JP2004099822A - 蓄冷材およびこれを用いた蓄冷式冷凍機 - Google Patents

蓄冷材およびこれを用いた蓄冷式冷凍機 Download PDF

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Masami Okamura
岡村 正巳
Tomohisa Arai
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Abstract

【課題】極低温域において顕著な冷凍能力を長期間に亘って安定して発揮することが可能な蓄冷材およびそれを用いた蓄冷式冷凍機等を提供する。
【解決手段】一般式:Q1−x(Sn1−y(但し、QはPrおよびNdから選択される少なくとも一種の希土類元素を示し、RはY,La,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,TmおよびYbから選ばれ、Qとは異なる少なくとも一種の希土類元素を示し、MはSb,Bi,Si,Ge,Al,Ga,In,Pb,B、C、Teおよび遷移金属元素から選択される少なくとも一種の元素を示し、x,yはそれぞれ原子比では0≦x≦0.5および0≦y≦0.5を満足する。)で表わされる反強磁性体から成ることを特徴とする蓄冷材19である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄冷材および蓄冷式冷凍機に係り、特に20K以下の極低温域において顕著な冷凍能力を発揮できる蓄冷材およびその蓄冷材を使用した蓄冷式冷凍機等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超電導技術の発展は著しく、その応用分野が拡大するに伴って小型で高性能の冷凍機の開発が不可欠になってきている。かかる小型冷凍機は、軽量・小型で熱効率の高いことが要求されており、種々の応用分野において実用化が進められている。
【0003】
例えば、超電導MRI装置やクライオポンプなどにおいては、ギフォード・マクマホン(GM)方式やスターリング方式などの冷凍サイクルによる冷凍機が用いられている。また、磁気浮上列車にも超電導磁石を用いて磁力を発生させるために高性能な冷凍機が必須とされている。さらに、最近では、超電導電力貯蔵装置(SMES)、および高品質のシリコンウェハーなどを製造する磁場中単結晶引き上げ装置などにおいても高性能な冷凍機が用いられている。
【0004】
このような冷凍機においては、蓄冷材が充填された蓄冷器内を、圧縮されたHeガスなどの作動媒質が一方向に流れて、その熱エネルギーを蓄冷材に供給し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流れ、蓄冷材から熱エネルギーを受け取る。こうした過程での復熱効果が良好になるに伴い、作動媒質サイクルでの熱効率が向上し、より低い温度を実現することが可能となる。
【0005】
上述したような冷凍機に使われる蓄冷材としては、従来、CuやPbなどが主に用いられてきた。しかし、このような蓄冷材は、20K以下の極低温で比熱が著しく小さくなるため、上述した復熱効果が十分に機能せず、冷凍機での作動に際して極低温下で1サイクル毎に蓄冷材に充分な熱エネルギーを貯蔵することができず、かつ作動媒質が蓄冷材から充分な熱エネルギーを受け取ることができなくなる。その結果、前記蓄冷材を充填した蓄冷器を組み込んだ冷凍機では極低温に到達させることができない問題があった。
【0006】
そこで、最近では前記蓄冷器の極低温での復熱特性を向上し、より絶対零度に近い冷凍温度を実現するために、特に20K以下の極低温域において体積比熱の極大値を有し、かつその値が大きなErNi,ErNi,HoCuなどのように希土類元素と遷移金属元素とから成る金属間化合物を主体とした磁性蓄冷材が使用されている。このような磁性蓄冷材をGM冷凍機に用いることにより、4Kでの冷凍が実現されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような冷凍機を各種システムに応用することが、より具体的に検討されるに伴って、より規模が大きな冷却対象物を長期間安定した状態で冷却する技術的要請が高まり、より一層の冷凍能力の向上が求められている。
【0008】
ところで、一般に複数の冷却段を有する蓄冷式冷凍機の最終冷却段の蓄冷器、すなわち、2段膨張式冷凍機の場合では第2段目の蓄冷器の内部においては、作動媒質が流入する高温側端部の温度が30K程度である一方、下流低温側端部の温度が4K程度となるように、温度勾配が形成される。
【0009】
上記のような幅広い温度域の全域で体積比熱が大きな蓄冷材は存在しないため、現実には蓄冷器内部の温度分布に対応して各温度域に好適な比熱特性を有する蓄冷材がそれぞれ充填されている。すなわち、蓄冷器の低温側には、例えばHoCuのように低温側のできるだけ幅広い温度領域で体積比熱が大きい蓄冷材を充填する一方、高温側には、例えばErNiのように高温側の幅広い温度領域で体積比熱が大きい蓄冷材が積層されて充填されている。
【0010】
