JP5966740B2 - 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置 - Google Patents

磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5966740B2
JP5966740B2 JP2012172154A JP2012172154A JP5966740B2 JP 5966740 B2 JP5966740 B2 JP 5966740B2 JP 2012172154 A JP2012172154 A JP 2012172154A JP 2012172154 A JP2012172154 A JP 2012172154A JP 5966740 B2 JP5966740 B2 JP 5966740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
heat
thermal conductivity
magnetocaloric material
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012172154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014029251A (ja
Inventor
田崎 豊
豊 田崎
高橋 秀和
秀和 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2012172154A priority Critical patent/JP5966740B2/ja
Priority to EP12831129.7A priority patent/EP2762801B1/en
Priority to PCT/JP2012/072861 priority patent/WO2013038996A1/ja
Priority to US14/344,081 priority patent/US9810454B2/en
Priority to CN201280043740.2A priority patent/CN103782116B/zh
Publication of JP2014029251A publication Critical patent/JP2014029251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5966740B2 publication Critical patent/JP5966740B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2321/00Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B2321/002Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/012Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials adapted for magnetic entropy change by magnetocaloric effect, e.g. used as magnetic refrigerating material
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明は磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置に関する。より詳細には、本発明は、熱伝導特性が向上した磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置に関する。
従来から、冷暖房装置には蒸気圧縮機構が利用されている。蒸気圧縮機構とは、フロンガスや代替フロンガス等の気体媒体を用いて、気体媒体の圧縮による排熱および膨張による吸熱を繰り返し行うことで冷暖房効果を生じさせるものである。しかしながら、圧縮段階において多大なエネルギーを必要とすることもあり、熱効率(COP)は約1.5と低い。また、蒸気圧縮機構では、フロンガスや代替フロンガス等を用いることから、環境に対する問題点も指摘されている。
このような背景から、近年、蒸気圧縮機構に代わるものとして磁気冷凍機構の技術が注目されている。磁気冷凍機構とは、磁気熱量効果を発現する磁気材料を利用するものである。ここで、磁気熱量効果とは、磁場の印加および除去によって磁場環境が変化すると、その変化に応じて磁気材料自身の温度が変化する現象をいう。磁気冷凍機構は、より具体的には、磁気材料の磁気熱量効果を利用して、磁場の印加(除去)による排熱および磁場の除去(印加)による吸熱を繰り返し行うことで冷暖房効果を生じさせるものである。磁気冷凍機構の利点としては、COPが約3〜4と蒸気圧縮機構よりも高い値を示しエネルギー効率に優れる点、およびフロンガスや代替フロンガス等を用いないため環境にも配慮されている点が挙げられる。
たとえば特許文献1には、磁気冷凍機構を利用した磁気冷凍機(装置)に係る発明が開示されている。より詳細には、正の磁気材料および負の磁気材料を交互に複数個配置した磁気材料ブロックと、磁場増減部と、熱スイッチ部と、を具備したことを特徴とする磁気冷凍機である。この際、正の磁気材料とは磁場の印加によって磁気材料の温度が上昇するものであり、負の磁気材料とは磁場の印加によって磁気材料の温度が降下するものである。特許文献1に記載の方法によって冷凍効果(および暖房効果)が得られる機構について具体例を挙げて以下に簡単に説明する。
はじめに、磁気材料からなるブロックが、負の磁気材料A−正の磁気材料B−負の磁気材料C−正の磁気材料Dの順で配列されてなると仮定する。また、正の磁気材料および負の磁気材料の磁場の印加または除去による温度変化は5℃であり、最初の各磁気材料の温度は25℃であると仮定する。磁場増減部により磁場を印加すると、負の磁気材料であるAおよびCは温度が降下し、正の磁気材料であるBおよびDは温度が上昇する。つまり、AおよびCは20℃となり、BおよびDは30℃となる。その結果、互いに隣接する正の磁気材料と負の磁気材料との間に温度勾配が形成されることとなる。
次に、B−C間に熱スイッチ部を挿入する。そうすると、熱スイッチ部によってBからCに熱が伝導してB−C間の温度勾配が解消される。一方、熱スイッチ部を介して他の磁気材料と接触していないAおよびDについては、空気層の断熱効果により温度が維持される。つまり、Aは20℃、BおよびCは25℃、Dは30℃となる。そして次に、B−C間の熱スイッチ部を除去してから、磁場増減部により磁場を除去する。磁場の除去によって、負の磁気材料であるAおよびCは温度が上昇し、正の磁気材料であるBおよびDは温度が降下する。つまり、Aは25℃、Bは20℃、Cは30℃、Dは25℃となる。次に、A−B間およびC−D間に熱スイッチ部を挿入する。これによって、熱スイッチ部で連結された磁気材料間で熱が伝導して温度勾配が解消される。つまり、AおよびBは22.5℃、CおよびDは27.5℃となる。なお、B−C間では、空気層による断熱効果により熱伝導は生じない。以上のように、磁場の印加−熱スイッチ部の挿脱−磁場の除去−熱スイッチ部の挿脱を繰り返すことによって、Aでは温度が低下していき、Dでは温度が上昇していくため、AとDとの間の温度勾配が大きくなっていく。結果として、Aからは冷房効果が、Dからは暖房効果が得られるのである。
ところで、磁場の印加および除去の1秒当たりの回転数を磁場の周波数(単位はHzである)と呼ぶ。特許文献1は、従来熱伝導に用いられてきた媒体を液体の冷媒から固体の熱スイッチ部に変更するものであり、固体の熱スイッチ部への変更によって磁気冷凍装置の磁場印加・除去の高周波化が可能となり、装置の小型化に寄与する。この理由は、固体の熱伝導特性が液体を利用した熱の伝導特性よりも高いため、熱スイッチ部による温度勾配の解消(磁気材料間の熱伝導)に要する時間が短縮されるためである。また、液体の冷媒から固体の熱スイッチ部に熱伝導媒体を変更することによって、冷媒の駆動機構が不要となり、安価な磁気冷凍装置となりうる。
特開2007−147209号公報
しかしながら、特許文献1の磁気冷凍装置によっても、十分な装置の小型化が実現したとはいえない。今後、磁気冷暖房装置は、電動車両や家庭機器等の様々な分野に応用されていくものと考えられるが、現状では未だ装置の小型化が十分ではなく、電動車両や家庭機器等への実用化には至っていない。
磁気冷暖房装置の小型化を実現するためには、磁気冷凍機構の磁場印加・除去を高周波化させる必要がある。磁気冷凍機構の磁場印加・除去を高周波化することによって、所望の冷暖房効果を得るために必要とされる磁気材料が小型化できるためである。すなわち、磁場印加・除去を高周波化することによって、磁気材料が小さいために一度に磁場の印加(除去)で生じる磁気材料の温度変化が小さい場合であっても、磁場の印加および除去を高周波で繰り返し行うことで、所望の冷暖房効果が得られるのである。しかしながら、磁気冷凍機構における磁気材料間の熱スイッチ部を介した温度勾配の解消には長時間を要する場合が多く、このことが磁場の高周波化を実現するための問題点となることが判明した。
そこで、本発明の目的は、さらなる磁気冷凍機構の磁場印加・除去の高周波化を実現するために、この磁気材料として、内部における熱伝導性を向上させた磁性構造体を提供することである。また、本発明の他の目的は、熱伝導性を向上させた磁性構造体を用いた磁気冷暖房装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明による磁性構造体は、磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料とともに、磁気熱量材料よりも熱伝導率の高い高熱伝導部材を有し、前記高熱伝導部材がハニカム構造を有し、前記ハニカム構造の孔の内部に前記磁気熱量材料が充填された構造を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明による磁性構造体は、磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、を有し、前記高熱伝導部材が多孔体構造を有し、前記多孔体構造の孔の内部に前記磁気熱量材料が充填された構造を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明による磁性構造体は、磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、前記磁場の印加による磁力線の方向と平行に配置された渦電流防止部材と、を有し、前記渦電流防止部材は、前記高熱伝導部材よりも電気伝導率が低く、かつ前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする。
磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、
また、上記課題を解決するための本発明による磁性構造体は、前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、を有する磁性構造体であって、前記磁性構造体は、他の部材に熱を伝導する第1の外表面と、前記第1の外表面に対向する第2の外表面とを有する多面体構造であり、前記高熱伝導部材は、前記第1の外表面と第2の外表面との間に連通しており、前記磁気熱量材料および前記高熱伝導部材が平板構造を有して交互に積層されていることを特徴とする。
