JPH10103802A - 蓄冷器 - Google Patents

蓄冷器

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JPH10103802A
JPH10103802A JP25722396A JP25722396A JPH10103802A JP H10103802 A JPH10103802 A JP H10103802A JP 25722396 A JP25722396 A JP 25722396A JP 25722396 A JP25722396 A JP 25722396A JP H10103802 A JPH10103802 A JP H10103802A
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Kimikazu Obara
公和 小原
Akito Torii
明人 鳥居
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IDOUTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU
IDOUTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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IDOUTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU
IDOUTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒ガスとの熱交換効率を向上するととも
に、余分な工程を省いて蓄冷器を通過する冷媒ガスの貫
通面積や貫通経路長などの流路特性を要求どおり正しく
設定することができ、かつプレート及びケーシングの設
計自由度の高い蓄冷器を実現することができる有益な技
術の提供。 【解決手段】 ケーシングの内部にプレート積層体を実
装し、プレート積層体とケーシング内を通過する気体と
の間で熱を交換する再生式熱交換器において、プレート
積層体23を構成する角型プレート30は、多角形形状
のステンレス薄板に所定のパターンの細孔31が形成さ
れ、また外周の縁辺部にプレート厚を薄くした薄肉部3
2が設けられている。ケーシング22aへの充填に際
し、角型プレート30の細孔31のパターンを視覚的に
捉え、外形形状を確認して所定の回転角で挿入されるた
め、所望の流路特性を容易に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆スターリング冷
凍機、GM冷凍機又はパルス管冷凍機などの極低温冷凍
機に用いられる蓄冷器(再生式熱交換器又はリジェネレ
ータとも言う)に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は蓄冷器の利用例を示す図であり、
特に限定しないが、逆スターリング冷凍機(以下「冷凍
機」と略す)の模式構成図である。この冷凍機は、概
略、二つのシリンダ装置1、2とその間を接続する配管
3とから構成されている。図面右側のシリンダ装置1は
「圧縮シリンダ」と呼ばれるもの、図面左側のシリンダ
装置2は「膨張シリンダ」と呼ばれるものであり、以
下、これらの通称で呼ぶことにする。
【0003】圧縮シリンダ1は、所定の周期で往復動す
るピストン(以下「圧縮ピストン」)4によって内部を
2室に画成し、圧縮ピストン4が上死点位置(図示の位
置)のときに容積を最小とする室(以下「圧縮室」)5
を、配管3に連通させて構成する。なお、6は気密性確
保のためのシール部材である。膨張シリンダ2は、所定
の周期で往復動するピストン(以下「膨張ピストン」)
7と、この膨張ピストン7に内装された蓄冷器8と、膨
張ピストン7が上死点位置(図示の位置は中間点位置)
のときに容積を最小とする室(以下「膨張室」)9と、
膨張室9の室壁を兼ねるとともに被冷却体10に接する
冷却部11と、を備えている。なお、12〜14は気密
性確保のためのシール部材である。
