JP2001310961A - 成形物およびその製造方法 - Google Patents
成形物およびその製造方法Info
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Abstract
性、ガソリンバリア性および層間接着強度の優れた、基
材とビニルアルコール系共重合体からなる成形物を提供
すること。 【解決手段】 樹脂(A)100重量部にボロン酸基若
しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有
基を有する熱可塑性樹脂(B)0.01〜70重量部を
添加した組成物(a)からなる基材にビニルアルコール
系重合体(C)をコートしてなる成形物。
Description
びガソリンバリア性に優れ、プライマー処理や接着剤な
しにビニルアルコール系重合体を基材に積層可能な成形
物およびその製法に関する。
ア性、耐油性、機械的強度に優れているが、高価である
ためにこれを単独でしにくい欠点があり、かつ透湿性が
大きい欠点がある。この短所を改善するために、ポリオ
レフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等
の熱可塑性樹脂とビニルアルコール系重合体との積層構
造体として用いられる。しかし、ポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリエステル等の多くの熱可塑性樹脂とビニ
ルアルコール系重合体との接着性は悪いため、層間の界
面剥離が起こる問題がある。この問題を改善するために
無水マレイン酸変性ポリオレフィン(ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、エチ
レン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体等
の各種接着材が開発されている。しかしながら、上述し
た接着材を用いると、工程が増えるためにコストアップ
につながるという問題があった。
には、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をアルコ
ール−水混合溶媒に溶解した溶液の層を支持体上に形成
させた後に乾燥させて膜を製造する技術が開示されてい
るが、かかる場合は一般に支持体とエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物の間に充分な層間接着強度が得るた
めに、煩雑なプライマー処理を行う必要や、接着剤を使
用する必要があることが多く、コストアップの要因とな
っていた。
イマー処理や接着剤がない場合においても、ガスバリア
性、ガソリンバリア性、層間接着強度の優れた、基材と
ビニルアルコール系共重合体からなる成形物を得ること
である。
(A)100重量部にボロン酸基若しくは水の存在下で
ボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性
樹脂(B)0.01〜70重量部を添加した組成物
(a)からなる基材にビニルアルコール系重合体(C)
をコートしてなる成形物を提供することにより達成され
る。
材にビニルアルコール系重合体(C)の溶液をコートし
てなる。また別の好適な実施態様では、基材にビニルア
ルコール系重合体(C)の水性分散液をコートしてな
る。
コール系重合体(C)がエチレン含有率が60モル%以
下のビニルアルコール系重合体である。
ボロン酸基若しくは水の存在下でボロン酸基に転化しう
るホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(B)0.01〜
70重量部を添加した組成物(a)からなる基材に、プ
ライマー処理をせずに、直接ビニルアルコール系重合体
(C)をコートする、請求項1〜4のいずれかに記載の
成形物の製造方法に関する。
料タンク用付属部品として用いられる。
例としては、ポリエチレン(超低密度、低密度、中密
度、高密度)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等の半芳香族ポリエステル;ポリバレロラクトン、ポリ
カプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチ
レンサクシネート等の脂肪族ポリエステル;ポリカプロ
ラクタム、ポリラウロラクタム、ポリヘキサメチレンア
ジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド等の脂肪族ポ
リアミド;ポリエチレングリコール、ポリフェニレンエ
ーテル等のポリエーテル;ポリカーボネート;ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体等のスチレン系重合体;ポリメチルメタクリレート;
ポリ塩化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニ
ル系重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ブタジエン三元共重合体、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、フッ素系ゴム等の合成ゴムが挙げられる。
の使用用途によっても異なるが、溶融成形が行える観点
から、熱可塑性樹脂であることが好ましい。樹脂(A)
が熱可塑性樹脂である場合は、樹脂(A)の好適なメル
トインデックス(MI)(230℃、2160g荷重下
で測定した値)は0.01〜400g/10分が好まし
く、0.1〜200g/10分がより好ましい。
dorsの式から算出)を有する樹脂(ポリエステル系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂な
ど)であることが好ましい。このように、一般的には溶
解性パラメータがビニルアルコール系重合体(C)と大
きく異なり樹脂同士の親和性が低い場合でも、本発明の
成形物においては組成物(a)からなる基材とビニルア
ルコール系重合体(C)が、プライマー処理を行う必要
もなく、また、接着剤を介さずとも相互が充分な層間接
着性を示す。かかる観点からも本発明の意義は大きく、
樹脂(A)の溶解性パラメータが11以下の場合、さら
には10以下の場合でも本発明の成形物は充分に本発明
の効果を奏する。
して用いる場合は、上記に例示したものの中でもポリオ
