JP2016119431A - 超電導磁石装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温超伝導線材を採用した超伝導磁石装置において、永久電流スイッチを高速に常伝導転移させることを課題とする。【解決手段】超電導コイル6と並列に複数の永久電流スイッチ7を接続する。各永久電流スイッチ7の臨界電流値を、一つの永久電流スイッチ7が常伝導化した場合に他のPCSに分配される電流値より低く設計する。 励磁時は、ヒータ電源4と全てのヒータ9と接続した回路で永久電流スイッチ7を常伝導化させ、超電導コイル6に誘導電圧が発生しても永久電流スイッチ7に電流が流れ込む事を防ぐ。 緊急減磁時は、ヒータ電源4と一つのヒータ9aのみを接続した回路を使用し、一つの永久電流スイッチ7aのみを常伝導化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルを備えた電磁石装置に関し、特に、超電導コイルを緊急時に減磁する方法に関する。
一般的な永久電流運転する超伝導磁石装置の回路は、例えば、超電導コイルと、超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、永久電流運転するための閉回路を形成する永久電流スイッチを備えている。超電導コイルと永久電流スイッチは、超電導性を維持するために必要な冷却能力を有するクライオスタット内に備えられている。
こうした超電導磁石装置で磁場を生成するには、まず、永久電流スイッチをオフ(開、常伝導状態)にした状態で、励磁電源から超電導コイルに所望の電流値まで電流を供給する。その後、永久電流スイッチをオン(閉、超電導状態)にして、励磁電源からの供給電流をゼロにする。それにより超電導コイルおよび永久電流スイッチからなる超電導閉回路に、電流がほとんど減衰することなく流れ続けることとなる。このとき超電導磁石装置は、外部から電流を供給する事無く長期にわたって磁場が保持される永久電流運転をする事となる(例えば、特許文献1)。
永久電流運転中に、磁石の運転上好ましくない事態が発生した場合に備えて、超電導磁石装置には、永久電流回路の電流を減衰させて、磁石が生成する磁場を速やかに消失させる緊急減磁機能が必要となる。緊急減磁を実施するには、永久電流回路の一部を常伝導化させ、抵抗を発生させる。それによりジュール熱が発生し、磁石に蓄積された磁気エネルギが消費される。
緊急減磁では電流を出来る限り速やかに消失させる事が望ましい。電流の減衰は、超電導コイルのインダクタンスをL、回路の抵抗値をR、電流をI、電流の時間微分をdI/dtとすると、以下の微分方程式に従い変化する。
上式から、回路に発生する抵抗Rが大きいほど、電流の減衰速度dI/dtは大きくなり、従って速やかな減磁が実現できる。
従来の超電導磁石、特にニオブチタン(NbTi)に代表される低温超電導線材を用いた低温超電導磁石では、緊急減磁の方法としては、例えば、超電導コイルをヒータで加熱する事で、常伝導転移させる方法が知られている。常伝導転移した部分がジュール発熱する事で、熱伝導によりその周囲も常伝導転移し、コイル内の常伝導領域が拡大する。拡大した常伝導領域において、ジュール発熱によって温度上昇しても性能が劣化しないよう、適切にヒータの加熱領域や線材の諸元などを設計する事で、コイルを安全に、かつ所望の時間内に減磁する事が出来る。
このようにして常伝導領域を拡大する方法は、低温超電導線材を用いた素子において有効である。比較的超電導転移温度が高い二ホウ化マグネシウム(MgB2)線材や酸化物超電導線材を用いた高温超電導磁石においても、回路の一部を低温超電導素子で構成し、この素子を減磁に利用する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
特開平5−190325号公報 特開2010−147370
高温超電導線材で構成された高温超電導磁石は、低温超電導線材で構成された低温超電導磁石と比較し、高い温度での運転が可能である。従来技術(特許文献2)のように、高温超電導磁石の回路の一部を低温超電導素子で構成すると、周囲の高温超電導素子の動作温度よりも低い温度を生成する事が必要となる。この場合、高温超電導素子のみで磁石を構成した場合と比較し、冷却のためにより複雑な構造や、冷却能力の大きい冷凍機が必要となる。従って、高温超電導磁石装置は、全て高温超電導素子で構成する事が望ましい。
