JP2015079846A - 超電導磁石装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超電導コイルのクエンチ時に、その磁気エネルギを誘導コイルに転移させるに当たり、誘導コイルの温度上昇に伴うエネルギ転移量の減少を抑制できる超電導磁石装置を提供する。【解決手段】超電導コイル5と、前記超電導コイル5と磁気結合する誘導コイル9と、前記超電導コイル5を内包し、第1の冷媒16が封入されている第1の冷媒容器3と、前記誘導コイル9を内包し、前記第1冷媒容器3とは熱的に絶縁され、かつ第1の冷媒より融点又は沸点の高い第2の冷媒17が封入されている第2の冷媒容器4とを備える構成をとる。【選択図】図2
Description
本発明は、超電導コイルを備える超電導磁石装置に関する。
超電導磁石装置の回路は、例えば、超電導コイルと、超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、永久電流運転するための閉回路を形成する永久電流スイッチを備えている。超電導コイルと永久電流スイッチは、超電導性を維持するために必要な冷却能力を有するクライオスタット内に備えられているものがある。
こうした超電導磁石装置は、永久電流スイッチを開にした状態で励磁電源から超電導コイルに電流を供給し、その後、永久電流スイッチを閉にした状態で励磁電源からの供給電流をゼロにすることで、超電導コイルおよび永久電流スイッチからなる閉回路に、電流がほとんど減衰することなく流れ続けることとなり、このとき超電導磁石装置は、永久電流運転をすることとなる。この永久電流運転を実行することにより、超電導磁石装置は、長期にわたって磁場を保持することができるようになっている。
ところで、通電中に超電導コイルの一部が常伝導転移した場合、その部分には抵抗が発生する。このような抵抗が発生した場合、超電導コイルに蓄積された磁気エネルギ(蓄積磁気エネルギ)はジュール発熱により熱エネルギに変換され、常伝導転移した超電導コイルの一部の温度が上昇する。この時、常伝導転移していなかった部分も、熱伝導により温度が上昇して超電導状態から常伝導状態へと転移する。こうして常伝導転移が連鎖的に超電導コイル全体に広がり、超電導コイルによって生じていた磁場が消失する現象(クエンチ現象)が発生する場合がある。クエンチ現象が発生すると、超電導コイルの蓄積磁気エネルギは熱エネルギに変換されることとなる。
超電導コイルは、超電導状態を維持するために所定以下の温度に冷却されていなければならない。この冷却の為に超電導コイルを冷媒に浸漬する方法を採用している場合、クエンチ時に発生する熱によって冷媒が気化し消費される。そのため、液体ヘリウムを始めとする冷媒を使用するのであれば、その消費量を出来る限り抑制する事が使用者にとって望ましい。
冷媒の消費量を抑制する先行技術としては、超電導コイルが納められた冷媒容器とが熱的に絶縁された場所であって、かつ超電導コイルと密に磁気結合する位置に誘導コイルを設置する方法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法によると、クエンチ時の磁場減衰に伴い、誘導コイルに電流が誘導され、その際の誘導コイルにおけるジュール発熱により、超電導コイルの磁気エネルギを冷媒容器外部で消費する事が出来る。
しかし、誘導コイルで磁気エネルギが消費されると、ジュール発熱により誘導コイル自体の温度が上昇する。一般にコイルを構成する良導体は、温度の上昇と共にその抵抗値も上昇するため、クエンチ発生時に誘導コイルの抵抗は漸進的に上昇する。ところが、誘導コイルへのエネルギの転移を大きくするには、誘導コイルに大電流を流すことができるようその抵抗値が小さい程好ましい。
特許文献1では、クエンチ時に誘導コイルを低温に保持する為の機構が備えられていない為、クエンチに由来する発熱によって誘導コイルの抵抗値が上昇しエネルギの転移量が減少していく。したがって、ある程度の磁気エネルギは、超電導コイルにおけるジュール発熱により消費されることとなる。
一方、一般にクエンチ時の単位時間当たりの発熱量は、冷凍機による単位時間当たりの冷却能力を大きく上回る為、冷凍機ではクエンチ時に誘導コイルを低温に保つ事は困難である。
そこで本発明は、クエンチ時の誘導コイルの温度上昇を抑制し、誘導コイルへのエネルギ転移量の減少を抑制でき、超電導コイルの冷媒の消費を抑制できる超電導磁石装置を提供する。
上記課題を解決するにあたり、本発明は、超電導コイルと、前記超電導コイルと磁気結合する誘導コイルと、前記超電導コイルを内包し、第1の冷媒が封入されている第1の冷媒容器と、前記誘導コイルを内包し、前記第1冷媒容器とは熱的に絶縁され、かつ第1の冷媒より融点又は沸点の高い第2の冷媒が封入されている第2の冷媒容器とを備える構成をとる。
