JP2001295524A - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JP2001295524A
JP2001295524A JP2000110702A JP2000110702A JP2001295524A JP 2001295524 A JP2001295524 A JP 2001295524A JP 2000110702 A JP2000110702 A JP 2000110702A JP 2000110702 A JP2000110702 A JP 2000110702A JP 2001295524 A JP2001295524 A JP 2001295524A
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control
transmission output
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JP2000110702A
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Kentaro Hara
健太郎 原
Shuji Yamashita
収司 山下
Atsushi Kawano
淳 川野
Koichi Mizozoe
公一 溝添
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キーレスエントリーシステムとしての機能
と、イモビライザーシステムとしての機能を併せ持つ制
御装置(携帯機と本体機間で照合確認等のための無線通
信を行うもの)において、制御対象が切り替わっても通
信可能範囲を最適に維持して高い防犯性と利便性を確保
し、しかも簡素な装置構成とする。 【解決手段】 携帯機10又は本体機20の制御回路5
5又は21aが、前記無線通信のための一組の照合用通
信手段の送信出力を、制御対象に応じて切り替える構成
とする(イモビライザーシステムでは通信可能範囲を車
室内だけの比較的狭いものに切り替える構成とする)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエントリー
システムやイモビライザシステムなどの防犯性と利便性
が要求されるシステムにおいて、認証コード(IDコー
ド、又は鍵コードなどとも呼ばれる)の照合確認(いわ
ゆるID認証)を伴う動作(例えば車両ドアの解錠動作
やエンジン始動許可等)を使用者のめんどうな操作を要
することなく実現する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置を含むシステム
としては、例えば、近年では広く普及している車両のキ
ーレスエントリーシステム、或いは近年登場したスマー
トエントリーシステム(キーレスエントリーシステムの
発展型であり、ハンズフリーエントリーシステムなどと
も呼ばれる)がある。これは、使用者が携帯可能な携帯
機と、制御対象側(この場合、車両側)に設置された本
体機(この場合、車載機)とを有し、これらの間で無線
通信により認証コードの照合確認を行い、この照合結果
が一致であることを必要条件として、前記本体機の制御
により所定の制御対象(この場合、車両ドアの錠装置)
の所定の動作(解錠動作や施錠動作)を実現するもので
ある。なお、一般的なキーレスエントリーシステムは、
通常、携帯機に設けられた特定のボタンなどを使用者が
操作することで、携帯機から認証コードを含む特定の操
作信号(例えば車両ドアの解錠指令)が無線送信され、
これを受信した本体機がその受信信号中に含まれる認証
コードが予め本体機に設定されている認証コードに対応
していることを確認した上で(即ち、照合確認した上
で)、所定の制御対象を制御するための所定の出力(例
えば、車両ドアの解錠のための制御信号出力)を行う構
成、即ち、携帯機(この場合、送信機)から本体機(こ
の場合、受信機)への一方向の通信のみが行われる単方
向通信式のものである。上述した携帯機のボタンなどの
操作手段は、1個だけの場合もあるし、複数設けられて
複数の操作(例えば、車両ドアの施解錠の他、トランク
の解錠、エンジンの始動等)が可能なものもある。一
方、スマートエントリーシステムは、携帯機と本体機
が、通信可能範囲内の距離にある状態で、例えば、なん
らかの条件成立(例えば、使用者が車両に接近したこと
を検出するセンサの検出信号の出力)をトリガ(きっか
け)として、或いは常に間欠的に、自動的に照合確認の
ための無線通信(単方向通信或いは双方向通信)を行
い、本体機がその状況に応じた制御処理(例えば、施錠
された車両ドアの解錠制御)を自動的に行うものであ
る。この場合には、使用者がなんら操作をしなくても、
制御対象の所定の動作を実現することができるので、利
便性の極めて高いエントリーシステムとなる。
【0003】そして、このようなシステム(例えば、キ
ーレスエントリーシステム又はスマートエントリーシス
テム、或いは両者を組み合わせたシステム)では、車両
のさらなる付加価値向上や利便性或いは防犯性向上等の
市場要求に対応して、さらなる多機能化や機能の高度化
が要望されており、一組の携帯機と本体機により複数の
制御対象を無線通信による照合確認を前提として制御す
るものが検討されている。例えば、従来の鍵による物理
的な照合に加えて、認証コードの照合確認結果が一致と
なったことを必要条件として車両エンジンの始動等を許
可するいわゆるイモビライザシステムの機能と、上述し
たようなキーレスエントリーシステム(好ましくはスマ
ートエントリーシステム)の機能とを併せ持ったシステ
ム(複数の制御対象を無線通信による照合確認をそれぞ
れ行った上で制御する制御装置)が要望されている。即
ち、例えば、所定の携帯機を携帯した使用者が車両に近
づくと、施錠されていたその車両のドアの錠装置が自動
解錠され、その後ドアを開けて車両に乗り込むと自動的
にイモビライザシステムの機能が働いて、その車両のエ
ンジン始動が許可される(通常の鍵の操作によるイグニ
ションスイッチの作動でエンジンが始動する状態とな
る)、といったことが可能となる制御装置が要望されて
いる。
【0004】ところが、上述したような無線通信を使用
した制御装置は、従来、携帯機と本体機の送信出力が一
定値に設定されていた。なお、特開平10−61275
号公報には、車両ドアの施解錠と車両エンジンの始動停
止などを遠隔操作により行う無線装置が開示されてお
り、この無線装置は、受信したアンロック信号(解錠指
令の信号)の電界強度が基準値より小さいときには、信
号を無視する(解錠制御を実行しない)機能を有する
が、この装置においても、携帯機や本体機の送信出力を
変化させる構成にはなっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、上述したよ
うに異なる複数の制御対象の制御を行う無線通信式の制
御装置には、従来以下のような課題があった。 (1)即ち、制御対象によっては、特に認証コードを含
む信号の通信の際の携帯機又は本体機の送信出力(換言
すれば、通信可能範囲)が、大きすぎたり小さすぎたり
して、利便性と防犯性の両者を常に高く維持できない問
題があった。というのは、例えばキーレスエントリーシ
ステムやスマートエントリーシステム(ドアの錠装置を
制御対象とする制御装置)の場合には、車両等から比較
的離れた位置に携帯機がある場合でも機能するように
(即ち、利便性重視のために)、比較的広い通信可能範
囲が要望される。なお、例えば特開平2−167972
号公報においては、防犯性に重きをおいて、通信可能範
囲をドア近傍に限定しているが、使用者の利便性の観点
から考えると、使い難くなってしまい実用向きではな
い。一方、例えばイモビライザシステムの場合には、認
証コードの盗難がそのまま車両自体の盗難につながるた
め、防犯性を重視する必要があり、通信可能範囲はでき
るだけ狭くする必要がある。このため、例えばキーレス
エントリーシステムやスマートエントリーシステムの機
能と、イモビライザシステムの機能を併せ持った装置の
場合、一方のシステムに好ましい送信出力とすれば、他
方のシステムにとっては、通信可能範囲が広すぎる(防
犯性が低下する)結果となったり、或いは通信可能範囲
が逆に狭すぎる(利便性が低下する)結果となる。
【0006】(2)なお、上記問題点を解決すべく、携
帯機や本体機に、送信出力の異なる通信手段(送受信回
路等)を制御対象毎に設けることが考えられるが、携帯
機や本体機が大型化しその重量も増加するとともに、装
置のコストも増大する不利がある。そこで本発明は、前
述したような複数の制御対象を持つ無線通信式の制御装
置(照合確認を行うもの)であって、上述したような問
