JP3561023B2 - 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器 - Google Patents

極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器 Download PDF

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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/003Gas cycle refrigeration machines characterised by construction or composition of the regenerator

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷凍機等に使用される極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超電導技術の発展は著しく、その応用分野が拡大するに伴って、小型で高性能の冷凍機の開発が不可欠になってきている。このような冷凍機には、軽量・小型で熱効率の高いことが要求されている。
【0003】
例えば、超電導MRI装置やクライオポンプ等においては、ギフォード・マクマホン方式(GM方式)やスターリング方式等の冷凍サイクルによる冷凍機が用いられている。また、磁気浮上列車にも高性能の冷凍機は必須とされている。このような冷凍機においては、蓄冷材が充填された蓄冷器内を圧縮されたHeガス等の作動媒質が一方向に流れて、その熱エネルギーを充填物質(蓄冷材)に供給し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流れ、蓄冷材から熱エネルギーを受けとる。こうした過程で復熱効果が良好になるに伴って、作動媒質サイクルの熱効率が向上し、一層低い温度を実現することが可能となる。
【0004】
上述したような冷凍機に使用される極低温用蓄冷材としては、従来、Cu、Pb等が主に用いられてきた。しかし、これらの蓄冷材は 20K以下の極低温で比熱が著しく小さくなるため、上述した復熱効果が十分に機能せず、 20K以下というような極低温を実現することが困難であった。
【0005】
そこで、最近では、より絶対零度に近い温度を実現するために、極低温域において大きな体積比熱を示す、ErNi、ErNi、ErNi等の Er−Ni系金属間化合物(特開平1−310269号公報参照)や、ErRhのような ARh系金属間化合物(A:Sm,Gd,Tb,Dy,Ho, Er,Tm,Yb)(特開昭51−52378号公報参照)等の磁性蓄冷物質を用いることが検討されている。
【0006】
上述したような磁性蓄冷物質を蓄冷器に充填する場合、その充填率を高めるために、球状に近い粒子状とすることが提案されている(例えば特開平3−174486号公報等参照)。そして、上記したような磁性蓄冷物質の球状粒体を蓄冷筒に充填し、粒子が動かぬように適当な蓋をして蓄冷器を構成している。このような蓄冷器においては、磁性蓄冷物質粒子間に残る空隙を通してHe等のガスが流れ、蓄冷材とガスとの間の温度差によって熱交換が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような蓄冷器の作動状態においては、Heガス等の作動媒質が高圧かつ高速でその流れの向きが頻繁に変わるように、蓄冷器内に充填された磁性蓄冷物質粒体間の空隙を通過するため、その粒子には機械的振動をはじめとする種々な力が加わる。
【0008】
このように、磁性蓄冷物質粒体には種々の力が作用するため、充填当初においては最密状態で充填されていても、作動時間の経過と共に磁性蓄冷物質粒子間にすきまが発生し、ガス流に変化を生じさせて、蓄冷器の性能に影響を及ぼすという問題があった。また、ErNiやErRh等の磁性蓄冷物質は、一般に材質的に脆弱であるため、上記した蓄冷器作動中の機械的振動等が原因となって蓄冷物質が微粉化しやすく、この微粉がガスシールを阻害する等して、蓄冷器の性能に悪影響を及ぼすというような問題をも招いていた。
【0009】
一方、上述したような磁性蓄冷物質粒体の振動やそれに伴う移動等を防ぐために、磁性蓄冷物質の球状粒体等を焼結させて、球状粒子間を固着させることが提案されている(特開平5−203272号公報参照)。しかしながら、ErNiやErRh等の磁性蓄冷物質の球状粒体は、一般に、回転ディスク法、回転電極法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法等の急冷凝固法を用いて作製されるため、球状粒体は工業的見地からは高価となると共に、焼結時における粒子間の接触面積が大となるために、要求される空隙の設定が比較的難しいという難点を有していた。
