JPH07234028A - 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器 - Google Patents

極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器

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JPH07234028A
JPH07234028A JP2419094A JP2419094A JPH07234028A JP H07234028 A JPH07234028 A JP H07234028A JP 2419094 A JP2419094 A JP 2419094A JP 2419094 A JP2419094 A JP 2419094A JP H07234028 A JPH07234028 A JP H07234028A
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regenerator
cryogenic
spherical particles
specific heat
cryogenic regenerator
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JP2419094A
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Ki Ryu
毅 龍
Masami Okamura
正己 岡村
Naoyuki Sori
尚行 蘓理
Takakuni Hashimoto
巍洲 橋本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば6K以下というような極低温域で大きな
比熱を示す極低温用蓄冷材、および例えば4.2K付近にお
ける熱エネルギーの受け渡しを効率よく行えるようにし
た極低温用蓄冷器を提供する 【構成】 一般式:Er1-x Rx M (式中、 RはPr、Nd、
Sm、Gd、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる少なくとも 1
種の元素を、 MはSbおよびBiから選ばれる少なくとも 1
種の元素を、 xは 0< x< 1を満足する数を示す)で実
質的に表される磁性体からなる極低温用蓄冷材である。
極低温用蓄冷器は、上記極低温用蓄冷材を充填物質の少
なくとも一部として用いたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍機等に使用される
極低温用蓄冷材、およびそれを用いた極低温用蓄冷器に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って、小型で高性能の冷凍機の
開発が不可欠になってきている。このような冷凍機に
は、小型・軽量で、熱効率の高いことが要求されてい
る。
【0003】例えば、超電導MRI装置、クライオポン
プ等においては、ギフォード・マクマホン方式(GM方
式)やスターリング方式等の冷凍サイクルによる冷凍機
が用いられている。また、磁気浮上列車にも高性能の冷
凍機は必須とされている。このような冷凍機において
は、圧縮されたヘリウムガス等の作動媒質が蓄冷器内を
一方向に流れて、その熱エネルギーを充填物質(蓄冷
材)に供給し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流
れ、蓄冷材から熱エネルギーを受けとる。こうした過程
で復熱効果が良好になるに伴って、作動媒質サイクルの
熱効率が向上し、一層低い温度を実現することが可能と
なる。
【0004】上述したような冷凍機に用いられる蓄冷材
としては、従来、CuやPb等が主に用いられてきた。しか
し、このような蓄冷材は、 20K以下の極低温で比熱が著
しく小さくなるため、上述したような冷凍機における動
作において、極低温下の 1サイクル毎に充填物質に十分
な熱エネルギーを貯蔵することができず、かつ作動媒質
が充填物質から十分に熱エネルギーを受け取ることがで
きなくなる。その結果、上述したような充填物質を有す
る蓄冷器を組み込んだ冷凍機では、極低温を実現するこ
とができないという問題があった。
【0005】そこで、最近では、より絶対零度に近い温
度を実現するために、極低温域において大きな比熱を示
す、Er3 Ni、ErNi、ErNi2 等の Er-Ni系金属間化合物
(特開平1-310269号公報参照)や、ErRh等のA-Rh系金属
間化合物(A:Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb)(特開昭51-5237
8号公報参照)等を蓄冷材として用いることが検討され
ている。
【0006】しかしながら、上述した Er-Ni系金属間化
合物は、いずれも比熱のピークを示す温度が6K以上であ
るため、極低温を実現する際に重要な液体ヘリウム温度
(4.2K)付近における熱エネルギーの受け渡しを十分に行
うことができないという難点を有していた。従って、 E
r-Ni系金属間化合物が蓄冷材として充填された蓄冷器を
