JP2001329355A

JP2001329355A - 耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板

Info

Publication number: JP2001329355A
Application number: JP2001074111A
Authority: JP
Inventors: Akira Tanaka; 曉田中; Yoshihiro Suemune; 義広末宗; Kazuhiko Honda; 和彦本田; Akira Takahashi; 高橋　　彰; Takeshi Miyake; 豪三宅; Hajime Onozawa; 元小野澤; Kenichi Asai; 謙一浅井
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2000-03-16
Filing date: 2001-03-15
Publication date: 2001-11-27
Anticipated expiration: 2021-03-15
Also published as: JP4555492B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、めっきと溶融亜鉛−アルミニウム
合金めっき鋼板の耐眩性を向上させた鋼板の提供を目的
とする。【解決手段】質量％で、Ａｌ：３．１％〜２０％、Ｍ
ｇ：０．５％〜１０％、必要に応じて、Ｓｉ：０．１〜
２．０％、Ｓｎ：０．１〜１０％の１種又は２種を含有
し、残部Ｚｎ及び不可避的不純物とからなるめっき浴で
めっきし、窒素又は空気でワイピング後、水冷すること
により、任意の表面粗さに粗面化することにより、耐眩
性に優れ、かつ耐食性に優れためっき鋼板を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、耐眩性に優れ、か
つ耐食性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼
板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】溶融めっき鋼板は、鋼板を前処理後に溶
融Ｚｎめっき浴に浸漬してめっきし、その後、ガスワイ
ピングを行い、付着量を制御し、さらに、凝固点直上で
気水冷却を行い、ロールへのめっき付着を防止してい
る。よって、めっき表面は金属光沢があり、眩しい製品
となっている。これは、屋外建築を行う際、太陽光から
の照り返しにより作業性を劣化させる課題があることか
ら、次のような技術が開示されてきた。例えば、特開平
８−１８８８６３号公報には、ガスワイピング直上でめ
っき層表面にＺｎと折る液が残存するように水スプレー
を行う技術が開示されている。また、特開平９−７８２
１６号公報には溶融亜鉛めっき後の溶融状態時の溶融亜
鉛めっき面に水滴を水量密度５０ｃｃ／ｍ²以上で吹き
付けることにより表面を粗面化させる技術が開示されて
いる。

【０００３】しかし、これらの鋼板は、基本的にＺｎめ
っきであることから、耐食性が不十分であるという決定
的な弱点があった。耐食性向上技術に関しては、例え
ば、特開平１０−２６５９２６号公報にあるように、め
っき浴をＡｌ：４．０〜１０％、Ｍｇ：１．０〜４．５
％とし、めっき後の凝固前から、凝固後まで連続して水
冷することにより、Ｚｎ₁₁Ｍｇ₂なる単一の相を晶出さ
せる技術があり、耐食性はＺｎめっきより優れる。しか
し、これは単に均一外観を得るという技術であり、耐眩
性に関して何ら考慮されていない。本発明者らはこの技
術について調査したところ、表面は光沢状態となり、耐
眩性は低いことが判明した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの点
に鑑みてなされたものであって、耐眩性に優れ、かつ耐
食性に優れるめっき鋼板を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、Ｚｎめっ
きの耐食性向上と、表面粗度の制御を目的として、Ａｌ
とＭｇを添加することを基本とした。Ａｌ、ＭｇをＺｎ
浴に添加すると、融点や、浴の粘度、酸化の度合いが変
化し、通常の溶融Ｚｎめっきとは異なるめっき挙動を呈
するが、鋭意検討の結果、Ａｌと、Ｍｇの添加量と、ガ
スワイピング時のガス、及び、冷却条件を適切に制御す
ることにより、耐食性が優れ、任意の凹凸を持つ鋼板が
得られた。そこで、耐眩性について検討したところ、め
っき鋼板の平均粗さＲａに加え１インチ（２５．４ｍ
ｍ）長さ当たりのピークカウント（ＰＰＩ）も耐眩性に
関係することがわかった。

【０００６】本発明は、このような知見に基づき完成さ
れたもので、その要旨とするところは以下に示す通りで
ある。

【０００７】（１）めっき層中に、質量％で、Ａｌ:
３．１〜２０％、Ｍｇ:０．１〜１０％、残部Ｚｎ及び
不可避的不純物を含み、表面粗さＲａが１．５μｍ以
上、ＰＰＩが４０以上であることを特徴とする、耐眩性
に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。

