JP2002225202A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2002225202A
JP2002225202A JP2001025555A JP2001025555A JP2002225202A JP 2002225202 A JP2002225202 A JP 2002225202A JP 2001025555 A JP2001025555 A JP 2001025555A JP 2001025555 A JP2001025555 A JP 2001025555A JP 2002225202 A JP2002225202 A JP 2002225202A
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JP2001025555A
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English (en)
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Hiroshi Kawai
宏 河合
Kaoru Ikeda
薫 池田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリアー性に優れ、層間の界面剥離がな
く、かつ高温での熱安定性に優れた積層体を提供するこ
と。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)からなる層と、アル
カリ金属塩の含有量がアルカリ金属元素に換算して10
0ppm以下であるエチレン−ビニルアルコール共重合
体(C)からなる層とが、ボロン酸基および水の存在下
でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より
選ばれる少なくとも1種の官能基(b)を含有する熱可
塑性樹脂(B)からなる接着層を介して積層されている
ことを特徴とする積層体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリアー性に
優れ、かつ層間の接着が良好な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下、EVOHと略記する)は、ガスバリアー性、耐
油性、保香性に優れる材料であるが、一方で透湿性が大
きい、高価であるなどの欠点があるために単独で使用し
にくく、通常ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂との積層構造体と
して使用されている。しかしながら、これらの熱可塑性
樹脂とEVOHとの接着性は悪く、無水マレイン酸変性
ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体)、エチレン−エチルアクリ
レート−無水マレイン酸共重合体などの通常の接着剤を
用いて積層構造体としても、層間の界面剥離が起こる場
合がある。この問題を解決するために、ボロン酸基また
は水の存在下でボロン酸基に転化し得る官能基を含有す
る熱可塑性樹脂からなる層を介して積層すること(例え
ば、特開平7−329252号公報)、アルカリ金属塩
をアルカリ金属元素に換算して数百ppm含有させたE
VOHを用いて積層すること(例えば、特開平10−6
7898)、などの方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボロン
酸基などを含有する熱可塑性樹脂を用いるとコストがか
かるので、コストを下げるために該官能基を含有しない
熱可塑性樹脂で希釈したもので代用しようとすると、E
VOH層と熱可塑性樹脂層との層間接着力が不十分とな
る。一方、EVOHにアルカリ金属塩を含有させる場
合、EVOHの高温での熱安定性が低下し、例えばフィ
ルムにしたときに着色、フィッシュアイ、縦筋などの外
観不良や分解ガスによる臭気の問題が発生しやすくな
る。しかして、本発明の目的は、ガスバリアー性に優
れ、層間の界面剥離がなく、かつ高温での熱安定性に優
れた積層体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、熱可塑性樹脂(A)からなる層と、アルカリ金
属塩の含有量がアルカリ金属元素に換算して100pp
m以下であるEVOH(C)からなる層とが、ボロン酸
基および水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含
有基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基
(b)(以下、単に官能基(b)と称する)を含有する
熱可塑性樹脂(B)からなる接着層を介して積層されて
いることを特徴とする積層体により達成されることが見
出された。
【0005】本発明の積層体において、接着層を構成す
る熱可塑性樹脂(B)は、該樹脂の重量に基づいて5μ
eq/g以上の官能基(b)を含有することが好まし
い。また、接着層を構成する熱可塑性樹脂(B)は、樹
脂の重量に基づいて100μeq/g以上の官能基
(b)を含有する熱可塑性樹脂(B1)と官能基(b)
を含有しない熱可塑性樹脂(B2)との混合物であるこ
とが好ましい。さらに、官能基(b)を含有する熱可塑
性樹脂(B1)は、スチレン−水添ジエンブロック共重
合体であることが好ましい。またさらに、官能基(b)
を含有する熱可塑性樹脂(B1)は、該官能基を側鎖に
含有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。そしてさ
らに、官能基(b)を含有しない熱可塑性樹脂(B2)
はポリオレフィンであることが好ましい。
【0006】本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、官能基
(b)を有する熱可塑性樹脂(B)と、アルカリ金属塩
の含有量がアルカリ金属元素に換算して100ppm以
下であるEVOH(C)とを、層構成が(A)/(B)
/(C)となるように共押出成形または多層射出成形す
ることを特徴とする、積層体の製造方法をも包含する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の積層体の少なくとも1層を構成する熱可塑
性樹脂(A)としては、特に限定されないが、ポリエチ
レン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体などのポリオレフィン;前記ポリオレフィンの無水
マレイン酸、グリシジルメタクリレートなどのグラフト
変性物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどの半芳香族ポリエステル;ポリバレロ
ラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネ
ート、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエス
テル;ポリカプロラクタム、ポリラウロラクタム、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラ
ミドなどの脂肪族ポリアミド;ポリエチレングリコー
ル、ポリフェニレンエーテルなどのポリエーテル;ポリ
カーボネート;ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体などのスチレン系重合体;ポ
リメチルメタクリレート;ポリ塩化ビニル、フッ化ビニ
リデンなどのハロゲン化ビニル系重合体などの樹脂が挙
げられる。これらの中でも、ポリオレフィンが好まし
い。また、熱可塑性樹脂(A)には、本発明の目的が阻
害されない範囲で本発明の積層体のスクラップを混合し
てもよい。
【0008】本発明の積層体の少なくとも1つの接着層
を構成する熱可塑性樹脂(B)は、ボロン酸基および水
の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からな
る群より選ばれる少なくとも1種の官能基(b)を含有
する。官能基(b)のうち、ボロン酸基とは下記式
(I)で示されるものである。
【0009】
【化1】
【0010】また、水の存在下でボロン酸基に転化し得
るホウ素含有基とは、水の存在下で加水分解を受けて上
記式(I)で示されるボロン酸基に転化し得るホウ素含
有基を指す。より具体的には、水単独、水と有機溶媒
(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合物、5
%ホウ酸水溶液と前記有機溶媒との混合物などを溶媒と
し、室温〜150℃の条件下に10分〜2時間加水分解
したときに、ボロン酸基に転化し得る官能基を意味す
る。このような官能基の代表例としては、下記式(I
I)で示されるボロン酸エステル基、下記式(III)
で示されるボロン酸無水物基、下記式(IV)で示され
るボロン酸塩基などが挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】{式中、XおよびYは水素原子、脂肪族炭
化水素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アル
キル基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基
(シクロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香
族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わ
し、XおよびYは同じでもよいし異なっていてもよい。
ただし、XおよびYがともに水素原子の場合は除かれ
る。また、XとYは結合していてもよい。またR1、R2
およびR3は上記XおよびYと同様の水素原子、脂肪族
炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表
わし、R1、R2およびR3は同じでもよいし異なってい
てもよい。またMはアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を表わす。さらに、上記のX、Y、R1、R2およびR
3は他の基、例えば水酸基、カルボキシル基、ハロゲン
原子などを有していてもよい。}
【0015】一般式(II)で示されるボロン酸エステ
ル基の具体例としては、ボロン酸ジメチルエステル基、
ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジブチルエステ
ル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステル基、ボロン酸
エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレング
リコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオー
ルエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステ
ル基、ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボ
ロン酸カテコールエステル基、ボロン酸グリセリンエス
テル基、ボロン酸トリメチロールエタンエステル基、ボ
ロン酸トリメチロールプロパンエステル基、ボロン酸ジ
エタノールアミンエステル基などが挙げられる。
【0016】また、一般式(IV)で示されるボロン酸
塩基としては、ボロン酸のアルカリ金属塩基などが挙げ
られる。具体的には、ボロン酸ナトリウム塩基、ボロン
酸カリウム塩基などが挙げられる。
【0017】このような官能基(b)のうち、熱安定性
の観点からボロン酸環状エステル基が好ましい。ボロン
酸環状エステル基としては、例えば5員環または6員環
を含有するボロン酸環状エステル基が挙げられる。具体
的には、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロ
ン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3
−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタ
ンジオールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基
などが挙げられる
【0018】本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂
(B)に含有される官能基(b)は、1種のみであって
も2種以上であってもよい。該熱可塑性樹脂に含有され
る官能基(b)の量は、樹脂1g当たり0.00000
5当量以上、すなわち、5μeq/g以上であることが
好ましく、10μeq/g以上であることがより好まし
い。官能基量が5μeq/gに満たない場合は、接着力
が不十分となることがある。また、官能基(b)の量は
200μeq/g以下であることが好ましく、100μ
eq/g以下であることがより好ましい。官能基量が2
00μeq/gを超える場合は、成形時に層間に流れ異
常が発生し、外観不良の原因となることがある。
【0019】本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂
(B)のメルトインデックスとしては、230℃、2.