本発明によれば、誘導コイルへのエネルギ転移量の減少を抑制でき、超電導コイルを冷却するために使用する冷媒の消費量を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態にかかる超電導磁石装置1の回路図である。
超電導磁石装置1は、クライオスタット2と、クライオスタット2の外部に設置されている励磁電源8とを有している。クライオスタット2の内部には、複数(図1では2つ)の超電導コイル5と、永久電流スイッチ6と、誘導コイル9と、保護抵抗15が納められている。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態にかかる超電導磁石装置1の回路図である。
超電導磁石装置1は、クライオスタット2と、クライオスタット2の外部に設置されている励磁電源8とを有している。クライオスタット2の内部には、複数(図1では2つ)の超電導コイル5と、永久電流スイッチ6と、誘導コイル9と、保護抵抗15が納められている。
超電導コイル5と永久電流スイッチ6は、それぞれ超電導線材によって直列に接続され、閉回路を構成している。永久電流スイッチ6の両端には、保護抵抗15の両端が接続されている。さらに永久電流スイッチ6の両端には、励磁電源8の両端が接続され、その間の一対の電流経路を、クライオスタット2から取り外しが可能な一対の電流リード7が中継している。誘導コイル9は、超電導コイル5と密に磁気結合しており、それ単独で閉回路を構成している。誘導コイル9と超電導コイル5との磁気結合が大きくなるように、コイルの中心軸は同一となるようにし、またその離間間隔を極力狭めるように互いの位置関係を設定する。
図2は、クライオスタット2の断面の概略図である。
クライオスタット2は、第1の冷媒容器である冷媒容器3と、第2の冷媒容器である冷媒容器4と、真空断熱のための真空容器10と、熱輻射の進入を抑制する輻射シールド11と、冷凍機12とを有している。冷媒容器3と、冷媒容器4は、輻射シールド11に内包されている。輻射シールド11は、真空容器10に内包されている。超電導コイル5と、永久電流スイッチ6(図示せず)は、冷媒容器3に内包されている。冷媒容器3の中は、第1の冷媒である冷媒16(例えば、液体ヘリウムなど)が封入され、それにより超電導コイル5と永久電流スイッチ6とが超電導状態に保持されている。誘導コイル9は、冷媒容器4に内包されている。冷媒容器4の中は、第1の冷媒より高い沸点を有する第2の冷媒である冷媒17(例えば、液体窒素など)が封入され、誘導コイル9を冷却している。
冷凍機12は、二つの設定温度に対する冷却を可能とするものである。すなわち一つめの設定温度へと冷却対象を冷却するための第1ステージと、二つめの設定温度へと対象を冷却するための第2ステージをと有している。
第2ステージは、第1ステージより低い温度に冷却することを目的とするものであって、冷媒容器3と熱的に接続されている。第1ステージは、冷媒容器4と輻射シールド11とに、熱的に接続されている。冷媒容器3と冷媒容器4内の冷媒は、冷凍機12による冷却により、液体状態に保たれている。なお、二つのステージを分けなくとも、第2ステージの設定温度で冷媒17を冷却してもよい。
次に、図1を用いて、超電導磁石装置1の運転動作について説明する。まず、電流リード7を接続し、永久電流スイッチ6を開(オフ、常伝導状態)にした状態で、励磁電源8から超電導コイル5に電流を供給する。電流を供給する速度は、誘導コイル9に流れる電流が過大にならない範囲内で設定する。所望の電流値まで電流供給をした後、永久電流スイッチ6を閉(オン、超電導状態)にする。さらに、励磁電源8からの電流供給を停止した後、クライオスタット外部からの熱進入を抑制するために、電流リード7をクライオスタットから切り離す。
このとき、励磁電源8から超電導コイル5への電流供給はなくなるが、超電導コイル5と、閉(オン)にした永久電流スイッチ6とが直列に接続された閉回路の電流減衰が非常に小さくなり、超電導磁石装置1は永久電流により運転する状態となる。このような状態での運転、いわゆる永久電流運転では、超電導磁石装置1は、クライオスタット2外部からの電流供給が無くても、長期にわたって磁場を形成・保持することが可能である。
次に、超電導コイル5の一部が常伝導転移し、その周囲に常伝導領域が拡大していく場合(クエンチ現象が発生した場合)について説明する。
次に、超電導コイル5の一部が常伝導転移し、その周囲に常伝導領域が拡大していく場合(クエンチ現象が発生した場合)について説明する。
