JP5255425B2 - 電磁石装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導コイルを備えた電磁石装置に関し、特に、クエンチ時における超電導コイルの保護に関する。
従来の超電導コイルを備えた電磁石装置の基本的な回路は、超電導コイルと、超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、永久電流運転するための閉回路を形成する永久電流スイッチと、超電導コイルに対して並列接続された保護抵抗とからなっている。このような電磁石装置では、永久電流スイッチを開(オフ)にした状態で励磁電源から超電導コイルに電流供給し、その後、永久電流スイッチを閉(オン)にし、かつ、励磁電源からの供給電流を無くすことで、超電導コイルおよび永久電流スイッチからなる超電導状態の閉回路に電流がほとんど減衰することなく流れ続ける永久電流運転を行うことができる。永久電流運転によれば、電磁石装置は、長期に渡って電力を消費することなく磁場を保持することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
永久電流運転中に超電導コイルの一部が超電導状態から常電導転移して、抵抗が発生した場合、超電導コイルに蓄積された蓄積エネルギがジュール発熱で熱エネルギに変換され超電導コイルの温度が上昇する。この温度上昇により前記一部の周囲の超電導コイルがさらに超電導状態から常電導転移するようになり、最終的に、常電導転移がなだれ的に超電導コイル全体に広がるクエンチ現象を引き起こす。超電導コイルには大きな蓄積エネルギを保持できるところ、クエンチ現象によりこの蓄積エネルギが熱エネルギに変換されると、超電導コイルは過大な温度上昇を引き起こし性能劣化さらには焼損してしまう場合がある。
そこで、従来の電磁石装置では、常電導転移により超電導コイルに発生した抵抗に伴って超電導コイルの両端に生じる電圧を保護抵抗に印加し、保護抵抗に電流を流すことで、超電導コイルだけでなく、保護抵抗でもジュール発熱で蓄積エネルギを消費させ、超電導コイルの温度上昇を抑えている。
特開平5−190325号公報(第1項、図1)
二ホウ化マグネシウム(MgB)や酸化物超電導物質が用いられた、いわゆる高温超電導コイルは、ニオブチタン(NbTi)やニオブスズ(NbSn)が用いられた、いわゆる低温超電導コイルと比較して、臨界温度が高く、容易に設定可能な冷却温度、例えば冷却温度20Kとの温度差を大きくとれるため、超電導状態から常電導転移しにくく、クエンチ現象の発生を、低温超電導コイルより抑制することができる。
フェイルセーフの観点から、万が一、高温超電導コイルにおいて、クエンチ現象が発生した場合を考察する。クエンチ現象が発生する過程を考えると、まず、高温超電導コイルの一部において、超電導状態から常電導転移することになる。しかし、高温超電導コイルの常電導転移しにくいことが裏目になって、常電導転移している一部の周辺の高温超電導コイルでは、常電導転移しにくく、低温超電導コイルと比較して常電導領域の拡大が遅くなる。このため、高温超電導コイルの常電導転移した一部では、局所的に長時間発熱することになる。そして、高温超電導コイルの一部の常電導転移のみでは、高温超電導コイルに発生する抵抗が小さく、高温超電導コイルの両端に生じる電圧も小さいので、保護抵抗に大きな電流を流して速やかに蓄積エネルギを消費することができない。この結果、高温超電導コイルは、その一部の常電導領域で大半の蓄積エネルギを消費せざるをえず、局所的な温度上昇によって熱歪して性能劣化し、さらに温度上昇すると焼損すると考えられた。
前記より、永久電流運転中の高温超電導コイルの一部に常電導転移が発生した際には、速やかに高温超電導コイルを流れる電流を減衰させ、高温超電導コイルの一部が局所的に温度上昇するのを抑える必要がある。
そこで、本発明の課題は、永久電流運転中の高温超電導コイルの一部に常電導転移が発生した際には、速やかに高温超電導コイルを流れる電流を減衰させることができる電磁石装置を提供することにある。
前記課題を達成するために、本発明の電磁石装置は、複数の超電導コイルと、前記複数の超電導コイルそれぞれに直列に接続され、臨界温度が前記超電導コイルより低い超電導線材を用いた複数の限流器と、前記複数の超電導コイルと前記複数の限流器とで閉回路を構成する永久電流スイッチと、前記複数の超電導コイルそれぞれに並列に接続され、通電により前記複数の超電導コイルそれぞれに直列に接続する前記限流器を昇温させる複数の昇温手段とを備え、