【0004】蓄冷器8は、両端開放の円筒状ケーシング
内に、蓄冷材としてマトリックスと呼ばれる多数枚(た
とえば1000枚以上)の円型メッシュプレートを積層
状態に充填して構成される。圧縮室5と膨張室9との間
は、配管3、膨張ピストン7の側面孔7a、蓄冷器8の
内部、及び、膨張ピストン7の端面孔7bを介して連通
しており、これら連通各部に、ヘリウム、水素又は窒素
等の高圧の冷媒ガスが充填されている。
【0005】このような構成の冷凍機は、逆スターリン
グサイクル、すなわち、「等温圧縮行程」、「等容放熱
行程」、「等温膨張行程」及び「等容吸熱行程」の四つ
の行程からなるサイクルを繰り返し実行する。図7は上
記冷凍機のピストン軌跡図である。実線のサインカーブ
Aは膨張ピストン2の往復動軌跡を示し、一点鎖線のサ
インカーブBは圧縮ピストン1の往復動軌跡を示してい
る。なお、黒丸(●)は上死点、黒三角(▲)は中間
点、白丸(○)は下死点を表している。この軌跡図から
理解されるように、圧縮ピストン1と膨張ピストン2の
往復動周期は一致し、かつ、圧縮ピストン1の周期が1
/4周期(位相角で90度)遅れている。
【0006】以下、各行程の動作を説明すると、 (1)等温圧縮行程では、圧縮室5内の冷媒ガスが圧縮
され、この圧縮によって生じた熱は配管3から外部に逃
がされ等温過程となる。 (2)等容放熱行程では、圧縮された冷媒ガスがその容
積を変えることなく膨張室9に移送されるが、移送経路
中の蓄冷器8は、前のサイクルの等容吸熱行程で冷却さ
れているため、この蓄冷器8によって熱交換が行われ、
膨張室9には充分に冷やされた冷媒ガスが移送される。 (3)等温膨張行程では、膨張室9の容積拡大に伴い、
同室9内の冷媒ガスが周囲の熱(主に冷却部11の熱)
を奪いながら等温膨張する。 (4)等容吸熱行程では、等温膨張した冷媒ガスがその
容積を変えることなく圧縮室5に移送されるが、移送経
路中の蓄冷器8は、前の等容放熱行程で熱を蓄えている
ため、低温の冷媒ガスと高温の蓄冷器8との間で熱交換
が行われ、蓄冷器8は冷やされ、冷媒ガスの温度は上昇
して1サイクルが完了する。
【0007】次に、蓄冷器が内装されたシリンダ装置、
特に膨張シリンダの詳細について図8を参照して説明す
る。図8において、20は膨張シリンダ(図6の膨張シ
リンダ2に相当)である。膨張シリンダ20は、シリン
ダ本体21の内部に所定の周期(図12のサインカーブ
A参照)で往復動するピストン22を実装しており、こ
のピストン22は、筒状のケーシング22aと、該筒状
のケーシング22aに蓄冷材として実装された円型のプ
レート積層体23と、該ケーシング22aの下端側開放
口を閉鎖する中実部22bと、ケーシング22aの上端
に穿設された開口22cと、中実部22bの上端−側面
間に穿設された連通路22dとを含む蓄冷器24を備え
ている。
【0008】ケーシング22aの上端に穿設された開口
22c、及び中実部22bの上端−側面間に穿設された
連通路22dは、蓄冷器24を通過する冷媒ガス(気
体)の出入口になる。このような蓄冷器24に実装され
るプレート積層体23は、図9に示すようにメッシュス
クリーンから打ち抜いて製作された円型のメッシュプレ
ート25を、ケーシング22aの一端側から蓄冷材充填
部22eへ順次挿入し、1000枚以上を積層して構成
していた。このように蓄冷材として円型のメッシュプレ
ート25を適用することにより、ケーシング22a内を
通過する冷媒ガスの良好な流路を確保することができ
る。すなわち、ケーシング22aの蓄冷材充填部22e
は工作機械を用いて切削加工により形成されるため、そ
の断面形状が円型である方が寸法精度を高め易い利点が
ある。一方、メッシュスクリーンから打ち抜かれたメッ
シュプレート25の寸法精度は極めて低いが、蓄冷材充
填部22eに挿入されると、図12(a)に示すよう
に、円型メッシュプレート25の外縁部が均等に押圧さ
れた状態で蓄冷材充填部22e内壁に密着する。そのた
め、蓄冷材充填部22e内壁とメッシュプレート25a
外端部との間に形成される隙間の発生を防止することが
でき、ケーシング22a内を通過する冷媒ガスはプレー
ト積層体23と接触する本来の流路が確保されて熱交換