【0010】
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、蓄冷物質粒子間の空隙を安定かつ容易に設定および維持することができ、蓄冷器の性能を長期間にわたって維持することが可能であると共に、工業的に安価な極低温用蓄冷材およびそれを用いた蓄冷器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明の極低温用蓄冷材は、30K以下の温度で0.1J/cm3 K以上の比熱を有する希土類元素系磁性蓄冷物質の粒体からなる極低温用蓄冷材において、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の個々の粒子の投影像の周囲長をL、前記投影像の実面積をAとしたとき、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の60%以上の粒子はL2/4πAで表される形状因子Rが1.1<R<2.0である形状を有し、かつ前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒子間は焼結により固着されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の極低温用蓄冷器は、30K以下の温度で0.1J/cm3 K以上の比熱を有する希土類元素系磁性蓄冷物質の粒体が充填された蓄冷器において、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の個々の粒子の投影像の周囲長をL、前記投影像の実面積をAとしたとき、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の60%以上の粒子はL2/4πAで表される形状因子Rが1.1<R<2.0である形状を有し、かつ前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒子間は焼結により固着されていることを特徴としている。
【0013】
本発明においては、30K以下の温度において0.1J/cm3 K以上の比熱を有する希土類元素系磁性蓄冷物質が用いられ、例えば希土類元素を含有する磁性金属間化合物が挙げられる。希土類元素系磁性金属間化合物としては、RMz(RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれた少なくとも1種の希土類元素を、MはNi、CoおよびCuから選ばれた少なくとも1種の金属元素を示し、zは0.001〜9.0の範囲の数を示す)で表される金属間化合物、RMzにC等を加えた金属間化合物、R・Rh系金属間化合物等が例示される。これらの希土類元素系磁性蓄冷物質は、20K以下に比熱の最大値を有し、かつその値が単位体積当りの比熱(体積比熱)として十分に大きいため、より極低温の到達が可能となることから、本発明に好適な蓄冷物質である。
【0014】
本発明の極低温用蓄冷材は、上述したような蓄冷物質の粒体を焼結により固着させたものであって、焼結前の蓄冷物質粒体の個々の粒子の投影像の周囲長をL、その投影像の実面積をAとしたとき、L/4πAで表される形状因子Rが 1.1<R<2.0 である形状を有する蓄冷物質粒子の存在比率を 60%以上としたものである。上記形状因子Rは、粒子形状が完全に球である場合には 1となる値であり、形状因子Rが 1.1<R<2.0 の範囲であるということは、比較的不規則な形状を有する粒子である。
【0015】
すなわち、本発明の極低温用蓄冷材は、不規則形状の粒子を主とする蓄冷物質粒体を用いることによって、焼結後の粒子間空隙の設定を容易にしたものである。蓄冷物質粒子の形状が球に近似するほど粒子間の接触面積が大きくなり、所望の粒子間空隙を得るための焼結条件の設定等が比較的難しい。これに対して、形状因子Rが 1.1<R<2.0 である不規則形状を有する蓄冷物質粒子の存在比率を60% 以上とすることによって、粒子間の接触面積を比較的小さくすることができることから、焼結条件等が多少ばらついても、比較的おおきな所望の粒子間空隙を容易に得ることができる。
【0016】
また、特に磁性蓄冷物質の球状粒体は、回転ディスク法、回転電極法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法等の急冷凝固法により作製する必要があるのに対し、本発明で規定する不規則形状の蓄冷物質粒体は、予め作製した母合金をスタンプミル、ジェットミル、ボールミル等を用いて粉砕することによって、容易にかつ工業的に安価に得ることができる。
