JP2013251516A - 超電導磁石装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護抵抗5の設置スペースを縮小しても、保護抵抗5を焼損させることなく蓄積磁気エネルギを消費できる超電導磁石装置1を提供する。
【解決手段】保護抵抗を兼ね超電導コイル3を巻く巻枠5と、超電導コイル3に永久電流を流すための永久電流スイッチ6と、超電導コイル3と永久電流スイッチ6とが直列に接続された第1閉回路C1と、超電導コイル3と巻枠5とが直列に接続された第2閉回路C2とを有する。さらに、超電導コイル3での常電導状態の発生時に超電導状態から常電導転移し溶断するヒューズ4を有し、第1閉回路C1では、超電導コイル3と永久電流スイッチ6とヒューズ4とが直列に接続される。第2閉回路C2では、超電導コイル3と巻枠5と永久電流スイッチ6とが直列に接続される。巻枠5は、筒と筒の両端に設けられる一対のフランジを有し、第2閉回路C2の配線は、巻枠5の中心軸を挟むフランジ上の2箇所にそれぞれ接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルを備えた超電導磁石装置に関し、特に、クエンチ時における超電導コイルの保護に関する。
超電導磁石装置は、例えば、超電導コイルと、超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、永久電流を流すための閉回路を形成する永久電流スイッチを備えている。永久電流が流れる超電導コイルの一部が常電導転移して抵抗が発生した場合、蓄積磁気エネルギがジュール発熱により熱エネルギに変換され、常電導転移した超電導コイルのその一部の温度が上昇する。そして、超電導コイルの常電導転移した一部の周囲も、熱伝導により温度上昇して超電導状態から常電導転移し、最終的に、常電導転移がなだれ的に超電導コイル全体に広がる場合、いわゆる、クエンチが発生する場合がある。超電導コイルに永久電流が流れ超電導コイルが大きな蓄積磁気エネルギを保持している場合、クエンチによりこの大きな蓄積磁気エネルギが熱エネルギに変換されると、超電導コイルは過大に温度上昇し、焼損してしまう場合がある。
超電導コイルが、たとえば、二ホウ化マグネシウム(MgB2)、鉄系超電導体、酸化物超電導体といった18Kを超える臨界温度を持つ高温超電導体で構成される高温超電導コイルである場合を考える。ニオブチタン(NbTi)、ニオブスズ(NbSn)といった18K以下の臨界温度を持つ低温超電導体と比較して、高温超電導体は10倍以上の比熱を持つ領域に臨界温度があるため、クエンチ時に熱伝導によって常電導領域が伝搬するのが遅くなる。このため、高温超電導コイルにおけるクエンチでは、低温超電導コイルと比較して、局所的に蓄積磁気エネルギを消費することでより激しい温度上昇が引き起こされる。
そこで、超電導コイルを保護するために、クエンチ時に電流を流して蓄積磁気エネルギを消費する保護抵抗を備え、超電導コイルにおける蓄積磁気エネルギの消費を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。保護抵抗におけるエネルギ消費量はそこに流れる電流値の二乗に比例する為、保護抵抗に印加する電流値が大きいほど、超電導コイルにおけるクエンチ時の温度上昇の抑制効果が高くなる。保護抵抗に大きな電流を流すには、超電導コイルと、その両端に対して永久電流スイッチと保護抵抗とを各々並列に接続し、クエンチ時に、永久電流スイッチと超電導コイルで構成される閉回路の一部で、かつ、保護抵抗と超電導コイルで構成される閉回路ではない個所を溶断することが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。こうすることで、永久電流スイッチに流れていた電流を迂回させ保護抵抗に流すことができる。また、超電導磁石装置を永久電流運転する際には、クライオスタット内部への熱侵入の抑制の為に、電流リードをクライオスタット内の超電導回路から切り離す為、保護抵抗をクライオスタット外部に設置することが出来ない。従ってこの場合、保護抵抗はクライオスタット内部に設置するが、その為の広い設置スペースをクライオスタット内に設ける必要がある。スペースをあまりとらずに保護抵抗を設置するために、保護抵抗の役割を果たす常電導線材を超電導コイルの外周に巻きつけることが提案されている(例えば、特許文献3等参照)。
特開平5−190325号公報 特開平3−278504号公報 特開昭61−20303号公報
保護抵抗で蓄積磁気エネルギを消費するために、保護抵抗に大電流を流すには、保護抵抗に大電流を流しても焼損しないように十分な大きさの熱容量を持たせる必要がある。それには、保護抵抗の設置スペースを広く取る必要がある。特許文献3等によれば、保護抵抗を支持するための支持部を超電導コイルで兼ねることができ、保護抵抗を支持するための支持部の設置スペースを省けるので、その分、保護抵抗の設置スペースを広く取ることができる。ただ、保護抵抗の設置スペースは必要であり、その設置スペースは依然広く確保する必要がある。しかし、その保護抵抗に蓄積磁気エネルギを焼損することなく消費するという機能を持たせつつ、保護抵抗の設置スペースを縮小できれば有用であると考えられる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、保護抵抗の設置スペースを縮小しても、保護抵抗を焼損させることなく蓄積磁気エネルギを消費できる超電導磁石装置を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明に係る超電導磁石装置は、
保護抵抗を兼ね、超電導コイルを巻く巻枠と、
前記超電導コイルに永久電流を流すための永久電流スイッチと、
前記超電導コイルと前記永久電流スイッチとが直列に接続された第1閉回路と、