レフィン系樹脂が好ましく、特に溶融成形性、機械強度
およびガソリンバリア性等の観点から高密度ポリエチレ
ンを用いることが好ましい。また、本発明の成形物を配
管同士の継ぎ手に使用する場合は、樹脂(A)としてゴ
ム系重合体を用いることが好ましく、特にアクリロニト
リル−ブタジエンゴムを用いることが耐油性等の観点か
ら好ましい。
ロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性重
合体(B)において、ボロン酸基とは下記式(I)で示
されるものである。
(以下ホウ素含有基と略記する)としては、水の存在下
で加水分解を受けて上記(I)で示されるボロン酸基に
転化しうるホウ素含有基であればどのようなものでもよ
いが、代表例として下記一般式(II)で示されるボロン
酸エステル基、下記一般式(III)で示されるボロン
酸無水物基、下記一般式(IV)で示されるボロン酸塩
基が挙げられる。
素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わし、
X,Yは同じ基でもよいし、異なっていても良い。ま
た、XとYは結合していてもよい。ただし、X,Yがと
もに水素原子の場合は除かれる。またR1,R2,R3は
上記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わし、R1,R2,
R3は同じ基でも良いし、異なっていても良い。またM
はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。また
上記のX,Y,R1,R2,R3には他の基、例えば、水
酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子などを有していて
もよい。
ロン酸エステル基、ボロン酸無水物基、ボロン酸塩基の
具体例としてはボロン酸ジメチルエステル基、ボロン酸
ジエチルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボ
ロン酸ジシクロヘキシル基、ボロン酸エチレングリコー
ルエステル、ボロン酸プロピレングリコールエステル基
(ボロン酸1,2−プロパンジオールエステル基、ボロ
ン酸1,3−プロパンジオールエステル基)、ボロン酸
ネオペンチルエステル、ボロン酸カテコールエステル
基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチ
ロールエタンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタ
ンエステル基、ボロン酸ジエタノールアミンエステル基
等のボロン酸エステル基;ボロン酸無水物基;ボロン酸
のアルカリ金属塩基、ボロン酸のアルカリ土類金属塩基
等が挙げられる。なお前記の水存在下でボロン酸基に転
化しうるホウ素含有基とは、本発明のオレフィン系重合
体を水または水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセ
トンなど)との混合液体または5%ホウ酸水溶液と前記
有機溶媒との混合液体中で、反応時間10分〜2時間、
反応温度室温〜150℃の条件下に加水分解した場合
に、ボロン酸基に転化しうる基を意味する。
有基の総量の制限は特にはないが、0.0001ミリ等
量/g以上が好ましく、0.001〜1ミリ等量/gの
範囲がより好ましい。
在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱
可塑性重合体の好適なベースポリマーの例としては、ポ
リエチレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エ
チレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−エチル
アクリレ−ト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等
のオレフィン系重合体;ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、スチレン−ジエン系ブロック共重
合体の水添物(スチレン−イソプレン−ブロック共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体等の水添物)等のスチ
レン系重合体;ポリメチルアクリレート、ポリエチルア
クリレート、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体;ポリ塩化ビニル、フッ化ビ
ニリデン等のハロゲン化ビニル系重合体;ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の半芳
香族ポリエステル;ポリバレロラクトン、ポリカプロラ
クトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサク
シネート等の脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
含有基を有する熱可塑性樹脂のベースポリマーは樹脂
(A)の種類により適宜選ばれるが、樹脂(A)を構成
する単量体を構成成分として含有する熱可塑性重合体が
好ましい場合が多い。例えば、樹脂(A)が高密度ポリ
エチレンの場合、(B)のベースポリマーとしては通常
ポリエチレン(高密度、中密度、低密度、超低密度)が
好ましく、(A)がポリスチレンの場合、(B)のベー
スポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジエン
系ブロック共重合体の水添物(スチレン−イソプレン−
ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の水
添物)等のスチレン系重合体が好ましい。
ロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹
脂(B)の好適なメルトインデックス(MI)(230
℃、2160g荷重下で測定した値)は0.01〜50
0g/10分が好ましく、0.1〜50g/10分がよ
り好ましい。
水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有
する熱可塑性樹脂の代表的製法について述べる。第一の
製法:ボロン酸基あるいは水の存在によりボロン酸基に
