JP2001329123A - 芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物 - Google Patents

芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物

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JP2001329123A JP2000152755A JP2000152755A JP2001329123A JP 2001329123 A JP2001329123 A JP 2001329123A JP 2000152755 A JP2000152755 A JP 2000152755A JP 2000152755 A JP2000152755 A JP 2000152755A JP 2001329123 A JP2001329123 A JP 2001329123A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固化速度が速く、接着強度、保存安定に優れる
ホットメルト接着用樹脂組成物を構成する芳香族系炭化
水素樹脂を提供する。 【解決手段】軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン
換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、JI
S K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下
であることを特徴とする芳香族系炭化水素樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト接着
剤用として優れる芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりな
るホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、段ボール箱等の包装材の組立
工程等の接着工程において使用されるホットメルト接着
剤組成物(以下、HMAと記す。)としては、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、石油
樹脂に代表される炭化水素樹脂及びワックス類からなる
組成物が用いられている。
【0003】近年、HMAとしては、該接着工程の生産
速度を高めるために接着剤塗布後の冷却過程で速やかに
固化すること、接着強度を高めるために低温に於いても
相分離せず十分に均質状態であること、長期の保存安定
性に優れることから高い熱安定性を有すること、等が求
められている。
【0004】そこで、接着剤塗布後の冷却過程での固化
速度を上げるために、HMAを構成する炭化水素樹脂と
しては、軟化点の高い炭化水素樹脂が求められている。
【0005】また、HMAの相溶性が接着性能に影響す
ることは、例えば1969、1970年に福沢、小阪ら
によって第7,8回接着研究発表会講演要旨集の中で報
告され、及川らの「接着」,31,116,(1987)
でも報告されており、接着強度を高めるために、HMA
を低温に於いても相分離せず十分に均質状態とするため
に、曇点が低い炭化水素樹脂が求められている。
【0006】これらの要求を満足するHMAを提供する
ために、HMAを構成する炭化水素樹脂として様々な炭
化水素樹脂が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば炭化水
素樹脂の分子量を高くすることにより軟化点を上げるこ
とができ、該炭化水素樹脂を用いたHMAの固化速度は
速くすることは可能であるが、反面、該炭化水素樹脂の
曇点が高くなりHMAの接着性は低下し、未だ満足でき
る性能を有する炭化水素樹脂が得られていないのが現状
である。
【0008】そこで、本発明は、固化速度が速く、曇点
が低いことからHMAとした場合の接着性に優れ、かつ
熱安定性が良好なことから皮張りが抑制され、保存安定
性に優れるHMAを構成する芳香族系炭化水素樹脂及び
それを含んでなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素
樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の特性を有する芳
香族系炭化水素樹脂がホットメルト接着剤用として優れ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、JIS K−2207
(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以
上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜
1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JI
S K−6730を準拠し測定したメルトインデックス
が150g/10分であるEVA40重量部、融点97
℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、4
0重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合し
た後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が1
80℃以下であることを特徴とする芳香族系炭化水素樹
脂及びそれを含んでなるホットメルト接着用芳香族系炭
化水素樹脂組成物に関するものである。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明は、JIS K−2207(199
1年)を準拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポ
リスチレン換算の重量平均分子量が700〜1500、
かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6
730を準拠し測定したメルトインデックスが150g
/10分であるEVA40重量部、融点97℃を有する
合成炭化水素ワックス20重量部に対し、40重量部を
配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJI
S K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下
であることを特徴とする芳香族系炭化水素樹脂に関する
ものである。
【0013】芳香族系炭化水素樹脂とは、一般的に石油
類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が14
0〜280℃の範囲にある留分をビニル重合することに
より得られた樹脂を称するものである。そして、本発明
の芳香族系炭化水素樹脂とは、JIS K−2207
(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以
上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜
1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JI
S K−6730を準拠し測定したメルトインデックス
が150g/10分であるEVA40重量部、融点97
℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、4
0重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合し
た後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が1
80℃以下である芳香族系炭化水素樹脂である。
【0014】ここで、JIS K−2207(1991
年)を準拠し測定した軟化点が125℃未満であった
り、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700未
満である場合、HMAとした際の固化速度が遅くなり、
接着を必要とする製品の生産速度が低下し、HMAとし
ては劣ったものとなる。また、標準ポリスチレン換算の
重量平均分子量が1500を超えたり、上記条件で測定
した曇点が180℃を超える場合、HMAとした際の接
着性能が低下し好ましくない。
【0015】なお、本発明における標準ポリスチレン換
算の重量平均分子量とは、溶離液としてテトラヒドロフ
ランを用い、溶離液流速1ml/分、カラム温度38℃
の条件でゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー
によりRI検出されたピーク面積により標準ポリスチレ
ン換算値として算出したものである。また、融点97℃
を有する合成炭化水素ワックスとしては、該範疇に属す
るものであれば特に制限はなく、例えばフィッシャート
ロプシュワックス、低分子量ポリエチレンワックス又は
その誘導体等を挙げることが出来る。
【0016】本発明の芳香族系炭化水素樹脂の製造方法
としては、特に制限はなく本発明の芳香族系炭化水素樹
脂を製造することが可能であればいかなる方法を用いて
もよく、例えば芳香族系炭化水素樹脂の製造方法として
一般的に知られている石油類の熱分解により得られる分
解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留
分をビニル重合する方法でも良い。そして、この際の石
油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が1
40〜280℃の範囲にある留分とは、一般的に炭素原
子数9個を有する化合物を主成分とする炭化水素化合物
の混合物であり、該留分を構成する炭化水素化合物とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチ
ルスチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、トリ
メチルベンゼン、ビニルトルエン、インデン、メチルイ
ンデン、ジシクロペンダジエン(以下、DCPDと記
す。)、メチルシクロペンタジエンダイマー(以下、M
eCPD−dimerと記す。)、メチルシクロペンタ
ジエン−シクロペンタジエンコダイマー(以下、CPD
−MeCPDCodimerと記す。)等を挙げること
ができる。
【0017】また、ビニル重合法としても特に制限はな
く、一般的にビニル重合法として知られている方法を用
いることができ、例えばカチオン重合法、アニオン重合
法、ラジカル重合法、配位重合法等を挙げることがで
き、本発明の芳香族系炭化水素樹脂を製造する際には、
その生産性が特に優れることからカチオン重合法を用い
ることが好ましく、その際の重合触媒としては、フリー
デルクラフツ型触媒を用いることが好ましく、そのよう
なフリーデルクラフツ型触媒としては、例えば三酸化ア
ルミニウム、三臭化アルミニウム、三弗化硼素又はそれ
らの錯体等を挙げることができ、その中でも特に、エチ
ルエーテル、フェノール、ブチルエーテル、ブチルアル
コール等と三弗化硼素との錯体が好ましい。また、連鎖
移動剤については、使用してもしなくても良いが、使用
する連鎖移動剤としては、例えばフェノール、クレゾー
ル、キシレノール等のフェノール系化合物;t−ブタノ
ール、エタノール、メタノール等のアルコール化合物;
酢酸、酢酸エチル等のカルボン酸化合物等を挙げること
ができる。
【0018】そして、より効率的に本発明の芳香族系炭
化水素樹脂を製造する方法として、石油類の熱分解によ
り得られる分解油のうち、スチレン、ビニルトルエン、
インデンの合計量に対するインデンの比率が60wt%
以上であり、DCPD及びそのアルキル基置換体の含有
率が10wt%以下である沸点範囲が140〜280℃
の範囲にある留分を用いビニル重合することが特に好ま
しい。その際、DCPD及びそのアルキル基置換体の含
