JP4896620B2 - 超電導マグネット - Google Patents

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Description

本発明は、超電導機器に使用される超電導マグネットに関する。
核磁気共鳴測定装置(NMR)や磁気共鳴画像診断装置(MRI)のように時間的に非常に安定な磁場が必要な場合には、コイルを電源で励磁したときの電源電流のリップルによる磁場変動が問題となるため、超電導マグネットの永久電流モードでの運転が利用されている。図7は、従来の永久電流超電導マグネットの回路図である。この回路は、超電導コイル1、永久電流スイッチ2、(励磁)電源3及び保護抵抗4が並列に接続されている。超電導コイル1は、電源3による励磁と、永久電流スイッチ2のオン/オフの制御により、所定の定格電流値に達した後に、電源3の流す電流をゼロにすることにより、永久電流モードを達成できる。
超電導コイル1の回路には、永久電流の電流減衰(磁場減衰)の原因となる抵抗成分5を構成する超電導線の接続部や、永久電流スイッチとの接続部など、種々の接続部が存在する。このような接続については、例えば超電導素線(フィラメント)同士を、圧接やスポット溶接などにより接続する、いわゆる超電導接続が用いられる。また、高温超電導線の場合には、このような超電導接続が困難であり、はんだ接続などのいわゆる抵抗接続方法をとる必要がある。このような接続部は、超電導接続による抵抗成分よりも大きな抵抗成分となり、永久電流が減衰し、磁場減衰の原因となる。
これらの永久電流の減衰による磁場減衰を解決するために、例えば単位超電導コイルに並列に、直列接続された第2の永久電流スイッチ及び補償用超電導コイルを接続する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−68519号公報
しかしながら、この方法では補償用超電導コイルを駆動するために、複数の永久電流スイッチ及び補償コイルが必要となるため、大きな設置スペースが必要となり、またそれらの配置も制限され、さらにコスト面でもさらなる費用がかかるという問題点がある。
また、高温超電導コイルは、それ単体で若しくは高温超電導コイルと低温超電導コイルとを組み合わせることにより、低温超電導コイルよりも、高い温度や高い磁場中で使用できるという利点があるが、高温超電導コイルでは永久電流がより減衰しやすい。そのため、高温超電導コイルは、より高磁場の、かつ、非常に小さい磁場減衰時定数が求められる高分解能の核磁気共鳴測定装置(NMR)や磁気共鳴画像診断装置(MRI)への適用は困難である。
本発明はかかる従来の問題点を解決すべくなされたもので、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて検討を進めた結果、超電導マグネットの構成を、
超電導コイルと、前記超電導コイルに並列に接続された該超電導コイルを駆動する電源回路と、前記超電導コイルの前記電源回路との接続部間に、直列に接続された永久電流スイッチ及び前記電源回路に前記超電導コイルの電流減衰を補償する電流を流すための補償抵抗体と、前記超電導コイルが発生する磁場の磁場測定手段と、前記超電導コイルに流れる電流の電流測定手段と、この磁場測定手段および電流測定手段によって測定された磁場測定値および電流測定値を一定に保持するように、電源から供給する電流値若しくは補償抵抗体の抵抗値のうち少なくとも一方を調節する調節手段と、前記超伝導コイルの温度を制御して前記超伝導コイルの抵抗成分の変動を抑制する温度制御手段と、を具備し、前記超電導コイルの冷却手段が冷凍機による伝導冷却式であり、前記度制御手段が伝熱経路の一部に具備された加熱手段及び温度測定手段であるものとすることで、超電導コイルの温度を一定に維持することが容易となり、電流リップルを少なく、かつ、磁場減衰を抑制することができ、安定した磁場を有するマグネットを提供できることを見出した。
この超電導マグネットによれば、超電導コイルの抵抗成分により生じる電流減衰を抑制(補償)するために、永久電流スイッチに直列に補償抵抗体を配置したので、この補償抵抗体に流れる電流が、上記の電流減衰により生じる電圧降下に相当する電圧を発生させることができるので、電流リップルが少なく、かつ、電流減衰による磁場減衰を抑制でき、安定した磁場を有するマグネットを提供できる。
