JP2001291662A - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法

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JP2001291662A
JP2001291662A JP2001021000A JP2001021000A JP2001291662A JP 2001291662 A JP2001291662 A JP 2001291662A JP 2001021000 A JP2001021000 A JP 2001021000A JP 2001021000 A JP2001021000 A JP 2001021000A JP 2001291662 A JP2001291662 A JP 2001291662A
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Hiroo Okuno
浩生 奥野
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • G03F7/70716Stages
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光精度を十分な精度に維持しつつ、スルー
プットを向上する。 【解決手段】 制御システム20が、同一基板Wに対し
て複数回の露光を繰り返し行う際に、各回の露光に要求
される露光精度に応じて、スループットに寄与する露光
システム102の制御ファクタを変更する。例えば、要
求される露光精度が厳しい露光については、スループッ
トより解像力を重視した状態(又は値)となり、要求さ
れる露光精度がそれほど高くない露光については、この
反対となるように上記制御ファクタが変更される。従っ
て、毎回同じ制御ファクタに基づいて露光システム10
2を制御する場合に比べて、明らかにスループットを向
上できる。また、要求される露光精度がそれほど高くな
い場合にのみスループットをより重視した状態(又は
値)となるように上記制御ファクタが変更されるので、
露光精度を十分な精度に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光方法及び露光
装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、
半導体素子、液晶表示素子等を製造するに際してリソグ
ラフィ工程で用いられる露光方法及び露光装置、並びに
該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装
置が使用されているが、現在では、フォトマスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターン
を、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光
剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以
下、適宜「ウエハ」と総称する)上に転写する投影露光
装置が一般的に使用されている。
【0003】この種の投影露光装置として、近年では、
ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置
(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えた
ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すな
わちいわゆるスキャニング・ステッパが多く用いられて
いる。スキャニング・ステッパは、ステッパに比べると
大フィールドをより小さな光学系で露光できるため、投
影光学系の製造が容易であり、また、投影光学系に対し
てレチクル及びウエハを相対走査することで平均化効果
があり、ディストーションや焦点深度の向上が期待出来
る等のメリットがある。そのため、今後は、このスキャ
ニング・ステッパが主流になるであろうといわれてい
る。
【0004】ところで、近年における集積回路の高集積
化に伴い、デバイスルール(実用最小線幅)がますます
微細化し、投影露光装置には、スループットの向上とと
もに、重要な条件として、限界解像度、焦点深度、線幅
制御精度等の向上が要請されるようになってきた。
【0005】上記の限界解像度を向上させる方法とし
て、二重露光法が見直されつつあり、この二重露光法を
KrFエキシマレーザ露光装置あるいはArFエキシマ
レーザ露光装置に用い、0.1μmラインアンドスペー
ス(L/S)まで露光しようという試みが検討されてい
る。かかる二重露光法は解像度向上、焦点深度向上の2
つの効果が期待される。
【0006】上述した二重露光等の多重露光は、主とし
て解像力を向上する目的で行われていたため、解像力の
向上に寄与する条件、例えば照明条件等を第1回目の露
光時と第2回目の露光時とで変更する提案は、過去にお
いてもいくつかなされている(例えば、特開平4−27
3245号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その他
の条件、特に解像力の向上に無関係なスループットの向
上に寄与する条件については、毎回同一の条件の下で露
光が行われていた。すなわち、プロセスプログラムファ
イルと呼ばれる露光条件設定用の一種のデータベースに
は、各種の制御パラメータを一通りのみ設定するように
なっていた。そのため、例えば、スキャニング・ステッ
パの場合には、レチクルとウエハの同期移動時のそれぞ
れのステージの走査速度(スキャン速度)、ショット間
のステッピング速度、位置決め整定時の許容位置誤差、
あるいは同期整定の判断の基準となる許容位置誤差など
も第1回目の露光と第2回目の露光とで同一条件で行わ
れていた。また、例えば、ステッパの場合、ウエハステ
ージのショット間ステッピング速度、位置決め整定時の
許容位置誤差などについては、第1回目の露光と第2回
目の露光とで同一条件で行われていた。
【0008】一方、二重露光の場合、第1回目の露光と
第2回目の露光とでは、それぞれの回の露光に要求され
る露光精度は、必ずしも同一ではない。
【0009】それにもかかわらず、従来の投影露光装置
では、上述の如く、要求精度の如何にかかわらず、ほぼ
同一の露光条件の下で露光が行われていたため、要求精
度が低くスループットをより重視して良いような露光に
際しても、要求精度が高く、解像力を重視しなければな
らない露光の場合と同一の制御値を用いて露光が行われ
ていた。
【0010】このように、これまでは、二重露光につい
ては、解像力を重視する余り、スループットを向上しよ
うとの発想が存在しなかったため、二重露光の場合のス
ループットを必要以上に低下させていた。
【0011】上記と同様の問題は、同一ウエハに対する
異なるレイヤ(層)の露光の際にも、生じている。すな
わち、スキャン速度、ショット間のステッピング速度、
位置決め整定時の許容位置誤差、あるいは同期整定の判
断の基準となる許容位置誤差などは、通常、各レイヤの
露光で同一制御値が用いられているからである。また、
例えば同一レイヤ上で周辺部が部分的に重なる複数の領
域をそれぞれ露光するスティッチング方式でも上述と同
様の問題が生じる。
【0012】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、露光精度を十分な精度に維持し
つつ、スループットを向上することができる露光方法及
び露光装置を提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、高集積度の
マイクロデバイスの生産性を向上することができるデバ
イス製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、同一基板に対して少なくとも2回の露光を繰り返し
行う露光方法において、各回の露光に要求される露光精
度に応じて、制御精度を変更することを特徴とする。
【0015】これによれば、例えば、要求される露光精
度が厳しい露光については、露光精度に応じた所定の制
御精度とし、要求される露光精度がそれほど高くない露
光については、前記所定の制御精度より緩やかな制御精
度とするというように、各回の露光に要求される露光精
度に応じて、制御精度が変更される。従って、同一基板
に対して複数回の露光を繰り返し行う際に、毎回同じ制
御精度で露光を行う場合に比べて、スループットを向上
することが可能となる。また、露光精度については十分
な精度を維持できる。
【0016】この場合において、上記の繰り返し露光
は、同一基板に対する異なる層(レイヤ)の露光であっ
ても良いが、例えば、請求項2に記載の発明の如く、前
記少なくとも2回の露光は、同一基板に対する同一層の
露光であっても良い。
【0017】この場合において、同一基板に対する同一
層の露光は、基板上の隣接する区画領域にパターンを繋
ぎ合せて転写する繋ぎ露光(スティッチング露光)であ
っても良いが、基板上の同一領域にパターンを重ねて転
写する多重露光であっても良い。
【0018】請求項3に記載の発明は、同一基板に対
し、パターンサイズを規定するための第1露光とパター
ン形状を規定するための第2露光とを含む少なくとも2
回の露光を行う露光方法において、前記第2露光の際の
制御精度を前記第1露光の際の制御精度より緩やかに設
定することを特徴とする。
【0019】ここで、パターンサイズを規定するとは、
より微細なラインパターンを要求される精度で解像する
ことによってパターン線幅を規定する場合の他、より小
さなホールパターン、矩形パターン等を要求される精度
で解像することによってそれらのパターンサイズを要求
されるサイズに規定する場合の両者を含む概念である。
【0020】これによれば、一般的に解像力が要求され
るパターンサイズを規定するための第1露光の際の制御
精度に比べて、それ程高い解像力が要求されないパター
ン形状を規定するための第2露光の際の制御精度が緩や
かに設定される。このため、同一基板に対して上記の第
1、第2露光を含む複数回の露光を繰り返し行う際に、
毎回同じ制御精度で露光を行う場合に比べて、スループ
ットを向上することが可能となる。また、露光精度につ
いては十分な精度を維持できる。なお、本発明では、第
1露光と第2露光とは、その順序は特に問わない。
【0021】この場合において、第1露光と第2露光と
は、同一基板に対する異なる層(レイヤ)の露光であっ
ても良いが、例えば、請求項4に記載の発明の如く、前
記第1露光と前記第2露光とは、同一基板に対する同一
層の露光であっても良い。
【0022】上記請求項2及び4に記載の各発明におい
て、同一基板に対する同一層の露光は、基板上の隣接す
る区画領域にパターンを繋ぎ合せて転写する繋ぎ露光
(スティッチング露光)であっても良いが、例えば請求
項5に記載の発明の如く、基板上の同一領域にパターン
を重ねて転写する多重露光であっても良い。
【0023】上記請求項1〜5に記載の各発明に係る露
光方法において、請求項6に記載の発明の如く、前記制
御精度の変更は、前記基板上の複数の区画領域を所定の
基準位置に位置決めする際の前記基板の移動状態、前記
位置決めの際の位置誤差の許容値、前記基板に転写され
るパターンが形成されたマスクと前記基板との相対位置
合わせ精度、前記マスクと基板とを所定方向に同期移動
する際の移動状態、及び前記同期移動時の整定を決定す
るための許容値のうちの少なくとも1つを変更すること
を含むこととすることができる。