超電導磁石の運転温度について、一般に温度が高くなるほど比熱も高くなる。例えば、低温超電導磁石の典型的な運転温度である4Kでの場合と比較し、高温超電導磁石の典型的な運転温度である20Kの場合では、線材の安定化材として使用される銅の比熱は約70倍になる。従って、高温で運転する高温超電導磁石は、低温で運転する低温超電導磁石に比べ、比熱が大きくなる。さらに、高温超電導磁石は超電導転移温度が高い事から、高温超電導磁石の一部に常伝導領域が発生しても、周囲への常伝導領域の拡大は低温超電導の場合と比較して遅い。
前記の理由により、高温超電導磁石を低温超電導磁石と同様の方法で緊急減磁しようとして、超電導コイルをヒータで加熱しても常伝導領域の広がりが遅くなってしまう。そのため、低温超電導磁石の場合と比較し、ジュール発熱して磁気エネルギを消費する領域の拡大も遅くなり、単位体積当たりのエネルギ消費量が大きくなる。そのため局所的に温度が上昇して超電導コイルの状態が劣化する可能性があり、超電導コイルをヒータで加熱するという手法で減磁を実現する事が困難であるという課題がある。
また、緊急減磁の他の方法として、超電導コイルではなく、永久電流スイッチをヒータで加熱して常伝導転移させ、回路のエネルギを消費させる方法も考えられる。永久電流スイッチは、開(オフ、常伝導状態)の時と閉(オン、超電導状態)の時の抵抗差を大きくする為に、一般に線材の安定化材として、超電導コイルより抵抗率の大きい常伝導部材が使用されている。その為、超電導コイルと比較して永久電流スイッチの方が、同じ体積を常伝導化させると、より大きな抵抗が発生する為、緊急減磁を実施する上で好ましい。ただし、永久電流スイッチを焼損させないために、超電導コイルの磁気エネルギをジュール熱として消費しても焼損しないだけの熱容量を確保する必要がある。以上の理由から、高温超電導線材で構成された永久電流スイッチに対して、超電導転移温度を超えるまで温度上昇させるには、低温超電導磁石において超電導コイルを常伝導転移させて緊急減磁を実施する場合と比較して、大きな熱容量の為に時間を要する。
前記課題を解決する為に、本発明の超電導磁石装置は、超電導コイルと、少なくとも2つの永久電流スイッチと、ヒータ電源と、ヒータ電源の通電電流を制御する制御回路とを有し、前記少なくとも2つの永久電流スイッチは、それぞれ前記超電導コイルと並列に接続され、励磁時には、ヒータ電源は、制御回路の動作によって、全ての永久電流スイッチのヒータに通電し、緊急減磁時には、制御回路の動作によって、複数の永久電流スイッチのうち一部のみのヒータに通電することを特徴とする。
本発明によれば、永久電流スイッチの熱容量を確保しつつ、速やかに常伝導転移させる事を可能とし、それによって超電導磁石装置の磁場を速やかに減衰させ、緊急減磁可能な超電導磁石装置を提供できる。
第1実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。 第2実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。 第4実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。超電導磁石装置1の回路は、クライオスタットの内部に設置される部分と、クライオスタットの外部に設置されている励磁電源3と、ヒータ電源4と、制御回路5とを有している。クライオスタットの内部には、1つ、或いは複数(図1では1つ)の超電導コイル6と、少なくとも2つ(図1では3つ)の永久電流スイッチ7(7a、7b、7c、…)とが収納されている。以下、n(≧2)を永久電流スイッチ7の個数とする。
n個の永久電流スイッチ7の全ての両端は、超電導コイル6に対して並列に接続されている。永久電流スイッチ7と、超電導コイル6と、その間を接続する回路は、全て超電導線材により構成され、クライオスタットによって超電導転移温度以下に保持されている。また超電導コイル6の両端には、励磁電源3の両端が接続され、その間の電流経路は、クライオスタットから取り外しが可能な一対の電流リード8を介して中継している。
永久電流スイッチ7(7a、7b、7c、…)には、加熱して常伝導転移させる為のヒータ9(9a、9b、9c、…)がそれぞれ備えられている。ヒータ9に通電する為の端子には、制御回路5と接続されていて、またヒータ電源4も、制御回路5と接続されている。制御回路5は、ヒータ電源4と複数のヒータ9との間の回路を制御して、ヒータ電源4の出力が全てのヒータ9に通電するか、あるいはヒータ9のうちのどれかに通電するかを切り替える機能を有する。
