JP3015571B2 - 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機 - Google Patents

極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機

Info

Publication number
JP3015571B2
JP3015571B2 JP4011614A JP1161492A JP3015571B2 JP 3015571 B2 JP3015571 B2 JP 3015571B2 JP 4011614 A JP4011614 A JP 4011614A JP 1161492 A JP1161492 A JP 1161492A JP 3015571 B2 JP3015571 B2 JP 3015571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold storage
regenerator
storage material
particles
cryogenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4011614A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05203272A (ja
Inventor
尚行 蘓理
秀樹 山宮
信男 林
智久 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4011614A priority Critical patent/JP3015571B2/ja
Publication of JPH05203272A publication Critical patent/JPH05203272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3015571B2 publication Critical patent/JP3015571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍機等に使用される
極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器と冷
凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って、小型で高性能の冷凍機の
開発が不可欠になってきている。このような冷凍機に
は、軽量・小型で熱効率の高いことが要求されている。
このようなことから、気体冷凍に代わる磁気熱量効果を
用いた熱サイクル等の新たな冷凍方式(磁気冷凍)によ
る冷凍機の研究が盛んに行われている。
【0003】例えば、超電導MRI装置等においては、
例えばギフォード・マクマホン型の小型ヘリウム冷凍機
(GM冷凍機)が用いられている。このGM冷凍機は、
Heガス等の作動媒質を圧縮するコンプレッサと、圧縮し
た作動媒質を膨脹させる膨脹部と、膨脹部で冷却された
作動媒質の冷却状態を維持するための極低温蓄冷器とに
より主として構成されている。そして、 1分間に約60回
のサイクルでコンプレッサで圧縮された作動媒質を冷凍
機で膨脹させて冷却し、冷凍機の膨脹部の先端部を通じ
て、被冷却系を冷却するものである。
【0004】上述したような冷凍機に組み込まれる極低
温蓄冷器は、蓄冷筒に極低温用蓄冷材を充填することに
より構成されている。ここで、極低温用蓄冷材の構成物
質としては、従来、Cu、Pb等が主に用いられてきた。ま
た、最近では、より絶対零度に近い温度を実現するため
に、極低温域において大きな体積比熱を示す、Er3 Niを
はじめとする希土類元素系磁性蓄冷材等も用いられてい
る。
【0005】これらのうち、CuやCu合金は延伸性に優れ
ることから、極細線を作製することが可能で、その細線
をメッシュ状に編むことにより、安定した耐久性を有す
る蓄冷材を構成することが一般的である。
【0006】一方、PbやPb合金、あるいはEr3 Niをはじ
めとする希土類元素系磁性蓄冷材を用いる場合には、充
填率を高めるために球状に近い粒子状とし(例えば特開
平3-174486号公報等参照)、このような粒体を蓄冷筒に
充填した後、粒子が動かぬように適当な蓋をすることに
よって、蓄冷器を構成することが行われている。このよ
うな蓄冷器は、その構成した粒子の間に残る空隙を通し
てHe等のガスを流し、蓄冷材とガスとの間の温度差によ
って熱交換を行うことが役目である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな球体状の蓄冷物質を用いた蓄冷器の使用状態におい
ては、He等のガスが高圧かつ高速で、その流れの向きが
頻繁に変わるように、その蓄冷物質粒子間の空隙を通過
するため、蓄冷物質粒子には振動をはじめとする複雑な
応力が与えられる。
【0008】例えば、Cuをメッシュ状に編んだ蓄冷材を
用いる場合には、その構成するワイヤの中心からみて応