【0024】請求項7に記載の発明は、エネルギビーム
(IL)に対して第1及び第2物体(R、W)をそれぞ
れ相対移動し、前記第1物体(R)を介して前記エネル
ギビームで前記第2物体(W)を走査露光する露光方法
において、前記第2物体への転写精度が異なる複数のパ
ターンをそれぞれ用いて前記第2物体上の同一層に対し
て複数回の走査露光を行うとともに、前記転写精度に応
じて前記各パターンを用いた前記走査露光に関する制御
ファクタを異ならせることを特徴とする。
【0025】これによれば、例えば、要求される第2物
体への転写精度が厳しいパターンを用いた走査露光につ
いては、転写精度に応じた所定の制御精度とし、前記転
写精度がそれほど高くないパターンを用いた走査露光に
ついては、前記所定の制御精度より緩やかな制御精度と
するというように、それぞれのパターンを用いた走査露
光に要求される第2物体への転写精度に応じて、走査露
光に関する制御精度が変更される。従って、第2物体上
の同一層に対して複数回の走査露光を繰り返し行う際
に、毎回同じ制御精度で走査露光を行う場合に比べて、
転写精度、スループットを総合的に判断した場合の効率
の向上、すなわち露光精度を維持しつつ、スループット
を向上させることが可能となる。
【0026】この場合において、請求項8に記載の発明
の如く、前記制御ファクタはスループットに寄与するフ
ァクタを含むこととすることができる。
【0027】上記請求項7及び8に記載の各発明におい
て、請求項9に記載の発明の如く、前記制御ファクタ
は、前記走査露光に関する前記第1及び第2物体の移動
制御ファクタを含むこととすることができる。
【0028】上記請求項7〜9に記載の各発明に係る露
光方法において、請求項10に記載の発明の如く、前記
複数回の走査露光が、前記複数のパターンそれぞれを前
記第2物体上の各領域に対して重ねて転写するステップ
・アンド・スキャン方式の多重露光である場合に、前記
制御ファクタは、前記複数のパターンのうち前記転写精
度が第1パターンよりも緩い第2パターンを用いる際の
前記第2物体の走査露光に関するスループットが、前記
第1パターンを用いる際の前記第2物体の走査露光に関
するスループットよりも高くなるように設定されること
とすることができる。
【0029】請求項11に記載の発明は、エネルギビー
ム(IL)をパターンが形成されたマスク(R)に照射
して、前記マスクのパターンを基板ステージ(WST)
に保持された基板(W)に転写する露光システム(10
2)と;前記露光システムを全体的に制御する制御シス
テム(20)とを備え、前記制御システムは、同一基板
に対して少なくとも2回の露光を繰り返し行う際に、各
回の露光に要求される露光精度に応じて、スループット
に寄与する前記露光システムの制御ファクタを変更する
ことを特徴とする露光装置である。
【0030】これによれば、制御システムが、同一基板
に対して少なくとも2回の露光を繰り返し行う際に、各
回の露光に要求される露光精度に応じて、スループット
に寄与する露光システムの制御ファクタ(以下、適宜
「スループット制御ファクタ」と呼ぶ)を変更すること
から、例えば、要求される露光精度が厳しい露光につい
ては、スループットより解像力を重視した状態(又は
値)となり、要求される露光精度がそれほど高くない露
光については、反対に解像力よりスループットを重視し
た状態(又は値)となるように、スループット制御ファ
クタが変更される。従って、同一基板に対して複数回の
露光を繰り返し行う際に、毎回同じスループット制御フ
ァクタに基づいて露光システムを制御する場合に比べ
て、明らかにスループットを向上することが可能とな
る。また、この場合、要求される露光精度がそれほど高
くない露光、換言すればある程度の露光精度の低下を許
容できる場合にのみスループットをより重視した状態
(又は値)となるようにスループット制御ファクタが変
更されるので、結果的に露光精度については十分な精度
を維持できる。
【0031】この場合において、制御システムは、同一
基板に対する異なる層(レイヤ)の露光を行う際に、前
記スループット制御ファクタを各層の露光に要求される
露光精度に応じて変更しても良いが、例えば請求項12
に記載の発明の如く、前記制御システムは、同一基板に
対する同一層の少なくとも2回の露光を行う際に、各回
の露光に要求される露光精度に応じて、スループットに
寄与する前記露光システムの制御ファクタを変更するこ
ととしても良い。
【0032】この場合において、制御システムは、同一
基板に対する同一層の少なくとも2回の露光として、基
板上の隣接する区画領域にパターンを繋ぎ合せて転写す
る繋ぎ露光(スティッチング露光)を行うために、露光
システムを制御しても良いが、請求項13に記載の発明
の如く、前記制御システムは、前記露光システムを制御
して、前記同一基板に対する同一層の少なくとも2回の
露光として、前記基板上の同一領域にパターンを重ねて
転写する多重露光を行うこととしても良い。
【0033】この場合において、例えば、請求項14に
記載の発明の如く、前記制御システムは、同一基板に対
し、パターンサイズを規定するための第1露光とパター
ン形状を規定するための第2露光とを少なくとも含む前
記多重露光のため、前記露光システムの制御を行うこと
としても良い。ここで、パターンサイズを規定すると
は、前述した請求項3の場合と同義である。
【0034】一般に、パターンサイズを規定するための
第1露光では、要求される露光精度は厳しく、パターン
形状を規定するための第2露光では、要求される露光精
度はそれほど厳しくない。そのため、この場合、制御シ
ステムでは、第1露光では、スループットより解像力を
重視した状態となり、第2露光では、解像力よりスルー
プットを重視した状態となるように、スループット制御
ファクタを変更することとなる。
【0035】上記請求項11〜14に記載の各発明にお
いて、請求項15に記載の発明の如く、前記制御システ
ムにより変更される前記制御ファクタには、所定の基準
位置に前記基板上の複数の区画領域を順次位置決めする
際の、前記基板ステージの移動状態と前記位置決めの際
の位置誤差の許容値との少なくとも一方が含まれること
とすることができる。
【0036】ここで、「所定の基準位置に基板上の複数
の区画領域を順次位置決めする場合」は、ステップ・ア
ンド・リピート方式の露光装置におけるショット間ステ
ッピングの場合の露光位置への各ショットの位置決め、
ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置における各
ショットの露光のための走査開始位置への各ショットの
位置決めの場合の両者を含む。また、「基板ステージの
移動状態」には、速度、加速度の両者が含まれる。
【0037】上記の所定の基準位置へ基板上の複数の区
画領域を順次位置決めする際の、基板ステージの移動速
度、すなわちショット間ステッピング速度を速くすれ
ば、その分、基板の露光処理に要する時間(露光処理時
間)の短縮が可能である。但し、ステッピング速度を向
上する場合には、限られた距離(ショット間距離)をよ
り高速で移動するのであるから、加減速度の絶対値が大
きくなって位置決めの際の振動が大きくなる。そのた
め、その位置決めが整定するまでの時間(位置決め整定
時間)が必然的に長くなる。このため、ステッピング速
度の向上による露光処理時間の短縮と位置決め整定時間
の増加とを考慮して、全体的にスループットが向上する
程度に基板ステージの移動状態を変更することが重要で
ある。
【0038】また、位置決めの際の位置誤差の許容値を
大きくすると、より短時間に位置決め状態となり、その
分早く、次の動作(例えば、露光動作)を開始できるの
で、全体的な露光処理時間の短縮により、スループット
の向上が可能になる。
【0039】また、ステッピング速度を向上すると、位
置決めの際の振動が大きくなるが、ステッピング速度の
向上に応じて位置決め許容値を大きくすることにより、
位置決め整定時間を増加することなく、露光処理時間を
短縮することができる。
【0040】上記請求項11〜15に記載の各発明にお
いて、請求項16に記載の発明の如く、前記露光システ
ムが、前記マスクから出射された前記エネルギビームを
前記基板に投射する投影光学系を備える場合には、前記
制御システムにより変更される前記制御ファクタには、
前記各回の露光の際の焦点ずれの許容値が含まれること
とすることができる。
【0041】例えば、要求される露光精度が厳しい場合
には、露光の際に許容される焦点ずれ量は非常に小さく
なり、要求される露光精度が緩やかであれば露光の際に
許容される焦点ずれ量は多少大きくても影響は殆どな
い。従って、制御システムでは、要求される露光精度が
厳しい場合には、それに応じて露光の際の焦点ずれの許
容値を小さくし、要求される露光精度がそれほど厳しく
ない場合には、露光の際の焦点ずれの許容値を多少大き
く設定する。この結果、前者に比べて後者の場合フォー
カスの追い込み時間が短くなり、要求される露光精度に
かかわらず、露光の際の焦点ずれの許容値を一律に設定
する場合に比べて、露光処理時間の短縮が可能になる。
この場合、露光精度を十分に維持することができる。
【0042】上記請求項11〜16に記載の各発明にお
いて、請求項17に記載の発明の如く、前記露光システ
ムは、前記エネルギビームを出射するエネルギビーム源
(1)としてパルスレーザ光源を備える場合、前記制御
システムにより変更される前記制御ファクタには、前記
各回の露光の際に前記パルスレーザ光源から出射され前
記基板に照射されるパルス光のエネルギ強度及び繰り返
し周波数の少なくとも一方が含まれることとすることが
できる。
【0043】ここで、「エネルギ強度」には、基板上に
単位時間に単位面積当たり照射されるエネルギ量及び1
パルス当たりのエネルギ量の両者を含む。従って、エネ
ルギ強度の変更には、基板上の照度の変更、及びパルス
エネルギ強度のばらつきの許容値の変更の両者が含まれ
る。
【0044】基板に照射されるエネルギビームの強度
(基板上の照度)を強くすれば、その分基板に対する露
光時間を短縮できるので、露光処理時間の短縮によりス
ループットの向上が可能である。かかる基板に照射され
るエネルギビーム強度の増加は、エネルギビーム源から
の1パルス当たりのエネルギ値の増加、あるいはエネル
ギビーム源と基板との間の光路中の減光素子の減光率の
変更などの他、例えば、輪帯照明、変形照明等から通常
照明への照明条件の変更によっても容易に実現できる。
但し、解像力を要求される露光の場合には、変形照明等
のマスクに照射されるエネルギビームの強度が通常照明
に比べて弱くなる照明条件下で露光を行うことが望まし
い。
【0045】また、要求される露光精度に応じて、パル
ス光のエネルギ強度ばらつきの許容値が異なる。パルス
光のエネルギ強度ばらつきの許容値が大きければ、調整
時間をその分短縮することができる。また、繰り返し周
波数が高くなると、それに応じてパワーが増大し、再計
測が必要になるが、要求される露光精度が緩やかであれ
ば、前記再計測を省略しても支障はない。従って、再計
測の省略と、繰り返し周波数を高くすることによるパワ
ーの増大により露光時間の短縮が可能となる。
【0046】上記請求項11〜17に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項18に記載の発明の如く、
前記制御システムにより変更される前記制御ファクタに
は、前記マスクと前記基板との相対位置合わせ精度が含
まれることとすることができる。かかる場合には、制御
システムでは、要求される露光精度が厳しい場合には、