ここで4K程度の極低温域での冷凍機性能に大きな影響を及ぼす主要因は、蓄冷器の低温側に充填される蓄冷材の種類である。現在までに、上記蓄冷器の低温側に充填する蓄冷材として、ErNi,ErNi0.9Co0.1,ErNi0.8Co0.2,ErRhおよびHoCuなどの種々の組成を有する蓄冷材が検討され試用されている。しかしながら、これらの蓄冷材を通常の2段膨張式GM冷凍機の第2段目蓄冷器に使用した場合には、未だ極低温領域における体積比熱が不十分であるため、いずれも冷凍能力の顕著な向上は達成できなかった。
【0011】
またErNi,ErNi0.9Co0.1,ErNi0.8Co0.2などの強磁性体から成る蓄冷材を、超電導システム用冷凍機に適用した場合には、超電導磁石からの漏れ磁場の影響を受け易く、例えば冷凍機の構成部品に磁力が作用して偏摩耗や変形を生じるおそれが高くなるという問題点もあった。
【0012】
一方、ErRhから成る蓄冷材は反強磁性体であり、上記漏れ磁場の影響を受けにくい長所がある反面、構成成分としてのロジウム(Rh)が極めて高価であり、数百グラムオーダーで使用する冷凍機の蓄冷材として工業的に実用化することは極めて困難であるという問題点もあった。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、特に極低温域において顕著な冷凍能力を長期間に亘って安定して発揮することが可能な蓄冷材およびそれを用いた蓄冷式冷凍機等を提供することを目的とする。さらに、上記のような蓄冷式冷凍機を使用することによって、長期間に亘って優れた性能を発揮させることを可能にしたMRI装置,磁気浮上列車用超電導磁石,クライオポンプおよび磁界印加式単結晶引上げ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために、種々の組成および比熱特性を有する蓄冷材を調製して冷凍機の蓄冷器に充填して、上記組成および比熱特性が冷凍機の冷凍能力,蓄冷材の寿命,耐久性に及ぼす影響を実験により比較検討した。
【0015】
その結果、特に4〜6K付近の限られた温度域において体積比熱が大きい蓄冷材を、その高温側の比熱特性に応じて蓄冷器への充填方法を工夫することにより、4K温度域における冷凍機の冷凍能力が顕著に向上するという知見を得た。例えば、4Kにおける比熱が高い一方、10Kでの比熱が低いような蓄冷材を使用する場合には、蓄冷器内部の温度分布を考慮して蓄冷器の低温側のみに上記蓄冷材を充填することにより、その蓄冷材の4Kにおける高比熱特性が活かされることにより、冷凍機性能が大幅に向上することが判明した。
【0016】
また上記のような比熱特性を実現するために、本発明者らは種々の組成を有する磁性蓄冷材を調製し、その比熱特性を比較評価した。その結果、特に本発明者らは、4.7Kの磁気転移に伴う比熱ピークをもつNdSnに着目した。また、NdSnに対し、8.6Kで磁気転移するPrSnを合金化することにより、比熱ピークの温度および比熱ピークの幅、形状を制御し目的の比熱特性を実現できる。さらに、NdSn3またはPrSn3における、NdまたはPrの一部を他の希土類元素で置換したり、あるいはSnの一部を遷移金属等の他の元素で置換することにより、目的とする低温度域での高い比熱特性を初めて実現できることが判明した。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0017】
すなわち本発明に係る蓄冷材は、一般式:Q1−x(Sn1−y(但し、QはPrおよびNdから選択される少なくとも一種の希土類元素を示し、RはY,La,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,TmおよびYbから選ばれ、Qとは異なる少なくとも一種の希土類元素を示し、MはSb,Bi,Si,Ge,Al,Ga,In,Pb,B、C、Teおよび遷移金属元素から選択される少なくとも一種の元素を示し、x,yはそれぞれ原子比では0≦x≦0.5および0≦y≦0.5を満足する。)で表わされる反強磁性体から成ることを特徴とする。
【0018】
上記本発明に係る蓄冷材において、前記一般式にてR成分およびM成分の原子比を示すxとyは同時に0にならないことが、比熱特性を改善する上で好ましい。また、上記蓄冷材において、蓄冷材を構成する磁性粒子の粒径が0.01〜3mmであることが好ましい。さらに、上記蓄冷材において、蓄冷材を構成する全磁性粒子に対して、長径の短径に対する比(アスペクト比)が5以下であり、かつ0.01mm以上3mm以下の粒径を有する磁性粒子の割合が70質量%以上であることが好ましい。
【0019】
また本発明に係る蓄冷式冷凍機は、蓄冷材を充填した蓄冷器から成る冷却段を複数個有し、各冷却段の蓄冷器の上流高温側から作動媒質を流して上記作動媒質と蓄冷材との熱交換によって蓄冷器の下流側にて、より低温度を得る蓄冷式冷凍機において、最終冷却段の蓄冷器の低温側空間に充填される蓄冷材の少なくとも一部の蓄冷材が前記一般式:Q1−x(Sn1−yで表される蓄冷材から成り、その蓄冷材の充填容積が蓄冷器の全充填容積に対して3〜70%であることを特徴とする。なお、本発明の蓄冷材は蓄冷器の下流低温側に充填されることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明に係るMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、磁気浮上列車用超電導磁石、クライオポンプおよび磁界印加式単結晶引上げ装置は、いずれも上記した本発明に係る蓄冷式冷凍機を具備することを特徴としている。