また、本発明による磁気冷暖房装置は、複数の上記磁性構造体と、前記磁性構造体同士の間に配置されていて熱の伝導および遮断を行う熱スイッチ部と、前記複数の前記磁性構造体のそれぞれに磁場の印加、除去を行う磁場増減部と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明による磁気冷暖房装置は、複数の上記磁性構造体と、前記磁性構造体同士の間に配置されていて熱の伝導および遮断を行う熱スイッチ部と、前記複数の前記磁性構造体のそれぞれに磁場の印加、除去を行う磁場増減部と、を有し、前記磁場増減部は、前記磁場増減部の磁力線が前記磁性構造体に設けられている断熱材を通過しない位置に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る磁性構造体によれば、磁気熱量材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導部材を磁性構造体内に設けたことで、磁気熱量材料に生じた熱の全部または一部を、磁性構造体内で迅速に伝導させることができる。
また、本発明の磁気冷暖房装置は、上記磁性構造体を複数、熱スイッチ部とともに並べて磁気冷暖房装置としたので、磁性構造体の熱伝導性がよいことから磁場印加・除去の高周波化が可能となり、装置のさらなる小型化に寄与することができる。
本発明を適用した実施形態に共通する、磁性構造体を磁気冷暖房装置に適用した際の磁性構造体と熱スイッチ部との位置関係を模式的に示した図である。 図2(a)は、第1の実施形態において、図1に示す磁性構造体のA−A線に沿った断面図である。また、図2(b)は、第1の実施形態において、図1に示す磁性構造体のB−B線に沿った断面図である。本形態では高熱伝導部材は平板構造を有する。 図2(b)の一部を拡大した図である。 図4(a)は、第2の実施形態において、図1の磁性構造体のA−A線に沿った断面図である。また、図4(b)は、第2の実施形態において、図1の磁性構造体のB−B線に沿った断面図である。本形態では高熱伝導部材はハニカム構造を有する。 本発明の第3の実施形態に用いられる高熱伝導部材のミクロ構造を示す写真である。本形態では、高熱伝導部材は多孔体構造を有する。 本発明の第4の実施形態の磁性構造体を説明するための説明図であり、(a)は要部を示す斜視図、(b)は磁気冷暖房装置として構成した場合に印加される磁場の磁力線との関係を説明する断面図である。 本発明の第4の実施形態の高熱伝導部材と渦電流防止部材のみを抜き出して描いた斜視図である。 本発明の第4の実施形態の変形例として、渦電流防止部材の挿入形態の異なる例を説明するための斜視図である。 本発明の第4の実施形態の他の変形例として、渦電流防止部材の挿入形態の異なる例を説明するための斜視図である。 磁気冷暖房性能を想定した磁気冷暖房装置における低温端の温度変化を示すグラフである。 熱スイッチ部の他の形態1を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態2を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態3を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態4を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態5を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態6を説明するための説明図である。 熱スイッチ部の他の形態7を説明するための説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明を適用した実施形態に共通する、磁気冷暖房装置の基本構造について説明する。
図1は、磁性構造体と、この磁性構造体の熱を他の磁性構造体または熱交換器(後述)へ伝導する熱スイッチ部との位置関係を模式的に示した図である。ここでは、磁場の印加および除去によって温度変化が生じる材料を「磁気熱量材料」と称し、この磁気熱量材料とともに高熱伝導部材、およびその他の構成要素からなる構造体を「磁気構造体」と称する。
磁気冷暖房装置の基本構造は、磁性構造体1、熱スイッチ部3aおよび3bを有する。また、磁場増減部(図示せず)を有する。熱スイッチ部3aおよび3bは磁性構造体1の両面に挿脱可能に配置されている。そして、この熱スイッチ部3aおよび3bの挿脱によって、磁気冷暖房装置全体として他の磁性構造体または熱交換器へ熱を伝導する。
図1を参照して、磁性構造体1の右面(熱スイッチ部3aが配置されている側の面でありこれを第1面という)では熱スイッチ部3aが挿入された状態となっている。一方、磁性構造体1の左面(熱スイッチ部3bが配置されている側の面でありこれを第2面という)では熱スイッチ部3bが除去された状態となっている。図示されていないが、熱スイッチ部3aおよび3bの磁性構造体1と接する面の反対の面には、それぞれ別の磁性構造体または熱交換器が存在している。そして熱スイッチ部3aおよび3bを介して磁性構造体1と別の磁性構造体または熱交換器との固体熱伝導が行われる。したがって、磁性構造体1の第1面および第2面が他の部材に熱を伝導する面となる。
熱交換器(詳細後述)は、複数の磁性構造体および熱スイッチ部が並んだブロックの終端に設けられている。一方の端には、生じた冷房効果を取り出す低温側熱交換器、他方の端には生じた暖房効果を取り出す高温側熱交換器が配置されている。
図1の磁性構造体1の前面、背面、上面、および下面は、熱スイッチ部3aおよび3bと接しないため、これら4つの面は熱スイッチ部を介した熱のやり取りは行われない。よって、図1においては、磁性構造体1内の磁気熱量材料で生じた熱が磁性構造体1外部に拡散しないように、断熱性を有する筐体5で磁性構造体1が覆われている。
磁場増減部は、磁性構造体1の前面および背面に磁性構造体1を挟むように1組の永久磁石が設置され、この永久磁石が磁性構造体1に近接、離隔することで磁場の印加および除去を行う。この磁場増減部については、従来から磁気冷暖房装置に用いられている構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
高熱伝導部材は、磁気熱量材料とともに磁性構造体1を構成する要素である。高熱伝導部材は、板状の部材が磁性構造体1の第1面から第2面まで連続して接続されていてもよいし、複数の部材が転結(連繋)されて第1面から第2面まで熱を伝導するようになっていてもよい。ここで磁性構造体1の機能を考慮すれば、通常、「2つの異なる面」は対向する面であり、熱スイッチ部3aおよび3bと接する面である。そして高熱伝導部材は、「2つの異なる面」の間で熱を伝導しているため、磁性構造体1中において熱の通り道として機能する。
[磁性構造体]
以下、磁性構造体において内部の構成が異なる形態を、第1の実施形態〜第3の実施形態として説明する。
[第1の実施形態:高熱伝導部材が平板構造である磁性構造体]
図2(a)は、第1の実施形態において、図1に示す磁性構造体1のA−A線に沿った断面図である。また、図2(b)は、第1の実施形態において、図1に示す磁性構造体1のB−B線に沿った断面図である。
本形態では高熱伝導部材9は平板構造を有する。磁気熱量材料7もまた平板構造を有する。そして、磁性構造体1は、磁気熱量材料7と高熱伝導部材9とが交互に積層された構造となっている。
図2(a)および(b)を参照して、高熱伝導部材9はいずれも直線状に配置されている。図2(b)を参照すれば、高熱伝導部材9が第1面から第2面まで連続した板形状となっている連通している。これにより、磁性構造体1内で効率的に熱を伝導することができる。この形態では、熱の伝導方向は第1面から第2面(またはその逆)方向であり、磁気熱量材料7と高熱伝導部材9とは、この熱伝導方向に対して交差する方向に交互に積層されていることになる。図においては、気熱量材料7と高熱伝導部材9とは、熱伝導方向に対してほぼ直交する方向となっている。これにより、第1面と第2面の間を最短距離で高熱伝導部材9により熱伝導できる。
なお、高熱伝導部材9の配置は、第1面から第2面(またはその逆)に熱の伝導ができればよいので、必ずしも熱伝導方向に対して直交する方向でなくてもよく、たとえば熱伝導方向に対して斜めに傾いていてもよい。
また、図2(b)に示したように、第1面および第2面の面全体に高熱伝導壁11が形成されている。磁気熱量材料7および/または高熱伝導部材9の端部はこの高熱伝導壁11に接している。磁気熱量材料7および/または高熱伝導部材9から伝導された熱は、これらが複数積層された構成のため、それぞれの端部においては部材間で熱のバラツキを生じうる。第1面および第2面の面全体がこの熱伝導壁11によって構成することで、バラツキのある熱が熱伝導壁11の面全体に拡散する。これにより、磁性構造体1と隣接する熱スイッチ部3aおよび3bとの熱伝導をより効率化することになる。
また、図2(a)および(b)に示したように、磁気熱量材料7および高熱伝導部材9の積層体の上面および下面、すなわち磁性構造体1を構成する表面のうち、他の部材へ熱を伝導する面以外の面は、断熱・弾性体13で覆われている。さらに断熱・弾性体13は筐体5で被覆されている。この断熱・弾性体13および/または筐体5により、磁気熱量材料で生じた熱の磁性構造体1外部への放熱を防止している(磁性構造体が外気温度より低い場合は外気によって不要に温められるのを防止する)。また、断熱・弾性体13は、積層された磁気熱量材料7および高熱伝導部材9の間の密着性を向上させて、板状の磁気熱量材料7と高熱伝導部材9との間に空気層が形成されるのを防止する。
図3は、図2(b)の要部を拡大した要部拡大図である。図3に示すように、磁気熱量材料7と高熱伝導部材9、および磁気熱量材料7と高熱伝導壁11とは、熱伝導性が高い接合剤15で接合されている。この接合剤15により、磁気熱量材料7と高熱伝導部材9との間、または磁気熱量材料7と高熱伝導壁11との間で速やかな熱伝導が可能となる。なお、高熱伝導部材9と高熱伝導壁11とは接合剤では接合されていない。
[第2の実施形態:高熱伝導部材がハニカム構造である磁性構造体]
図4(a)は、第2の実施形態において、図1に示す磁性構造体1のA−A線に沿った断面図である。また、図4(b)は、第2の実施形態において、図1に示す磁性構造体1のB−B線に沿った断面図である。
本形態の磁性構造体は、図4(a)に示したように、高熱伝導部材9が六角柱状の孔が規則的に配列したハニカム構造となっている。そして、孔の内部に磁気熱量材料7が充填されている。
また、図4(b)に示すように、六角柱形状の側面部が直線状となっている。図4(b)において右面(第1面、図1における熱スイッチ部3aが配置されている側の面)から左面(第2面、図1における熱スイッチ部3bが配置されている側の面)に高熱伝導部材9が連通している。これにより磁性構造体1で第1面と第2面の間で迅速に熱を伝導することができる。
なお、本形態では、第1面と第2面とが連続的に高熱伝導部材9でつながっている限り、図1の磁性構造体1を90度回転させた形態、すなわち図4(a)と図4(b)とを入れ替えた形態としてもよい。また、図4(b)においても、高熱伝導部材9と接する面(第1面および第2面)は高熱伝導壁11により構成されている。図4(a)および(b)には図示されていないが、第1の実施形態と同様に、磁気熱量材料7、高熱伝導部材9、および高熱伝導壁11からなる群から選択される少なくとも2つの部材間を接合剤で接合してもよい。
なお、図4では、ハニカム構造として六角柱形状の孔が規則的に配列された形態を示したが、本形態はこのような形状に限定されない。たとえば、円柱状(楕円柱を含む)の孔や、三角柱、四角柱、五角柱等の多角柱の孔が規則的に配列した構造であってもよい。
また、本形態においても熱を伝導しない面は、第1の実施形態同様に、断熱・弾性体によって覆い、さらに筐体で被覆してもよい。ただし、弾性体としての性能はなくてもよい。これは、すでに説明したとおり、第2の実施形態ではハニカム構造の高熱伝導部材9の孔の内部に磁気熱量材料7を充填しているため、押さえつける必要がないからである。なお、断熱・弾性体の具体的な材料については後述するが、断熱材の中には弾性力を併せ持つものあるので、ここでは断熱・弾性体と称した。
[第3の実施形態:高熱伝導部材が多孔体構造である磁性構造体]
