JP4370608B2 - 走査露光方法、走査型露光装置及びその製造方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

走査露光方法、走査型露光装置及びその製造方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、走査露光方法、走査型露光装置及びその製造方法、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスを製造するためのリソグラフィ工程で使用される走査露光方法、走査型露光装置及びその製造方法、並びに前記走査露光装置を用いて製造されたマイクロデバイスの製造方法に関する。
従来より、例えばマイクロ・プロセッサ,DRAM等の集積回路をはじめとする各種半導体デバイスや液晶デバイスを製造する際に、マスク又はレチクル(以下、適宜「レチクル」と総称する)の回路パターンを投影光学系を介してレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感応基板(以下、適宜「ウエハ」と総称する)上の各ショット領域に転写する投影露光装置が広く使用されている。こうした投影露光装置として、最近では、デバイスの高集積化、デバイスルール(最小線幅)の微細化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式のいわゆるステッパに比べて大面積で高精度な露光が可能なステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が主流となりつつある。
図13Aには、かかる走査型露光装置を用いて基板としてのウエハW上のショット領域SAにレチクルRのパターンを転写露光する様子が模式的に示されている。この図13Aに示されるように、この走査型露光装置では、レチクルR上のスリット状の照明領域IRAが不図示の照明光学系からの露光光ELにより照明され、この照明領域IRA内部分の回路パターンが投影光学系PLを介して表面にレジストが塗布されたウエハW上に投影され、ウエハW上の前記照明領域IRAと共役な露光領域IAに、照明領域IRA内のパターンの縮小像(部分倒立像)が転写される。この場合、レチクルRとウエハWとは、倒立結像関係にあるため、レチクルRを保持したレチクルステージRSTとウエハWを保持したウエハステージWSTとは、太矢印で示されるように、走査方向(図13Aにおける紙面左右方向)に沿って互いに逆向きに、投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比で同期移動(走査)される。これにより、レチクルRのパターン領域PAの全面がウエハW上のショット領域SAに正確に転写される。
通常の走査型露光装置では、レチクルR及びウエハWの投影光学系PLの光軸方向の直交面内の位置は、レーザ干渉計システム等により高精度に計測されており、この計測の結果に基づいてレチクルRに形成されたパターンのウエハW上への転写にあたっての同期移動動作と、ウエハWを次のショット領域SAの露光のための走査開始位置へステッピングさせる動作とを繰り返すことにより、ウエハW上の複数のショット領域SAにレチクルRのパターンが順次転写される。また、ウエハW上の露光領域に関する投影光学系の光軸方向の位置及び投影光学系の光軸方向の直交面に対する傾斜は、フォーカスセンサ等により高精度に計測されており、この計測の結果に基づいてウエハW上の露光領域の投影光学系の像面に対する合焦制御が行われている。そして、上記の同期移動制御及び合焦制御を前提として、ウエハW上のショット領域SAの走査露光中、レチクルRへ照射する照明光の光量を一定に保つことにより、各ショット領域SAにおける転写されたパターンの線幅分布の均一性、すなわち、同一の線幅でレチクルR上に形成されたパターンに関する一様な線幅による転写の確保が図られていた。
従来の走査型露光装置では、上記のようにしてショット領域におけるパターンの線幅分布の均一性の確保が図られていたが、照明光学系や投影光学系等では露光光が散乱しフレアが生じるので、隣接ショットの有無に依存するパターンの線幅の不均一性が発生していた。
フレアは、走査型露光装置の照明光学系や投影光学系などの光学系で使用されているガラス材料等の内部散乱、表面加工やコーティングの凸凹、若しくは不均質性に基づく散乱、光学部材を保持する部材表面での散乱等によって生じる。かかるフレアは本来結像には不要な成分だが、光学系はこのような不要な成分を内在させる特性がある。フレアは、結像に寄与する露光光の光束に重畳する光成分となり、パターンの像のコントラストを低下させる原因となるとともに、フレアのカブリがある露光(以下、「カブリ露光」という)となるので、ポジ型の感光材料の場合には、パターン像の線幅細り現象として観測される。
図13Bには、レチクルR上のパターン領域PAの全体がウエハW上のショット領域SAに投影露光された場合にフレアがショット領域SAの外部にしみ出している様子が平面図にて視覚的に示されている。この場合、図13Cに示されるように、ショット領域外にしみ出したフレア成分の強度は、同図中に示されるショット領域へ照射される照明光束の強度の1%程度であり、また、ショット領域外へしみだす長さ(しみ出し部分の幅)は、20〜30mm程度のフィールドサイズを持つ近年の半導体露光装置用の光学系の場合で数mm程度であると言われている。この場合、ウエハW上のショット領域の内部にも、当然にフレアによるカブリ露光(重畳)が発生する。この結果、次のような現象が生じることになる。