本発明の超電導マグネットによれば、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施し得るものである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超電導マグネットの回路の一例を示す。この回路は、通常の永久電流マグネット回路と同様に、超電導コイル1と、永久電流スイッチ2と、(励磁)電源3と、必要に応じて保護抵抗4が、それぞれ並列に接続される。また、この実施形態の超電導マグネットには、超電導コイル1の抵抗部分5が存在する。この実施形態に係る超電導マグネットにおいては、永久電流スイッチ2に直列に補償抵抗体6が配置されている。また、図1では、超電導コイル1、永久電流スイッチ2、抵抗部分5及び補償抵抗体6から構成される回路を第1のループ回路とよぶ。また、永久電流スイッチ2、(励磁)電源3及び補償抵抗体6から構成される回路を第2のループ回路とよぶ。
なお、この実施形態に係る超電導マグネットは磁場測定手段7及び電流測定手段8を有することができる。
超電導コイル1は、金属系超電導コイル、例えばNbTi超電導コイル、NbSn超電導コイル等、又は高温超電導コイル、例えば酸化物系超電導コイル等が挙げられる。これらの高温超電導コイルとしては、ビスマス系(例えば、Bi2212相系、Bi2223相系)、イットリウム系(例えば、YBCO系)、タリウム(Tl)系等の高温超電導コイルが挙げられる。
永久電流スイッチ2は、永久電流モードを達成するために用いられる。すなわち、永久電流スイッチは、このような永久電流モードのオン/オフ制御を行うスイッチである。永久電流スイッチとしては、温度を変えてオン/オフを制御する超電導式のスイッチを用いることを基本としているが、この実施形態に係る超電導マグネットにおいては、永久電流スイッチ部で電圧降下があったとしても、電源側からエネルギーが供給されるため、必ずしも超電導式である必要はない。そのため、例えばMOSFETなどの、半導体素子スイッチ、又は機械的な接触で入切を切り替えるような機械式スイッチを使用する構成とすることが可能である。
半導体素子スイッチ又は機械式スイッチを用いる場合には、超電導式よりも切り替え速度を速くすることができる。なお、これらの永久電流スイッチは、超電導式スイッチ、半導体素子スイッチ、又は機械式スイッチをそれぞれ単独で又はこれらのスイッチを組み合わせて使用することができる。
このように、永久電流スイッチが、超電導式、半導体制御素子若しくは機械式スイッチのいずれか又はそれらの組み合わせであるため、超電導コイルの励磁の動作や、超電導コイルの保護の動作が容易で、磁場減衰が抑制された超電導マグネットが提供できる。特に、切り替え速度の速い半導体素子スイッチ又は機械式スイッチを用いる場合には、超電導コイルの励磁の動作や、保護抵抗へ電磁エネルギーを放出する超電導コイルの保護の動作がより速くなる。
この実施形態に係る(励磁)電源3は、超電導コイル1の回路(永久電流回路)に電流を供給する。後述するように、この実施形態の電源3は、超電導コイル1を励磁した後にも、さらに超電導コイル1の抵抗成分5による電流減衰を補償(抑制)するための電流を供給するものである。
保護抵抗4は、超電導コイル1の回路へ過剰な電流が流れるのを防止するために用いられる。
抵抗成分5は、図1の超電導マグネットの回路図上において、第1のループ回路上のうち、接点Aから超電導コイル1を通った接点Bまでの等価回路に発生する抵抗(R)を表す。
第1のループ回路には、接続抵抗、フラックスフロー抵抗、永久電流スイッチとの接続部の抵抗、超電導線内で抵抗成分を発生させる部分の抵抗、例えば超電導線材の結晶構造の不均一部分の抵抗等の抵抗が存在する。従って、これらの抵抗のうち、抵抗成分5は、接点Aから超電導コイル1を通った接点Bまでの等価回路に存在する接続抵抗、フラックスフロー抵抗、永久電流スイッチとの接続部の抵抗、超電導線内で抵抗成分を発生させる部分の抵抗、例えば超電導線材の結晶構造の不均一部分の抵抗等の抵抗を意味する。永久電流スイッチとの接続部の抵抗は、抵抗成分5には含まれない。
なお、フラックスフローとは、超電導体に流れる電流値が所定の値を超えると、ピン止めされている磁束量子線が移動することをいい、このときに発生する抵抗をフラックスフロー抵抗という。
補償抵抗体6は、図1の超電導マグネットの回路の接点Aと接点Bとの間に、永久電流スイッチに直列に接続される。