【0021】
本発明に係る蓄冷材は、その一般式から明らかなように、NdSnまたはPrSnから成る磁性体、または、この基本組成を有する磁性体のQ成分の一部をNdおよびPrとは異なる他の希土類元素(R成分)で置換したり、Sn成分の一部をM成分で置換したりした磁性体から成る。
【0022】
上記R成分は、Y,La,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,TmおよびYbから選択され、Q成分およびSnとは異なる少なくとも1種の希土類元素であり、M成分はSb,Bi,Si,Ge,Al,Ga,In,Pb,B、C、Teおよび遷移金属元素から選択される少なくとも1種の元素である。これらのR成分およびM成分は、いずれもQ成分またはSnの一部を置換した場合に、磁性体の体積比熱ピークの温度位置をより低温側に移動させたり、ピークの半値幅を拡げたり、冷凍機の設計仕様に応じた比熱特性の調整を行なうなどして蓄冷材として有効な比熱特性を実現するために添加される。
【0023】
上記R成分およびM成分のQ成分およびSnに対する置換量x,yは、それぞれ原子比で0以上0.5以下の範囲とされる。上記置換量xまたはyが0.5を超えると、NdSnやPrSnの比熱ピークが過度に変形し4〜6K付近の温度域での体積比熱が不十分となる。NdSnでも優れた特性を示すが、NdSnまたはPrSnについて、NdまたはPrの一部を他の希土類元素、またはSnの一部を他の元素で置換することにより、より優れた特性となる。
【0024】
R成分は、上述のように、Qとは異なる少なくとも一種の希土類元素を示すが、Ce,Sm,Gd,Ho、Erが好ましく、特にCe,Sm,Gdが好ましい。さらに、Q成分としてPrとNdとを併用することが好ましい。すなわちNdSnとPrSnとの合金化を図ることが比熱特性を改善する上で好ましい。この場合、前記一般式にてR成分およびM成分の原子比を示すxとyは同時に0にならないことになる。
【0025】
また、上記置換量xまたはyが0.5を超えると、体積比熱ピークの温度位置が大きく移動し目的とする4K付近の温度領域での体積比熱が低下したり、または比熱ピークの半値幅が拡がり過ぎ、ピーク高さが低下したり、極低温度域での磁性体の体積比熱が不十分となり、蓄冷材としての機能が低下してしまう。
【0026】
またM成分としては、Sb,Bi,Si,Ge,Al,Ga,In,Pb,B、C、Teおよび遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素が使用されるが、Sb,Si,Ge,Al,Ga,Inが好ましく、特にSb,Si,Ge,Inが好ましい。さらに前記金属元素の中で、特にInが好適である。
【0027】
また蓄冷材を充填した蓄冷器内を流れるヘリウムガスなどの作動媒質の流れを円滑にするとともに、上記作動媒質と蓄冷材との熱交換効率を高め、かつ熱交換機能を安定に維持するために、上記の蓄冷材は、粒径が揃った球状磁性粒子から構成するとよい。具体的には、上記蓄冷材を構成する全磁性粒子に対して、長径の短径に対する比(アスペクト比)が5以下であり、かつ0.01mm以上3mm以下の粒径を有する磁性粒子の割合が70%重量以上となるように調整することが好ましい。
【0028】
磁性粒子の粒径は粒子の強度、冷凍機の冷却機能および伝熱特性に大きな影響を及ぼすファクターであり、その粒径が0.01mm未満となると、蓄冷器に充填する際の充填密度が高くなり過ぎて、冷却媒体であるHeガスの通過抵抗(圧力損失)が急激に増大する上に、流通するHeガスに同伴されてコンプレッサ内に侵入して構成部品等を早期に摩耗させてしまう。
【0029】
一方、粒径が3mmを超える場合には、粒体の結晶組織に偏析を生じて脆くなるとともに磁性粒子と冷却媒体であるHeガスとの間の伝熱面積が小さくなり、熱伝達効率が著しく低下してしまうおそれがある。また、このような粗大な粒子が30重量%を超えると、蓄冷性能の低下を招くおそれがある。したがって平均粒径は0.01mm以上3mm以下に設定されるが、より好ましくは0.05〜1.0mmの範囲であり、さらに0.1mm以上0.5mm以下が好ましい。また冷却機能および強度を実用上充分に発揮させるためには、上記平均粒径が0.01mm以上3mm以下である粒子が磁性蓄冷材粒子全体に対して、少なくとも70重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90%以上占めることが好ましい。
【0030】
