JPH10265931A - 耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH10265931A JPH10265931A JP9090290A JP9029097A JPH10265931A JP H10265931 A JPH10265931 A JP H10265931A JP 9090290 A JP9090290 A JP 9090290A JP 9029097 A JP9029097 A JP 9029097A JP H10265931 A JPH10265931 A JP H10265931A
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- JP
- Japan
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- steel sheet
- plating layer
- surface roughness
- plated steel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面の滑りにくいものが好まれる用途に好適
なAl量3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき鋼板
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 めっき層の表面粗度Raを1.5μm以
上にした。この鋼板をAl量が3.1〜5.5%のZn−
Al系合金めっき浴でめっきした後、めっき層が溶融状
態にある時に水もしくは薬液を噴霧して、めっき層の表
面粗度Raを1.5μm以上にする。
なAl量3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき鋼板
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 めっき層の表面粗度Raを1.5μm以
上にした。この鋼板をAl量が3.1〜5.5%のZn−
Al系合金めっき浴でめっきした後、めっき層が溶融状
態にある時に水もしくは薬液を噴霧して、めっき層の表
面粗度Raを1.5μm以上にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、足場用建材のように表
面の滑りにくいものが好まれる用途に好適なZn−Al
系合金めっき鋼板およびその製造方法に関する。
面の滑りにくいものが好まれる用途に好適なZn−Al
系合金めっき鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】デッキプレ−トは、従来より建築、土木、
車両の床材として多量に使用されているが、従来のもの
は亜鉛めっき鋼板をロ−ル成形することにより製造され
たものである。しかし、素材が亜鉛めっき鋼板である
と、耐食性が劣るため、近年では素材にAl量が3.1
〜5.5%のZn−Al系合金めっきを施したものが使
用されるようになってきた。デッキプレ−トは通常外観
を問題にしないので、素材にZn−Al系合金めっき鋼
板を使用する場合もめっきしたままのものやダルロ−ル
でスキンパスを施したものを用いていた。
車両の床材として多量に使用されているが、従来のもの
は亜鉛めっき鋼板をロ−ル成形することにより製造され
たものである。しかし、素材が亜鉛めっき鋼板である
と、耐食性が劣るため、近年では素材にAl量が3.1
〜5.5%のZn−Al系合金めっきを施したものが使
用されるようになってきた。デッキプレ−トは通常外観
を問題にしないので、素材にZn−Al系合金めっき鋼
板を使用する場合もめっきしたままのものやダルロ−ル
でスキンパスを施したものを用いていた。
【0003】しかし、Al量が3.1〜5.5%のZn−
Al系合金のめっき浴は、流動性に優れているため、め
っき層が亜鉛めっき鋼板の場合より平滑になり、また、
めっきしたままのものはスパングルを有している。この
ため、それをロ−ル成形したデッキプレ−トは滑り易
く、それを施工した上で作業すると、作業員や資材が滑
り、危険であるという欠点があった。この危険性はダル
ロ−ルでスキンパスを施したものの場合、若干改善され
るが、まだ不十分であった。
Al系合金のめっき浴は、流動性に優れているため、め
っき層が亜鉛めっき鋼板の場合より平滑になり、また、
めっきしたままのものはスパングルを有している。この
ため、それをロ−ル成形したデッキプレ−トは滑り易
く、それを施工した上で作業すると、作業員や資材が滑
り、危険であるという欠点があった。この危険性はダル
ロ−ルでスキンパスを施したものの場合、若干改善され
るが、まだ不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Al量が
3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき鋼板におい
て、めっき層の摩擦を大きくしたものおよびその製造方
法を提供するものである。
3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき鋼板におい
て、めっき層の摩擦を大きくしたものおよびその製造方
法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっき層の表