効率を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような蓄冷器24にあっては、メッシュプレート25
の外形形状が円型であることに伴う特有の不具合も有し
ている。すなわち、 多数のメッシュプレートを一枚のメッシュスクリー
ンから打ち抜いて製作するため、それぞれのメッシュプ
レートの形状ばらつきが大きく、しかも積層する際のプ
レート同士の重なり具合もその都度異なり、たとえば図
10(c)に示すように所定のらせん状のガス流路26
を設定するため、図10(a)及び(b)に示すように
各円型メッシュプレート25の基準方向(図中矢印にて
表示)をα度ずつずらしてα、α×2、α×3、・・・
のように挿入する場合、基準方向の回転角度を正確に把
握、設定することが極めて難しい。なお、図10におい
て、メッシュプレート25の回転角の説明を明確にする
ため基準方向を便宜的に矢印で示した。
【0010】 メッシュプレート25の外径寸法とケ
ーシング22aの蓄冷材充填部22eの内径とがほぼ一
致するため、適当な押圧力でメッシュプレート25を挿
入、充填しなければならないが、この際、メッシュプレ
ート25が変形しないようにその押圧力を微妙に調節し
なければならない。 メッシュプレート25の充填容易性及び熱交換効率
を考慮すると、ケーシング22aの形は円筒状以外にで
きないため、設計自由度がない。
【0011】そこで、このような不都合を解消する改善
策として、図11(a)に示すように、角型のメッシュ
プレート27(以下、角型メッシュプレートと記す)を
用いて、各角型メッシュプレート27の基準方向を外形
形状(辺および角)により把握し、ケーシング22aへ
の挿入時の回転角を順次ずらして所定の流路特性を設定
することが考えられる。このような角型メッシュプレー
ト27によれば、たとえば正方形のメッシュプレートの
場合90度、六角形のメッシュプレートの場合60度ご
とに基準方向を回転させることができ、図11(b)に
示すように所定のガス流路26を容易に設定することが
できる。またメッシュプレートの形状に制約がなくなる
ため、ケーシング22aの設計自由度を向上させること
ができる。なお、図11において、図10同様メッシュ
プレート27の回転角を表すために基準線を便宜的に矢
印で示した。
【0012】ところが、このような角型メッシュプレー
ト27を蓄冷材として用いると、新たな不具合が生じ
る。すなわち、ケーシング22aの蓄冷材充填部22e
は、上述したように工作機械により切削加工して形成さ
れるため、図12(b)に示すように多角形形状の穴を
角型メッシュプレート27の形状に整合するように形成
しようとすると、その角部(B部)に切削工具及び切削
軌跡の丸み(アール)R2が必然的に形成される。そこ
で、充填される角型メッシュプレート27が、蓄冷材充
填部22eの角B部のアールR2に整合性良く密着する
ためには、所定の寸法精度を有していなければならない
が、上述したようにメッシュプレートにおいては精度良
く所望の寸法を実現することが極めて難しいため、角部
(A部)における寸法精度が低くなる。このような状態
の角部(A部およびB部)においては、ケーシング22
aの蓄冷材充填部22eの角B部と角型メッシュプレー
ト27の角A部との間に隙間22fが形成され、蓄冷材
であるプレート積層体23を通過せずに隙間を22fを
通過する冷媒ガスの量が増加して、十分な熱交換が行わ
れない問題がある。
【0013】そこで、本発明は、冷媒ガスとの熱交換効
率を向上するとともに、余分な工程を省いて蓄冷器を通
過する冷媒ガスの貫通面積や貫通経路長などの流路特性
を要求どおり正しく設定することができ、かつプレート
及びケーシングの設計自由度の高い蓄冷器を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ケーシングの内部に蓄冷材
として多数の細孔を有するプレートを積層したプレート
積層体を実装し、該プレート積層体とケーシング内を通
過する気体との間で熱交換を行う蓄冷器において、前記
プレート積層体を構成するプレートが、多角形状を有
し、かつ該プレートの縁辺部を、外部応力に対して高い