題点が解消され、制御対象が異なっても高い防犯性と利
便性を確保でき、しかも小型かつ軽量で安価な制御装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による制御装置
は、使用者が携帯可能な携帯機と、複数の制御対象を含
む物に搭載、付設、又は接続され、前記携帯機との間で
無線通信を行って所定の携帯機であることを照合確認し
た上で制御対象の所定の動作を実現するための制御処理
を実行する本体機とを有する制御装置であって、前記携
帯機及び前記本体機は、前記照合確認のための無線通信
を少なくとも実行する一組の照合用通信手段を備え、前
記携帯機又は/及び前記本体機は、前記照合用通信手段
の送信出力を、制御対象又は制御内容に応じて切り替え
る機能を有する処理手段を備えるものである。
【0008】この発明の制御装置は、携帯機と本体機に
それぞれ一組の照合用通信手段が設けられた構成である
ため、装置全体(携帯機と本体機)が小型かつ軽量で安
価に実現できる。しかも、このような簡素な構成であり
ながら、上記送信出力の切り替えによって、制御対象等
に応じた好ましい通信可能範囲(必要十分かつ必要最小
限の通信可能範囲)が実現でき、防犯性と利便性のバラ
ンスを常に良好に維持できる。なおここで、「制御対象
を含む物」は、制御対象自体である場合も当然あり、ま
た具体的には、例えば車両などの乗物、機械、機器、建
造物又は設備などがあり得る。また、「照合用通信手
段」は、携帯機と本体機の間で双方向通信を行う場合に
は、無線信号の送受信のための送受信回路とアンテナよ
りなるものであり、携帯機から本体機への一方向通信を
行う場合には、携帯機側は無線信号の送信のための送信
回路とアンテナよりなるものであり、本体機側は無線信
号の受信のための受信回路とアンテナよりなるものであ
る。なお、アンテナは必ずしも一つに限られず、例えば
車両に搭載された本体機のアンテナが車両の左右両側に
1個づつあるような態様もあり得る。また、送信出力を
切り替える「処理手段」は、例えばマイクロコンピュー
タ(以下、マイコンという)を含む制御回路により実現
される。また、送信出力の切り替え(後述の調整含む)
は、携帯機側のみについて行ってもよいし、本体機側の
みについて行ってもよいし、両方について行ってもよ
い。また、同一の制御対象であっても、制御内容によっ
て送信出力を切り替えてもよい。例えば、車両ドアの錠
装置を解錠する際の送信出力については、比較的低く
(通信可能範囲を比較的狭く)し、車両ドアの錠装置を
施錠する際の送信出力については、比較的高く(通信可
能範囲を比較的広く)してもよい。
【0009】また、前記送信出力の切り替えは、例え
ば、制御対象毎又は制御内容毎に予め不揮発性メモリ等
に設定された送信出力の値に切り替えることによって行
うことができる。この場合、処理手段による送信出力の
切り替えのための処理が簡単になり、処理手段を構成す
るマイコン等の負荷(例えばメモリ容量やCPUへの負
担)も少なくてすむ利点がある。また、好ましくは(マ
イコン等の負荷が特に問題とならない場合には)、前記
処理手段が、前記送信出力を切り替える際に、前記送信
出力を通信可能な必要最小限の値にその都度調整する機
能を有しているとよい。このようにすると、装置のばら
つきや経年変化などの影響、さらにはその時点の状況
(本体機と携帯機の実際の距離や位置関係、無線通信に
影響を及ぼす周囲の物体の存在や位置、或いは温度等)
に応じて、最も好ましい値(必要十分かつ必要最小限の
通信可能範囲を実現するもの)に前記送信出力が設定さ
れるから、十分な利便性を確保しつつ、防犯性を最大限
に高められる。ここで、送信出力の調整は、複数あるう
ちの特定の制御対象(通信可能範囲の最適化が特に高度
に要求されるもの;例えば車両のエンジンやエンジン制
御システムが制御対象の場合等)のみについて行っても
よい。
【0010】なお、送信出力の調整は、例えば以下のよ
うな装置構成や処理機能で実現できる。第1には、前記
照合用通信手段に対して少なくともアンテナ部分を別個
に設けた調整用通信手段を設置し、前記処理手段の機能
によって、前記調整用通信手段と、前記照合用通信手段
との間の調整用無線通信を1回以上行い、この調整用無
線通信の可否結果に基づいて、前記送信出力を通信可能
な必要最低限の値に設定することによって行うことがで
きる。この場合、本体機側の照合用通信手段のアンテナ
設置位置に無関係に、携帯機側の照合用通信手段の送信
出力の調整が、前記調整用通信手段のアンテナとの位置
関係で可能になる。また、携帯機側の照合用通信手段の
アンテナ位置に無関係に、本体機側の照合用通信手段の
送信出力の調整が、前記調整用通信手段のアンテナとの
位置関係で可能になる。このため、前記調整用通信手段
のアンテナの設置位置の設定により、通信可能範囲(位
置や広さ)の設定の自由度が向上して、制御対象に応じ
たより好ましい通信可能範囲の実現が容易に可能にな
る。例えば、車両のエンジン制御システムを制御対象と
して、照合確認を伴うエンジンの始動・停止制御或いは
始動・停止許可制御(即ち、例えばエンジン制御に関す
るイモビライザシステムとしての機能)を本制御装置の
ような無線通信装置によって行おうとする場合、携帯機
を携帯した使用者が車室内に居るときに通信が可能とな
れば利便性の点では十分であるため、本体機から送信さ
れる無線信号の通信可能範囲(受信可能範囲)も車室内
にある携帯機から送信される無線信号の通信可能範囲
(受信可能範囲)も、車室内ぎりぎりのところまでに設
定するのが好ましい(車室外に無線信号がほとんど漏れ
ないようにすれば、防犯性の点でも十分となる)。そこ
で例えば、車室内ぎりぎりのところ(ドアやピラーの位
置)に調整用通信手段のアンテナを配置しておいて、こ
のアンテナに対する通信が可能となる必要最低限の送信
出力に調整すれば、たとえ本体機側の照合用通信手段の
アンテナが車室の中央にあったとしても、通信可能範囲
を車室内ぎりぎりに実現することが確実かつ容易にでき
る。
【0011】また第2には、前記処理手段の機能によっ
て、携帯機の照合用通信手段と、本体機の照合用通信手
段との間の調整用無線通信を1回以上行い、この調整用
無線通信の可否結果に基づいて、前記送信出力を通信可
能な必要最低限の値に設定することによって行うことも
できる。この場合、装置の動作信頼性を高く維持しなが
ら、通信可能範囲をできるだけ好ましいものに維持でき
る。すなわち、最終的に制御のための照合確認を行う照
合用通信手段同士の通信が可能となる最低限の送信出力
に調整されるため、照合用通信の確実性が高く確保さ
れ、なおかつ照合用情報(重要な認証コードの情報等)
を含む無線信号が無用に広い範囲に送信されてしまう弊
害ができるだけ回避される。また第3には、前記携帯機
又は/及び本体機に受信信号の電界強度を測定する電界
強度測定手段を設けるとともに、必要に応じて前記調整
用通信手段を設置し、前記処理手段の機能によって、前
記調整用通信手段と前記照合用通信手段との間の調整用
無線通信、或いは前記照合用通信手段同士の調整用無線
通信を1回以上行い、この調整用無線通信で受信した信
号についての前記電界強度測定手段の測定結果に基づい
て、前記送信出力を通信可能な必要最低限の値に設定す
ることによって行うこともできる。この場合、1回の調
整用無線通信で得られた受信信号の電界強度の測定値か
ら、送信出力の過不足が定量的に把握できる。このた
め、調整用無線通信の回数が少なくても、送信出力(即
ち、通信可能範囲)の最適化が比較的簡素で高速な処理
によって迅速に可能となる利点がある。なお、送信出力
の調整は、以上説明した第1〜第3の構成のうちの複数
を組み合わせて、各構成の短所を補いながら実現しても
よい。また、例えば携帯機側の送信出力を、本体機側と
の調整用無線通信によって調整する場合、本体機側での
受信可否結果(或いは、受信信号の電界強度)の情報
(受信情報)を、携帯機側に報知信号として無線通信で
送って、それを受けた携帯機側の処理手段がその情報に
基づいて送信出力を設定すればよい(本体機と携帯機が
逆の関係でもよいし、或いは相互に受信情報を通知し合
って両方で送信出力調整を行う構成でもよい)。
【0012】また、この発明の好ましい態様としては、
前記調整用無線通信で送受信する調整用信号には、前記
照合確認のための認証コードが含まれていない構成が好
ましい(但し、所定の制御対象の動作を実現できない他
の認証コードが含まれていてもよい)。このようにすれ
ば、調整用無線通信の際に送信された信号が不正に受信
されて防犯上重要な認証コードの盗難が起きることが防
止できるため、高い防犯性が確保できる。また、この発
明の好ましい別の態様としては、前記携帯機又は使用者