また磁性蓄冷材粒子の短径に対する長径の比(アスペクト比)は5以下好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、なお一層好ましくは1.3以下に調整される。磁性粒子のアスペクト比は、粒子の強度および蓄冷器に充填する際の充填密度および均一性に大きな影響を及ぼすものであり、アスペクト比が5を超える場合には、機械的作用によって磁性粒子が変形破壊を起こし易くなるとともに、空隙が均質となるように蓄冷器に均一かつ高密度で充填することが困難となり、このような粒子が蓄冷材全粒子の30重量%を超えると、蓄冷効率の低下を招くおそれがある。
【0031】
ここで溶湯急冷法によって調製した磁性粒子の粒径のばらつきおよび短径に対する長径の比のばらつきは、従来のプラズマスプレー法で調製した場合と比較して大きく減少するため、上記粒径範囲外の磁性粒子の割合が少ない。また、ばらつきが生じた場合においても、それらを適宜分級して使用することも容易である。この場合、蓄冷部に充填する全磁性粒子のうち、アスペクト比が上記範囲内の磁性粒子の割合を70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とすることにより、充分に実用に耐える蓄冷材とすることができる。
【0032】
また溶湯急冷法によって調製した磁性粒子の平均結晶粒径を0.5mm以下に設定することにより、または少なくとも一部の金属組織を非晶質とすることにより極めて高強度で寿命の長い磁性粒子を形成することができる。
【0033】
また磁性粒子の表面粗さは、機械的強度、冷却特性、冷却媒体の通過抵抗、蓄冷効率等に大きな影響を及ぼす要因であり、一般にJIS B0601で規定する凹凸の最大高さRmaxで10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下に設定することが望ましい。なお、これらの表面粗さは走査電子顕微鏡(SEM粗さ計)によって測定することができる。
【0034】
表面粗さが10μmRmaxを超えると、粒子に破壊の出発点となるマイクロクラックが発生し易くなるとともに、冷却媒体の通過抵抗が上昇しコンプレッサの負荷が増大したり、特に充填された磁性粒子同士の接触面積が増大し、磁性粒子間における冷熱の移動が大きくなり蓄冷効率が低下してしまう。
【0035】
また磁性粒子の機械的強度に影響を与える長さ10μm以上の微小欠陥を有する磁性粒子の割合は、全体の30%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは10%以下にすることが実用上望ましい。
【0036】
上述したような磁性蓄冷材粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、種々の汎用の合金粒子製造方法を適用することができる。例えば、遠心噴霧法,ガスアトマイズ法,回転電極法などに準拠して所定組成を有する溶湯を分散すると同時に急冷凝固せしめる方法(溶湯急冷法)を適用することができる。また、振動するノズルから溶湯を滴下する方法も適用可能である。
【0037】
本発明に係る蓄冷式冷凍機は、複数の冷却段を有する冷凍機の最終冷却段の蓄冷器の少なくとも一部に、上記の磁性蓄冷材粒子を充填して構成される。例えば、2段膨張式冷凍機においては、第2段目蓄冷器の低温端側に、また3段膨張式冷凍機においては、第3段目蓄冷器の低温端側に、本発明に係る磁性蓄冷材粒子を充填する一方、他の蓄冷材充填空間には、その温度分布に応じた比熱特性を有する他の蓄冷材を充填して構成される。
【0038】
上述した最終冷却段の蓄冷器の低温側空間における本発明の磁性蓄冷材粒子の充填量が体積比率で3%未満と過少な場合には、冷凍機の蓄冷効率の向上が認められず、冷凍機の能力が改善されない。一方、充填量が70体積%を超えるように過大になると、上述した磁性蓄冷材粒子の比熱特性の欠点が顕著になり、同様に蓄冷効率の低下を招く。すなわち、体積比熱がピークとなる温度以外の温度域、特に高温側温度域における体積比熱が、比較的に小さくなることが蓄冷器全体に悪影響を及ぼす結果、蓄冷効率の低下を招く。したがって、上記最終冷却段の蓄冷器の全容積に対する本発明の磁性蓄冷材粒子の充填容積比率は、3〜70容積%の範囲とされるが、好ましくは5〜50容積%の範囲であり、さらに10〜30容積%の範囲が特に望ましい。
【0039】
上記構成に係る蓄冷材によれば、極低温域において急峻な体積比熱のピークを有するPrSn磁性材料やNdSn磁性材料、またはその主構成成分の一部を他の希土類元素または遷移金属元素等で置換したQ1−x(Sn1−y系磁性材料で構成しているため、体積比熱ピークの温度位置がより低温側にシフトするとともに、比熱ピークの半値幅が拡大され、比熱特性が良好な蓄冷材が得られる。そして、その蓄冷材を冷凍機の最終冷却段を構成する蓄冷器内の低温端側に所定の容積比率で充填することにより、温度4K領域における冷凍能力が高く、かつ長期間に亘って安定した冷凍性能が維持できる冷凍機を提供することができる。
【0040】
そして、MRI装置、クライオポンプ、磁気浮上列車用超電導磁石、および磁界印加式単結晶引上げ装置は、いずれも冷凍機性能が各装置の性能を左右することから、上述したような冷凍機を用いた本発明のMRI装置、クライオポンプ、磁気浮上列車用超電導磁石、および磁界印加式単結晶引上げ装置は、いずれも長期間に亘って優れた性能を発揮させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について以下に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