補償抵抗体6は、超電導コイル1の抵抗成分5による電圧降下を補償(抑制)する電圧を発生させるための微小な抵抗体(抵抗器)である。この補償抵抗体6は、例えば、ステンレス、真ちゅう等の合金からなる線材を永久電流スイッチに直列に接続して使用することができる。これらの線材の組成、太さ、長さ等を調整することにより、所望の抵抗値を有する補償抵抗体6を製造することができる。これらの補償抵抗体6の接続方法は、通常の接続方法を用いて行うことができる。
また、この補償抵抗体6は、いわゆる可変抵抗体としてもよい。
補償抵抗体6は、超電導コイル1の抵抗成分5による電圧降下(V=RxI)を相殺する、すなわち電圧降下によるエネルギーの損失を補償する電圧(RxΔI)を発生させる。これは下記の式
xI= RxΔI (1)
により電圧降下の補償が達成される。
ここで、上記式(1)の抵抗値(R)は、補償抵抗体6が直列に接続されている超電導マグネットの回路図上の接点Aと接点Bの間にさらなる抵抗体(値)を含む場合には、その抵抗値を含むものである。このような抵抗体(値)としては、例えば、永久電流スイッチとの接続部の抗(値)、等が挙げられる。
この補償抵抗体6の抵抗値(R)は超電導コイル1の抵抗成分5の抵抗値に応じて決めることができる。この抵抗値(R)は、補償抵抗体6に流れる電流値にもよるが、例えば、少なくとも超電導コイルの抵抗成分(R)の抵抗値の1倍以上とすることができる。なお、補償抵抗体6の抵抗値(R)が高すぎると、補償抵抗体6の抵抗部でジュール熱が発生し、この部分での電流の減衰が生じるおそれがある。補償抵抗体6の抵抗値(R)は、このようなジュール熱の発生しない範囲の抵抗値とすることができる。
また、補償抵抗体6に流れる電流値(ΔI)は試験的に決めることができる。
上記のように、超電導コイル1の抵抗成分5による電圧降下を補償する電圧を発生させるためには、補償抵抗体6の抵抗値を調整しても、又は電流値(ΔI)を調整してもよい。例えば、予め所定の抵抗値を有する補償抵抗体6を、図1の接点Aと接点Bとの間に永久電流スイッチ2に直列に接続し、電源3からの電流値(ΔI)を調整する方が、電圧(RxΔI)の制御が容易なため好ましい。
次に、この実施形態に係る超電導マグネットの動作について説明する。図2は、この実施形態の超電導マグネットの超電導コイル1へ定格電流値(I)の電流を供給する手順を表すフロー図である。
まず、図1に示される永久電流スイッチ2をOFFの状態にし、電源3から超電導コイル1への電流の供給を開始する(ステップ1(以下、「S1」のように称する。))。次に、電源3からの電流の供給を増加して定格電流値(I)まで電流を増加させる(S2)。
さらに、図1に示される永久電流スイッチ2をONの状態にする(S3)。その結果、第1のループ回路には、定格電流値(I)が流れる。この時点で、電源3からの電流の供給を停止しても定格電流値(I)が流れ続ける永久電流モードが達成される。上記の第1のループ回路には、接続抵抗などの抵抗が存在している。そのため、第1のループ回路に流れる電流は徐々に減衰していく。ここで、電源3から供給される電流を所定の電流分(ΔI)だけ増加させてI+ΔIとする(S4)。その結果、図1の微小な補償抵抗体6に電流ΔIが流れ、電圧(V=RxΔI)が発生する。それにより、第1のループ回路に流れる電流は徐々に増加していき、第1のループ回路に流れる電流は電流(I)まで増加する(S5)。
すなわち、超電導コイル1の抵抗成分5による電圧降下(V=RxI)と補償抵抗体6による電圧降下(V=RxΔI)が相殺され、超電導コイル1の抵抗成分5による電圧降下は補償(抑制)される。言い換えれば、抵抗成分5で消費されたエネルギーと同じ量のエネルギーが電源3から供給されることになる。また、抵抗成分の電圧降下が相殺されるので、同様に電流リップルについても抑制することが可能となる。
このように、この実施形態に係る超電導マグネットは、いわゆる永久電流モードに達した後、電源3から定格電流値IよりもΔIだけ大きい電流I+ΔIを供給する。その結果、補償抵抗体6に電流(ΔI)が流れ、電圧(V=RxΔI)が発生する。この電圧が超電導コイル1の抵抗成分5の電圧降下(V=R×I)を補償するので、超電導コイル1の回路の電流減衰が抑制され、超電導コイル1の磁場減衰が抑制される。従って、この実施形態に係る超電導マグネットは、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。また、この実施形態に係る超電導マグネットを、高温超電導線を用いた高温超電導マグネットとする場合にも、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