前記複数の超電導コイルそれぞれの一部が超電導状態から常電導転移して発生した電圧にて一部が常電導転移した前記超電導コイルに並列に接続する前記昇温手段に通電することにより、一部が常電導転移した前記超電導コイルに直列に接続する前記限流器が超電導状態から常電導転移することを特徴とする。
本発明によれば、永久電流運転中の高温超電導コイルの一部に常電導転移が発生した際には、速やかに高温超電導コイルを流れる電流を減衰させることができる電磁石装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る電磁石装置1の回路図を示す。電磁石装置1は、クライオスタット2を有している。クライオスタット2の外側には、励磁電源10と、励磁電源10に直列接続された電流遮断器11とが設けられている。クライオスタット2の内側には、永久電流スイッチ4と、複数(図1では2つ)の保護抵抗7(7a、7b)と、複数(図1では2つ)の高温超電導コイル3(3a、3b)と、複数(図1では2つ)の限流器5(5a、5b)と、複数の(図1では2つ)の昇温手段6が設けられ、保冷されている。特に、高温超電導コイル3、永久電流スイッチ4、限流器5は、クライオスタット2によって、それぞれが有する超電導材の臨界温度以下に保たれ超電導状態となっている。
永久電流スイッチ4は、一端に励磁電源10が接続され、他端に電流遮断器11が接続されている。
保護抵抗7aと保護抵抗7bは直列接続され、この直列接続の一端に励磁電源10が接続され、直列接続の他端に電流遮断器11が接続されている。
限流器5aと高温超電導コイル3aは直列接続され、この直列接続の両端は保護抵抗7aの両端に接続されることで、この直列接続は保護抵抗7aに並列接続されている。同様に、限流器5bと高温超電導コイル3bは直列接続され、この直列接続の両端は保護抵抗7bの両端に接続されることで、この直列接続は保護抵抗7bに並列接続されている。
高温超電導コイル3は、複数本の超電導体の周囲や隙間を冷却安定化材で覆い充填した超電導線材を巻枠等に巻いて構成されている。超電導体には、二ホウ化マグネシウム(MgB)や酸化物超電導物質といった、いわゆる高温超電導物質が用いられている。冷却安定化材には、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い無酸素銅(純銅:Cu)が用いられている。
限流器5は、複数本の超電導体の周囲や隙間を冷却安定化材で覆い充填した超電導線材を有している。超電導体には、前記高温超電導物質より臨界温度が低い、ニオブチタン(NbTi)やニオブ3スズ(NbSn)といった、いわゆる低温超電導物質が用いられている。冷却安定化材には、無酸素銅より電気抵抗率が高い金属、例えば銅ニッケル合金が用いられている。また、限流器5は、高温超電導コイル3と磁気的に結合しないように無誘導に巻線されている。
2つの昇温手段6はそれぞれ、ヒータ9(9a、9b)と、順逆方向を違えて並列接続された一対のダイオード8(8a、8b)とを有している。ヒータ9aとダイオード8aは直列接続され、この直列接続の両端は高温超電導コイル3aの両端に接続されることで、この直列接続(昇温手段6)は高温超電導コイル3aに並列接続されている。同様に、ヒータ9bとダイオード8bは直列接続され、この直列接続の両端は高温超電導コイル3bの両端に接続されることで、この直列接続(昇温手段6)は高温超電導コイル3bに並列接続されている。ヒータ9は、限流器5、特に、後記する限流器5の超電導線材と熱的に接続(接触)し、ヒータ9で発熱した熱は、限流器5の超電導線材に伝導(伝熱)するようになっている。これにより、昇温手段6は、通電により限流器5の超電導線材を昇温させることができる。
次に、電磁石装置1の運転動作について説明する。まず、クライオスタット2内の高温超電導コイル3、永久電流スイッチ4、限流器5は、臨界温度以下に保たれて、超電導状態に維持される。次に、永久電流スイッチ4を開(オフ)にした状態で、電流遮断器11を閉(オン)にし、励磁電源10から高温超電導コイル3に電流供給する。その後、永久電流スイッチ4を閉(オン)にし、さらに、電流供給を停止した後、電流遮断器11を開(オフ)にする。これにより、励磁電源10から高温超電導コイル3への電流供給は無くなるが、2つの高温超電導コイル3と2つの限流器5と閉(オン)にした永久電流スイッチ4とが直列に接続された閉回路に、電流が超電導状態でほとんど減衰することなく流れ続け、電磁石装置1は永久電流運転となる。永久電流運転では、電磁石装置1は、励磁電源10から電力を供給しなくても長期に渡って磁場を保持することが可能である。