図5は、第3の実施形態に用いられる高熱伝導部材のミクロ構造を示す写真である。
図5から明らかなように、本形態の高熱伝導部材は多孔体構造を有する。そして、本形態の磁性構造体は、多孔体構造を有する高熱伝導部材の孔内に磁気熱量材料が充填されている。このため、第3の実施形態においては、図1に示す磁性構造体1のA−A線に沿った断面、およびB−B線に沿った断面には、いずれも高熱伝導部材9の多孔体構造を表す網目状に連続的につながった形状となる(これが図5に示した形状である)。
これにより、多孔体構造を有する高熱伝導部材が磁性構造体内で効率的に熱を伝導することができる。
本形態においても第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、高熱伝導壁が形成されていてもよい。また、磁気熱量材料、高熱伝導部材、および高熱伝導壁からなる群から選択される少なくとも2つの部材間を接合剤で接合してもよい。
本形態においても熱を伝導しない面は、第1の実施形態同様に、断熱・弾性体によって覆い、さらに筐体で被覆してもよい。ただし、弾性体としての性能はなくてもよい。これは、すでに説明したとおり、第3の実施形態では多孔体構造の高熱伝導部材9の孔の内部に磁気熱量材料7を充填しているため、押さえつける必要がないからである。なお、断熱・弾性体の具体的な材料については後述するが、断熱材の中には弾性力を併せ持つものあるので、ここでは断熱・弾性体と称した。
以上のように、第1の実施形態〜第3の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、当業者が想到しうるその他の実施形態もまた本発明の技術的範囲に包含される。たとえば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせた磁性構造体としてもよい。磁性構造体の必要とする性能を得るために、磁気熱量材料の形状およびサイズ、高熱伝導部材の形状およびサイズ、積層の間隔(第1の実施形態)、ハニカム構造の形状(第2の実施形態)、高熱伝導部材の空隙率(第3の実施形態)等が当業者によって適宜決定されうる。また、高熱伝導壁、接合剤、断熱・弾性体、筐体、その他の構成要素を含む磁性構造体の任意の構成要素等についても同様に、当業者によって適宜決定されうる。
以下、上述の各実施形態の磁性構造体に共通して用いている部材について、詳細に説明する。
(磁気熱量材料)
磁気熱量材料は、磁場の印加(除去)によって温度が上昇(降下)するものであり、磁気冷凍機構の中核をなすものである。
磁気熱量材料は、正の磁気熱量材料と負の磁気熱量材料とに分類される。上述のように、正の磁気熱量材料とは磁場の印加によって磁気熱量材料の温度が上昇し、磁場の除去によって磁気熱量材料の温度が降下するものである。具体的には、正の磁気熱量材料は、磁気を印加していないときには常磁性状態(磁気スピンが無秩序の状態)となり、磁気を印加すると強磁性状態(磁気スピンが一方向に揃う状態)となる、常磁性状態と強磁性状態とが可逆的に生じる材料である。一方、負の磁気熱量材料とは磁場の印加によって磁気熱量材料の温度が降下し、磁場の除去によって磁気熱量材料の温度が上昇するものである。具体的には、負の磁気熱量材料は、磁気を印加していないときには反強磁性状態(隣り合う磁気スピンが互いに反対方向を向いて整列する状態)となり、磁気を印加すると強磁性状態(磁気スピンが一方向に揃う状態)となる、強磁性状態と反強磁性状態とが可逆的に生じる材料である。なお、一般的に、正の磁気熱量材料は負の磁気熱量材料と比較して、磁場の印加(除去)による温度変化は大きいが、熱伝導が遅い傾向にある。
本形態に用いられうる正の磁気熱量材料としては、特に制限されないが、Gd−Y系、Gd−Dy系、Gd−Er系、Gd−Ho系、La(Fe,Si)13、La(Fe,Al)13等の磁気熱量材料が挙げられる。
これらの熱伝導率は、たとえば、Gd−Dy系の熱伝導率は、10(W/(m・K))で、La(Fe,Si)13系のものは、9(W/(m・K))である。
一方、本形態に用いられうる負の磁気熱量材料としては、特に制限されないが、FeRh合金、Co−Mn−Si−Ge系、Ni−Mn−Sn系等の磁気熱量材料が挙げられる。これらの熱伝導率は、たとえば、Ni−Mn−Sn系では、20(W/(m・K))である。
磁気熱量材料としては必ずしも同一の正の磁気熱量材料または負の磁気熱量材料を用いる必要はなく、複数種の正の磁気熱量材料または負の磁気熱量材料を用いてもよい。たとえば、第2の実施形態においては、ハニカム構造の孔内ごとに異なる種類の磁気熱量材料をそれぞれ充填してもよいし、ハニカム構造の孔内に複数種の磁気熱量材料を充填させてもよい。また、正の磁気熱量材料および負の磁気熱量材料を混合して、磁場を印加(除去)した際に磁気熱量材料に生じる温度変化を調節することも可能である。しかしながら、磁気冷凍機構のメカニズムを考慮すると、磁場印加・除去の高周波化および磁気冷凍機構の高出力化の観点から、1つの磁性構造体中には単一の磁気熱量材料を用いることが好ましい。
磁気熱量材料の形状は、特に制限されず、公知の形状のものが用いられうる。たとえば、第1の実施形態においては、平板形状の磁気熱量材料をそのまま用いてもよいし、球状の磁気熱量材料を平板構造に成型加工したものを用いてもよい。
(高熱伝導部材)
高熱伝導部材は、磁気熱量材料で発生した熱の全部または一部の効率的な伝導に寄与する、磁性構造体の構成要素である。高熱伝導部材は、磁性構造体の表面の少なくとも2つの異なる2面(各実施形態では第1面と、それに対向する第2面)の間に連通している。高熱伝導部材を含むことによって、磁気熱量材料に生じた熱の全部または一部を迅速に伝導させることができる。高熱伝導部材は、磁性構造体中の熱の伝導を助けるためのものであり、一部の熱については磁気熱量材料を介して伝導する場合もある。
なお、各実施形態では、高熱伝導部材は一つの部材からなる場合を例に説明したが、単一の高熱伝導部材から構成される形態に限定されず、2以上の高熱伝導部材が接触しながら構成される形態であってもよい。
適用される高熱伝導部材の種類は、用途によって異なる。熱冷暖房装置に適用した際に可能な限り装置を小型化しようとする場合には、できるだけ磁場印加・除去を高周波化する必要があり、高い熱伝導性を有する高熱伝導部材を用いることが好ましい。高熱伝導部材は、所望する磁性構造体に応じて当業者により適宜選択され、好適な高熱伝導部材が用いられうる。複数種の高熱伝導部材を用いて磁性構造体の熱伝導特性を調節してもよい。
高熱伝導部材としては、磁気熱量材料よりも高い熱伝導性を備える部材であれば特に制限されない。好ましくは、200(W/(m・K))以上の熱伝導率を有する。高熱伝導部材の具体例としては、アルミニウム合金、銅、カーボンナノチューブ、アルミニウム合金とカーボンナノチューブとからなる複合材料等が挙げられる。アルミニウム合金の熱伝導率は約200(W/(m・K))であり、銅の熱伝導率は約380(W/(m・K))であり、カーボンナノチューブの熱伝導率は約6000(W/(m・K))であり、アルミニウム合金とカーボンナノチューブとからなる複合材料の熱伝導率は約800(W/(m・K))である。これら熱伝導率の値の高さからも、磁性構造体中に高熱伝導部材を含有することによって、磁性構造体で生じた熱を効率的に伝導できることが理解されうる。
高熱伝導部材の形状は、第1の実施形態では平板構造であり、第2の実施形態ではハニカム構造であり、第3の実施形態では多孔体構造である。しかし、高熱伝導部材の形状は、上記3つの実施形態の形状には限定されず、その他の形状のものを用いてもよい。
(高熱伝導壁)
高熱伝導壁は、磁性構造体内で伝導された熱を熱スイッチ部に効率的に伝導する役割を有する磁性構造体の任意の構成要素である。
高熱伝導壁の材料としては、熱伝導率に優れるものであれば特に制限されず、上述の高熱伝導部材と同様のものが用いられる。たとえば、銅は熱伝導率が高いため、伝導されたバラツキのある熱を速やかに面全体に拡散させうる。
高熱伝導壁の形状は、特に限定されないが、磁気冷暖房装置において熱スイッチ部と固体熱伝導を行う観点から、熱スイッチ部と接触面積が高まるように平面形状であることが好ましい。高熱伝導壁を形成する際には、必ずしも磁性構造体の面全体に形成させる必要はなく、面の一部分のみに形成させてもよい。
(接合剤)
接合剤は、磁気熱量材料、高熱伝導部材、および高熱伝導壁からなる群から選択される少なくとも2つの部材間の熱伝導を助ける役割を有する磁性構造体の任意の構成要素である。これらの部材間には、空気層が形成される場合があり、上述のように、空気層は断熱効果が高いことから、接合剤で部材間を接合して部材間の熱伝導を効率的に行うことが好ましい。
特に、第1の実施形態は、磁気熱量材料と高熱伝導部材とが平板構造を有し、相互に積層されているため、磁気熱量材料と高熱伝導部材との間に空気層が形成される可能性がある。そのため、磁気熱量材料と高熱伝導部材との間に接合剤で接合層を形成することが好ましい。
一方、第2の実施形態では、高熱伝導部材はハニカム構造を有し、高熱伝導部材の孔内に密に充填されている。このため、空気層の形成によって熱伝導が妨げられる可能性は低い。また第3の実施形態においても高熱伝導部材は多孔体構造を有し、孔内に磁気熱量材料が密に充填されていることから、空気層の形成によって熱伝導が妨げられる可能性は低い。したがって、第2および第3の実施形態においては磁気熱量材料と高熱伝導部材との間に接合剤で接合層を形成する必要性は乏しいが、磁気熱量材料と高熱伝導部材との接着性をより向上させる目的で接合剤により接合を行ってもよい。
なお、磁気熱量材料および/または高熱伝導部材と、高熱伝導壁との接合については、上記第1の実施形態〜第3の実施形態のいずれの形態においても空気層が形成される可能性があり、接合剤を用いて接合層を形成することが好ましい。
用いられうる接合剤としては、発生した熱を減弱せず、かつ、熱伝導を阻害しないものあれば特に制限はなく、金、銅、パラジウム、スズ、鉛、亜鉛、ビスマス、カドミウム、インジウム、およびこれらの金属を含む合金または共晶体が挙げられる。さらに、アルミニウム、銀等を添加物として混合してもよい。これらのうち、スズ−亜鉛合金にアルミニウムを微量添加した鉛を含まないSn−Zn−Alは、熱伝導率が66(W/(m・K))と高い値を示し、環境にも優しいことから好ましく用いられうる。これらの中でも易融金属であるスズ、鉛、インジウムなどが接合時の温度が低いので接合エネルギーを低減でき、また接合部分への密着性が高いため空隙を低減できるので好ましい。
接合剤は、特に限定されないが、公知の方法、たとえば、拡散接合、マイクロ接合、機械接合、共晶接合、超音波接合、はんだ付け等によって接合されうる。
また、接合は完全に空気層を排除した接合層を形成するだけでなく、その他の手法によって接合することも本発明の技術的範囲に含まれる。すなわち、磁気熱量材料に生じた熱が部材間で伝導するものであれば、空気層が存在していてもよい。たとえば、棒状のカーボンナノチューブを用いて一定間隔で部材間の接合を行うことが挙げられる。
(断熱・弾性体)
断熱・弾性体は、第1に、磁性構造体で発生または吸収した熱を、伝導する部材以外に発散させないように、断熱する役割を有する。
第2に、断熱・弾性体は、磁気熱量材料と高熱伝導部材との間の密着性を向上させる役割を有する(磁気熱量材料と高熱伝導部材を接着している場合は接着性も向上する)。この密着性向上の役割は、主として第1の実施形態に用いられる。すでに説明したように、第1の実施形態は、板状の磁気熱量材料と高熱伝導部材を積層した構造である。このため、積層体の終端層の外側のいずれか一方に断熱・弾性体を入れることで、積層された板状の磁気熱量材料と高熱伝導部材を押さえつけることができる。これにより磁気熱量材料および高熱伝導部材の部材間の空気層の形成を抑制して、磁性構造体の熱伝導特性をより向上させることができるのである。