転化しうるホウ素含有基を有するオレフィン系重合体
は、窒素雰囲気下で炭素−炭素二重結合を有するオレフ
ィン系重合体にボラン錯体およびホウ酸トリアルキルエ
ステルを反応させることによって、ボロン酸ジアルキル
エステル基を有するオレフィン系重合体を得た後、水あ
るいはアルコール類を反応させることによって得られ
る。この製法において原料として末端に二重結合を有す
るオレフィン系重合体を使用すれば、末端にボロン酸基
あるいは水の存在によりボロン酸基に転化しうるホウ素
含有基を有するオレフィン系重合体が得られ、側鎖また
は主鎖に二重結合を有するオレフィン系重合体を原料と
して使用すれば、側鎖にボロン酸基あるいは水の存在に
よりボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有するオレ
フィン系重合体が得られる。
体の代表例としては、1)通常のオレフィン系重合体の
末端に微量に存在する二重結合を利用する方法;2)通
常のオレフィン系重合体を無酸素条件下、熱分解し、末
端に二重結合を有するオレフィン系重合体を得る製法;
3)オレフィン系単量体とジエン系単量体の共重合によ
りオレフィン系単量体とジエン系単量体との共重合体を
得る製法;が挙げられる。1)については、公知のオレ
フィン系重合体の製法を用いることができるが、フィリ
ップス法による製法や連鎖移動剤として水素を用いず、
重合触媒としてメタロセン系重合触媒を用いる製法(例
えば、DE4030399)が好ましい。2)について
は、公知の方法(例えばUS2835659,3087
922)によりオレフィン系重合体を窒素雰囲気下や真
空条件下等の無酸素条件下で300〜500℃の温度で
熱分解することによって得られる。3)については公知
のチーグラー系触媒を用いたオレフィン−ジエン系共重
合体の製法(例えば特開昭50−44281、DE30
21273)を用いることができる。
ロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラ
ン−ピリジン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボ
ラン−トリエチルアミン錯体等が好ましい。これらの中
でボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−メチルア
ミン錯体およびボラン−トリエチルアミン錯体がより好
ましい。ボラン錯体の仕込み量はオレフィン系重合体の
二重結合に対し、1/3等量〜10等量の範囲が好まし
い。ホウ酸トリアルキルエステルとしては、トリメチル
ボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレー
ト、トリブチルボレート等のホウ酸低級アルキルエステ
ルが好ましい。ホウ酸トリアルキルエステルの仕込み量
はオレフィン系重合体の二重結合に対し1〜100等量
の範囲が好ましい。溶媒は特に使用する必要はないが、
使用する場合は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒が好ましい。
レフィン系重合体へ導入する反応は、反応温度室温〜3
00℃、好ましくは100〜250℃、反応時間1分〜
10時間、好ましくは5分〜5時間行うのがよい。
としては通常、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エ
チル等の有機溶媒を反応溶媒として用い、水またはメタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール,ネオペ
ンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールメタ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等
の多価アルコール類をボロン酸基に対し、1〜100等
量以上の大過剰量を反応させることによって得られる。
基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂
(B)の第二の製法;末端にボロン酸基またはホウ素含
有基基を有するオレフィン系重合体、ビニル系重合体、
ジエン系重合体はボロン酸基またはホウ素含有基を有す
るチオール存在下でオレフィン系単量体、ビニル系単量
体、ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種をラジ
カル重合することによって得られる。
ロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有するチオールは
窒素雰囲気下で二重結合を有するチオールにジボランま
たはボラン錯体を反応後、アルコール類または水を加え
ることによって得られる。ここで、二重結合を有するチ
オールとしては2−プロペン−1−チオール、2−メチ
ル−2−プロペン−1−チオール、3−ブテン−1−チ
オール、4−ペンテン−1−チオール等が挙げられ、こ
の内、この内、2−プロペン−1−チオールおよび2−
メチル−2−プロペン−1−チオールが好ましい。ボラ
ン錯体としては、前記したものと同様なものが使用さ
れ、このうちボラン−テトラヒドロフラン錯体およびボ
ラン−ジメチルスルフィド錯体が特に好ましい。ボラン
またはジボランの添加量は二重結合を有するチオールに
対して等量程度が好ましい。反応条件としては室温から
200℃が好ましい。溶媒としてはテトラヒドロフラン
(THF)、ジグライム等のエーテル系溶媒;ヘキサ
ン、ヘプタン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の飽
和炭化水素系溶媒等が挙げられるが、ののうちTHFが
好ましい。反応後に添加するアルコール類としては、メ
タノール、エタノール等の低級アルコールが好ましく、
特に、メタノールが好ましい。
いは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基
を有するチオールの存在下、オレフィン系単量体、ビニ
ル系単量体、ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一
種類をラジカル重合することによって末端に該官能基を
有する重合体が得られる。重合条件としては、アゾ系あ
るいは過酸化物系の開始剤を用い、重合温度は室温から
150℃の温度範囲が好ましい。該官能基を有するチオ