【0042】
(実施例1)
高周波溶解によりNdSn3母合金を作製した。このNdSn3母合金を約1550Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中(圧力:90kPa)、1×10rpmで回転する円盤上に滴下して急冷凝固させた。得られた磁性体粒子からアスペクト比が1.2以下の粒子を形状分級した後に篩分することにより、粒径0.2〜0.3mmの球状粒子を100g調製して実施例1に係る蓄冷材とした。
【0043】
一方、上記のように調製した蓄冷材の特性を評価するために、図1に示すような2段膨張式GM冷凍機を用意した。なお、図1に示す2段式のGM冷凍機10は、本発明の冷凍機の一実施例を示すものである。図1に示す2段式のGM冷凍機10は、大径の第1シリンダ11と、この第1シリンダ11と同軸的に接続された小径の第2シリンダ12とが設置された真空容器13を有している。第1シリンダ11には第1蓄冷器14が往復動自在に配置されており、第2シリンダ12には第2蓄冷器15が往復動自在に配置されている。第1シリンダ11と第1蓄冷器14との間、および第2シリンダ12と第2蓄冷器15との間には、それぞれシールリング16,17が配置されている。
【0044】
第1蓄冷器14には、Cuメッシュ等の第1蓄冷材18が収容されている。第2蓄冷器15の低音側には、本発明の極低温用蓄冷材が第2蓄冷材19として所定比率で充填されている。第1蓄冷器14および第2蓄冷器15は、第1蓄冷材18や極低温用蓄冷材19の間隙等に設けられたHeガス等の作動媒質の通路をそれぞれ有している。
【0045】
第1蓄冷器14と第2蓄冷器15との間には、第1膨張室20が設けられている。また、第2蓄冷器15と第2シリンダ12の先端壁との間には、第2膨張室21が設けられている。そして、第1膨張室20の底部に第1冷却ステージ22が、また第2膨張室21の底部に第1冷却ステージ22より低温の第2冷却ステージ23が形成されている。
【0046】
上述したような2段式のGM冷凍機10には、コンプレッサ24から高圧の作動媒質(例えばHeガス)が供給される。供給された作動媒質は、第1蓄冷器14に収容された第1蓄冷材18間を通過して第1膨張室20に到達し、さらに第2蓄冷器15に収容された極低温用蓄冷材(第2蓄冷材)19間を通過して第2膨張室21に到達する。この際に、作動媒質は各蓄冷材18,19に熱エネルギーを供給して冷却される。各蓄冷材18,19間を通過した作動媒質は、各膨張室20,21で膨張して寒冷を発生させ、各冷却ステージ22,23が冷却される。膨張した作動媒質は、各蓄冷材18,19間を反対方向に流れる。作動媒質は各蓄冷材18,19から熱エネルギーを受け取った後に排出される。こうした過程で復熱効果が良好になるに従って、作動媒質サイクルの熱効率が向上し、より一層低い温度が実現されるように構成されている。
【0047】
そして、前記のように調製した実施例1に係る蓄冷材100gを、上記2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷器の低温側に充填した。さらに、その高温側には、順に、HoCuを150gと、Pbを250gとを充填し、実施例1に係る冷凍機を組み立てた。各蓄冷材の充填体積比は、NdSnが24.8vol.%であり、HoCuが32.0vol.%であり、Pbが43.2vol.%であった。
【0048】
そして、上記のように組み立てた実施例1に係る冷凍機について冷凍試験を実施し、3000時間連続運転後における冷凍能力を測定した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.71Wが得られた。
【0049】
なお本実施例における冷凍能力は、冷凍機運転時にヒータによって第2冷却段に熱負荷を作用させ、第2冷却段の温度上昇が4.2Kで停止したときの熱負荷で定義した。
【0050】
(実施例2)
高周波溶解によりNd0.6Pr0.4Sn母合金を作製した。このNd0.6Pr0.4Sn母合金を約1550Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中(圧力:90kPa)、1×10rpmで回転する円盤上に滴下して急冷凝固させた。得られた磁性体粒子からアスペクト比が1.2以下の粒子を形状分級した後に篩分することにより、粒径0.2〜0.3mmの球状粒子を50g調製し実施例2に係る蓄冷材を得た。これを2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷器の低温側に充填した。その高温側には、順に、HoCuを200gと、Pbを250gとを充填し実施例2に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。蓄冷材の充填体積比は、それぞれNd0.6Pr0.4Snが12.6vol.%であり、HoCuが43.4vol.%であり、Pbが44.0vol.%であった。