断熱・弾性体が形成される位置は磁性構造体として、他の部材に熱を伝導する表面以外の面(すなわち熱を伝導しない面)である。断熱・弾性体は、磁性構造体中で生じた熱を外部に放熱することを防ぎ、積層した磁気熱量材料および高熱伝導部材を押さえつけることができれば特に制限されない。断熱・弾性体の具体例としては、たとえば天然ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
なお、断熱性能だけを重視する場合は、第1の実施形態以外にももちろん適用可能である。その場合、弾性力は不要である。逆に、弾性力を重視する場合、板バネやコイルばねなどを筐体と積層体の終端層の間に設けて弾性力とともに、空気層を形成させて断熱と共に弾性力を備えるようにしてもよい。
(筐体)
筐体は、磁気熱量効果によって生じた熱を外部に放熱させずに、磁性構造体内に保持する役割を有する磁性構造体の任意の構成要素である。筐体の性質状、磁性構造体が筐体を含む場合には、磁性構造体は多面体構造を有する。筐体は、高熱伝導部材が露出する表面を有する面以外の面を被覆する。この筐体は、断熱作用を効果的に発揮するために、磁性構造体と接着させることが好ましい。一実施形態において、磁性構造体が断熱・弾性体を有する場合には、筐体は断熱・弾性体の外部に形成される。
本形態に用いられうる筐体としては、熱伝導性が低いものであれば特に制限はなく、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリイミドフォーム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)フォーム、押出発泡ポリスチレン等が挙げられる。
(その他の構成要素)
上記磁性構造体の各構成の他、所望の用途、機能に応じてその他の構成を磁性構造体に含有させてもよい。たとえば、熱伝導をさらに高める目的で、ダイヤモンドの粉末(ナノダイヤ等)を高熱伝導グリースとして含有させてもよい。また、磁気冷暖房装置に適用する際に所望の目的を達成するために、適宜公知の添加物を含有させてもよい。
[冷暖房装置]
本発明の一実施形態によると、上述のいずれかの実施形態に係る磁性構造体を用いた磁気冷暖房装置が提供されうる。このため、本実施形態の冷暖房装置は、磁性構造体の高い熱伝導特性によって磁場印加・除去の高周波化が可能となり、高出力化および小型化された冷暖房装置でありうる。冷暖房装置は、磁性構造体ブロック、熱スイッチ部、および磁場増減部を最小の構成要素として含む。
磁性構造体ブロックは、2つ以上の磁性構造体を一定の間隔で配置したものである。前記磁性構造体ブロックの少なくとも1つは、本発明に係る磁性構造体を用いるが、その他の磁性構造体ブロックを構成する磁性構造体については公知のものを用いてもよい。磁気冷凍機構の磁場印加・除去の高周波化の観点から、磁性構造体ブロックを構成するすべての磁性構造体が、本発明に係る磁性構造体を用いることが好ましい。
熱スイッチ部は、それ自身が前記磁性構造体ブロックを構成する磁性構造体の間に挿脱可能なように配置された固体の熱伝導部材である。熱スイッチ部が磁性構造体の間隔に挿入された場合には、磁気熱量部材を介して隣り合う磁性構造体間で熱伝導が生じて温度勾配が解消されうる。一方、磁性構造体の間隔から除去された場合には、熱スイッチ部がないために断熱効果の高い空気層が形成され、除去された熱スイッチ部を介して隣り合う磁性構造体間の熱伝導は生じない(したがって熱が遮断される)。なお、熱スイッチ部は、磁性構造体間において固体熱伝導を行うものであるため、熱スイッチ部と磁性構造体とは少なくとも1点で接している。効率的に固体熱伝導を行う観点から、熱スイッチ部と磁性構造体とは可能な限り大きい面で接していることが好ましい。
このような熱スイッチ部となる固体の熱伝導部材としては、たとえば熱伝導性の良いアルミニウムや銅、ステンレスなどの金属(金属単体または合金、あるいは複数金属の複合材などでもよい)が好ましい。また、熱伝導性の良いセラミックスなどでもよい。
磁場増減部は、1組の永久磁石からなり、磁気熱量材料を挟む形で設置される。1組の永久磁石により磁場の印加および除去が可能となる。一実施形態において、磁場の印加および除去の手段については、永久磁石を移動させることで行われうる。ここで、上述の断熱・弾性体は磁力を弱める性質を有する場合がある。磁力を弱める性質を有する断熱・弾性体を用いた場合は、磁場増減部からの磁力線が断熱・弾性体を通過しないように配置することが好ましい。たとえば図2(a)および(b)を参照して説明すると、図2(a)および(b)の断面図では、磁性構造体1は上面および下面において断熱・弾性体13で挟まれている。よって、磁場増減部によって生じる磁力線を効果的に利用するためには、図1において、磁場増減部を前面および背面に配置することで、磁力線が断熱・弾性体13を通過しないようにすることが好ましい。断熱・弾性体が磁力を弱める性質がないか弱い場合は、断熱・弾性体を磁力線通過するように配置しても差し支えない。
用いられうる熱スイッチ部および永久磁石の種類、サイズおよび形状等は特に限定されず、所望の冷暖房装置に応じて公知のものが適宜選択されうる。磁気冷暖房装置に適用されうるその他の部材等、たとえば、磁気冷凍機構によって生じた冷房効果を取り出す低温側熱交換器、磁気冷凍機構によって生じた暖房効果を取り出す高温側熱交換器、および磁気冷暖房装置を制御する制御部、磁気冷暖房装置を作動させるモータ等についても、所望の冷暖房装置に応じて、当業者により適宜選択されうる。
[第4の実施形態:渦電流防止部材入りの実施形態]
第4の実施形態は、磁場の印加時に発生する渦電流損を低減させるために、電流防止部材を挿入した形態である。
図6は、本形態の磁性構造体を説明するための説明図であり、(a)は要部を示す斜視図、(b)は磁気冷暖房装置として構成した場合に印加される磁場の磁力線との関係を説明する断面図である。また、図7は本形態を説明するために、高熱伝導部材と渦電流防止部材のみを抜き出して描いた斜視図である。
本形態の磁性構造体1は、基本的には第1実施形態同様に、板状の磁気熱量材料7と、同じく板状の高熱伝導部材9が積層されている。積層方向は、磁気冷暖房装置として構成した場合に印加される磁場の磁力線(以下単に磁力線という)の方向となっている。すなわち、磁気熱量材料7も高熱伝導部材9も磁力線を横切る方向に配置されているのである。
そして本形態では、さらに渦電流防止部材41を挿入している。図示した構造においては、渦電流防止部材41は、磁力線(図中矢印S)と平行な方向に複数配置されていて、板状の磁気熱量材料7および高熱伝導部材9を分断している。
渦電流防止部材41の役割は、板状の磁気熱量材料7および高熱伝導部材9を磁力線が通ることで発生する渦電流を防止または抑制することにある。渦電流は、周知のように、導電性のある部材を磁力線が通ることで、磁力線が横切る方向を軸として渦巻き状に発生する電流である。このような渦電流が発生するとその電流によって導電性部材の抵抗により発熱が起こり、これが渦電流損となる。磁性構造体では、磁気熱量材料7および高熱伝導部材9は共に導電性のある部材であるため、渦電流によって発熱が起こる。すると、磁気熱量材料7が磁場の印加により冷却(吸熱)されても、この渦電流損の発熱によって十分な冷却効果が得られなくなるおそれがある。
そこで、本形態は、図示したように、渦電流防止部材41を磁力線と平行な方向に複数配置して板状の磁気熱量材料7および高熱伝導部材9を分断することで、この渦電流が流れないようにしているのである。
渦電流を流れなくするためには、渦電流防止部材41は、少なくとも高熱伝導部材9の電気伝導率よりも低い電気伝導率である必要がある。
ここで高熱伝導部材として用いられる材料の具体例として前述した材料の電気伝導率は、アルミニウム(Al単体)が37.4×10(ジーメンス/m)(0℃)、銅が59.0×10(ジーメンス/m)(0℃)、カーボンナノチューブが7.5×10(ジーメンス/m)(0℃)である。
したがって、渦電流防止部材41は、これら高熱伝導部材よりも電気伝導率が低い材料を使用することで、渦電流の発生を防止または抑制することがでる。電気伝導率が低い材料としては、好ましくは、1.0×10(ジーメンス/m)(0℃)程度未満の材料である。
ここで渦電流防止部材41は、熱の伝導される方向(第1面から第2面(またはこの逆))を分断するように配置されている。このため渦電流防止部材41として、仮に熱伝導率の低い材料を用いると、せっかく高熱伝導部材を入れたにもかかわらず、磁性構造体内の熱伝導が悪くなってしまう。
そこで、渦電流防止部材41においても、熱伝導率が少なくとも磁気熱量材料よりも高い材料を用いる。
つまり、渦電流防止部材41は、熱伝導率が磁気熱量材料よりも高く、かつ電気伝導率が高熱伝導部材よりも低い材料を用いるのである。
具体的には、たとえばダイヤモンドライクカーボンが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンは、その構造や密度により若干異なるものの、たとえば電気伝導率は10−12(ジーメンス/m)、熱伝導率は200〜700(W/(m・K))である。
また、そのほかには熱伝導性セラミックを用いることができる。熱伝導性セラミックの具体例としては、たとえば窒化ケイ素セラミックスがある。この電気伝導率は3.0×10−11(ジーメンス/m)、熱伝導率は200(W/(m・K))である。
(第4の実施形態の変形例)
図8および図9は、渦電流防止部材の挿入形態の異なる例を説明するための斜視図である。この図8および図9も高熱伝導部材と渦電流防止部材のみを抜き出して描いた斜視図である。
たとえば図8に示すように、積層した高熱伝導部材を一層おきに分離した形態である。また図9に示すように、積層した高熱伝導部材の全てを分離した形態である。
このように、高熱伝導部材9を、一層おきに、または全て分断した形態とすることで、渦電流防止部材の挿入とあいまって、いっそう渦電流の発生を防止または抑制することができる。
このような形態とした場合の熱伝導は、すでに説明したとおり、渦電流防止部材41も高熱伝導の材料を用いているため、高熱伝導部材9を伝わった熱は渦電流防止部材41を伝わり、再び高熱伝導部材9を伝わって、最終的に第1面41aから第2面41b、またはその逆に伝導されることになる。
(渦電流損の見積もり計算)
ここで、下記式を使って渦電流損を計算した結果を説明する。
Pe=(π/6)・Bm・f・T・σ
式中、Pe:渦電流損、Bm:最大磁束密度、f:振動数、T:板厚、σ:電気伝導率である。
また、計算にあたっては下記の磁気冷暖房装置を想定した。
冷暖房性能:6KW、2リットル
磁気熱量材料(MCM):Gd
Gd(MCM)の厚み:1mm
Gdの物性として、比熱:0.071(cal/g・K)、電気伝導率:0.736×10(ジーメンス/m)
Gd使用量:5.26Kg
磁場印加振動数:50Hz
磁場の強さ:1.5T
(計算結果)
渦電流によるMCM(Gd)の発熱量(s):4.38W、1分間の温度上昇率:0.17度、1時間後で10度上昇する。
ここで、低電気伝導性材料からなる渦電流防止部材を挿入し、Gd(MCM)の使用量は同じで、分断されたGd(MCM)の厚みを1/10にすると、渦電流による発熱量は0.0438Wにできる。したがって、1時間後でもGd(MCM)の温度上昇は0.1度の温度上昇で済む。
さらに、磁気冷暖房装置として、磁気冷暖房運転開始時は、室温(25℃)から低温端において−5℃まで冷やせる装置を想定した。すなわち、25℃の空気と熱交換の開始時は、空気と低温端では30℃の温度差を確保できる装置である。
図10は、このような磁気冷暖房性能を想定した磁気冷暖房装置における低温端の温度変化を示すグラフである。
上記の計算結果から、渦電流防止部材を挿入しない場合(図10中「実施例1」)は、1時間経過後は、低温端の温度は5℃になる。そうすると空気と低温端では20℃の温度差になり、冷房能力が30%以上低下することになる。
