JP4170703B2 - 希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材とその製造方法、及びこの蓄冷材を用いた極低温蓄冷器 - Google Patents

希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材とその製造方法、及びこの蓄冷材を用いた極低温蓄冷器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、一般式 R2O2S (Rは Yを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb及びLuから選択される少なくとも1種類の希土類元素を表す。)で表せられる希土類オキシ硫化物蓄冷材とその製造方法、並びにこの蓄冷材を用いた蓄冷器に関するものである。さらに詳しくは、冷凍機運転中において、微粉化する恐れが少なく、耐久性に優れ、極低温領域における冷凍能力に優れた蓄冷材やその製造方法、及びそれを用いた蓄冷器に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
超伝導磁石やセンサーなどの冷却には、液体ヘリウムが不可欠で、ヘリウムガスの液化には、膨大な圧縮仕事が必要であり、そのため大型な冷凍機が必要となる。しかしリニアモーターカーやMRI(磁気共鳴診断装置)などの超伝導現象を利用した小型装置に、大型の冷凍機を使用することは難しい。そのため液体ヘリウム温度(4.2K)が発生可能な小型で高性能の冷凍機の開発が不可欠である。このような冷凍機には、軽量・小型で熱効率が優れていることが要求されている。例えば超伝導MRI装置等においては、例えばGM冷凍機(ギフォード・マクマホン型の小型ヘリウム冷凍機)が用いられている。このGM冷凍機は、主としてHeガス等の作動媒質を圧縮するコンプレッサ、圧縮した作動媒質を膨張させる膨張部、及び膨張部で冷却させた作動媒質の冷却状態を維持するための極低温蓄冷器で構成されている。そして1分間に約60回のサイクルで、コンプレッサによって圧縮された作動媒質を冷凍機で膨張させて冷却し、冷凍機の膨張部の先端部を通じて、被冷却系を冷却する。
【0003】
小型冷凍機の冷却能力や最低到達温度は、冷凍機に組み込まれている蓄冷材に依存し、蓄冷材は大きな熱容量をもち、かつ熱交換効率が高い必要がある。Pbなどの在来の金属蓄冷材では、10K以下の低温で熱容量が急激に低下する。そこで、液化ヘリウム温度(4.2K)付近まで大きな熱容量を有するHoCu2やErNiなどの希土類金属間化合物蓄冷材が開発された(特許2609747号)。しかし希土類金属間化合物蓄冷材は、7K以下で熱容量が大きく低下し、4.2K付近の極低温領域での熱容量は0.3J/cc・K未満となる。極低温領域での冷凍能力を十分保持するには、その温度での蓄冷材の熱容量0.3J/cc・K以上必要で、HoCu2ゃErNiなどの希土類金属間化合物の蓄冷材は極低温領域での冷凍能力が不十分である。また希土類金属間化合物は極めて高価であり、これを数百グラムオーダーで使用する蓄冷材も極めて高価になる。
【0004】
希土類金属間化合物蓄冷材は、特許2609747号などに開示されるように、金属溶湯を急冷凝固して調製され、当然のことながら中実の緻密な粒体で、平均粒径は0.01〜3mm程度である。粒体の平均粒径を大きくすると、Heガスの通気抵抗は減少するが、熱交換効率は低下し、平均粒径を小さくすると熱交換効率は向上するものの、通気抵抗が激増する。
【0005】
希土類金属間化合物の粒体を互いに固定して、蓄冷材の強度を増すとともに、通気性を向上させることも検討されている。例えば特開平11-264618号は、希土類金属間化合物の粒体表面に、Pb,In,Sn等の低融点金属をコーティングし、液相焼結によって粒体を互いに固定化することを提案している。しかしながら微細な希土類金属間化合物の粒体を得ることは困難で、粒体の平均粒径は例えば100〜250μmとされ、平均粒径が大きいため、熱交換効率には限界がある。
【0006】
【発明の課題】
本発明の課題は、冷凍機の冷凍能力を向上させるために、
・ 高圧Heガスの通気性の向上と圧力損失の軽減を可能とし、
・ 冷凍機の稼動中による高圧Heガス等の作動媒質の往復運動による振動や衝撃、あるいは蓄冷器の内部を通過する高圧Heガスによる流体力学的な応力に十分に耐え、
・ 極低温領域において優れた冷凍能力を長時間保持することが可能な希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材とその製造方法、及び蓄冷器を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】