力はほとんど対称的に発生するため、ワイヤ同志の相対
位置が変わるようなことはないが、Pbや希土類磁性蓄冷
材のように、球状体から構成されている蓄冷器において
は、 1つの粒子からみて不平等な応力をうける場合があ
る。このため、充填当初においては、最密状態で充填さ
れていた蓄冷物質粒子が動作時間の経過と共に、その粒
子間にすきまが発生し、作動媒質のガス流に変化を生じ
させたり、また粒子間の摩擦により微粉が生じること等
により、蓄冷器の性能に悪影響を及ぼすという問題があ
った。
【0009】ここで、蓄冷物質粒子の形状を真球状とす
ると共に、粒子径寸法のバラツキをなくすことは、上述
したような不具合を回避することに有効であるが、工業
的見地からは不可能または非常に高価となるため、現実
的な対応策とはいえない。このようなことから、従来の
蓄冷器においては、一定の動作時間が経過する毎に、分
解修理や蓄冷筒の交換を行ったり、またその間の動作途
中においても、温度の時間変化に応じて運転条件を調整
しなければならない等、繁雑な運転操作が強いられてい
た。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、運転中にガス流による応力や熱衝撃
等が付加されても、蓄冷物質粒子間の空隙を安定して保
つことができ、蓄冷器の性能を長期間にわたって維持す
ることが可能な極低温用蓄冷材およびそれを用いた蓄冷
と冷凍機を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の極低
温用蓄冷材は、 30K以下の温度で 0.1J/cm3 K 以上の比
熱を有する蓄冷物質の粒体を用いた極低温用蓄冷材にお
いて、前記蓄冷物質の粒体は、短径に対する長径の比が
5以下である蓄冷物質粒子を全粒体の70重量%以上含む
と共に、粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の蓄冷物質粒子を全
粒体の70重量%以上含み、かつ前記蓄冷物質の粒子間は
空隙率が15〜 80%の範囲となるように該蓄冷物質の融点
未満の温度による焼結により固着されていることを特徴
としている。
【0012】また、本発明の極低温用蓄冷器は、極低温
用蓄冷材が充填された極低温用蓄冷器において、前記極
低温用蓄冷材の少なくとも一部として、上記焼結した蓄
冷材を用いたことを特徴としている。さらに、本発明の
冷凍機は、上記した本発明の極低温用蓄冷器を具備する
ことを特徴としている。
【0013】本発明に用いられる蓄冷物質としては、 3
0K以下の温度において 0.1J/cm3 K以上の比熱を有する
物質であれば各種のものを用いることが可能であり、例
えば鉛、鉛合金、希土類元素を含有する磁性金属間化合
物等が例示される。
【0014】上記希土類元素系磁性金属間化合物として
は、RMz (Rは Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれた少なくとも 1
種の希土類元素を、 MはNi、CoおよびCuから選ばれた少
なくとも 1種の金属元素を示し、 zは 0.001〜 9.0の範
囲の数を示す)で表される金属間化合物や、 R・Rh金属
間化合物等が例示される。これらの希土類元素系磁性金
属間化合物は、 20K以下に比熱の最大値を有し、かつそ
の値が単位体積当りの比熱(体積比熱)として十分に大
きいため、より極低温への到達を可能とするものであ
る。
【0015】本発明の極低温用蓄冷材は、上述した蓄冷
物質の粒体を用いて、これらの粒子間を焼結により固着
させたものである。ここで、上記蓄冷物質の粒体は、そ
の形状が球状に近く、かつその粒径が揃っているほど、
ガスの流れを円滑にすることができるため、全粒体の70
重量%以上を短径に対する長径の比(アスペクト比)が
5以下である蓄冷物質粒子で構成し、かつ全粒体の70重
量%以上を粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の蓄冷物質粒子で
構成するものとする
【0016】蓄冷物質粒子のアスペクト比は、粒体の強
度や充填密度に大きな影響を及ぼすものであり、アスペ
クト比が 5を超えると、変形破壊を起こしやすくなると
共に、均質な空隙をもつように充填することが困難とな
る。よって、このような粒子が全粒体の30重量%を超え
ると、蓄冷性能の低下等を招くこととなる。より好まし
いアスペスクト比は 3以下、さらに好ましくは 2以下で
あり、できるだけ真球に近づけることが望ましい。アス
ペクト比が 5以下の粒子の全粒体中における比率は、80
重量%以上とすることがより好ましく、さらに好ましく
は90重量%以上である。
【0017】また、蓄冷物質粒子の粒径は、粒体の強度
や伝熱特性等に大きな影響を及ぼすものであり、粒径が
0.01mm未満であると、充填密度が高くなりすぎることか
ら、圧力損失の増大等を招き、また粒径が 3.0mmを超え
ると、伝熱面積が小さくなることから、熱伝達効率の低
下を招くこととなる。よって、このような粒子が全粒体