面粗度Raを1.5μm以上にした。また、この鋼板を
Al量が3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき浴で
めっきした後、めっき層が溶融状態にある時に水もしく
は薬液を噴霧して、めっき層の表面粗度Raを1.5μ
m以上にする方法で製造するようにした。
面粗度Raを1.5μm以上にした。また、この鋼板を
Al量が3.1〜5.5%のZn−Al系合金めっき浴で
めっきした後、めっき層が溶融状態にある時に水もしく
は薬液を噴霧して、めっき層の表面粗度Raを1.5μ
m以上にする方法で製造するようにした。
【0006】
【作用】本発明者らは、デッキプレ−ト表面を粗くすべ
く、素材段階での表面粗度を検討した結果、表面粗度R
aを1.5μm以上にすればよいことを見いだした。こ
こで、表面粗度Raを1.5μm以上にしたのは次の理
由による。すなわち、デッキプレ−トの場合、表面粗度
Raが1.0μm以上あれば、滑りにくいが、デッキプ
レ−トへの加工の段階で表面は成形ロ−ルによりある程
度平滑化される。このため、素材の段階で表面粗度Ra
を1.0μm以上にしたのではデッキプレ−トに加工
後、表面粗度Raが1.0μm未満になってしまう場合
があるからである。
く、素材段階での表面粗度を検討した結果、表面粗度R
aを1.5μm以上にすればよいことを見いだした。こ
こで、表面粗度Raを1.5μm以上にしたのは次の理
由による。すなわち、デッキプレ−トの場合、表面粗度
Raが1.0μm以上あれば、滑りにくいが、デッキプ
レ−トへの加工の段階で表面は成形ロ−ルによりある程
度平滑化される。このため、素材の段階で表面粗度Ra
を1.0μm以上にしたのではデッキプレ−トに加工
後、表面粗度Raが1.0μm未満になってしまう場合
があるからである。
【0007】表面粗度Raは、同一の大きさでも、凸部
の形状や密度により摩擦が変化し、凸部が鋭利なもの程
摩擦は大きくなり、また、密度はあまり緻密でも荒くて
も摩擦は小さくなる。このため、表面粗度が上記範囲内
で摩擦がある一定以上になるように調整するのが好まし
い。本発明者らは、好ましい静止摩擦係数μを調査した
ところ、作業員が足を滑らさない値は0.23以上であ
ればよいことを見いだした。
の形状や密度により摩擦が変化し、凸部が鋭利なもの程
摩擦は大きくなり、また、密度はあまり緻密でも荒くて
も摩擦は小さくなる。このため、表面粗度が上記範囲内
で摩擦がある一定以上になるように調整するのが好まし
い。本発明者らは、好ましい静止摩擦係数μを調査した
ところ、作業員が足を滑らさない値は0.23以上であ
ればよいことを見いだした。
【0008】めっき層の表面粗度Raが1.5μm以上
のめっき鋼板を製造するには、鋼板をAl量が3.1〜
5.5%のZn−Al系合金めっき浴に浸漬して、溶融
めっき直後のめっき層が溶融状態にある時に水もしくは
薬液を噴霧して、表面を粗化すればよい。特に、水を噴
霧すると、凹凸の凸部はめっき層の流動性と相俟って鋭
利になり、密度もあまり緻密になったり、荒くなったり
せず、静止摩擦係数μが0.23以上になる。水や薬液
の噴霧は高圧水をノズルに供給して霧化するエアレスス
プレ−方式で行うのが好ましい。水や薬液をエア圧で霧
化するエアスプレ−方式では液粒が小さいため、あまり
表面粗度Raは大きくならない。また、薬液を噴霧する
場合は分解時に吸熱反応を起こす化合物(例えば、リン
酸塩)を添加したものを使用するのが好ましい。スキン
パスではダルロ−ルに表面の粗いものを使用しても、凹
凸の凸部が鋭利にならないため、静止摩擦係数μは大き
くならない。
のめっき鋼板を製造するには、鋼板をAl量が3.1〜
5.5%のZn−Al系合金めっき浴に浸漬して、溶融
めっき直後のめっき層が溶融状態にある時に水もしくは
薬液を噴霧して、表面を粗化すればよい。特に、水を噴
霧すると、凹凸の凸部はめっき層の流動性と相俟って鋭
利になり、密度もあまり緻密になったり、荒くなったり
せず、静止摩擦係数μが0.23以上になる。水や薬液
の噴霧は高圧水をノズルに供給して霧化するエアレスス
プレ−方式で行うのが好ましい。水や薬液をエア圧で霧
化するエアスプレ−方式では液粒が小さいため、あまり
表面粗度Raは大きくならない。また、薬液を噴霧する
場合は分解時に吸熱反応を起こす化合物(例えば、リン
酸塩)を添加したものを使用するのが好ましい。スキン
パスではダルロ−ルに表面の粗いものを使用しても、凹
凸の凸部が鋭利にならないため、静止摩擦係数μは大き
くならない。
【0009】
【実施例】連続溶融めっきラインにて、黒皮熱延鋼帯の
スケ−ルを酸洗で除去して、25%H2−N2混合ガスで
還元した後、Zn−4.8%Al合金のめっき浴(46
0℃)に浸漬して、付着量を気体絞り法により126g
/m2に調整し、直ちにめっき層が溶融状態にあるうち
に水またはリン酸塩の薬液をスプレ−した。そして、こ
のめっき鋼帯から試料を採取して、表面粗度Raおよび
静止摩擦係数μを測定した。表1にスプレ−条件と製品
特性を示す。
スケ−ルを酸洗で除去して、25%H2−N2混合ガスで
還元した後、Zn−4.8%Al合金のめっき浴(46
0℃)に浸漬して、付着量を気体絞り法により126g
/m2に調整し、直ちにめっき層が溶融状態にあるうち
に水またはリン酸塩の薬液をスプレ−した。そして、こ
のめっき鋼帯から試料を採取して、表面粗度Raおよび