前記超電導コイルと前記巻枠とが直列に接続された第2閉回路とを有する。
本発明によれば、保護抵抗が超電導コイルの巻枠を兼ねるため、超電導コイルの巻枠の為のスペースを設ければ、そのスペースとは別に保護抵抗の為のスペースを設ける必要がない。実質的に、巻枠とは別途設けられていた保護抵抗の設置スペースを縮小できたことになる。すなわち、保護抵抗の設置スペースを縮小しても、保護抵抗を焼損させることなく蓄積磁気エネルギを消費できる超電導磁石装置を提供できる。なお、前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。 ヒューズとその周囲の部材の縦断面図である。 ヒューズとその周囲の部材の横断面図である。 超電導コイルの巻枠の正面図である。 超電導コイル及びその巻枠の縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る超電導磁石装置の回路図である。 本発明の第5の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイルの巻枠の正面図である。 本発明の第5の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル及びその巻枠の縦断面図である。 締結部とその周囲の部材の縦断面図である。 図7AのB−B方向の矢視断面図であり、締結部とその周囲の部材の横断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイルの巻枠の正面図である。 本発明の第6の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル及びその巻枠の縦断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイルの巻枠の正面図である。 本発明の第7の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル及びその巻枠の縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
<超電導磁石装置1の構成>
図1に、本発明の第1の実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図を示す。超電導磁石装置1は、超電導コイル3と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6と、保護抵抗を兼ね超電導コイル3を巻く巻枠5と、電流遮断機11と、励磁電源10とを有している。
超電導コイル3は、単数又は複数(図1の例では2つ)設けられている。超電導コイル3には、二ホウ化マグネシウム(MgB)や、鉄系超電導体や、酸化物超電導体といった18Kを超える臨界温度を持つ高温超電導体が用いられている。複数(図1の例では2つ)の超電導コイル3(3a、3b)は、直列に接続されている。超電導コイル3(3a、3b)は、超電導線材を巻枠5に巻いて構成されている。超電導線材では、1本又は複数本の超電導フィラメントの周囲を冷却安定化材で覆い、その複数本の互いの隙間は冷却安定化材で充填され、複数本の超電導フィラメントが冷却安定化材で束ねられている。超電導フィラメントには、例えば、二ホウ化マグネシウム(MgB)や、鉄系超電導体や、酸化物超電導体を用いることができる。冷却安定化材には、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い材料が好ましく、例えば、銀(Ag)や無酸素銅(純銅:Cu)、鉄(Fe)等を用いることができる。超電導コイル3と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6等を互いに接続する配線にもこの超電導線材を用いることができる。
永久電流スイッチ6にも、超電導コイル3と同様に18Kを超える臨界温度を持つ高温超電導体が用いられている。永久電流スイッチ6は、超電導線材とヒータとを有している。超電導線材では、超電導コイル3と同様に、1本又は複数本の超電導フィラメントの周囲を冷却安定化材で覆い、複数本の超電導フィラメント同士の隙間を冷却安定化材で充填して複数本の超電導フィラメントを冷却安定化材で束ねている。永久電流スイッチ6のヒータと超電導線材は熱的に接続している。ヒータが発熱すると、ヒータは超電導線材を加熱して、超電導線材を超電導状態から常電導状態に転移させることができる。超電導線材が常電導状態に転移することにより、永久電流スイッチ6は開(オフ)状態になる。一方、ヒータの発熱を停止すれば、後記する伝熱手段2dにより冷却され、超電導線材を超電導状態とすることができ、永久電流スイッチ6は閉(オン)状態になる。なお、冷却安定化材には、超電導コイル3(3a、3b)の冷却安定化材(例えば、銀や無酸素銅等)より、電気抵抗率が高い金属(例えば、銅ニッケル合金や金-銀合金等)を用いる。また、クエンチ時の磁場変動に起因する発熱によって、永久電流スイッチ6が常電導転移する可能性があり、その時に永久電流スイッチ6が焼損を防止する為に、消費されるエネルギが十分小さくなるように保護抵抗の抵抗値や回路構成を設計する。そして、永久電流スイッチ6と、ヒューズ4と、超電導コイル3aと3bは、直列に接続され、これらにより第1閉回路C1が構成されている。永久電流スイッチ6をオンにすることで、第1閉回路C1に、特に、超電導コイル3に、永久電流Ipを流すことができる。
ヒューズ4にも、超電導コイル3と同様に18Kを超える臨界温度を持つ高温超電導体が用いられている。ヒューズ4は、超電導線材を有している。超電導線材では、超電導コイル3と同様に、1本又は複数本の超電導フィラメントの周囲を冷却安定化材で覆い、複数本の超電導フィラメント同士の隙間を冷却安定化材で充填して複数本の超電導フィラメントを冷却安定化材で束ねている。そして、ヒューズ4と、超電導コイル3aと3bは、直列に接続されている。ヒューズ4の両端には、接続端子(箇所)14c、14dが設けられている。