それに応じてマスクと基板との相対位置合わせ精度を厳
しくし、要求される露光精度がそれほど厳しくない場合
には、それに応じてマスクと基板との相対位置合わせ精
度を緩くする。そのため、常にマスクと基板との相対位
置合わせ精度を厳しくする場合に比べて、マスクと基板
との相対位置合わせを含む露光処理全体に要する時間を
短縮することができる。
【0047】ここで、マスクと基板との相対位置合わせ
精度の変更には、マスクのアライメントに起因するも
の、基板のアライメントに起因するものなど、最終的に
マスクと基板との相対位置合わせ精度を変更するもので
あれば、いかなる方法によるものも含まれる。
【0048】上記請求項11〜14に記載の各発明にお
いて、請求項19に記載の発明の如く、前記露光システ
ムは、前記マスクを保持するマスクステージ(RST)
と、前記各回の露光の都度、前記マスクステージと前記
基板ステージとを同期して前記エネルギビームに対して
所定方向に駆動する同期駆動装置(11,21,19)
とを備える場合、前記制御システムにより変更される前
記制御ファクタには、前記各回の露光の際の前記両ステ
ージの移動状態及び該移動状態に応じた前記基板に照射
される前記エネルギビームの強度と、前記両ステージの
同期整定を決定する位置誤差の許容値との少なくとも一
方が含まれることとすることができる。
【0049】露光時のマスクステージと基板ステージと
の移動速度(スキャン速度)を増加すると、露光時間
(走査露光時間)が短縮することは明らかである。但
し、この場合、基板面における積算エネルギ量(積算露
光量)を目標値に保つように、スキャン速度の増加に応
じて基板に照射されるエネルギビームの強度(照度)を
大きくする必要がある。このとき、基板上でのエネルギ
ビームの走査方向に関する幅を広くしたり、あるいはエ
ネルギビームの発振周波数(繰り返し周波数)を大きく
しても良い。すなわち、エネルギビームの強度、幅、及
び発振周波数の少なくとも1つを変更すれば良い。
【0050】また、マスクステージと基板ステージとの
同期整定を決定する位置誤差の許容値を大きくすると、
より短時間に同期整定状態となり、その分早く、次の露
光動作を開始できるので、全体的な露光処理時間の短縮
により、スループットの向上が可能になる。
【0051】また、スキャン速度を増加する場合には、
通常マスクステージの移動ストロークが限られている関
係からスキャン前後の加減速度を大きくしなければなら
ないため、同期整定時間が長くなる。この場合、スキャ
ン速度を増加するのに応じて同期整定を決定する位置誤
差の許容値を大きくすることにより、同期整定時間を増
加することなく、露光処理時間を短縮することができ
る。
【0052】上記請求項11〜19に記載の各発明にお
いて、制御システムに、要求される露光精度に応じて、
露光の都度、自らの判断で、前記制御ファクタを変更す
る判断プログラムを含む複雑な露光処理プログラム(ソ
フトウェア)を作成し、これを制御システムに組み込む
ようにすることも可能であるが、請求項20に記載の発
明の如く、前記制御システムが、前記露光システムの制
御を行うための各種パラメータが設定されるプロセスプ
ログラムファイルを有する場合に、前記プロセスプログ
ラムファイルには、前記各回の露光のためのパラメータ
の値が個別に設定可能であることとしても良い。かかる
場合には、オペレータが予めプロセスプログラムファイ
ルに各回の露光で用いられる各種のパラメータの値を個
別に設定することにより、制御システムが、そのプロセ
スプログラムファイルに従って露光システムの制御を行
なうことにより、要求される露光精度に応じて、各回の
露光に際して上記制御ファクタの変更が行われることと
なる。従って、上記のような複雑な露光処理プログラム
を新たに作成することなく、従来のプロセスプログラム
ファイルの簡易な変更で足りる。
【0053】請求項21に記載の発明は、エネルギビー
ム(IL)に対して第1及び第2物体(R、W)をそれ
ぞれ相対移動し前記第1物体(R)を介して前記エネル
ギビームで前記第2物体(W)を走査露光する露光装置
において、前記第2物体への転写精度が異なる複数のパ
ターンをそれぞれ用いて前記第2物体上の同一層に対し
て複数回の走査露光を行うとき、前記転写精度に応じて
前記各パターンを用いた前記走査露光に関する制御ファ
クタを異ならせる制御システム(20)を備えることを
特徴とする。
【0054】これによれば、制御システムにより、例え
ば、要求される第2物体への転写精度が厳しいパターン
を用いた走査露光については、転写精度に応じた所定の
制御精度とし、前記転写精度がそれほど高くないパター
ンを用いた走査露光については、前記所定の転写精度よ
り緩やかな制御精度とするというように、それぞれのパ
ターンを用いた走査露光に要求される第2物体への転写
精度に応じて、走査露光に関する制御精度が変更され
る。従って、第2物体上の同一層に対して複数回の走査
露光を繰り返し行う際に、毎回同じ制御精度で走査露光
を行う場合に比べて、転写精度、スループットを総合的
に判断した場合の効率を向上させることが可能となる。
【0055】この場合において、請求項22に記載の発
明の如く、前記複数回の走査露光として、前記複数のパ
ターンそれぞれを前記第2物体上の各領域に対して重ね
て転写するステップ・アンド・スキャン方式の多重露光
が行われる際に、前記制御システムは、前記複数のパタ
ーンのうち前記転写精度が第1パターンよりも緩い第2
パターンを用いる際の前記第2物体の走査露光に関する
スループットが、前記第1パターンを用いる際の前記第
2物体の走査露光に関するスループットよりも高くなる
ように、前記制御ファクタを設定することとすることが
できる。
【0056】請求項23に記載の発明は、リソグラフィ
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程では、請求項9に記載の露光方法を用いることを
特徴とする。
【0057】これによれば、請求項9に記載の露光方法
を用いて露光が行われるので、露光精度(転写精度)を
十分に維持しつつ、スループットを向上して露光が行わ
れる。従って、微細パターンを有するマイクロデバイス
の歩留まりを低下させることなく、そのスループットを
向上して生産性を向上することができる。
【0058】請求項24に記載の発明は、リソグラフィ
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程では、請求項11〜22のいずれか一項に記載の
露光装置を用いて露光を行うことを特徴とする。
【0059】これによれば、リソグラフィ工程で、請求
項11〜22のいずれか一項に記載の露光装置を用いて
露光が行われるので、露光精度を十分に維持しつつ、ス
ループットを向上して露光が行われる。従って、微細パ
ターンを有するマイクロデバイスの歩留まりを低下させ
ることなく、そのスループットを向上して生産性を向上
することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図3に基づいて説明する。
【0061】図1には、一実施形態に係る露光装置10
0の概略構成が示されている。この露光装置100は、
ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、す
なわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
【0062】この露光装置100は、エネルギビームI
Lをパターンが形成されたマスクとしてのレチクルRに
照射し、該レチクルRのパターンを投影光学系PLを介
して基板としてのウエハW上に転写する露光システム1
02と、該露光システム102を全体的に制御する制御
システムとしての主制御装置20との2部分から構成さ
れている。
【0063】露光システム102は、エネルギビーム源
としてのArFエキシマレーザ光源(発振波長193n
m)、KrFエキシマレーザ光源(発振波長248n
m)、あるいはF2レーザ光源(発振波長157nm)
等のパルスレーザ光源(以下、「光源」という)1、該
光源1とともに照明系を構成する照明光学系(2、3、
5〜8)、照明系からのエネルギビーム(以下、「露光
光」と呼ぶ)ILにより照明されるレチクルRを保持す
るマスクステージとしてのレチクルステージRST、レ
チクルRから射出された露光光ILをウエハW上に投射
する投影光学系PL、ウエハWを保持してXY2次元方
向に移動する基板ステージとしてのウエハステージWS
T、及び光源1を除く上記構成各部を収納するチャンバ
10等を備えている。
【0064】前記光源1は、実際には、照明光学系の各
構成要素及びレチクルステージRST、投影光学系P
L、及びウエハステージWST等から成る露光装置本体
を収納するチャンバ10が設置されたクリーンルームと
は別のクリーン度の低いサービスルームに配置され、こ
のチャンバ10に不図示の引き回し光学系(送光光学
系)を介して接続されている。なお、光源として、超高
圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)、銅
蒸気レーザやYAGレーザの高調波発生装置などを用い
ても良い。
【0065】光源1は、レーザ共振器、エネルギモニ
タ、エネルギコントローラ及び高圧電源等(いずれも図
示省略)を有する。エネルギモニタは、レーザ共振器か
らのパルス光の光学特性をモニタする。エネルギコント
ローラは、通常の発光時には、エネルギモニタの出力
が、主制御装置20から与えられる1パルス当たりのエ
ネルギの目標値に対応した値となるように、高圧電源で
の電源電圧をフィードバック制御する。また、エネルギ
コントローラは、レーザ共振器に供給されるエネルギを
高圧電源を介して制御することにより発振周波数(繰り
返し周波数)をも変更する。すなわち、エネルギコント
ローラは、主制御装置20からの制御情報に応じて光源
1の発振周波数を主制御装置20から指示された周波数
に設定するとともに、光源1での1パルス当たりのエネ
ルギ強度が主制御装置20から指示された値(すなわち
エネルギ強度のばらつきの許容値の範囲内の値)となる
ように高圧電源の電源電圧のフィードバック制御を行な
う。かかる詳細は、例えば特開平8−250402号公
報等に詳細に開示されている。
【0066】また、光源1内には、主制御装置20から
の制御情報に応じて露光光ILを遮光するためのシャッ
タも配置されている。
【0067】前記照明光学系は、照度均一化光学系2、
リレーレンズ3、レチクルブラインド5、リレーレンズ
6、折り曲げミラー7及びコンデンサレンズ8等を含ん
で構成されている。
【0068】前記照度均一化光学系2は、例えば、露光
光ILの光路上に順次配置されたビーム整形光学系、エ
ネルギ粗調器、オプティカルインテグレータとしてのフ
ライアイレンズ及び照明系開口絞り板等(いずれも図示
せず)によって構成される。これを更に詳述すると、ビ
ーム整形光学系は、光源1でパルス発光され、入射した
露光光ILの断面形状を、光路後方に設けられたフライ
アイレンズに効率良く入射するように整形するもので、
例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ等で構成さ
れる。
【0069】また、エネルギ粗調器は、ビーム整形光学
系後方の露光光ILの光路上に配置され、例えば透過率
(=1−減光率)を100%から等比級数的に複数段階
で切り換えることができるようになっている。このエネ
ルギ粗調器の透過率の切り換えは、不図示の駆動装置を