有率を10wt%以下とするために、何らかの方法によ
りDCPD及びそのアルキル基置換体を沸点範囲が14
0〜280℃の範囲にある留分から除去することが必要
である場合、その方法としては特に制限はなく適宜選択
すればよく、例えば単純に蒸留により分離除去する方
法、DCPD及びそのアルキル基置換体を熱分解し、シ
クロペンタジエン及びそのアルキル基置換体(以下、C
PD類と記す。)とし、該CPD類を蒸留除去するか、
もしくはDiels−Alder反応性を有する例えば
無水マレイン酸、マレイン酸エステル等に代表されるα
−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボン酸、その
誘導体を添加し、化学反応により除去する方法、これら
方法を組み合わせる方法等が挙げられる。そして、化学
反応により除去する際には沸点範囲が140〜280℃
の範囲にある留分に、α−不飽和カルボン酸、α、β−
不飽和カルボン酸又はその誘導体を0.1〜20wt
%、特に0.5〜3.0wt%の範囲で添加することが
好ましい。
【0019】本発明の芳香族系炭化水素樹脂は、HMA
用として優れたものであり、EVA100重量部に対
し、石油系ワックス及び/又は合成ワックス10〜10
0重量部、該芳香族系炭化水素樹脂50〜150重量部
を配合することにより、固化速度が速く、接着性、取り
扱い性、保存安定性に優れるホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物として用いることができる。
【0020】そして、その際のEVA、石油系ワック
ス、合成ワックスとしては特に制限はなく、一般的なH
MAを構成するEVA、石油系ワックス、合成ワックス
であればよく、その中でも、特に接着性に優れるホット
メルト接着用芳香族炭化水素樹脂組成物となることか
ら、EVAとしては、酢酸ビニル含有量が20〜45重
量%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトイ
ンデックスが10〜400g/10分であるものが好ま
しい。また、石油系ワックスとしては、例えばパラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス(商品名)
等を挙げることができ、合成ワックスとしては、例えば
フィッシャートロプシュワックス、低分子量ポリエチレ
ンワックス等を挙げることが出来る。
【0021】
【実施例】以下に、実施例又は比較例により本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定
されるものではない。
【0022】実施例又は比較例により得られた芳香族系
炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香
族系炭化水素樹脂組成物は下記に示す方法により評価し
た。
【0023】〜原料油の組成評価〜 ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製、商品名
GC−14B)を用い原料油を測定し、そのピーク面積
比を測ることにより評価した。
【0024】〜軟化点の測定〜 得られた芳香族系炭化水素樹脂をJIS K−2207
を準拠し、環球法により評価した。
【0025】〜重量平均分子量の測定〜 溶離液としてテトラヒドロフランを用い、溶離液流速1
ml/分、カラム温度38℃の条件でゲル・パーミエイ
ション・クロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名
HLC−8020)によりRI検出されたピーク面積に
より標準ポリスチレン換算値として算出した。
【0026】〜曇点〜 酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730
を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10
分であるEVA40重量部、融点97℃を有する合成炭
化水素ワックス20重量部に対し、実施例又は比較例に
より得られた芳香族系炭化水素樹脂40重量部を配合
し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS
K−2266を準拠し測定を行った。
【0027】〜ホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹
脂組成物の熱安定性〜 得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成
物200gを300mlのビーカー中で溶融し、空気
下、180℃で3日間保存し、生成した表面の皮張り量
を目視により評価し、熱安定性の目安とした。
【0028】〜接着強度〜 厚さ0.1mmアルミニウム板間に接着剤層として得ら
れたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物を
厚さ0.2mmになるように180℃で3分間プレスし
試験片を調整した。得られた試験片を23℃、湿度50
%の条件で24時間放置した後、テンシロン引張り試験
機により、剥離速度300mm/min.でT型剥離を
行い接着強度を測定した。
【0029】〜セットタイム〜 JAI 7番 セットタイムA法を準拠し、セットタイ
ムを測定し、固化速度の目安とした。
【0030】実施例1 石油類の熱分解により得られる沸点範囲140〜280
℃の留分を220℃で30分間加熱することにより、生
成するCPD類を蒸留除去した後に、更に無水マレイン
酸を2.0wt%に相当する量を添加し220℃で30
分間処理したものを蒸留することによりスチレン、ビニ
ルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率
が81wt%であり、ジシクロペンタジエン及びそのア
ルキル基置換体の含有率が6.0wt%である留分油を
得た。
【0031】得られた留分油に対し、三弗化硼素を0.