巻枠(保護抵抗)5には、非磁性体が用いられ、かつ、常電導体(電導体)が用いられ、かつ、巻枠5として十分な強度を有する部材が用いられている。そして、具体的に、巻枠(保護抵抗)5には、アルミニウムや、銅や、ステンレス鋼等の部材が用いられている。巻枠(保護抵抗)5と、永久電流スイッチ6と、超電導コイル3aと3bは、直列に接続され、これらにより第2閉回路C2が構成されている。巻枠(保護抵抗)5の離れた2箇所には、接続端子(箇所)14a、14bが設けられている。接続端子14aは、超電導線材15aを介して、ヒューズ4の接続端子14dに接続している。接続端子14bは、超電導線材15bを介して、ヒューズ4の接続端子14cに接続している。なお、超電導線材15a、15bは、常電導の配線であってもよい。巻枠(保護抵抗)5と、接続端子14aと、超電導線材15aと、接続端子14dと、ヒューズ4と、接続端子14cと、超電導線材15bと、接続端子14bとは、第1閉回路C1と第2閉回路C2とは別の閉回路も構成している。
励磁電源10は、超電導コイル3に直流電流を流すための直流電流源である。電流遮断機11は、励磁電源10から超電導コイル3へ流れる直流電流を、流したり、遮断したりする。電流遮断機11は、励磁電源10に直列に接続されている。また、電流遮断機11と、励磁電源10と、永久電流スイッチ6とは、直列に接続され、これらにより第3閉回路C3が構成されている。また、電流遮断機11と、励磁電源10と、超電導コイル3と、ヒューズ4とは、直列に接続され、これらにより閉回路が構成されることで、超電導コイル3に蓄積磁気エネルギを蓄えることが可能になっている。なお、電流遮断機11と、励磁電源10とは、クライオスタット2の外側に配置され、超電導磁石装置1の本体から着脱可能になっている。
また、超電導磁石装置1は、クエンチ検出手段7と、ヒータ9と、電流源(直流電源)8とを有している。クエンチ検出手段7は、超電導状態にある超電導コイル3(3a、3b)の一部で発生する常電導状態を検出する。クエンチ検出手段7は、高温超電導コイル3(3a、3b)で発生した常電導状態を、例えば、高温超電導コイル3(3a、3b)の両端の電位差の変化として、検出することができる。クエンチ検出手段7は、超電導コイル3(3a、3b)の一部で発生する常電導状態を検出すると、クエンチ検出信号Sqを出力し、電流源8へ送信する。電流源8は、直流電流源であり、クエンチ検出信号Sqを受信すると、ヒータ9に直流電流を流す(通電する)。
ヒータ9は、ヒューズ4に熱的に接続している。そして、好ましくは、ヒータ9は、ヒューズ4に接している。ヒータ9に直流電流が流れると、ヒータ9は発熱し、ヒューズ4を加熱する。ヒューズ4は昇温し、超電導状態から常電導転移する。常電導転移したヒューズ4に、第1閉回路C1を流れる永久電流Ipが流れ込むと、ヒューズ4は、ジュール熱を発して発熱し、溶断する。これにより、第1閉回路C1が開くので、永久電流Ipは、流れ続けるために、第2閉回路C2を流れ、巻枠(保護抵抗)5に流れ込む。巻枠(保護抵抗)5は、ジュール熱を発して発熱し、永久電流Ipを減衰させる。なお、永久電流Ipが、まだ、第1閉回路C1を流れているとき、ヒューズ4だけでなく、永久電流スイッチ6も常電導転移する場合がある。このような場合でも、ヒューズ4が溶断する程度に発熱するように、ヒューズ4を、その温度が永久電流スイッチ6の温度より上昇し易い状況におくことが望ましい。
また、超電導磁石装置1は、クライオスタット2を有している。クライオスタット2は、超電導コイル3等から熱を奪い冷却する冷凍機2cと、超電導コイル3等から冷凍機2cへ熱を伝導する伝熱手段2dと、伝熱手段2d等を収め真空断熱するための真空容器2aと、伝熱手段2d等を収め輻射熱の侵入を抑制するための輻射シールド2bとを有している。輻射シールド2bは真空容器2aに内包され、伝熱手段2dは輻射シールド2bに内包されている。冷凍機2cは、2つの異なる温度に冷却可能な第1ステージと第2ステージを有している。第2ステージは、第1ステージよりは低い温度に冷却可能で、高温超電導体の臨界温度以下に冷却可能である。第2ステージは、伝熱手段2dに熱的に接続され、伝熱手段2dは、高温超電導体の臨界温度以下に冷却されている。第1ステージは、輻射シールド2bに熱的に接続されている。第1ステージで輻射シールド2bを冷却することで、輻射シールド2bが吸収した輻射熱を第1ステージから排熱することができる。
伝熱手段2dは、超電導コイル3(3a、3b)と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6と、これらを接続する超電導線材に熱的に接続しており、伝熱(排熱)によりそれぞれを臨界温度以下に冷却している。このため、超電導コイル3(3a、3b)と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6と、これらを接続する超電導線材とを、超電導状態に保つことが可能である。
図2Aに、ヒューズ4とその周囲の部材の縦断面図を示し、図2Bに、その横断面図を示す。なお、図2Bに示したヒューズ4とその周囲の部材は、図2Aに示したヒューズ4とその周囲の部材をより拡大して示している。ヒューズ4には、ヒータ9が接し、熱的に接続している。これにより、ヒータ9によりヒューズ4を加熱し、ヒューズ4を、超電導状態から常電導状態に転移させることができる。加熱を容易にするために、ヒータ9で発生した熱が周囲に拡散しないよう、ヒューズ4とヒータ9の周囲は断熱手段12で覆われている。断熱手段12としては、例えば、樹脂等の断熱材や真空構造を有する断熱材を利用ことができる。ヒューズ4の接続箇所(端子)14c、14dは、超電導コイル3と永久電流スイッチ6に接続している。超電導コイル3と永久電流スイッチ6は、伝熱手段2dに接して冷却されており、ヒューズ4は、それらに接続する接続箇所(端子)14c、14dを介して冷却される。