の30重量%を超えると、蓄冷性能の低下を招くこととな
る。より好ましい粒径は、 0.1〜 2mmの範囲である。粒
径が0.01〜 3.0mmの範囲の粒子の全粒体中における比率
は、80重量%以上とすることがより好ましく、さらに好
ましくは90重量%以上である。
【0018】上述したような蓄冷物質の粒体は、種々の
方法で作製することが可能であるが、本質的に脆い希土
類元素系磁性金属間化合物の粒体を製造する際には、希
土類元素を含む溶湯を回転円板法、単ロール法、双ロー
ル法、イナートガスアトマイズ法、回転ノズル法等によ
り急冷凝固させて、球体化する方法を適用することが好
ましい。この後、篩分けや形状分級等によって粒径や形
状を揃える。
【0019】そして、本発明における蓄冷材は、上述し
たような蓄冷物質の粒体をその融点未満の温度で焼結す
ることにより、粒子間を固着させたものである。焼結の
度合は、あくまでも粒子間が固定される程度でよく、空
隙率が15〜 80%の範囲となるように焼結条件を設定す
る。焼結後の空隙率が 15%未満ではガスの流れが阻害さ
れ、蓄冷性能の低下を招くこととなり、また 80%を超え
ると構造的に現実に製作することは不可能となる。
【0020】また、蓄冷物質粒体の焼結による固着は、
蓄冷物質粒子間で直接行ってもよく、また蓄冷物質粒子
の表面を予め蓄冷物質の融点より低温で液化、軟化また
は自己融着する物質で覆った後、このような物質を介し
て液相焼結させることにより行ってもよい。このような
介在物質としては、例えば鉛、銀、スズ、インジウム、
亜鉛等からなる低融点合金類等が例示される。上述した
ような物質を介して液相焼結させることによって、より
低温で蓄冷物質粒子間を固着させることができると共
に、固着強度の向上を図ることができる。
【0021】本発明の極低温用蓄冷材は、例えば以下の
ようにして製造される。すなわち、まず上述したような
蓄冷物質粒体を、この蓄冷物質と反応しにくい材料で構
成された焼結容器内に収容し、蓄冷物質粒子間が適度に
接触する程度の圧力で、蓋等によって上記粒体を押え、
この状態で熱処理を施すことにより焼結させる。上記焼
結容器としては、この容器と蓄冷物質粒子とが融着しな
いように、酸化物の微粒子を吹き付けたり、またNi、Co
等でメッキを施したり、あるいは酸化物の容器を用いる
ことも有効な方法である。焼成雰囲気は、蓄冷物質が酸
化しないように、真空中または不活性ガス中で行うこと
が好ましい。焼結温度および時間は、使用した蓄冷物質
および介在物の有無に応じて、上述したような空隙率が
得られるように適宜設定する。また、この焼結工程は、
蓄冷物質特に希土類金属間化合物の安定化処理としても
機能する。
【0022】また、本発明の極低温用蓄冷器は、上述し
た焼結により粒子間を固着した蓄冷材(以下、焼結蓄冷
材と記す)を蓄冷筒に充填したものであるが、充填する
蓄冷材の全てを上記焼結蓄冷材で構成しなければならな
いものではなく、焼結蓄冷材と粒体との混合物として充
填することも可能である。また、複数の焼結蓄冷材を充
填することにより、極低温用蓄冷器を構成することも可
能である等、種々の形態を採用することができる。本発
明の冷凍機は、このような極低温用蓄冷器を具備するも
のである。
【0023】
【作用】本発明の極低温用蓄冷材においては、蓄冷物質
の粒体を焼結させ、その粒子間を固着している。よっ
て、ガス流による応力や熱衝撃が加わっても、蓄冷物質
粒子の振動や移動を防止することが可能となるため、蓄
冷物質粒子間の空隙が安定に保たれ、ガス流の変化や微
粉の発生を効果的に抑制することができる。また、伝熱
面積は、基本的には蓄冷物質の粒子を用いていることか
ら、十分に確保することができる。そして、このような
極低温用蓄冷材を用いた蓄冷器は、安定性の大幅な向上
を図ることができる。すなわち、温度の時間変化が安定
し、運転条件を最適に調整したあとは、無調整で常に安
定条件、最大出力条件を満足して運転することが可能と
なる。特に、希土類系の蓄冷物質の場合、比較的その融
点が高く、球状粉を作った場合、その粒径の分布はかな
り広いものとなるが、本発明の蓄冷材によれば、その粒
径分布の悪影響を完全になくすことができ、長寿命の蓄
冷器を構成することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】実施例1 まず、高周波溶解によりEr3 Ni母合金(融点 850℃)を
作製した。このEr3 Ni母合金をおおよそ1150℃にて溶融
し、この溶湯をAr雰囲気中で回転円板上に滴下して急冷
凝固させた。得られた粒体を適宜形状分級ならびに篩分
し、粒径 200〜300μm のEr3 Ni粒体を得た。このEr3 N
i粒体のアスペクト比を測定したところ、アスペクト比
が 5以下の粒子が全粒体の95重量%以上の割合で存在し
ていた。このようなEr3 Ni粒体を、グラファイト製のル
ツボの中に振動を加えながら充填し、その上にグラファ
イト製の蓋を軽く押える力が働くように載せ、この状態