介して主制御装置20によって行われる。
【0070】前記フライアイレンズは、エネルギ粗調器
から出た露光光ILの光路上に配置され、レチクルRを
均一な照度分布で照明するためにその射出側焦点面に多
数の点光源(光源像)から成る面光源、すなわち2次光
源を形成する。前記照明系開口絞り板は、フライアイレ
ンズの射出側焦点面の近傍に配置されている。この照明
系開口絞り板は円板状部材から成り、ほぼ等角度間隔
で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円
形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さ
くするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞
り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置し
て成る変形照明用の開口絞り等が配置されている。この
場合、主制御装置20によって不図示の駆動系を介して
照明系開口絞り板が駆動され、いずれかの開口絞りを露
光光ILの光路上に選択的に設定できるようになってい
る。
【0071】照明系開口絞り板から出た露光光ILの光
路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッ
タが配置され、更にこの後方の光路上に、固定レチクル
ブラインド5A及び可動レチクルブラインド5Bから成
るレチクルブラインド5を介在させてリレーレンズ3及
び6から成るリレー光学系が配置されている。
【0072】固定レチクルブラインド5Aは、レチクル
Rのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカス
した面に配置され、レチクルR上の照明領域IARを規
定する矩形開口が形成されている。また、この固定レチ
クルブラインド5Aの近傍に走査方向に対応する方向の
位置及び幅が可変の開口部を有する可動レチクルブライ
ンド5Bが配置され、走査露光の開始時及び終了時にそ
の可動レチクルブラインド5Bを介して照明領域IAR
を更に制限することによって、不要な部分の露光が防止
されるようになっている。
【0073】リレー光学系を構成するリレーレンズ6後
方の露光光ILの光路上には、当該リレーレンズ6を通
過した露光光ILをレチクルRに向けて反射する折り曲
げミラー7が配置され、このミラー7後方の露光光IL
の光路上にコンデンサレンズ8が配置されている。
【0074】更に、照度均一化光学系2内の前記ビーム
スプリッタの反射光路上には、光電変換素子よりなる不
図示のインテグレータセンサが配置されている。
【0075】このようにして構成された照明光学系の作
用を簡単に説明すると、光源1からパルス発光された露
光光ILは、照度均一化光学系2内に入射する。この照
度均一化光学系2内では、露光光ILは、まず、ビーム
整形光学系によって後方のフライアイレンズに効率よく
入射するようにその断面形状が整形された後、エネルギ
粗調器に入射する。そして、このエネルギ粗調器を透過
した露光光ILは、フライアイレンズに入射する。これ
により、フライアイレンズの射出端に多数の点光源から
成る2次光源が形成される。この多数の点光源から射出
された露光光ILは、照明系開口絞り板上のいずれかの
開口絞りを通過した後、リレーレンズ3を経て固定レチ
クルブラインド5Aの矩形の開口部及び可動レチクルブ
ラインド5Bを通過した後、リレーレンズ6を通過して
ミラー7によって光路が垂直下方に折り曲げられた後、
コンデンサレンズ8を経て、レチクルステージRST上
に保持されたレチクルR上の矩形の照明領域IARを均
一な照度分布で照明する。
【0076】一方、照度均一化光学系2内の前記ビーム
スプリッタ(図示省略)で反射された露光光ILは、イ
ンテグレータセンサで受光され、そのインテグレータセ
ンサの光電変換信号が、不図示のピークホールド回路及
びA/D変換器を介して主制御装置20に供給される。
【0077】なお、図1では図示が省略されているが、
照明光学系(2、3、5〜8)の各構成部分は、照明鋳
物と呼ばれる内部が外部に対して隔離され、その内部に
酸素(空気)の含有濃度が数ppb以下程度とされたク
リーンな窒素(N2)あるいはヘリウム(He)等の不
活性ガスが充填されたハウジングの内側に固定され、該
ハウジングは不図示のメインフレーム上に植設されたサ
ポートフレームに支持されている。
【0078】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、不図示のレチクルベース上に配置
され、照明光学系の光軸IX(後述する投影光学系PL
の光軸AXに一致)に垂直な平面(XY平面)内で微小
駆動可能であるとともに、レチクル駆動部11によって
走査方向(ここでは図1の紙面左右方向であるY方向と
する)に所定ストローク範囲で走査されるようになって
いる。
【0079】このレチクルステージRSTの移動面内の
位置(回転を含む)は、その上面に固定された移動鏡1
5を介してレチクルレーザ干渉計16により、例えば
0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチク
ルレーザ干渉計16からのレチクルステージRSTの位
置情報はステージ制御系19及びこれを介して主制御装
置20に送られる。ステージ制御系19では、主制御装
置20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位
置情報に基づいてレチクル駆動部11を介してレチクル
ステージRSTを駆動制御する。なお、図示は省略され
ているが、レチクルベースは、投影光学系PLを保持す
るインバと呼ばれる保持部材に保持され、このインバは
不図示のメインフレーム上に植設されている。
【0080】なお、レチクルRに用いる材質は、使用す
る光源によって使い分ける必要がある。すなわち、Ar
Fエキシマレーザ光源、KrFエキシマレーザ光源を光
源とする場合は、ホタル石、合成石英のいずれをも用い
ることができるが、F2レーザ光源を用いる場合は、ホ
タル石などのフッ化物結晶で形成する必要がある。
【0081】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな縮小光学系、かつ
光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレ
ンズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。
この投影光学系PLの投影倍率βは、例えば1/5又は
1/4となっている。このため、前記の如くして、露光
光ILによりレチクルR上の照明領域IARが照明され
ると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光学
系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレジ
スト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状の
露光領域IAに投影露光される。
【0082】投影光学系PLの鏡筒の内部にも、酸素
(空気)の含有濃度が数ppb以下程度とされたクリー
ンな窒素(N2)あるいはヘリウム(He)等の不活性
ガスが充填されている。
【0083】なお、露光光ILとしてKrFエキシマレ
ーザ光、ArFエキシマレーザ光を用いる場合には、投
影光学系PLを構成する各レンズエレメントとしてはホ
タル石、合成石英のいずれをも用いることができるが、
2レーザ光を用いる場合には、この投影光学系PLに
使用されるレンズの材質は、全てホタル石などのフッ化
物結晶が用いられる。
【0084】前記ウエハステージWSTは、例えばリニ
アモータあるいは平面モータ等から成るウエハ駆動部2
1を介してXY2次元面内(θz回転(Z軸回りの回
転)を含む)に自在に駆動される。ウエハステージWS
T上には、ウエハホルダ25が設けられ、このウエハホ
ルダ25によってウエハWが例えば真空吸着によって保
持されている。このウエハホルダ25は、実際には、Z
方向及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向
であるθx方向及びY軸回りの回転方向であるθy方
向)に微少駆動可能なZレベリングテーブル上に載置さ
れている。従って、ウエハWは、X、Y、Z、θx、θ
y、θzの6自由度方向について位置・姿勢制御が可能
になっている。また、図示は省略されているが、不図示
のZレベリングテーブル上には、その表面がウエハW表
面とほぼ同一高さとされ、かつ各種の基準マークが形成
された基準マーク板が設けられている。
【0085】また、ウエハステージWSTのXY面内で
の位置は、移動鏡27を介してウエハレーザ干渉計31
によって例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出
されている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動部21を介してウエハステージW
STを駆動制御する。
【0086】前記投影光学系PLの鏡筒の側面には、オ
フアクシス(off-axis)方式のマーク検出系としてのア
ライメント光学系ALGが設置されている。このアライ
メント光学系ALGとしては、例えば、ハロゲンランプ
等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、こ
のマーク画像を画像処理することによってマーク位置を
計測するアライメントセンサ、いわゆるFIA(Field
Image Alignment)系が用いられている。このアライメ
ント光学系ALGは、ウエハステージWST上に設けら
れた不図示の基準マーク板上の基準マーク及びウエハ上
のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計測を
行なうことが可能である。
【0087】このアライメント光学系ALGからの情報
は、不図示のアライメント制御装置に送られる。そし
て、アライメント制御装置により、その情報がA/D変
換され、そのデジタル化された波形信号を演算処理して
マーク位置が検出される。この検出されたマーク位置の
情報が、主制御装置20に送られる。
【0088】なお、アライメント光学系として、例えば
コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象
マークから発生する散乱光又は回折光を検出したり、そ
の対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次
数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独で
あるいは適宜組み合わせて用いても構わない。例えば、
LSA(Laser Step Alignment)系、LIA(Laser In
terferometric Alignment )系等のアライメントセンサ
を用いることができる。
【0089】また、露光システム102は、投影光学系
PLを保持する保持部材に一体的に固定された照射光学
系13と受光光学系14とから成り、ウエハWのZ方向
位置を計測するフォーカスセンサを備えている。このフ
ォーカスセンサ(13,14)としては、ここでは、例
えば特開平6−283403号公報等などに開示される
