JP4765141B2 - 芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物 - Google Patents

芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホットメルト接着剤用として優れる芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、段ボール箱等の包装材の組立工程等の接着工程において使用されるホットメルト接着剤組成物(以下、HMAと記す。)としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、石油樹脂に代表される炭化水素樹脂及びワックス類からなる組成物が用いられている。
【0003】
近年、HMAとしては、該接着工程の生産速度を高めるために接着剤塗布後の冷却過程で速やかに固化すること、接着強度を高めるために低温に於いても相分離せず十分に均質状態であること、長期の保存安定性に優れることから高い熱安定性を有すること、等が求められている。
【0004】
そこで、接着剤塗布後の冷却過程での固化速度を上げるために、HMAを構成する炭化水素樹脂としては、軟化点の高い炭化水素樹脂が求められている。
【0005】
また、HMAの相溶性が接着性能に影響することは、例えば1969、1970年に福沢、小阪らによって第7,8回接着研究発表会講演要旨集の中で報告され、及川らの「接着」,31,116,(1987)でも報告されており、接着強度を高めるために、HMAを低温に於いても相分離せず十分に均質状態とするために、曇点が低い炭化水素樹脂が求められている。
【0006】
これらの要求を満足するHMAを提供するために、HMAを構成する炭化水素樹脂として様々な炭化水素樹脂が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば炭化水素樹脂の分子量を高くすることにより軟化点を上げることができ、該炭化水素樹脂を用いたHMAの固化速度は速くすることは可能であるが、反面、該炭化水素樹脂の曇点が高くなりHMAの接着性は低下し、未だ満足できる性能を有する炭化水素樹脂が得られていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は、固化速度が速く、曇点が低いことからHMAとした場合の接着性に優れ、かつ熱安定性が良好なことから皮張りが抑制され、保存安定性に優れるHMAを構成する芳香族系炭化水素樹脂及びそれを含んでなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の特性を有する芳香族系炭化水素樹脂がホットメルト接着剤用として優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が60wt%以上であり、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が10wt%以下である沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分から得られる芳香族系炭化水素樹脂であって、JIS K−2207(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるEVA40重量部、融点97℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下であることを特徴とする芳香族系炭化水素樹脂及びそれを含んでなる熱安定性良好なホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物に関するものである。
【0011】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、JIS K−2207(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるEVA40重量部、融点97℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下であることを特徴とする芳香族系炭化水素樹脂に関するものである。
【0013】
芳香族系炭化水素樹脂とは、一般的に石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分をビニル重合することにより得られた樹脂を称するものである。そして、本発明の芳香族系炭化水素樹脂とは、JIS K−2207(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるEVA40重量部、融点97℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下である芳香族系炭化水素樹脂である。
【0014】
ここで、JIS K−2207(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃未満であったり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700未満である場合、HMAとした際の固化速度が遅くなり、接着を必要とする製品の生産速度が低下し、HMAとしては劣ったものとなる。また、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が1500を超えたり、上記条件で測定した曇点が180℃を超える場合、HMAとした際の接着性能が低下し好ましくない。
【0015】
なお、本発明における標準ポリスチレン換算の重量平均分子量とは、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、溶離液流速1ml/分、カラム温度38℃の条件でゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりRI検出されたピーク面積により標準ポリスチレン換算値として算出したものである。また、融点97℃を有する合成炭化水素ワックスとしては、該範疇に属するものであれば特に制限はなく、例えばフィッシャートロプシュワックス、低分子量ポリエチレンワックス又はその誘導体等を挙げることが出来る。
【0016】
本発明の芳香族系炭化水素樹脂の製造方法としては、特に制限はなく本発明の芳香族系炭化水素樹脂を製造することが可能であればいかなる方法を用いてもよく、例えば芳香族系炭化水素樹脂の製造方法として一般的に知られている石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分をビニル重合する方法でも良い。そして、この際の石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分とは、一般的に炭素原子数9個を有する化合物を主成分とする炭化水素化合物の混合物であり、該留分を構成する炭化水素化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ジシクロペンダジエン(以下、DCPDと記す。)、メチルシクロペンタジエンダイマー(以下、MeCPD−dimerと記す。)、メチルシクロペンタジエン−シクロペンタジエンコダイマー(以下、CPD−MeCPDCodimerと記す。)等を挙げることができる。
【0017】
また、ビニル重合法としても特に制限はなく、一般的にビニル重合法として知られている方法を用いることができ、例えばカチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法、配位重合法等を挙げることができ、本発明の芳香族系炭化水素樹脂を製造する際には、その生産性が特に優れることからカチオン重合法を用いることが好ましく、その際の重合触媒としては、フリーデルクラフツ型触媒を用いることが好ましく、そのようなフリーデルクラフツ型触媒としては、例えば三酸化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三弗化硼素又はそれらの錯体等を挙げることができ、その中でも特に、エチルエーテル、フェノール、ブチルエーテル、ブチルアルコール等と三弗化硼素との錯体が好ましい。また、連鎖移動剤については、使用してもしなくても良いが、使用する連鎖移動剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系化合物;t−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール化合物;酢酸、酢酸エチル等のカルボン酸化合物等を挙げることができる。