変形性を有するように形成したことを特徴とする。
【0015】本発明では、角型プレートの外形形状(辺
あるいは角)を視覚的に把握して、各プレートの挿入時
の回転角度を順次ずらすことが可能であるため、所望の
ガス流路を容易に設定することができる。また、角型プ
レートの縁辺部に高い変形性(たとえば薄肉部または高
変形性材料を用いた複合構造)を持たせているため、蓄
冷材充填部への挿入に際して、この縁辺部が容易に変形
して蓄冷材充填部の形状に整合するため、プレートの挿
入押圧力の微細な調整を必要とせず、蓄冷器の製造工程
が簡略化される。さらに、角型プレートの形状は四角
形、六角形に限らず八角形、平行四辺形、ひし形等回転
対称形状であればよく、従来のような円型のみという蓄
冷材の形状の制約を取り除くことができるので、プレー
ト及びケーシングの設計自由度を向上させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1及び図2は、本発明に係る蓄冷器
に適用される角型プレートの一実施例を示す図である。
図1(a)及び図2(a)において、角型プレート30
は、たとえばステンレス素材の薄板に所定のパターンの
細孔31が形成され、また外周の縁辺部にプレート厚を
薄くした薄肉部32が設けられている。この薄肉部32
は十分に変形する程度に形成されている。ここで、角型
プレート30は、多角形形状、たとえば正方形を有して
おり、図1の実施例においては、ケーシング22aの蓄
冷材充填部22eの辺寸法と一致している。また、角型
プレート30の角部(A部)には、従来(図12)の角
型メッシュプレート27同様、アールR1が形成されて
いるが、この角A部のアールR1は蓄冷材充填部22e
の角B部のアールR2よりも小さく形成されている。一
方、図2の実施例においては、角型プレート30の辺寸
法は蓄冷材充填部22eの辺寸法よりも大きく設定され
ているとともに、図1の実施例同様、角型プレート30
の角A部のアールR1は蓄冷材充填部22eの角B部の
アールR2よりも小さく形成されている。
【0017】このような角型プレート30を蓄冷材とし
て用いた蓄冷器の製造工程は、図3(a)に示すよう
に、角型プレート30の基準方向を外形形状(辺および
角)により把握することができ、蓄冷材充填部22eへ
の挿入時の回転角を順次ずらして所定の流路特性を設定
することできる。たとえば、角型プレートが正方形の場
合、90度毎に角度をずらして挿入することにより、図
11(b)同様のらせん状のガス流路が設定できる。な
お、図3(a)において、図10、図11同様角型プレ
ート30の回転角を表すために基準線を便宜的に矢印で
示した。
【0018】次いで、本実施例の角型プレート30のケ
ーシング22a内での積層状態を図3(b)に示すと、
角型プレート30の縁辺部に形成された薄肉部32が蓄
冷材充填部22eの辺寸法よりも大きく形成されている
ため、薄肉部がC部のように変形して蓄冷材充填部22
e内壁に密着して充填される。このように、ケーシング
22aへの角型プレート30の充填に際し、角型プレー
ト30の細孔31のパターンを視覚的に捉え、外形形状
(辺あるいは角)を確認して所定の回転角で挿入するこ
とができるため、所望の流路特性を容易に設定すること
ができる。また、角型プレート30の縁辺部に形成され
た薄肉部32が蓄冷材充填部22e内壁に密着して接触
するため、図12(b)に示したような隙間22fの発
生を防止して、隙間を通過するガス流路の形成を抑制す
ることができ、本来のガス流路であるプレート積層体2
3と冷媒ガスとが良好に接触して熱交換効率を向上する
ことができる。さらに、角型プレート30の形状を任意
の多角形状に設定することができるため、ケーシングの
設計自由度を向上させることができる。しかも、角型プ
レート30の蓄冷材充填部22eへの挿入押圧力の微細
な調整を必要としないため、蓄冷器24の製造工程が簡
略化されて、製造工程の自動化への適応性を高めること
ができる。
【0019】次に、上述した角型プレート30の製造工
程について図4を参照して説明する。本実施例の角型プ
レート30の製造方法には、半導体製造工程等に適用さ