ールの添加量としては単量体1g当たり0.001ミリ
モルから1ミリモル程度が好ましく、チオールの添加方
法としては、特に制限はないが、単量体として酢酸ビニ
ル、スチレン等の連鎖移動しやすいものを使用する場合
は、重合時にチオールをフィードすることが好ましく、
メタクリル酸メチル等の連鎖移動しにくいものを使用す
る場合は、チオールを最初から加えておくことが好まし
い。
基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂
(B)の第3の製法;側鎖にボロン酸基あるいは水の存
在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱
可塑性樹脂はボロン酸基あるいは水の存在下でボロン酸
基に転化しうるホウ素含有基を有する単量体と前記した
オレフィン系単量体、ビニル系単量体およびジエン系単
量体から選ばれる少なくとも一種類の単量体とを共重合
させることによって得られる。ここでボロン酸基あるい
は水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を
有する単量体としては、例えば、3−アクリロイルアミ
ノベンゼンボロン酸、3−アクリロイルアミノベンゼン
ボロン酸エチレングリコールエステル、3−メタクリロ
イルアミノベンゼンボロン酸、3−メタクリロイルアミ
ノベンゼンボロン酸エチレングリコールエステル、4−
ビニルフェニルボロン酸、4−ビニルフェニルボロン酸
エチレングリコールエステル等が挙げられる。また側鎖
にボロン酸基あるいは水の存在下でボロン酸基に転化し
うるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂は、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、
フマル酸、および無水マレイン酸などの不飽和カルボン
酸と前記したオレフィン系単量体、ビニル系単量体およ
びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種類の単量
体またはグラフト共重合体のカルボキシル基をカルボジ
イミド等の縮合剤を用いてまたは用いずにm−アミノフ
ェニルベンゼンボロン酸、m−アミノフェニルボロン酸
エチレングリコールエステルなどのアミノ基含有ボロン
酸またはアミノ基含有ボロン酸エステルとアミド化反応
させることによって得られる。
合体(C)はビニルエステル重合体ケン化物であり、エ
チレンなどに代表されるα−オレフィンで変性されてい
ても良いが、得られる樹脂のガスバリア性等の観点か
ら、変性を行う場合はエチレンで変性することが特に好
ましい。エチレン単位の含有量は60モル%以下である
ことが好ましく、より好適には55モル%以下、さらに
好適には50モル%以下である。エチレン含有量が60
モル%を越えると、ガスバリア性が低下する虞がある。
にポリビニルアルコールのみからなり、エチレン変性が
なされていない場合は、水溶性に優れ、かつ含アルコー
ルガソリンに対する高いバリア性を発揮できる点で好ま
しい。これに対し、エチレン単位の含有率が20〜60
モル%の場合は、得られる塗膜が耐水性に優れたものと
なる点で好ましい。また、エチレン単位の含有率が2〜
18モル%の場合は、上記の二者の中間的な性質が得ら
れ、ビニルアルコール系重合体(C)がポリビニルアル
コールのみからなる場合ほどではないものの、水溶性に
優れ、塗膜の耐水性はポリビニルアルコールのみからな
る場合よりも高くなる点で好適である。また、エチレン
単位の含有率を2〜18モル%とすることで、ポリビニ
ルアルコールのみからなる場合よりも塗膜の耐屈曲性を
向上させることが可能である。
ビニルエステル単位のケン化度としては、10〜100
モル%の範囲から選ばれ、50〜100モル%が好まし
く、80〜100モル%がより好ましく、95〜100
モル%、さらには99〜100モル%が最良である。ケ
ン化度は余り低すぎると結晶化度を低下させたり、また
溶融成形時の熱安定性が悪化する場合があるので、ケン
化度は高い方が好ましい。ここでビニルエステルとして
は酢酸ビニルが代表例として挙げられるが、その他にプ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレリン酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエス
テルも挙げられる。これらのビニルエステルは一種ある
いは二種以上混合して使用してもよい。また、ビニルア
ルコール系重合体(C)はエチレン含有量、ケン化度、
重合度のうちの少なくとも一つが異なるビニルアルコー
ル系重合体を混合して使用してもよい。
的が阻害されない範囲で他の共重合成分を含有させても
よい。ここで他の一成分としてはプロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン等のオレフィン系単量体;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルア
ミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド等のメタクリルアミド系単量体;メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピ
ルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、t−ブチル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル系単量体;アリルアルコール;ビニルトリメトキ
シシラン;N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられ
る。
(C)には本発明の目的が阻害されない範囲でビニルア
ルコール系重合体以外の熱可塑性樹脂を添加してもよ
い。ビニルアルコール系重合体層(C)中の熱可塑樹脂
の含有量は0〜50重量%の範囲で選ばれ、0〜40重
量%の範囲が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体等のポリオレフィン;前記ポリオレフィンの無水
マレイン酸、グリシジルメタクリレート等のグラフト変
性物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等の半芳香族ポリエステル;ポリバレロラク