で焼成炉内に配置した。なお、粒体充填時の充填率は約
62%とした。次いで、炉内を十分に真空排気した後にAr
ガスを導入し、このAr雰囲気中にて 750〜 800℃の温度
で30〜60分間焼成し、常温まで冷却した後にルツボより
取り出して、目的とする焼結Er3 Ni蓄冷材を得た。
【0026】このようにして得た焼結Er3 Ni蓄冷材は、
約 30%の空隙率を有していた。また、外形は用いたルツ
ボの内径に比べて、寸法比でおおよそ5%程度縮んでい
た。この焼結Er3 Ni蓄冷材の強度を調べるため、おおよ
そ30cmの高さからベークライト板の上に落下させたとこ
ろ、角の部分が壊れることもなく、十分な強度を有して
いることが判明した。このことは、ガス流に対して十分
な耐久性を有していることを意味する。
【0027】次に、上記焼結Er3 Ni蓄冷材を用いて極低
温蓄冷器を構成し、その安定性および冷凍能力を以下の
ようにして評価した。まず、上記焼結Er3 Ni蓄冷材の外
径を蓄冷筒の内径に合せて研摩し、超音波により微粉を
完全に落とした後、おおよそ1kg/cm2 の圧力をかけて蓄
冷筒内に圧入した。これをGM冷凍機に組込み、冷凍試
験を行った。その結果、4.2Kにおける冷凍能力はおおよ
そ 200〜 400mWが得られ、連続3000時間運転している
間、安定した出力を得ることができ、良好な結果が得ら
れた。
【0028】また、本発明との比較として、上記実施例
1で作製したEr3 Ni粒体を焼結させることなく、そのま
ま蓄冷材として用いて極低温用蓄冷器を構成した。な
お、Er3 Ni粒体の蓄冷筒への充填率は 65%とした。この
極低温蓄冷器をGM冷凍機に組込み、上記実施例と同様
にして冷凍試験を行った。その結果、4.2Kにおける冷凍
能力はおおよそ 150〜 300mWが得られた。
【0029】実施例2 実施例1と同様にして作製したEr3 Ni粒体を、アルミナ
製のルツボを用いる以外は、実施例1と同一条件で焼結
させた。得られた焼結Er3 Ni蓄冷材は、実施例1と同様
な強度を有し、また冷凍試験においても実施例1と同様
な良好な結果が得られた。
【0030】実施例3 実施例1と同様にして作製したEr3 Ni粒体を、予め内部
にNiメッキを施したルツボを用いる以外は、実施例1と
同一条件で焼結させた。得られた焼結Er3 Ni蓄冷材は、
実施例1と同様な強度を有し、また冷凍試験においても
実施例1と同様な良好な結果が得られた。
【0031】実施例4 まず、実施例1と同様にして作製したEr3 Ni粒体の表面
に、予めSnを 5〜10μm の厚さでメッキを施した。そし
て、このSnメッキ膜を有するEr3 Ni粒体を、グラファイ
ト製のルツボの中に振動を加えながら充填し、その上に
グラファイト製の蓋を軽く押える力が働くように載せ、
この状態で焼成炉内に配置した。なお、粒体充填時の充
填率は約 65%とした。次いで、炉内を 5×10-3Torrまで
真空排気した後、約 300℃の温度で30分間焼成し、常温
まで冷却した後にルツボより取り出して、目的とするSn
メッキ層を有する焼結Er3 Ni蓄冷材を得た。
【0032】このようにして得たSnメッキ層を有する焼
結Er3 Ni蓄冷材は、約 33%の空隙率を有していた。ま
た、この焼結Er3 Ni蓄冷材の強度は、実施例1による焼
結Er3 Ni蓄冷材と同等で、50cmの高さからベークライト
板上に落下させても、何等問題は生じなかった。
【0033】また、上記Snメッキ層を有する焼結Er3 Ni
蓄冷材を、実施例1と同様にして蓄冷筒に圧入して極低
温蓄冷器を構成し、この極低温蓄冷器をGM冷凍機に組
込んで、実施例1と同様にして冷凍試験を行った。その
結果、4.2Kにおける冷凍能力はおおよそ 150〜 200mWと
良好であった。
【0034】実施例5 まず、粒径 250〜 300μm の鉛球を用意し、この鉛球を
グラファイト製のルツボの中に振動を加えながら充填
し、その上にグラファイト製の蓋を軽く押える力が働く
ように載せ、この状態で焼成炉内に配置した。なお、鉛
球充填時の充填率は約 68%とした。次いで、炉内を 5×
10-3Torrまで真空排気した後、 1気圧のアルゴン下で 2
70℃の温度で10〜30分焼成し、常温まで冷却した後にル
ツボより取り出して、目的とする焼結Pb蓄冷材を得た。
【0035】このようにして得た焼結Pb蓄冷材は約 28%
の空隙率を有していた。また、外形は用いたルツボの内
径に比べて、寸法比でおおよそ4%程度縮んでいた。ま
た、この焼結Pb蓄冷材の強度試験を実施例1と同様にし
て行い、強度的に問題がないことを確認した。
【0036】また、上記焼結Pb蓄冷材を、実施例1と同
様にして蓄冷筒に圧入して極低温蓄冷器を構成し、この
極低温蓄冷器をGM冷凍機に組込んで、実施例1と同様
にして冷凍試験を行った。その結果、 10Kにおける冷凍
能力はおおよそ3Wと良好であった。
【0037】このように、本発明の蓄冷材を用いた蓄冷
器は、長期間安定して運転することが可能であることが
分かる。このことは、蓄冷器のメンテナンスに要する工