すなわち、半導体チップの露光で通常用いられるステッパやスキャニング・ステッパによって露光されるウエハ上のショット領域間の間隔(ストリートラインの幅)は、数十〜百μm程度であることから、フレアがショット外にしみだす長さの方がウエハ上のショット領域間の間隔よりはるかに大きい。このため、各ショット領域の隣接ショット近傍では隣接するショット領域の露光の際に生じたフレアによるカブリ露光の影響を受けることになるが、現実の露光結果として得られるショット領域内のパターンの線幅均一性から考えて、上記のフレアによるカブリ露光の影響を受けた結果としてウエハ上の内側部に位置する各ショット領域内では積算露光量の分布がほぼ均一になっているものと考えられる。
しかし、ウエハ上の周辺部に位置するエッジショット(本明細書において、「エッジショット」とは、ウエハW周辺部のショット領域であって、その走査方向の少なくとも一方側、又は非走査方向の少なくとも一方側に隣接ショットが無いショット領域を意味する。)の場合、隣接するショット領域が無い辺があり、その辺の近傍では、隣接するショット領域の露光の際に発生したフレアによるカブリ露光がないため、フレアによるカブリ露光の影響を受けた他の辺の近傍のような線幅細り現象が生じず、結果的に、そのエッジショットでは、ウエハ上の内側部に位置する他のショット領域とは異なり、ショット内で線幅変化が生じることになる。
上記の線幅変化によってエッジショットでは線幅のばらつきが大きくなるので、これを抑えるために、エッジショットの更に外側にチップを取ることを目的としない露光量補正のためのショット領域(「ダミーショット」と呼ばれる)を露光する手法がある。図14には、このダミーショットを含むウエハW上のショット領域の配置の一例が示されている。この図14の場合、本来のショット領域(白色のショット領域)は52ショットであるのに対し、ダミーショット(色付けされた領域)が24ショットも必要となっている。
しかしながら、ダミーショットの露光は、本来的にチップの生産に寄与しないショットの露光を行うものであるため、上記のように本来のショットの約半分もダミーショットの露光を行う場合には、生産性(スループット)を著しく低下させてしまう。
さらに、走査型露光装置では、上述の同期移動制御や合焦制御の精度には限界があり、こうした精度の限界内で転写されたパターンの線幅の均一性の確保が図られていた。すなわち、ショット領域における走査露光時の走査方向に関する線幅の不均一性の要因として、レチクルとウエハの同期移動誤差、ウエハに対する合焦制御(フォーカス制御およびレべリング制御)誤差、スキュー誤差(直交度誤差)、スキャン倍率誤差といった各種ステージ精度が走査方向に関する線幅の不均一性の要因として残存していた。
加えて、走査型露光装置自体に起因するものではないが、レチクル描画誤差に起因する線幅の不均一性もあった。また、ウエハにスピンコートによりレジスト剤を塗布すると、レジストはウエハ中心を中心として同心円状に広がるため、レジスト厚みが均一ではなくなることがあり、これに起因するパターンの線幅の不均一性も発生していた。
近年においては、特にマイクロ・プロセッサをはじめとするロジック系のデバイスにおける動作の高速化の要請に伴い、安定した高速動作を確保するために不可欠な条件である回路パターンの線幅の均一性への要求が高まっている。そして、その要求精度は、上記の同期移動制御や合焦制御等の精度の限界から決定される線幅の均一性の精度を上回りつつある。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、基板上の各ショット領域で線幅均一性を高精度に確保することができる走査露光方法及び走査型露光装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、微細パターンが精度良く形成されたデバイスを提供することにある。
本発明は、第1の観点からは、露光光(EL)によりマスク(R)を照明するとともに、前記マスクと基板(W)とを同期移動させながら、前記マスクに形成されたパターンを、投影光学系(PL)を介して前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査露光方法において、前記複数のショット領域のうち、前記基板の端部に位置する特定のショット領域の露光に際して、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域の前記隣接するショット領域が無い側の端部の露光量を、前記端部以外の部分の露光量と異ならせる露光量調整をして、その特定のショット領域に対する前記パターンの転写を行うことを特徴とする第1の走査露光方法である。
本発明の第1の露光方法によれば、マスクと基板とを同期移動させてマスクに形成されたパターンを、投影光学系を介して基板上の複数のショット領域に順次転写するに際し、基板上の端部に位置する特定のショット領域では、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響を考慮して、隣接するショット領域が無い側の端部で、当該端部以外の部分と異なるような露光量調整がされてパターンの転写が行われる。この場合、その特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部では、例えば、他の部分と異なりその隣接ショットが無い分、散乱光によるカブリ露光成分が小さくなるが、その特定のショット領域の露光に際して、その端部における露光量調整が他の部分と異なるように露光が行われる結果、その特定のショット領域内における積算露光量の均一性を向上することが可能になる。これにより、その特定のショット領域の端部側の全てについてダミー露光を行っていた従来例に比べて、ダミーショットの個数を減少させることができる。したがって、基板上の各ショット領域で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保することができ、しかもスループットの向上を図ることができる。