トン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネー
ト、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステ
ル;ポリカプロラクタム、ポリラウロラクタム、ポリヘ
キサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミ
ド等の脂肪族ポリアミド;ポリエチレングリコール、ポ
リフェニレンエーテル等のポリエーテル等が挙げられ
る。
重合体の好適な重合度は特に規定されるものではない
が、強度および耐久性の面から100以上であり、好適
には200以上、さらに好適には300以上である。一
方、成形物成形時の生産性の観点から3000以下であ
り、好適には2700以下、さらに好適には2500以
下である。ここでビニルアルコール系重合体の重合度は
1モル/リットルのチオシアン酸アンモニウムを含有す
る水/フェノール系混合溶剤(重量比15/85)中、
30℃で測定した固有粘度より求められる。
部にボロン酸基若しくは水の存在下でボロン酸基に転化
しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(B)0.0
1〜70重量部を添加した組成物(a)からなる基材に
ビニルアルコール系重合体(C)をコートしてなる。当
該組成物(a)においては、(A)および(B)の配合
量において、(B)の添加量の下限はより好ましくは
(A)100重量部に対して(B)0.1重量部であ
り、さらに好ましくは(B)0.5重量部であり、より
一層好ましくは1重量部であり、特に好ましく5重量部
である。また、(A)および(B)の配合量において、
(B)の添加量の上限はより好ましくは(A)100重
量部に対して(B)60重量部であり、さらに好ましく
は(B)50重量部である。(B)の添加量が(A)1
00重量部に対して0.01部に満たない場合は、本発
明に用いられる組成物(a)とビニルアルコール系重合
体(C)との層間接着性の改善効果が不充分なものとな
る。また、(B)の添加量が(A)100重量部に対し
て70重量部を超える場合は、組成物(a)全体の中で
の樹脂(A)が占める相対的な割合が減るため、本来樹
脂(A)が有している性能を充分に発揮できなくなる。
基若しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素
含有基を有する熱可塑性樹脂(B)を0.01〜70重
量部添加した組成物(a)は任意の方法で作成でき、特
に限定されない。例えば、樹脂(A)およびボロン酸基
若しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含
有基を有する熱可塑性樹脂(B)を同時に単軸または2
軸スクリュー押出機などでペレット化し乾燥する方法な
どが好適なものとして例示される。
物(a)は溶融成形によりフィルム、シート、容器、パ
イプ、繊維等、各種の成形体に成形される。これらの成
形物は再使用の目的で粉砕し再度成形することも可能で
ある。また、フィルム、シート、繊維等を一軸または二
軸延伸することも可能である。溶融成形法としては押出
成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、
射出成形等が可能である。
の成形物からなる基材にビニルアルコール系重合体
(C)をコートすることにより本発明の成形物が得られ
る。コート方法は特に限定されないが、ビニルアルコー
ル系重合体(C)を溶剤に溶解させた溶液を基材に塗布
・乾燥してなるいわゆる溶液コートや、ビニルアルコー
ル系重合体(C)の水性分散液を基材に塗布・乾燥させ
てなる方法などが代表的なものとして挙げられる。
しては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール等の1価アルコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価ア
ルコール、グリセリン等の3価アルコール、フェノー
ル、クレゾール等のフェノール類、エチレンジアミン、
トリメチレンジアミン等のアミン類、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン
等、水、あるいはこれらの含水物等が単独あるいは2種
以上混合されて使用できる。上記に列記した中でも、溶
剤としては水、アルコールまたはこれらの混合溶剤が好
ましく、特に好ましい溶剤はアルコール−水系の混合溶
剤、例えば水−ノルマルプロピルアルコール、水−イソ
プロピルアルコール、水−メチルアルコール等である。
は可塑剤(多価アルコール等)、フィラー、補強材(ガ
ラス繊維)、着色材偏光素子、紫外線吸収剤、界面活性
剤、ホウ酸、ホウ砂等を添加しても良い。
で水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのアルカリ金
属化合物、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム硝酸カルシウムなどのアルカ
リ土類金属化合物、その他の電解質を0.01〜0.5
重量%(対ポリマー)配合しても良い。
からなる基材に塗布する方法としては、キャスティング
ヘッドからの塗出、ロールコート、エアナイフコート、
グラビアロールコート、ドクターロールコート、ドクタ
ーナイフコート、カーテンフローコート、スプレーコー
ト、ワイヤーバーコート、ロッドコート、浸漬(ディッ
プコート)、刷毛塗りなどの任意の手段が例示される。
当該溶液が塗布された基材は、必要に応じて乾燥される
が、その乾燥熱処理する方法としては、乾熱処理法、例
えば赤外線照射法、熱風乾燥法などが例示される。これ
らの赤外線照射、熱風乾燥などはそれぞれ単独で使用し
ても良いし、また併用することもできる。また乾燥、熱
処理の温度は20℃以上であることが好ましい。好適に
は30℃以上、さらに好適には40℃以上である。乾
燥、熱処理温度が20℃を下回ると乾燥にかかる時間が
長くなる。一方、上限は本発明の組成物(a)の軟化点
以下であれば良い。乾燥、熱処理中は条件、例えば温度
を増減させること、例えば最初は低温で処理し、徐々に
温度を上昇させることなどは自由である。このような乾
燥、熱処理を施すことにより、ガスバリア性の優れた皮
膜が本発明の組成物(a)表面に形成される。