の前記本体機又は前記物に対する接近、後退、又は相対
移動、或いは、前記制御対象の所定の動作に関連する使
用者又は前記物の動作を検出する検出手段を備え、前記
処理手段が、前記検出手段の検出信号、或いはこの検出
信号の内容を報知すべく無線送信された報知信号に基づ
いて、制御対象又は制御内容が切り替わったことを判断
して、前記送信出力の切り替え(調整含む)を実行する
構成でもよい。このような構成であると、上記検出手段
の検出結果をきっかけ(トリガ)として前記送信出力の
切り替えを行うことが可能となり、制御対象が切り替わ
ったことの判断のための特別な処理を前記処理手段にお
いて実行する必要がなくなる利点があり、なおかつ制御
対象の切り替わりの判断が的確になる。なおここで、上
記検出手段は、使用者の身体を検出するセンサ(例え
ば、磁気式又は光学式の近接センサ)であってもよい
し、前記物としての車両のドアの開閉やドアノブの作動
状態を検出するセンサであってもよい。例えば、車両の
錠装置(施解錠動作)とエンジン制御システム(エンジ
ン始動・停止の許可制御等)を制御対象とする場合、例
えば携帯機を携帯した使用者が車室外から車室内に入っ
たときに、制御対象が錠装置からエンジン制御システム
に切り替わることになるから、携帯機又は使用者が車室
外から車室内に入る動作(車両への使用者の接近、ドア
ノブへの手の接近や接触、座席に座る動作等)、或いは
それに関連する車両の動作(ドアの開閉や、ドアノブの
作動)等を直接的又は間接的に検出する検出手段を設け
ることで、このような制御対象や制御内容の変化を検知
判断できる。また、「検出信号の内容を報知すべく無線
送信された報知信号」とは、検出手段が本体機側に設置
されて本体機側の処理手段のみにその検出信号が入力さ
れている場合、その検出結果を必要に応じて本体機側か
ら携帯機側に無線信号で通知する信号である。
【0013】また、本発明の制御装置における、前記物
が乗物(例えば、自動車、バイク、小型飛行機等)であ
って、前記制御対象が、乗物のドアの施錠又は解錠を行
う錠装置、及び乗物の搭載物(例えば、エンジン等の駆
動源、トランスミッション等の駆動装置、ハンドル等の
操縦装置、盗難防止装置、又はオーディオシステムやナ
ビゲーションシステム或いはエアコン等の搭載機器)で
あり、前記制御処理は、前記錠装置の施錠動作又は解錠
動作を実現する信号出力、及び前記搭載物の稼働を許可
する信号出力又はデータ設定動作、或いは前記搭載物の
稼働を指令する信号出力であってもよい。この場合、照
合確認を伴う乗物の施解錠システム(即ち、いわゆるエ
ントリーシステム)と、乗物の搭載物の照合確認を伴う
制御システム(例えば、イモビライザーシステム)の機
能を併せ持った安価な制御装置であって、しかも防犯性
と利便性が最大限に高められた制御装置が実現できる。
なおここで、「搭載物の稼働を許可するデータ設定動
作」とは、例えば本体機内の情報処理において、搭載物
の稼働を許可するフラグをたてるなどの内部処理を意味
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (第1形態例)まず、第1形態例について説明する。本
形態例は、図1(b)に示すよな例えば2ドアタイプの
車両1のエントリーシステム及びエンジン制御システム
(イモビライザの機能を有するもの)の制御装置に本発
明を適用した例である。この装置は、図1(a)に示す
ように、携帯機10と、車両1に搭載した本体機20
と、送信出力調整用の調整用アンテナ40とよりなる。
ここで、調整用アンテナ40は、本発明の調整用通信手
段を構成している。また、図1(a)において、符号2
4,25は、車両1の左右のドアの開閉状態を検出する
ドア開閉センサを示し、符号31は、車両1のドア錠装
置の駆動源であるドアロックアクチュエータを示し、ま
た符号32は、車両1のエンジン制御システムのコント
ロールユニットを示す。なお、上記ドア開閉センサ2
4,25は、この場合後述するように、送信出力切り替
え(調整)のトリガ(きっかけ)を形成するためのセン
サ(本発明の検出手段)である。
【0015】携帯機10は、例えば図2(a)に示すよ
うに、電磁波による非接触式の電力伝送により電力(ウ
ェイクアップ信号)を受けるための受電手段(即ち、ア
ンテナ51及びトリガ受信回路52)と、前記電力伝送
の周波数(例えば、100〜200KHz)とは異なる
通信用周波数(例えばUHFバンド内の周波数)で信号
を無線通信するための携帯機側通信手段(即ち、アンテ
ナ53a,53b及び送受信回路54)と、携帯機全体
の制御処理や認証コード等の記憶保持を実現するマイコ
ンを含む制御回路55と、内蔵電池56と、この内蔵電
池56の電力を電力消費要素(送受信回路54や制御回
路55やトリガ受信回路52など)に供給する電源回路
57と、制御回路55を間欠的に起動させるためのタイ
マ回路58と、制御回路55の電源オン及び電源オフの
際に制御回路55のCPU(図示省略)に対してリセッ
ト信号を出力するリセット回路59と、電力伝送(ウェ
イクアップ信号の受信)に関わる電源制御を行う電源制
御回路60とを、内部に備える。また、この携帯機10
の操作表面には、押しボタン式の操作部である施錠用ス
イッチ11と解錠用スイッチ12(図1(b)参照)と
が設けられている。なおこの場合、携帯機側通信手段
(即ち、アンテナ53a,53b及び送受信回路54)
は、本発明の照合用通信手段を構成している。また、制
御回路55は、本発明の処理手段に相当している。
【0016】ここで、受電手段を構成するトリガ受信回
路52や、送受信回路54や、電源回路57や、電源制
御回路60等の詳細構成については、本発明は特に限定
されず、少なくとも公知の各種構成が採用できるので、
特に説明しない。主要な要素の概要を説明すると、トリ
ガ受信回路52は、例えば、アンテナ51に生じた誘導
起電力からDC電力を生成する整流回路等とよりなる。
また、送受信回路54は、アンテナ53a,53bを介
して所定の通信用周波数で無線通信するための回路(変
調回路や復調回路、或いは発信回路等)などを備えるも
のである。また制御回路55は、CPU,ROM,RA
Mや入出力回路(図示省略)を含むマイコンを備え、さ
らに認証コード等の記憶手段として、例えば書き込み消
去可能な不揮発性の携帯機側記憶手段(例えば、E
ROM;図示省略)を有する。なお、図2(b)におい
て符号55aで示すものは、制御回路55の動作に必要
な基本パルス信号を生成する発振器である。また、電源
回路57は、必要な電圧変換や電圧の安定化処理等を行
う回路を有するものである。また、電源制御回路60
は、受電手段(即ち、アンテナ51及びトリガ受信回路
52)により受電された電力(ウェイクアップ信号)を
トリガとして、制御回路55をいわゆるスリープ状態
(消費電力がほぼゼロの状態)から通常状態(スリープ
状態でない状態)に切り替える制御を行う回路である。
なおこの場合、制御回路55の通常状態からスリープ状
態への切り替えは、制御回路55自身の制御処理により
実現される。また、施錠用スイッチ11又は解錠用スイ
ッチ12が操作されると、制御回路55は必要に応じて
当然スリープ状態から通常状態に移行して、このスイッ
チ操作を受け付ける。また、制御回路55は、いずれの
状態(スリープ状態或いは通常状態)においても、タイ
マ回路58の作用によって所定周期で間欠的に起動する
構成となっており、消費電力が必要最小限に抑えられて
いる。なお、図2(b)において符号58aで示すもの
は、タイマ回路58の動作に必要な基本パルス信号を生
成する発振器である。
【0017】また、上記制御回路55は、通常状態にお
いて、そのマイコンの動作プログラム設定等によって、
以下のような処理動作を実行する機能を有する。即ち、
図1(b)に示すように、起動中に、本体機20から無
線送信されるリクエスト信号を送受信回路54を介して
受信することを条件として、前記記憶保持手段に予め登
録された複数の認証コード(ドアロック制御用、エンジ
ン始動・停止制御用、出力調整用など)のうちその時点
の制御モードに対応したものを含むアンサー信号を送受
信回路54を介して無線送信する機能を有する。また、
本体機21から送信されるモード切替信号に応じて、制
御モードをドアロック制御モードからエンジン始動・停
止制御モードに切り替えて、出力調整を行う機能などを
有する(これについては、詳細後述する)。また、施錠
用スイッチ11又は解錠用スイッチ12が操作される
と、ドアロック制御用認証コードを含む施錠指令信号、
或いは同認証コードを含む解錠指令信号を無線送信する
機能も有する。なお、これら施錠指令信号又は解錠指令
信号が送信され、これらが本体機20で受信されると、
本体機20の制御機能で照合確認がなされた上で車両1