組み込んだ冷凍機では、例えば4.2Kにおける冷凍能力を
十分に高めることが困難であった。
【0007】一方、ErRh等のA-Rh系金属間化合物は、6K
以下に比熱のピークを有するものの、ErRh等は材質的に
非常に脆く、例えば粒状に加工することが困難であると
共に、Rh自体が高価で製造コストが高くなるという問題
を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の極低温用蓄冷材のうち Er-Ni系金属間化合物は、比熱
ピークを示す温度が6K以上であるため、例えば液体ヘリ
ウム温度(4.2K)付近における熱エネルギーの受け渡しを
効率よく行うことができないという難点を有していた。
また、ErRh等のA-Rh系金属間化合物は、材質的に非常に
脆く、粒状等に加工することが困難であると共に、製造
コストが高いという問題を有していた。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、例えば6K以下というような極低温域
で高い熱容量を有し、かつ実用上問題のない加工性等を
有する極低温用蓄冷材、および例えば液体ヘリウム温度
(4.2K)付近における熱エネルギーの受け渡しを効率よく
行えるようにした極低温用蓄冷器を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の極低温用
蓄冷材は、 一般式:Er1-x Rx M ……(1) (式中、 RはPr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、HoおよびYbから
選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはSbおよびBiから
選ばれる少なくとも 1種の元素を、 xは 0< x<1を満
足する数を示す)で実質的に表される磁性体からなるこ
とを特徴としている。
【0011】また、本発明の極低温用蓄冷器は、極低温
用蓄冷材が充填された蓄冷器において、前記極低温用蓄
冷材は、その少なくとも一部として、上記 (1)式で実質
的に表される磁性体の 1種または 2種以上を有すること
を特徴としている。
【0012】本発明の極低温用蓄冷材は、Erと M元素と
の 1:1の金属間化合物において、Erの一部を R元素で置
き換えた磁性体からなるものである。Erと M元素との
1:1の金属間化合物は、極低温域に比熱のピークを有す
る(例えばErSbの比熱ピークは3.5K、ErBiの比熱ピーク
は3.9K)ものの、比熱ピークの幅が極端に狭いために、
優れた蓄冷特性を有する磁性体は得ることができない。
本発明は、このようなErM金属間化合物におけるErの一
部を R元素で置き換えることによって、実用的な比熱ピ
ークの幅が得られることを見出したことに基いて成され
たものである。ErM金属間化合物に極少量の R元素を混
入させるだけで、比熱ピークの幅が広がり、優れた蓄冷
特性を有する磁性体が得られる。
【0013】R元素は極少量の混入でも効果を示すが、
R元素の混入量を増やすにつれて比熱ピークの幅が広が
るため、 R元素の添加量を示す x値を0.01以上とするこ
とが実用的には好ましく、より好ましい x値は 0.1以上
である。また、 R元素の混入量を増やすにつれて、上記
したように比熱ピークの幅が広がると共に、磁性体の比
熱ピークを示す温度が上昇するため、蓄冷材の使用用途
に応じて x値を設定することが好ましい。実用的には x
値を0.99以下とすることが好ましく、より好ましくは
0.9以下である。
【0014】なお、 R元素の混入量による上記比熱ピー
クの幅や比熱ピークを示す温度は、R元素の種類によっ
ても異なるため、 R元素の種類に応じて x値を設定する
ことがより好ましい。例えば、 R元素としてDyを用いた
場合に、比熱ピークを示す温度を例えば6K以下とした上
で、実用的な比熱ピークの幅を得るためには、 x値を0.
05〜 0.8の範囲とすることが好ましい。
【0015】また、上記 (1)式における R元素は、Pr、
Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる少なくと
も 1種の元素であればよいが、磁気モーメントが大き
く、固溶体を作ることで比熱ピーク温度のの制御が容易
である等の点からGd、Tb、DyおよびHoから選ばれる少な
くとも 1種の元素を用いることが好ましく、さらにはG
d、TbおよびDyから選ばれる少なくとも 1種の元素を用
いることが好ましい。またさらに、製造コストの点から
は特にGdやDyが好ましい。特に、 M元素とErと異方的な
イオンであるDyとの間の固溶体を作ると、比熱ピークの
幅が広がる。すなわち、比熱ピークの形状制御が容易と
なる。Dyは添加量に対して比熱ピークを示す温度の変動
が緩やかである。これらの点から、Dyは実用性に優れた
R元素ということができる。一方、例えばGdは添加量に
対して比熱ピークを示す温度の変動が大きいため、例え
ば比熱ピークを示す温度が異なる多種類の磁性体を必要
とするようなときには有効である。
【0016】上記 (1)式における M元素は、SbおよびBi