【0051】
そして実施例1と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、1.06Wが得られた。
【0052】
(実施例3)
高周波溶解によりPr0.8Ho0.2Sn母合金を作製した。このPr0.8Ho0.2Sn母合金を約1550Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中(圧力:90kPa)、1×10rpmで回転する円盤上に滴下して急冷凝固させた。得られた磁性体粒子からアスペクト比が1.2以下の粒子を形状分級した後に篩分することにより、粒径0.2〜0.3mmの球状粒子を30g調製し、実施例3に係る蓄冷材とした。これを2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷器の低温側に充填した。その高温側には、順に、HoCuを220gと、Pbを250gとを充填し実施例3に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。各蓄冷材の充填体積比は、Pr0.8Ho0.2Snが7.6vol.%であり、HoCuが48.1vol.%であり、Pbが44.3vol.%であった。
【0053】
そして実施例1と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.87Wが得られた。
【0054】
(実施例4)
高周波溶解によりPr(Sn0.9In0.1母合金を作製した。このPr(Sn0.9In0.1母合金を約1550Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中(圧力:90kPa)、1×10rpmで回転する円盤上に滴下して急冷凝固させた。得られた磁性体粒子からアスペクト比が1.2以下の粒子を形状分級した後に篩分することにより、粒径が0.2〜0.3mmの球状粒子を150g調製し実施例4に係る蓄冷材とした。これを2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷器の低温側に充填した。その高温側には、順に、HoCuを100gと、Pbを250gとを充填し実施例4に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。各蓄冷材の充填体積比は、Pr(Sn0.9In0.1が36.6vol.%であり、HoCuが21.0vol.%であり、Pbが42.4vol.%であった。
【0055】
そして実施例1と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.88Wが得られた。
【0056】
(比較例1)
高周波溶解によりErNi0.9Co0.1なる従来組成を有する母合金を作製した。このErNi0.9Co0.1母合金を約1470Kで溶融し、この溶湯をAr雰囲気中(圧力:90kPa)、1×10rpmで回転する円盤上に滴下して急冷凝固させた。得られた磁性体粒子からアスペクト比が1.2以下の粒子を形状分級した後に篩分することにより、粒径0.2〜0.3mmの球状粒子を50g調製し比較例1に係る蓄冷材とした。これを2段膨張式GM冷凍機の2段目蓄冷器の低温側に充填した。その高温側には、順に、HoCuを150gと、Pbを250gとを充填して比較例1に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。各蓄冷材の充填体積比は、ErNi0.9Co0.1が12.0vol.%であり、HoCuが37.5vol.%であり、Pbが50.5vol.%であった。
【0057】
そして実施例1と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.47Wが得られた。
【0058】
(比較例2)
実施例4で調製したPr(Sn0.9In0.1なる組成を有する蓄冷材の最終冷却段における体積充填率を、本発明で規定する範囲より過小に2.6vol.%とし、その高温度側にHoCuを52.8vol.%と、Pbを44.6vol.%とを充填した点以外は実施例4と同様に処理して比較例2に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。
【0059】
そして実施例4と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.24Wが得られた。
【0060】
(比較例3)
実施例4で調製したPr(Sn0.9In0.1なる組成を有する蓄冷材の最終冷却段における体積充填率を、本発明で規定する範囲より過大に76.7vol.%とし、その高温度側にHoCuを8.9vol.%と、Pbを14.4vol.%とを充填した点以外は実施例4と同様に処理して比較例3に係る蓄冷式冷凍機を組み立てた。
【0061】
そして実施例4と同様に冷凍試験を実施した結果、4.2Kにおける冷凍能力として、0.31Wが得られた。
【0062】