本発明の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材は、
一般式 R2O2S (RはYを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm,Yb及びLuから選択される少なくとも1種類の希土類元素を表す。) で表される希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材において、
前記希土類オキシ硫化物の結晶粒子を1次粒子とし、該1次粒子がネックで互いに焼結された多孔質体を構成粒子とすることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
好ましくは、前記結晶粒子の平均結晶粒径を0.2〜5μm、より好ましくは0.5〜3μm、最も好ましくは0.9〜2μmとする(請求項2)。
【0009】
また多孔質体の相対密度は、好ましくは60〜85%とし、より好ましくは65〜80%、最も好ましくは70〜75%とする(請求項3)。
【0010】
希土類オキシ硫化物の構成希土類元素は任意であるが、希土類金属間化合物よりも低温側の4〜7K程度に比熱のピーク温度を有し、液体ヘリウム温度への冷却に適したGdやTb、あるいは2〜4K程度に比熱のピーク温度を有し、液体ヘリウム温度よりもさらに低温への冷却に適したDyやHo等が好ましい。希土類オキシ硫化物蓄冷材では構成希土類元素を1種類とする必要はなく、例えばGdxTb2-xO2Sのように、2種類以上の構成希土類元素を用いても良い。好ましくは希土類オキシ硫化物での構成希土類元素の80原子%以上を、Gd,Tb,Dy,またはHoとする(請求項4)。
【0011】
本発明の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の製造方法は、
一般式 R2O2S (RはYを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm,Yb及びLuから選択される少なくとも1種類の希土類元素を表す。)で表される希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材の製造方法において、
前記希土類オキシ硫化物の粉体を顆粒に造粒し、
該顆粒を1150〜1350℃でHIP焼成して、希土類オキシ硫化物の結晶粒子を1次粒子とし、該1次粒子がネックで互いに焼結された多孔質体からなる蓄冷材とすることを特徴とする(請求項5)。
【0012】
HIP温度はより好ましくは、1200〜1300℃とする。
また好ましくは、HIPでの圧力を50〜200MPa,焼成時間を1〜10時間とする(請求項6)。
【0013】
本発明の極低温蓄冷器は、請求項1〜4のいずれかの希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材を用いたものである(請求項7)。
【0014】
【発明の作用と効果】
本発明の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材では、結晶粒子からなる1次粒子をネックで互いに焼結した多孔質体(2次粒子)を構成粒子とする。セラミックスでは、1次粒子の粒径を例えば0.2〜5μm程度と極く小さくできる。このため、多孔質体の内部をHeガスが流れて1次粒子と熱交換するので、熱交換効率を向上できる。微細な1次粒子はネックで互いに焼結され、多孔質体全体としては強度のある材料となる。また1つの1次粒子の中に複数の結晶粒子が存在することも可能ではあるが、1次粒子内で密着した複数の結晶粒子は焼結の過程で融合して、原則として1個の結晶粒子に成長する。
【0015】
このようにして本発明では、構成粒子が多孔質であり、Heガスの通気性が高いため、熱交換効率が高く圧力損失が少ない、蓄冷材や畜冷器が得られる。また本発明の蓄冷材や畜冷器は、1次粒子が互いにネックで焼結されているため、構成粒子の強度が高く、冷凍機での振動や衝撃、応力などに耐えることができ、このため優れた冷凍能力を長時間保持できる(請求項1,請求項7)。これに対して金属の場合、微細な1次粒子の粉体を得ること自体が困難で、1次粒子を互いに焼結して多孔質体としても、1次粒子のサイズが大きいので、熱交換効率の向上は困難である。
【0016】
希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材での平均結晶粒径は、高圧Heガスの通気性の向上と圧力損失の軽減に関与するため、HIP焼成後の平均結晶粒径で0.2〜5μmが好ましく、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.9〜2μmとする。平均結晶粒径が5μmを越えると、高圧Heガスと1次粒子との熱交換効率が低下し、平均結晶粒径が0.2μm未満では、構成粒子内部での高圧Heガスの通気性が著しく低下し、圧力損失が増大する。構成粒子の内部での通気抵抗は粘性抵抗であり、粘性抵抗は高圧Heガスが流れる空隙のサイズに反比例する。そして空隙のサイズは、1次粒子のサイズに比例する。