16kg荷重の条件下で0.1〜100g/10分の範
囲が好ましく、0.2〜50g/10分の範囲がより好
ましい。
【0020】本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂
(B)の具体例としては、ポリエチレン(超低密度、低
密度、中密度、高密度)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレ
フィン;前記ポリオレフィンの無水マレイン酸、グリシ
ジルメタクリレートなどのグラフト変性物;ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
水添ジエンブロック共重合体(スチレン−水添ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−水添イソプレン共重合
体、スチレン−水添ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロック共
重合体)などのスチレン系重合体;ポリメチルアクリレ
ート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル系重合体;ポリ
塩化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル
系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどの半芳香族ポリエステル;ポリバレ
ロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシ
ネート、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエ
ステルなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフ
ィンおよびスチレン−水添ジエンブロック共重合体が好
ましい。
【0021】熱可塑性樹脂(B)がスチレン−水添ジエ
ンブロック共重合体である場合、該共重合体に含有され
るスチレン単位と水添ジエン単位の重量比は、5/95
〜70/30であることが好ましく、10/90〜50
/50であることがより好ましい。
【0022】本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂
(B)は、官能基(b)を含有する熱可塑性樹脂のみで
も使用可能であるが、コストの観点から、官能基(b)
を含有する熱可塑性樹脂(B1)と官能基(b)を含有
しない熱可塑性樹脂(B2)との混合物であることが好
ましい。このとき、B1とB2は同一の熱可塑性樹脂で
あってもよいし、異なる熱可塑性樹脂であってもよい。
B1とB2の割合は、重量比で0.5/99.5〜50
/50の範囲が好ましく、1/99から20/80の範
囲がより好ましい。B1に含有される官能基(b)の量
は、樹脂(B1)1g当たり0.0001当量以上、す
なわち、100μeq/g以上であることが好ましく、
150μeq/g以上であることがより好ましい。ま
た、2000μeq/g以下であることが好ましく、1
500μeq/g以下であることがより好ましい。
【0023】本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂
(B)に含有される官能基(b)は、該熱可塑性樹脂の
側鎖に結合していることが好ましい。このことは、側鎖
および末端に官能基(b)を含有する場合を排除するも
のではない。官能基(b)が該熱可塑性樹脂の末端のみ
に結合している場合は、特に高分子量の熱可塑性樹脂で
は官能基量が相対的に低くなり、該熱可塑性樹脂の接着
力が不十分となることがある。
【0024】本発明の積層体の少なくとも1つの層を構
成するEVOH(C)としては、エチレン含有量は3〜
70モル%の範囲が好ましく、5〜60モル%の範囲が
より好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
またケン化度は、通常10〜100モル%であり、50
〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより
好ましく、95〜100モル%がさらにより好ましく、
99〜100モル%が最も好ましい。ケン化度が低い
と、EVOHの結晶化度が不十分となったり、溶融成形
時の熱安定性が不十分となったりする。
【0025】EVOHは、エチレンとビニルエステルと
をラジカル開始剤を用いて共重合し、次いでアルカリ触
媒の存在下にケン化する公知の方法により製造すること
ができる。ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。これらのビニル
エステルのうちの1種を使用してもよいし、2種以上を
混合して使用してもよい。これらの中でも、酢酸ビニル
が好ましい。
【0026】このとき、本発明の目的が阻害されない範
囲で他の共重合成分を共存させて共重合してもよい。こ
こで他の成分としてはプロピレン、1−ブテン、イソブ
テンなどのオレフィン系単量体;アクリルアミド、N−
メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド
系単量体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメ
タクリルアミドなどのメタクリルアミド系単量体;メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピ
ルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、t−
ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどの
ビニルエーテル系単量体;アリルアルコール;ビニルト
リメトキシシラン;N−ビニル−2−ピロリドンなどが
挙げられる。
【0027】こうして得られたEVOHは単独で使用し
てもよいし、エチレン含有量、ケン化度、重合度などの
異なるEVOHと混合して使用してもよい。さらに、本
発明の目的が阻害されない範囲でEVOH以外の熱可塑
性樹脂を添加して使用してもよい。EVOH(C)中の
熱可塑性樹脂の含有量は0〜50重量%の範囲が好まし
く、0〜40重量%の範囲がより好ましい。
【0028】このような熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体などのポリオレフィン;前記ポリオレフィンの無
水マレイン酸、グリシジルメタクリレートなどのグラフ
ト変性物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどの半芳香族ポリエステル;ポリバレ
ロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシ
ネート、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエ
ステル;ポリカプロラクタム、ポリラウロラクタム、ポ
リヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼ
ラミドなどの脂肪族ポリアミド;ポリエチレングリコー
ル、ポリフェニレンエーテルなどのポリエーテルなどが
挙げられる。
【0029】本発明の積層体に用いられるEVOH
(C)のメルトインデックス(MI)(190℃、21
60g荷重下で測定した値)は0.1〜200g/10
分が好ましく、0.5〜50g/10分がより好まし
い。ただし、融点が190℃付近または190℃を超え
るものは、上記荷重下、融点以上の温度における複数の
測定値を、絶対温度の逆数を横軸、MIを縦軸(対数目
盛)とする片対数グラフとしてプロットし、190℃に
外挿した値を用いることとする。
【0030】本発明の積層体に用いられるEVOH
(C)は、アルカリ金属塩の含有量が金属元素換算で1
00ppm以下であることが必要であり、好適には70
ppm以下であり、最適には50ppm以下である。ア
ルカリ金属塩の含有量が金属元素換算で100ppmを
超える場合、EVOHの240℃以上での熱安定性が低
下し、着色、フィッシュアイ、縦筋などの外観不良が発
生するおそれがある。
【0031】EVOH(C)のアルカリ金属塩の含有量
を前記の範囲に調節する方法は特に限定されないが、ケ
ン化後のEVOHは通常ケン化触媒残渣としてアルカリ
金属塩を含有しているので、公知の方法を用いてケン化
後のEVOHを洗浄してアルカリ金属塩を除去した後、
改めてアルカリ金属塩を所定量含有させる方法が好まし
い。ケン化後のEVOHを洗浄する方法としては、チッ
プ状のEVOHを多量の水に投入して攪拌する方法、シ
ャワー水を吹き付ける方法、塔型洗浄器を用いて連続的
に洗浄する方法などが挙げられる。また、EVOHにア
ルカリ金属塩を含有させる方法としては、 EVOHを
アルカリ金属塩の溶液に浸漬させる方法、EVOHを溶
融させてアルカリ金属塩と混合する方法、EVOHを適
当な溶媒に溶解させてアルカリ金属塩と混合させる方法
などが挙げられる。
【0032】EVOHをアルカリ金属塩の溶液に浸漬す
る場合において、該溶液中のアルカリ金属塩の濃度は特
に限定されない。また溶液の溶媒としては特に限定され
ないが、取扱い上の理由などから水溶液であることが好
ましい。EVOHを浸漬する際の溶液の重量は、乾燥時
のEVOHの重量に対して3倍以上、好ましくは20倍
以上であることが好ましい。浸漬時間はEVOHの形態
によってその好適な範囲が異なるが、1〜10mm程度
のチップの場合には通常1時間以上、好ましくは2時間
以上である。
【0033】本発明の積層体は、熱可塑性樹脂(A)か
らなる層と、アルカリ金属塩の含有量がアルカリ金属元
素に換算して100ppm以下であるEVOH(C)か
らなる層とが、官能基(b)を含有する熱可塑性樹脂
(B)からなる接着層を介して積層していることを特徴
とする。本発明の積層体の層構成としては、以下のよう
なものが好適な例として挙げられる。 3層 A/B/C 4層 A/B/C/A、 A/Reg/B/C、C/A
/B/C 5層 A/B/C/B/A、A/B/C/B/Reg、
A/B/C/AD/A、C/B/A/B/C、A/Re
g/A/B/C 6層 A/B/C/B/Reg/A 7層 A/B/C/Reg/B/Reg/A