【0017】
本発明の極低温用蓄冷材において、蓄冷物質粒子の形状因子Rを 1.1<R< 2.0の範囲に規定した理由は以下の通りである。すなわち、形状因子Rが 1.1以下であると、上述したような粒子間空隙を容易に得ることができず、また形状因子Rが 2.0以上となると、逆に粒子間の接触面積が小さくなりすぎて焼結性が低下する。そして、このような不規則形状の蓄冷物質粒子の存在比率が 60%未満であると、上述したように所望の粒子間空隙を容易に得ることができなくなる。不規則形状の蓄冷物質粒子のより好ましい存在比率は 70%以上であり、さらに好ましくは 80%以上である。
【0018】
また、蓄冷物質粒体の粒径は、伝熱特性等に大きな影響を及ぼすものであるため、本発明においては全粒体の70重量% 以上を粒径が0.01〜 0.3mmの蓄冷物質粒子で構成することが好ましい。ここで、本発明でいう粒径とは、粒子を内包することができる最小球の直径を意味する。蓄冷物質粒子の粒径が0.01mm未満であると、充填密度が高くなりすぎることから圧力損失の増大等を招くおそれがあり、また粒径が 3.0mmを超えると、伝熱面積が小さくなることから熱伝達効率の低下を招きやすくなる。よって、このような粒子が全粒体の30重量% を超えると、蓄冷性能の低下を招くおそれがある。より好ましい粒径は、 0.1〜 2mmの範囲である。粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の粒子の全粒体中における比率は、80重量% 以上とすることがより好ましく、さらに好ましくは90重量% 以上である。
【0019】
本発明の極低温用蓄冷材は、上述したような不規則形状の粒子を主とする蓄冷物質粒体をその融点未満の温度で焼結させることにより、粒子間を固着させた焼結蓄冷材である。このように、蓄冷物質粒体を焼結させて粒子間を固着することにより、所望の粒子間空隙が容易に得られると共に、ガス流等による力や熱衝撃が加わっても、蓄冷物質粒子の振動や移動を防止することが可能となる。従って、蓄冷物質粒子間の空隙が安定に保たれ、ガス流の変化や微粉の発生を効果的に抑制することができる。焼結の度合は、あくまでも粒子間が固定される程度でよく、空隙率が15〜 80%程度となるように焼結条件を設定することが好ましい。焼結後の空隙率が 15%未満ではガス流が阻害され、蓄冷性能の低下を招くおそれがあり、また 80%を超えると構造的に不安定となる。
【0020】
また、蓄冷物質粒体の焼結による固着は、蓄冷物質粒子間で直接行ってもよく、また蓄冷物質粒子の表面を予め蓄冷物質の融点より低温で液化、軟化または自己融着する物質で覆った後、このような物質を介して液相焼結させることにより行ってもよい。このような介在物質としては、例えば鉛、銀、スズ、インジウム、亜鉛等からなる低融点合金類等が例示される。上述したような物質を介して液相焼結させることによって、より低温で蓄冷物質粒子間を固着させることができると共に、固着強度の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の極低温用蓄冷材、すなわち焼結蓄冷材は、例えば以下のようにして製造される。
すなわち、まず上述したような不規則形状の粒子を主とする蓄冷物質粒体を、この蓄冷物質と反応しにくい材料で構成された焼結容器内に収容し、蓄冷物質粒子間が適度に接触する程度の圧力で、蓋等により上記粒体を押え、この状態で熱処理を施すことにより焼結させる。上記焼結容器としては、この容器と蓄冷物質粒子とが融着しないように、酸化物の微粒子を吹き付けたり、またNi、Co等でメッキを施したり、あるいは酸化物の容器を用いることも有効な方法である。焼成雰囲気は、蓄冷物質が酸化しないように、真空中または不活性ガス中で行うことが好ましい。
【0022】
上記焼結温度および時間は、使用した蓄冷物質および介在物の有無に応じて、上述したような空隙率が得られるように適宜設定する。ただし、蓄冷物質の球状粒体を用いた場合に比べて粒子間の接触面積が少なくなるため、若干焼結温度を高く、あるいは若干焼結時間を長く設定する。なお、上記焼結工程は、蓄冷物質特に希土類元素系磁性蓄冷物質の安定化処理としても機能する。
【0023】