から選ばれる少なくとも 1種の元素であればよく、Sb単
独、Bi単独またはSbとBiとの混合物のいずれでもよい。
特に、Biに比べてSbの方が比重が小さいため、より大き
な体積比熱を得ることができる。
【0017】本発明の極低温用蓄冷器は、蓄冷器容器内
に充填する蓄冷材の少なくとも一部として、上述した本
発明の極低温用蓄冷材を用いたものである。本発明の極
低温用蓄冷材は、上記 (1)式で表される 1種の化合物か
らなる磁性体として充填してもよいし、また 2種以上の
化合物からなる混合磁性体として充填してもよい。
【0018】また、本発明の極低温用蓄冷器において
は、蓄冷器容器内に充填する蓄冷材の全てを本発明の極
低温用蓄冷材としてもよいし、あるいは他の蓄冷材と本
発明の極低温用蓄冷材とを多段に充填配置したり、それ
らの混合物として充填することも可能である。特に、一
般に蓄冷器内には温度分布が生じるため、その温度分布
に応じて、蓄冷器の低温側に本発明の極低温用蓄冷材を
充填配置し、高温側には本発明の極低温用蓄冷材より高
温領域での比熱が大きい磁性体からなる蓄冷材の1種ま
たは 2種以上を充填配置することが好ましい。このよう
に、本発明の極低温用蓄冷材と従来の蓄冷材とを多段に
充填配置することによって、極低温域の比較的幅広い温
度範囲で大きな比熱を得ることが可能となる。また、上
記したように多段に充填配置する場合の体積比は、特に
限定されるものではなく、蓄冷器の使用用途や蓄冷器内
の温度分布等に応じて設定することが好ましい。
【0019】上記した本発明の極低温用蓄冷材と共に充
填する蓄冷材としては、例えば 一般式: REMz ……(2) (式中、REは希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の
元素を、 MはNi、CoおよびCuから選ばれる少なくとも 1
種の元素を、 zは 0.001≦ z≦ 9.0を満足する数を示
す)で実質的に表される磁性体からなるものが例示さ
れ、より具体的にはErNi、Er3 Ni、Er3 Co、ErNi2 、Er
0.9 Yb0.1 Ni等が挙げられる。
【0020】本発明の極低温用蓄冷器内に充填する蓄冷
材の粒体形状は、球状に近く、かつその粒径が揃ってい
るほど、ガスの流れを円滑にすることができるため、全
粒体の70重量% 以上を短径に対する長径の比(アスペク
ト比)が 5以下である蓄冷材粒子で構成し、かつ全粒体
の70重量% 以上を粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の蓄冷材粒
子で構成することが好ましい。なお、上記蓄冷材粒子の
粒径はその最大径を指すものする。
【0021】蓄冷材粒子のアスペクト比が 5を超える
と、空隙が均一となるように充填することが困難とな
る。よって、このような粒子が全粒体の30重量% を超え
ると、蓄冷性能の低下等を招くこととなる。より好まし
いアスペスクト比は 3以下、さらに好ましくは 2以下で
あり、できる限り真球に近いことが望ましい。また、ア
スペクト比が 5以下の粒子の全粒体中における比率は、
80重量% 以上とすることがより好ましく、さらに好まし
くは90重量%以上である。
【0022】また、蓄冷材粒子の粒径が0.01mm未満であ
ると、充填密度が高くなりすぎ、ヘリウム等の作動媒質
の圧力損失が増大し、また粒径が 3.0mmを超えると、蓄
冷材と作動媒質間の伝熱面積が小さくなり、熱伝達効率
の低下を招くことになる。よって、このような蓄冷材粒
子が全粒体の30重量% を超えると、蓄冷性能の低下等を
招くこととなる。より好ましい粒径は、 0.1〜 2mmの範
囲である。また粒径が0.01〜 3.0mmの範囲の蓄冷材粒子
の全粒体中における比率は、80重量% 以上とすることが
より好ましく、さらに好ましくは90重量% 以上である。
【0023】上述したような蓄冷材粒子の製造方法は、
本発明の極低温用蓄冷材を含めて特に限定されるもので
はなく、種々の製造方法を適用することができる。例え
ば、所定の組成の溶湯を、遠心噴霧法、ガスアトマイズ
法、回転電極法等により急冷凝固させて粒体化する方法
が適用できる。その後、篩分けや形状分級等によって形
状を揃える。本発明の極低温用蓄冷材もこのような粒体
製造方法により、容易に上述したような条件を満たす蓄
冷材粒子とすることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】実施例1 まず、アーク溶解によりEr0.8 Dy0.2 Sb母合金を作製し
た。この母合金を溶融し、この溶湯をAr雰囲気中で遠心
噴霧法により急冷凝固させて粒体化した。得られた粒体
を適宜篩分けならびに形状分級して、粒径 200〜 300μ
m のEr0.8 Dy0. 2 Sb球状粒を得た。この球状粒は、アス
ペクト比が 5以下の粒子が全粒体の99.9重量% 以上の割
合で存在していた。
【0026】また、アーク溶解によりEr3 Ni母合金を作
製し、上記Er0.8 Dy0.2 Sb球状粒とと同様にして、粒径
が 200〜 300μm で、アスペクト比が 5以下の粒子が全
粒体の99.9重量% 以上のEr3 Ni球状粒を得た。