一方、渦電流防止部材を挿入した場合(図10中「実施例2」)、冷暖房能力の低下は、ほぼゼロにすることができる。したがって、渦電流の発生を防止または抑制することで、この様な対策を行わない場合と比較して冷暖房能力が、50%向上する。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、渦電流防止部材によって、特に高熱伝導部材に発生する渦電流を防止または抑制して、渦電流損による不要な発熱を防止または抑制することができる。特に、本形態では、板状の磁気熱量材料および高熱伝導部材の両方を渦電流防止部材によって分断したことで、これら両方に発生する渦電流を防止または抑制することができる。
なお、ここでは、板状の磁気熱量材料および高熱伝導部材を積層した形態を例示して説明したが、第2の実施形態や第3の実施形態においても、同様に渦電流防止部材を磁力線と平行な方向となるように配置することで、同様の効果を得ることができる。
[他の冷暖房装置]
すでに説明した実施形態では、磁性構造体同士の間、および磁性構造体と熱交換器(低温側熱交換部および高温側熱交換部。以下同様)の間に配置される熱スイッチ部3aおよび3bは、それらの間を挿脱することで、それらの間の熱の伝導と遮断を切り替えている。すなわち、熱スイッチ部自身を移動させている。
ここでは熱スイッチ部の他の形態として、熱スイッチ部自身を移動(挿脱)させなくても、それらの間の熱伝導を行いうる熱スイッチ部を用いた磁気冷暖房装置について説明する。
<熱スイッチ部の他の形態1>
図11は、熱スイッチ部の他の形態1を説明するための説明図である。
図示した磁気冷暖房装置においては、低温側熱交換部40Aと磁性構造体10Aとの間に熱スイッチ部30Aを、磁性構造体10Aと磁性構造体10Bの間に熱伝導部30Bを配置している。ここで熱スイッチ部30Aと30Bは、熱スイッチ部の他の形態1としての熱スイッチ部であり、構造、機能は同じものである。また、磁性構造体10Aと磁性構造体10Bは、すでに説明した各実施形態による磁性構造体のいずれかを用いている。また、図示しないが、他の磁性構造体同士の間、および磁性構造体と高温側熱交換部との間にも、ここで説明する熱スイッチ部30Aおよび30Bが配置されることになる。
図11に示すように、磁性構造体10Aの対向する両面に熱スイッチ部30Aと30Bが配置されている。熱スイッチ部30A、30Bは、磁性構造体10Aの対向する両面に接合又は接着によって一体化する。磁性構造体10Aの両隣には低温側熱交換部40Aと磁性構造体10Bが存在する。熱伝導部30Aは低温側熱交換部40Aと磁性構造体10Aに接合又は接着され、熱スイッチ部30Bは磁性構造体10Aと磁性構造体10Bに接合又は接着される。したがって、低温側熱交換部40A、熱スイッチ部30A、磁性構造体10A、熱スイッチ部30B、磁性構造体10Bは一体化する。
(熱スイッチ部の動作)
熱スイッチ部30Aと30Bは、9テスラ程度の磁気が印加されると、印加される前よりも熱伝導率が大きくなる。熱伝導率の大きさの変化は、100倍から3000倍の範囲である。したがって、熱スイッチ部30Aと30Bは、磁気が印加されなければ熱伝導率は極めて小さくなり、接続されている低温側熱交換部40A、磁性構造体10A、磁性構造体10Bの間では熱を伝導しない。一方、熱スイッチ部30Aと30Bは、磁気が印加されると熱伝導率は極めて大きくなり、接続されている低温側熱交換部40A、磁性構造体10A、磁性構造体10Bの間で熱が伝導する。
図11に示すように、熱スイッチ部30Aと30Bは、磁気の印加、除去によって絶縁体、金属に相転移する転移体を含む。転移体は、少なくとも1種類以上の電荷整列絶縁体を含む。したがって、転移体に磁気を印加すると金属に相転移して熱伝導率が相対的に大きくなる。また、転移体から磁気を除去すると絶縁体に相転移して熱伝導率が相対的に小さくなる。
図11の場合、熱スイッチ部30Aには磁気が印加されていないので、熱スイッチ部30Aは絶縁体としての性質を持ち、伝導電子が流れ難くなって、低温側熱交換部40Aと磁性構造体10Aとの間では熱が伝導しない。一方、熱スイッチ部30Bには、永久磁石21BH、26BHによって磁気が印加されているので、熱スイッチ部30Bは金属としての性質を持ち、伝導電子が流れやすくなって、磁性構造体10Aと磁性構造体10Bとの間で熱が伝導する。一般的に固体の熱伝導は、フォノン及び伝導電子が担っていることが知られている。本実施形態では、伝導電子の流れを磁気によって制御する。
磁気を印加することで絶縁体から金属に相転移するメカニズムを解明する研究の結果によれば、次のような報告がなされた。
遷移金属の酸化物の中には、大量の電子が存在し電子間の相関が強い物質であるために、電子同士が反発し合い局在化した、電荷整列絶縁体という絶縁体が多く存在している。電荷整列絶縁体では、電子のスピンや軌道など、電荷以外の電子の持つ性質(自由度)に直接作用する外場が、電荷整列絶縁体という絶縁体を金属に相変化させる。特に、磁気が電子のスピンに作用すると、局在している大量の電子を雪崩のように動かし、絶縁体を金属に相変化させる。報告によると、ネオジウムストロンチウムマンガン酸化物を用いた場合、温度10K(−236℃)2.4テスラの磁気では電気抵抗率が500Ωmと高い絶縁体状態であったが、9テスラの磁気では電気抵抗率が0.2Ωmと4桁ほど減少したことが示された。本実施形態の熱スイッチ部はこの現象を積極的に利用して、磁気冷暖房装置を構成している。なお、本実施形態では、磁気を印加すると金属化する電荷整列絶縁体として、Gd0.55Sr0.45MnO、Pr0.5Ca0.5MnOを用いる。
このように、熱スイッチ部を、電荷整列絶縁体を含む転移体で形成すると、磁気の印加、除去によって、熱伝導率の大きさを大きく変えることができ、熱スイッチとして機能させることができる。磁気の印加、除去によって熱伝導率が変化する熱スイッチ部30A、30Bを用いると、隣接する磁性体との熱伝導を、磁気の印加、除去だけで断続させることができる。したがって、熱スイッチ部自身を移動させて、熱交換器と磁性構造体の間、磁性構造体同士の間を挿脱させる必要がなくなるため、熱スイッチ部の耐久性が向上し、同時に信頼性も向上する。
たとえば磁気冷暖房装置を車載するためには小型化が要求されるが、小型化するためには磁気冷暖房装置の高周波化が必要である。高周波化するためには、磁性体間の熱伝導を高速(例えば0.1秒程度)で行う必要がある。本実施形態の熱スイッチ部30A、30Bを用いれば、磁気を印加する周期を短くすることで容易に高周波化できる。
<熱スイッチ部の他の形態2>
図12は熱スイッチ部の他の形態2を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態2に係る熱スイッチ部130は、磁性構造体10Aと10Bに取り付ける電極31A、31Bと、電極31A、31Bの間に取り付ける金属/絶縁相転移体32とによって構成される。電極31Aの一方の面は磁性構造体10Aの一方の面に接合又は接着によって取り付ける。電極31Bの一方の面は磁性構造体10Bの一方の面に接合又は接着によって取り付ける。同様に、金属/絶縁相転移体32の両面は電極31Aと電極31Bの他方の面に接合又は接着によって取り付ける。したがって、磁性構造体10A、熱スイッチ部130、磁性構造体10Bは一体化される。図示はしていないが、冷暖房装置を構成する他の磁性構造体と熱スイッチ部も上記のように接合又は接着によって一体化される。また、磁性構造体と熱交換器の間に配置される熱スイッチ部も上記のように接合又は接着によって一体化される(以下、他の形態についても同様である)。
電極31A、31Bは導電性の良好なアルミニウムや銅などの金属(金属単体または合金でもよい)を用いる。磁性構造体10A、10Bの間では電極31Aと31Bを介して熱が伝導するので、電極31Aと31Bは熱伝導率のより大きい金属を用いることが好ましい。
電極31A、31Bを磁性構造体10A、10B及び金属/絶縁相転移体32に接着する接着剤は、熱伝導率の大きいものを用いる。例えば、接着剤に金属粉を接着性が妨げられない程度に混ぜ込んだ熱伝導性を改善した接着剤を用いる。
金属/絶縁相転移体32は、電圧を印加すると絶縁体から金属に相転移し、熱伝導率が大きくなり、逆に、電圧を遮断すると金属から絶縁体に相転移し、熱伝導率が小さくなる性質を持つものである。金属と絶縁体の相互間の相転移を示す絶縁体は、無機酸化物モット絶縁体または有機モット絶縁体がある。無機酸化物モット絶縁体は少なくとも遷移金属元素を含む。モット絶縁体としては、LaTiO、SrRuO、BEDT−TTF(TCNQ)が知られている。金属と絶縁体の相互間の相転移が可能なデバイスとして現在知られているものは、ZnO単結晶薄膜電気二重層FET、TMTSF/TCNQ積層型FET素子がある。熱は、熱電子および格子結晶によって移送することができる。ZnO単結晶薄膜電気二重層FET及びTMTSF/TCNQ積層型FET素子は、電圧を印加すると熱電子が活発に移動するようになる性質を利用する。ここでは、金属/絶縁相転移体32に、少なくとも遷移金属元素を含む無機酸化物モット絶縁体、有機モット絶縁体、ZnO単結晶薄膜電気二重層FET、TMTSF/TCNQ積層型FET素子など、電圧の印加除去によって熱伝導率が大きく変化するものを用いる。
図12に示すように、電極31Aと31Bとの間に直流電圧Vを印加すると、金属/絶縁相転移体32の熱伝導率が相対的に大きくなって、磁性構造体10Aと10Bとの間で熱の移動が起こる。一方、電極31Aと31Bとの間の直流電圧Vを除去すると、金属/絶縁相転移体32の熱伝導率が相対的に小さくなって、磁性構造体10Aと10Bとの間の熱の移動が阻止される。したがって、熱スイッチ部130は、電圧の印加、除去によって熱の移動を制御する熱スイッチとなる。
熱スイッチ部30A−30Gの熱伝導の断続は、電圧の印加、除去によって制御できるので、磁性体間に熱スイッチ部を摺動させずに熱を輸送させることができる。このため、熱スイッチ部に摺動の耐久性を持たせる必要がなく、熱スイッチ部の信頼性が向上する。また、摩擦による機械的な損失をなくすことができ、熱スイッチ部を駆動させるための損失を低減できる。さらに、熱スイッチ部は磁性体との並び方向にのみ熱を輸送でき、熱スイッチ部の熱伝導率は摺動型のものに比較して大きくできるので、熱の輸送に際して熱的な損失が小さくできる。加えて、熱スイッチ部は、電圧の印加、除去に応じて、磁性体間を全ての接触面を使って接続できるので、熱輸送能力及び熱輸送効率を向上させることができる。
熱スイッチ部130の熱伝導の断続は、電極31Aと31Bに電圧を印加、除去することによってできる。電極31Aと31Bを設けることで、金属/絶縁相転移体32に容易に電圧を印加することができる。また、金属/絶縁相転移体32に、少なくとも遷移金属元素を含む無機酸化物モット絶縁体、有機モット絶縁体、ZnO単結晶薄膜電気二重層FET、TMTSF/TCNQ積層型FET素子を用いると、熱伝導率の変化の応答性が良好になる。
<熱スイッチ部の他の形態3>
図13は熱スイッチ部の他の形態3を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態3に係る熱スイッチ部130は、熱スイッチ部の他の形態2で説明した熱スイッチ部130(図12)に、さらに補助電極33A、33Bを追加している。その他の構成及び動作は熱スイッチ部の他の形態2と同様である。
補助電極33Aと33Bは、金属/絶縁相転移体32に接合または接着によって取り付ける。補助電極33Aと33Bは熱伝導性を考慮しなくても良い。また補助電極33Aと33Bを金属/絶縁相転移体32に接着する接着剤も熱伝導性を考慮しなくても良い。補助電極33Aと33Bと接着剤には、熱電子が通過しないからである。
補助電極33Aと33Bは、電極31Aと31Bに対して、直交方向に電圧を印加する。補助電極33Aと33Bとの間に直流電圧を印加すると、金属/絶縁相転移体32内の電子の分布が補助電極33Aと33Bの方向に偏る。このため、磁性構造体10Aと10Bとの間を移動する熱電子の抵抗が減少し、熱電子が移動しやすくなる。つまり、補助電極33Aと33Bを設けることで、金属/絶縁相転移体32の熱伝導率をより大きくすることができる。
<熱スイッチ部の他の形態4>