の皮膜の厚さは、所望によって任意に選択しうるが、バ
リア性の観点から皮膜の厚みの下限は0.01μm以上
であることが好適であり、より好適には0.1μm以上
であり、更に好適には0.5μm以上である。また皮膜
強度の観点から皮膜の厚みの上限は80μm以下である
ことが好適であり、より好適には50μm以下、さらに
好適には40μm以下である。
(a)からなる基材に、ビニルアルコール系重合体
(C)の水性分散液をコートすることも好適である。ビ
ニルアルコール系重合体(C)の水性分散液の製造方法
は特に限定されず、特開平4−225032号公報ある
いは特開平5−179001号公報などに開示されてい
る方法で製造することが可能である。また、ビニルアル
コール系重合体(C)の水性分散液を組成物(a)から
なる基材に塗布・乾燥する方法は、上述したビニルアル
コール系重合体(C)の溶液を基材に塗布・乾燥する方
法と同様の方法が採用され、得られるビニルアルコール
系重合体(C)の厚みも、溶液の場合と同様である。
ニルアルコール系重合体を含有しているので、特にガス
バリアー性の要求される食品包装剤、医療品(医薬品、
医療器具)包装材、あるいは燃料タンク用付属部品とし
て有用である。また、本発明の成形物はビニルアルコー
ル系重合体(C)の溶液あるいは水性分散液をコートす
ることにより積層化するため、複雑な形状の成形品であ
っても比較的容器に多層化出来る観点からもメリットが
大きい。
ク用コネクタおよび燃料タンク用圧抜きバルブなど、燃
料タンク本体に装着されて用いられるものが好適なもの
として挙げられる。燃料タンク用コネクタの好適な実施
態様としては、燃料タンク本体に装着された燃料タンク
用コネクタに、さらにフレキシブルな燃料輸送用のパイ
プが装着される態様などが挙げられるが、これらに限定
されない。該コネクタを燃料タンク本体に装着させる方
法としては、ねじ込み式、填め込み式、熱融着による接
合などが例示されるが、組み付け工数の減少および接合
部分からの燃料漏れの抑制という観点から、熱融着によ
り装着されることが好ましい。そのため、該コネクタは
燃料タンク本体との熱融着性に優れていることが特に好
ましい。なお、熱融着には一般的な手法が用いられ、ヒ
ーターなどにより燃料容器本体および/または燃料容器
用成形部品の融着面を加熱した後、融着を行う方法、燃
料容器本体と当該成形部品を高周波融着する方法、およ
び燃料容器本体と当該成形部品を超音波融着する方法な
どが例示されるが、これらに限定されない。
して用いる場合は、樹脂(A)として密度0.93以上
のポリエチレンを用いることが、機械強度およびガソリ
ンバリア性等の観点から好ましい。最も好適な実施態様
では、密度0.93以上のポリエチレンからなる樹脂
(A)およびボロン酸基若しくは水の存在下でボロン酸
基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂
(B)からなる組成物(a)を用いて射出成形により燃
料タンク用コネクタを成形し、燃料タンク本体との融着
面以外をビニルアルコール系重合体(C)で溶液コート
することにより、燃料タンク用コネクタが得られる。ガ
ソリンバリア性の観点からは、燃料容器本体との融着面
以外の総てをビニルアルコール系重合体(C)でコート
することが好ましいが、コスト面および操作の簡略化を
重視した場合は、当該コネクタの内、直接燃料と接触す
る面のみをコートすることも好適である。
配管同士の継ぎ手部分などにも本発明の成形物は好適に
用いられる。上記した燃料タンク用コネクタとの違い
は、燃料タンク用コネクタは必ず部品の一部が燃料タン
ク本体と装着されるが、配管同士の継ぎ手部分というの
はパイプとパイプを接合するためのものである。前者
が、高い機械強度と剛直さが求められるのに対し、後者
の、配管同士の継ぎ手部分には逆に高度にフレキシブル
であることが要求される。従来は、このフレキシブル性
を得るために、当該配管同士の継ぎ手部分にはゴム製の
ものが多く用いられていた。このため、当該部分への外
部からの酸素の透過や、継ぎ手部分を流れる内容物(燃
料など)の揮発が問題となっていた。
体(好適にはアクリロニトリル−ブタジエンゴム)を用
い、得られた組成物(a)にビニルアルコール重合体
(C)をコートすることにより、当該部分のバリア性を
大幅に向上させることが可能である。このため、本発明
の成形物は温水循環用パイプの継ぎ手部分や、燃料パイ
プの継ぎ手部分などに好適である。
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。ポリオレフィン中の二重結合量は、
重パラキシレンを溶媒として用い、270MHz 1H
−NMRにより定量した。ポリオレフィン中のボロン酸
基およびそのエステル基の量は重パラキシレン:重クロ
ロホルム:エチレングリコール=8:2:0.02の比
率の混合溶媒を用いて270MHz 1H−NMRによ
り定量し、ポリスチレン中のボロン酸基およびそのエス
テル基の量は重クロロホルム:エチレングリコール=1
0:0.02の比率の混合溶媒を用いて270MHz
1H−NMRにより定量した。
ラスコに旭化成株式会社製タフテック(登録商標)H1
062を500gおよびデカリン1500gを仕込み、
減圧により窒素置換後、オイルバスの温度を130℃に
設定し、攪拌により溶解した。これにトリエチルアミン
ボラン57.5gおよびホウ酸1,3−ブタンジオール
エステル143gの混合液を加え、5分間攪拌後、攪拌
を止め、オイルバスの温度を200℃に昇温した。昇温
後、しばらくして全体がゲル化した後、壁面からゲルの
溶解が始まり、攪拌可能になった時点で再び攪拌を開始
した。反応容器中のゲルが完全に消失してから、さらに
1時間加熱後、冷却器の代わりに蒸留器具を付け、常圧
で蒸留を開始した。オイルバスの温度を220℃まで上
げ、留出がほぼ止まるまで蒸留を続けた。得られたポリ
マーの溶液を冷却後、アセトン5Lに再沈殿し、さら
に、120℃で1晩真空乾燥することにより、ボロン酸
1,3−ブタンジオールエステル基を0.22mmol
/g有するポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンのトリブロック共重合体の水添物を得た。
1062の代わりに、三井石油化学株式会社製EPT
(登録商標)3012pを用いて同様の反応を行った結
果、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基を0.