【0018】
そして、より効率的に本発明の芳香族系炭化水素樹脂を製造する方法として、石油類の熱分解により得られる分解油のうち、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が60wt%以上であり、DCPD及びそのアルキル基置換体の含有率が10wt%以下である沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分を用いビニル重合することが特に好ましい。その際、DCPD及びそのアルキル基置換体の含有率を10wt%以下とするために、何らかの方法によりDCPD及びそのアルキル基置換体を沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分から除去することが必要である場合、その方法としては特に制限はなく適宜選択すればよく、例えば単純に蒸留により分離除去する方法、DCPD及びそのアルキル基置換体を熱分解し、シクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体(以下、CPD類と記す。)とし、該CPD類を蒸留除去するか、もしくはDiels−Alder反応性を有する例えば無水マレイン酸、マレイン酸エステル等に代表されるα−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボン酸、その誘導体を添加し、化学反応により除去する方法、これら方法を組み合わせる方法等が挙げられる。そして、化学反応により除去する際には沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分に、α−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を0.1〜20wt%、特に0.5〜3.0wt%の範囲で添加することが好ましい。
【0019】
本発明の芳香族系炭化水素樹脂は、HMA用として優れたものであり、EVA100重量部に対し、石油系ワックス及び/又は合成ワックス10〜100重量部、該芳香族系炭化水素樹脂50〜150重量部を配合することにより、固化速度が速く、接着性、取り扱い性、保存安定性に優れるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物として用いることができる。
【0020】
そして、その際のEVA、石油系ワックス、合成ワックスとしては特に制限はなく、一般的なHMAを構成するEVA、石油系ワックス、合成ワックスであればよく、その中でも、特に接着性に優れるホットメルト接着用芳香族炭化水素樹脂組成物となることから、EVAとしては、酢酸ビニル含有量が20〜45重量%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが10〜400g/10分であるものが好ましい。また、石油系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス(商品名)等を挙げることができ、合成ワックスとしては、例えばフィッシャートロプシュワックス、低分子量ポリエチレンワックス等を挙げることが出来る。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例又は比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0022】
実施例又は比較例により得られた芳香族系炭化水素樹脂及びそれよりなるホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は下記に示す方法により評価した。
【0023】
〜原料油の組成評価〜
ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製、商品名GC−14B)を用い原料油を測定し、そのピーク面積比を測ることにより評価した。
【0024】
〜軟化点の測定〜
得られた芳香族系炭化水素樹脂をJIS K−2207を準拠し、環球法により評価した。
【0025】
〜重量平均分子量の測定〜
溶離液としてテトラヒドロフランを用い、溶離液流速1ml/分、カラム温度38℃の条件でゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名HLC−8020)によりRI検出されたピーク面積により標準ポリスチレン換算値として算出した。
【0026】
〜曇点〜
酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるEVA40重量部、融点97℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、実施例又は比較例により得られた芳香族系炭化水素樹脂40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS K−2266を準拠し測定を行った。
【0027】
〜ホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の熱安定性〜
得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物200gを300mlのビーカー中で溶融し、空気下、180℃で3日間保存し、生成した表面の皮張り量を目視により評価し、熱安定性の目安とした。
【0028】
〜接着強度〜
厚さ0.1mmアルミニウム板間に接着剤層として得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物を厚さ0.2mmになるように180℃で3分間プレスし試験片を調整した。得られた試験片を23℃、湿度50%の条件で24時間放置した後、テンシロン引張り試験機により、剥離速度300mm/min.でT型剥離を行い接着強度を測定した。
【0029】
〜セットタイム〜
JAI 7番 セットタイムA法を準拠し、セットタイムを測定し、固化速度の目安とした。
【0030】
実施例1
石油類の熱分解により得られる沸点範囲140〜280℃の留分を220℃で30分間加熱することにより、生成するCPD類を蒸留除去した後に、更に無水マレイン酸を2.0wt%に相当する量を添加し220℃で30分間処理したものを蒸留することによりスチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が81wt%であり、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が6.0wt%である留分油を得た。
【0031】
得られた留分油に対し、三弗化硼素を0.5wt%、フェノール4.0wt%を加え40℃、3時間でカチオン重合反応を行った。重合反応終了後、反応系に苛性ソーダ水溶液を添加し重合触媒を除去し、油相未反応油を蒸留し芳香族系炭化水素樹脂を得た。
【0032】
得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点129℃、重量平均分子量950であり、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量部を配合し測定した曇点は148℃であった。
【0033】
また、得られた芳香族系炭化水素樹脂35重量部、EVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)45重量部、フィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部を配合し、ホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物を調整し、その評価結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮張り量が少なく熱安定性が良好であり、接着強度は1300g/25mmと高く、セットタイムは2秒と短いものであった。