図14は熱スイッチ部の他の形態4を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態4に係る熱スイッチ部130は、電極31Aと31Bを、金属/絶縁相転移体32と磁性構造体10A、10Bとの間には設けずに、金属/絶縁相転移体32内を移動する熱電子の移動方向に対して直交する方向から電圧が印加できるように設ける。その他の構成及び動作は熱スイッチ部の他の形態2と同様である。
したがって、金属/絶縁相転移体32は、磁性構造体10Aと10Bに直接取り付ける。金属/絶縁相転移体32と磁性構造体10A、10Bとは、接合または接着剤で取り付ける。このときに用いる接着剤は、熱伝導性の大きいものを用いる。
電極31Aと31Bは、金属/絶縁相転移体32に接合または接着によって取り付ける。電極31Aと31Bは熱伝導性を考慮しなくても良い。また電極31Aと31Bを金属/絶縁相転移体32に接着する接着剤も熱伝導性を考慮しなくても良い。電極31Aと31Bと接着剤には、熱電子が通過しないからである。
電極31Aと31Bは、金属/絶縁相転移体32内を移動する熱電子の移動方向に対して、直交方向に電圧を印加する。電極31Aと31Bとの間に直流電圧を印加すると、金属/絶縁相転移体32内の電子の分布が電極31Aと31Bの方向に偏って相転移する。このため、磁性構造体10Aと10Bとの間を移動する熱電子の抵抗が減少し、熱電子が移動しやすくなる。
熱スイッチ部の他の形態2、3の場合には、熱電子の通過方向に電極31A、31Bが存在するので、熱電子にとっては電極31A、31Bが障害物となる。このため、電極31A、31Bの存在は熱伝導率を小さくする方向に働く。熱スイッチ部の他の形態4の場合には、金属/絶縁相転移体32を磁性構造体10Aと10Bに直接取り付けるので、電極31A、31Bの存在は熱伝導率を下げる方向には働かない。したがって、本実施形態に係る熱スイッチ部30の熱伝導率は、熱スイッチ部の他の形態2、3の場合と比較して、大きくなる。
<熱スイッチ部の他の形態5>
図15は熱スイッチ部の他の形態5を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態5に係る熱スイッチ部130は、金属/絶縁相転移体(32)を磁性構造体10Aと10Bに直接取り付け、磁性構造体10Aと10Bに直流電圧を印加できるようにしたものである。金属/絶縁相転移体と磁性構造体10A、10Bとは接合または接着剤で取り付ける。接着剤は熱伝導率の大きいものを用いる。その他の構成及び動作は熱スイッチ部の他の形態2と同様である。
磁性構造体10Aと10Bを電極の代わりに用いると、構造が単純化され、また、部品点数の減少と製造工程の簡略化が図れる。また、熱スイッチ部の他の形態4の場合と同様に、熱スイッチ部30の熱伝導率は、熱スイッチ部の他の形態2、3の場合と比較して、大きくなる。
<熱スイッチ部の他の形態6>
図16は熱スイッチ部の他の形態6を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態6は、熱スイッチ部130に絶縁体34を追加している。具体的には、図16に示すように、熱電子の移動を妨げる絶縁体34を電極31Aと金属/絶縁相転移体32との間に設けている。図16では、図12の構成に絶縁体34を追加しているが、図13〜15の構成に対して絶縁体34を追加しても良い。その他の構成及び動作は熱スイッチ部の他の形態2と同様である。
絶縁体34は、熱電子以外の電子の移動を阻止するために設ける。電極31Aと31Bとの間に直流電圧を印加すると、電極31Aと31Bとの間に電流が流れるが、本来移動してほしい熱電子に加え、熱輸送に関与しない電子を過剰に移動させてしまう可能性がある。この熱輸送に関与しない電子の過剰の移動を防ぐために、絶縁体34を金属/絶縁相転移体32に取り付けることによって、金属/絶縁相転移体32の熱伝導率の低下を防止できる。
<熱スイッチ部の他の形態7>
図17は熱スイッチ部の他の形態7を説明するための説明図である。
熱スイッチ部の他の形態7は、熱スイッチ部の他の形態4に係る図14の熱スイッチ部130に分極体35を追加している。具体的には、電極31Aと金属/絶縁相転移体32との間に熱電子の移動を促す分極体35を配置する。分極体35は、誘電体及びイオン性液体のうちの少なくとも1種類以上から形成する。その他の構成及び動作は熱スイッチ部の他の形態4と同様である。
分極体35は、金属/絶縁相転移体32内を移動する電子を取り出したり、金属/絶縁相転移体32内に電子を注入したりする。このため、金属/絶縁相転移体32内の電子の分布状態が変化して、熱電子が流れやすくなる。分極体35を配置することで、金属/絶縁相転移体32の熱伝導率をより大きくすることができる。
熱スイッチ部の他の形態2〜7のように、電圧の印加、除去によって熱伝導率が変化する熱スイッチ部130を用いると、隣接する磁性体との熱伝導を、電圧の印加、除去だけで断続させることができる。したがって、熱スイッチ部自身を移動させて、熱交換器と磁性構造体の間、磁性構造体同士の間を挿脱させる必要がなくなるため、熱スイッチ部の耐久性が向上し、同時に信頼性も向上する。
たとえば磁気冷暖房装置を車載するためには小型化が要求され、小型化するためには磁気冷暖房装置の高周波化が必要である。高周波化するためには、磁性体間の熱伝導を高速(例えば0.1秒程度)で行う必要がある。本実施形態の熱スイッチ部130は、電圧をON、OFFする周期を短くすることで高周波化できる。
以上、本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に既定した構成を有するものであれば、ここに説明した以外の構成が付加されまたは一部が存在しない構成などであってもよく、さまざまな形態が本発明に含まれることはいうまでもない。
1、10A、10B 磁性構造体、
3a、3b、30A、30B、130 熱スイッチ部、
5 筐体、
7 磁気熱量材料、
9 高熱伝導部材、
11 高熱伝導壁、
13 断熱・弾性体、
15 接合剤、
41 渦電流防止部材。

Claims (12)

  1. 磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、
    前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、を有し、
    前記高熱伝導部材がハニカム構造を有し、前記ハニカム構造の孔の内部に前記磁気熱量材料が充填された構造を有することを特徴とする磁性構造体。
  2. 磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、
    前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、を有し、
    前記高熱伝導部材が多孔体構造を有し、前記多孔体構造の孔の内部に前記磁気熱量材料が充填された構造を有することを特徴とする磁性構造体。
  3. 磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、
    前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、
    前記磁場の印加による磁力線の方向と平行に配置された渦電流防止部材と、を有し、
    前記渦電流防止部材は、前記高熱伝導部材よりも電気伝導率が低く、かつ前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする磁性構造体。
  4. 前記渦電流防止部材は、ダイヤモンドライクカーボン、または熱伝導性セラミックスであることを特徴とする請求項に記載の磁性構造体。
  5. 磁性構造体自身が多面体構造よりなり、磁性構造体自身の外表面のうち他の部材に熱を伝導する面以外の面が、筐体で被覆されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の磁性構造体。
  6. 磁性構造体自身の外表面のうち他の部材に熱を伝導する面以外の面の一部が、断熱材により覆われていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の磁性構造体。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の複数の磁性構造体
    記磁性構造体同士の間に配置されていて熱の伝導および遮断を行う熱スイッチ部と、
    前記複数の前記磁性構造体のそれぞれに磁場の印加、除去を行う磁場増減部と、
    を有することを特徴とする磁気冷暖房装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の複数の磁性構造体
    記磁性構造体同士の間に配置されていて熱の伝導および遮断を行う熱スイッチ部と、
    前記複数の前記磁性構造体のそれぞれに磁場の印加、除去を行う磁場増減部と、
    を有し、
    前記磁場増減部は、前記磁場増減部の磁力線が前記磁性構造体に設けられている断熱材を通過しない位置に配置されていることを特徴とする磁気冷暖房装置。
  9. 磁場の印加および除去によって温度変化が生じる磁気熱量材料と、
    前記磁気熱量材料と接し、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導部材と、
    を有する磁性構造体であって、
    前記磁性構造体は、他の部材に熱を伝導する第1の外表面と、前記第1の外表面に対向する第2の外表面とを有する多面体構造であり、
    前記高熱伝導部材は、前記第1の外表面と第2の外表面との間に連通しており、
    前記磁気熱量材料および前記高熱伝導部材が平板構造を有して交互に積層されていることを特徴とする磁性構造体。
  10. 前記第1の外表面および第2の外表面の少なくともいずれか一方が、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い高熱伝導壁によって構成され、
    前記高熱伝導部材の熱を伝導する方向の端部が、前記高熱伝導壁に接していることを特徴とする請求項9に記載の磁性構造体。
  11. 前記磁場の印加による磁力線の方向と平行に配置された渦電流防止部材をさらに有し、
    前記渦電流防止部材は、前記高熱伝導部材よりも電気伝導率が低く、かつ、前記磁気熱量材料より熱伝導率の高い材料により形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の磁性構造体。
  12. 前記磁気熱量材料、前記高熱伝導部材および前記高熱伝導壁からなる群から選択される少なくとも2つの部材間が接合剤を介して接合されていることを特徴とする請求項10に記載の磁性構造体。
JP2012172154A 2011-09-14 2012-08-02 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置 Active JP5966740B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012172154A JP5966740B2 (ja) 2011-09-14 2012-08-02 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置
EP12831129.7A EP2762801B1 (en) 2011-09-14 2012-09-07 Magnetic structure
PCT/JP2012/072861 WO2013038996A1 (ja) 2011-09-14 2012-09-07 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置
US14/344,081 US9810454B2 (en) 2011-09-14 2012-09-07 Magnetic structure and magnetic air-conditioning and heating device using same