なお、ヒューズ4が溶断した場合は、新しいヒューズ4に取り替えられる。この取り替えは、ヒューズ4の接続箇所(端子)14cと14dの接続を外し、ヒューズ4をヒータ9と断熱手段12ごと伝熱手段2dから外すことで、容易に行うことができる。なお、ヒューズ4は、溶断した際に、溶断していないものと容易に取り換えることが可能な位置、例えば、伝熱手段2dの端部に設置されている。
ヒューズ4は、いわゆる超電導線材であり、ヒューズ4(超電導線材)では、図2Bに示すように、複数本の超電導フィラメント4aの周囲を冷却安定化材4bで覆っている。なお、超電導フィラメント4aは、複数本に限らず、単線でもよい。複数本の超電導フィラメント4aは冷却安定化材4bで束ねられている。
図3Aに、超電導コイル3(3a)の巻枠(保護抵抗)5の正面図を示し、図3Bに、超電導コイル3(3a)及びその巻枠(保護抵抗)5の中心軸5cに沿った平面で切断した縦断面図を示す。なお、図3Aと図3Bでは、超電導コイル3aを例に記載しているが、超電導コイル3bであってもよく、また、超電導コイル3aと3bの両方の巻枠(保護抵抗)5が、保護抵抗を兼ねていてもよい。巻枠(保護抵抗)5は、筒5aと、筒5aを挟む一対のフランジ5bとを有している。一対のフランジ5bは、筒5aの両方の開口端(両端)に設けられている。フランジ5bの内径は、筒5aの内径に略等しくなっている。フランジ5bの外径は、筒5aの外径より大きくなっている。そして、筒5aの外周で、一対のフランジ5bの間に、超電導コイル3(3a)が巻かれている。巻枠(保護抵抗)5に巻きつける超電導コイル3(3a)の超電導線材には、表面に絶縁層を有するもの、或いは絶縁シートで覆われているものを使用し、巻枠(保護抵抗)5と超電導コイル3(3a)の超電導線材が直接電気的に接触しないようにしている。
一対のフランジ5bの内の一方のフランジ5b上の互いに離れた2箇所に、接続端子14aと14bが設けられている。接続端子14aと14bは、フランジ5bの外周部に設けられている。接続端子14aと14bは、接続端子14aと14bとで巻枠(保護抵抗)5(フランジ5b)の中心軸5cを挟む位置に、設けられている。接続端子14aと14bは、接続端子14aと14bとを結ぶ線分(直線)が巻枠(保護抵抗)5(フランジ5b)の中心軸5cと交わる位置に、設けられている。接続端子14aには、永久電流スイッチ6へ接続し、第2閉回路C2(図1参照)を構成する超電導線材15aが接続されている。接続端子14bには、超電導コイル3(3a)へ接続し、第2閉回路C2(図1参照)を構成する超電導線材15bが接続されている。これにより、超電導線材15aと15bが接続する巻枠(保護抵抗)5も、第2閉回路C2(図1参照)の一部を構成していると考えられる。超電導コイル3のクエンチ時には、永久電流Ipが、巻枠(保護抵抗)5に、接続端子14aから流れ込み、二股に分かれた電流経路17を流れ、接続端子14bから流れ出る。巻枠(保護抵抗)5を永久電流Ipが流れることで、巻枠(保護抵抗)5はジュール発熱し、超電導コイル3の蓄積エネルギを消費する。このように、巻枠(保護抵抗)5は、保護抵抗として機能する。巻枠(保護抵抗)5は、永久電流Ipが流れ強力な電磁力が作用する超電導コイル3(3a)を支持するために、十分な強度を有するように形成されている。そして、これに見合う十分な設置スペースが確保されている。一方、保護抵抗で蓄積磁気エネルギを消費するために、保護抵抗に大電流を流すには、保護抵抗に大電流を流しても焼損しないように十分な大きさの熱容量を持たせる必要がある。そのため、保護抵抗の設置スペースを広く取る必要がある。巻枠(保護抵抗)5は、保護抵抗を兼ねているので、保護抵抗としての巻枠(保護抵抗)5も、十分な設置スペースを確保していることになる。そして、クエンチ時に巻枠(保護抵抗)5が焼損しない為に必要な、十分大きな熱容量を確保できる。また、超電導コイル3の巻枠5の為のスペースを設ければ、そのスペースとは別に保護抵抗の為のスペースを設ける必要がないので、クライオスタット2(図1参照)内部の構成の簡素化が可能である。
<超電導磁石装置1の動作>
次に、超電導磁石装置1の運転動作について説明する。図1に示すように、まず、伝熱手段2dによる伝熱冷却によって、超電導コイル3(3a、3b)と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6とは、それらに用いられている高温超電導体の臨界温度以下に冷却され、超電導状態に保たれている。
次に、永久電流スイッチ6を開(オフ、常電導状態)にした状態で、電流遮断機11を閉(オン)にし、励磁電源10から超電導コイル3(3a、3b)に電流供給する。次に、永久電流スイッチ6を閉(オン、超電導状態)にし、さらに、励磁電源10からの電流供給を停止した後、電流遮断機11を開(オフ)にする。この時、励磁電源10から超電導コイル3への電流供給はなくなるが、超電導コイル3(3a、3b)と、ヒューズ4と、閉(オン)にした永久電流スイッチ6とが直列に接続された第1閉回路C1では、電流減衰が非常に小さくなり、永久電流Ipが流れ、超電導磁石装置1は永久電流運転となる。永久電流運転では、超電導磁石装置1は、励磁電源10から電力供給しなくても長期に渡って磁場を形成・保持することが可能である。なお、巻枠(保護抵抗)5は有限の電気抵抗を有している為、永久電流運転時には巻枠(保護抵抗)5(第2閉回路C2)に電流は殆ど流れない。