次に、電磁石装置1の永久電流運転中に、2つの高温超電導コイル3の内の一方の高温超電導コイル3aの一部が超電導状態から常電導転移した場合について説明する。
高温超電導コイル3aの一部で常電導転移が発生し、高温超電導コイル3aの両端電圧がダイオード8aのオン電圧を超えた場合、ダイオード8aが閉(オン)となり、昇温手段6に通電される。高温超電導コイル3aと永久電流スイッチ4とを通る閉回路を流れる電流の一部が、ヒータ9aに供給され、ヒータ9aが発熱する。このヒータ9aの熱は限流器5aへ伝導し、限流器5a、特に、低温超電導物質で形成された超電導線材を加熱する。この加熱により、超電導線材が昇温し、超電導線材の一部が超電導状態から常電導転移して、この超電導線材の一部で発熱する。そして、この常電導転移とこの発熱は、なだれ状に超電導線材の全体に伝播する。低温超電導物質の臨界温度は高温超電導物質より低く、低温超電導物質は高温超電導物質より常電導転移しやすいことから、その伝播の速度は、高温超電導コイル3aにおける伝播の速度より速くなる。また、限流器5aの冷却安定化材の電気抵抗率が、高温超電導コイル3aの冷却安定化材の電気抵抗率より高いことから、超電導体の一部で常電導転移して、その常電導転移した超電導体の一部からその周辺の冷却安定化材に電流のパスが変わっても、冷却安定化材において高いエネルギ密度で発熱させることができる。これらのことにより、限流器5aにおける常電導転移の伝播の速度は、高温超電導コイル3aにおける伝播の速度より速くなっている。
この結果、限流器5aには、大きい抵抗が速やかに発生し、限流器5aに直列に接続された高温超電導コイル3aを流れる大電流が、限流器5aにも速やかに流れるので、限流器5aではその大電流が流れることで発熱し、蓄積エネルギを速やかに消費することができる。
また、高抵抗の限流器5aに大電流が速やかに流れれば、限流器5aの両端には高電圧が速やかに発生する。この高電圧は、保護抵抗7aに速やかに印加される。これにより、保護抵抗7aには、オームの法則を満足するように電流が速やかに流れる。保護抵抗7aに電流が速やかに流れることにより、保護抵抗7aは速やかに発熱し、保護抵抗7aでも蓄積エネルギを速やかに消費することができる。
さらに、保護抵抗7aに高電圧が速やかに印加されると、保護抵抗7bにも高電圧が速やかに印加される。これは、保護抵抗7aと保護抵抗7bは直列接続され、その直列接続の両端は、閉(オン)状態の永久電流スイッチ4によって短絡されているので、電位差ゼロになる。保護抵抗7aに高電圧が印加されると、この電位差ゼロの関係を満足させるように、保護抵抗7bに、保護抵抗7aに印加されている高電圧と比べて正負が反転し大きさが等しい高電圧が印加される。これによっても、保護抵抗7bには、オームの法則を満足するように電流が速やかに流れる。保護抵抗7bに電流が速やかに流れることにより、保護抵抗7bは速やかに発熱し、保護抵抗7bでも蓄積エネルギを速やかに消費することができる。
このように、高温超電導コイル3aの一部に常電導転移が発生した際には、速やかに限流器5aが高抵抗化して発熱し、速やかに蓄積エネルギを消費するだけでなく、速やかに保護抵抗7aと保護抵抗7bに電流を流すことでも、速やかに蓄積エネルギを消費している。そして、常電導転移した高温超電導コイル3aの一部は、速やかに蓄積エネルギが消費されたことによって、そこでの発熱を抑制することができ、高温超電導コイル3aの性能劣化や焼損を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
図2に、本発明の第2の実施形態に係る電磁石装置1の回路図を示す。第2の実施形態の電磁石装置1が、第1の実施形態の電磁石装置1と異なる点は、昇温手段6が、限流器5を高温超電導コイル3に直列かつ並列に接続する回路となって、ヒータ9が省かれている点である。なお、ダイオード8に直列に接続されている抵抗13は、昇温手段6、さらには限流器5を流れる電流を制限し、昇温手段6と限流器5を保護することができる。