多点焦点位置検出系が用いられている。このフォーカス
センサ(13,14)の出力が主制御装置20に供給さ
れ、主制御装置20ではステージ制御系19に指示を与
えて、ウエハホルダ25のZ位置、及びレベリングを不
図示のZレベリングテーブルを介して制御し、いわゆる
フォーカスレベリング制御を行うようになっている。
【0090】さらに、図1では図示が省略されている
が、レチクルRの上方に、例えば特開平7−17646
8号公報等に開示される、投影光学系PLを介してレチ
クルR上のレチクルマーク(図示省略)と基準マーク板
上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いた
TTR(Through The Reticle )アライメント光学系か
ら成る一対のレチクルアライメント顕微鏡が設けられて
いる。これらのレチクルアライメント顕微鏡の検出信号
は、不図示のアライメント制御装置を介して主制御装置
20に供給されるようになっている。
【0091】前記主制御装置20は、CPU(中央演算
処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)、I/Oインタフェ
ース等を含むマイクロコンピュータ(あるいはワークス
テーション)により構成され、露光システム102の構
成各部を統括的に制御する。
【0092】この主制御装置20には、入出力装置30
が併設されている。この入出力装置30は、キーボー
ド、マウス等のポインティングデバイス、及びディスプ
レイ等を含む。この入出力装置30を介してオペレータ
により各種のデータ入力が行われ、露光条件の設定のた
めの一種のデータベースであるプロセスプログラムが作
成される。これについては後述する。
【0093】主制御装置20は、露光動作が的確に行わ
れるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、
ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して
制御する。
【0094】具体的には、主制御装置20は、例えば走
査露光時には、レーザ干渉計16、31の計測値に基づ
いてレチクルステージRSTとウエハステージWSTと
の位置を管理しつつ、ステージ制御系19に対してレチ
クルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移
動の指示を与える。ステージ制御系19では、この指示
に応じ、レチクルRがレチクルステージRSTを介して
照明領域IARに対して+Y方向(又は−Y方向)に速
度Vr=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージ
WSTを介してウエハWが露光領域IAに対して−Y方
向(又は+Y方向)に速度Vw=β・V(βはレチクル
RからウエハWに対する投影倍率)で走査されるよう
に、レーザ干渉計16、31の計測値をモニタしつつレ
チクル駆動部11、ウエハ駆動部21をそれぞれ介して
レチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置
及び速度をそれぞれ制御する。このように、本実施形態
では、レチクル駆動部11、ウエハ駆動部21及びステ
ージ制御系19によって、露光の都度、レチクルステー
ジRSTとウエハステージWSTとを同期して露光光I
Lに対して所定方向に駆動する同期駆動装置が構成され
ている。
【0095】また、ステッピングの際には、主制御装置
20では、レーザ干渉計31の計測値に基づいてウエハ
ステージWSTの位置を管理しつつ、ステージ制御系1
9に対してステッピングの指示を与える。ステージ制御
系19では、この指示に応じてレーザ干渉計31の計測
値をモニタしつつウエハ駆動部21を介してウエハステ
ージWSTの位置を制御する。
【0096】また、主制御装置20では、上記の走査露
光時には、露光条件及びレジスト感度に応じて決定され
た目標積算露光量をウエハWに与えるため、前述したイ
ンテグレータセンサの出力をモニタしつつ制御情報を光
源1に供給することによって、光源1の発振周波数(発
光タイミング)、及び発光パワー等を制御したり、ある
いは、エネルギ粗調器を制御することにより、レチクル
Rに照射される光量の調整を行う。また、主制御装置2
0では、照明系開口絞り板を制御し、更にステージ系の
動作情報に同期して可動レチクルブラインド5Bの開閉
動作を制御する。
【0097】次に、本実施形態に係る露光装置100に
おいて、露光に先立って行われるプロセスプログラム作
成のための露光条件の設定について簡単に説明する。こ
こでは、一例として、ウエハW上に線幅の非常に細い孤
立線を焼き付けるために行われる二重露光の際の露光条
件の設定について説明する。この二重露光は、まず、1
回目の露光として、微細なライン・アンド・スペース
(L/S)パターンが形成された位相シフトレチクル
(以下、便宜上「レチクルR1」と呼ぶ)を用いて高精
度の露光を行なう。次に、2回目の露光として、そのL
/Sパターンの内、最終的に残したい(ウエハ上に焼き
付けたい)パターン部分をマスクするパターンが形成さ
れたレチクル(以下、便宜上「レチクルR2」と呼ぶ)
を用いて露光を行い、L/Sパターンの不要部分を消し
て、目的とする孤立線をウエハ上に焼き付けるものであ
る。かかる詳細は、例えば、特開平4−273427号
公報などに開示されている。
【0098】まず、オペレータは、入出力装置30のデ
ィスプレイ上に表示されたメインメニュー画面で二重露
光を例えばマウスを用いて選択する。この二重露光の選
択指令に応じ、主制御装置20は、二重露光用のレチク
ル名の指定画面をディスプレイ上に表示する。そこで、
オペレータはキーボード等により、第1回目の露光、第
2回目の露光にそれぞれ使用するレチクル名として、
「R1」、「R2」をそれぞれ入力する。ここでは、こ
れらの入力されたレチクル「R1」、「R2」のデータ
は、RAMの第1のデータ格納領域、第2のデータ格納
領域にそれぞれ格納されるものとする。
【0099】上記のようなレチクル名の指定のための入
力が終了し、オペレータが終了ボタンをマウスによりク
リックすると、主制御装置20によりディスプレイ上の
画面が、次の入力指定画面、例えば照明条件の指定画面
に切り換えられる。そこで、オペレータはキーボード等
により、第1回目の露光、第2回目の露光にそれぞれ使
用する照明条件のデータを入力する。ここで、例えば、
第1回目の露光、第2回目の露光にそれぞれ使用する照
明条件として、変形照明、通常照明をそれぞれ入力した
ものとする。これらの入力された変形照明、通常照明の
データは、RAMの第1のデータ格納領域、第2のデー
タ格納領域にそれぞれ格納される。
【0100】そして、オペレータが終了ボタンをマウス
によりクリックすることにより、主制御装置20では、
次の入力指定画面をディスプレイ上に表示し、以後同様
にして、条件データの入力、画面の切り換えが繰り返し
行われ、全ての露光条件の入力が終了すると、各回の露
光の際の露光条件の設定データを含むプロセスプログラ
ムがRAM内に作成される。
【0101】次に、上記のプロセスプログラムに従って
行われる二重露光時の動作について説明する。
【0102】前提として、この露光処理動作の開始の際
には、ウエハステージWST上へのウエハWのロード、
アライメント光学系ALGを用いたEGA(エンハンス
ト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメン
トなどのウエハWに関連する準備作業は終了しているも
のとする。なお、EGAについては、特開昭61−44
429号公報等に詳細に開示されている。
【0103】そして、オペレータにより入出力装置30
を介して露光開始の指示が入力されると、露光処理動作
が開始される。
【0104】まず、主制御装置20では、RAM内の第
1のデータ格納領域に格納された露光条件データ(プロ
セスプログラムファイルの一部)を読み出し、この読み
出した露光条件データに基づいて露光条件を設定する。
具体的には、不図示のレチクルローダを介してレチクル
R1をレチクルステージRST上にロードする。その
他、RAM内の第1のデータ格納領域から読み出したデ
ータに基づいて第1回目の露光の際の照明条件の設定、
その他の露光条件の設定を行う。ここで、照明条件の設
定には、例えば照明系開口絞り板上の開口絞りの選択設
定が含まれる。この場合、変形照明用の開口絞りが選択
される。
【0105】次に、主制御装置20では、RAM内の第
1のデータ格納領域から読み出した露光精度に関連する
データ、例えばレチクルR1に関する情報(具体的に
は、位相シフトレチクルであり、非常に細い線幅のL/
Sパターンであるなど)に基づいて、一例として、次の
ようにして、ファインモードのレチクルアライメントを
行う。
【0106】すなわち、主制御装置20では、レーザ干
渉計16、31の計測結果に基づいて、ステージ制御系
19に指示を与え、不図示の一対のレチクルアライメン
ト顕微鏡を用いて、ウエハステージWST上の基準マー
ク板に形成された例えば4対のレチクルアライメント用
基準マーク(以下、「第1基準マーク」と呼ぶ)のうち
の所定の一対の第1基準マークと、これに対応するレチ
クルR1上のレチクルマークの像とを同時に観察可能な
位置に、レチクルステージRST、ウエハステージWS
Tを移動する。
【0107】次に、主制御装置20では、一対のレチク
ルアライメント顕微鏡を用いて、前記所定の一対の第1
基準マークに対応する1対のレチクルマークの像の位置
ずれ量を計測する。
【0108】次いで、主制御装置20では、ステージ制
御系19に指示を与え、基準マーク板とレチクルR1と
を投影倍率比でY方向に同期して移動することによっ
て、順次他の3対の基準マークに対するレチクルマーク
像の位置ずれ量を計測する。
【0109】そして、主制御装置20では、これら4対
のレチクルマークの位置ずれ量から、基準マーク板ひい
てはウエハステージWSTに対するレチクルR1の投影
像の位置ずれ量のオフセット、回転角、ディストーショ
ン、及び走査方向の角度ずれ等を算出し、この算出結果
をRAM内の一時記憶領域に記憶する。なお、このレチ
クルアライメント動作は、特開平7−176468号公
報などに詳細に開示されている。次に、主制御装置20
では、上記のディストーションが最小になるように不図
示の結像特性補正コントローラを介して投影光学系PL
の結像特性を補正する。
【0110】上記のレチクルアライメントの終了後、主
制御装置20では、アライメント光学系ALGの真下に
基準マーク板が配置されるようにウエハステージWST
を移動して、基準マーク板上の第2基準マークのアライ
メント光学系ALGの検出中心に対する位置ずれ量を検
出し、この位置ずれ量の検出結果と、このときのレーザ
干渉計31の計測値と、設計上のベースライン量とに基
づいていわゆるベースライン量を算出する。
【0111】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が終了すると、主制御装置20では、前述した
ウエハアライメントの結果、ベースライン計測結果等に
基づいて、ステージ制御系19に対してウエハステージ
WST、レチクルステージRSTの移動を指示する。こ
れにより、ステージ制御系19では、レーザ干渉計31
の計測値に基づいてウエハ駆動部21を制御してウエハ
Wの第1ショットの露光のための走査開始位置にウエハ
ステージWSTを移動すると同時に、レーザ干渉計16
の計測値に基づいてレチクル駆動部11を制御してレチ