各冷凍機における冷凍能力の測定結果から明らかなように、NdSn磁性体(実施例1)またはQ成分の一部を他の希土類元素で置換したり、あるいはSnの一部を遷移金属元素等で置換した反強磁性体から成る各実施例の蓄冷材を使用した冷凍機においては、比較例1のものと比較して、いずれも4K領域における冷凍能力が1.5〜2.2倍も高くなることが確認できた。さらに各実施例に係る蓄冷材を使用した冷凍機においては、蓄冷材の機械的強度が高まるために劣化が少なく、長期間の連続運転後においても冷凍能力の低下が少なく、安定した冷凍能力を維持できることが判明した。
【0063】
また、比較例2〜3に示すように、本発明で規定する組成を有する蓄冷材の最終冷却段における体積充填率を、本発明で規定する範囲外とした各冷凍機においては、蓄冷材の比熱特性が低下するため、冷凍能力も低下してしまうことが判明した。
【0064】
次に、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使用した超電導MRI装置、磁気浮上列車用超電導磁石、クライオポンプ、および磁界印加式単結晶引上げ装置の実施例について述べる。
【0065】
図2は、本発明を適用した超電導MRI装置の概略構成を示す断面図である。図2に示す超電導MRI装置30は、人体に対して空間的に均一で時間的に安定な静磁界を印加する超電導静磁界コイル31、発生磁界の不均一性を補正する図示を省略した補正コイル、測定領域に磁界勾配を与える傾斜磁界コイル32、およびラジオ波送受信用プローブ33等により構成されている。そして、超電導静磁界コイル31の冷却用として、前述したような本発明に係る蓄冷式冷凍機34が用いられている。なお、図中35はクライオスタット、36は放射断熱シールドである。
【0066】
本発明に係る蓄冷式冷凍機34を用いた超電導MRI装置30においては、超電導静磁界コイル31の動作温度を長期間に亘って安定に保証することができるため、空間的に均一で時間的に安定な静磁界を長期間に亘って得ることができる。したがって、超電導MRI装置30の性能を長期間に亘って安定して発揮させることが可能となる。
【0067】
図3は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使用した磁気浮上列車用超電導磁石の要部概略構成を示す斜視図であり、磁気浮上列車用超電導マグネット40の部分を示している。図3に示す磁気浮上列車用超電導マグネット40は、超電導コイル41、この超電導コイル41を冷却するための液体ヘリウムタンク42、この液体ヘリウムタンクの揮散を防ぐ液体窒素タンク43および本発明に係る蓄冷式冷凍機44等により構成されている。なお、図中45は積層断熱材、46はパワーリード、47は永久電流スイッチである。
【0068】
本発明に係る蓄冷式冷凍機44を用いた磁気浮上列車用超電導マグネット40においては、超電導コイル41の動作温度を長期間に亘って安定に保証することができるため、列車の磁気浮上および推進に必要な磁界を長期間に亘って安定して得ることができる。特に、磁気浮上列車用超電導マグネット40では加速度が作用するが、本発明に係る蓄冷式冷凍機44は加速度が作用した場合においても長期間に亘って優れた冷凍能力を維持できることから、磁界強度等の長期安定化に大きく貢献する。したがって、このような超電導マグネット40を用いた磁気浮上列車は、その信頼性を長期間に亘って発揮させることが可能となる。
【0069】
図4は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使用したクライオポンプの概略構成を示す断面図である。図4に示すクライオポンプ50は、気体分子を凝縮または吸着するクライオパネル51、このクライオパネル51を所定の極低温に冷却する本発明に係る蓄冷式冷凍機52、これらの間に設けられたシールド53、吸気口に設けられたバッフル54、およびアルゴン、窒素、水素等の排気速度を変化させるリング55等により構成されている。
【0070】
本発明に係る蓄冷式冷凍機52を用いたクライオポンプ50においては、クライオパネル51の動作温度を長期間に亘って安定に保証することができる。したがって、クライオポンプ50の性能を長期間に亘って安定して発揮させることが可能となる。
【0071】
図5は、本発明に係る蓄冷式冷凍機を使用した磁界印加式単結晶引上げ装置の概略構成を示す斜視図である。図5に示す磁界印加式単結晶引上げ装置60は、原料溶融用るつぼ、ヒータ、単結晶引上げ機構等を有する単結晶引上げ部61、原料融液に対して静磁界を印加する超電導コイル62、および単結晶引上げ部61の昇降機構63等により構成されている。そして、超電導コイル62の冷却用として、前述したような本発明に係る蓄冷式冷凍機64が用いられている。なお、図中65は電流リード、66は熱シールド板、67はヘリウム容器である。
【0072】
