JP3916765B2 - 多層容器の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる多層シートを成形して得られる容器の製法に関する。さらに詳しくは、ガスバリヤー性を有し、かつ使用後、熱可塑性樹脂層とバリヤー層を分離し、回収、再利用が可能な容器の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食料品や飲料、医薬品等の容器として熱可塑性樹脂製の容器が多く用いられている。例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂のシートを真空成形、圧空成形、プレス成形して製造されるカップ等が挙げられる。該熱可塑性樹脂製容器は軽量性、加工性、取り扱い容易性等から各種用途に多用されている。
【0003】
しかしながら、ガスバリヤー性が必要とされる用途、例えば食料品用カップ等の容器では、このようにして得られた熱可塑性樹脂製成形物ではガスバリヤー性が不十分である場合が多い。その改善策として該熱可塑性樹脂層にガスバリヤー性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下EVOHと略記する。)層を積層することが試みられている。すなわち、熱可塑性樹脂層/EVOH層/熱可塑性樹脂層等のように3種以上の積層構造を有する成形物の検討がなされている。例えば、熱可塑性樹脂層/EVOH層/熱可塑性樹脂層の3層構造を有するシートを成形する方法が用いられている。
【0004】
しかしながら、市販のEVOHはエチレン変性度が20モル%を超えているため水に不溶であり、EVOH層を有する容器は、使用された後、熱可塑性樹脂とEVOH層の分離が容易ではなく、容器の再利用が困難であるという問題があり、使用後、熱可塑性樹脂層とバリヤー層を分離し、回収、再利用が可能な容器が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はガスバリヤー性を有し、かつ使用後、熱可塑性樹脂層とバリヤー層を分離し、回収、再利用が可能な容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガスバリヤー性を有し、かつ回収、再利用可能な容器を提供すべく鋭意検討した結果、エチレン変性度が1〜20モル%でかつ水溶性のエチレン変性ポリビニルアルコール(以下エチレン変性PVAと略記することがある。)100重量部および該エチレン変性PVAの架橋剤0.01〜100重量部からなる層と熱可塑性樹脂からなる層を共押出ラミネート、熱溶融ラミネートまたはドライラミネートにより積層してなる多層シートを成形することを特徴とする多層容器の製法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明に使用される熱可塑性樹脂は、熱溶融可能なものであれば特に限定はなく、種々の熱可塑性樹脂が使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)等が好適に用いられる。
【0008】
本発明に使用されるエチレン変性PVAとは、ビニルエステルとエチレンを定法により共重合した後、けん化して得られる水溶性の重合体である。ここでビニルエステルとは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、工業的に生産されコスト的に有利な酢酸ビニルが通常使用される。また水溶性であれば、エチレン以外のα−オレフィン、ω−ヒドロキシ−α−オレフィン、不飽和カルボン酸塩、長鎖ビニルエーテル、ポリオキシアルキレン基含有不飽和化合物、飽和分岐脂肪酸ビニル、不飽和スルホン酸塩、シラノール基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物等で変性されていてもよい。エチレンの変性度は、1〜20モル%のものが用いられ、5〜20モル%であることが好ましい。エチレン変性度が1モル%より低いと、特に高湿度下で充分なガスバリヤー性を発現することができなくなる。一方エチレン変性度が20モル%を超えると水溶性が著しく低下し、使用後容器の熱可塑性樹脂層とバリヤー層の分離、回収、再利用が困難となるばかりか、ガスバリヤー性も低下する。
【0009】
本発明に用いられるエチレン変性PVAのけん化度は、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。けん化度が80モル%より低いと、得られた容器のバリヤー性が著しく低下する。
【0010】