【0017】
1次粒子の平均結晶粒径には、セラミックスの調製上の制限も加わる。焼結前のセラミックス粉体での1次粒子の粒径を考えると、焼結後の蓄冷材での1次粒子の平均結晶粒径をこれよりも小さくすることは困難で、セラミックス粉体での1次粒子の平均粒径を0.2μmよりも充分小さくすることは、粉体のハンドリング性の点から困難である。このように1次粒子の平均結晶粒径を0.2μm以上とすることには、セラミックス蓄冷材の原料粉末を容易に得うるようにするとの意味もある(請求項2)。
【0018】
希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材での構成粒子の相対密度は、60〜85%が好ましく、より好ましくは65〜80%とし、さらに好ましくは70〜75%とする。構成粒子の強度は相対密度に依存し、例えば相対密度が50%程度の場合、高圧Heガスの運動による振動や衝撃、応力に耐えることは困難である。構成粒子の強度は相対密度が50〜70%程度の範囲で、相対密度と共に指数的に向上する。一方、構成粒子内の通気性は相対密度と共に急激に低下し、特に相対密度が80%を越えると密度と共に指数的に減少し、相対密度が85%を越えると極端に通気性が低下する。そこで構成粒子の相対密度を60〜85%とすると、構成粒子の強度を確保できると共に、構成粒子内の通気性も確保できる(請求項3)。
【0019】
希土類オキシ硫化物セラミックスでの構成希土類元素をGdやTbとすると、4〜7K程度に比熱のピークが表れ、これは希土類金属間化合物での比熱のピークよりも低く、液体He温度への冷却に適している。なおGd2O2Sの比熱のピーク(磁気相転移温度)は5.2K、Tb2O2Sで6.3Kで、GdxTb2-xO2S(0≦X≦1.8)では4.2〜5.3K程度に比熱のピークが表れる。また希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の高温側に希土類金属間化合物蓄冷材を配置すると、液体He温度まで効率的に冷却できる。希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の構成希土類元素をDyやHoとすると、Dy2O2Sで比熱のピークは4.6K、Ho2O2Sで2.2Kとなる。このためGd2O2SやTb2O2S、GdxTb2-xO2S(0<X<2)を高温側に配置し、その低温側にDy2O2SやHo2O2Sを配置すると、さらに低い温度への冷却が容易になる(請求項4)。
【0020】
本発明の希土類オキシ硫化物蓄冷材を製造するには、例えば原料の希土類酸化物粉末を、加熱下でH2S, CH3SH等の酸化数−2の硫黄原子を含むガスを流して反応させて、希土類オキシ硫化物粉末を作製し、この粉末を造粒する。あるいは希土類酸化物粉末を造粒した後に、酸化数−2の硫黄原子を含むガスと反応させて希土類オキシ硫化物としても良い。造粒の方法自体は任意で、例えば転動造粒、押し出しと転動造粒との組み合せ、流動造粒、噴霧乾燥造粒、型押し造粒等でも良い。
【0021】
希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材を得るためには、造粒した粒子をHIP(熱間静水圧)焼成が好ましい。従来の常圧焼成法では、高温焼成を行うと、1次粒子間のネックが成長するが、これと同時に粒成長と緻密化とが生じてしまうため、構成粒子の通気性と強度の双方を確保することができない。一方、粒成長と緻密化とを抑制するために低温焼成を行うと、1次粒子間のネックが成長せず、構成粒子の強度を得ることができない。HIPの焼成雰囲気(圧力媒体)には例えばアルゴン等の不活性ガスを用い、焼成温度は1150〜1350℃、特に1200〜1300℃、焼成時間はピーク温度への保持時間で1〜10時間、圧力は50〜200MPaが好ましい。これらは構成粒子の相対密度を60〜85%とする条件で、実験的に求めたものである。
【0022】
構成粒子を内包する球(外接球)の直径は、通気性と熱交換効率、及び強度に影響し、平均の直径が0.01〜2mmが好ましい。また構成粒子のアスペクト比(長径と短径の比)は3以下が好ましく、より好ましくは2以下とし、特に好ましくは1.2以下とする。これはアスペクト比が小さいほど、均一な充填が容易で、かつ高圧Heガスの運動による振動や衝撃、応力による、微粉の発生が少ないからである。ただし1次粒子自体のアスペクト比は任意であり、構成粒子の内部では非球状の1次粒子を互いに結合して、大きな空隙を得るのが好ましい。