【０００８】（２）めっき層中に、質量％で、Ａｌ:
３．１〜２０％、Ｍｇ:０．１〜１０％、Ｓｉ:０．１〜
２．０％、残部Ｚｎ及び不可避的不純物を含み、表面粗
さＲａが１．５μｍ以上、ＰＰＩが４０以上であること
を特徴とする、耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム
合金めっき鋼板。

【０００９】（３）めっき層中に、質量％で、Ａｌ:
３．１〜２０％、Ｍｇ:０．１〜１０％、Ｓｎ:０．１〜
１０％、残部Ｚｎ及び不可避的不純物を含み、表面粗さ
Ｒａが１．５μｍ以上、ＰＰＩが４０以上であることを
特徴とする、耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合
金めっき鋼板。

【００１０】（４）めっき層中に、質量％で、Ａｌ：
３．１〜２０％、Ｍｇ：０．１〜１０％、Ｓｉ：０．１
〜２．０％、Ｓｎ：０．１〜１０％、残部Ｚｎ及び不可
避的不純物を含み、表面粗さＲａが１．５μｍ以上、Ｐ
ＰＩが４０以上であることを特徴とする、耐眩性に優れ
た溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１２】めっき層中のＡｌは、耐食性向上と、ドロ
ス抑制のために添加する。３．１％未満であると耐食性
が十分でなくばかりかドロス発生が多くなる。一方２０
％以上では耐食性向上効果が飽和し、融点の上昇によ
り、浴の粘性が低下しすぎるため、３．１〜２０％とし
た。

【００１３】Ｍｇは、耐食性向上のために添加する。
０．１％未満では耐食性向上効果が十分でなく、１０％
を超えるとドロス発生が多くなることから、０．１〜１
０％とした。

【００１４】Ｓｉは、めっき下層に生成するＦｅ−Ａｌ
合金層の生成を抑制し、加工性を向上させるとともにＭ
ｇの酸化を抑制し、ドロス発生を抑制する効果がある。
０．１％未満ではこの効果が小さく、２．０％以上で
は、この効果が飽和するので、０．１〜２．０％とし
た。

【００１５】Ｓｎは、耐食性向上のため必要に応じ添加
され、０．１％未満では耐食性向上効果がなく、１０％
以上では、耐食性向上効果が飽和するため、０．１〜１
０％とした。

【００１６】めっき鋼板製造時には、めっき後に窒素、
あるいは窒素・酸素の混合ガスでワイピングを行うこと
により、Ｒａ、ＰＰＩの制御を行う。これは、元来酸化
しやすいＭｇの性質を活用したものであり、任意の表面
粗さを持つめっき鋼板を製造可能である。このメカニズ
ムは、窒素又は、窒素・酸素の混合したガスがワイピン
グ時に表面を局部的に酸化を進行させることにより、め
っき表面の粘度を局部的に変化させて凹凸を得ることに
あるものと思われる。この作用は平均粗さＲａに対して
特に顕著な影響を与える。ワイピング圧力については、
特に限定するところはない。

【００１７】また、その後気水冷却を行うことも有効で
あり、これにより、ガスワイピング時に生じた凹凸を固
定し、かつ、特に粗さの指標であるＰＰＩを制御するこ
とが可能となる。また、融点＋２０℃の温度までの間に
気水冷却を開始することが望ましい。このようにして得
られた、めっき鋼板の耐眩性に関してはＲａとＰＰＩの
両者が関係し、Ｒａが１．５μｍ以上、ＰＰＩが４０以
上であると、良好な耐眩性となった。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。

【００１９】めっき原板としてＪＩＳＧ３１４１記載
のＳＰＣＣ（板厚０．８ｍｍ）を使用し、連続溶融亜鉛
めっき装置を用いて、前処理還元後に連続的に溶融めっ
きを行った。めっき浴は表１のようなめっき層組成とな
るように調製し、めっき浴温度は浴に応じて４００〜４
７５℃とした。その後めっき付着量１２０ｇ／ｍ²狙い
でガスワイピングを行った。ワイピングガスは窒素、又
は窒素＋酸素の混合ガスである。その後冷却を気水冷却
又はガス冷却で行った。冷却開始温度は、浴組成、浴温
度に応じて３５５〜４６５℃とした。後処理として、ク
ロメート処理を行い、クロム付着量を片面あたり１５ｍ
ｇ／ｍ²とした。