次に、超電導磁石装置1の永久電流運転中に、2つの超電導コイル3(3a、3b)の内の一方の超電導コイル3aの一部が常電導転移し、その周囲に常電導領域が拡大していく場合(クエンチ現象が発生した場合)について説明する。まず、超電導コイル3aの一部で常電導転移が発生すると、クエンチ検出手段7は、例えば超電導コイル3aの両端の電位差が所定値を超えたこともって、超電導コイル3aの一部の常電導転移を検知し、直流電源8にクエンチ検出信号Sqを送信する。クエンチ検出信号Sqを受信した直流電源8は、ヒューズ4に接するヒータ13に直流電流を流す。ヒューズ4はヒータ13による加熱で、超電導状態から常電導状態に転移することにより、自らジュール熱を発生し溶断する。ヒューズ4の冷却安定化材4b(図2B参照)には、超電導コイル3(3a、3b)に使用されている超電導線材の冷却安定化材よりも、電気抵抗率の高く、かつ、熱伝導率が低い材料が使用されており、かつ、ヒューズ4は断熱手段12(図2Aと図2B参照)で覆われていることから、超電導コイル3(3a、3b)よりもヒューズ4の常電導転移部分における発熱量の方が大きく、かつ、熱の拡散が遅く、昇温速度が速い。従って、超電導コイル3(3a、3b)が焼損するよりも早くヒューズ4を溶断させることが可能となる。
ヒューズ4が溶断すると、この部分の抵抗値は非常に大きくなり、永久電流Ipはより低い抵抗値を有する巻枠(保護抵抗)5に迂回する。巻枠(保護抵抗)5に大きな永久電流Ipが流れることで蓄積磁気エネルギが消費され、超電導コイル3(3a、3b)における発熱を抑制(即ち、超電導コイル3(3a、3b)の最高温度を低下)することができる。これにより、超電導コイル3(3a、3b)の焼損を防ぐことが出来る。また、ヒューズ4は、取り換え容易な位置に設置されている為、永久電流Ipが減衰した後に取り換えることができ、超電導磁石装置1は再び励磁する事が可能となる。
<作用・効果>
このように、第1の実施形態によれば、超電導コイル3の巻枠(保護抵抗)5が保護抵抗を兼ねることで、超電導コイル3の巻枠5の為のスペースを設ければ、そのスペースとは別に保護抵抗(5)の為のスペースを設ける必要がない。実質的に、巻枠5とは別途設けられていた保護抵抗(5)の設置スペースを縮小できたことになる。すなわち、保護抵抗(5)の設置スペースを縮小しても、保護抵抗(5)を焼損させることなく蓄積磁気エネルギを消費できる超電導磁石装置1を提供できる。
(第2の実施形態)
図4に、本発明の第2の実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図を示す。第2の実施形態の超電導磁石装置1が、第1の実施形態の超電導磁石装置1と異なっている点は、第2閉回路C2が、巻枠(保護抵抗)5と超電導コイル3aと3bの直列接続で構成され、永久電流スイッチ6が、第2閉回路C2から省かれている点である。第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態では、ヒューズ4が溶断すると永久電流スイッチ6に、永久電流Ipが流れない。従って、クエンチ時の磁場変動に起因する発熱によって永久電流スイッチ6が常電導転移したとしても、永久電流スイッチ6における蓄積磁気エネルギの消費をヒューズ4の溶断によって抑制できる。この保護機能により、第1の実施形態において必要とした焼損を防ぐための永久電流スイッチ6の熱容量を、第1の実施形態より小さくすることができ、永久電流スイッチ6の設置スペースを縮小できる。
(第3の実施形態)
図5に、本発明の第3の実施形態に係る超電導磁石装置1の回路図を示す。第3の実施形態の超電導磁石装置1が、第2の実施形態の超電導磁石装置1と異なっている点は、第3閉回路C3が、永久電流スイッチ6とヒューズ4と励磁電源10と電流遮断機11との直列接続で構成され、ヒューズ4が、第3閉回路C3に加えられている点である。超電導コイル3aと3bの直列接続と、巻枠(保護抵抗)5と、永久電流スイッチ6とヒューズ4の直列接続と、励磁電源10と電流遮断機11の直列接続とが、並列に接続されている。第3の実施形態によっても、第1と第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4実施形態に係る超電導磁石装置1について説明する。第4の実施形態に係る超電導磁石装置1が、第1〜3の実施形態の超電導磁石装置1と異なっている点は、超電導コイル3と、ヒューズ4と、永久電流スイッチ6に用いられる超電導線材の超電導フィラメントと、これらの要素を相互に接続する超電導線材の超電導フィラメントに、18K以下で超電導性を示す低温超電導体が使用されている点である。これに伴い、クライオスタット2は、その低温超電導体の超電導性を保つ事が可能な冷却能力を有する。18K以下の臨界温度を持つ低温超電導体としては、ニオブチタン(NbTi)、ニオブスズ(NbSn)等を用いることができる。このような低温超電導体は、18Kを超える臨界温度を持つ高温超電導体と比較して、10分の1以下の比熱を持つ領域に臨界温度があるため、クエンチ時に熱伝導によって常電導領域が伝搬するのが速くなる。このため、超電導コイル3でも焼損することなく蓄積磁気エネルギを消費できるので、保護抵抗(5)で消費すべき蓄積磁気エネルギを少なくすることができる。このため、低温超電導コイルの為の保護抵抗の設置には、高温超電導体の場合ほどの広い設置スペースは必要ではない。しかし、第4の実施形態でも、超電導コイル3の巻枠(保護抵抗)5が保護抵抗を兼ねているので、超電導コイル3の巻枠5の為のスペースを設ければ、そのスペースとは別に保護抵抗(5)の為のスペースを設ける必要がない。第1の実施形態に比べ保護抵抗(5)の設置スペースは小さくて済むが、それでもその設置スペースを縮小できたことになる。また、保護抵抗(5)の設置スペースを縮小しても、保護抵抗(5)を焼損させることなく蓄積磁気エネルギを消費できる。
(第5の実施形態)