数を大幅に削減することが可能であることを意味し、冷
凍機の運転コストを低減することが可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ガ
ス流による応力や熱衝撃に対する耐久性に優れ、蓄冷物
質粒子の振動や移動が防止でき、蓄冷物質粒子間の空隙
を安定に保つことが可能な極低温用蓄冷材を提供するこ
とが可能となる。よって、ガス流の変化や微粉の発生を
効果的に抑制することが可能となるため、長期間にわた
ってその性能を安定して維持することが可能な蓄冷器を
提供することができる。
【0039】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 智久 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 昭63−55906(JP,A) 特開 昭60−204852(JP,A) 特開 昭62−50423(JP,A) 特開 平2−141555(JP,A) 特開 昭58−151438(JP,A) 特開 平2−309159(JP,A) 特開 平3−174486(JP,A) 特開 平4−231401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/00 B22F 3/10 C22C 28/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30K以下の温度で 0.1J/cm3 K 以上の比
    熱を有する蓄冷物質の粒体を用いた極低温用蓄冷材にお
    いて、前記蓄冷物質の粒体は、短径に対する長径の比が 5以下
    である蓄冷物質粒子を全粒体の70重量%以上含むと共
    に、粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の蓄冷物質粒子を全粒体
    の70重量%以上含み、かつ 前記蓄冷物質の粒子間は空隙
    率が15〜 80%の範囲となるように該蓄冷物質の融点未満
    の温度による焼結により固着されていることを特徴とす
    る極低温用蓄冷材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の極低温用蓄冷材におい
    て、 前記蓄冷物質の粒子間は、該蓄冷物質の融点より低温に
    て液化、軟化もしくは自己融着する物質を介して、液相
    焼結により固着されていることを特徴とする極低温用蓄
  3. 【請求項3】 極低温用蓄冷材が充填された蓄冷器にお
    いて、 前記極低温用蓄冷材の少なくとも一部として、請求項1
    または請求項2記載の極低温用蓄冷材を用いたことを特
    徴とする極低温用蓄冷器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の極低温用蓄冷器を具備す
    ることを特徴とする冷凍機。
JP4011614A 1992-01-27 1992-01-27 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機 Expired - Lifetime JP3015571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4011614A JP3015571B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4011614A JP3015571B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05203272A JPH05203272A (ja) 1993-08-10
JP3015571B2 true JP3015571B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=11782797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4011614A Expired - Lifetime JP3015571B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3015571B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107916437A (zh) * 2017-11-09 2018-04-17 宁波复能新材料股份有限公司 一种铈镨钕合金及其制备方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0777089B1 (en) * 1994-08-23 2008-10-08 Kabushiki Kaisha Toshiba A method of preparing a regenerator
