと、を備え、前記永久電流スイッチ用伝熱部材は、2以上の接続端子と、前記接続端子の間に設けられた少なくとも1つの磁場角度異方性を有する板状の伝熱体と、を有する伝導冷却装置の伝導冷却方法において、
    前記永久電流スイッチ用伝熱部材は前記超電導コイルからの磁束が平行に印加されるように配置し、
    前記永久電流スイッチがオフ状態の場合は前記板状の伝熱体を前記磁束に略平行になるように回転させ、前記永久電流スイッチがオン状態の場合は前記板状の伝熱体が前記磁束に略垂直になるように回転させることを特徴とする伝導冷却方法。

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