のドアを施錠又は解錠する動作が実行される。即ち、携
帯機10と本体機20とよりなる本形態例の制御装置
は、一般的なキーレスエントリーシステムの制御装置
(前述した単方向通信式のもの)と同じ機能をも実現す
る構成となっている。
【0018】一方、本体機20は、図1(a)に示すよ
うに、コントロールユニット21と、通信用のアンテナ
22とを備える。アンテナ22は、この場合、車両1の
室内の前方部(例えば、インスツルメントパネルの上な
ど)に設けられている。なお、これに対して調整用アン
テナ40は、例えば、車両1の室内の窓際(ピラー近
傍)に設けられている。なお、この場合のアンテナ22
は、ウェイクアップ信号送信用(電力伝送用)及び通常
の信号の送受信用(前記通信用周波数での無線通信用)
として共用されているが、例えば、通常の信号の送受信
用としてのアンテナと、電力伝送用のアンテナを別個に
設けてもよい。
【0019】コントロールユニット21は、マイコンを
含む制御回路21aと、電力伝送により電力を送出した
り、通信用周波数で信号を無線通信するための送受信回
路21bと、電源回路や間欠起動用のタイマ回路など
(図示省略)を備える。なおこの場合、上記本体機側通
信手段(即ち、アンテナ22及び送受信回路21b)
は、本発明の照合用通信手段を構成している。また、調
整用アンテナ40と送受信回路21bは、本発明の調整
用通信手段を構成している。また、制御回路21aは、
本発明の処理手段に相当している。ここで、前記送受信
回路21bや電源回路等の詳細構成については、本発明
は特に限定されず、少なくとも公知の各種構成が採用で
きるので、特に説明しない。主要な要素の概要を説明す
ると、前記送受信回路21bは、アンテナ22から電力
伝送を行うための発信回路等や、アンテナ22を介して
所定の通信用周波数で無線通信するための回路(変調回
路や復調回路、或いは発信回路等)よりなるものであ
る。また制御回路21aは、CPU,ROM,RAMや
入出力回路(図示省略)を含むマイコンを備え、さらに
認証コード等の記憶手段として、例えば書き込み消去可
能な不揮発性の本体機側記憶手段(例えば、EPRO
M;図示省略)を有する。この制御回路21aは前記タ
イマ回路の作用によって所定周期で間欠的に起動するこ
とによって、消費電力が必要最小限に抑えられている。
また、前記電源回路は、車両1に搭載されたバッテリー
(図示省略)を入力電源として、必要な電圧変換や電圧
の安定化処理等を行う回路を有するものであり、本体機
20の各電力消費要素(制御回路21a、送受信回路2
1b等)に電源供給を行っている。
【0020】また、上記制御回路21aは、そのマイコ
ンの動作プログラム設定等によって、以下のような処理
動作を実行する機能を有する。即ち、例えば前述のタイ
マ回路によって起動する度に、図1(b)に示すよう
に、送受信回路21bによって携帯機10のウェイクア
ップ信号となる所定電力を送出した後、アンサー信号を
求めるリクエスト信号を送受信回路21bにより無線送
信し、このリクエスト信号の送信後に携帯機10から前
記アンサー信号を送受信回路21bにより受信すると、
前記アンサー信号に含まれる認証コードが前記本体機側
記憶手段に予め登録された認証コードに対応しているか
否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば照合確認
がなされたとして、その時点の制御モードに応じた所定
の制御処理を実行する機能を有する(後述する)。
【0021】なお、本体機20側の制御機能としては、
上述したような双方向通信によって照合確認がなされた
上で実行される制御機能以外にも、例えば次のような機
能が設けられていてもよい。すなわち、この場合、本体
機20は、携帯機10の説明で既述したように、携帯機
10のスイッチ(例えば、前述した施錠用スイッチ11
や解錠用スイッチ12)操作によって、携帯機10から
送信された無線信号(例えば、認証コードを含む施錠指
令信号)を受信すると、認証コードの照合確認をした上
でその無線信号に含まれる指令に応じた動作(例えば、
車両1のドアを施錠する動作)を実現する制御信号出力
を実行する機能(即ち、一般的な単方向通信式のキーレ
スエントリーシステムと同じ機能)をも有している。
【0022】次に、本制御装置の特徴的な動作例を、そ
のための携帯機10や本体機20の制御処理内容ととも
に説明する。図3は、本制御装置の動作の流れを示すフ
ローチャートである。まず、携帯機10や本体機20の
処理(制御回路55,21aの処理)によって、初期状
態においては、制御モードが、ドアロック制御モードに
設定されている(ステップS1)。ドアロック制御モー
ドとは、ドアの施解錠制御(エントリシステムとしての
制御)を実行する場合のモードであり、このドアロック
制御モードにおいては、携帯機10や本体機20の送受
信回路54,21bの送信出力は、エントリーシステム
に好ましい比較的大きな初期値(例えば、図8(a)に
示すような比較的広いエントリ用通信可能範囲を実現す
る値)となっている。そして、前述のウェイクアップ信
号となる所定電力が本体機20から送出されたときに、
携帯機10が上記エントリ用通信可能範囲内に存在し、
かつ携帯機10が起動していてこのウェイクアップ信号
を受電すると、前述したように携帯機10の制御回路5
5がスリープ状態から通常状態に切り換わり、その後本
体機20から送信されるリクエスト信号も携帯機10に
よって受信される。すると、制御回路55の処理によっ
て、このリクエスト信号に答えて、ドアロック制御用認
証コード(施解錠IDコード)を含むアンサー信号が、
携帯機10から送信される(ステップS2)。或いは、
携帯機10の施錠用スイッチ11又は解錠用スイッチ1
2が操作されると、ドアロック制御用認証コードを含む
施錠指令信号、或いは同認証コードを含む解錠指令信号
が、制御回路55の制御で送信される(ステップS
2)。なおこの場合、携帯機10の制御回路55は、上
記アンサー信号や施錠指令信号又は解錠指令信号を送信
後に、自身の制御処理でスリープ状態に戻って消費電力
を節約する。
【0023】その後、上述したように送信されたアンサ
ー信号や施錠指令信号又は解錠指令信号は、通信可能範
囲内からの送信であれば、携帯機10の送信出力の異常
低下などの故障がなければ当然に本体機20で受信さ
れ、このアンサー信号を受信した本体機20の制御回路
21aは、受信したアンサー信号等に含まれているドア
ロック制御用認証コードと本体機側記憶手段に記憶され
ているドアロック制御用認証コードとを比較照合し、一
致しているか否か判定する(ステップS3)。そして、
上記ドアロック制御用認証コードの照合結果が一致すれ
ば、制御回路21aの制御によって、状況に応じた車両
1のドアの施解錠制御が実行される。この場合具体的に
は、受信した信号がアンサー信号又は解錠指令信号であ
る場合には、ドアロックアクチュエータ31に解錠動作
を指令する制御信号出力が実行される。また、受信した
信号が施錠指令信号である場合には、ドアロックアクチ
ュエータ31に施錠動作を指令する制御信号出力が実行
される(ステップS4)。
【0024】次いで、制御回路21aの制御によって実
行された施解錠制御が施錠動作(施錠動作を指令する制
御信号出力)であった場合には、一連の動作が終了とな
り、ステップS1の状態から動作が繰り返される(ステ
ップS5)。一方、制御回路21aの制御によって実行
された施解錠制御が解錠動作(解錠動作を指令する制御
信号出力)であった場合には、本体機20の制御回路2
1aが、予め設定されたタイマの計時動作を開始する
(ステップS6)。なお、このタイマの設定時間は例え
ば数分程度でよい。そして制御回路21aは、その後、
ドア開閉センサ24,25の検出出力を読み取り、ドア
が開けられたか否か判定し(ステップS7)、上記タイ
マがカウントアップするまでに(即ち、解錠動作からタ
イマの設定時間が経過するまでに)ドアが開けられたこ
とが判定されなければ、施錠制御(ドアロックアクチュ
エータ31に対して施錠動作を指令する制御信号の出
力)を実行して、車両1のドアを施錠状態に戻す(ステ
ップS8,S9)。これは、解錠動作が実行されたの
に、その後ドアが開けられないので、不必要な解錠動作
であったと判断して、防犯性確保の観点から自動的に施
錠状態に戻す動作である。
【0025】また、上記タイマがカウントアップするま
でにドアが開けられたことが判定されると、携帯機10
を携帯した使用者が車両1内に乗り込んだと推定される
ので、本体機20の制御回路21aは、制御モードをエ
ンジン始動・停止制御モードに切り替えて、携帯機10
に対して再度ウェイクアップ信号を送出した後にモード