この場合において、上記特定のショット領域内における露光量調整には、種々の態様が考えられる。例えば、前記露光量調整が、前記特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部における露光量を他の部分より大きくすることにより行われることにすることができる。かかる場合には、その端部で隣接ショットがない分散乱光のカブリ露光の影響が小さくなる影響が幾分か軽減され、その特定のショット領域内における積算露光量の均一性が向上する。
また、前記露光量調整が、前記特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部における露光量を、前記特定のショット領域の中心から遠ざかるにつれて段階的に徐々に大きくすることにより行われることにすることができる。かかる場合には、その端部近傍における積算露光量の均一性を、上記の例より向上させることができる。
さらに、前記露光量調整が、前記特定のショット領域の隣接ショットが無い側の端部における露光量を、前記特定のショット領域の中心から遠ざかるにつれて連続的に徐々に大きくすることにより行われることにすることができる。かかる場合には、上記の2例より一層効果的にその端部近傍における積算露光量の均一性を向上させることができる。
ところで、投影光学系からの散乱光の発生状況は、マスクの透過率や、投影光学系の開口数(N.A.)や、マスクのパターンの種類等の照明条件によって当然異なる。そこで、本発明の第1の走査露光方法では、前記露光量調整は、前記特定のショット領域の隣接するショット領域の無い側の端部における露光量を、マスクの透過率及び照明条件の少なくとも一方に対する所定の関数に従って変化させることにより行われることが望ましい。かかる場合には、マスクの透過率に応じて、あるいは照明条件に応じて、あるいはマスクの透過率と照明条件とに応じて、特定のショット領域の走査方向の隣接ショットの無い側の端部における露光量が上記所定の関数に従って適切に調整されるので、マスク透過率の変更すなわちマスクの変更や、照明条件の変更に左右されることなく、特定のショット領域内の線幅均一性を向上させることが可能になる。
上記所定の関数は、マスクの透過率、照明条件を定める各要素をパラメータとして含む複雑な演算を行うことにより露光の際に求めることは不可能ではないが、前記所定の関数は、予め実験により求めるようにしても良い。かかる場合には、例えば基板上の各ショット領域内の照明光の照度の分布を実測する等により所定の関数を予め正確に求めておくことにより、露光の際には複雑な演算を行うことなく、予め求めた所定の関数に従って特定のショット領域の走査方向の隣接ショットの無い側の端部における露光量を変化させることにより、特定のショット領域内で高精度な線幅均一性の実現が可能になる。
本発明の第1の走査露光方法では、前記特定のショット領域における隣接するショット領域が無い側の前記端部は、前記特定のショット領域を露光する際における前記基板の移動方向である第1方向の端部及び該第1方向に直交する第2方向の端部の少なくとも一方とすることができる。かかる場合には、特定のショット領域における隣接するショット領域が無い側の端部を第1方向(いわゆる走査方向)の端部とすると、基板上の第1方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができる。また、特定のショット領域における隣接するショット領域が無い側の端部を第2方向(いわゆる非走査方向)の端部とすると、基板上の第2方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができる。さらに、特定のショット領域における隣接するショット領域が無い側の端部を第1方向の端部又は第2方向の端部とすると、基板上の端部に位置する全てのエッジショットを上記特定のショット領域とすることができ、ダミーショットを全て省略することができる。このため、スループットを大幅に向上することができる。
ここで、前記特定ショット領域の隣接するショット領域の無い端部を前記第1方向の端部とし、前記特定ショット領域の走査露光中に露光量調整を変更することができる。かかる露光量調整の方法には、種々考えられる。例えば、前記露光光の光源(16)がパルス照明光源である場合には、露光量調整を、パルス照明光源の発振周波数、パルス照明光源から前記マスクに照射されるパルス照明光のエネルギの少なくとも一方を調整することにより行うことができる。また、前記露光光の光源が連続光光源である場合には、前記露光量調整を、連続光パワー及び光源から前記マスクに至る露光光の光路上に配置された透過率制御素子の少なくとも一方を調整することにより行うこともできる。