【0034】ここでADとは、無水マレイン酸変性ポリ
オレフィンなどの従来の層間接着剤を意味し、またRe
gとは本発明の積層体のスクラップ層を意味する。ま
た、積層体中に二層以上のA層を用いる場合は、それら
は同一であってもよいし、異なっていてもよい。同様
に、積層体中に二層以上のB層、C層を用いる場合も、
それらはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていて
もよい。
【0035】積層体の各層の厚さは、任意に選択でき、
これにより積層体の全体の厚さを所望の範囲にすること
が可能である。ある程度厚みのある積層体を得るために
は、コストの観点から、A層を厚くすることが好まし
い。
【0036】本発明の積層体の製造方法としては、層構
成が(A)/(B)/(C)となるように成形される方
法であれば特に限定されるものではなく、共押出成形、
多層射出成形、エキストルージョンコーティング、ドラ
イラミネーション、溶液コーティングなどの公知の方法
が採用される。これらの中でも、共押出成形および多層
射出成形が好ましい。
【0037】共押出成形を採用する場合、溶融押出しさ
れた各層成分をダイ内で接触させて積層(ダイ内ラミネ
ート法)してもよいし、ダイ外で接触させて積層(ダイ
外ラミネート法)してもよい。このとき、接触を加圧下
に行うことにより、積層体の各層の接着性を向上させる
ことができる。圧力としては、1〜500Kg/cm 2
の範囲が好ましい。
【0038】また、形状が複雑な部品類を成形する場合
には、多層射出成形が採用される。具体的には、二色成
形、インサート射出成形、共射出成形などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。成形方法は成形
品の形状などにより適宜選択される。
【0039】このようにして得られた積層体は、後述す
る実施例からも明らかなように層間接着力に優れ、さら
に回収して再利用に供した場合も、表面の乱れ、ゲル、
ブツなどの外観異常の発生が少ないという長所を有して
いる。該積層体は、さらに一軸延伸、二軸延伸、または
ブロー延伸などの延伸、または真空圧空成形などの熱成
形に供することにより、力学特性、ガスバリアー性に優
れたフィルム、シート、ボトル、カップなどの成形品と
することができる。得られた成形品は、食品包装剤、医
療品(医薬品、医療器具)包装材、燃料タンクなどのガ
スバリアー性が要求される用途に有用である。
【0040】
【実施例】以下、実施例などにより本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。なお、以下の記載において特に断りのな
い限り、比率は重量比を、「%」は「重量%」を意味す
る。各種測定は以下のような方法で行った。
【0041】(1)チップ中のアルカリ金属塩の定量 試料とする乾燥チップ10gを0.01規定の塩酸水溶
液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後
の水溶液をイオンクロマトグラフィーを用いて定量分析
し、アルカリ金属イオンの量を定量した。カラムは、
(株)横河電機製のICS−C25を使用し、溶離液は
5.0mMの酒石酸と1.0mMの2,6−ピリジンジ
カルボン酸を含む水溶液とした。なお、定量に際しては
各アルカリ金属の塩化物を標品として作成した検量線を
用いた。こうして得られたアルカリ金属イオンの量か
ら、乾燥チップ中のアルカリ金属塩の量を金属元素換算
の値で得た。
【0042】(2)樹脂に含有される官能基の量 スチレン−水添ジエンブロック共重合体中の二重結合量
および官能基量は、重クロロホルムを溶媒とする1H−
NMR測定により得られたスペクトルから算出した。ま
た、直鎖状低密度ポリエチレン中の二重結合量は、重パ
ラキシレンを溶媒とする1H−NMR測定により得られ
たスペクトルから算出した。さらに、直鎖状低密度ポリ
エチレン中の官能基量は重トルエンを溶媒とする1H−
NMR測定により得られたスペクトルから算出した。
【0043】(3)層間接着力 共押出成形により得られた3種5層フィルムの製膜直後
のEVOH(C)層と接着層とのT型剥離強度を20℃
−65%RHの条件下、オートグラフ(引張速度250
mm/min)を用いて測定し、得られた数値を層間接
着力とした。
【0044】合成例1(ボロン酸エステル基含有SEB
Sの合成1) 表1に示す構成、物性を有するスチレン−水添ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体(SEBS)を、投入口
を1L/分の窒素で置換しながら7kg/時の速度で二
軸押出機に供給した。次に、液体フィーダー1よりボラ
ン−トリエチルアミン錯体(TEAB)とホウ酸1,3
−ブタンジオールエステル(BBD)の混合液(TEA
B/BBD=29/71、重量比)を0.6kg/時の
速度で、液体フィーダー2より1,3−ブタンジオール
を0.4kg/時の速度で供給し、連続的に混練した。
混練の間、ベント1およびベント2のゲージが約20m
mHgを示すように圧力を調節した。その結果、吐出口
から7kg/時の速度で、ボロン酸1,3−ブタンジオ