クルステージRSTを走査開始位置に移動する。この
際、主制御装置20からの指示に基づいて、ステージ制
御系19では前述したレチクルアライメントの際に求め
られた、レチクルR1の位置ずれ量が最小になるように
レチクルR1の位置を補正する。
【0112】次いで、主制御装置20からの指示に基づ
き、ステージ制御系19により、駆動部11、21を介
してレチクルステージRSTとウエハステージWSTと
のY方向の走査が開始される。そして、両ステージRS
T、WSTがそれぞれの目標走査速度(スキャン速度)
に達し、主制御装置20が両ステージRST、WSTが
同期整定状態に達したと判断した時点から、光源1から
の紫外パルス光によってレチクルRのパターン領域が照
明され始め、前述した走査露光が開始される。
【0113】この走査露光の開始に先立って、光源1の
発光は開始されているが、主制御装置20によって可動
レチクルブラインド5Bの各ブレードの移動がレチクル
ステージRSTの移動と同期制御されているため、レチ
クルR1上のパターン領域外への紫外パルス光の照射が
防止されることは、通常のスキャニング・ステッパと同
様である。
【0114】そして、レチクルR1のパターン領域の異
なる領域が紫外パルス光で逐次照明され、パターン領域
全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の
第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチ
クルR1のパターンが投影光学系PLを介してウエハW
上の第1ショットに縮小転写される。
【0115】ここで、上記の走査露光時に、主制御装置
20からの指示に応じて、ステージ制御系19により、
前述したレチクルアライメント時に求められたレチクル
R1の走査方向角度誤差が補正される。
【0116】このようにして、第1ショットの走査露光
が終了すると、主制御装置20からの指示に基づき、ス
テージ制御系19により、ウエハ駆動部21を介してウ
エハステージWSTのショット間ステッピングが行わ
れ、第2ショットの露光のための走査開始位置に移動さ
れる。
【0117】このステッピングの際に、ステージ制御系
19では、主制御装置20からの指示に応じ、レーザ干
渉計31の計測値に基づいてウエハステージWSTの
X、Y、θz方向の位置変位をリアルタイムに計測す
る。そして、ステージ制御系19では、この計測結果に
基づき、ウエハ駆動部21を制御してウエハステージW
STのXY位置変位が所定の状態になるように制御す
る。
【0118】また、ステージ制御系19では、主制御装
置20からの指示に応じ、ウエハステージWSTのθz
方向の変位の情報に基づいてレチクル駆動部11を制御
し、そのウエハW側の回転変位の誤差を補償するように
レチクルステージRSTを回転制御する。
【0119】そして、主制御装置20がウエハステージ
WSTの第2ショットの露光のための走査開始位置への
位置決めが整定したと判断したときに、前述と同様にし
てウエハW上の第2ショットに対して上記と同様の走査
露光が行われる。
【0120】このようにして、ウエハW上のショットの
走査露光と次ショット露光のためのステッピング動作と
が繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全
てにレチクルR1のパターンが順次転写され、第1回目
の露光が終了する。
【0121】次に、主制御装置20では、RAM内の第
2のデータ格納領域に格納された露光条件データ(プロ
セスプログラムファイルの一部)を読み出し、この読み
出した露光条件データに基づいて露光条件を設定する。
具体的には、不図示のレチクルローダを介してレチクル
R2をレチクルステージRST上にロードする。その
他、RAM内の第2のデータ格納領域から読み出したデ
ータに基づいて第2回目の露光の際の照明条件の設定、
その他の露光条件の設定を行う。ここで、照明系開口絞
り板上の開口絞りとして、通常照明用の開口絞りが選択
される。
【0122】次に、主制御装置20では、RAM内の第
2のデータ格納領域から読み出した露光精度に関連する
データ、例えばレチクルR2に関する情報(具体的に
は、通常レチクルであり、一部分以外パターンが存在し
ない不要パターン除去用のレチクルである等のデータ)
に基づいて、前述したファインモードのレチクルアライ
メントを簡略化したクイックモードのレチクルアライメ
ントを行う。
【0123】すなわち、主制御装置20では、レーザ干
渉計16、31の計測結果に基づいて、ステージ制御系
19に指示を与え、不図示の一対のレチクルアライメン
ト顕微鏡を用いて、ウエハステージWST上の基準マー
ク板に形成された例えば4対の第1基準マークのうちの
所定の一対の第1基準マークと、これに対応するレチク
ルR2上のレチクルマークの像とを同時に観察可能な位
置に、レチクル駆動部11、ウエハ駆動部21をそれぞ
れ介してレチクルステージRST、ウエハステージWS
Tが移動する。
【0124】次に、主制御装置20では、一対のレチク
ルアライメント顕微鏡を用いて、前記所定の一対の第1
基準マークに対応する1対のレチクルマークの像の位置
ずれ量を計測する。
【0125】そして、主制御装置20では、この1対の
レチクルマークの位置ずれ量から、基準マーク板ひいて
はウエハステージWSTに対するレチクルR2の投影像
の位置ずれ量のオフセット、回転角を算出し、この算出
結果をRAM内の一時記憶領域に記憶する。なお、この
レチクルアライメント動作は、特開平7−176468
号公報などにより詳細に開示されている。
【0126】上記のレチクルアライメントの終了後、ベ
ースライン計測を行うことなく、レチクルR2を用い
て、前述と同様にして、ステップ・アンド・スキャン方
式で、第2回目の露光が行われる。これにより、ウエハ
W上の既にレチクルR1のパターンが精度良く転写され
た露光対象ショットの全てに、レチクルR2のパターン
が重ねて転写される。
【0127】以上の二重露光により、ウエハW上の各シ
ョット領域に線幅の非常に細い孤立線の像がそれぞれ形
成され、このウエハWを現像装置により、現像すること
により、ウエハW上の各ショット領域に線幅の非常に細
い孤立線のレジスト像が形成される。
【0128】ここで、上記の説明では、煩雑化を避ける
ため、あえて説明を省略したが、本実施形態の露光装置
100では、主制御装置20により、第1回目の露光
と、第2回目の露光とで、ショット間ステッピングの際
のウエハステージWSTの最高移動速度(及び加減速
度)並びに位置決め整定を判断する位置誤差の許容値が
変更されている。
【0129】これについて更に詳述する。図2には、ウ
エハステージWSTの第1回目の露光の際のショット間
ステッピング時の速度の時間変化(a)と、第2回目の
露光の際のショット間ステッピング時の速度の時間変化
(b)とが、それぞれ概略的に示されている。また、図
3(A)には、図2中の(a)の場合に対応する減速終
了後の目標値に対する位置誤差の時間変化が示され、図
3(B)には、図2中の(b)の場合に対応する減速終
了後の目標値に対する位置誤差の時間変化が示されてい
る。
【0130】図2から明らかなように、ショット間ステ
ッピングの際の最高移動速度(ステッピング速度)がよ
り速い、第2回目の露光時の方が、ショット間ステッピ
ング時間そのものは、明らかに短い。従って、ウエハス
テージWSTのステッピング速度を速くすれば、その
分、ウエハWの露光処理に要する時間(露光処理時間)
の短縮が可能である。但し、ステッピング速度を高くす
ると、限られた距離(ショット間距離)をより高速で移
動するので、図2からも明らかなように、加減速度の絶
対値が大きくなる。その結果、図3(A)と図3(B)
とを比較するとわかるように、位置決めの際の振動がよ
り大きくなる。そのため、例えば位置決めの整定を判断
する目標値に対する位置誤差(err)の許容値(通
常、標準偏差、すなわちRMS値を基準として定められ
る)がともに同じ値Aであるとすると、ステッピング速
度が高速である場合の方が、その位置決めが整定するま
での時間(位置決め整定時間)が必然的に長くなる。
【0131】そこで、主制御装置20では、要求される
露光精度に関するデータ、例えばレチクルR1に関する
情報とレチクルR2に関する情報とに基づいて、第1回
目の露光の際と第2回目の露光の際とで、ウエハステー
ジWSTの移動状態を図2に示されるように、変更する
とともに、第2回目の露光の際の上記位置誤差(er
r)の許容値を、図3(B)に示される値Bに変更して
いる。これにより、図3(B)に示されるように第2回
目の露光の際の位置決めの完了がT1だけ早くなされる
ようになる。この結果、図3(A)と図3(B)とを比
較するとわかるように、位置決め整定時間を増加するこ
となく、第2回目の露光時に第1回目の露光時よりステ
ッピング時間を短縮することができるようになってい
る。
【0132】また、主制御装置20では、上記と同様
に、要求される露光精度に関するデータ、例えばレチク
ルR1に関する情報とレチクルR2に関する情報とに基
づいて、第1回目の露光の際と第2回目の露光の際と
で、露光のための両ステージRST、WSTの移動状態
(スキャン速度、加減速度)を変更している。勿論、第
1回目より第2回目の露光の際のスキャン速度を高くし
ている。スキャン速度を増加すると、露光時間(走査露
光時間)が短縮することは明らかである。
【0133】この場合、前述の如く、照明条件として、
第1回目の露光の際に変形照明を採用し、第2回目の露
光の際に通常照明を採用するので、第2回目の方がウエ
ハ面(像面)の照度(ウエハWに照射されるエネルギビ
ームの強度)が高くなる。そこで、主制御装置20で
は、この照度変化に応じて2回目の露光時のスキャン速
度を高く設定し、これにより常に所望の積算露光量がウ
エハW上の各点に与えられるようにしている。
【0134】また、スキャン速度を増加する場合には、
レチクルステージRSTの移動ストロークが限られてい
る関係からスキャン(等速同期移動区間)前後の加減速
度を大きくしなければならない。そのため、両ステージ
RST、WSTの加速終了後の目標速度に対する誤差
(従って、目標位置に対する誤差)が大きくなり、その
結果、同一の位置誤差の許容値に基づいて同期整定の完
了を判断すると、両ステージRST、WSTが等速同期
状態に達するまでの時間(同期整定時間)が長くなる。
そこで、主制御装置20では、スキャン速度を増加する
のに応じて同期整定を決定する位置誤差の許容値を大き
くすることにより、第1回目の露光の際に比べて第2回
目の露光の際の同期整定時間を増加することがないよう
にしている。
【0135】以上説明したように、本実施形態に係る露
光装置100によると、同一ウエハWに対して2回の露
光を繰り返し行う場合、例えば、ウエハW上に線幅の非
常に細い孤立線を焼き付けるために、ウエハW上の各シ
ョット領域に前述したレチクルR1、R2を用いて二重
露光を行う場合に、主制御装置20が、各回の露光に要
求される露光精度(本実施形態では、一例として前述の
如くレチクルR1、R2に関する情報に基づいて判断さ
れる)に応じて、a.ショット間ステッピング時のウエ
ハステージWSTの移動状態(ステッピング速度、加減
速度)及び次ショットの走査開始位置への位置決めの整
定を判断する目標値に対する位置誤差(err)の許容
値、b.露光のための両ステージRST、WSTの移動
状態(スキャン速度、加減速度)及びスキャン速度の増
加に応じた同期整定を決定する位置誤差の許容値、c.