本実施例における永久電流スイッチ7は、熱容量に関する第1の条件および臨界電流値に関する第2の条件を満足するように設計される。第1の条件として、永久電流スイッチ7は、超電導コイル6の蓄積磁気エネルギをジュール熱として消費しても焼損しないように合計の熱容量が決定される。この条件を満足することによって、永久電流スイッチ7の焼損を抑制し、永久電流スイッチ7の長寿命化を図ることができる。また、第2の条件として、永久電流スイッチ7の臨界電流値が、永久電流スイッチ7のそれぞれに超電導コイル6の定格電流I0が等分配された場合の電流値I0/nよりも高くなるように、かつn個の永久電流スイッチ7のうち1個が開(オフ、常伝導状態)となった場合、電流が再分配され、それによって他の超電導状態の永久電流スイッチ7にI0/(n(n-1))で表わされる分の電流が増加するが、臨界電流値は、この増加後の値I0/n + I0/(n(n-1))よりも小さくなるように、超電導線材の断面積や印加磁場(経験磁場)を決める。
次に、図1を用いて、超電導磁石装置1の運転動作を説明する。まず、クライオスタット内部にある、超電導コイル6、永久電流スイッチ7とその間を接続する回路を冷却し超電導状態とする。次に、制御回路5の動作により、n個全ての永久電流スイッチ7とヒータ電源4とを接続し、通電する事でn個全ての永久電流スイッチ7を温度上昇させて開(オフ、常伝導状態)にする。その後、励磁電源3から超電導コイル6に電流を供給する。定格電流値まで電流供給した後、ヒータ電源4からの通電を止め、永久電流スイッチ7を冷却し閉(オン、超電導状態)とする。さらに、励磁電源3からの電流供給を停止した後、クライオスタット外部からの熱進入を低減するために、電流リード8をクライオスタットから切り離す。
このとき、励磁電源3から超電導コイル6への電流供給はなくなるが、超電導コイル6と、n個の閉(オン、超電導状態)にした永久電流スイッチ7とで超電導閉回路が構成され、電流減衰が非常に小さくなり、超電導磁石装置1は永久電流運転となる。永久電流運転では、超電導磁石装置1は、クライオスタット外部からの電流供給が無くても、長期にわたって磁場を形成・保持することが可能である。
次に、緊急減磁時の動作について説明する。緊急減磁の開始信号が、手動の制御機構、或いは超電導磁石装置に供えられた自動異常検知機構により発信されると、制御回路5により、ヒータ電源4と、n個の永久電流スイッチ7のうち一つの永久電流スイッチ7aに供えられたヒータ9aとが接続され、通電される。それにより、n個のヒータ9のうちヒータ9aのみが発熱し、永久電流スイッチ7aは温度上昇して開(オフ、常伝導状態)となる。この時、ヒータ電源4の出力は、励磁時にn個のヒータ9全てに通電していた時と比較し、一つのヒータ9aに集中して加熱する事から、スイッチを開(オフ、常伝導状態)とするまでの時間を短縮できる。
永久電流スイッチ7aが開(オフ、常伝導状態)となった後は、そこに流れていた電流I0/nが、他の閉(オン、超電導状態)の永久電流スイッチ7(7b、7c、…)に流れ込む。この時、前記した永久電流スイッチ7の臨界電流の値の決定方法より、各永久電流スイッチ7(7b、7c、…)に流れる電流は、その臨界電流を超える。それにより、永久電流スイッチ7(7b、7c、…)は速やかに開(オフ、常伝導状態)となる。
以上の動作により、超電導コイル6を含む閉回路は全て、常伝導状態の部分を含む事となり、その抵抗によってジュール熱が発生し、超電導コイル6が保持していた磁気エネルギが消費され、減磁が実現できる。
このように、第1実施形態に係る超電導磁石装置1では、複数の永久電流スイッチ7(7a、7b、7c、…)のうち、予め選択された永久電流スイッチ7(本実施例では永久電流スイッチ7a)に通電してオフ(開、常伝導状態)とする事で、速やかに電流が減衰し緊急減磁を実現する事が出来る。
以上説明した内容によれば、本実施例の超電導磁石装置1は、超電導コイルに対して複数個の永久電流スイッチを互いに並列となるよう接続し、かつそれぞれの永久電流スイッチに対応するヒータと備えている。また、各ヒータは制御装置を介して電源と接続されていて、電流が供給されるヒータを選択することが可能なように構成されている。そのため、本実施例の超電導磁石装置1は、制御装置によって、励磁時においては全てのヒータに電流を供給し、一方で緊急減磁時においては任意のヒータにのみ電流を集中して供給させることが可能である。