本発明の極低温用蓄冷器は、上述した焼結により粒子間を固着した焼結蓄冷材を蓄冷筒に充填したものであるが、例えば複数の焼結蓄冷材を充填することにより、極低温用蓄冷器を構成することも可能である等、種々の形態を採用することができる。また、充填する蓄冷材の全てを上記焼結蓄冷材で構成しなければならないものではなく、焼結蓄冷材と粒体との混合物として充填することも可能である。そして、上述したような焼結蓄冷材を用いることによって、蓄冷器の初期性能の再現性および冷凍性能の安定性を大幅に向上させることが可能となる。すなわち、優れた初期性能が再現性よく得られると共に、冷凍温度の時間変化が安定し、運転条件を最適に調整したあとは、無調整で常に安定条件、最大出力条件を満足して運転することが可能となる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】
実施例1
まず、高周波溶解によりErNi母合金(融点1123K)を作製した。このErNi母合金をスタンプミルにより粒径 0.2〜 0.3mmに粉砕した後、傾斜振動板による形状分級を行った。得られたErNi粒体の個々の粒子の投影像の周囲長Lと投影像の実面積Aを画像処理により測定し、L/4πAで表される形状因子Rを評価したところ、 1.1<R<2.0 の範囲内に入る粒子の存在比率は 91%であった。
【0026】
次に、上述したErNi粒体をグラファイト製の型に振動を加えながら充填し、その上にグラファイト製の蓋を軽く押える力が働くように載せ、この状態で焼成炉内に配置した。なお、粒体充填時の充填率は約 62%とした。次いで、炉内を十分に真空排気した後にArガスを導入し、このAr雰囲気中にて 1023Kの温度で 1時間焼成し、常温まで冷却した後に型より取り出して、外径20.0mm、高さ50.0mmのフィルター状の焼結ErNi蓄冷材を得た。また、得られた焼結ErNi蓄冷材は約 32%の空隙率を有していた。
【0027】
次に、上記焼結ErNi蓄冷材を用いて極低温用蓄冷器を構成し、その安定性および冷凍能力を以下のようにして評価した。まず、上記焼結ErNi蓄冷材の外径を蓄冷筒の内径に合せて研摩し、超音波により微粉を完全に落とした後、おおよそ1kg/cmの圧力をかけて蓄冷筒内に圧入した。これをGM冷凍機に組込み、冷凍試験を行った。その結果、4.2Kにおける初期冷凍能力として 250mWが得られ、また2000時間連続運転している間、安定した出力を得ることができた。
【0028】
実施例2
上記実施例1と同様にして、 5種類のErNi粒体を作製した後、表1に示す焼結条件でフィルター状の焼結ErNi蓄冷材をそれぞれ作製した。上記各ErNi粒体の形状因子Rが 1.1<R<2.0 の範囲内に入る粒子の存在比率と、焼結後の空隙率を併せて示す。
【0029】
次に、上記フィルター状の焼結ErNi蓄冷材をそれぞれ用いて、上記実施例1と同様にして冷凍試験を行った。その結果として初期冷凍能力と2000時間連続運転後の冷凍能力を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003561023
表1から明らかなように、不規則形状の粒子を主とする蓄冷物質粒体を用いることによって、焼結蓄冷材の粒子間空隙を安定して設定することができ、またそのような焼結蓄冷材を用いることによって、優れた初期冷凍能力を再現性よく得ることが可能となると共に、そのような性能を長期間にわたって維持することが可能となる。
【0031】
比較例1
上記実施例1で作製したErNi粒体を焼結させることなく、そのまま蓄冷材として用いる以外は、実施例1と同様に極低温用蓄冷器を作製した。なお、ErNi粒体の蓄冷筒への充填率は 65%とした。この極低温用蓄冷器をGM冷凍機に組込み、上記実施例1と同様にして冷凍試験を行った。その結果、初期冷凍能力はおおよそ 250mWであり、2000時間連続運転後の冷凍能力は20mWであった。
【0032】
比較例2
上記実施例1同様のErNi母合金を 1373Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中で回転円板上に滴下、噴霧して急冷凝固させた。得られた粒体を篩分け並びに形状分級し、粒径 0.2〜 0.3mmの球状ErNi粒体を得た。この球状ErNi粒体を実施例1と同一条件で焼成して、フィルター状の焼結ErNi蓄冷材を作製した。この焼結ErNi蓄冷材の空隙率は 28%であった。
【0033】
また、上記フィルター状の焼結ErNi蓄冷材を用いて、実施例1と同様に極低温用蓄冷器を作製して、同様に冷凍試験を行ったところ、初期冷凍能力は 250mWで、2000時間の連続運転の間安定した出力を得ることができた。ただし、極低温用蓄冷器の製造コストは実施例1の約 2倍であった。
【0034】
実施例3
まず、実施例1と同様にして作製したErNi粒体の表面に、予めSnを 5〜10 μm の厚さでメッキを施した。そして、このSnメッキ膜を有するErNi粒体を、グラファイト製の型に振動を加えながら充填し、その上にグラファイト製の蓋を軽く押える力が働くように載せ、この状態で焼成炉内に配置した。なお、粒体充填時の充填率は約 65%とした。次いで、炉内を真空排気した後、約573Kの温度で 0.5時間焼成し、常温まで冷却した後に型から取り出して、目的とするSnメッキ層を有する焼結ErNi蓄冷材を得た。