れるフォトエッチング技術を有効に利用することができ
る。また、冷媒ガスとの熱交換を行う蓄冷材として一般
的に用いられているステンレス材料を角型プレート30
に適用し、その製造方法を示す。
【0020】まず、図4(a)に示すようにステンレス
基板40上の全面にフォトレジスト41を形成した後、
図4(b)に示すように角型プレートの縁辺部の薄肉部
を形成する位置のフォトレジスト41を除去するよう
に、図示していないフォトマスクによりパターニングす
る。次いで、パターニングされたフォトレジスト41を
用いて図4(c)に示すように角型プレートの縁辺部を
エッチングして薄肉部40aを形成する。フォトレジス
ト41を除去した後、図4(d)に示すようにステンレ
スプレート40及び薄肉部40a上の全面に再びフォト
レジスト42を形成し、図示していないフォトマスクに
よりステンレスプレート40を貫通する細孔を形成する
位置のフォトレジスト42をパターニングして開口部4
3を形成する。次いで、パターニングされたフォトレジ
スト42を用いてエッチングを施し、図4(f)に示す
ように所定の位置に細孔44を形成する。このような一
連の製造工程により、たとえば外形寸法□30〜8m
m、薄肉部幅4〜1mm、細孔形成部プレート厚0.1
〜0.02mm、薄肉部プレート厚0.01〜0.00
5mmの角型プレート30が得られる。ここで、角型プ
レート30の角部のアールは、挿入される蓄冷材充填部
22e角部のアールに比べて小さく形成される。
【0021】このようにして図3に示すような縁辺部に
薄肉部32が形成された角型プレート30が得られ、蓄
冷材充填部22eへの挿入、充填により、薄肉部32が
変形して(たわんで)、蓄冷材充填部22eの辺部及び
角部に整合して密着する。そのため、角型プレート30
の外周(全辺および全角)と蓄冷材充填部22e内壁と
の間の隙間の形成が防止される。ここで、角型プレート
の角部のアールは蓄冷材充填部の角部のアールより小さ
く形成されているため、蓄冷材充填部22eへの挿入に
際し、薄肉部32が変形して(たわんで)、アールがよ
り大きい蓄冷材充填部22eの内壁に整合して密着す
る。これに対して仮に角型プレート30の角部アールが
蓄冷材充填部22eの角部のアールより大きい場合に
は、角型プレート30の角部が変形しても蓄冷材充填部
22eの内壁に整合して接することはなく、隙間が形成
され、冷媒ガスの抜けが生じ、熱交換効率が悪化する。
【0022】次に、蓄冷材として適用される角型プレー
ト30の他の形態を示す実施例を図5を参照して説明す
る。図5(a)及び(b)に上述した実施例同様、外形
形状が正方形のステンレスプレートからなる角型プレー
トの例を示す。本実施例においては上述した角型プレー
トの細孔の形状及び配置等のパターンと異なり、隣合う
2辺に平行、かつ連続的に形成された略L字型の細孔3
1群を有している。このようなパターンの細孔31群を
有する角型プレート30を蓄冷材充填部22eに90度
ずつ回転させて挿入、充填することにより、角型プレー
ト30間の細孔31の連続性が向上し、圧力損失の低減
されたガス流路を設定することができる。
【0023】また、図5(c)には外形形状が六角形の
角型プレート30の例を示す。本実施例の角型プレート
30においては、蓄冷材充填部22eへの挿入、充填に
際し、60度ずつ回転させたガス流路を設定できるた
め、角型プレート30間の細孔31の連続性をより向上
させることができ、一層の圧力損失の低減及びガス流路
の設定自由度の向上を図ることができる。
【0024】図5に示したいずれの実施形態において
も、角型プレート30の外形形状を視覚的に認識して、
蓄冷材充填部22eへの挿入に際し、所定の回転角度を
視覚的に把握することができるため、ガス流路の設定を
極めて容易に行うことができるとともに、上述した実施
例同様、角型プレート30の薄肉部32と蓄冷材充填部
22eの内壁とが隙間を生じることなく整合、密着する
ため、冷媒ガスは本来のプレート積層体23を通過し、
熱交換効率の向上を図ることができる。
【0025】なお、上記実施例の説明においては、角型
プレート30として正多角形形状(正方形、正六角形)
を示したが、本発明の蓄冷器に適用される角型プレート