CN201280043740.2A CN103782116B (zh) 2011-09-14 2012-09-07 磁性构造体及使用其的磁制冷制热装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011201093 2011-09-14
JP2011201093 2011-09-14
JP2012143425 2012-06-26
JP2012143425 2012-06-26
JP2012172154A JP5966740B2 (ja) 2011-09-14 2012-08-02 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014029251A JP2014029251A (ja) 2014-02-13
JP5966740B2 true JP5966740B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=47883227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012172154A Active JP5966740B2 (ja) 2011-09-14 2012-08-02 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9810454B2 (ja)
EP (1) EP2762801B1 (ja)
JP (1) JP5966740B2 (ja)
CN (1) CN103782116B (ja)
WO (1) WO2013038996A1 (ja)

Families Citing this family (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014010476B3 (de) * 2014-07-15 2015-12-24 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Klimatisierungseinrichtung mit zumindest einem Wärmerohr, insbesondere Thermosiphon
JP2016023839A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 日産自動車株式会社 冷暖房装置
CN104409190B (zh) * 2014-11-28 2017-01-04 华南理工大学 一种用于室温磁制冷机的高效磁场结构
JP7218988B2 (ja) 2015-06-19 2023-02-07 マグネート ベー.フェー. パックスクリーン型磁気熱量素子
CN105118594A (zh) * 2015-08-27 2015-12-02 安徽大地熊新材料股份有限公司 高热导率的稀土铁系R-Fe-B 磁体及其制备方法
FR3041086A1 (fr) * 2015-09-11 2017-03-17 Cooltech Applications Procede de fabrication d'un element magnetocalorique monobloc, element magnetocalorique obtenu et appareil thermique comportant au moins un tel element magnetocalorique
DE102015119103A1 (de) * 2015-11-06 2017-05-11 Technische Universität Darmstadt Verfahren zum Herstellen eines magnetokalorischen Verbundmaterials und Verbundmaterial mit einem magnetokalorischen Pulver
US10541070B2 (en) 2016-04-25 2020-01-21 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Method for forming a bed of stabilized magneto-caloric material
US10299655B2 (en) 2016-05-16 2019-05-28 General Electric Company Caloric heat pump dishwasher appliance
US10295227B2 (en) 2016-07-19 2019-05-21 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US10047980B2 (en) 2016-07-19 2018-08-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10047979B2 (en) 2016-07-19 2018-08-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10222101B2 (en) 2016-07-19 2019-03-05 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10274231B2 (en) 2016-07-19 2019-04-30 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US10281177B2 (en) 2016-07-19 2019-05-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US10443585B2 (en) 2016-08-26 2019-10-15 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Pump for a heat pump system
US10451321B2 (en) * 2016-09-02 2019-10-22 General Engineering & Research, L.L.C. Solid state cooling device
CN106382763B (zh) * 2016-09-09 2019-04-23 南京大学 基于热开关的全固态室温铁电制冷机
US10288326B2 (en) 2016-12-06 2019-05-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Conduction heat pump
US10386096B2 (en) 2016-12-06 2019-08-20 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magnet assembly for a magneto-caloric heat pump
DE102016224923A1 (de) 2016-12-14 2018-06-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Kühlvorrichtung, Verwendung einer solchen Kühlvorrichtung für eine mobile Anwendung und Verfahren zum Betreiben einer solchen Kühlvorrichtung
DE102016224925B4 (de) 2016-12-14 2024-01-04 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Klimatisierungseinrichtung für ein Fahrzeug
DE102016224922A1 (de) 2016-12-14 2018-06-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Klimatisierungseinrichtung für ein Fahrzeug und Verfahren zum Betreiben einer solchen Klimatisierungseinrichtung
CN108463677A (zh) * 2016-12-19 2018-08-28 株式会社藤仓 热交换器以及磁热泵装置
US10527325B2 (en) 2017-03-28 2020-01-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance
US11009282B2 (en) 2017-03-28 2021-05-18 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10451320B2 (en) 2017-05-25 2019-10-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with water condensing features
CN106996250A (zh) * 2017-06-12 2017-08-01 安徽灵感科技有限公司 一种新型多功能锌合金门
US10451322B2 (en) 2017-07-19 2019-10-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10422555B2 (en) 2017-07-19 2019-09-24 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10520229B2 (en) 2017-11-14 2019-12-31 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump for an appliance
US11022348B2 (en) 2017-12-12 2021-06-01 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump for an appliance
US10830506B2 (en) 2018-04-18 2020-11-10 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Variable speed magneto-caloric thermal diode assembly
US10782051B2 (en) 2018-04-18 2020-09-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10648705B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10648704B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10641539B2 (en) 2018-04-18 2020-05-05 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10551095B2 (en) 2018-04-18 2020-02-04 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10557649B2 (en) 2018-04-18 2020-02-11 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Variable temperature magneto-caloric thermal diode assembly