超電導コイル5においてクエンチ現象が発生すると、超電導コイル5には電気抵抗が発生する。そして、常伝導転移が進行すると、超電導コイル5の抵抗値が増大していき、この発生した抵抗でジュール発熱することにより磁気エネルギを消費する。このとき超電導コイル5が生成した磁場は減衰していくが、この磁場の変動に伴って超電導コイル5と磁気結合した誘導コイル9に誘導起電力が生じ電流が流れる。換言すると、超電導コイル5の有する磁気エネルギの一部は、誘導コイル9に転移することとなる。誘導コイル9に転移した磁気エネルギは、誘導コイル9自身が有する電気抵抗により、冷媒容器4において、ジュール熱として消費される。
誘導コイル9は、冷媒容器4内に封入されている冷媒17によって冷却されているので、磁気エネルギが転移しジュール発熱しても低温に保たれ、抵抗値の上昇が抑制される。
誘導コイル9の抵抗値の上昇が抑制されると、誘導コイル9において大電流を流すことのできる状態が維持されるため、超電導コイル5からの磁気エネルギの転移の量は維持されることとなる。すなわち、本実施形態の超電導磁石装置1は、誘導コイル9の温度上昇によるエネルギ転移量の減少を抑制することができる。
誘導コイル9の抵抗値の上昇が抑制されると、誘導コイル9において大電流を流すことのできる状態が維持されるため、超電導コイル5からの磁気エネルギの転移の量は維持されることとなる。すなわち、本実施形態の超電導磁石装置1は、誘導コイル9の温度上昇によるエネルギ転移量の減少を抑制することができる。
このように、第1実施形態に係る超電導磁石装置1は、超電導コイル5が収納された冷媒容器3とは別に、冷媒容器4を設け、そこに超電導コイル5と密に磁気結合した誘導コイル9を収納する。超電導コイル5の一部が常伝導転移した場合、超電導コイル5が有している磁気エネルギは、誘導コイル9へと転移され、誘導コイル9のジュール発熱によって消費される。誘導コイル9は冷媒17によって冷却されるため、ジュール発熱による抵抗値の上昇が抑制される。誘導コイル9の抵抗値の上昇が抑制されることによって、超電導コイル9からの磁気エネルギの転移量の漸進的な減少を抑制することができる。
加えて、本実施形態の超電導磁石装置1は、超電導コイル5での磁気エネルギの消費が抑制されるため、結果的に、超電導コイル9を冷却する冷媒16の消費量を低減することができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図3は、第2実施形態に係るクライオスタット2の断面の概略図である。第2実施形態に係る超電導磁石装置1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1に用いられる、冷媒容器4に封入する冷媒17として、冷媒容器3に封入する冷媒16の温度より、高い温度に融点を有する固体冷媒(例えば、個体窒素、氷など)が使用される。第2実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図3は、第2実施形態に係るクライオスタット2の断面の概略図である。第2実施形態に係る超電導磁石装置1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1に用いられる、冷媒容器4に封入する冷媒17として、冷媒容器3に封入する冷媒16の温度より、高い温度に融点を有する固体冷媒(例えば、個体窒素、氷など)が使用される。第2実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
固体冷媒は、液体冷媒と比較しその構成分子が同じであれば、より低い温度とすることができる。従って、第1実施形態に係る誘導コイル9と比較し、第2実施形態に係る誘導コイル9はより低温下におくことができる。これにより誘導コイル9は抵抗が下がり、超電導コイル5からのエネルギ転移量を大きくする事が出来る。
このように、第2実施形態に係る超電導磁石装置1は、冷媒容器4に封入する冷媒17として、固体冷媒を使用する事で、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、誘導コイル9をより低い温度に冷却可能な為、超電導コイル5からのエネルギ転移量を大きくする事が出来る。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図4は、第3実施形態に係るクライオスタット2の断面の概略図である。第3実施形態に係る超電導磁石装置1は、誘導コイル9の構成が第1実施形態または第2実施形態と異なっている。第3実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態または第2実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図4は、第3実施形態に係るクライオスタット2の断面の概略図である。第3実施形態に係る超電導磁石装置1は、誘導コイル9の構成が第1実施形態または第2実施形態と異なっている。第3実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態または第2実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