本発明に用いられるエチレン変性PVAの重合度は、JIS K6726にて測定した粘度平均重合度(以下単に重合度略記する。)で200〜5000であることが好ましく、300〜3000であることがより好ましい。重合度が200未満では、得られた容器に落下等の衝撃を加えた時にエチレン変性PVA層が割れたり、外観を損ねたりする恐れがある。一方重合度が5000を超えると、エチレン変性PVAの粘度が著しく高くなり、成形が困難となる。
【0011】
本発明に用いられるエチレン変性PVAは水溶性であることが必要である。ここで水溶性とは、エチレン変性PVAに水を加え、1〜80wt%のいずれかの濃度にしたとき、5〜95℃の温度で、固形物が認められず、かつ均一な溶液になることを指す。
【0012】
本発明に用いる多層シートのエチレン変性PVA層にはエチレン変性PVA100重量部に対し、該エチレン変性PVAの架橋剤を0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜80重量部、特に好ましくは0.1〜50重量部配合することが必要である。架橋剤の配合量が0.01重量部未満では、エチレン変性PVAが十分に架橋せず、容器の耐水性及び高湿度下でのバリヤー性が低下する。一方架橋剤の配合量が100重量部を超えると、得られたエチレン変性PVA層の強度、耐衝撃性が低下し、架橋剤の滲み出し等の問題が生じる場合があるばかりか、多層シートを容器に成形することが困難となる場合がある。ここで架橋剤とは上記エチレン変性PVAを常温または加熱して架橋せしめることができる添加剤であり、具体的には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミドポリ尿素、ジメチロール尿素、ジメチロールメラミン、多価エポキシ化合物、ジアルデヒド化合物、多価イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン化合物、活性化ビニル化合物、ジカーボネート化合物、コロイダルシリカ、ベントナイト、ジルコニウム塩、多価金属塩、硼酸、リン酸、ポリアクリル酸、ジカルボン酸、アジピン酸無水物、コハク酸無水物、テトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタネート等が一例として挙げられる。また3−グリシドプロピルメトキシシラン等のカップリング剤、パーオキサイド等のラジカル発生剤等も使用可能である。さらに重クロム酸ナトリウムや安息香酸ナトリウムを添加し、UVや電子線、放射線で架橋する場合も含まれる。
【0013】
中でもジルコニウム塩、コロイダルシリカ、ジアルデヒド化合物アジリジン化合物、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン化合物、ジカーボネート化合物が好ましい架橋剤である。特にシラノール基をさらに0.1〜1モル%変性したエチレン変性PVAにコロイダルシリカを添加した系、アミノ基をさらに0.1〜5モル変性したエチレン変性PVAにジアルデヒドまたはジカーボネート化合物を添加した系、不飽和カルボン酸をさらに0.1〜5モル%変性したエチレン変性PVAにポリアミドアミンエピクロルヒドリンを添加した系の組み合わせが好適である。
【0014】
本発明に用いるエチレン変性PVAには、架橋剤以外に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を適宜配合することができる。添加剤の例として、可塑剤、酸化防止剤、加工安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、香料、滑剤、剥離剤、帯電防止剤、補強剤、増量剤、フィラー等公知の添加剤が挙げられる。
【0015】
本発明に用いる多層シートとは、上記のエチレン変性PVA100重量部と、該エチレン変性PVAの架橋剤0.01〜100重量部からなる層を少なくとも1層有する熱可塑性樹脂多層シートである。多層シートの作製方法には特に限定はなく、エチレン変性PVAと熱可塑性樹脂をTダイより熱溶融で共押出しして作製する方法、熱可塑性樹脂シートの上にエチレン変性PVAをTダイより熱溶融にて押出し後、加圧ラミネートして作製する方法、エチレン変性PVAシートを熱可塑性樹脂シートを別々に作製後積層し、ヒートシールまたは接着剤等を必要により用いてラミネートする方法等が挙げられる。特にエチレン変性PVAと熱可塑性樹脂のシートを別々に作製後、ラミネートする方法(ドライラミネート法)が好ましい。ドライラミネート法の場合、融点が比較的高い樹脂とエチレン変性PVAとのラミネートが可能であり、また特定の層のみ延伸可能であること等から好ましい作製方法である。この場合エチレン変性PVAのシートは溶剤キャスト成形で作製することが好適である。該成形方法は架橋剤を配合した系でも、比較的低粘度であるため成形が容易であり、また熱溶融成形と比較して熱分解や着色が少なく、好ましいシート成形方法である。この場合の溶剤としては水が好適である。
いずれの作製方法の場合も、熱可塑性樹脂層とエチレン変性PVA層の間には熱可塑性樹脂とエチレン変性PVAとの接着性が良好となるよう接着層を設けることが望ましい。接着層に用いられる接着剤は、多層シートを構成する熱可塑性樹脂層とエチレン変性PVA層との接着性を向上させるものであれば特に限定はなく、公知の接着剤が使用できる。また、エチレン変性PVA層が多層シートの中間層であること、即ち熱可塑性樹脂層/エチレン変性PVA層/熱可塑性樹脂層のように、多層シートの最外層を熱可塑性樹脂層にすることが好ましい。
【0016】
多層シートの厚みに特に制限はないが、通常10〜5000μmのものが用いられ、50〜3000μmのものが好ましく、100〜2000μmのものが特に好ましい。エチレン変性PVA層の厚みは所望のガスバリヤー性に応じて適宜設定できるが、通常1〜1000μmであり、3〜500μmであることが好ましい。接着剤層の厚みは、通常1〜500μmであり、3〜300μmであることが好ましい。
【0017】
本発明の多層容器は上記多層シートをさらに成形して得られる。成形方法に特に限定はないが、通常真空成形、圧空成形、プレス成形等で成形される。ここで成形前または成形の際に、多層シートの少なくとも一部を1.2倍以上、好ましくは2.0倍以上に延伸することが望ましい。ここで延伸とは多層シートを構成する熱可塑性樹脂のうち、いずれか1種のガラス転移温度以上かつ融点以下の温度で引き延ばすことを指し、一方向に延伸してもよく、二方向以上に延伸しても良い。延伸倍率は、もとの多層シート厚みを、成形後の容器厚みで除した数値で示される。延伸により、得られた容器のガスバリヤー性、耐水性及び透明性が向上する。
【0018】
かかる方法で得られた本発明の多層容器は、ガスバリヤー性、耐水性に優れており、食料品、飲料、調味料や医薬品の容器等に幅広く利用できる。またバリヤー層であるエチレン変性PVAは、アルカリ水溶液中で加熱する等の方法で熱可塑性樹脂と分離でき、容器の回収、再利用が可能である。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中特に断りのないかぎり「%」および「部」は重量基準を表す。また、特性値の測定方法及び評価方法は次の方法による。
【0020】
(1)特性値の測定方法
(1−1)重合度、けん化度
JIS K6726にて測定した。
【0021】
(2)評価方法
(2−1)ガスバリヤー性
容器に味噌を満杯になるまで充填し、乾燥窒素で十分パージ後密封した。30℃、65%RHの恒温恒湿槽に30日間放置後の中身の味噌の変色度合いからガスバリヤー性を評価した。
評価結果は次の表示により示す。
◎:極めて良好(全く変色無し)
○:良好(ほとんど変色無し)
△:やや不良(わずかに変色した)
×:不良(かなり変色した)
【0022】
(2−2)耐水性
容器を80℃の熱水に15分浸漬し、バリヤー層の溶出程度から耐水性を評価した。
評価結果は次の表示により示す。
◎:極めて良好(全く溶出無し)
○:良好(ほとんど溶出無し)
△:やや不良(わずかに溶出した)
×:不良(かなり溶出した)
【0023】
(2−3)回収性
容器を90℃の水酸化ナトリウム10wt%水溶液に8時間浸漬し、熱可塑性樹脂とバリヤー層との分離程度を評価した。評価結果は次の表示により示す。
◎:極めて良好(バリヤー層が完全に溶出しており、分離極めて容易)
○:良好(バリヤー層が若干未溶出であるが、分離容易)
△:やや不良(バリヤー層がほとんど未溶出であり、分離やや困難)
×:不良(バリヤー層が全く未溶出であり、分離不可能)
【0024】
実施例1
エチレン単位7モル%と酢酸ビニル93モル%とからなる共重合体をけん化して、粘度平均重合度1000、けん化度98.0モル%のエチレン変性PVAを得た。該エチレン変性PVA100部、コロイダルシリカ10部、水500部からなるエチレン変性PVA水溶液を、先端に巾600mmのTダイを有する50mmφ単軸押出機(プラスチック工学研究所製)より押出し、乾燥することで厚さ50μmのエチレン変性PVAフィルムを作製した。得られたフィルムは透明であり外観良好であった。またポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する。)を同様のTダイを有する押出機を用い、280℃で溶融押出成形して厚さ200μmのフィルムを作製した。得られたPETフィルムにドライラミネーション接着剤としてタケラックA−385(主剤)/タケネートA−10(硬化剤)を酢酸エチルを希釈剤としてドライラミネーターにて固形分3g/m2塗布し、これに先に作製したエチレン変性PVAフィルムをPET/接着剤/エチレン変性PVA/接着剤/PETの構成になるようドライラミネートして厚さ470μmの3種5層のシートを得た。
得られた3種5層のシートを130℃に加熱後、真空成形し、12cm×12cm×高さ7cmのカップ状容器を得た。得られた容器側面の延伸倍率及びガスバリヤー性、耐水性、回収性を測定した。結果を表1および表2に示す。
【0025】
実施例2
エチレン変性度13モル%、けん化度97.9モル%であるエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0026】
実施例3
エチレン変性度が3モル%であるエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0027】
実施例4
けん化度が99.6モル%であるエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0028】
実施例5
けん化度が93.4モル%であるエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0029】
実施例6
けん化度が88.7モル%であるエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0030】
実施例7
エチレン変性PVAフィルムを、エチレン変性PVA100部、コロイダルシリカ0.03部、水500部からなる水溶液を用いて作製した以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0031】
実施例8
エチレン変性PVAフィルムを、エチレン変性PVA100部、コロイダルシリカ1部、水500部からなる水溶液を用いて作製した以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0032】
実施例9
エチレン変性PVAフィルムを、エチレン変性PVA100部、コロイダルシリカ30部、水500部からなる水溶液を用いて作製した以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0033】
実施例10
エチレン変性PVAフィルムを、エチレン変性PVA100部、コロイダルシリカ75部、水500部からなる水溶液を用いて作製した以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0034】
実施例11
ビニルメトキシシラン0.2モル%とエチレン7モル%と酢酸ビニル92.8モル%とからなる共重合体をけん化して、粘度平均重合度1000、けん化度97.9モル%のシラノール基及びエチレン変性PVAを得た。実施例1のエチレン変性PVAの代えて、該シラノール基及びエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0035】
実施例12
無水マレイン酸単位3モル%とエチレン7モル%と酢酸ビニル90モル%とからなる共重合体をけん化して、粘度平均重合度1000、けん化度97.7モル%のカルボキシル基及びエチレン変性PVAを得た。実施例1のエチレン変性PVAの代えて、該カルボキシル基及びエチレン変性PVAを用い、またコロイダルシリカの代えて、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂(カイメンS−25 ディックハーキュレス製)を用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0036】
実施例13
N−ビニルホルムアルデヒド単位3モル%とエチレン7モル%と酢酸ビニル90モル%とからなる共重合体をけん化して、粘度平均重合度1000、けん化度98.1モル%の1級アミノ基及びエチレン変性PVAを得た。実施例1のエチレン変性PVAの代えて、該1級アミノ基及びエチレン変性PVAを用い、またコロイダルシリカの代えて、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂(カイメンS−25 ディックハーキュレス製)を用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0037】
実施例14
真空成形時の側面の延伸倍率が1.1倍であった以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0038】
実施例15
実施例1において、多層シートに接着剤層を設けず、PET/エチレン変性PVA/PETの構成となるようドライラミネートして得られた厚さ450μmの2種3層シートを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。得られた容器には一部PET層とエチレン変性PVA層との剥離が認められた。結果を表1および表2に示す。
【0039】
実施例16
実施例1において、多層シートに、PET/接着剤/エチレン変性PVAの構成になるようドライラミネートして得られた厚さ260μmの3種3層シート用い、エチレン変性PVA層が容器の外側となるよう真空成形した以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0040】
実施例17
実施例1で用いたエチレン変性PVA100部とコロイダルシリカ10部をブレンド後、先端に巾600mmのTダイを有する50mmφ単軸押出機(プラスチック工学研究所製)を用い230℃で熱溶融押出しして、厚さ50μmのエチレン変性PVAフィルムを作製した。フィルムはかなり着色していた。エチレン変性PVAフィルムに該熱溶融押出フィルムを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0041】
実施例18
実施例1で用いたエチレン変性PVA100部とコロイダルシリカ10部のブレンド物、PET、接着剤(アドマー)をそれぞれ押出機に投入し、かかる3種の樹脂をフィードブロックにて合流せしめ、巾600mmのTダイより260℃で共押出しして、PET200μm/接着剤層10μm/エチレン変性PVA50μm/接着剤層10μm/PET200μの構成で3種5層のシートを得た。シートはかなり着色していた。得られた3種5層のシートを130℃に加熱後、真空成形し、12cm×12cm×高さ7cmのカップ状容器を得た。このときの側面の延伸倍率は2.2倍であった。結果を表1および表2に示す。
【0042】
比較例1
エチレン変性PVAの代えて、けん化度98.5モル%の未変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0043】
比較例2
エチレン変性度が0.5モル%、けん化度98.2モル%のエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0044】
比較例3
エチレン変性度が28モル%、けん化度97.7モル%のエチレン変性PVAを用いた以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0045】
比較例4
コロイダルシリカを配合しなかった以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0046】
比較例5
コロイダルシリカの配合量がエチレン変性PVA100部に対し0.005部とした以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0047】
比較例6
コロイダルシリカの配合量がエチレン変性100部に対し120部とした以外は実施例1と同様にカップ状容器を得た。結果を表1および表2に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003916765
【0049】
【表2】
Figure 0003916765
【0050】
【発明の効果】
本発明の多層容器は、ガスバリヤー性に優れており、食料品(飲料、調味料、アルコール類等)や医薬品の容器等に幅広く利用できる。また使用後、熱可塑性樹脂層とバリヤー層を分離し、回収、再利用が可能である。

Claims (4)

  1. エチレン変性度が1〜20モル%でかつ水溶性のエチレン変性ポリビニルアルコール100重量部およびコロイダルシリカおよびポリアミドエピクロルヒドリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤0.01〜100重量部からなる層と熱可塑性樹脂からなる層を共押出ラミネート、熱溶融ラミネートまたはドライラミネートにより積層してなる多層シートを成形することを特徴とする多層容器の製法。
  2. エチレン変性ポリビニルアルコールが、さらに不飽和カルボン酸塩、シラノール基含有不飽和化合物およびアミノ基含有不飽和化合物からなる群のいずれかで変性されたエチレン変性ポリビニルアルコールである請求項1に記載の多層容器の製法。
  3. 積層の方法がドライラミネートであることを特徴とする請求項1または2に記載の多層容器の製法。
  4. 多層シートを1.2倍以上に延伸してなる請求項1〜3のいずれかに記載の多層容器の製法。
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