US10648706B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with an axially pinned magneto-caloric cylinder
US10876770B2 (en) 2018-04-18 2020-12-29 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Method for operating an elasto-caloric heat pump with variable pre-strain
US10989449B2 (en) 2018-05-10 2021-04-27 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with radial supports
US11015842B2 (en) 2018-05-10 2021-05-25 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with radial polarity alignment
US11054176B2 (en) 2018-05-10 2021-07-06 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a modular magnet system
US11092364B2 (en) 2018-07-17 2021-08-17 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a heat transfer fluid circuit
US10684044B2 (en) 2018-07-17 2020-06-16 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a rotating heat exchanger
CN109442796B (zh) * 2018-09-21 2020-06-09 横店集团东磁股份有限公司 磁制冷机用填充床
FR3090830B1 (fr) * 2018-12-20 2022-03-11 Commissariat Energie Atomique Dispositif de refroidissement comprenant une ceramique de grenat paramagnetique
US11168926B2 (en) 2019-01-08 2021-11-09 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Leveraged mechano-caloric heat pump
US11193697B2 (en) 2019-01-08 2021-12-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Fan speed control method for caloric heat pump systems
US11149994B2 (en) 2019-01-08 2021-10-19 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Uneven flow valve for a caloric regenerator
US11274860B2 (en) 2019-01-08 2022-03-15 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Mechano-caloric stage with inner and outer sleeves
US11112146B2 (en) 2019-02-12 2021-09-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Heat pump and cascaded caloric regenerator assembly
CN110056684B (zh) * 2019-04-24 2021-04-16 宿迁海沁节能科技有限公司 一种阻断半导体热电制冷热量与冷量回流的阀门
US11015843B2 (en) 2019-05-29 2021-05-25 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump hydraulic system
CN111174459B (zh) * 2020-01-13 2021-05-14 华南理工大学 一种微元回热系统
KR20230060734A (ko) * 2021-10-28 2023-05-08 한국재료연구원 자기냉각용 복합체 및 이를 포함하는 amr용 베드
CN114919871B (zh) * 2022-03-31 2023-04-18 安徽邮谷快递智能科技有限公司 快递物流冷链共配箱及物流配送方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59219670A (ja) * 1983-05-27 1984-12-11 株式会社東芝 低磁場型磁気冷凍機
US7621046B2 (en) 2002-07-01 2009-11-24 Nanjing University Moulding process of composite material including high-thermal conductor and room-temperature magnetic refrigerant
JP4557874B2 (ja) 2005-11-30 2010-10-06 株式会社東芝 磁気冷凍機
KR100684521B1 (ko) * 2005-12-21 2007-02-20 주식회사 대우일렉트로닉스 자기냉동기
JP4921891B2 (ja) * 2006-08-24 2012-04-25 中部電力株式会社 磁気冷凍装置
JP4649389B2 (ja) * 2006-09-28 2011-03-09 株式会社東芝 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍方法
KR101088535B1 (ko) 2007-02-12 2011-12-05 바쿰슈멜체 게엠베하 운트 코. 카게 자기 열교환용 물품 및 그 제조 방법
DE112007003401T5 (de) 2007-12-27 2010-01-07 Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg Verbundgegenstand mit magnetokalorisch aktivem Material und Verfahren zu seiner Herstellung
WO2009138822A1 (en) * 2008-05-16 2009-11-19 Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg Article for magnetic heat exchange and methods for manufacturing an article for magnetic heat exchange
FR2937466B1 (fr) * 2008-10-16 2010-11-19 Cooltech Applications Generateur thermique magnetocalorique
US20110048031A1 (en) * 2009-08-28 2011-03-03 General Electric Company Magneto-caloric regenerator system and method
TWI403682B (zh) 2009-09-17 2013-08-01 Delta Electronics Inc 磁製冷結構
US20110154832A1 (en) * 2009-12-29 2011-06-30 General Electric Company Composition and method for producing the same
US8375727B2 (en) * 2010-06-11 2013-02-19 Chun Shig SOHN Cooling device
JP5060602B2 (ja) * 2010-08-05 2012-10-31 株式会社東芝 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013038996A1 (ja) 2013-03-21
US20140338365A1 (en) 2014-11-20
US9810454B2 (en) 2017-11-07
EP2762801A4 (en) 2015-06-10
EP2762801A1 (en) 2014-08-06
CN103782116A (zh) 2014-05-07
EP2762801B1 (en) 2019-04-17
JP2014029251A (ja) 2014-02-13
CN103782116B (zh) 2016-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5966740B2 (ja) 磁性構造体およびこれを用いた磁気冷暖房装置
JP6000814B2 (ja) 磁気冷凍デバイス及び磁気冷凍システム
JP4649389B2 (ja) 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍方法
TWI453365B (zh) 磁製冷裝置及其磁熱模組
US20130255279A1 (en) Magnetic refrigeration device and magnetic refrigeration system
EP3027980B1 (en) Method for electrocaloric energy conversion
JP5807723B2 (ja) 磁気冷暖房装置
JP2008082663A (ja) 磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍方法
JP2015031472A (ja) 磁気冷暖房装置
Wu et al. A novel cascade micro-unit regeneration cycle for solid state magnetic refrigeration
JP2014095535A (ja) 磁気冷暖房装置
CN112789455B (zh) 磁冷冻系统
WO2012056577A1 (ja) 熱交換器および磁気冷凍システム
JP6960492B2 (ja) エネルギー変換素子およびこれを用いた温度調節装置
CN112066591A (zh) 热电磁复合制冷系统
JP5665005B2 (ja) 磁気冷暖房装置
US20200348055A1 (en) Magnetocaloric refrigerator or heat pump comprising an externally activatable thermal switch
JP2016023878A (ja) 冷暖房装置
CN113494785B (zh) 一种全固态磁制冷器件及其使用方法和应用
JP7037688B1 (ja) エネルギー変換素子およびこれを用いた温度調節装置
JP2016151393A (ja) 熱交換器及び磁気ヒートポンプ装置
CN117091315A (zh) 一种单磁场运行的全固态磁制冷装置及其应用
JP2016023839A (ja) 冷暖房装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160620

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5966740

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151