第3実施形態に係る誘導コイル9は、複数のコイル(図3では2つ:9a、9b)より構成されている。誘導コイル9を構成する複数のコイルは、それぞれが互いに並列に接続されていても、直列に接続されていても良く、また各々のコイルが閉ループとなり、閉回路を構成していてもよい。この様に誘導コイル9を複数のコイルで構成する事で、その表面積が増加し、冷媒17による冷却効果が大きくなる。従って、クエンチ時の誘導コイル9の温度上昇によるエネルギ転移量の減少がより大きく抑制される。
さらに、複数のコイルで誘導コイル9を構成した場合、超電導コイル5に対して誘導コイル9の配置をより自由に設定することができる。誘導コイル9の配置の自由度が増すと、単一のコイルで誘導コイル9を構成した場合と比較し、誘導コイル9と超電導コイル5との磁気結合がより大きくなるような配置を選択できる。従って、単一のコイルで誘導コイル9を構成した場合と比較し、誘導コイル9へのエネルギ転移量をより大きくする事が出来る。
このように、第3実施形態に係る超電導磁石装置1では、誘導コイル9を複数のコイルで構成する事で、第1実施形態または第2実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、冷媒17と面する表面積が増大することによって、クエンチ時の誘導コイル9の温度上昇によるエネルギ転移量の減少がより大きく抑制される。さらに、誘導コイル9と超電導コイル5との磁気結合をより大きくする事が出来るため、誘導コイル9へのエネルギ転移量をより大きくする事が出来る。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図5は、第4実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図である。第4実施形態に係る超電導磁石装置1は、クエンチ検出手段13とスイッチング素子14aを有する点と、誘導コイル9を含む閉回路の構成とが第1実施形態から第3実施形態とは異なっている。第4実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形から第3実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図5は、第4実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図である。第4実施形態に係る超電導磁石装置1は、クエンチ検出手段13とスイッチング素子14aを有する点と、誘導コイル9を含む閉回路の構成とが第1実施形態から第3実施形態とは異なっている。第4実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形から第3実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
クエンチ検出手段13は、例えば超電導コイル5の抵抗性電圧を測定する事で、超電導コイル5の常伝導転移の発生を検出する事が可能である。スイッチング素子14aは、誘導コイル9と共に閉回路を構成している。
スイッチング素子14aは、例えば冷媒17の温度下で動作する永久電流スイッチなどで構成され、閉状態では閉回路の抵抗値を低い状態とし、クエンチ検出手段13が送信する所定の信号Qを受けている間は、開状態となって閉回路の抵抗値を上昇させる機能をもつ。
なお、クエンチ検出手段13は、超電導コイル5の抵抗性電圧以外に、超電導コイル5や冷媒容器3内の温度変化や冷凍機12の異常などを検出して、スイッチング素子14aへの信号Qの送信の開始、停止を制御するものであってもよい。
また、スイッチング素子14aとしては、永久電流スイッチ以外にも、図6に示すように、可変抵抗14bを利用してもよい。この場合は、クエンチ検出手段13によって信号Qが送信された時、可変抵抗14bの抵抗値が上がって第一の抵抗値の状態にあり、信号Qの送信が無い時には、第一の抵抗値よりも低い第二の抵抗値に切り替わるように制御すればよい。
超電導磁石装置1が永久電流運転をしている場合は、クエンチ検出手段13はスイッチング素子14aを閉状態とし、実質的に第1実施形態から第3実施形態と同様の回路を形成させる。この場合、誘導コイル9を有する回路は、クエンチ発生時に第1実施形態から第3実施形態と同様の動作をする。