【0027】次に、蓄冷器容器の低温側にEr0.8 Dy0.2
Sb球状粒を、また高温側にEr3 Ni球状粒を、体積比が
1:1の 2段構造となるように充填率 65%で充填した。こ
のようにして作製した極低温用蓄冷器を後述する特性評
価に供した。
【0028】比較例1 上記実施例1と同様にして作製したEr3 Ni球状粒のみを
用い、蓄冷器容器内に充填率 65%で充填して極低温用蓄
冷器を作製し、後述する特性評価に供した 実施例2 上記実施例1と同様にして、Er0.6 Dy0.4 Sb球状粒とEr
3 Co球状粒を作製した。粒子形状はいずれも実施例1と
同等であった。次いで、蓄冷器容器の低温側にEr0.6 Dy
0.4 Sb球状粒を、また高温側にEr3 Co球状粒を、体積比
が 1:1の 2段構造となるように充填(充填率=65%)して
極低温用蓄冷器を作製し、後述する特性評価に供した。
【0029】比較例2 上記実施例2と同様にして作製したEr3 Co球状粒のみを
用い、蓄冷器容器内に充填率 65%で充填して極低温用蓄
冷器を作製し、後述する特性評価に供した 実施例3 上記実施例1と同様にして、Er0.4 Dy0.6 Sb球状粒とEr
3 Co球状粒を作製した。粒子形状はいずれも実施例1と
同等であった。次いで、蓄冷器容器の低温側にEr0.4 Dy
0.6 Sb球状粒を、また高温側にEr3 Co球状粒を、体積比
が 1:1の 2段構造となるように充填(充填率=65%)して
極低温用蓄冷器を作製し、後述する特性評価に供した。
【0030】実施例4 上記実施例1と同様にして、Er0.9 Dy0.1 Bi球状粒、Er
Ni球状粒およびEr3 Co球状粒を作製した。粒子形状はい
ずれも実施例1と同等であった。次いで、蓄冷器容器の
低温側から順に、Er0.9 Dy0.1 Bi球状粒、ErNi球状粒、
Er3 Co球状粒を、体積比が 1:1:2の 3段構造となるよう
に充填(充填率=65%)して極低温用蓄冷器を作製し、後
述する特性評価に供した。
【0031】比較例3 上記実施例4と同様にして作製したErNi球状粒とEr3 Co
球状粒を用い、蓄冷器容器の低温側にErNi球状粒を、ま
た高温側にEr3 Co球状粒を、体積比が 1:1の 2段構造と
なるように充填(充填率=65%)して極低温用蓄冷器を作
製し、後述する特性評価に供した。
【0032】実施例5 上記実施例1と同様にして、Er0.7 Dy0.3 Bi0.5 Sb0.5
球状粒、ErNi球状粒およびEr3 Co球状粒を作製した。粒
子形状はいずれも実施例1と同等であった。次いで、蓄
冷器容器の低温側から順に、Er0.7 Dy0.3 Bi0.5 Sb0.5
球状粒、ErNi球状粒、Er3 Co球状粒を、体積比が 1:1:2
の 3段構造となるように充填(充填率=65%)して極低温
用蓄冷器を作製し、後述する特性評価に供した。
【0033】上記各実施例および比較例で作製した極低
温用蓄冷器を、それぞれGM冷凍機に組込んで冷凍試験
を行った。その試験結果として、4.2Kにおける冷凍能力
を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の極低温用蓄冷材を充
填している蓄冷器を用いた場合、いずれもGM冷凍機の
4.2Kにおける冷凍能力が向上していることが分かる。
【0035】また、上記実施例1〜4で作製した各蓄冷
材の体積比熱を測定した。それらの結果を従来のErNi、
Er3 Ni、Er3 Coの体積比熱と共に図1に示す。上記実施
例1〜4で作製した各蓄冷材は、いずれも6K以下の極低
温域にて従来の蓄冷材に比べて優れた体積比熱を有する
ことが明らかである。
【0036】さらに、図2にEr1-x Dyx Sb系における比
熱ピークの半値幅(△T)と xとの関係を示す。Dyを少
量添加することで、比熱ピークは急激に広がることが分
かる。このような傾向は、Dy以外の R元素を用いた場合
にも同様にであった。なお、上記△Tは格子比熱を差し
引いた比熱ピークの 1/2の高さのところにおける幅とし
て読み取った値である。
【0037】実施例6 上記実施例1と同様にして、Er0.95Gd0.05Sb球状粒とEr
3 Co球状粒を作製した。粒子形状はいずれも実施例1と
同等であった。次いで、蓄冷器容器の低温側にEr0.95Gd
0.05Sb球状粒を、また高温側にEr3 Co球状粒を、体積比
が 1:1の 2段構造となるように充填(充填率=65%)して
極低温用蓄冷器を作製した。この極低温用蓄冷器を用い
て、前述した実施例と同様にして冷凍試験を行った。そ
の試験結果として、4.2Kにおける冷凍能力を表2に示
す。
【0038】実施例7 上記実施例1と同様にして、Er0.7 Ho0.3 Sb球状粒、Er
0.8 Gd0.2 SbおよびEr3 Co球状粒を作製した。粒子形状
はいずれも実施例1と同等であった。次いで、蓄冷器容
器の低温側から順に、Er0.7 Ho0.3 Sb球状粒、Er0.8 Gd
0.2 Sb球状粒、Er3 Co球状粒を、体積比が 1:1:2の 3段
構造となるように充填(充填率=65%)して極低温用蓄冷
器を作製した。この極低温用蓄冷器を用いて、前述した
実施例と同様にして冷凍試験を行った。その試験結果と