また、露光光の光源が、パルス照明光源、連続光光源のいずれであっても、前記露光量調整を、前記マスクと前記基板との移動速度及び前記基板上に照射された露光光の前記基板の前記第1方向(走査方向)に関する幅の少なくとも一方を変化させることにより行うことができる。
本発明の第1の走査露光方法では、前記特定ショット領域の隣接するショット領域の無い端部を、前記第2方向すなわち非走査方向の端部とすることができる。かかる場合には、露光量調整の方法は種々考えられるが、例えば、前記露光量調整を、前記マスク上に照射される露光光の前記第2方向に応じた方向に関する強度分布を調整することによって行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、露光光(EL)によりマスク(R)を照明するとともに、前記マスクと基板(W)とを同期移動させながら、前記マスクに形成されたパターンを、投影光学系(PL)を介して前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査露光方法であって、前記基板上の各ショット領域に対するマスクパターンの転写に先立って、所定方向に関して隣接するショット領域があるか否かを判断する第1工程と;前記第1工程において否定的な判断がなされた特定のショット領域について、前記マスクの透過率及び照明条件の少なくとも一方をパラメータとして含み、前記特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響度を評価するための第1の関数を用いて、前記特定のショット領域の露光量補正のための第2の関数を算出する第2工程と;前記第2工程の算出結果に基づいて、前記特定のショット領域の前記隣接するショット領域が無い側の端部の露光量と該端部以外の部分の露光量とが異なるように露光量を制御しつつ、前記特定のショット領域に前記マスクパターンを転写する第3工程とを含む第2の走査露光方法である。
これによれば、基板上の任意のショット領域に対しマスクパターンを転写する前に、第1工程において、所定方向に関して隣接するショット領域があるか否かが判断され、第1工程の判断が否定的である場合に、第2工程において、マスクの透過率及び照明条件の少なくとも一方をパラメータとして含み、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響度を評価するための第1の関数を用いてそのショット領域の露光量補正のための第2の関数が算出される。そして、この第2工程の算出結果に基づいて、特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部の露光量と、該端部以外の部分の露光量とが異なるように露光量が制御されて、そのショット領域にマスクパターンが転写される。このため、マスクの透過率、照明条件に左右されることなく、そのショット領域内における積算露光量の均一性を向上させることができる。そして、この結果、そのショット領域の所定方向に関する隣接ショットが無い側の外側に更にダミーショットを設定する必要がなくなる。この場合、その特定のショット領域内における積算露光量を、所定方向の両側に隣接ショットがある他のショット領域内と同様に、ほぼ均一にすることが可能になる。これにより、少なくとも、その特定のショット領域の所定方向に関する端部側の隣接ショットに対してもダミー露光を行っていた従来例に比べて、ダミーショットの個数を減少させることができる。したがって、基板上の各ショット領域で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保することができ、しかもスループットの向上を図ることができる。
なお、本発明の第2の走査露光方法では、前記所定方向を、前記特定のショット領域を露光する際における前記基板の移動方向である第1方向及び該第1方向に直交する第2方向の少なくとも一方とすることができる。かかる場合には、所定方向を第1方向(いわゆる走査方向)とすると、基板上の第1方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができ、また、所定方向を第2方向(いわゆる非走査方向)とすると、基板上の第2方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができる。さらに、所定方向を第1方向及び第2方向の双方とすると、基板上の端部に位置する全てのエッジショットを上記特定のショット領域とすることができ、ダミーショットを全て省略することができる。
本発明は、第3の観点からすると、マスク(R)と基板(W)とを同期移動することにより前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域に転写する走査露光方法において、前記複数のショット領域のうち、所定方向に関する隣接するショット領域の無い特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、前記基板に対する露光量を部分的に異ならせることを特徴とする第3の走査露光方法である。
これによれば、マスクと基板とを同期移動することによりマスクのパターンを基板上の複数のショット領域に転写する際に、基板上の複数のショット領域のうち、所定方向に関して隣接するショット領域の無い特定のショット領域では、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の影響を考慮して基板に対する露光量を部分的に異ならせることにより、その特定のショット領域における積算露光量の分布が補正される。この結果、その特定のショット領域における積算露光量の均一性が向上する。
お、本発明の第3の走査露光方法では、前記所定方向を、前記特定のショット領域を露光する際における前記基板の移動方向である第1方向及び該第1方向に直交する第2方向の少なくとも一方とすることができる。かかる場合には、所定方向を第1方向(いわゆる走査方向)とすると、基板上の第1方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができ、また、所定方向を第2方向(いわゆる非走査方向)とすると、基板上の第2方向の端部に位置するショット領域については、そのショット領域に隣接する領域におけるダミーショットを省略することができる。さらに、所定方向を第1方向及び第2方向の双方とすると、基板上の端部に位置する全てのエッジショットを上記特定のショット領域とすることができ、ダミーショットを全て省略することができる。
発明は、第の観点からすると、マスク(R)と基板(W)とを同期移動することにより、前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域の各々に転写する走査露光方法において、前記複数のショット領域の内、隣接するショット領域の少なくとも1つが無い特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域と隣接するショット領域がすべてあるショット領域とで、走査露光中の露光量制御を異ならせることを特徴とする第4の走査露光方法である。
これによれば、例えば隣接するショット領域の少なくとも1つの有無に伴い、隣接するショット領域の露光時の散乱光によるカブリ露光成分の影響を受ける部分の有無によって生じる線幅均一性の相違を、隣接ショット領域の少なくとも1つの有無に応じて走査露光中の露光量制御を異ならせることによって抑制することができる。したがって、基板上の各ショット領域で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保することができるとともに、ダミーショットの個数を減少させることができるので、スループットの向上を図ることができる。
本発明は、第の観点からすると、マスク(R)と基板(W)とを同期移動することにより、前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域の各々に転写する走査露光方法において、前記複数のショット領域の内、特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響を考慮した露光量制御を行いながら走査露光することを特徴とする第5の走査露光方法である。
これによれば、特定のショット領域へのパターン転写にあたって、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの影響を考慮した露光量制御を行いながら走査露光するので、フレアの影響によるカブリ露光によって生じる線幅の不均一性を低減することができる。したがって、基板上の各ショット領域で線幅均一性を高精度に確保することができる。
本発明の第の走査露光方法では、前記特定のショット領域を、少なくとも1つの隣接するショット領域が無いショット領域とすることができる。かかる場合には、特定のショット領域における線幅均一性の確保のためのダミーショットの個数を減少させることができるので、スループットの向上を図ることができる。
本発明は、第の観点からすると、マスク(R)と基板(W)とを同期移動しつつ前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の複数のショット領域(S)に順次転写する走査型露光装置であって、光源(16)を含み、前記マスクに露光用照明光(EL)を照射する照明系(12)と;前記マスクから射出された露光用照明光を基板上に投射する投影光学系(PL)と;前記マスクを保持するマスクステージ(RST)と;前記基板を保持する基板ステージ(58)と;前記マスクステージと基板ステージとを同期移動させる駆動装置(48、50、54R、54W、56)と;前記基板上の端部に位置する特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域内における隣接するショット領域が無い側の端部における露光量が前記端部以外の部分と異なるよう露光量を調整する制御装置(50)を備える走査型露光装置である。
これによれば、光源からの露光光が照明系により照射されたマスク上の領域に形成されたパターンは投影光学系により基板上に投影される。また、駆動装置によりマスクステージと基板ステージとが走査方向に同期移動され、これによりマスクと基板とが走査方向に同期移動し、マスクに形成されたパターンが基板上のショット領域に転写される。ここで、制御装置は、基板上の端部に位置する特定のショット領域では、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の影響を考慮して、特定のショット領域内における隣接するショット領域が無い側の端部における露光量他の部分と異なるように露光量を調整する。したがって、本発明の第1〜5の走査露光方法を使用して、マスクに形成されたパターンを基板上のショット領域に転写できるので、特定のショット領域内での露光量を、他のショット領域内と同様に、ほぼ均一にしつつ、ダミーショットの個数を減少させることができる。すなわち、基板上の各ショット領域で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保することができ、しかもスループットの向上を図ることができる。