DE69713054T2 (de) * 1996-10-30 2002-11-07 Toshiba Kawasaki Kk Kältespeichermaterial für sehr niedrige temperaturen, kältemaschine unter verwendung dieses materials und hitzeschildmaterial
JP4240380B2 (ja) * 2003-10-14 2009-03-18 日立金属株式会社 磁性材料の製造方法
JP2008096040A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Iwatani Industrial Gases Corp 極低温冷凍機の蓄冷器
JP5305633B2 (ja) * 2007-10-25 2013-10-02 株式会社東芝 蓄冷式冷凍機
JP5578501B2 (ja) * 2011-04-11 2014-08-27 住友重機械工業株式会社 蓄冷材、蓄冷器及び極低温蓄冷式冷凍機
US20190368785A1 (en) * 2016-12-22 2019-12-05 Santoku Corporation Cooling storage material and method for producing same, cooling storage device, and refrigerating machine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107916437A (zh) * 2017-11-09 2018-04-17 宁波复能新材料股份有限公司 一种铈镨钕合金及其制备方法
CN107916437B (zh) * 2017-11-09 2020-06-26 宁波复能新材料股份有限公司 一种铈镨钕合金及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05203272A (ja) 1993-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0411591B1 (en) Cold accumulating material and method of manufacturing the same
US5593517A (en) Regenerating material and refrigerator using the same
JP4551509B2 (ja) 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JP5455536B2 (ja) 極低温用蓄冷材を用いた冷凍機
JPH07101134B2 (ja) 蓄熱材料および低温蓄熱器
JP3015571B2 (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機
JP4237791B2 (ja) 蓄冷材の製造方法
JP3769024B2 (ja) 極低温用蓄冷材、それを用いた極低温用蓄冷器、および冷凍機
JP4322321B2 (ja) 極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材
JP5468380B2 (ja) 蓄冷材およびその製造方法
JP3561023B2 (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器
JP3980158B2 (ja) 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JPH06240241A (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器
JP2836813B2 (ja) 蓄冷材料及び蓄冷器
JP3751646B2 (ja) 蓄冷材料およびこれを用いた冷凍機
JP4564161B2 (ja) 冷凍機
JP4170703B2 (ja) 希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材とその製造方法、及びこの蓄冷材を用いた極低温蓄冷器
JP3055674B2 (ja) 蓄熱材料および低温蓄熱器
JP2000001670A (ja) 多孔質蓄冷材及びその製造方法
JP4568170B2 (ja) 極低温用蓄冷材の製造方法および極低温用蓄冷器の製造方法
JP2004099822A (ja) 蓄冷材およびこれを用いた蓄冷式冷凍機
JP2004143341A (ja) 蓄冷材およびこれを用いた蓄冷式冷凍機
JP2957294B2 (ja) 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器
JPH11294882A (ja) 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JPH07234028A (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 13