5wt%、フェノール4.0wt%を加え40℃、3時
間でカチオン重合反応を行った。重合反応終了後、反応
系に苛性ソーダ水溶液を添加し重合触媒を除去し、油相
未反応油を蒸留し芳香族系炭化水素樹脂を得た。
【0032】得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点
129℃、重量平均分子量950であり、酢酸ビニル含
有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定
したメルトインデックスが150g/10分であるEV
A(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40
重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワ
ックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量
部を配合し測定した曇点は148℃であった。
【0033】また、得られた芳香族系炭化水素樹脂35
重量部、EVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン
720)45重量部、フィッシャートロプシュワックス
(サゾール公社製)20重量部を配合し、ホットメルト
接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物を調整し、その評価
結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物は皮張り量が少なく熱安定性が良
好であり、接着強度は1300g/25mmと高く、セ
ットタイムは2秒と短いものであった。
【0034】実施例2 無水マレイン酸添加量を1.5wt%とし、スチレン、
ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの
比率が70wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアル
キル基置換体の含有率が7.0wt%である留分油を用
いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法によ
り、原料油、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接
着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評
価を行った。
【0035】得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点
131℃、重量平均分子量1200であり、酢酸ビニル
含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/
10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラ
セン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシ
ャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部
に対し、40重量部を配合し測定した曇点は150℃で
あった。
【0036】また、得られたホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られ
たホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮
張り量が少なく熱安定性が良好であり、接着強度は12
50g/25mmと高く、セットタイムは3秒と短いも
のであった。
【0037】比較例1 スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対する
インデンの比率が40.wt%、ジシクロペンタジエン
及びそのアルキル基置換体の含有率が11.0wt%で
ある留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と同
様の方法により、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメル
ト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、そ
の評価を行った。
【0038】得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点
130℃、重量平均分子量1720であり、酢酸ビニル
含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/
10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラ
セン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシ
ャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部
に対し、40重量部を配合し測定した曇点は200℃以
上であった。
【0039】また、得られたホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られ
たホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮
張り量が多く熱安定性に劣り、接着強度も500g/2
5mmと低く、セットタイムも6秒と長いものであっ
た。
【0040】比較例2 スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対する
インデンの比率が40.0wt%、ジシクロペンタジエ
ン及びそのアルキル基置換体の含有率が12.0wt%
である留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と
同様の方法により、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメ
ルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、
その評価を行った。
【0041】得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点
114℃、重量平均分子量1100であり、酢酸ビニル
含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/
10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラ
セン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシ
ャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部
に対し、40重量部を配合し測定した曇点は120℃で
あった。
【0042】また、得られたホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られ
たホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮
張り量が多く熱安定性が劣るものであり、セットタイム
は8秒と極めて長いものであった。
【0043】比較例3 無水マレイン酸添加量を3.0wt%とし、スチレン、
ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの
比率が50wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアル
キル基置換体の含有率が5.0wt%である留分油を用
いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法によ
り、原料油、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接
着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評
価を行った。
【0044】得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点
127℃、重量平均分子量1690であり、酢酸ビニル
含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/
10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラ
セン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシ
ャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部
に対し、40重量部を配合し測定した曇点は200℃以
上であった。
【0045】また、得られたホットメルト接着用芳香族
系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られ
たホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の接
着強度は450g/25mmと低いものであり、セット
タイムは6秒と長いものであった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の芳香族系炭化水素樹脂は、ホッ
トメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物とした場
合、該樹脂組成物は、接着強度、保存安定性に優れるう
えに、固化速度が速く製品の生産速度にも優れるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 123/08 C09J 123/08 131/04 131/04 Z 145/00 145/00 157/02 157/02 191/06 191/06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS K−2207(1991年)を準
    拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン
    換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、酢酸
    ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準
    拠し測定したメルトインデックスが150g/10分で
    あるエチレン−酢酸ビニル共重合体40重量部、融点9
    7℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、
    40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合
    した後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が
    180℃以下であることを特徴とする芳香族系炭化水素
    樹脂。
  2. 【請求項2】石油類の熱分解により得られる分解油のう
    ち、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対
    するインデンの比率が60wt%以上であり、ジシクロ
    ペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が10
    wt%以下である沸点範囲が140〜280℃の範囲に
    ある留分をビニル重合することを特徴とする請求項1に
    記載の芳香族系炭化水素樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量
    部に対し、石油系ワックス及び/又は合成ワックス10
    〜100重量部、請求項1に記載の芳香族系炭化水素樹
    脂50〜150重量部からなることを特徴とするホット
    メルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物。
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