レチクルアライメントのファインモード又はクイックモ
ードの設定などを変更する。この場合、主制御装置20
では、いずれの制御ファクタについても、要求される露
光精度が厳しい第1回目の露光については、スループッ
トより解像力を重視した状態となり、要求される露光精
度がそれほど高くない露光については、反対に解像力よ
りスループットを重視した状態となるように変更する。
【0136】上記a.のショット間ステッピング時のウ
エハステージWSTの移動状態(ステッピング速度、加
減速度)及び次ショットの走査開始位置への位置決めの
整定を判断する目標値に対する位置誤差(err)の許
容値の変更により、前述の如く、位置決め整定時間を増
加することなく、第1回目の露光の際と比べて第2回目
の露光の際のステッピング時間を短縮することができる
ので、結果的に露光処理時間を短縮することができる。
【0137】但し、必ずしもこのようにする必要はな
く、ステッピング速度の向上による露光処理時間の短縮
と位置決め整定時間の増加とを考慮して、全体的にスル
ープットが向上する程度にウエハステージWSTのステ
ッピング時の速度及び加減速度(移動状態)を変更する
のであれば、上記の位置決めの整定を判断する目標値に
対する位置誤差(err)の許容値として常に同じ値を
用いても良い。
【0138】あるいは、第1回目の露光の際と第2回目
の露光の際とで、ウエハステージWSTのステッピング
時の速度及び加減速度(移動状態)を変更することな
く、位置決めの際の位置誤差の許容値だけを変更しても
良い。この位置誤差の許容値を大きくすると、より短時
間に位置決め状態と判断することとなるので、その分早
く、次の動作(例えば、露光のためのレチクルステージ
RST、ウエハステージWSTの走査動作)を開始でき
るので、全体的な露光処理時間の短縮が可能になる。
【0139】また、上記b.の露光のための両ステージ
RST、WSTの移動状態(スキャン速度、加減速度)
及びスキャン速度の増加に応じた同期整定を決定する位
置誤差の許容値の変更により、前述の如く、露光の際の
同期整定時間を増加することなく、第1回目の露光の際
と比べて第2回目の露光の際にスキャン速度の増加によ
り走査露光時間を短縮することができる。
【0140】但し、これに限らず、スキャン速度の向上
による走査露光時間の短縮と同期整定時間の増加とを考
慮して、全体的にスループットが向上する程度に両ステ
ージRST、WSTの走査時の移動状態(速度及び加減
速度)を変更するのであれば、上記の同期整定を判断す
る位置誤差の許容値として常に同じ値を用いても良い。
【0141】あるいは、レチクルステージRSTとウエ
ハステージWSTとのスキャン速度等を変更することな
く、両ステージの同期整定を決定する位置誤差の許容値
を大きくしても良い。この場合、より短時間に同期整定
状態となるので、その分早く、次の露光動作(露光光I
Lの照射動作)を開始でき、全体的な露光処理時間の短
縮が可能になる。
【0142】上記c.のレチクルアライメントのモード
の変更により、第1回目の露光に比べて、第2回目のレ
チクルアライメントに要する時間は明らかに短縮され、
各回の露光の際にファインモードのレチクルアライメン
トを行う場合に比べて、スループットの向上が可能であ
る。このレチクルアライメントは、レチクルとウエハと
の相対位置合わせ(重ね合わせ)のために行われるので
あるから、本実施形態では、主制御装置20が、レチク
ルアライメントのモードの変更という手段により、結果
的に露光の際のレチクルパターンとウエハとの相対位置
合わせ精度を変更している。
【0143】本実施形態の露光装置100によると、上
記a.〜c.のような種々のスループット制御ファクタ
が主制御装置20によって、要求される露光精度に応じ
て前述の如く変更されるので、同一ウエハに対する上記
の二重露光の際に、毎回同じスループット制御ファクタ
に基づいて露光システム102が制御される場合に比べ
て、明らかにスループットを向上することが可能とな
る。一方、要求される露光精度がそれほど高くない第2
回目の露光、換言すればある程度の露光精度の低下を許
容できる場合にのみスループットをより重視した状態と
なるように、スループット制御ファクタが変更されるの
で、結果的に露光精度については十分な精度を維持でき
る。なお、上記a.〜c.のスループット制御ファクタ
のうち、例えば上記c.のファクタの変更を行わなくて
も良い。すなわち、第1回目の露光と第2回目の露光と
で、アライメントを除く露光動作に関連する少なくとも
1つのスループット制御ファクタを変更するだけでも良
い。
【0144】なお、上では、線幅の非常に細い孤立線の
パターンをウエハW上に焼き付けるための二重露光に関
して説明したが、これに限らず、同様に、パターンサイ
ズを規定するための第1回目の露光とパターン形状を規
定するための第2回目の露光とを含む二重露光であれ
ば、本実施形態の露光装置100により、上記とほぼ同
様にして、露光精度を十分に維持してかつスループット
を向上することができる。
【0145】かかる二重露光方法の他の例としては、例
えば、第1パターンとして設定値(最終的に得たいも
の)よりも長さの長いL/Sや孤立ラインを用い、該第
1パターンの転写に際し、変形照明又は位相シフトレチ
クルを用いて、解像度と焦点深度(DOF)の向上を図
り、それらのラインパターンの両端部の細くなる部分を
取り除くべく、第2パターンとして各ラインパターンに
対応する枠状パターンを通常照明条件の下で転写する露
光方法がある。かかる露光方法は、例えば特開平10−
284377号公報などに開示されている。
【0146】その他の例としては、例えば、特開平2−
166717号公報などに詳細に開示される、ウエハ上
に形状の小さな角張ったパターンを焼き付けるための、
光近接場補正(OPC)が挙げられる。このOPCで
は、第1回目の露光で必要な回路パターンだけでなく、
不要なパターンまで焼いてしまう。第2回目の露光では
不要なパターンを消すための露光を行なうが、第2回目
の露光では第1回目の露光程の精度は必要とされない。
従って、上記と同様に要求される露光精度に応じてスル
ープット制御ファクタを変更(制御精度を変更)するこ
とにより、第2回目の露光に掛かる時間が短縮され、ス
ループットの向上を図ることが可能になる。
【0147】なお、上記実施形態では、同一ウエハの二
重露光の場合について説明したが、要求される露光精度
に応じて、スループット制御ファクタを変更する(制御
精度を変更する)という手法は、三重露光以上の多重露
光にもそのまま適用できることは、特に説明を要しない
であろう。
【0148】なお、これまでの説明では、本発明が二重
露光等の多重露光の際に適用される場合について説明し
たが、各回の露光に要求される露光精度が異なるのであ
れば、同一ウエハ(基板)上の隣接する区画領域にパタ
ーンを繋ぎ合せて転写する繋ぎ露光(スティッチング露
光)の際にも、本発明は同様に適用できる。
【0149】この他、各回(各層)の露光に要求される
露光精度が異なるのであれば、第1回目の露光と第2回
目の露光とは、同一ウエハ(基板)に対する異なる層
(レイヤ)の露光であっても良い。この場合において、
前述と同様、第1回目の露光がパターンサイズを規定す
るための露光であり、第2回目の露光がパターン形状を
規定するための露光であっても良い。かかる場合には、
第2回目の露光の際の制御精度(上記実施形態に則して
述べれば、前述したa.〜c.のようなスループット制
御ファクタの変更により変更される精度)を第1回目の
露光の際の制御精度より緩やかに設定すれば良い。これ
により、上記実施形態の場合と同様に、露光精度を十分
に維持しつつ、スループットを向上することができる。
【0150】例えば、同一ウエハに対する異なる層(レ
イヤ)の露光を行う場合には、主制御装置20が、各層
の露光に要求される露光精度に応じて、上記実施形態と
同様に、ショット間ステッピングに際してのウエハステ
ージWSTの移動状態と位置決めの際の位置誤差の許容
値との少なくとも一方、走査露光に際してのレチクルス
テージRST、ウエハステージWSTの移動状態(スキ
ャン速度、加減速度)及びこれに対応するウエハ面照度
と同期整定を判断する位置誤差の許容値との少なくとも
一方、あるいは前述したレチクルアライメントのモー
ド、又はこれら3者の全てを変更することとすることが
できる。これに代えて、あるいはこれらに加えて、主制
御装置20では、第2層目以降の露光の際に、各層の露
光に先立って行われる前述したEGAのサンプルショッ
ト数又はサンプルマーク数を要求される露光精度に応じ
て変更しても良い。この場合、要求される露光精度が厳
しいときは、EGAサンプルショット数を多くし、要求
される露光精度がそれほど厳しくない場合には、サンプ
ルショット数を少なくするようにすれば、要求される露
光精度によらず、常に同数のサンプルショット数を用い
る場合に比べて、スループットを向上することができ
る。また、露光精度も十分に維持することができる。こ
の場合、EGAサンプルショット数の変更により、レチ
クルとウエハとの相対位置合わせ精度が変更されること
は言うまでもない。また、複数のウエハアライメントモ
ード(例えば、EGAモードと、サンプルショット毎
に、座標値を算出すべきショットとの距離に応じた重み
をその位置情報に与える重み付けEGAモードなどを含
む)を使用可能とし、前述の露光精度に応じてそのモー
ドを変更しても良い。
【0151】これまでに説明したものに代え、あるいは
加えて、主制御装置20では、スループット制御ファク
タとして、各回の露光の際に光源1から出射されウエハ
Wに照射されるパルス光のエネルギばらつきの許容値、
及び繰り返し周波数の少なくとも一方を、要求される露
光精度に応じて、変更しても良い。パルス光のエネルギ
強度ばらつきの許容値が大きければ、調整時間をその分
短縮することができる。また、繰り返し周波数が高くな
ると、それに応じてパワーが増大し、再計測が必要にな
るが、要求される露光精度が緩やかであれば、前記再計
測を省略しても支障はない。従って、再計測の省略と、
繰り返し周波数を高くすることによるパワーの増大(走
査型露光装置の場合、スキャン速度をこれに応じて調整
する必要がある)により露光時間の短縮が可能となる。
【0152】なお、上記実施形態では、主制御装置20
が、要求される露光精度に応じて、露光の都度、自らの
判断で、前記スループット制御ファクタを変更する場合
について説明したが、本発明がこれに限定されるもので
はない。例えば、上記実施形態と同様に、制御システム
が、露光システムの制御を行うための各種パラメータが
設定されるプロセスプログラムファイルを有する場合に
は、プロセスプログラムファイルに、各回の露光の際に
用いられる前記制御ファクタに関連するパラメータの値
が個別に設定可能であることとしても良い。かかる場合
には、オペレータが予めプロセスプログラムファイルに
各回の露光で用いられる各種のパラメータの値を個別に
設定することにより、制御システムが、そのプロセスプ
ログラムファイルに従って露光システムの制御を行なう
ことにより、要求される露光精度に応じて、各回の露光
に際して上記制御ファクタの変更が行われることとな
る。従って、判断プログラムを含む複雑な露光処理プロ
グラム(ソフトウェア)を新たに作成することなく、従
来のプロセスプログラムファイルの簡易な変更で足り
る。
【0153】また、上記実施形態では、本発明がステッ
プ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用され
た場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに
限定されることはなく、ステッパ等の静止露光型露光装
置にも好適に適用できるものである。ステッパの場合、
制御システムは、これまでに説明したスループット制御
ファクタ(但し、スキャンに関連するものを除く)に代
えあるいはこれとともに、各回の露光の際の焦点ずれの
許容値を変更することとしても良い。
【0154】例えば、要求される露光精度が厳しい場合
には、露光の際に許容される焦点ずれ量は非常に小さく
なり、要求される露光精度が緩やかであれば露光の際に
許容される焦点ずれ量は多少大きくても影響は殆どな
い。従って、制御システムでは、要求される露光精度が
厳しい場合には、それに応じて露光の際の焦点ずれの許
容値を小さくし、要求される露光精度がそれほど厳しく
ない場合には、露光の際の焦点ずれの許容値を多少大き
く設定する。この結果、前者に比べて後者の場合フォー
カスの追い込み時間が短くなり、要求される露光精度に
かかわらず、露光の際の焦点ずれの許容値を一律に設定
する場合に比べて、露光処理時間の短縮が可能になる。
この場合、露光精度を十分に維持することができる。
【0155】また、ステッパの場合には、例えば特開平
7−122473号公報などに開示されるように、レチ
クル(マスク)側にもEGAと同様の手法を用い、投影
光学系を介してのレチクルの倍率、ローテーション等を
求めるアライメント法が採用される場合があるが、要求
される露光精度に応じて、そのEGAのサンプルマーク
数を変更することにより、マスクと基板との相対位置合
わせ精度を変更することとしても良い。
【0156】また、ステッパの場合、基板に照射される
エネルギビームの強度(基板上の照度)を強くすれば、
その分基板に対する露光時間を短縮できるので、露光処
理時間の短縮によりスループットの向上が可能である。
この基板上の照度を変更するに際し、エネルギビーム源
がパルスレーザ光源である場合、繰り返し周波数をより
大きな周波数にしたり、エネルギビーム源からの1パル
ス当たりのエネルギ値を増加したり、あるいはエネルギ
ビーム源と基板との間の光路中の減光素子の減光率を変
更するなどを行っても良い。
【0157】また、本発明は、投影光学系を用いない、
プロキシミティ方式のX線露光装置等にも適用が可能で
ある。
【0158】なお、上記実施形態では本発明が露光光I
Lとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)
あるいはF2レーザ光(波長157nm)等を用いる露
光装置に適用された場合について説明したが、これに限
らず、波長146nmのKr 2レーザ光、波長126n
mのAr2レーザ光等の真空紫外光を用いる露光装置、
あるいは波長5〜30nmの軟X線領域のEUV光を用
いるEUV露光装置などにも本発明は好適に適用でき
る。
【0159】この他、本発明では、エネルギビームとし
て、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振
される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例え
ばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両
方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形
光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いて
も良い。
【0160】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μ
mの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの
範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほ
ぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57
〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜
158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ光
とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0161】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2
ーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場