本発明に係る蓄冷式冷凍機64を用いた磁界印加式単結晶引上げ装置60においては、超電導コイル62の動作温度を長期間に亘って安定に保証することができるため、単結晶の原料融液の対流を抑える良好な磁界を長期間に亘って得ることができる。したがって、磁界印加式単結晶引上げ装置60の性能を長期間に亘って安定して発揮させることが可能となる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る蓄冷材によれば、極低温域において急峻な体積比熱のピークを有するPrSn磁性材料やNdSn磁性材料、またはその主構成成分の一部を他の希土類元素または遷移金属元素等で置換したQ1−x(Sn1−y系磁性材料で構成しているため、体積比熱ピークの温度位置がより低温側にシフトするとともに、比熱ピークの半値幅が拡大され、比熱特性が良好な蓄冷材が得られる。そして、その蓄冷材を冷凍機の最終冷却段を構成する蓄冷器内の低温端側に所定の容積比率で充填することにより、温度4K領域における冷凍能力が高く、かつ長期間に亘って安定した冷凍性能が維持できる冷凍機を提供することができる。
【0074】
したがって、このような極低温用蓄冷材を用いた本発明の冷凍機は、優れた冷凍性能を再現性よく長期間に亘って維持することが可能となる。また、そのような冷凍機を有する本発明のMRI装置、クライオポンプ、磁気浮上列車用超電導磁石、および磁界印加式単結晶引上げ装置は、長期間に亘って優れた性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄冷式冷凍機(GM冷凍機)の要部構成を示す断面図。
【図2】本発明の一実施例による超電導MRI装置の概略構成を示す断面図。
【図3】本発明の一実施例による超電導磁石(磁気浮上列車用)の要部概略構成を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施例によるクライオポンプの概略構成を示す断面図。
【図5】本発明の一実施例による磁界印加式単結晶引上げ装置の要部概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
10 GM冷凍機(蓄冷式冷凍機)
11 第1シリンダ
12 第2シリンダ
13 真空容器
14 第1蓄冷器
15 第2蓄冷器
16,17 シールリング
18 第1蓄熱材
19 第2蓄熱材(極低温用蓄冷材)
20 第1膨張室
21 第2膨張室
22 第1冷却ステージ
23 第2冷却ステージ
24 コンプレッサ
30 超電導MRI装置
31 超電導静磁界コイル
32 傾斜磁界コイル
33 ラジオ波送受信用プローブ
34 蓄冷式冷凍機
35 クライオスタット
36 放射断熱シールド
40 超電導磁石(マグネット)
41 超電導コイル
42 液体ヘリウムタンク
43 液体窒素タンク
44 蓄冷式冷凍機
45 積層断熱材
46 パワーリード
47 永久電流スイッチ
50 クライオポンプ
51 クライオパネル
52 蓄冷式冷凍機
53 シールド
54 バッフル
55 リング
60 磁界印加式単結晶引上げ装置
61 単結晶引上げ部
62 超電導コイル
63 昇降機構
64 蓄冷式冷凍機
65 電流リード
66 熱シールド板
67 ヘリウム容器

Claims (9)

  1. 一般式:Q1−x(Sn1−y(但し、QはPrおよびNdから選択される少なくとも一種の希土類元素を示し、RはY,La,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,TmおよびYbから選ばれ、Qとは異なる少なくとも一種の希土類元素を示し、MはSb,Bi,Si,Ge,Al,Ga,In,Pb,B、C、Teおよび遷移金属元素から選択される少なくとも一種の元素を示し、x,yはそれぞれ原子比では0≦x≦0.5および0≦y≦0.5を満足する。)で表わされる反強磁性体から成ることを特徴とする蓄冷材。
  2. 請求項1記載の蓄冷材において、前記一般式にてR成分およびM成分の原子比を示すxとyは同時に0にならないこと特徴とする蓄冷材。
  3. 請求項1記載の蓄冷材において、蓄冷材を構成する磁性粒子の粒径が0.01〜3mmであることを特徴とする蓄冷材。
  4. 請求項1記載の蓄冷材において、蓄冷材を構成する全磁性粒子に対して、長径の短径に対する比(アスペクト比)が5以下であり、かつ0.01mm以上3mm以下の粒径を有する磁性粒子の割合が70質量%以上であることを特徴とする蓄冷材。
  5. 蓄冷材を充填した蓄冷器から成る冷却段を複数個有し、各冷却段の蓄冷器の上流高温側から作動媒質を流して上記作動媒質と蓄冷材との熱交換によって蓄冷器の下流側にて、より低温度を得る蓄冷式冷凍機において、最終冷却段の蓄冷器の低温側空間に充填される蓄冷材の少なくとも一部の蓄冷材が請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄冷材から成り、その蓄冷材の充填容積が蓄冷器の全充填容積に対して3〜70%であることを特徴とする蓄冷式冷凍機。
  6. 請求項5記載の蓄冷式冷凍機を具備したことを特徴とする超電導磁石。
  7. 請求項5記載の蓄冷式冷凍機を具備したことを特徴とするMRI(核磁気共鳴イメージング)装置。
  8. 請求項5記載の蓄冷式冷凍機を具備したことを特徴とするクライオポンプ。
  9. 請求項5記載の蓄冷式冷凍機を具備したことを特徴とする磁界印加式単結晶引上げ装置。
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