このように励磁時と緊急減磁時とにおいて電流の供給経路を切り替えることで、電源の電流供給能力を効率的に利用し、高速の緊急減磁を実現することができる。また、予め定められたヒータに集中的に電流を供給し、そのヒータに対応する永久電流スイッチを常伝導転移させることで、その永久電流スイッチに流れていた電流を他の永久電流スイッチへ転流させることができる。このとき、各永久電流スイッチは、他の永久電流スイッチから転流される電流の供給が加算されると臨界電流値を超えるような設計となっているため、ヒータによっていずれかの永久電流スイッチを常伝導転移させると、雪崩式に各永久電流スイッチが常伝導転移させることができる。
したがって、各永久電流スイッチが、ほぼ同時に常伝導転移することになるため、一つあるいはいくつかの永久電流スイッチにて集中的に磁気エネルギが消費されることを抑制して、全永久電流スイッチにて磁気エネルギを消費させることができる。換言すると、各永久電流スイッチの熱容量に依存せず、各永久電流スイッチの熱容量の総和を利用した磁気エネルギ消費を実現することができるため、熱損の可能性を低減し、信頼性の高い超電導磁石装置を提供することができる。
特に、高温超電導線材を利用して超電導コイルや永久電流スイッチを製作するような場合であっても、ヒータに対する電流供給を集中させることで比熱が高い部材であっても高速に常伝導転移させることができ、かつ他の永久電流スイッチの臨界電流を上記のように設計することによって比熱の高さの影響を受けずに、高速に緊急減磁が可能な超電導磁石装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図2は、第2実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図である。第2実施形態に係る超電導磁石装置1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1の回路構成に加え、超電導コイル6に対して、永久電流スイッチ7(7a、7b、7c、…)と並列に保護抵抗10が接続されている。第2実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
保護抵抗10を備えた事で、緊急減磁時、全ての永久電流スイッチ7が開(オフ、常伝導状態)となった後、保護抵抗10でもジュール発熱によるエネルギ消費が実現する。それにより、永久電流スイッチ7での発熱量が小さくなり、焼損を防止する為に必要となる永久電流スイッチ7の熱容量を小さくする事ができる。よって、緊急減磁開始時に、永久電流スイッチ7aを開(オフ、常伝導状態)にする為に必要な熱量も小さくなり、より短時間で緊急減磁を遂行する事ができる。
このように、第2実施形態に係る超電導磁石装置1では、超電導コイル6に対して、永久電流スイッチ7と並列に保護抵抗10を接続する事で、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、さらに緊急減磁に要する時間を短縮する事が出来る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。回路図は第1実施形態に係る図1と同じであるが、第3実施形態に係る超電導磁石装置1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と比較し、永久電流スイッチ7が3個以上並列に超電導コイル6に接続されている(n≧3)事と、永久電流スイッチ7の臨界電流の決め方と、緊急減磁時のヒータ9への通電の仕方と、が異なっている。第3実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
緊急減磁開始時に、制御回路5を動作させ、永久電流スイッチ7aに設置したヒータ9aのみでなく、2個以上n−1個以下の永久電流スイッチ7a、7b、…、に設置したヒータ9a、9b、…、に通電する。永久電流スイッチ7の臨界電流値の下限として、超電導コイル6の定格電流I0が等分配された場合の電流値I0/nよりも高くなるように、永久電流スイッチ7の超電導線材の断面積や経験磁場を決める点は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同様である。一方、永久電流スイッチ7の臨界電流値の上限として、緊急減磁開始時にヒータ9を通電して開(オフ、常伝導状態)とする2個以上n−1個以下の永久電流スイッチ7に流れていた電流が、他の閉(オン、超電導状態)の永久電流スイッチ7に流れ込む事で増大した電流値となるよう、超電導線材の諸元と経験磁場を決定する。