3mmol/g有するエチレン−プロピレン共重合体を
得た。
コに高密度ポリエチレン{MI(190℃、荷重216
0g)0.5g/10分、密度0.95、末端二重結合
量0.04meq/g)800g、デカリン2500g
を仕込み、減圧することにより脱気した後、窒素置換を
行った。これに、ホウ酸トリメチル80g、ボラン−ト
リエチルアミン錯体5.5gを添加後、200℃で4時
間反応を行った後、蒸留器具を取り付け、さらにメタノ
ール100mlをゆっくり滴下した。メタノール滴下終
了後、減圧蒸留により、メタノール、ホウ酸トリメチ
ル、トリエチルアミン等の不純物を除去した。さらにエ
チレングリコール31gを添加後、アセトン10Lに再
沈精製した。得られたゲル状ポリエチレンを60℃で1
2時間熱風乾燥後、100℃で12時間真空乾燥するこ
とによりボロン酸エチレングリコールエステル基量0.
032meq/g、MI(190℃、荷重2160g)
0.2g/10分の高密度ポリエチレンを得た。
5:190℃−2160g時のメルトフローインデック
ス=0.03g/10min)100部に対し、合成例
1で作製したボロン酸1,3−ブタンジオールエステル
基を0.3mmol/g有するエチレン−プロピレン共
重合体を30部を二軸スクリュータイプのベント式押出
機に入れ、窒素の存在下220℃で押出ペレット化を行
い、樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを1
50℃で熱プレスによる圧縮成形により厚さ1mmのシ
ート状に成形した。
ケン化度98モル%、重合度1700のポリビニルアル
コールを使用し、これを水/イソプロピルアルコール=
70重量部/30重量部溶液に10重量部になるように
80℃に加熱、溶解し、ポリビニルアルコール溶液を得
た。先に作製した厚さ1mmのシートを該ポリビニルア
ルコール溶液中に浸漬した後、該シートをポリビニルア
ルコール溶液から引き上げ、直ちに80℃、5分間熱風
乾燥を実施した。この時ポリビニルアルコール皮膜は2
0μmであった。
ートの中央部を縦5cm、横5cmの枠を作り、更に縦
1cmずつ、横1cmずつに分け、計25個のマスを書
き込んだ。更にこのマスをカッターナイフで切り込みを
入れた。その後、25個のマス全てに布テープ(ニチバ
ン株式会社製、布粘着テープLS段ボール包装用強粘着
タイプ)を均一に張り付け、一気に剥離した。この時布
テープと一緒に熱プレスシートから剥離しなかったポリ
ビニルアルコールのマスの数を接着力とし、その数は2
5であった。
による圧縮成形により厚さ1mmのシートを作製した。
一方、ビニルアルコール系重合体として、エチレン含量
32モル%、ケン化度99モル%、重合度1100のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体を使用し、これを水
/イソプロピルアルコール=35重量部/65重量部溶
液に10重量部になるように80℃に加熱、溶解し、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体溶液を得た。先に作
製した厚さ1mmのシートを該エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体溶液に浸漬した後、該シートをエチレン−
ビニルアルコール共重合体溶液から引き上げ、直ちに8
0℃、5分間熱風乾燥を実施した。この時のエチレン−
ビニルアルコール共重合体皮膜の厚みは15μmであっ
た。
布された該シートの中央部を縦5cm、横5cmの枠を
作り、更に縦1cmずつ、横1cmずつに分け、計25
個のマスを書き込んだ。更にこのマスをカッターナイフ
で切り込みを入れた。その後、25個のマス全てに布テ
ープ(ニチバン株式会社製、布粘着テープLS段ボール
包装用強粘着タイプ)を均一に張り付け、一気に剥離し
た。この時布テープと一緒にシートから剥離しなかった
ポリビニルアルコールのマスの数を接着力とし、その数
は25であった。
による圧縮成形により厚さ1mmのシートを作製した。
一方、ビニルアルコール系重合体として、エチレン含量
5モル%、ケン化度98モル%、重合度1700のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を使用し、これを水/
イソプロピルアルコール=70重量部/30重量部溶液
に10重量部になるように80℃に加熱、溶解し、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体溶液を得た。先に作製
した厚さ1mmのシートを該エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体溶液に浸漬した後、該シートをエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体溶液から引き上げ、直ちに80
℃、5分間熱風乾燥を実施した。この時のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体皮膜の厚みは20μmであっ
た。
布された該シートの中央部を縦5cm、横5cmの枠を
作り、更に縦1cmずつ、横1cmずつに分け、計25
個のマスを書き込んだ。更にこのマスをカッターナイフ
で切り込みを入れた。その後、25個のマス全てに布テ
ープ(ニチバン株式会社製、布粘着テープLS段ボール