切替を報知するモード切替報知信号を送信するととも
に、このエンジン始動・停止制御モードに好ましい送信
出力になるように送受信回路21bの出力切り替えを実
行する。そして、上記ウェイクアップ信号でスリープ状
態から通常状態に切り換わり、上記モード切替報知信号
を受信した携帯機10の制御回路55も、このエンジン
始動・停止制御モードに好ましい送信出力になるように
送受信回路54の出力切り替えを実行する(ステップS
10,S11)。なお、ここでの出力切り替えは、予め
エンジン始動・停止制御モード用に設定された比較的小
さな値(例えば、図8(b)に示すような比較的狭いイ
モビ用通信可能範囲を実現する値)に、各送受信回路5
4,21bの送信出力を初期値から単に変更する処理で
ある。なお、本体機20の送受信回路21bの送信出力
のうち、電力伝送用(即ち、この場合ウェイクアップ信
号用)の送信出力は、必ずしも切り替える必要はない。
ウェイクアップ信号には、防犯上問題となるような認証
コードを必ずしも含ませる必要がないからである。ま
た、イモビ用通信可能範囲は、車両1の車室内のみをカ
バーする程度の狭いものが好ましい。また、例えばステ
ップS10又はS11の前で、本体機20側の制御回路
21bの処理によって、一旦開けられたドアが設定時間
内に再度閉められたか否か判定する動作を実行し、設定
時間内に再度閉められなければ、ステップS10又はS
11以降の動作を実行しないで、一連の動作を終了する
ようにしてもよい。通常使用者A(図8に示す)が車両
1内に乗り込むときには、ドアを開けた後閉めるので、
それを確認した上でエンジン始動・停止制御を可能とす
るためである。
【0026】次に、上述したように制御モードが切り替
えられて、出力調整(この場合は、単なる切り替え)が
実行されると、前述のウェイクアップ信号となる所定電
力が再度本体機20から送出されて携帯機10の制御回
路55がスリープ状態から通常状態に切り換わり、その
後本体機20から送信されるリクエスト信号を携帯機1
0が受信したときに、制御回路55の処理によって、こ
のリクエスト信号に答えて、エンジン始動・停止制御用
認証コード(エンジン始動・停止IDコード)を含むア
ンサー信号が、携帯機10から送信される(ステップS
12)。なおこの場合、携帯機10の制御回路55は、
例えば上記アンサー信号を送信後に、自身の制御処理で
スリープ状態に戻るとともに、制御モードを通常のドア
ロック制御モードに戻す。
【0027】その後、上述したように送信されたアンサ
ー信号は、携帯機10の送信出力の異常低下などの故障
がなければ当然に本体機20で受信され、このアンサー
信号を受信した本体機20の制御回路21aは、受信し
たアンサー信号に含まれているエンジン始動・停止制御
用認証コードと本体機側記憶手段に記憶されているエン
ジン始動・停止制御用認証コードとを比較照合し、一致
しているか否か判定する(ステップS13)。そして、
上記エンジン始動・停止制御用認証コードの照合結果が
一致すれば、制御回路21aの制御によって、エンジン
制御システムのコントロールユニット32にエンジンの
始動・停止を許可する信号が出力され、エンジンの始動
・停止が許可された状態となる(ステップS14)。一
方、照合結果が不一致であれば、制御回路21aの制御
によって、エンジン制御システムのコントロールユニッ
ト32にエンジンの始動・停止を禁止する信号が出力さ
れ、エンジンの始動・停止が禁止された状態となる(ス
テップS15)。なお、エンジンの始動・停止が許可さ
れた状態になると、通常のキー操作(イグニションキー
スイッチの操作)によってエンジンの始動・停止が可能
となる。また、エンジンの始動・停止が禁止された状態
になると、通常のキー操作のみではエンジンの始動・停
止が不可能となる。
【0028】なおここで、ステップS14によってエン
ジンの始動・停止が許可された状態は、防犯性確保の観
点から、例えばエンジン停止後にドアが開けられてその
後閉められたときに(即ち、使用者が降車したと推定さ
れるときに)、制御回路21aの制御によって、自動的
に解除される(即ち、エンジンの始動・停止が禁止され
た状態に戻される)ように構成すべきである。また、ス
テップS10やS11で切り替えられた制御モードや送
信出力についても、同様に、例えば使用者が降車したと
推定される状況が成立したときに、制御回路21aを中
心とする制御によって、自動的にドアロック制御モード
或いはドアロック制御モード時の送信出力に戻されるよ
うに構成としてもよい(携帯機10側には必要に応じて
そのための報知信号を本体機20側から送信すればよ
い)。また、ステップS11の後で、携帯機10がウェ
イクアップ信号又はリクエスト信号を受信しないか、或
いは本体機20がアンサー信号を受信しなければ、動作
はいつまでも先に進まないので(ステップS12が実行
されないので)、制御モードと送信出力の切り替えが実
行された後(ステップS10,S11の後)、例えば本
体機20がリクエスト信号を受信しないまま設定された
受信待ち時間(例えば、数分〜数十分)を経過すると、
制御回路21aの処理で、自動的にドアロック制御モー
ドに戻されて、一連の処理が終了する(再度ステップS
1から動作が繰り返される)ように構成すればよい。
【0029】以上説明したような本形態例の装置によれ
ば、例えば図9に示すように、使用者はめんどうなキー
操作をすることなく、車両1のドアの施解錠が遠隔操作
で可能であり、しかも施錠された車両1のドアを解錠し
た後にエンジンの始動・停止許可を受けることがハンズ
フリーで可能となる。即ち、携帯機10を携帯した使用
者Aが、車両1から離れていても、前記エントリ用通信
可能範囲内であれば、前述のステップS1〜S4の制御
動作によって、図9(a)に示すように、スマートエン
トリー機能による照合確認を伴う車両1のドアの自動解
錠が実行されるし(この場合操作不要)、或いは、施錠
用スイッチ11又は解錠用スイッチ12の操作による車
両1のドアの照合確認を伴う施解錠動作が可能となる。
また、車両1のドアが解錠された後、図9(b),
(c)に示すように使用者Aがドアを開けて車内に乗り
込めば、前述のステップS7〜S14の制御動作によっ
て、イモビライザシステムとしての機能(この場合照合
確認を伴うエンジンの始動・停止の許可)が自動的に実
行される。しかも本装置は、携帯機10と本体機20に
それぞれ一組の照合用通信手段が設けられた簡素な装置
構成によって、上述したようなエントリーシステムとし
ての機能(制御対象は車両1の錠装置)と、イモビライ
ザシステムとしての機能(制御対象は車両1のエンジン
制御システム)の両方を実現した構成でありながら、制
御対象に応じた好ましい通信可能範囲が実現でき、防犯
性と利便性のバランスを常に良好に維持できる。すなわ
ち、前述したステップS10,S11などの制御動作に
よって、制御モードに応じた(即ち、制御対象に応じ
た)送信出力の切り替えが実行される。この場合、エン
トリーシステムとして機能するドアロック制御モードで
は、比較的大きな送信出力(広い通信可能範囲)とさ
れ、イモビライザシステムとして機能するエンジン始動
・停止制御モードでは、室内でのみ通信が可能となるよ
うな必要最小限の送信出力(狭い通信可能範囲)とされ
る(図8参照)。このため、認証コードを含む信号の通
信の際の携帯機10又は本体機20の送信出力(換言す
れば、通信可能範囲)が、大きすぎたり小さすぎたりし
て、利便性と防犯性の両者を常に高く維持できない問題
が解消できる。
【0030】(第2形態例)次に、第2形態例について
説明する。本形態例は、第1形態例における図3の制御
処理を一部変更したものである。即ち、図3におけるス
テップS11の出力の切り替えに際して、図4に示すよ
うな出力調整を毎回実行して、エンジン始動・停止制御
モードにおける送信出力をその都度より好ましい値に設
定する(即ち、調整する)ものである。この場合、例え
ば前述のモード切替報知信号を受信した携帯機10の制
御回路55が、送信出力決定用のパラメータN(整数)
の値をまず「1」に設定し(ステップS21)、その
後、送受信回路54の調整用の送信出力を「KN」に設
定する(ステップS22)。ここで、「K」は、送信出
力の調整単位である。次に、制御回路55は、送信出力
がKNの状態で調整用信号を送信する(ステップS2
3)。ここで、調整用信号は、受信が可能であることを
通知する受信報知信号の返信を要求する信号であり、防
犯性向上の観点から、前記照合確認のための認証コード
(ドアロック制御用認証コードや、エンジン始動・停止
制御用認証コード)が含まれていないものがよい。この
場合、この調整用信号には、出力調整用の別個の認証コ
ード(調整用認証コード)が含まれていて、他の同型の