して、4.2Kにおける冷凍能力を表2に示す。
【0039】実施例8 上記実施例1と同様にして、Er0.8 Tb0.2 Bi球状粒、Er
0.8 Gd0.2 SbおよびEr3 Co球状粒を作製した。粒子形状
はいずれも実施例1と同等であった。次いで、蓄冷器容
器の低温側から順に、Er0.8 Tb0.2 Bi球状粒、Er0.8 Gd
0.2 Sb球状粒、Er3 Co球状粒を、体積比が 1:1:2の 3段
構造となるように充填(充填率=65%)して極低温用蓄冷
器を作製した。この極低温用蓄冷器を用いて、前述した
実施例と同様にして冷凍試験を行った。その試験結果と
して、4.2Kにおける冷凍能力を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の極低温用
蓄冷材によれば、従来の蓄冷材では実現不可能であった
極低温域での大きな比熱を実現することが可能となる。
よって、このような蓄冷材を用いた本発明の極低温用蓄
冷器によれば、例えば液体ヘリウム温度(4.2K)付近にお
ける熱エネルギーの受け渡しを効率よく行うことが可能
となる。従って、このような極低温用蓄冷器を用いるこ
とによって、極低温域で優れた冷凍性能を発揮する冷凍
機を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の極低温用蓄冷材の体積比熱特性を従
来の蓄冷材と比較して示す図である。
【図2】 本発明の極低温用蓄冷材における比熱ピーク
の半値幅と x値との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 龍 毅 中華人民共和国北京市海淀区学院路30号北 京科技大学7棟201号 (72)発明者 岡村 正己 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 蘓理 尚行 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 橋本 巍洲 東京都八王子市南大沢3−14−1−406

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Er1-x Rx M (式中、 RはPr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、HoおよびYbから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはSbおよびBiから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 xは 0< x<1を満
    足する数を示す)で実質的に表される磁性体からなるこ
    とを特徴とする極低温用蓄冷材。
  2. 【請求項2】 極低温用蓄冷材が充填された蓄冷器にお
    いて、 前記極低温用蓄冷材は、その少なくとも一部として、 一般式:Er1-x Rx M (式中、 RはPr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、HoおよびYbから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはSbおよびBiから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 xは 0< x<1を満
    足する数を示す)で実質的に表される磁性体の 1種また
    は 2種以上を有することを特徴とする極低温用蓄冷器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の極低温用蓄冷器におい
    て、 前記極低温用蓄冷材は、前記一般式で実質的に表される
    磁性体の 1種または 2種以上と、前記磁性体より高温領
    域での比熱が大きい磁性体の 1種または 2種以上とを有
    することを特徴とする極低温用蓄冷器。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の極低温用蓄冷器におい
    て、 前記極低温用蓄冷材は、前記一般式で実質的に表される
    磁性体の 1種または 2種以上と、 一般式: REMz (式中、REは希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の
    元素を、 MはNi、CoおよびCuから選ばれる少なくとも 1
    種の元素を、 zは 0.001≦ z≦ 9.0を満足する数を示
    す)で実質的に表される磁性体の 1種または 2種以上と
    を有することを特徴とする極低温用蓄冷器。
JP2419094A 1994-02-22 1994-02-22 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器 Pending JPH07234028A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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