次に、この実施形態に係る超電導マグネットが磁場測定手段7及び電流測定手段8を備える場合について説明する。
磁場測定手段7は、超電導コイルから発生する磁場(H)を測定できる場所に設置される。磁場測定手段7は、例えばホール素子を使ったプローブで磁場を測定するガウスメータ、NMRテスラメータ、NMR磁場測定器等が挙げられる。
磁場測定手段7によって測定された出力データは、電源3からの電流を調節する電流調節手段(図示せず)に送られ、この電流調節手段により、電源3から供給される電流値を調節する。また、補償抵抗体6が可変抵抗体である場合には、磁場測定手段7によって測定された出力データは、可変抵抗体を調節する抵抗調節手段(図示せず)に送られ、この抵抗調節手段により、可変抵抗体の抵抗値を調節することもできる。
なお、磁場測定手段7によって測定された出力データに応じて、電流調節手段及び/又は抵抗調節手段により、電源3から供給される電流値及び可変抵抗体の抵抗値の両方を調節することもできる。また、電流調節手段又は抵抗調節手段は、それぞれ自動調節手段であってもよい。
電流測定手段8は、例えば超電導コイル1の永久電流が流れる回路内に接続される。電流測定手段8は、例えばシャント抵抗、ホール素子を使ったプローブ等が挙げられる。電流測定手段8として、シャント抵抗を使用する場合には、シャント抵抗の抵抗部分も超電導コイル1の抵抗成分5に含んで考えることができる。
この電流測定手段8によって測定された出力データも同様に、電源3からの電流を調節する電流調節手段(図示せず)に送られ、この電流調節手段により、電源3から供給される電流値を調節する。また、補償抵抗体6が可変抵抗体である場合には、電流測定手段8によって測定された出力データは、可変抵抗体の抵抗値を調節する抵抗調節手段(図示せず)に送られ、この抵抗調節手段により、可変抵抗体の抵抗値を調節することもできる。なお、電流測定手段8によって測定された出力データに応じて、電流調節手段及び/又は抵抗調節手段により、電源3から供給される電流値及び可変抵抗体の抵抗値の両方を調節することもできる。また、電流調節手段又は抵抗調節手段は、それぞれ自動調節手段であってもよい。
このように、超電導マグネットに、磁場測定手段7若しくは電流測定手段8を配置し、その磁場測定値若しくは電流測定値に応じて、電源3から供給される電流値若しくは補償抵抗体6の抵抗値、或いはその両方を制御することで、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る超電導マグネットの回路の一例を示す。この実施形態は、図1に示された超電導マグネット回路に、さらに温度制御手段9を具備するものである。
このような温度制御手段9としては、例えば、ヒータ(例えば、埋設ヒータ)、超電導コイルの周囲に配置された圧力調節装置等を挙げることができる。この超電導マグネットは、超電導コイル1の温度を一定に制御する手段を有するので、超電導コイルの抵抗成分5の変動が抑制される。よって、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供することができる。この温度制御手段9によって、超電導コイルの温度を制御する具体的な方法については、以下にさらに説明する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る超電導マグネットについて説明する。図4は、本発明の第3の実施形態の超電導マグネットの冷却構成の一例を示す。超電導コイル1は、伝熱手段10を介して冷凍機11で冷却される。超電導コイル1は真空容器12の内部に設置され、また超電導コイル1の全体を覆うように輻射シールド13が設置され、超電導コイル1を低温に保温する。このような伝導冷却型の超電導コイルの場合、超電導コイルの温度は、冷凍機の能力と、いわゆる浸入熱とが釣り合った温度になるが、冷凍機の能力は時間とともに、数秒の短い周期から数日、数週間の長い周期で変動するため、超電導コイル1の温度も変動することになる。通常は、温度の変動幅は小さいので、超電導コイル1がいわゆるクエンチや熱暴走する温度に対してある程度余裕があるような低い温度に運転温度を設計する。