制御装置から送信された調整用信号と区別できるように
なっている。また、本体機21は、調整用アンテナ40
(或いはアンテナ22でもよい)を介して、この調整用
信号を受信すると、この調整用信号に含まれる調整用認
証コードが本体機側記憶手段に記憶された調整用認証コ
ードと一致することを前提として、本体機側記憶手段に
記憶された調整用認証コードを含む受信報知信号を十分
大きな送信出力で送信する。
【0031】次いで、制御回路55は、パラメータN
(整数)の値を「N+1」に設定し(ステップS2
4)、その後、所定の調整用認証コードを含む受信報知
信号を受信したか否か(即ち、調整用信号が本体機20
側で受信されたか否か)判定する(ステップS25)。
そして、所定の受信報知信号が受信されない場合(即
ち、調整用信号が本体機20側で受信されなかった場
合)には、ステップS22に戻って動作を繰り返す(即
ち、調整単位Kだけさらに送信出力を増加させて、再度
調整用信号を送信し、上記判定を再度実行する)。一
方、所定の受信報知信号を受信した場合(即ち、調整用
信号が本体機20側で受信された場合)には、ステップ
S26において、少なくとも照合確認用の無線通信の際
(即ち、この場合前述のステップS12の際)の送受信
回路21bの送信出力を、この場合「K(N−1)」に
設定する(即ち、調整単位Kずつ送信出力を増加させて
いって、最初に受信可能となった値に設定する)。
【0032】以上の制御動作によれば、その時点で、携
帯機10側から送信される信号(少なくとも、制御対象
を動作させるための認証コードを含む信号)が、本体機
20側で(調整用アンテナ40又はアンテナ22によっ
て)受信できる必要最小限の送信出力に設定される。こ
のため、制御対象に応じた画一的な送信出力(予め設定
された一定値)に設定されるのではなく、その都度、状
況に応じたより好ましい送信出力の値に調整されること
になり、装置の動作の信頼性が高く確保されるととも
に、防犯性が最大限に高められる効果が得られる。この
場合具体的には、イモビライザーシステムとしてのエン
ジン始動・停止許可制御のために携帯機10から送信さ
れるアンサー信号(エンジン始動・停止制御用認証コー
ドを含むもの)が、確実に本体機20で受信されるよう
になるとともに、このアンサー信号が不必要に広い範囲
に送信されて防犯性が劣化することが、きめ細かく抑制
される(前記アンサー信号を受信できる通信可能範囲が
よりきめ細かく必要最低限の範囲に設定される)。
【0033】なお、以上説明した図4の制御動作(送信
出力の切り替えの際の送信出力の調整)は、本体機20
側でも実行するようにしてもよい。すなわち、制御モー
ドの切り替え(この場合エンジン始動・停止制御モード
への切り替え)を、所定のトリガの成立(この場合、ス
テップS7におけるドア開の検出)によって判断した制
御回路21aが、まず送信出力KN(N=1)の状態で
調整用信号を送信し、これが携帯機10により(又はア
ンテナ40を介して)受信できたか否か判定し、受信で
きなければ、Nを「1」ずつ増加させて調整用信号の送
信を繰り返し、最初に受信できたところで、ステップS
12の通信で使用する送信出力を、その最初に受信でき
たときの送信出力の値に設定すればよい。このようにす
れば、イモビライザーシステムとしてのエンジン始動・
停止許可制御のために本体機20から送信されるリクエ
スト信号(場合により、他の装置との区別のためのリク
エスト用認証コードを含むもの)が、確実に携帯機10
で受信されるようになるとともに、このリクエスト信号
が不必要に広い範囲に送信されて防犯性が劣化すること
が、きめ細かく抑制される(前記リクエスト信号を受信
できる通信可能範囲がよりきめ細かく必要最低限の範囲
に設定される)。特に、アンテナ40(調整用通信手
段)に対する調整用信号の通信可否結果に基づいて、上
記送信出力調整を行った場合には、本体機22から携帯
機10に送信される信号の通信可能範囲(即ち、携帯機
10の受信可能範囲)が車両1の車室内ぎりぎりのとこ
ろに設定される。このため、携帯機10が車室内にあれ
ば確実に通信が可能となってイモビライザーシステムの
しての機能が十分利便性高く活用でき、しかも本体機2
0から送信される信号(この場合、リクエスト信号)が
社室外にほとんど漏れないため、リクエスト信号の盗難
に対する防犯性が最大限まで高まる。なお、リクエスト
信号の盗難は、車両の盗難に直結するものではないが、
このリクエスト信号を使って携帯機10からアンサー信
号を出力させることができるようになるため、高い防犯
性を確保する観点からは、リクエスト信号も盗難し難い
構成が望ましい。
【0034】(第3形態例)次に、第3形態例について
説明する。本形態例も、第1形態例における図3の制御
処理を一部変更したものである。即ち、図3におけるス
テップS11の出力の切り替えに際して、図5に示すよ
うな出力調整を毎回実行して、エンジン始動・停止制御
モードにおける送信出力をその都度より好ましい値に設
定するものである。この場合、例えば前述のモード切替
報知信号を受信した携帯機10の制御回路55が、送信
出力決定用のパラメータN(整数)の値をまず「10」
に設定し(ステップS31)、その後、送受信回路54
の調整用の送信出力を「KN」に設定する(ステップS
32)。次に、制御回路55は、送信出力がKNの状態
で調整用信号を送信する(ステップS33)。
【0035】次いで、制御回路55は、所定の調整用認
証コードを含む受信報知信号を受信したか否か(即ち、
調整用信号が本体機20側で受信されたか否か)判定す
る(ステップS34)。そして、所定の受信報知信号を
受信した場合(即ち、調整用信号が本体機20側で受信
された場合)には、パラメータN(整数)の値を「N−
2」に設定し(ステップS35)、その後ステップS3
2に戻って動作を繰り返す(即ち、調整単位Kの2倍分
だけ送信出力を減少させて、再度調整用信号を送信し、
上記判定を再度実行する)。一方、所定の受信報知信号
が受信されない場合(即ち、調整用信号が本体機20側
で受信されなかった場合)には、ステップS36におい
て、少なくとも照合確認用の無線通信の際(即ち、この
場合前述のステップS12の際)の送受信回路21bの
送信出力を、「K(N+1)」に仮設定する(即ち、調
整単位Kの2倍分ずつ送信出力を減少させていって、最
初に受信できなくなった値よりも調整単位Kだけ大きな
値に仮設定する)。次いで、このステップS36による
送信出力の設定で、再度調整用信号を送信する(ステッ
プS37)。そして、所定の調整用認証コードを含む受
信報知信号を受信した場合(即ち、再度の調整用信号が
本体機20側で受信された場合)には、少なくとも照合
確認用の無線通信の際(即ち、この場合前述のステップ
S12の際)の送受信回路21bの送信出力を、「K
(N+1)」に最終設定する(ステップS38,S3
9)。一方、所定の受信報知信号が受信されない場合
(即ち、再度の調整用信号が本体機20側で受信されな
かった場合)には、少なくとも照合確認用の無線通信の
際(即ち、この場合前述のステップS12の際)の送受
信回路21bの送信出力を、「K(N+2)」に最終設
定する(ステップS38,S40)。
【0036】以上の制御動作によっても、その時点で、
携帯機10側から送信される信号(少なくとも、制御対
象を動作させるための認証コードを含む信号)が、本体
機20側で(調整用アンテナ40又はアンテナ22によ
って)受信できる必要最小限の送信出力に設定され、状
況に応じたより好ましい送信出力の値に調整されること
になり、装置の動作の信頼性が高く確保されるととも
に、防犯性が最大限に高められる効果が得られる。な
お、前述の第2形態例では、送信出力の調整のための調
整用無線通信(即ち、調整用信号の送受信)を、相当に
小さい送信出力から徐々に大きな送信出力に変えながら
実行し、最初に通信可能となった時点の送信出力の値を
最終設定値として決定しているが、この第3形態例で
は、調整用無線通信を、相当に大きな送信出力から徐々
に小さな送信出力に変えながら実行し、最初に通信不可
能となった時点の送信出力よりも若干大きな値を最終設
定値として決定している。本発明は、いずれの態様も含
むものである。また、この第3形態例で特徴的なのは、
最初は送信出力の変化幅を大きくし(即ち、この場合に
は、2Kずつ変化させている)、最初に通信不可能とな
った時点で再度調整用無線通信を実行して、その結果に
応じて送信出力をさらに小さな変化幅(この場合、K)
で微調整している(ステップS37〜S40)。このた
め、最小の変化幅で送信出力を少しずつ変化させて調整
する場合(前記第2形態例のような場合)に比べて、調
整に必要な時間が短くてすむ利点がある。なお、以上説