静止摩擦係数μを測定した。表1にスプレ−条件と製品
特性を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上のように、本発明のめっき鋼板は、
めっき層の表面粗度Raをロ−ル成形による減少を見込
んで1.5μm以上と大きくしてあるので、デッキプレ
−トのようにロ−ル成形で製造する建材に使用しても滑
りにくい。また、この鋼板をAl量が3.1〜5.5%の
Zn−Al系合金めっき浴でめっきした後、めっき層が
溶融状態にある時に水や薬液を噴霧する方法で製造すれ
ば、めっき層の表面粗度Raを1.5μm以上にするこ
とができる。
めっき層の表面粗度Raをロ−ル成形による減少を見込
んで1.5μm以上と大きくしてあるので、デッキプレ
−トのようにロ−ル成形で製造する建材に使用しても滑
りにくい。また、この鋼板をAl量が3.1〜5.5%の
Zn−Al系合金めっき浴でめっきした後、めっき層が
溶融状態にある時に水や薬液を噴霧する方法で製造すれ
ば、めっき層の表面粗度Raを1.5μm以上にするこ
とができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 Al量が3.1〜5.5%のZn−Al
系合金めっき鋼板において、めっき層の表面粗度Raを
1.5μm以上にしたことを特徴とする耐滑り性に優れ
たZn−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 静止摩擦係数μを0.23以上にする
ことを特徴とする請求項1に記載の耐滑り性に優れたZ
n−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項3】 鋼板をAl量が3.1〜5.5%のZn
−Al系合金めっき浴でめっきした後、めっき層が溶融
状態にある時に水もしくは薬液を噴霧して、めっき層の
表面粗度Raを1.5μm以上にすることを特徴とする
耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9090290A JPH10265931A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9090290A JPH10265931A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10265931A true JPH10265931A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13994410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9090290A Withdrawn JPH10265931A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 耐滑り性に優れたZn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10265931A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329355A (ja) * | 2000-03-16 | 2001-11-27 | Nippon Steel Corp | 耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 |
JP2002048997A (ja) * | 2000-08-04 | 2002-02-15 | Konica Corp | 光偏向装置、光偏向装置の製造方法及び画像形成装置 |
JP2020193357A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 日本製鉄株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼板 |
-
1997
- 1997-03-25 JP JP9090290A patent/JPH10265931A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329355A (ja) * | 2000-03-16 | 2001-11-27 | Nippon Steel Corp | 耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 |
JP4555492B2 (ja) * | 2000-03-16 | 2010-09-29 | 新日本製鐵株式会社 | 耐眩性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 |
JP2002048997A (ja) * | 2000-08-04 | 2002-02-15 | Konica Corp | 光偏向装置、光偏向装置の製造方法及び画像形成装置 |
JP2020193357A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 日本製鉄株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼板 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |