JPH08269260A - 樹脂組成物および多層構造体 - Google Patents

樹脂組成物および多層構造体

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JPH08269260A
JPH08269260A JP7582295A JP7582295A JPH08269260A JP H08269260 A JPH08269260 A JP H08269260A JP 7582295 A JP7582295 A JP 7582295A JP 7582295 A JP7582295 A JP 7582295A JP H08269260 A JPH08269260 A JP H08269260A
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evoh
ethylene
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resin layer
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JP7582295A
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Taichi Negi
太一 祢宜
Sato Hirofuji
俐 廣藤
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン含量20〜70モル%、けん化度8
0%以上のエチレンービニルアルコール共重合体(A)
とヒドロキシ官能化ポリエーテルアミン(B)とからな
り、(A)/(B)の重量比が1/99〜99/1であ
る樹脂組成物。 【効果】 本発明によれば、耐衝撃性、耐屈曲性、耐ピ
ンホール性などの機械的性質およびレトルト時のガスバ
リアー性に優れ、さらに延伸収縮性、熱成形性に優れ、
さらにガソリンなどの有機液体に対する耐ストレスクラ
ック性の優れた樹脂組成物および多層構造体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリアー性の大幅
な悪化を伴わず、延伸、熱成形などの加工適正、あるい
はレトルト適正が改善された樹脂組成物および多層構造
体。
【0002】EVOHは、今日、食品等の包装用フィル
ム、特に酸素、臭気、フレーバー等に対するバリアー性
が必要な食品、保香性を必要とする他の製品などに対す
る使用を目的とする分野において有効性が認められてい
る。そして、EVOHはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩
化ビニル等の熱可塑性樹脂層と、アイオノマー、エチレ
ンー酢酸ビニル共重合体などで代表される各種接着性樹
脂層とを積層してなる多層構造体の形で用いられる。
【0003】ところで、各種方法で製造した多層構造体
(フィルム、シート、パリソンなど)を延伸、熱成形な
どに二次加工する場合、EVOH層に小さなボイド、ク
ラック、局所的偏肉などが多発する問題がある。そこ
で、従来、加熱延伸時に発生するEVOH層のピンホー
ル、クラックなどを防止する目的で、EVOH層に各種
可塑剤の添加(特開昭53ー88067、特開昭59ー
20345)、ポリアミド系樹脂のブレンド(特開昭5
2ー141785,特開昭58−36412)等が検討
されてはいるが、いずれの場合も、下記の点で十分満足
すべきものではない事が判明した。 すなわち、各種可
塑剤の添加系においては、加熱延伸特性を充分改善する
為には、可塑剤をEVOH100重量部に対して、10
〜20重量部添加する必要があり、ガスバリア−性の大
巾な低下、EVOH層との層間接着強度の低下などの多
くの問題があり使用に耐えない。
【0004】一方、ポリアミド系樹脂の添加系において
は、EVOHとの化学反応性が大きい為か、成形物に多
数のゲル状物の存在、顕著な着色などの為、使用に耐え
ない。また、ゲル着色が比較的少ないポリアミド系樹脂
の添加系においては、EVOHとポリアミドとの相溶性
が十分でない為か、見掛け上、良好な容器が得られる
が、特に、加熱高速延伸成形時微少なピンホ−ルが存在
するためか、ガスバリア−性の測定値のバラツキが大き
く、ガスバリア−性容器としての信頼性がなく、使用に
耐えなかった。
【0005】一方、該容器を高温スチーム加熱殺菌(レ
トルト処理)した場合、EVOH層の吸水によるガスバ
リアー性の大幅悪化、及び放置脱水後のバリアー性回復
不良などの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、延伸、熱成
形性が良好でかつレトルト処理後も高ガスバリア−性、
を保持したEVOHの開発が重要な課題の一つである。
本発明は、EVOHの優れたガスバリア−性をそこなう
ことなく、かつ EVOH多層構造体を容器などに二次
加工する場合に生じるEVOH層のクラック、ピンホ−
ル、局所的偏肉などの発生を防止し、かつ レトルト処
理など吸水後の高ガスバリア−性を維持しうるEVOH
樹脂組成層および前記樹脂組成物を有する多層構造体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン含
量20〜70モル%、けん化度80%以上のエチレン一
ビニルアルコール共重合体(A)とヒドロキシ官能化ポ
リエーテルアミン(B)からなり、(A)/(B)の重
量比が1/99〜99/1である樹脂組成物(C)およ
び(C)層を用いた多層構造体を用いる事により解決さ
れる。
【0008】本発明において、EVOH(A)とは、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物であり、エチレ
ン含有量20〜70モル%、好適には22〜60モル
%、さらに 酢酸ビニル成分のけん化度が80%以上、
好適には85%以上のものが使用できる。エチレン含有
量20モル%未満では溶融成形性が悪く、一方 70モ
ル%以上では、ガスバリア−性が不足する。また、けん
化度が80%未満では、ガスバリア−性および熱安定性
が悪くなる。
【0009】また、該EVOHはエチレン含量、鹸化
度、重合度が一種あるいはそれ以上異なるEVOHを一
種あるいはそれ以上のブレンドした場合より好適であ
る。そして、該二種類あるいは、それ以上のEVOHを
ブレンドしたEVOH組成物を得る方法としては、エチ
レン含有率 あるいは/および けん化度の異なる二種
類以上のEVOHを溶液状態、あるいは溶融状態でブレ
ンドする方法、あるいはエチレン含有率の異なる二種類
以上エチレン−酢酸ビニル共重合体をブレンド、あるい
は 重合条件の変更により得られるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体組成物をけん化し、エチレン含有率 あるい
は/および けん化度の異なる二種類以上のEVOHを
含むEVOH組成物を得る方法などがある。
【0010】また、該EVOH(A)は本発明の目的が
阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレ
ン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル
{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
(メチル、エチル)など}、ビニルピロリドン(N−メ
チル−ビニルピロリドンなど)ビニルシラン系化合物
(ビニルメトキシシランなど)を共重合体すること、ま
た溶融粘性調節剤としてホウ素系化合物を添加する事も
出来る。EVOHのメルトインデックス{2160g荷
重下、190℃で測定:ただし、融点が190℃付近あ
るいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点
以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の
逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸(対数)として
プロットし、190℃に外捜した値}は0.1〜100
g/10分であることが好適である。
【0011】本発明のヒドロキシ官能化ポリエーテルア
ミンとは、下式(I)で表される繰り返し単位を有し、
二価芳香族化合物のジグリシジルエーテルを2個以上の
アミン水素を有するアミンと反応させることにより製造
されるポリエーテルアミンである。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】ところで、上式(I)中の各「A」は上式
(II)、(III)または(IV)で示されるアミドアミノ
化合物であり、式中R2はC2〜C10ヒドロカルビレンま
たは置換したヒドロカルビレンであり、R3はC1〜C10
ヒドロカルビレンまたは置換したヒドロカルビレンであ
り、R4はC2〜C10のアルキレンまたは置換したC2
10アルキレンであり、R5は独立したC1〜C10ヒドロ
カルビレンまたは置換したヒドロカルビレンである。た
だし、R5の少なくとも一つはアミド部分を含み、R6
2〜C10の三価脂肪族炭化水素、例えば三価アルカン
であり、Zはヒドロカルビノアミンであり、ピペラジ
ン、4ー(メチルアミド)アニリン、4ーメトキシアニ
リン、2ーアミノメタノール、1,2ービス(2ーエタ
ノールアミン)エタン、および1,4ービス(2ーエタ
ノールアミン)ベンゼンなどが例示される。また、各
「B」は独立に二価芳香族部分であり、ビスフェニル
A、ヒドロキノンまたはレゾルシンなどが例示される。
さらに、各「Y」は二価酸素または硫黄であり、R1
水素、一価炭化水素または置換した一価炭化水素であ
り、またXはモル分率を示し、0〜1、好適には0.1
〜1である。上記ポリエーテルアミンは、通常固体の成
形性熱可塑性樹脂であり、メルトインデックス(190
℃、2160g荷重下)は0.1〜100g/10分で
あることが好適である。
【0017】EVOH(A)とポリエーテルアミン
(B)とのブレンド重量比率(A)/(B)は1/99
〜99/1、より好適には10/90〜95/5であ
る。99/1以上では成形性の改善効果がなく。一方、
1/99未満ではバリア−性などが十分でない。
【0018】EVOH(A)とポリエーテルアミン
(B)とのブレンドの方法には特に限定されるものでは
ないが、バンバリミキサーによる方法、単軸あるいは二
軸スクリュー押出機による溶融ブレンド方法など公知の
方法が採用できる。またこのブレンドの際に、本発明の
作用効果が阻害されない範囲で他の添加剤、例えば酸化
防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、顔
料、着色剤、回収剤(ハイドロタルサイト、高級脂肪酸
塩など)、あるいはポリアミド、高吸水性樹脂、ポリオ
レフィンなどのポリマー等を配合できる。
【0019】前記した樹脂組成物(C)層の少なくとも
片面に熱可塑性重合体層を積層することにより好適な態
様である多層構造体が得られる。ここで熱可塑性重合体
としては、樹脂組成物層の耐湿性、機械的性質などをよ
り改善するものであれば、とくに限定されないが、ポリ
オレフィン{ポリエチレン(高、中、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン)、エチレン−プロピレ
ン共重合体、ポリプロピレン(PP)等}、アイオノマ
ー(IO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、ポリス
チレン(PS)があげられ、さらにはポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリアセター
ル、一酸化炭素ーエチレン共重合体からなるポリケト
ン、該ポリケトンを還元して得られたポリアルコールな
どが挙げられる。また熱可塑性重合体の種類は要求され
る特性および用途によって適宜選択される。
【0020】多層構造体は共押出、共射出、押出コーテ
ィング等公知の方法で成形され、またこれらの成形品の
スクラップを再使用することもできるし、またスクラッ
プを再使用する場合、本発明の樹脂組成物をスクラップ
中に配合すること、あるいは本発明で用いる成分(A)
または成分(B)をスクラップ中に配合することもでき
る。
【0021】多層構造体を得る場合、本発明の組成物
(C)層と熱可塑性樹脂層間に接着性樹脂層を介在させ
ることが両層を強固に接着せしめることができるので好
ましい場合が多い。ここで接着性樹脂としては、両層を
強固に接着するものであれば、特に限定されるものでは
ないが、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレ
イン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポ
リエチレン{低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLD
PE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル(メチルエステルまたはエチルエステ
ル)共重合体、ポリプロピレンなど]にグラフトしたも
の、水素化スチレン−ブタジエン共重合体の酸無水物
(無水マレイン酸など)変性物、液状ブタジエンの酸無
水物変性物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の
酸無水物変性物等のジエン系重合体酸無水物変性物等が
好適に用いられる。
【0022】多層構造体の層構成としては、樹脂組成物
(C)層/熱可塑性樹脂層、樹脂組成物(C)層/熱可
塑性樹脂層/樹脂組成物(C)層、熱可塑性樹脂層/樹
脂組成物(C)層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/
樹脂組成物(C)層/スクラップ回収層/熱可塑性樹脂
層、熱可塑性樹脂層/スクラップ回収層/樹脂組成物
(C)層/スクラップ回収層/熱可塑性樹脂層、あるい
はこれらの層の少なくとも一つの層間に前記した接着性
樹脂層を介在させたものが挙げられる。
【0023】前記した本発明の樹脂組成物より得た多層
構造体は、延伸性、熱成形性、耐ピンホール性、レトル
ト性、ガスバリアー性等の要求される食品、医薬、医療
器材、衣料などの包装材料において、またガスバリアー
性および機械的強度、特に耐衝撃性の要求されるパイ
プ、タンクなどの非食品分野などに有用である。
【0024】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定
されるものではない。なお、以下の合成例および実施例
において特に断りのない限り、「%」は「重量%」を意
味する。
【0025】実施例1 エチレン含量32モル%、鹸化度99.5モル%、メル
トインデックス値(190℃)1.3g/10分のEV
OH(A)80重量部に成分「A」がピペラジン成分
「B」がビスフェニルA、Yは2価の酸素、R1は水
素、Xは0.5である(I)式で示されるポリエーテル
アミン(B)(メルトインデックス値が8.5g/10
分)20重量部を混合後、以下の条件でペレット化を行
った。 使用押出機 :セグメント式ラボ2軸押出機(25
mm径) スクリュー形状 :Cタイプ(強混練タイプ) スクリュー回転数:230rpm 吐出量 :0.6Kg/h
【0026】該組成物(C)を用いて3種5層共押出装
置にかけ、多層シート{ポリスチレン樹脂層、接着性樹
脂層/組成物(C)層/接着性樹脂層/ポリスチレン樹
脂層}を作成した。シートの構成は、両最外層のポリス
チレン樹脂層(旭ダウ スタイロン 691)が800
μ、また接着性樹脂層(東ソ−「メルセンM−542
0」、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合
体)が各50μ、さらに中間層(C層)が50μであ
る。該シートは真空圧空熱成形機にかけ(延伸速度9×
10%/min.)130℃で成形をおこなった。その
結果、成形物は、クラック、ムラ、偏肉もなく、外観お
よび透明性も良好であった。この容器を20℃−65%
RHに調湿し、酸素透過度を測定したところ(モコン社
製10/50型)、0.7cc.20μ/m2.24h
r.atmと非常に良好なガスバリアー性を示すだけで
なく、20サンプル測定した時の測定値のバラツキ(R
=最大の酸素透過度値−最小の酸素透過度値)が0.2
と非常に小さく、信頼性の高い高ガスバリアー性容器で
あった。
【0027】また、熱成形時生じたスクラップ、トリム
を粉砕し、4種7層共押出装置にかけ、多層シート{ポ
リスチレン樹脂層/回収層/接着性樹脂層/組成物
(C)層/接着性樹脂層/回収層/ポリスチレン樹脂
層}を作成した。シートの構成は、両最外層のポリスチ
レン樹脂層200μ、回収層600μまた接着性樹脂層
が100μ、さらに中間層(C層)が50μである。該
シートのシート成形性および熱成形性は良好であり、容
器の落下破袋強度も回収層未使用品と大差なかった。
【0028】比較例1 実施例1で用いた組成物(C)の代りに、エチレン含量
32モル%、けん化度99.5%のEVOH(A)を用
いたほかは、実施例1と同様にして多層容器を得たが、
該容器は、クラック、ムラ、偏肉があり不良好であっ
た。顕微鏡の観察の結果、EVOH層に微小なボイドが
無数に見受けられた。この容器を20℃−65%RHに
調湿し、ガスバリアー性を測定したところ(モコン社製
10/50型)、酸素透過度5.5cc.20μ/
2.24hr.atmとガスバリアー性が不良であっ
た。
【0029】また、実施例1と同様、4種7層共押出シ
ート成形に於いて、多層シートの外観は波打っており流
動異常をうかがわせた。そのためか、熱成形容器にはム
ラ、偏肉が存在し、透明性も不良であった。更に、容器
の落下破袋強度も回収層未使用品の約1/4に低下して
いた。
【0030】実施例2 実施例1で用いた組成物(C)を用いて3種5層共押出
装置にかけ、多層シート{ポリプロピレン樹脂層、接着
性樹脂層/組成物(C)層/接着性樹脂層/ポリプロピ
レン樹脂層}を作成した。シートの構成は、両最外層の
ポリプロピレン樹脂層(三井石油化学 ノ−ブレンPY
220)が200μ、また接着性樹脂層(三井石油化学
アドマ−QF500 無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン)が各12μ、さらに中間層(C層)が12μであ
る。該シートを20X20cmの平袋にし、水を入れ2
0℃/65%RHで調湿後、モコン社製OXTRANで
酸素透過性(ガスバリアー性)を測定した結果、0.8
cc.20μ/m2.day.atmと良好であった。
【0031】この容器に水充填、上蓋、周囲をヒ−トシ
−ルした後、レトルト装置{(株)日坂製作所、高温高
圧調理用殺菌試験装置RCS−40ORTGN}を使用
し、120℃の殺菌処理を実施した。殺菌処理後のカッ
プは透明性(白化)不良、外観不良、形態の不良は認め
られなかった。また、20℃/65%RHで一週間放置
あとのガスバリアー性は1.2cc.20μ/m.d
ay.atmと良好であった。
【0032】比較例2 実施例1の組成物(C)をエチレン含量32モル%、け
ん化度99.5%のEVOH(A)に変更したほかは、
実施例2と同様にしてフィルムを得た。このフィルムの
ガスバリアー性を実施例2と同様に測定した結果、レト
ルト前では1.2cc.20μ/m2.day.atm
と良好であったが、レトルト後では8.3cc.20μ
/m2.day.atmとバリアー性の悪化が顕著であ
った。
【0033】実施例3 実施例1で用いた組成物(C)を3種5層共押出装置に
かけ、多層フィルム{ポリエチレン樹脂層/接着性樹脂
層/組成物(C)層/接着性樹脂層/ポリエチレン樹脂
層}を作成した。該多層フィルムの構成は、両最外層の
ポリエチレン樹脂層が60μ、また接着性樹脂層(三井
石油化学:アドマー NF−500、マレイン酸変性ポ
リエチレン)が各10μ、さらに中間層(C層)が10
μである。
【0034】得られたこれらの多層フィルムはゲルボフ
レックステスターによる耐屈曲性、及び接着性の評価を
実施した。その結果、屈曲回数260回で始めて貫通孔
(ピンホール)が発生、またEVOH/Ad間の接着強
度も350g/15mm巾と比較的良好な性能を示し
た。この多層フィルムはバックインボックスの内袋とし
て有用であった。
【0035】比較例3 実施例1の組成物(C)をエチレン含量32モル%、け
ん化度99.5%のEVOH(A)に変更したほかは、
実施例3と同様にしてフィルムを得た。このフィルムの
耐屈曲性は150回と不満足な結果であった。
【0036】実施例4 エチレン含量47モル%、鹸化度99.0モル%、メル
トインデックス値(190℃)5.5g/10分のEV
OH(A)80重量部に成分「A」がエタノールアミン
成分「B」がビスフェニルA、Yは2価の酸素、R1
水素、Xは1である(I)式で示されるポリエーテルア
ミン(B)(メルトインデックス値が1.5g/10
分)、20重量部を混合後、実施例1の条件でペレット
化を行った。該組成物(C)を3種5曹共押出装置にか
け、多層シートを作成した。シートの構成は両最外層
{EVA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレック
スEV−340)}が各300μまた接着性樹脂層(三
井石油化学 アドマーVF−600)が各50μ、さら
に中間層(C層)は50μである。得られたシートをパ
ンタグラフ式二軸延伸機にかけ、70℃で延伸倍率3×
3倍で同時二軸延伸を行った。得られた多層熱収縮フィ
ルムはクラック、ムラ、偏肉もなく、外観、透明性も良
好であった。このフィルムを20℃−100%RHに調
湿し、ガスバリアー性を測定したところ(モコン社製1
0/50型)、酸素透過度15cc.20μ/m2.2
4hr.atmと良好なガスバリアー性を示した。また
70℃での熱収縮性を測定した所、50%の面積収縮率
を示した。
【0037】実施例5 実施例1で用いた組成物(C)のペレットを4種5層共
押出多層パイプ成形装置にかけ、多層パイプを作成し
た。パイプの構成は最外層(12ナイロン層)が450
μ、接着性樹脂層が各50μ、6ナイロン層が100
μ、組成物(C)層が150μであり、最内層(6ナイ
ロン層)が250μである。得られたパイプの末端に金
属製金具を取付け、R(半径)=30cmでループ状に
巻き、ガソリンを充填し、40℃−65%RH条件下で
1年間放置したが、クラック、ガソリンバリアー性の悪
化は認められなかった。加速試験として、該パイプの胴
部を輪切りにし、10%引張伸度が付加出来るように、
パイプ内径周囲長さより10%長い外周径を持つ円柱状
の治具で該輪切りパイプを押し広げ(10%引張伸度付
加)、40℃、15%メタノール含有ガソリンに3時間
浸漬し、ストレスクラック性の評価を行ったが、クラッ
クは認められなかった。また、該パイプのガソリン透過
度は0.1g/m2.dayであった。
【0038】比較例4 実施例1の組成物(C)をエチレン含量32モル%、け
ん化度99.5%のEVOH(A)に変更したほかは、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られた100
μの単層フィルムを、実施例1と同様にガソリン浸漬し
た結果、ストレスクラックが認められた。また、3種5
層共押出多層ダイレクトブローによる多層容器に実施例
1と同様にガソリン浸漬した結果、1年間放置後のガソ
リンバリアー性は0.01から0.9g/m2.day
まで上昇し、クラックによると推定される、ガソリンバ
リアー性の悪化が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性、耐屈曲性、
耐ピンホール性などの機械的性質およびレトルト時のガ
スバリアー性に優れ、さらに延伸収縮性、熱成形性に優
れ、さらにガソリンなどの有機液体に対する耐ストレス
クラック性の優れた樹脂組成物および多層構造体が得ら
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含量20〜70モル%、けん化
    度80%以上のエチレンービニルアルコール共重合体
    (A)とヒドロキシ官能化ポリエーテルアミン(B)と
    からなり、(A)/(B)の重量比が1/99〜99/
    1である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物層を有する多
    層構造体。
JP7582295A 1995-03-31 1995-03-31 樹脂組成物および多層構造体 Pending JPH08269260A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000069960A1 (en) * 1999-05-14 2000-11-23 The Dow Chemical Company Process for preparing starch and epoxy-based thermoplastic polymer compositions
JP2008536731A (ja) * 2005-04-18 2008-09-11 アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ ルクセンブルク エスアー 耐水性の塗布物およびその製造方法

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