図6Aに、本発明の第5の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル3の巻枠(保護抵抗)5の正面図を示し、図6Bに、その超電導コイル3及びその巻枠(保護抵抗)5の縦断面図を示す。第5の実施形態に係る超電導磁石装置1が、第1〜4の実施形態の超電導磁石装置1と異なっている点は、巻枠(保護抵抗)5の筒5aとフランジ5bとが電気的に絶縁され、フランジ5bに溝5fが形成されている点である。フランジ5bには、複数の溝5fが設けられている。図6Aの例では、フランジ5bの内周面に達している溝5fが8本と、フランジ5bの外周面に達している溝5fが8本あり、計16本の溝5fがフランジ5bに形成されている。溝5fは、フランジ5bの表面から裏面まで貫通する切れ込みになっている。溝5fには、絶縁体が埋め込まれているが、何も埋め込まなくてもよい。溝5fは、巻枠(保護抵抗)5(フランジ5b)の中心から外側に向かう方向(径方向)に沿って設けられている。その溝5fの一端は、フランジ5bの内周面又は外周面のどちらか一方に達している。隣り合う溝5fの一方はフランジ5bの内周面に達し、隣り合う溝5fのもう一方はフランジ5bの外周面に達している。この複数の溝5fによれば、接続端子14aから接続端子14bに向かう電流経路17が蛇行するように制限されるので、第1の実施形態と比較し、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値を大きくできる。フランジ5bと筒5aとは、締結部70aにおいて、ボルト60とナット61によって締結されている。
図6Bに示すように、フランジ5bと筒5aとは、絶縁部(絶縁シート)5eによって、分離されている。フランジ5bと筒5aの間には、絶縁シート5eが挟まれている。フランジ5bと筒5aとは、電気的に絶縁している。フランジ5bには、締結部70aが設けられている。筒5aには、締結部70bが設けられている。締結部70aと締結部70bとは、ボルト60とナット61によって締結されている。
図7Aに、締結部70aと70bとそれらの周囲の部材の縦断面図を示し、図7Bに、図7AのB−B方向の矢視断面図を示す。締結部70aと70bの間には、絶縁シート5eが挟まれている。締結部70aと70bと絶縁シート5eには、それぞれ貫通孔が形成されている。締結部70aと70bと絶縁シート5eのそれぞれの貫通孔を、円筒形状の絶縁カラー64が貫通している。絶縁カラー64の両端には、絶縁ワッシャ63aと63bが設けられている。絶縁ワッシャ63aと63bの外径は、締結部70aと70bの貫通孔の直径より大きくなっている。絶縁カラー64と絶縁ワッシャ63aと63bを、ボルト60が貫通している。ボルト60には、スプリングワッシャ62が挿入され、ナット61が螺合することで、締結部70aと70bが締結している。ボルト60、ナット61、スプリングワッシャ62は、締結に要する十分な機械的強度を有する材料、例えば、ステンレスで形成する。ボルト60、ナット61、スプリングワッシャ62は、締結部70a、70bには直接接触せず、絶縁カラー64や絶縁ワッシャ63aや63bを介して接するので、締結部70aと70bとが、ボルト60等を介して電気的に接続することはない。そして、締結部70aと70bの間には、絶縁シート5eが挟まれているので、締結部70aと70bを、電気的に絶縁しつつ締結することができる。これにより、図6Bに示すフランジ5bと筒5aとを、電気的に絶縁することができる。接続端子14aと14bは、筒5aから絶縁されたフランジ5bに設けられているので、接続端子14aから接続端子14bに向かう電流経路17は、フランジ5bを通っても、筒5aは通れずに制限されるので、第1の実施形態と比較し、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値を大きくできる。
前記で説明したように、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値は、電流経路17が、絶縁シート5eによってフランジ5b内に制限され、かつ、溝5fによってフランジ5b内を蛇行しているので、第1の実施形態等と比較して、大きくなっている。これにより、クエンチ時の電流減衰に要する時間をより短くすることができる。そして、この短くできた時間分だけ、クエンチ検出手段7による超電導コイル3のクエンチ検出までに要する時間や、ヒューズ4を溶断するまでに要する時間を、長くすることができるので、クエンチ検出手段7やヒューズ4等の構成に要する部材やシステムを簡素化する(例えば、ヒータ13の容量を小さくする)ことができる。
(第6の実施形態)
図8Aに、本発明の第6の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル3(3a)の巻枠(保護抵抗)5の正面図を示し、図8Bに、その超電導コイル3(3a)とその巻枠(保護抵抗)5の縦断面図を示す。第6の実施形態に係る超電導磁石装置が、第1〜5の実施形態の超電導磁石装置1と異なっている点は、2つの接続端子14aと14bとが、一対のフランジ5bに1つずつ設けられている点である。これによっても、電流経路を蛇行させることが可能になる。そして、巻枠(保護抵抗)5は、中心軸5cに垂直な面を切断面として分割した複数個の部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eと、隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eの互いに対向する切断面の間に設けられる絶縁シート5eと、巻枠(保護抵抗)5の内壁に設けられ、隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21e同士を電気的に接続する導電接続部16a、16b、16c、16dとを有している。1つの部分巻枠21b、21c、21dに接続する2つの導電接続部16a、16b、16c、16dは、中心軸5cを挟んで対向している。具体的に、部分巻枠21bに接続する2つの導電接続部16aと16bは、中心軸5cを挟んで対向している。部分巻枠21cに接続する2つの導電接続部16bと16cは、中心軸5cを挟んで対向している。部分巻枠21dに接続する2つの導電接続部16cと16dは、中心軸5cを挟んで対向している。導電接続部16a、16cと、導電接続部16b、16dとは、導電接続部16a、16cと導電接続部16b、16dとを結ぶ線分(直線)が中心軸5cと交わる位置に、設けられている。