合、単一波長発振レーザとしては例えばイッテルビウム
・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0162】なお、上記各実施形態で示した投影光学系
や、照明光学系はほんの一例であって、本発明がこれに
限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系と
して屈折光学系に限らず、反射光学素子のみからなる反
射系、又は反射光学素子と屈折光学素子とを有する反射
屈折系(カタッディオプトリック系)を採用しても良
い。
【0163】なお、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロ
マシン、及びDNAチップなどの製造、さらにはマスク
又はレチクルの製造などに用いられる露光装置などにも
本発明を適用することができる。
【0164】なお、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系PLを露光装置のボディに組み込み、
光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチ
クルステージRSTやウエハステージWST等を露光装
置のボディに取り付けて配線や配管を接続し、更に総合
調整(電気調整、動作確認等)をすることにより上記実
施形態の露光装置100等の本発明に係る露光装置を製
造することができる。なお、露光装置の製造は温度およ
びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うこと
が望ましい。
【0165】《デバイス製造方法》次に、上述した露光
装置100及びその露光方法をリソグラフィ工程で使用
したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0166】図4には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図4に示されるように、まず、ステップ201
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0167】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0168】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0169】図5には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図5において、ステップ211(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0170】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)によってマスクの回路パターンをウエハに転写
する。次に、ステップ217(現像ステップ)において
は露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチ
ングステップ)において、レジストが残存している部分
以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そ
して、ステップ219(レジスト除去ステップ)におい
て、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除
く。
【0171】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0172】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法によると、露光工程(ステップ216)において上記
実施形態の露光装置及びその露光方法を用いて露光が行
われるので、露光精度を十分に維持しつつ、スループッ
トを向上して露光が行われる。従って、微細パターンを
有するマイクロデバイスの歩留まりを低下させることな
く、そのスループットを向上して生産性を向上すること
ができる。
【0173】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る露光
方法及び露光装置によれば、露光精度を十分な精度に維
持しつつ、スループットを向上することができるという
優れた効果がある。
【0174】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
れば、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示
す図である。
【図2】ショット間ステッピング時のウエハステージの
速度変化を、低速ステッピング時の場合(a)と、高速
ステッピングの場合(b)とを、対比して示す図であ
る。
【図3】図3(A)は、図2中の(a)の場合に対応す
る減速終了後の目標値に対する位置誤差を示す図、図3
(B)は、図2中の(b)の場合に対応する減速終了後
の目標値に対する位置誤差を示す図である。
【図4】本発明に係るデバイスを製造する製造方法の実
施形態を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4のステップ204における処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…光源(エネルギビーム源)、11…レチクル駆動部
(同期駆動装置の一部)、19…ステージ制御系(同期
駆動装置の一部)、20…主制御装置(制御システ
ム)、21…ウエハ駆動部(同期駆動装置の一部)、1
00…露光装置、102…露光システム、W…ウエハ
(基板)、R…レチクル(マスク)、IL…露光光(エ
ネルギビーム)、WST…ウエハステージ(基板ステー
ジ)、RST…レチクルステージ(マスクステージ)、
PL…投影光学系。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板に対して少なくとも2回の露光
    を繰り返し行う露光方法において、 各回の露光に要求される露光精度に応じて、制御精度を
    変更することを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2回の露光は、同一基板
    に対する同一層の露光であることを特徴とする請求項1
    に記載の露光方法。
  3. 【請求項3】 同一基板に対し、パターンサイズを規定
    するための第1露光とパターン形状を規定するための第
    2露光とを含む少なくとも2回の露光を行う露光方法に
    おいて、 前記第2露光の際の制御精度を前記第1露光の際の制御
    精度より緩やかに設定することを特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 前記第1露光と前記第2露光とは、同一
    基板に対する同一層の露光であることを特徴とする請求
    項3に記載の露光方法。
  5. 【請求項5】 前記同一基板に対する同一層の露光は、
    前記基板上の同一領域にパターンを重ねて転写する多重
    露光であることを特徴とする請求項2又は4に記載の露
    光方法。
  6. 【請求項6】 前記制御精度の変更は、前記基板上の複
    数の区画領域を所定の基準位置に位置決めする際の前記
    基板の移動状態、前記位置決めの際の位置誤差の許容
    値、前記基板に転写されるパターンが形成されたマスク
    と前記基板との相対位置合わせ精度、前記マスクと基板
    とを所定方向に同期移動する際の移動状態、及び前記同
    期移動時の整定を決定するための許容値のうちの少なく
    とも1つを変更することを含むことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 【請求項7】 エネルギビームに対して第1及び第2物
    体をそれぞれ相対移動し、前記第1物体を介して前記エ
    ネルギビームで前記第2物体を走査露光する露光方法に
    おいて、 前記第2物体への転写精度が異なる複数のパターンをそ
    れぞれ用いて前記第2物体上の同一層に対して複数回の
    走査露光を行うとともに、前記転写精度に応じて前記各
    パターンを用いた前記走査露光に関する制御ファクタを
    異ならせることを特徴とする露光方法。
  8. 【請求項8】 前記制御ファクタはスループットに寄与
    するファクタを含むことを特徴とする請求項7に記載の
    露光方法。
  9. 【請求項9】 前記制御ファクタは、前記走査露光に関
    する前記第1及び第2物体の移動制御ファクタを含むこ
    とを特徴とする請求項7又は8に記載の露光方法。
  10. 【請求項10】 前記複数回の走査露光は、前記複数の
    パターンそれぞれを前記第2物体上の各領域に対して重
    ねて転写するステップ・アンド・スキャン方式の多重露
    光であり、 前記制御ファクタは、前記複数のパターンのうち前記転
    写精度が第1パターンよりも緩い第2パターンを用いる
    際の前記第2物体の走査露光に関するスループットが、
    前記第1パターンを用いる際の前記第2物体の走査露光
    に関するスループットよりも高くなるように設定される
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の
    露光方法。
  11. 【請求項11】 エネルギビームをパターンが形成され
    たマスクに照射して、前記マスクのパターンを基板ステ
    ージに保持された基板に転写する露光システムと;前記
    露光システムを全体的に制御する制御システムとを備
    え、 前記制御システムは、同一基板に対して少なくとも2回
    の露光を繰り返し行う際に、各回の露光に要求される露
    光精度に応じて、スループットに寄与する前記露光シス
    テムの制御ファクタを変更することを特徴とする露光装
    置。
  12. 【請求項12】 前記制御システムは、同一基板に対す
    る同一層の少なくとも2回の露光を行う際に、各回の露
    光に要求される露光精度に応じて、スループットに寄与
    する前記露光システムの制御ファクタを変更することを
    特徴とする請求項11に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記制御システムは、前記露光システ
    ムを制御して、前記同一基板に対する同一層の少なくと
    も2回の露光として、前記基板上の同一領域に前記パタ
    ーンを重ねて転写する多重露光を行うことを特徴とする
    請求項12に記載の露光装置。
  14. 【請求項14】 前記制御システムは、同一基板に対
    し、パターンサイズを規定するための第1露光とパター
    ン形状を規定するための第2露光とを少なくとも含む前
    記多重露光のため、前記露光システムの制御を行うこと
    を特徴とする請求項13に記載の露光装置。
  15. 【請求項15】 前記制御システムにより変更される前
    記制御ファクタには、所定の基準位置に前記基板上の複
    数の区画領域を順次位置決めする際の、前記基板ステー
    ジの移動状態と前記位置決めの際の位置誤差の許容値と
    の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項1
    1〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 【請求項16】 前記露光システムは、前記マスクから
    出射された前記エネルギビームを前記基板に投射する投
    影光学系を備え、 前記制御システムにより変更される前記制御ファクタに
    は、前記各回の露光の際の焦点ずれの許容値が含まれる
    ことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記
    載の露光装置。
  17. 【請求項17】 前記露光システムは、前記エネルギビ
    ームを出射するエネルギビーム源としてパルスレーザ光
    源を備え、 前記制御システムにより変更される前記制御ファクタに
    は、前記各回の露光の際に前記パルスレーザ光源から出
    射され前記基板に照射されるパルス光のエネルギ強度及
    び繰り返し周波数の少なくとも一方が含まれることを特
    徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の露光
    装置。
  18. 【請求項18】 前記制御システムにより変更される前
    記制御ファクタには、前記マスクのパターンと前記基板
    との相対位置合わせ精度が含まれることを特徴とする請
    求項11〜17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. 【請求項19】 前記露光システムは、前記マスクを保
    持するマスクステージと、前記各回の露光の都度、前記
    マスクステージと前記基板ステージとを同期して前記エ
    ネルギビームに対して所定方向に駆動する同期駆動装置
    とを備え、 前記制御システムにより変更される前記制御ファクタに
    は、前記各回の露光の際の前記両ステージの移動状態及
    び該移動状態に応じた前記基板に照射される前記エネル
    ギビームの強度と、前記両ステージの同期整定を決定す
    る位置誤差の許容値との少なくとも一方が含まれること
    を特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の
    露光装置。
  20. 【請求項20】 前記制御システムは、前記露光システ
    ムの制御を行うための各種パラメータが設定されるプロ
    セスプログラムファイルを有し、 前記プロセスプログラムファイルには、前記各回の露光
    のためのパラメータの値が個別に設定可能であることを
    特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載の露
    光装置。
  21. 【請求項21】エネルギビームに対して第1及び第2物
    体をそれぞれ相対移動し前記第1物体を介して前記エネ
    ルギビームで前記第2物体を走査露光する露光装置にお
    いて、 前記第2物体への転写精度が異なる複数のパターンをそ
    れぞれ用いて前記第2物体上の同一層に対して複数回の
    走査露光を行うとき、前記転写精度に応じて前記各パタ
    ーンを用いた前記走査露光に関する制御ファクタを異な
    らせる制御システムを備えることを特徴とする露光装
    置。
  22. 【請求項22】 前記複数回の走査露光として、前記複
    数のパターンそれぞれを前記第2物体上の各領域に対し
    て重ねて転写するステップ・アンド・スキャン方式の多
    重露光が行われる際に、前記制御システムは、前記複数
    のパターンのうち前記転写精度が第1パターンよりも緩
    い第2パターンを用いる際の前記第2物体の走査露光に
    関するスループットが、前記第1パターンを用いる際の
    前記第2物体の走査露光に関するスループットよりも高
    くなるように、前記制御ファクタを設定することを特徴
    とする請求項21に記載の露光装置。
  23. 【請求項23】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項9に記載の露光方法
    を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
  24. 【請求項24】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項11〜22のいずれ
    か一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴
    とするデバイス製造方法。
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