【0023】
本発明の蓄冷器は、上記の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材を蓄冷筒に充填したものであるが、例えば複数の層に分割して、層毎に別の蓄冷材を充填しても良い。また希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の高温側に、HoCu2等の希土類金属間蓄冷材を充填し、高温側から最低到達温度まで連続した比熱を持つようにするのが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を説明する。
【0025】
【試料1】
酸化ガドリニウムGd2O3の平均粒径は、フィッシャー法により0.46μmであった。この酸化ガドリニウムを石英ボートに充填し、石英反応管に硫化水素ガス H2Sを流しながら、650℃ で反応させる。反応生成物のX線回折を測定したところ、ガドリニウムオキシ硫化物 Gd2O2Sのみのピークしか認められず、希土類酸化物に対する反応収率は100%であった。得られたGd2O2S粉体(平均粒径0.46μm)を転動造粒した。転動造粒した粉体をアルミナ製のルツボに充填し、HIP焼成を行うため、炉内を十分に真空排気した後に、アルゴンガスを導入し、アルゴン雰囲気中で焼成した。焼成温度を1250℃、圧力を150MPa、焼成時間を5時間にすることによって、相対密度が、ピクノメーター法で理論密度の72%の構成粒子を得た。
【0026】
焼成後の構成粒子とナイロン系メディアと10wt%濃度のアルミナスラリーを加工槽内に装入し、回転バレル加工法による表面加工処理を行った。加工時間を2時間にすると、構成粒子表面に突起物として存在する結晶粒子を除去できた。なお表面状態の観察は走査型電子顕微鏡(SEM)によって行った。表面加工した構成粒子をフィルターネットで篩い分けし、篩い分けをした構成粒子を約25°に傾けた鉄板(鏡面に研磨したもの)上に転がし、転がり落ちた構成粒子を回収して、形状分級を行なった。構成粒子100個に対して、構成粒子を内包する球の直径の平均は0.4mmで、構成粒子の平均アスペクト比は1.1であった。なお、構成粒子の平均粒径及び平均アスペクト比は、ビデオハイスコープシステムを用いて撮影した画像から測定した。形状分級後の構成粒子を試料1とする。
【0027】
構成粒子をプラスチック中に固定し、切断して内部の1次粒子をSEMで観察した。SEM写真を図1に示す。SEMでの観察から構成粒子を構成する結晶粒子の平均粒径は1.1μmであった。また相対密度は前記のように72%であった。結晶粒子は互いにネックで焼結されて固定され、結晶粒子の間には空隙が残され、空隙は連通して開気孔を構成していた。また各構成粒子は互いに癒着していなかった。
【0028】
次に構成粒子の強度を調べるために、100個の構成粒子を一辺が5cmで他辺が10cmの長方形状のビニール袋に入れ、120回/分の振蕩機で5分間振った後に、構成粒子の破砕状況を調べたが、構成粒子の破壊や微粉の発生は確認できなかった。
【0029】
このようにして得られた構成粒子を、GM冷凍機の冷却部にほぼ最密充填で充填した後、熱容量25J/KのHeガスを3g/secの質量流量、16atmのガス圧条件で、GM冷凍運転サイクルを連続1000時間及び3000時間継続した。1000時間及び3000運転後の構成粒子を観察したが、破壊された構成粒子や微粉は観察されなかった。また上記の構成粒子の冷凍特性を消費電力3.4kWの2段式GM冷凍機により調べた。高温側の1段目の蓄冷器にはPbを使用し、2段目の蓄冷器の高温側にHoCu2を50vol%、2段目の蓄冷器の低温側に試料1の構成粒子を50vol%装填して、冷凍能力を調べた。4.2Kでの冷凍能力は1.94W、無負荷時の最低到達温度2.62Kであった。そして連続1000時間あるいは3000時間冷凍機を運転しても、冷凍能力や最低到達温度に変化は生じなかった。
【0030】
試料1で転動造粒した顆粒に対して、焼結法や焼結条件を変えて、蓄冷材の強度と冷凍特性とを評価した。試料1で用いたGd2O2Sの転動造粒顆粒をアルミナ製ルツボに充填し、常圧のアルゴン雰囲気中で焼成温度を1250℃で5時間焼成した。この試料を試料1と同様に回転バレル加工すると、加工中に多量の微粉が発生したので、蓄冷材として使用できないものとして、それ以上の試験を行わなかった(試料2)。SEMでは、1次粒子と1次粒子との間で僅かにネックが成長している程度であり、ピクノメータ法による2次粒子(焼結された個々の顆粒)の相対密度は52%であった。
【0031】