図3に、昇温手段6を構成する配線が施された限流器5が有する超電導線材20の断面図を示す。この断面図は、超電導線材20の幅方向ではなく長さ方向に切断した断面を示している。超電導線材20では、複数本の超電導体22の周囲を冷却安定化材21で覆い、複数本の超電導体22の互いの隙間を冷却安定化材21で充填している。配線によって、高温超電導コイル3の一端と、冷却安定化材21とが接続されている。また、配線によって、ダイオード8の一端と、冷却安定化材21とが接続されている。これらの接続により、限流器5の特に冷却安定化材21が、高温超電導コイル3に並列接続されている。冷却安定化材21上で、それぞれの前記並列接続用の配線の接続箇所は互いに離れている。そして、これらの配線で接続された冷却安定化材21が、前記ヒータ9として機能する。冷却安定化材21は、超電導体22に熱的に接続しているので、冷却安定化材21で発熱し生じた熱は、確実に超電導体22に伝導させることができる。このため、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、より速やかに限流器5を加熱することができる。
(第3の実施形態)
図4(a)に、本発明の第3の実施形態に係る電磁石装置の回路図を示す。第3の実施形態の電磁石装置1が、第2の実施形態の電磁石装置1と異なる点は、直列に接続された複数の抵抗14(14a、14b)を有し、この複数の抵抗14(14a、14b)の直列接続が、複数の高温超電導コイル群12(12a、12b)の直列接続に対して、並列に接続され、直列接続された複数の抵抗14a、14bの間の接続点16と、直列接続された複数の高温超電導コイル群12a、12bの間の接続点15の間に、昇温手段6を接続して、ブリッジ回路(バランス型回路)を構成している点である。また、複数の高温超電導コイル3は、高温超電導コイル群12a、12bによって2つに分けられている。
図4(b)に、前記ブリッジ回路(バランス型回路)の等価回路図を示す。なお、等価回路図には、限流器5a、5bに対する昇温手段6の接続が描かれているように、この限流器5a、5bへの接続は、限流器5a、5bの冷却安定化材21への接続であり、その冷却安定化材21を前記ヒータ9として機能させるものである。一方、図4(a)において、限流器5a、5bは高温超電導コイル群12a、12bに直列に接続されているが、超電導状態において限流器5a、5bは、無誘導無抵抗であるので、図4(b)においては、高温超電導コイル群12a、12bに対する限流器5a、5bの直列接続は省略している。
超電導状態において、高温超電導コイル群12aのインダクタンスLaと高温超電導コイル群12bのインダクタンスLbの比La/Lbは、抵抗14aの抵抗値Raと抵抗14bの抵抗値Rbの比Ra/Rbは等しく(La/Lb=Ra/Rb)なり、ブリッジ回路は平衡条件を満たしている。このため、超電導状態においては、接続点15と接続点16の間の電位差はゼロになり、限流器5a、5bに電流は流れない。
高温超電導コイル群12a又は高温超電導コイル群12bの一部が、超電導状態から常電導転移すると、これにより生じた抵抗成分により平衡条件が満たされなくなり、接続点15と接続点16の間に速やかに電位差が生じ、限流器5a、5bに速やかに通電される。そして、限流器5a、5bを速やかに昇温し高抵抗化することができる。これにより、第3の実施形態でも第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、永久電流スイッチ4を開にした状態で高温超電導コイル3の電流を掃引した際でも、それぞれの高温超電導コイル群12a、12bで発生する誘導電圧の大きさは等しく、平衡条件は満たされているので、接続点15と接続点16の間の電位差はゼロになり、昇温手段6、限流器5a、5bに電流が流れることを避けられる。この結果、第1の実施系形態や第2の実施形態とは異なり、昇温手段6にダイオード8(図1参照)を設ける必要が無くなる。また、保護抵抗7は、複数の高温超電導コイル群12a、12bと複数の限流器5a、5bの直列接続に対して、並列接続されている。
(第4の実施形態)