【００２０】中心線平均粗さＲａに関しては、ＪＩＳ
Ｂ０６６０記載の方法で、ＪＩＳＢ０６５１記載の触針
式表面粗さ測定器を用いて測定した。なお、カットオフ
値は、０．８ｍｍ、評価長さは４ｍｍである。ＰＰＩ
は、測定長さ２５．４ｍｍ当たりの、基準線に対し±
０．６２５μｍを超える山及び谷の数とし、カットオフ
値０．８ｍｍ、評価長さは２５．４ｍｍとした。耐食性
試験は、裸耐食性について、塩分濃度５％、温度３５℃
で塩水噴霧試験を行い、２０００時間の腐食減量を求め
た。合格基準は、８０ｇ／ｍ²以下とした。

【００２１】耐眩性は、晴天の日に太陽光をめっき板に
鉛直に入射させ、４５度の角度から目視判定することで
行った。○は良好であり、×は悪い。

【００２２】Ｎｏ．１〜Ｎｏ．１８は本発明例であり、
防眩性と耐食性の双方ともに優れている。Ｎｏ．１９〜
Ｎｏ．２６は比較例であり、Ｎｏ．１９〜Ｎｏ．２１
は、冷却法が空冷となるためＲａが小さすぎるため、耐
眩性が悪い。Ｎｏ．２２〜Ｎｏ．２４は冷却開始温度が
低く、ＰＰＩが小さすぎるために防眩性が悪い。Ｎｏ．
２５、Ｎｏ．２６はめっき組成がはずれており、耐食性
が悪かった。

【００２３】

【表１】

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のめっき鋼板
は、耐眩性と耐食性を兼ね備えており、建材、土木など
の用途に有用である。また、任意に粗さを制御できるた
め、コンクリートやモルタル等を塗着する用途や、耐滑
り用途にも使用できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者本田和彦君津市君津１番地新日本製鐵株式会社君津製鐵所内 (72)発明者高橋彰君津市君津１番地新日本製鐵株式会社君津製鐵所内 (72)発明者三宅豪君津市君津１番地新日本製鐵株式会社君津製鐵所内 (72)発明者小野澤元君津市君津１番地新日本製鐵株式会社君津製鐵所内 (72)発明者浅井謙一東京都千代田区大手町２−６−３新日本製鐵株式会社内Ｆターム(参考） 4K027 AA02 AA05 AA22 AB05 AB14 AB15 AB44 AC52 AC72 AE03 AE25

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】めっき層中に、質量％で、Ａｌ：３．１
〜２０％、Ｍｇ：０．１〜１０％、残部Ｚｎ及び不可避
的不純物を含み、表面粗さＲａが１．５μｍ以上、ＰＰ
Ｉが４０以上であることを特徴とする、耐眩性に優れた
溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
【請求項２】めっき層中に、質量％で、Ａｌ：３．１
〜２０％、Ｍｇ：０．１〜１０％、Ｓｉ：０．１〜２．
０％、残部Ｚｎ及び不可避的不純物を含み、表面粗さＲ
ａが１．５μｍ以上、ＰＰＩが４０以上であることを特
徴とする、耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板。
【請求項３】めっき層中に、質量％で、Ａｌ:３．１
〜２０％、Ｍｇ:０．１〜１０％、Ｓｎ：０．１〜１０
％、残部Ｚｎ及び不可避的不純物を含み、表面粗さＲａ
が１．５μｍ以上、ＰＰＩが４０以上であることを特徴
とする、耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金め
っき鋼板。
【請求項４】めっき層中に、質量％で、Ａｌ：３．１
〜２０％、Ｍｇ：０．１〜１０％、Ｓｉ：０．１〜２．
０％、Ｓｎ：０．１〜１０％、残部Ｚｎ及び不可避的不
純物を含み、表面粗さＲａが１．５μｍ以上、ＰＰＩが
４０以上であることを特徴とする、耐眩性に優れた溶融
亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。