明した図5の制御動作(送信出力の切り替えの際の送信
出力の調整の別例)を、本体機20側でも同様に実行す
るようにしてもよい。
【0037】(第4形態例)次に、第4形態例について
説明する。本形態例は、第1形態例における各送受信回
路21b,54に、受信した信号の電界強度を測定する
電界強度測定手段としての機能を持たせるとともに、第
1形態例における図3の制御処理を一部変更したもので
ある。即ち、本形態例の場合、本体機20と携帯機10
の各送受信回路21b,54は、受信した電磁波を復調
してなる信号(認証コードなどの通信情報)を各制御回
路21a,55に出力するとともに、受信した電磁波の
電界強度の大きさを示す信号(電界強度情報)を、前記
通信情報と別個又は一体に各制御回路21a,55に出
力する機能を有する。
【0038】また、図3におけるステップS11の出力
の切り替えに際して、例えば図6(a)に示すような出
力調整を毎回実行して、エンジン始動・停止制御モード
における送信出力をその都度より好ましい値に設定する
構成となっている。この場合、例えば前述のモード切替
報知信号を受信した携帯機10の制御回路55は、まず
調整用信号を送信する(ステップS51)。ここでの調
整用信号は、受信が可能であること及び受信された電界
強度の大きさを通知する受信強度報知信号の返信を要求
する信号であり、やはり防犯性向上の観点から、前記照
合確認のための認証コード(ドアロック制御用認証コー
ドや、エンジン始動・停止制御用認証コード)が含まれ
ていないものがよい。この場合、この調整用信号には、
出力調整用の別個の認証コード(調整用認証コード)が
含まれていて、他の同型の制御装置から送信された調整
用信号と区別できるようになっている。また、本体機2
1は、調整用アンテナ40(或いはアンテナ22でもよ
い)を介して、この調整用信号を受信すると、この調整
用信号に含まれる調整用認証コードが本体機側記憶手段
に記憶された調整用認証コードと一致することを前提と
して、受信した調整用信号の電界強度情報と、本体機側
記憶手段に記憶された調整用認証コードの情報を含む受
信強度報知信号を十分大きな送信出力で送信する。
【0039】次いで、制御回路55は、所定の調整用認
証コードを含む受信強度報知信号を受信したか否か(即
ち、調整用信号が本体機20側で受信されたか否か)判
定する(ステップS52)。そして、所定の受信強度報
知信号が受信されない場合(即ち、調整用信号が本体機
20側で受信されなかった場合)には、調整用信号の送
信出力の値を所定単位増加させ(ステップS53)、そ
の後、ステップS51に戻って動作を繰り返す(即ち、
調整単位だけさらに送信出力を増加させて、再度調整用
信号を送信し、上記判定を再度実行する)。一方、所定
の受信強度報知信号を受信した場合(即ち、調整用信号
が本体機20側で受信された場合)には、ステップS5
4において、その受信強度報知信号に含まれる電界強度
情報(本体機20側で調整用信号が受信された際の電界
強度の情報)を読み取る。そして、この情報(電界強度
の測定結果)に基づいて、少なくとも照合確認用の無線
通信の際(即ち、この場合前述のステップS12の際)
の送受信回路54の送信出力を必要最小限の値に設定す
る。具体的には、受信強度報知信号を受信した際の調整
用信号の送信出力と、その受信した受信強度報知信号に
含まれる電界強度情報から、携帯機10と本体機20
(アンテナ22又は40)との間の距離を判定し、その
距離が通信可能範囲の限界より若干内側になるような送
信出力の値に設定する。なお、電界強度と距離は、送信
出力などの条件が一定であれば、図7に例示するような
一定の相関関係を有し、このような相関関係のデータ
(実験値又は理論値)を予めデータテーブル又は数式と
して登録しておけば、制御回路55の処理によって、前
記電界強度情報から、携帯機10と本体機20の間の距
離を判定することができる。
【0040】本形態例の場合も、その時点の状況に応じ
て、携帯機10側から送信される信号(少なくとも、制
御対象を動作させるための認証コードを含む信号)が、
本体機20側で(調整用アンテナ40又はアンテナ22
によって)受信できる必要最小限の送信出力に設定され
る。このため、制御対象に応じた画一的な送信出力(予
め設定された一定値)に設定されるのではなく、その都
度、状況に応じたより好ましい送信出力の値に調整され
ることになり、装置の動作の信頼性が高く確保されると
ともに、防犯性が最大限に高められる効果が得られる。
なお、以上説明した図6(b)の制御動作(送信出力の
切り替えの際の電界強度による送信出力の調整)を、本
体機20側でも同様に実行するようにしてもよい。
【0041】(他の形態例)なお、本発明は上記形態例
に限定されるものでなく、各種の変形や態様があり得
る。まず上記形態例では、携帯機10側でも、本体機2
0側でも、制御対象の切り替えに応じた送信出力の切り
替えを実行する例を示したが、例えば携帯機10側或い
は本体機20側のいずれか一方のみにおいてこのような
送信出力の切り替えを実行する態様でもよい。ちなみ
に、上記形態例の場合には、最も重要な認証コードの情
報を含む信号は、携帯機10側から送信されるアンサー
信号であるため、携帯機10の送信出力のみを制御対象
によって切り替えても、実用上の効果は大きい。また、
上記形態例では、調整用無線通信で送受信する信号(調
整用信号)が、調整用認証コードを含むものとしている
が、出力調整の処理スピード向上の観点から、このよう
な認証コードを含まず、その照合確認も実行しない構成
としてもよい。また上記形態例では、図4や図5などに
示した出力調整の処理を、携帯機10側と本体機20側
とで別個に実行する例を示したが、例えば本体機20側
のみで実行して、その調整結果を報知する信号を携帯機
10に送信し、携帯機10側では、その信号に応じた値
に送信出力を変更するような構成(例えば携帯機10側
では、出力調整のための調整用信号の送信を行わない構
成)でもよい。
【0042】また、前記第4形態例に示すように電界強
度に基づいて出力調整を行う場合、調整用信号を受信し
た側(例えば、本体機20側)が、受信信号の電界強度
の強弱を、予め制御対象毎に設定された基準値と比較し
て判定し、例えば高すぎると判定した場合には、その分
だけ送信出力を下げるような指令を含む信号を、調整用
信号を送信した側(例えば、携帯機10側)に送信し
て、調整用信号を送信した側(例えば、携帯機10側)
の送信出力を調整するような構成もあり得る。また上記
形態例では、電力伝送によるウェイクアップ信号により
適宜携帯機10の制御回路55をスリープ状態から通常
状態に切り替えて通信を行う構成を例示したが、例えば
図2(b)に示すように、制御回路55がタイマ回路5
8の作用によって単に間欠的に起動する構成の携帯機1
0aよりなる装置であってもよい。この場合、前記ウェ
イクアップ信号の送信は不要となる。また本発明は、一
方向通信式の一般的なキーレスエントリーシステムの機
能と、例えばエンジン制御に関するイモビライザーシス
テムの機能を持つ構成の制御装置(スマートエントリー
システムの機能がないもの)に対しても適用できる。ま
た、一般的なキーレスエントリーシステムの機能がない
ものであってもよい(この場合、スイッチ11,12は
不要)。
【0043】また、上記形態例では、制御対象が2種類
(車両ドアの錠装置とエンジン制御システム)の場合を
例示したが、さらに複数の制御対象が存在していてもよ
い。この場合も基本的な制御動作としては、例えば図6
(b)に示すように、初期状態では送信出力を初期値に
設定しておき(ステップS61,S62)、制御対象を
切り替えるなんらかのトリガ(きっかけとなる条件)が
成立したときに、そのトリガの種類に応じて(即ち、制
御対象等に応じて)、送信出力を調整する(或いは、単
に切り替える)動作を実行すればよい(ステップS6
3,S64)。また、制御対象や送信出力を切り替える
きっかけとなるトリガを、上記形態例では、ドアの開動
作としているが、これに限られないこともいうまでもな
い。例えば、上記形態例のように車両ドアの錠装置とエ
ンジン始動・停止制御システムを制御対象とする場合に
は、例えば使用者が運転席に座ったことを検出するセン
サ、或いは使用者の手がハンドルやシフトノブ等の近傍
に接近したことを検出するセンサを設けて、これらセン
サ(本発明の検出手段に相当)が検出信号を出力したと
きに、エンジン始動・停止制御モードに切り換わり、そ
れに応じた送信出力の切り替え(始動・停止制御モード
用の送信出力への切り替え)が実行される構成であって
もよい。
【0044】また、本発明はドアの解錠又は施錠やエン
ジンの始動等に限られず、各種の制御対象や制御内容が
あり得ることは課題を解決するための手段の欄で記述の
とおりである。また、同一の制御対象であっても、制御
内容によって送信出力を切り替えてもよい。また、携帯
機10にはさらに複数のスイッチが設けられ、これに対
応して各種の遠隔操作(マニュアル操作)が可能な構成
とされていてもよい。例えば、トランクやエンジンルー
ム又は燃料補給口等の開閉を遠隔操作するためのスイッ
チや、暴漢に襲われたときなどに車両のクラクションを
鳴らすためのパニックスイッチなどが、適宜設けられて
いてもよいことはいうまでもない。また本発明は、携帯
機と本体機間の無線通信により照合確認を行った上でな
んらかの制御を行う装置であれば、車両のエントリーシ
ステム等以外にも広く適用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の制御装置によれば、携帯機と本
体機にそれぞれ一組の照合用通信手段が設けられた構成
であるため、装置全体(携帯機と本体機)が小型かつ軽
量で安価に実現できる。しかも、このような簡素な構成
でありながら、送信出力の切り替えによって、制御対象
等に応じた好ましい通信可能範囲(必要十分かつ必要最
小限の通信可能範囲)が実現でき、防犯性と利便性のバ
ランスを常に良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御装置の全体構成等を示す図である。
【図2】携帯機の構成を示す図である。
【図3】制御装置の動作(送信出力の切り替え動作等)
を示すフローチャートある。
【図4】送信出力の調整動作を示すフローチャートあ
る。
【図5】送信出力の調整動作(別例)を示すフローチャ
ートある。
【図6】送信出力の調整動作(別例)等を示すフローチ
ャートある。
【図7】電界強度と通信距離の関係を示す図である。
【図8】通信可能範囲の設定例を示す図である。
【図9】制御装置の使用例を示す図である。
【符号の説明】
10 携帯機 20 本体機 21 コントロールユニット 21a 制御回路(処理手段) 21b 送受信回路(照合用通信手段、調整用通信手
段、電界強度測定手段) 22 アンテナ(照合用通信手段) 24 ,25 ドア開閉センサ(検出手段) 40 調整用アンテナ(調整用通信手段) 53a,53b アンテナ(照合用通信手段) 54 送受信回路(照合用通信手段、電界強度測定手
段) 55 制御回路(処理手段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 15/00 F02N 15/00 F H04Q 9/00 301 H04Q 9/00 301B 9/14 9/14 J (72)発明者 川野 淳 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 溝添 公一 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 Fターム(参考) 2E250 AA21 BB08 BB36 DD06 FF24 FF27 FF36 HH02 JJ01 JJ03 KK03 LL00 LL01 SS02 SS06 SS11 5K048 AA15 BA42 BA53 DB01 DC01 EA16 EB02 HA04 HA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者が携帯可能な携帯機と、 複数の制御対象を含む物に搭載、付設、又は接続され、
    前記携帯機との間で無線通信を行って所定の携帯機であ
    ることを照合確認した上で制御対象の所定の動作を実現
    するための制御処理を実行する本体機とを有する制御装
    置であって、 前記携帯機及び前記本体機は、 前記照合確認のための無線通信を少なくとも実行する一
    組の照合用通信手段を備え、 前記携帯機又は/及び前記本体機は、 前記照合用通信手段の送信出力を、制御対象又は制御内
    容に応じて切り替える機能を有する処理手段を備えたこ
    とを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】 前記送信出力の切り替えは、制御対象毎
    に又は制御内容毎に予め設定された送信出力の値に切り
    替えることによって行われることを特徴とする請求項1
    記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記処理手段は、前記送信出力を切り替
    える際に、前記送信出力を調整する機能を有し、 前記送信出力の調整は、前記照合用通信手段に対して少
    なくともアンテナ部分を別個に設けた調整用通信手段
    と、前記照合用通信手段との間の調整用無線通信を1回
    以上行い、この調整用無線通信の可否結果に基づいて、
    前記送信出力を通信可能な必要最低限の値に設定するこ
    とによって行われることを特徴とする請求項1記載の制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記処理手段は、前記送信出力を切り替
    える際に、前記送信出力を調整する機能を有し、 前記送信出力の調整は、前記携帯機の照合用通信手段
    と、前記本体機の照合用通信手段との間の調整用無線通
    信を1回以上行い、この調整用無線通信の可否結果に基
    づいて、前記送信出力を通信可能な必要最低限の値に設
    定することによって行われることを特徴とする請求項1
    記載の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記携帯機又は/及び本体機は、受信信
    号の電界強度を測定する電界強度測定手段を備え、 前記処理手段は、前記送信出力を切り替える際に、前記
    送信出力を調整する機能を有し、 前記送信出力の調整は、前記照合用通信手段に対して少
    なくともアンテナ部分を別個に設けた調整用通信手段
    と、前記照合用通信手段との間の調整用無線通信を1回
    以上行い、この調整用無線通信で受信した信号について
    の前記電界強度測定手段の測定結果に基づいて、前記送
    信出力を通信可能な必要最低限の値に設定することによ
    って行われることを特徴とする請求項1記載の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記携帯機又は/及び本体機は、受信信
    号の電界強度を測定する電界強度測定手段を備え、 前記処理手段は、前記送信出力を切り替える際に、前記
    送信出力を調整する機能を有し、 前記送信出力の調整は、前記携帯機の照合用通信手段
    と、前記本体機の照合用通信手段との間の調整用無線通
    信を1回以上行い、この調整用無線通信で受信した信号
    についての前記電界強度測定手段の測定結果に基づい
    て、前記送信出力を通信可能な必要最低限の値に設定す
    ることによって行われることを特徴とする請求項1記載
    の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記調整用無線通信で送受信する調整用
    信号には、前記照合確認のための認証コードが含まれて
    いないことを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載
    の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記携帯機又は使用者の前記本体機又は
    前記物に対する接近、後退、又は相対移動、或いは、前
    記制御対象の所定の動作に関連する使用者又は前記物の
    動作を検出する検出手段を備え、 前記処理手段は、前記検出手段の検出信号、或いはこの
    検出信号の内容を報知すべく無線送信された報知信号に
    基づいて、制御対象又は制御内容が切り替わったことを
    判断して、前記送信出力の切り替えを実行することを特
    徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記物は乗物であって、前記制御対象
    は、乗物のドアの施錠又は解錠を行う錠装置、及び乗物
    の搭載物であり、前記制御処理は、前記錠装置の施錠動
    作又は解錠動作を実現する信号出力、及び前記搭載物の
    稼働を許可する信号出力又はデータ設定動作、或いは前
    記搭載物の稼働を指令する信号出力であることを特徴と
    する請求項1乃至8の何れかに記載の制御装置。
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