試料2での焼結温度が低すぎたため、常圧焼結で焼結温度を1350℃、1500℃に変化させた。1350℃焼結では、2次粒子は多孔質であったが、1次粒子間のネックの形成は僅かであり、回転バレル加工で多量の微粉が発生したため、それ以上の評価を行わなかった。1500℃焼結では、2次粒子の相対密度は99.9%、平均結晶粒径は3.2μmであった。この試料を試料1と同様に表面加工と篩い分け及び形状分級を行い、蓄冷材として冷凍機に充填し、1000時間連続で冷凍機を運転した。4.2Kでの冷凍能力は1.69Wで、最低到達温度は2.62Kで、試料1と比較して冷凍能力は85%に低下した。
【0032】
常圧焼結では、多孔質でかつ1次粒子間がネックで結合され、充分なHeガスの通気性とGM冷凍機の連続運転に対する耐久性とを備えた試料が得られなかったので、HIP焼結での焼結条件を検討した。試料1で作製したGd2O2Sの転動造粒粒子をアルミナ製ルツボに充填し、アルゴン雰囲気(150MPa)で、焼成温度を1000℃、焼成時間を3時間とし、HIP焼成を行った。1次粒子の平均結晶粒径は0.1μm、構成粒子の相対密度は56%で、構成粒子の内部では1次粒子と1次粒子との間で僅かにネックが成長している程度であった。この試料を試料1と同様に回転バレル加工したところ、加工中に構成粒子の一部が破壊した。フィルタを通して破壊された試料を除き、試料1と同様にして、1000時間連続で冷凍機を運転したところ、多量の微粉が発生した。
【0033】
HIP焼成の条件を、1200℃でAr圧を200MPa、焼成時間を8時間として、試料1で用いた転動造粒粒子を焼成した。構成粒子の相対密度は67%、1次粒子の平均結晶粒径は0.8μmで、1次粒子間はネックで互いに結合されていた。この試料を試料1と同様に回転バレル加工し、篩い分けと形状分級とを行い、蓄冷材として冷凍機で1000時間及び3000時間連続運転した。回転バレル加工での構成粒子の破壊は見られず、1000時間あるいは3000時間連続運転しても、微粉の発生は生じず、冷凍能力の初期値は試料1と同様であった。
【0034】
HIP焼成の条件を、1300℃でAr圧を60MPa、焼成時間を3時間として、試料1で用いた転動造粒粒子を焼成した。構成粒子の相対密度は73%、1次粒子の平均結晶粒径は1.1μmで、1次粒子間はネックで互いに結合されていた。この試料を試料1と同様に回転バレル加工し、篩い分けと形状分級とを行い、蓄冷材として冷凍機で1000時間連続運転した。回転バレル加工での構成粒子の破壊は見られず、1000時間連続運転で微粉の発生は生じず、冷凍能力の初期値は最低到達温度で2.63K、4.2Kでの冷凍能力で 1.91Wであった。
【0035】
HIP焼成の条件を、1180℃でAr圧を200MPa、焼成時間を8時間として、試料1で用いた転動造粒粒子を焼成した。構成粒子の相対密度は66%、1次粒子の平均結晶粒径は0.7μmで、1次粒子間はネックで互いに結合されていた。この試料を試料1と同様に回転バレル加工し、篩い分けと形状分級とを行い、蓄冷材として冷凍機で1000時間及び3000時間連続運転した。回転バレル加工での構成粒子の破壊は見られず、1000時間連続運転で微粉の発生は生じず、冷凍能力の初期値は試料1と同様であった。しかし3000時間連続運転では、微粉の発生が見られた。
【0036】
HIP焼成の条件を、1330℃でAr圧を100MPa、焼成時間を6時間として、試料1で用いた転動造粒粒子を焼成した。構成粒子の相対密度は78%、1次粒子の平均結晶粒径は2.3μmで、1次粒子間はネックで互いに結合されていた。この試料を試料1と同様に回転バレル加工し、篩い分けと形状分級とを行い、蓄冷材として冷凍機で1000時間連続運転した。回転バレル加工での構成粒子の破壊は見られず、1000時間連続運転で微粉の発生は生じず、冷凍能力の初期値は最低到達温度で2.62K、4.2Kでの冷凍能力で1.90Wであった。
【0037】
試料1で作製したGd2O2Sの転動造粒粒子をアルミナ製ルツボに充填し、アルゴン雰囲気(100MPa)で、焼成温度を1500℃、焼成時間を3時間で、HIP焼成を行った。得られた試料を試料1と同じ手法で表面加工と篩い分け及び形状分級を行った。構成粒子の相対密度は89%で、平均結晶粒径は5.3μmであった。試料1と同様の方法で、冷凍能力に関する試験を行ったところ、4.2Kでの冷凍能力の初期値は1.51W、最低到達温度は2.63Kであった。
【0038】
平均粒径が0.6μmの酸化ジスプロシウムを試料1と同様に、硫化・成形を行った。得られた顆粒状の2次粒子を試料1と同一条件で処理し(試料3)、試料1と同様の冷凍機試験を行った。その結果、1000時間及び3000時間連続して冷凍機を運転しても、破壊された構成粒子や微粉は確認できなかった。また冷凍能力に関しては、4.2Kでの冷凍能力が1.75Wで、最低到達温度は2.65Kであった。一方試料3で用いたDy2O2Sの転動造粒顆粒をアルミナ製ルツボに充填し、常圧アルゴン中で1500℃で焼成した試料(試料4)を、試料1と同様に冷凍機試験を行った。その結果、1000時間連続で冷凍機を運転しても、破壊された構成粒子や微粉は確認できなかったが、冷凍能力の初期値は試料3と比較して85%程度に低下した。尚、希土類元素をGdやDyから、他の希土類元素に変更した場合でも、同じような傾向が見られた。