巻枠(保護抵抗)5は、複数個(図8Bの例では5個)の部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eに分割されている。部分巻枠21aと21eは、図8Bの例ではフランジ5bに対応しているが、これに限らない。部分巻枠21aと21eは、フランジ5bの一部であってもよいし、フランジ5bに加えて筒5aの一部又は全部を含んでいてもよい。また、図8Bの例では、筒5aは3つの部分巻枠21b、21c、21dに分割されているが、これに限らない。筒5aを1つの部分巻枠21bとしてもよいし、3に限らず複数に分割してもよい。
隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eの切断面は、絶縁シート5eを介して接している。部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eには、締結部70が設けられている。隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eの締結部70は、絶縁シート5eを介して対向し、ボルト60とナット61で締結されている。この一対の締結部70をボルト60とナット61とで締結する構造には、図7Aと図7Bで説明した締結部70aと70bをボルト60とナット61とで締結する構造を用いることができる。すなわち、締結部70aと70bを締結部70と読み替えればよい。これにより、隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eの切断面では電気的な絶縁性を保ちつつ、隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21e同士を締結することができる。
隣接する部分巻枠21a、21b、21c、21d、21e同士は、導電接続部16a、16b、16c、16dによって電気的に接続している。導電接続部16a、16cと、導電接続部16b、16dとは、中心軸5cを挟んで対向して配置されているので、電流経路17は、接続端子14aから、部分巻枠21a、導電接続部16a、部分巻枠21b、導電接続部16b、部分巻枠21c、導電接続部16c、部分巻枠21d、導電接続部16d、部分巻枠21eを順に経由して、接続端子14bへ到っている。このように、電流経路17が蛇行して、電流経路17が狭まり長くなることで、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値を大きくすることができる。なお、部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eが、奇数個(図8Bの例では5個)に分割されているので、接続端子14aと14bとは、中心軸5cを挟んだ両側に1つずつ配置される。部分巻枠21a、21b、21c、21d、21eが、偶数個に分割されれば、接続端子14aと14bとは、中心軸5cに対して同じ側に配置される。また、導電接続部16a、16b、16c、16dには、強度を持たせやすい導電材料、例えば、ステンレス等を用いることができる。
(第7の実施形態)
図9Aに、本発明の第7の実施形態に係る超電導磁石装置に用いられる超電導コイル3(3a)の巻枠(保護抵抗)5の正面図を示し、図9Bに、その超電導コイル3(3a)とその巻枠(保護抵抗)5の縦断面図を示す。第7の実施形態に係る超電導磁石装置では、第5の実施形態の溝5f等と、第6の実施形態の部分巻枠21a、21b、21c、21d、21e等とが、組み合わされ、電流経路17をより長くすることで、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値をより大きくしている。溝5fは、一対のフランジ5b(部分巻枠21aと21e)の両方に形成されている。部分巻枠21e上の溝5fの配置パターンは、部分巻枠21a上の溝5fの配置パターンを中心軸5cの周りに180度回転させたパターンに一致する。これにより、部分巻枠21aでは、電流経路17は、接続端子14aから、部分巻枠21a上を溝5fを避けながら迂回して、導電接続部16aに達する。部分巻枠21eでは、電流経路17は、導電接続部16dから、部分巻枠21e上を溝5fを避けるように迂回しながら蛇行して、接続端子14bに達する。また、導電接続部16aから16dまでの電流経路17は、導電接続部16aから、部分巻枠21b、導電接続部16b、部分巻枠21c、導電接続部16c、部分巻枠21dを順に経由することで、蛇行しながら、導電接続部16dへ到っている。このように、電流経路17が蛇行して、電流経路17が長くなることで、巻枠(保護抵抗)5の抵抗値を大きくすることができる。