包装用強粘着タイプ)を均一に張り付け、一気に剥離し
た。この時布テープと一緒にシートから剥離しなかった
ポリビニルアルコールのマスの数を接着力とし、その数
は25であった。
ステル基を0.3mmol/g有するエチレン−プロピ
レン共重合体を使用しないこと以外は実施例1と同じ方
法で、ポリビニルアルコール溶液コート熱プレスシート
を作製した。この時の接着力は0であった。
ステル基を0.3mmol/g有するエチレン−プロピ
レン共重合体の代わりに、無水マレイン酸変性ポリエチ
レン(三井化学製、アドマーGT−5A)を使用するこ
と以外は実施例1と同様にしポリビニルアルコールを溶
液コートしたシートを作製した。この時の接着力は0で
あった。
5:190℃−2160g時のメルトフローインデック
ス=0.03g/10min)100部に対し、合成例
1で作製したボロン酸1,3−ブタンジオールエステル
基を0.3mmol/g有するエチレン−プロピレン共
重合体を30部を二軸スクリュータイプのベント式押出
機に入れ、窒素の存在下220℃で押出ペレット化を行
い、樹脂組成物ペレットを得た。
内径63mm、外径70mm、高さ40mmの円筒状単
層射出成形品(図1)を作製した。この成形品は燃料タ
ンク用コネクタ類似の形状(以下、コネクタ様成形品と
いう)を有し、図2に示されるように、コネクタ様成形
品1は、容器本体2に取り付けられ、コネクタ様成形品
1の口部にパイプ3が取り付けられる。一方、高密度ポ
リエチレン(HDPE:三井化学製HZ8200B)を
内外層とし、更に接着性樹脂(無水マレイン酸変性LD
PE、三井化学製アドマーGT−5A)を用い、3種5
層のダイレクトブロー成形機にて容量35リットル、表
面積0.85m2のバリア性樹脂系多層タンクを作製し
た。本タンクの構成は、(外)HDPE/接着性樹脂/
エチレン−ビニルアルコール共重合体/接着性樹脂/H
DPE(内)=2500/100/150/100/2
500(μm)であった。
して、ケン化度98モル%、重合度1700のポリビニ
ルアルコールを使用し、これを水/イソプロピルアルコ
ール=70重量部/30重量部溶液に10重量部になる
ように80℃に加熱、溶解し、ポリビニルアルコール溶
液を得た。上記コネクタ様成形物をタンク装着部以外に
ついて、ポリビニルアルコール溶液に30秒間浸漬し、
直ちに引き上げ80℃、5分間熱風乾燥機で乾燥し、ポ
リビニルアルコールを溶液コートした(平均厚み10μ
m)コネクタを作製した。
mmの孔を二箇所あけた後、その部分および上記作製し
たコネクタの双方を250度の鉄板で40秒融解させた
後に圧着して熱融着させて、多層タンクを得た。得られ
た本コネクタを2個融着させた多層タンクを用いて、以
下の方法でガソリンバリア性を評価した。結果は0.0
2(g/pkg・4weeks)であった。
個融着させた多層タンクに、25リッターのモデルガソ
リン(トルエン:イソオクタン=50/50体積%)を
充填した。次いで、本コネクタの片側に直径80mm、
厚さ0.5mmのアルミ板をエポキシ系接着剤にて強固
に接着させた後、防爆型恒温恒湿槽(40℃−65%R
H)にて4週間後の重量減少量(n=5)を測定し、本
単層射出成形品を2個融着させた多層タンクからの燃料
透過量(g/pkg・4weeks)を求めた。
実施例2と同じ操作を行い、ガソリンバリア性を評価し
た。結果は3.6(g/pkg・4weeks)であっ
た。
ロン酸基若しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(B)0.01〜7
0重量部を添加した組成物(a)からなる基材にビニル
アルコール系重合体(C)をコートしてなる成形物は、
組成物(a)からなる基材に対するプライマー処理が不
要であり、かつ当該基材とビニルアルコール系重合体
(C)が接着剤を介することなく強度に接着し、更にガ
スバリア性およびガソリンバリア性にも優れている。
品(コネクタ様成形品)を示す図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 樹脂(A)100重量部にボロン酸基若
しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有
基を有する熱可塑性樹脂(B)0.01〜70重量部を
添加した組成物(a)からなる基材にビニルアルコール
系重合体(C)をコートしてなる成形物。 - 【請求項2】 基材にビニルアルコール系重合体(C)
の溶液または水性分散液をコートしてなる請求項1記載
の成形物。 - 【請求項3】 ビニルアルコール系重合体(C)がエチ
レン含有率が60モル%以下のビニルアルコール系重合
体である請求項1または2のいずれかに記載の成形物。 - 【請求項4】 樹脂(A)100重量部にボロン酸基若
しくは水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有
基を有する熱可塑性樹脂(B)0.01〜70重量部を
添加した組成物(a)からなる基材に、プライマー処理
をせずに、直接ビニルアルコール系重合体(C)をコー
トする、請求項1〜3のいずれかに記載の成形物の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の成形物
からなる燃料タンク用付属部品。
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