【0039】
試料1で使用した酸化ガドリニウムGd2O3を転動造粒した後に、試料1と同様に硫化反応を行った。硫化反応後の粒子(顆粒状の2次粒子)を、試料1と同一条件で処理し、試料1と同様の構成粒子を得た。4.2Kにおける冷凍能力及び最低到達温度は試料1と同様であり、連続1000時間及び3000時間冷凍機を運転しても、安定した出力を得ることができた。
【0040】
試料1で使用した酸化ガドリニウムと、酸化テルビウム(平均粒径0.69μm)を混合した以外は、試料1と同様に、硫化・成形・HIP焼結を行なった。このようにして、ガドリニウム−テルビウム系オキシ硫化物(GdxTb2-xO2S、0≦X≦2)の1次粒子がネックで互いに結合された、多孔質の2次粒子からなる多孔質蓄冷材を得た(試料5)。得られた蓄冷材の冷凍能力を、試料1と同様の手法で評価した。結果を表1に示し、冷凍能力は初期値と1000時間連続運転後の2つの値で示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004170703
【0042】
表1から明らかなように、xの値を変化させても、無負荷時の最低到達温度及び4.2Kにおける冷凍能力に著しい変化は見られなかった。試料1と同様に連続1000時間冷凍機を運転しても、安定した出力を得ることができた。尚、希土類元素をGd及びTbを他の希土類元素に変更した場合でも、同様の傾向が見られた。実施例ではGdxTb2-xO2Sを中心に説明したが、他の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材でも同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のGd2O2Sセラミックス蓄冷材での構成粒子の粒子構造を示す、SEM型の電子顕微鏡写真で、下部の水平なバーは5μm長を示す。

Claims (7)

  1. 一般式 R2O2S (RはYを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb及びLuから選択される少なくとも1種類の希土類元素を表す。)で表される希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材において、
    前記希土類オキシ硫化物の結晶粒子を1次粒子とし、該1次粒子がネックで互いに焼結された多孔質体を構成粒子とすることを特徴とする、希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材。
  2. 前記結晶粒子の平均結晶粒径が0.2〜5μmであることを特徴とする、請求項1の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材。
  3. 前記多孔質体は相対密度が60〜85%であることを特徴とする、請求項1または2の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材。
  4. 前記希土類オキシ硫化物の構成希土類元素の80原子%以上が、Gd,Tb,Dy,またはHoであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材。
  5. 一般式 R2O2S (Rは Yを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb及びLuから選択される少なくとも1種類の希土類元素を表す。) で表される希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材の製造方法において、
    前記希土類オキシ硫化物の粉体を顆粒に造粒し、
    該顆粒を1150〜1350℃でHIP焼成して、希土類オキシ硫化物の結晶粒子を1次粒子とし、該1次粒子がネックで互いに焼結された多孔質体からなる蓄冷材とすることを特徴とする、希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の製造方法。
  6. 前記HIPでの圧力が50〜200MPa,焼成時間が1〜10時間であることを特徴とする、請求項5の希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかの希土類オキシ硫化物セラミックス蓄冷材を用いた、極低温蓄冷器。
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