しかしながら、いわゆる永久電流モード状態で超電導コイル1の温度が変動すると、超電導コイル1の抵抗成分5のひとつである、接続抵抗部に影響を与えるので、電源3の制御が必要になる。また、超電導コイル1の温度が変動すると、超電導線の臨界電流値がかわり、いわゆる磁化損失(ヒステリシス損失)が生じ、いわゆる永久電流が減衰する原因となる。さらに、超電導線の臨界電流値がかわるためにフラックスフロー抵抗が生じる場合には、フラックスフロー抵抗も永久電流が減衰する原因となる。
このような永久電流の減衰を抑制するため、この実施形態では、温度制御手段として、冷凍機11から超電導コイル1までの伝熱経路の一部に加熱手段14と温度測定手段15を具備させる。
伝熱手段10としては、低温で高熱伝導率を有する材料を使用することができる。例えば純アルミ、純銅等が挙げられる。加熱手段14としては、例えばヒータ等が挙げられる。温度測定手段15としては、例えば温度センサー(例えば、抵抗体温度計)、熱電対等が挙げられる。
超電導コイル1は冷凍機11から伝熱手段10(例えば、冷却板)を介して冷却される。温度測定手段15により、超電導コイル1の近傍の温度を測定する。測定された温度が所望の温度よりも高い場合には、伝熱経路の一部に配置された加熱手段14の出力を低下させて温度を下げる。また、測定された温度が所望の温度よりも低い場合には、加熱手段14の出力を増加させて温度を上げる。このように、超電導コイル1の温度をより一定に制御できる。
この実施形態に係る超電導マグネットは、超電導コイル1の冷却手段が冷凍機11による伝導冷却である場合に、温度御手段が、伝熱経路の一部に設置した加熱手段14及び温度測定手段15を具備しているので、超電導コイル1の温度を一定に維持することが容易となり、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
さらに、本発明の第4の実施形態に係る超電導マグネットについて説明する。図5は、本発明の第4の実施形態の超電導マグネットの冷却構成の一例を示す。この実施形態の超電導マグネットは、低温容器16、低温容器16に貯蔵した液化ガス17及び圧力制御手段18を備える。冷凍機11、真空容器12、輻射シールド13等は、第3の実施形態に係る超電導マグネットと同様である。
低温容器16は、液化ガス17を用いた冷媒式の超電導コイル1に用いることができる容器である。液化ガス17は、超電導マグネット装置の運転温度、超電導コイルの種類(例えば、金属系超電導コイル、高温超電導コイル)等に応じて決定することができる。液化ガスとしては、例えば、液体ヘリウム、液体窒素等が挙げられる。圧力制御手段18としては、例えばヒータを用いた液化ガスの加熱による圧力の制御手段が挙げられる。
この実施形態に係る超電導マグネットは、図5のように、超電導コイル1を低温容器16に貯蔵した液化ガス17で冷却する、すなわち液化ガスを用いる冷却式(冷媒冷却式)である。この場合には、比較的超電導コイル1の温度変化は小さい。しかしながら、低温容器16への浸入熱により液化ガスは蒸発する。蒸発した液化ガスを再凝縮するために、冷凍機11で液化ガスを冷却する。液化ガスの蒸発と再凝縮の間の変動(バランス)により低温容器17の内圧が変化し、液化ガスの温度は変化する。
そのため、低温容器16の内圧を制御する圧力制御手段18を用いて、容器の内圧を一定にすることにより、超電導コイル1の温度を安定させることができる。このような低温容器の圧力(内圧)の制御方法としては、例えば、圧力(内圧)制御手段18としてヒータを用いて、液化ガスの加熱を行うことにより、容器の内圧をより一定にする方法が挙げられる。
この実施形態によれば、超電導コイル1の冷却手段が液化ガスであって、超電導コイル1の温度を制御する手段が液化ガスの内圧を制御する手段である。そのため、超電導コイルの温度を一定に維持することが容易であり、超電導コイルの抵抗成分5の値が変動しにくくなる。従って、電流リップルが少ない、かつ、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
さらに、本発明の第5の実施形態に係る超電導マグネットについて説明する。
図6は、本発明の第5の実施形態の超電導マグネットの回路図の一例を示す。この実施形態においては、従来の低温超電導コイルで構成された永久電流超電導マグネット19と、本発明の第1乃至4の実施形態のいずれか1つの実施形態に係る超電導マグネット20とを組み合わせて、より高磁場のマグネットを構成している。