ールエステル基を含有するSEBSが得られた。このS
EBSの合成条件を表2に、官能基量、二重結合量およ
びメルトインデックス(MI)を表3にそれぞれ示す。
【0045】なお、反応に使用した二軸押出機の構成、
運転条件は下記のとおりである。 同方向二軸押出機TEM−35B(東芝機械製) スクリュ径 :37mmφ L/D :52(15ブロック) 液体フィーダー :C3(液体フィーダー1)、C11(液体フィーダー2 ) ベント位置 :C6、C14 スクリュ構成 :C5-C6間,C10-C11間およびC12の位置にシ ールリングを使用 温度設定 :C1 水冷 C2〜C3 200℃ C4〜C15 250℃ ダイ 250℃ スクリュ回転数 :400rpm
【0046】合成例2(ボロン酸エステル基含有SEB
Sの合成2) 合成例1において、合成条件を表2に示すように変更し
た以外は、合成例1と同様にして混練を行った。その結
果、表3に示す構成、物性を有するSEBSが得られ
た。
【0047】合成例3(ボロン酸エステル基含有SEB
Sの合成3) 合成例1において、原料を表1に示す構成、物性を有す
るものに変更し、かつ合成条件を表2に示すように変更
した以外は、合成例1と同様にして混練を行った。その
結果、表3に示す構成、物性を有するSEBSが得られ
た。
【0048】合成例4(ボロン酸エステル基含有SEB
Sの合成4) 合成例3において、合成条件を表2に示すように変更し
た以外は、合成例3と同様にして混練を行った。その結
果、表3に示す構成、物性を有するSEBSが得られ
た。
【0049】合成例5(ボロン酸エステル基含有EPD
Mの合成) 合成例1において、原料を表1に示す構成、物性を有す
るエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重
合体(EPDM)に変更し、かつ合成条件を表2に示す
ように変更した以外は、合成例1と同様にして混練を行
った。その結果、表3に示す構成、物性を有するEPD
Mが得られた。
【0050】合成例6(ボロン酸エステル基含有SEP
Sの合成) 合成例1において、原料を表1に示す構成、物性を有す
るスチレン−水添イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SEPS)に変更し、かつ合成条件を表2に示すよ
うに変更した以外は、合成例1と同様にして混練を行っ
た。その結果、表3に示す構成、物性を有するSEPS
が得られた。
【0051】合成例7(ボロン酸エステル基含有VLD
PEの合成) 合成例1において、原料を表1に示す構成、物性を有す
る超低密度ポリエチレン(VLDPE、住友化学製「エ
クセレン」(商品名)EUL430)に変更し、かつ合
成条件を表2に示すように変更した以外は、合成例1と
同様にして混練を行った。その結果、表3に示す構成、
物性を有するVLDPEが得られた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】合成例8(EVOHの合成1) エチレン含有量38モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(以下、EVAcと略称する)の45%メタノール
溶液をケン化反応器に仕込み、水酸化ナトリウム(80
g/Lのメタノール溶液)をEVAc中の酢酸ビニル成
分に対し、0.4当量となるように添加し、さらにメタ
ノールを添加してEVAc濃度が20%になるように調
整した。この溶液を60℃に昇温し、反応器内に窒素ガ
スを吹き込みながら約4時間反応させた。その後、酢酸
を投入して反応を停止し、円形の開口部を有する金板か
ら反応溶液を水中に押し出して析出させ、切断して直径
約3mm、長さ約5mmのチップを得た。得られたチッ
プを遠心分離機で脱液し、さらに大量の水で洗浄・脱液
する操作を繰り返した。
【0056】こうして得られた含水率52%のEVOH
含水チップ3.5kgを、酢酸0.1g/L、リン酸二
水素カリウム 0.04g/L、ホウ酸0.34g/L
を含有する水溶液15Lに10時間浸漬した。このとき
の水溶液の温度は25℃であった。その後脱液し、80
℃で6時間、107℃で24時間熱風乾燥して乾燥チッ
プを得た。得られたEVOHの乾燥チップのケン化度は
99.7モル%、メルトインデックス(MI)は1.5
g/10min(190℃、2160g荷重)であっ
た。また、アルカリ金属塩の含有量は、金属元素換算で
20ppmであった。以上の結果をまとめて表4に示
す。
【0057】合成例9(EVOHの合成2) ケン化後のEVOHのチップを洗浄する工程を省略した
以外は、合成例8と同様にして含水率52%の含水EV
OHチップを得た。このEVOH含水チップ3.5kg
を、酢酸0.4g/L、リン酸二水素カリウム 0.2
4g/L、酢酸ナトリウム 0.90g/L、酢酸マグ
ネシウム4水和物 0.4g/L、ホウ酸0.34g/
Lを含有する水溶液15Lに10時間浸漬した。このと
きの水溶液の温度は25℃であった。その後脱液し、8
0℃で6時間、107℃で24時間熱風乾燥して乾燥チ
ップを得た。得られたEVOHの乾燥チップのケン化度
は99.7モル%、メルトインデックス(MI)は1.