一方、超電導磁石装置1の励磁時、或いは消磁時には、クエンチ検出手段13はスイッチング素子14aに向けて信号Qを出力し、この信号Qを受けたスイッチング素子14aは開状態となり、誘導コイル9を含む回路には誘導電流が流れにくい状態となる。このように意図的に誘導コイル9を含む閉回路の電気的な抵抗値を大きくすることで、超電導コイル5の励磁又は消磁に際して生じる磁場の変動による誘導コイル9への磁気エネルギの転移を抑制できる。すなわち、第1実施形態から第3実施形態よりも、本実施形態の超電導磁石装置1は、超電導コイル9の励磁又は消磁の際に、誘導コイル9での磁気エネルギの消費が抑制されるため、超電導コイル9の励磁又は消磁を高速に実施可能である。
また、本実施形態における超電導磁石装置1は、励磁又は消磁時に超電導コイル5に常伝導転移が発生した場合は、クエンチ検出手段13がこれを検知すると共にスイッチング素子14aへの信号Qの送信をストップさせることも可能である。スイッチング素子14aが閉状態となれば、実質的に、第1実施形態から第3実施形態と同様の回路が形成され、超電導コイル5の磁気エネルギを誘導コイル6へと転移させ、誘導コイル9を含む閉回路においてその磁気エネルギを消費させることができる。
このように、第4実施形態に係る超電導磁石装置1は、クエンチ検出手段13とスイッチング素子14aとを有することで、第1実施形態から第3実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、より高速な励磁又は消磁を実施可能となる。
1 超電導磁石装置
2 クライオスタット
3 第1の冷媒容器
4 第2の冷媒容器
5 超電導コイル
6 永久電流スイッチ
7 電流リード
8 励磁電源
9 誘導コイル
10 真空容器
11 輻射シールド
12 冷凍機
13 クエンチ検出手段
14a スイッチング素子
14b 可変抵抗
15 保護抵抗
16 第1の冷媒
17 第2の冷媒
Q 信号
2 クライオスタット
3 第1の冷媒容器
4 第2の冷媒容器
5 超電導コイル
6 永久電流スイッチ
7 電流リード
8 励磁電源
9 誘導コイル
10 真空容器
11 輻射シールド
12 冷凍機
13 クエンチ検出手段
14a スイッチング素子
14b 可変抵抗
15 保護抵抗
16 第1の冷媒
17 第2の冷媒
Q 信号
Claims (8)
- 超電導コイルと、
前記超電導コイルと磁気結合する誘導コイルと、
前記超電導コイルを内包し、第1の冷媒が封入されている第1の冷媒容器と、
前記誘導コイルを内包し、第1の冷媒より融点又は沸点が高い第2の冷媒が封入されている第2の冷媒容器と、
を備え、
前記第2の冷媒容器は、前記第1の冷媒容器と熱的に絶縁されて設けられていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1に記載の超電導磁石装置において、
前記第2の冷媒は液体であることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1に記載の超電導磁石装置において、
前記第2冷媒容器には、固体冷媒が封入されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の超電導磁石装置において、
前記誘導コイルは、複数のコイルから構成されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記誘導コイルを含む閉回路は、前記誘導コイルによって構成されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記超電導コイルで発生する常伝導転移を検出するクエンチ検出手段と、
前記クエンチ検出手段と接続され、かつ前記誘導コイルと閉回路を構成するスイッチング素子とを有し、
前記クエンチ検出手段は、その動作時に、前記超電導コイルの常伝導転移を検出すると前記スイッチング素子を閉状態とし、前記超電導コイルが超電導状態にあるときは前記スイッチング素子を開状態とすることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記超電導コイルで発生する常伝導転移を検出するクエンチ検出手段と、
前記クエンチ検出手段と接続され、かつ前記誘導コイルと閉回路を構成する可変抵抗とを有し、
前記クエンチ検出手段は、その動作時に、前記超電導コイルが超電導状態にあるときよりも常伝導状態に転移するときに前記可変抵抗の抵抗値を下げることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項6に記載の超電導磁石装置において、
前記スイッチング素子は、前記第2の冷媒の融点又は沸点以下の温度で動作する永久電流スイッチで構成されていることを特徴とする超電導磁石装置。
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