なお、本発明は、前記した第1〜第7の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した第1〜第7の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、第1〜第7のある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、また、第1〜第7のある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、第1〜第7の各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1 超電導磁石装置
2 クライオスタット
2a 真空容器
2b 輻射シールド
2c 冷凍機
2d 伝熱手段
3、3a、3b 超電導コイル
4 ヒューズ
4a 超電導フィラメント
4b 冷却安定化材
5 巻枠(保護抵抗)
5a 筒
5b フランジ
5c 巻枠の中心軸
5e 絶縁部(絶縁シート)
5f フランジの溝
6 永久電流スイッチ
7 クエンチ検出手段
8 直流電源(電流源)
9 ヒータ
10 励磁電源
11 電流遮断機
12 断熱手段
13 ヒータ
14a、14b 巻枠(フランジ)の接続箇所(端子)
14c、14d ヒューズの接続箇所(端子)
15a、15b 超電導線材
16a、16b、16c、16d 導電接続箇所(導電接続部)
17 電流経路
21a、21b、21c、21d、21e 部分巻枠
60 ボルト
61 ナット
62 スプリングワッシャ
63a 絶縁ワッシャ
64 絶縁カラー
70、70a、70b 締結部
C1 第1閉回路
C2 第2閉回路
C3 第3閉回路
Ip 永久電流
Sq クエンチ検出信号

Claims (12)

  1. 保護抵抗を兼ね、超電導コイルを巻く巻枠と、
    前記超電導コイルに永久電流を流すための永久電流スイッチと、
    前記超電導コイルと前記永久電流スイッチとが直列に接続された第1閉回路と、
    前記超電導コイルと前記巻枠とが直列に接続された第2閉回路とを有することを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 前記超電導コイルでの常電導状態の発生時に超電導状態から常電導転移し溶断するヒューズを有し、
    前記第1閉回路では、前記超電導コイルと前記永久電流スイッチと前記ヒューズとが直列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 前記第2閉回路では、前記超電導コイルと前記巻枠と前記永久電流スイッチとが直列に接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超電導磁石装置。
  4. 前記永久電流スイッチと励磁電源と電流遮断機とが直列に接続された第3閉回路を構成可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
  5. 前記第3閉回路では、前記永久電流スイッチと前記ヒューズと前記励磁電源と前記電流遮断機とが直列に接続されることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石装置。
  6. 前記超電導コイルで発生する常電導状態を検出するクエンチ検出手段と、
    前記ヒューズに接するヒータと、
    前記ヒューズと前記ヒータとを覆う断熱手段と、
    前記超電導コイルで発生する常電導状態が検出されると、前記ヒータに電流を流す電流源とを有し、
    前記ヒューズは、前記ヒータに電流が流れると常電導転移し、自ら発するジュール熱により溶断することを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石装置。
  7. 前記巻枠は、
    筒と、
    前記筒の両端に設けられ、内径が前記筒の内径に等しく、外径が前記筒の外径より大きい一対のフランジとを有し、
    前記第2閉回路の配線は、前記巻枠の中心軸を挟む前記フランジ上の2箇所にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
  8. 前記筒と前記フランジとは電気的に絶縁され、
    前記フランジには、溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の超電導磁石装置。
  9. 前記巻枠は、
    前記巻枠の中心軸に垂直な面を切断面として分割した複数個の部分巻枠と、
    隣接する前記部分巻枠の互いに対向する切断面の間に設けられる絶縁シートと、
    前記巻枠の内壁に設けられ、隣接する前記部分巻枠同士を電気的に接続する導電接続部とを有し、
    1つの前記部分巻枠に接続する2つの前記導電接続部は、前記巻枠の中心軸を挟んで対向することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
  10. 前記超電導コイルと、前記永久電流スイッチと、前記ヒューズは、臨界温度が18Kを超える高温超電導線材を用いて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石装置。
  11. 前記ヒューズに用いられる超電導フィラメントの超電導体の周囲に配置される冷却安定化材は、
    前記超電導コイルと前記永久電流スイッチに用いられる超電導フィラメントの超電導体の周囲に配置される冷却安定化材に比べて、
    電気抵抗率が高く、かつ、熱伝導率が低いことを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石装置。
  12. 真空容器に内包された伝熱手段と、
    前記伝熱手段に熱的に接続し前記伝熱手段を冷却する冷凍機とを備え、
    前記伝熱手段は、前記超電導コイルと前記永久電流スイッチに熱的に接続することを特徴とする請求項1及至請求項11のいずれか1項に記載の電磁石装置。
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