5g/10min(190℃、2160g荷重)であっ
た。また、アルカリ金属塩の含有量は、金属元素換算で
300ppmであった。以上の結果をまとめて表4に示
す。
【0058】
【表4】
【0059】実施例1 合成例1で得られたボロン酸エステル基含有SEBS
と、表5に示す物性を有する直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE1)を25:75の重量比で溶融混練し、
樹脂組成物を得た。
【0060】なお、混練に使用した二軸押出機の構成、
運転条件は下記のとおりである。同方向二軸押出機ラボ
プラストミル(東洋精機社製) 軸構成 :同方向二軸 スクリュ径 :25mmφ L/D :25 温度設定 :220℃ スクリュ回転数 :150rpm フィード樹脂量 :5kg/時
【0061】次に、表5に示す物性を有する直鎖状低密
度ポリエチレン(LLDPE2)、上記の樹脂組成物、
合成例8で得られたEVOHからなる3種5層のシート
を共押出成形により製造した。得られたシートの樹脂組
成物層とEVOH層の層間接着力を測定したところ、1
090g/15mmであった。この結果を表6に示す。
このシートは透明であり、縦筋、フィッシュアイは見ら
れず、外観は良好であった。
【0062】なお、成形に使用した押出機の構成、運転
条件は下記のとおりである。 押出機1(LLDPE2):32mmφ、単軸、GT−
32−A型(プラスチック工学研究所製) スクリュ回転数:62rpm、設定温度:250℃ 押出機2(樹脂組成物) :25mmφ、単軸、P25
−18AC(大阪精機製) スクリュ回転数:30rpm、設定温度:250℃ 押出機3(EVOH) :20mmφ、単軸、ラボM
E型CO−EXT(東洋精機製) スクリュ回転数:18rpm、設定温度:250℃ T型ダイ:300mm幅3種5層用(プラスチック工学
研究所製) 設定温度:250℃ 層構成:LLDPE2/樹脂組成物/EVOH/樹脂組
成物/LLDPE2 厚み構成:50μm/10μm/10μm/10μm/
50μm
【0063】実施例2 合成例2で得られたボロン酸エステル基含有SEBS
と、LLDPE1を10:90の重量比で実施例1と同
様の方法で溶融混練し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物
を上記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして
3種5層のシートを共押出成形により製造した。得られ
たシートの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測
定したところ、980g/15mmであった。
【0064】また、LLDPE2、上記の樹脂組成物、
合成例8で得られたEVOHからなる3種7層のシート
をブロー成形により製造した。得られたシートの樹脂組
成物層とEVOH層の層間接着力を測定したところ、1
400g/15mmであった。これらの結果を表6に示
す。これらのシートは透明であり、縦筋、フィッシュア
イは見られず、外観は良好であった。
【0065】なお、成形に使用した押出機の構成、運転
条件は下記のとおりである。 装置:ブランプトン社製 押出機1(LLDPE2):45mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機2(LLDPE2):30mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機3(樹脂組成物) :30mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機4(EVOH) :30mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機5(樹脂組成物) :30mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機6(LLDPE2):30mmφ、単軸、設定温
度:240℃ 押出機7(LLDPE2):45mmφ、単軸、設定温
度:240℃ ダイ径 :6inch ダイ設定温度 :240℃ 成形後のフィルム幅 :15inch 層構成:LLDPE2/LLDPE2/樹脂組成物/E
VOH/樹脂組成物/LLDPE2/LLDPE2 厚み構成:50μm/15μm/4μm/12.5μm
/4μm/15μm/50μm
【0066】実施例3 合成例3で得られたボロン酸エステル基含有SEBS
と、LLDPE1を5:95の重量比で実施例1と同様
の方法で溶融混練し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を
上記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして3
種5層のシートを共押出成形により製造した。得られた
シートの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測定
したところ、1000g/15mmであった。この結果
を表6に示す。このシートは透明であり、縦筋、フィッ
シュアイは見られず、外観は良好であった。
【0067】実施例4 合成例4で得られたボロン酸エステル基含有SEBS
と、LLDPE1を5:95の重量比で実施例1と同様
の方法で溶融混練し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を
上記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして3
種5層のシートを共押出成形により製造した。得られた
シートの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測定
したところ、1100g/15mmであった。
【0068】また、樹脂組成物を上記のものに変更した
以外は、実施例2と同様にして3種7層のシートをブロ
ー成形により製造した。得られたシートの樹脂組成物層
とEVOH層の層間接着力を測定したところ、2200
g/15mmであった。これらの結果を表6に示す。こ
れらのシートは透明であり、縦筋、フィッシュアイは見
られず、外観は良好であった。
【0069】実施例5 合成例5で得られたボロン酸エステル基含有EPDM
と、LLDPE1を5:95の重量比で実施例1と同様
の方法で溶融混練し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を
上記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして3
種5層のシートを共押出成形により製造した。得られた
シートの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測定