【0035】
このようにして得たSnメッキ層を有する焼結ErNi蓄冷材は、約 31%の空隙率を有していた。また、この焼結ErNi蓄冷材を、実施例1と同様にして蓄冷筒に圧入して極低温用蓄冷器を構成し、この極低温用蓄冷器をGM冷凍機に組込んで、実施例1と同様にして冷凍試験を行った。その結果、初期冷凍能力は 230mWであり、2000時間の連続運転の間安定した出力を得ることができた。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓄冷物質粒子間の空隙を安定かつ容易に設定および維持することが可能な極低温用蓄冷材を安価に提供することが可能となる。よって、ガス流の変化や微粉の発生を効果的に抑制することができるため、初期性能およびその連続安定性に優れた蓄冷器を提供することができる。
【0037】

Claims (8)

  1. 30K以下の温度で0.1J/cm3 K以上の比熱を有する希土類元素系磁性蓄冷物質の粒体からなる極低温用蓄冷材において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の個々の粒子の投影像の周囲長をL、前記投影像の実面積をAとしたとき、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の60%以上の粒子はL2/4πAで表される形状因子Rが1.1<R<2.0である形状を有し、かつ前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒子間は焼結により固着されていることを特徴とする極低温用蓄冷材。
  2. 請求項1記載の極低温用蓄冷材において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の 70 %以上の粒子は前記形状因子Rが 1.1 <R< 2.0 である形状を有することを特徴とする極低温用蓄冷材。
  3. 請求項1記載の極低温用蓄冷材において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の 80 %以上の粒子は前記形状因子Rが 1.1 <R< 2.0 である形状を有することを特徴とする極低温用蓄冷材。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の極低温用蓄冷材において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の 70 重量%以上の粒子は 0.01 0.3mm の範囲の粒径を有することを特徴とする極低温用蓄冷材。
  5. 30K以下の温度で0.1J/cm3 K以上の比熱を有する希土類元素系磁性蓄冷物質の粒体が充填された蓄冷器において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の個々の粒子の投影像の周囲長をL、前記投影像の実面積をAとしたとき、前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の60%以上の粒子はL2/4πAで表される形状因子Rが1.1<R<2.0である形状を有し、かつ前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒子間は焼結により固着されていることを特徴とする極低温用蓄冷器。
  6. 請求項5記載の極低温用蓄冷器において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の 70 %以上の粒子は前記形状因子Rが 1.1 <R< 2.0 である形状を有することを特徴とする極低温用蓄冷器。
  7. 請求項5記載の極低温用蓄冷器において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体中の 80 %以上の粒子は前記形状因子Rが 1.1 <R< 2.0 である形状を有することを特徴とする極低温用蓄冷器。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項記載の極低温用蓄冷器において、
    前記希土類元素系磁性蓄冷物質粒体の 70 重量%以上の粒子は 0.01 0.3mm の範囲の粒径を有することを特徴とする極低温用蓄冷器。
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