【0034】
実施例2
無水マレイン酸添加量を1.5wt%とし、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が70wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が7.0wt%である留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法により、原料油、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評価を行った。
【0035】
得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点131℃、重量平均分子量1200であり、酢酸ビニル含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量部を配合し測定した曇点は150℃であった。
【0036】
また、得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮張り量が少なく熱安定性が良好であり、接着強度は1250g/25mmと高く、セットタイムは3秒と短いものであった。
【0037】
比較例1
スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が40.wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が11.0wt%である留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法により、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評価を行った。
【0038】
得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点130℃、重量平均分子量1720であり、酢酸ビニル含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量部を配合し測定した曇点は200℃以上であった。
【0039】
また、得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮張り量が多く熱安定性に劣り、接着強度も500g/25mmと低く、セットタイムも6秒と長いものであった。
【0040】
比較例2
スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が40.0wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が12.0wt%である留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法により、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評価を行った。
【0041】
得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点114℃、重量平均分子量1100であり、酢酸ビニル含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量部を配合し測定した曇点は120℃であった。
【0042】
また、得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物は皮張り量が多く熱安定性が劣るものであり、セットタイムは8秒と極めて長いものであった。
【0043】
比較例3
無水マレイン酸添加量を3.0wt%とし、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が50wt%、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が5.0wt%である留分油を用いた以外は、実施例1に示した方法と同様の方法により、原料油、芳香族系炭化水素樹脂及びホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の調整を行い、その評価を行った。
【0044】
得られた芳香族系炭化水素樹脂は、軟化点127℃、重量平均分子量1690であり、酢酸ビニル含有量が28wt%、メルトインデックスが150g/10分であるEVA(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン720)40重量部、融点97℃を有するフィッシャートロプシュワックス(サゾール公社製)20重量部に対し、40重量部を配合し測定した曇点は200℃以上であった。
【0045】
また、得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の評価結果を表2に示す。得られたホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物の接着強度は450g/25mmと低いものであり、セットタイムは6秒と長いものであった。
【0046】
【表1】
Figure 0004765141
【0047】
【表2】
Figure 0004765141
【0048】
【発明の効果】
本発明の芳香族系炭化水素樹脂は、ホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物とした場合、該樹脂組成物は、接着強度、保存安定性に優れるうえに、固化速度が速く製品の生産速度にも優れるものである。

Claims (3)

  1. スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が60wt%以上であり、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が10wt%以下である沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分から得られる芳香族系炭化水素樹脂であって、JIS K−2207(1991年)を準拠し測定した軟化点が125℃以上、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1500、かつ、酢酸ビニル含有量が28wt%、JIS K−6730を準拠し測定したメルトインデックスが150g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体40重量部、融点97℃を有する合成炭化水素ワックス20重量部に対し、40重量部を配合し、180℃で30分間加熱溶融混合した後にJIS K−2266を準拠し測定した曇点が180℃以下であることを特徴とする熱安定性良好なホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物用の芳香族系炭化水素樹脂。
  2. α−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を添加して、石油類の熱分解により得られる分解油のうち、スチレン、ビニルトルエン、インデンの合計量に対するインデンの比率が60wt%以上であり、ジシクロペンタジエン及びそのアルキル基置換体の含有率が10wt%以下である沸点範囲が140〜280℃の範囲にある留分をビニル重合することを特徴とする請求項1に記載の芳香族系炭化水素樹脂の製造方法。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、石油系ワックス及び/又は合成ワックス10〜100重量部、請求項1に記載の芳香族系炭化水素樹脂50〜150重量部からなることを特徴とする熱安定性良好なホットメルト接着用芳香族系炭化水素樹脂組成物。
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