以上の構成によると、緊急減磁開始時にヒータ9を通電して開(オフ、常伝導状態)とする2個以上n−1個以下の永久電流スイッチ7に流れていた電流が、他の閉(オン、超電導状態)の永久電流スイッチ7に流れ込む事で、第1実施形態にかかる超電導磁石装置1と同様に、全ての永久電流スイッチ7を常伝導転移させる事ができる。これは、第1実施形態に係る超電導磁石装置1において、緊急減磁開始時に1つの永久電流スイッチ7aにしか通電しなかった場合と比較し、臨界電流の決定方法に対する制限を緩和する事ができる。
このように、第3実施形態に係る超電導磁石装置1では、緊急減磁開始時に複数(2個以上、n−1個以下)の永久電流スイッチ7に備えたヒータ9に通電する事で、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、さらに永久電流スイッチ7の臨界電流の決定方法に対する制限を緩和する事ができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。図3は、第4実施形態にかかる超電導磁石装置1の回路図である。第4実施形態に係る超電導磁石装置1は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1に対して、励磁時に通電される、永久電流スイッチ7aに設置したヒータ9aの他にヒータ9Aを有する点と、また緊急減磁開始時の動作が異なっている。第4実施形態に係る超電導磁石装置1のその他の構成は、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同じであるので説明を省略する。
第4実施形態に係る超電導磁石装置1の励磁時には、永久電流スイッチ7aに関しては、ヒータ9aを使用して開(オフ、常伝導状態)とし、励磁時に超電導コイル6に発生する誘導電圧によって、永久電流スイッチ9aに所定の電流値より多く流れ込まないよう、抵抗を発生させる。
緊急減磁時は、制御回路5を動作させ、永久電流スイッチ7aに対して、ヒータ9aより狭い範囲に接触されたヒータ9Aに通電する。これにより、第1実施形態に係る超電導磁石装置1の励磁開始時の動作よりも、永久電流スイッチ7aに対する発熱密度が高くなり、常伝導転移に要する時間が短縮される。これにより、他の永久電流スイッチ7への分流が早まる。
この動作の後、最初にヒータで通電した永久電流スイッチ7a以外の永久電流スイッチ7は、臨界電流以上の電流が流れ込む事で、開(オフ、常伝導状態)となる。これにより、超電導コイル6を含む全ての閉回路が十分な抵抗を有する事になり、減磁が実現される。
このように、第4実施形態に係る超電導磁石装置1では、永久電流スイッチ7を全てを開(オフ、常伝導状態)にするまでの時間を短縮できるので、第1実施形態に係る超電導磁石装置1と同様の効果が得られるだけでなく、さらに緊急減磁に要する時間を短縮する事が出来る。
1 超電導磁石装置
2 クライオスタット
3 励磁電源
4 ヒータ電源
5 制御回路
6 超電導コイル
7、7a、7b、7c、… 永久電流スイッチ
8 電流リード
9、9a、9A、9b、9c、… ヒータ
10 保護抵抗

Claims (3)

  1. 超電導コイルと、
    前記超電導コイルと並列に接続された複数個の永久電流スイッチと、
    前記永久電流スイッチそれぞれを加熱するヒータと、
    前記ヒータのそれぞれと接続された制御回路と、
    前記制御回路と接続される電源と、
    前記制御回路は、励磁時の為に前記ヒータ電源の出力が全ての前記ヒータを通る回路と、緊急減磁時の為に予め選択された永久電流スイッチに設置されたヒータと閉回路を構成する回路とを切り替える
    ことを特徴とする超電導磁石装置
  2. 請求項1に記載の超電導磁石装置において、
    緊急減磁時に通電される前記ヒータを有する永久電流スイッチは、励磁時の為に通電するヒータとは別に、それより前記永久電流スイッチへの接触面積の小さい、緊急減磁時の為に通電するヒータを有する
    ことを特徴とする超電導磁石装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の超電導磁石装置において、
    前記超電導コイルには、保護抵抗が前記永久電流スイッチと並列に接続されている
    ことを特徴とする超電導磁石装置。
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