永久電流超電導マグネット19を構成する低温超電導コイルは、例えばNbTi、NbSn、NbAl又はMgB等の超電導線材から構成される金属系超電導コイルである。
これらの超電導マグネットは、互いに高磁場を形成するように配置される。例えば、これらの超電導マグネットの超電導コイルを同心円状となるようにし、例えば従来型の低温超電導コイルを外周側に配置し、本発明の一実施形態に係る超伝導コイルを内周側に配置することができる。
従来の低温超電導コイルで構成された永久電流超電導マグネット19は、1つであっても又は2つ以上であってもよい。同様に、本発明の第1乃至4のいずれか1つの実施形態に係る超電導マグネット20も、1つであっても又は2つ以上であってもよい。さらに同じ実施形態の超電導マグネットを用いてもよい。
この実施形態によれば、本発明の第1乃至4の実施形態に係る超電導マグネットと従来の低温超電導永久電流マグネットとを組み合わせることで、電流リップルが少ない、かつ、高磁場を有する、磁場減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。特に、本発明の第1乃至4の実施形態に係る超電導マグネットを、高温超電導線を用いた高温超電導マグネットとすることにより、電流リップルが少ない、かつ、より高磁場で、磁場の減衰が抑制された超電導マグネットを提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る超電導マグネットの回路の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る超電導マグネットの超電導コイル1へ定格電流値(I)の電流を供給する手順を表すフロー図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超電導マグネットの回路の一例を示す。 本発明の第3の実施の形態に係る超電導マグネットの冷却構成の一例を示す概念図である。 本発明の第4の実施の形態に係る超電導マグネットの冷却構成の一例を示す概念図である。 本発明の第5の実施の形態の超電導マグネットの回路の一例を示す図である。 従来の永久電流超電導マグネットの回路図である。
符号の説明
1…超電導コイル、2…永久電流スイッチ、3…(励磁)電源、4…保護抵抗、5…抵抗成分、6…補償抵抗体、7…磁場測定手段、8…電流測定手段、9…温度制御手段、10…伝熱手段、11…冷凍機、12…真空容器、13…輻射シールド、14…加熱手段、15…温度測定手段、16…低温容器、17…液化ガス、18…圧力制御手段、19…従来の永久電流超電導マグネット、20…本発明の一実施形態のいずれかの超電導マグネット、
H…磁場

Claims (3)

  1. 超電導コイルと、
    前記超電導コイルに並列に接続された該超電導コイルを駆動する電源回路と、
    前記超電導コイルの前記電源回路との接続部間に、直列に接続された永久電流スイッチ及び前記電源回路に前記超電導コイルの電流減衰を補償する電流を流すための補償抵抗体と、
    前記超電導コイルが発生する磁場の磁場測定手段と、
    前記超電導コイルに流れる電流の電流測定手段と、
    この磁場測定手段および電流測定手段によって測定された磁場測定値および電流測定値を一定に保持するように、電源から供給する電流値若しくは補償抵抗体の抵抗値のうち少なくとも一方を調節する調節手段と
    前記超伝導コイルの温度を制御して前記超伝導コイルの抵抗成分の変動を抑制する温度制御手段と、
    を具備し、
    前記超電導コイルの冷却手段が冷凍機による伝導冷却式であり、前記度制御手段が伝熱経路の一部に具備された加熱手段及び温度測定手段であることを特徴とする超電導マグネット。
  2. 永久電流スイッチが超電導スイッチ、半導体制御素子スイッチ若しくは機械式スイッチのいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネット。
  3. 低温超電導永久電流コイルをさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導マグネット。
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