図5に、本発明の第4の実施形態に係る電磁石装置1の回路図を示す。第4の実施形態の電磁石装置1の回路構成は、第2の実施形態の電磁石装置1の回路構成と同じになっている。図5に示すように、クライオスタット2は、真空断熱のための真空容器17と、輻射熱の侵入を抑制する輻射シールド18と、冷凍機19と、熱伝達手段25とを有している。輻射シールド18は真空容器17に内包され、熱伝達手段25は輻射シールド18に内包されている。冷凍機19は、極低温に冷却可能な第1ステージと、第1ステージよりは高い温度ではあるが低温に冷却可能な第2ステージとを有している。第1ステージは、熱伝達手段25に熱的に接続され、熱伝達手段25は、前記極低温に冷却されている。第2ステージは、輻射シールド18に熱的に接続され、輻射シールド18は、前記極低温より高い温度である低温に冷却されている。熱伝達手段25は、輻射シールド18に内包された、高温超電導コイル3(3a、3b)、保護抵抗7(7a、7b)、永久電流スイッチ4、限流器5(5a、5b)、ダイオード8(8a、8b)、抵抗13(昇温手段6)と熱的に接続しており、それぞれを臨界温度以下に冷却し、高温超電導コイル3(3a、3b)、永久電流スイッチ4、限流器5(5a、5b)を超電導状態を保つことが可能である。第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、輻射シールド18に内包するような冷媒容器と冷媒を別途用意せずとも、高温超電導コイル3(3a、3b)、永久電流スイッチ4、限流器5(5a、5b)を臨界温度以下にして超電導状態を保ち、電磁石装置1を運転することが可能である。
(第5の実施形態)
図6に、本発明の第5の実施形態に係る電磁石装置1の回路図を示す。第5の実施形態の電磁石装置1の回路構成は、第2及び第4の実施形態の電磁石装置1の回路構成と同じになっている。第5の実施形態の電磁石装置1が、第4の実施形態の電磁石装置1と異なる点は、熱伝達手段25に換えて、冷媒26が入れられる冷媒容器27を有している点である。冷媒容器27は、真空容器17さらに輻射シールド18に内包されている。冷媒容器27は、冷凍機19の第1ステージに熱的に接続し、冷媒容器27と冷媒26は前記極低温に冷却されている。冷媒容器27は、永久電流スイッチ4、限流器5(5a、5b)、ダイオード8(8a、8b)、抵抗13(昇温手段6)を冷媒26と伴に内包しており、それぞれを臨界温度以下に冷却し、永久電流スイッチ4、限流器5(5a、5b)を超電導状態に保つことが可能である。なお、冷媒26としては、液体ヘリウム(He)を用いることができる。
高温超電導コイル3(3a、3b)と保護抵抗7(7a、7b)は、真空容器17と輻射シールド18に内包され、冷媒容器27の外側に配置されている。伝熱手段28は、真空容器17と輻射シールド18に内包され、冷媒容器27と高温超電導コイル3(3a、3b)とを熱的に接続している。これにより、高温超電導コイル3(3a、3b)は、臨界温度以下に冷却され、超電導状態に保たれている。第5の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、輻射シールド18を除くクライオスタット2の内包物の全てを冷媒26にて冷却する場合と比較して、冷媒容器27を小型にすることが可能であり、少ない冷媒26にて電磁石装置1を運転することが可能である。
(第6の実施形態)
図7に、本発明の第6の実施形態に係る電磁石装置の回路図を示す。第6の実施形態の電磁石装置1の回路構成は、第2、第4及び第5の実施形態の電磁石装置1の回路構成と同じになっている。第6の実施形態の電磁石装置1が、第5の実施形態の電磁石装置1と異なる点は、永久電流スイッチ4が、冷媒容器27の外側に配置され、伝熱手段28によって冷媒容器27に熱的に接続されている点が異なっている。
高温超電導コイル3及び永久電流スイッチ4は、熱伝達手段28により冷媒容器27と接続されており、その熱伝導より冷却され臨界温度以下となり超電導状態を保っている。これによっても、永久電流スイッチ4は、臨界温度以下に冷却され、超電導状態に保つことができる。第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、冷媒容器27をさらに小型にすることが可能であり、少ない冷媒26にて電磁石装置1を運転することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る電磁石装置の回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る電磁石装置の回路図である。 昇温手段を構成する配線が施された限流器が有する線材の断面図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係る電磁石装置の回路図であり、(b)は、超電導コイルと昇温手段からなるブリッジ回路の等価回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る電磁石装置の回路図である。 本発明の第5の実施形態に係る電磁石装置の回路図である。 本発明の第6の実施形態に係る電磁石装置の回路図である。