したところ、830g/15mmであった。この結果を
表6に示す。このシートは透明であり、縦筋、フィッシ
ュアイは見られず、外観は良好であった。
【0070】実施例6 合成例6で得られたボロン酸エステル基含有SEPS
と、表5に示す物性を有するポリプロピレンを5:95
の重量比で実施例1と同様の方法で溶融混練し、樹脂組
成物を得た。表5に示す物性を有するポリプロピレン、
上記の樹脂組成物、合成例8で得られたEVOHを各層
成分とした以外は、実施例1と同様にして3種5層のシ
ートを共押出成形により製造した。得られたシートの樹
脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測定したとこ
ろ、1000g/15mmであった。
【0071】また、表5に示す物性を有するポリプロピ
レン、上記の樹脂組成物、合成例8で得られたEVOH
を各層成分とした以外は、実施例2と同様にして3種7
層のシートをブロー成形により製造した。得られたシー
トの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測定した
ところ、2000g/15mmであった。これらの結果
を表6に示す。これらのシートは透明であり、縦筋、フ
ィッシュアイは見られず、外観は良好であった。
【0072】比較例1 実施例1において、合成例8で得られたEVOHを、合
成例9で得られたEVOHに変更した以外は、実施例1
と同様にして3種5層のシートを共押出成形により製造
した。得られたシートの樹脂組成物層とEVOH層の層
間接着力を測定したところ、1000g/15mmであ
った。この結果を表6に示す。このシートは、熱成形に
より黄色に着色し、また、縦筋およびフィッシュアイが
見られた。
【0073】比較例2 実施例1において、樹脂組成物に代えて表5に示す物性
を有する無水マレイン酸変性ポリエチレン(デュポン社
製「BynelTM4125」)を使用した以外は、実施
例1と同様にして3種5層のシートを共押出成形により
製造した。得られたシートの無水マレイン酸変性ポリエ
チレン層とEVOH層の層間接着力を測定したところ、
130g/15mmであった。
【0074】また、樹脂組成物に代えて上記の無水マレ
イン酸変性ポリエチレンを使用した以外は、実施例2と
同様にして3種7層のシートをブロー成形により製造し
た。得られたシートの無水マレイン酸変性ポリエチレン
層とEVOH層の層間接着力を測定したところ、730
g/15mmであった。これらの結果を表6に示す。こ
れらのシートは透明であり、縦筋、フィッシュアイは見
られず、外観は良好であった。
【0075】比較例3 合成例7で得られたボロン酸エステル基含有VLDPE
と、LLDPE1を25:75の重量比で実施例1と同
様の方法で溶融混練し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物
を上記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして
3種5層のシートを共押出成形により製造した。得られ
たシートの樹脂組成物層とEVOH層の層間接着力を測
定したところ、100g/15mmであった。この結果
を表6に示す。このシートは透明であり、縦筋、フィッ
シュアイは見られず、外観は良好であった。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の積層体は、
ガスバリアー性に優れ、かつ層間の界面剥離がないの
で、食品包装剤、医療品(医薬品、医療器具)包装材、
燃料タンクなど幅広い用途に使用可能である。また、高
温での熱安定性に優れているので、回収して再利用する
ことが可能であり、工業生産にも適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01C AK03C AK12C AK28C AK63 AK69B AL01C AL05C AL06C BA03 BA05 BA10A BA10B EH172 EH362 GB15 GB66 JB16A JB16C JD02 JL11C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)からなる層と、アル
    カリ金属塩の含有量がアルカリ金属元素に換算して10
    0ppm以下であるエチレン−ビニルアルコール共重合
    体(C)からなる層とが、ボロン酸基および水の存在下
    でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より
    選ばれる少なくとも1種の官能基(b)を含有する熱可
    塑性樹脂(B)からなる接着層を介して積層されている
    ことを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 接着層を構成する前記熱可塑性樹脂
    (B)が、該樹脂の重量に基づいて5μeq/g以上の
    前記官能基(b)を含有する、請求項1に記載の積層
    体。
  3. 【請求項3】 接着層を構成する前記熱可塑性樹脂
    (B)が、樹脂の重量に基づいて100μeq/g以上
    の前記官能基(b)を含有する熱可塑性樹脂(B1)と
    前記官能基(b)を含有しない熱可塑性樹脂(B2)と
    の混合物である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 前記官能基(b)を含有する熱可塑性樹
    脂(B1)が、スチレン−水添ジエンブロック共重合体
    である、請求項3に記載の積層体。
  5. 【請求項5】 前記官能基(b)を含有する熱可塑性樹
    脂(B1)が、該官能基を側鎖に含有する熱可塑性樹脂
    である、請求項3または4に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 前記官能基(b)を含有しない熱可塑性
    樹脂(B2)がポリオレフィンである、請求項3〜5の
    いずれか1項に記載の積層体。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂(A)と、ボロン酸基およ
    び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(b)を
    有する熱可塑性樹脂(B)と、アルカリ金属塩の含有量
    がアルカリ金属元素に換算して100ppm以下である
    エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)とを、層構
    成が(A)/(B)/(C)となるように共押出成形ま
    たは多層射出成形することを特徴とする、積層体の製造
    方法。
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