の外形形状は、回転対称形状を有し、かつ角型プレート
30の回転角度を視覚的に確認することができる形状で
あればよいため、たとえば平行四辺形、ひし形等の形状
を有していてもよい。また、本発明においては、熱交換
効率を向上させるための条件として、蓄冷材充填部22
eの内壁に対して角型プレート30の縁辺部が変形して
整合、密着すれば良いため、上記実施例に示したように
薄肉部32を有する形状に限定されるものではなく、縁
辺部が外部応力に対して容易に変形する構造であれば本
発明の蓄冷器に良好に適用することができる。たとえ
ば、縁辺部に変形性の高い材質を採用した複合構造の角
型プレートとすることもできる。ここで、縁辺部の変形
は、塑性変形あるいは弾性変形の種類を問わないことは
いうまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、角型プレートの外形形
状(辺あるいは角)を視覚的に捉らえて、蓄冷材充填部
への挿入の際の、各プレートの回転角度を順次ずらすこ
とが可能であるため、所望のガス流路を容易に実現する
ことができる。また、角型プレートの縁辺部に高い変形
性(たとえば薄肉部、高変形性材料を用いた複合構造)
を持たせているため、蓄冷材充填部への挿入、充填に際
して、この縁辺部容易に変形して蓄冷材充填部内壁形状
に整合するため、両者間の隙間の発生を防止して、熱交
換効率の向上を図ることができるとともに、角型プレー
トの挿入押圧力の微細な調整を必要としないため、蓄冷
器の製造工程を簡略化することができる。さらに、角型
プレートの外形形状は四角形、六角形に限らず八角形、
平行四辺形、ひし形等回転対称形であればよく、従来の
ような円型のメッシュプレートに制約されていたケーシ
ングの設計自由度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の角型プレートの外観図(その1)で
ある。
【図2】一実施例の角型プレートの外観図(その2)で
ある。
【図3】一実施例の角型プレートを適用した蓄冷器の製
造工程図である。
【図4】一実施例の角型プレートの製造工程図である。
【図5】他の実施例の角型プレートの外観図である。
【図6】逆スターリングサイクル冷凍機の模式図であ
る。
【図7】逆スターリングサイクル冷凍機のピストン軌跡
図である。
【図8】従来のシリンダ装置(膨張シリンダ)の概念的
な断面図である。
【図9】従来のメッシュプレート積層体の製造工程図で
ある。
【図10】従来の蓄冷器における冷媒ガスの流路の設定
概念図である。
【図11】従来の蓄冷器の改善策における冷媒ガスの流
路の設定概念図である。
【図12】プレート形状と熱交換効率の概念説明図であ
る。
【符号の説明】
20:膨張シリンダ 21:シリンダ本体 22:ピストン 22a:ケーシング 22b:中実部 22c:開口 22d:連通路 22e:蓄冷材充填部 22f:隙間 23:プレート積層体 24:蓄冷器 25:円型メッシュプレート 25a:メッシュ穴 26:ガス流路 27:角型メッシュプレート 30:角型プレート 31、44:細孔 32、40a:薄肉部 40:ステンレス基板 41、42:フォトレジスト 43:開口部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングの内部に蓄冷材として多数の細
    孔を有するプレートを積層したプレート積層体を実装
    し、該プレート積層体とケーシング内を通過する気体と
    の間で熱交換を行う蓄冷器において、 前記プレート積層体を構成するプレートが、多角形形状
    を有し、かつ該プレートの縁辺部を、外部応力に対して
    高い変形性を有するように形成したことを特徴とする蓄
    冷器。
JP25722396A 1996-09-30 1996-09-30 蓄冷器 Expired - Lifetime JP2731142B1 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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