符号の説明
1 電磁石装置
2 クライオスタット
3、3a、3b 超電導コイル
4 永久電流スイッチ
5、5a、5b 限流器
6 昇温手段
7、7a、7b 保護抵抗
8、8a、8b ダイオード
9、9a、9b ヒータ
10 励磁電源
11 電流遮断器
12、12a、12b 超電導コイル群
13、14、14a、14b 抵抗
15 超電導コイル群の接続点
16 抵抗の接続点
17 真空容器
18 輻射シールド
19 冷凍機
20 限流器の超電導線材
21 冷却安定化材
22 超電導体
26 冷媒
27 冷媒容器
28 伝熱手段

Claims (9)

  1. 複数の超電導コイルと、
    前記複数の超電導コイルそれぞれに直列に接続され、臨界温度が前記超電導コイルより低い超電導線材を用いた複数の限流器と、
    前記複数の超電導コイルと前記複数の限流器とで閉回路を構成する永久電流スイッチと、
    前記複数の超電導コイルそれぞれに並列に接続され、通電により前記複数の超電導コイルそれぞれに直列に接続する前記限流器を昇温させる複数の昇温手段とを備え、
    前記複数の超電導コイルそれぞれの一部が超電導状態から常電導転移して発生した電圧にて一部が常電導転移した前記超電導コイルに並列に接続する前記昇温手段に通電することにより、一部が常電導転移した前記超電導コイルに直列に接続する前記限流器が超電導状態から常電導転移することを特徴とする電磁石装置。
  2. 前記限流器では、純銅と比較して抵抗率が高い冷却安定化材を、前記超電導線材の超電導体の周囲に配置していることを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
  3. 前記昇温手段は、前記限流器の前記超電導線材と熱的に接触するヒータを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁石装置。
  4. 前記昇温手段は、前記超電導線の周囲に配置される冷却安定化材を、前記超電導コイルに並列に接続する回路を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  5. 前記昇温手段は、ダイオードを有することを特徴とする請求項1及至請求項4のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  6. 直列に接続された複数の抵抗を有し、
    前記超電導コイルと前記限流器との複数直列接続のそれぞれは、前記抵抗に並列に接続され、
    複数の前記抵抗の接続点と複数の前記直列接続の接続点との間に、前記昇温手段を接続して、ブリッジ回路を構成し、
    複数の前記超電導コイルが超電導状態であるときは、前記ブリッジ回路は平衡条件を満たして、前記昇温手段には通電しないことを特徴とする請求項1及至請求項4のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  7. 真空容器に内包された伝熱手段と、
    前記伝熱手段に熱的に接続し前記伝熱手段を冷却する冷凍機とを備え、
    前記伝熱手段は、前記超電導コイル、前記限流器、前記昇温手段とに、熱的に接続することを特徴とする請求項1及至請求項6のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  8. 真空容器に内包された冷媒容器と、
    前記冷媒容器に熱的に接続し前記冷媒容器と冷媒を冷却する冷凍機とを備え、
    前記冷媒容器は前記限流器と前記昇温手段と前記冷媒を内包することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  9. 前記真空容器に内包され、前記冷媒容器に熱的に接続する伝熱手段を備え、
    前記伝熱手段は前記超電導コイルに熱的に接続することを特徴とする請求項8に記載の電磁石装置。
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