発明は、第の観点からすると、マスク(R)と基板(W)とを同期移動しつつ前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査型露光装置の製造方法であって、光源(16)を含み、前記マスクに露光用照明光(EL)を照射する照明系(12)を提供する工程と;前記マスクから射出された露光用照明光を前記基板上に投射する投影光学系(PL)を提供する工程と;前記マスクを保持するマスクステージ(RST)を提供する工程と;前記基板を保持する基板ステージ(58)を提供する工程と;前記マスクステージと基板ステージとを同期移動させる駆動装置(48、50、54R、54W、56)を提供する工程と;前記基板上の端部に位置する特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域内における隣接するショット領域が無い側の端部における露光量が前記端部以外の部分と異なるように露光量を調整する制御装置(50)を提供する工程とを含む走査型露光装置の製造方法。これによれば、照明系、マスクステージ、基板ステージ、駆動装置、制御装置、及び他の様々な部品を機械的、光学的、及び電気的に組み合わせて調整することにより、本発明の走査型露光装置を製造することができる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の走査型露光装置を用いて基板を露光して所定のパターンを前記基板に形成する、すなわち本発明の走査露光方法を用いることにより、微細なパターンを有するデバイスを製造することができる。したがって、本発明は、別の観点からすると、リソグラフィ工程において、本発明の走査型露光装置すなわち本発明の走査露光方法を用いて、所定のパターンを前記基板に転写するデバイスの製造方法であるといえる。
《第1実施形態》
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の走査型露光装置10の概略構成が示されている。この走査型露光装置10は、露光用光源にパルスレーザ光源としてのエキシマレーザ光源を用いたステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
この走査型露光装置10は、エキシマレーザ光源16を含む照明系12、この照明系12からの露光用照明光ELにより照明されるマスクとしてのレチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出された露光用照明光ELを基板としてのウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのZチルトステージ58が搭載されたXYステージ14、及びこれらの制御系を備えている。
前記照明系12は、エキシマレーザ光源16、ビーム整形光学系18、エネルギ粗調器20、フライアイレンズ22、照明系開口絞り板24、ビームスプリッタ26、第1リレーレンズ28A、第2リレーレンズ28B、固定レチクルブラインド30A、可動レチクルブラインド30B、光路折り曲げ用のミラーM及びコンデンサレンズ32等を備えている。
ここで、この照明系12の上記構成各部について説明する。エキシマレーザ光源16としては、KrFエキシマレーザ光源(発光波長:248nm)、ArFエキシマレーザ光源(発光波長:193nm)、F2エキシマレーザ光源(発光波長:157nm)、Kr2(クリプトンダイマ)レーザ光源(発光波長:146nm)、あるいは、Ar2(アルゴンダイマ)レーザ光源(発光波長:126nm)等が使用される。なお、このエキシマレーザ光源16に代えて、金属蒸気レーザ光源、YAGレーザの高調波発生装置等のパルス光源を露光光源として使用しても良い。
図2には、エキシマレーザ光源16の内部が、主制御装置50とともに示されている。エキシマレーザ光源16は、レーザ共振器16a、ビームスプリッタ16b、エネルギモニタ16c、エネルギコントローラ16d及び高圧電源16e等を有する。
レーザ共振器16aからパルス的に放出されたレーザビームLBは、透過率が高く僅かな反射率を有するビームスプリッタ16bに入射し、ビームスプリッタ16bを透過したレーザビームLBが外部に射出される。また、ビームスプリッタ16bで反射されたレーザビームLBが光電変換素子より成るエネルギモニタ16cに入射し、エネルギモニタ16cからの光電変換信号が不図示のピークホールド回路を介して出力ESとしてエネルギコントローラ16dに供給されている。
レーザビームをパルス発光するときは、エネルギコントローラ16dは、エネルギモニタ16cの出力ESが、主制御装置50より供給された制御情報TS中の1パルス当たりのエネルギの目標値に対応した値となるように、高圧電源16eでの電源電圧をフィードバック制御する。また、エネルギコントローラ16dは、レーザ共振器16aからパルス発光されるレーザビームのエネルギを高圧電源16eを介して制御するとともに、その発振周波数(パルス発光の周波数)をも変更する。すなわち、エネルギコントローラ16dは、主制御装置50からの制御情報TSに応じてエキシマレーザ光源16の発振周波数を主制御装置50で指示された周波数に設定するとともに、エキシマレーザ光源16での1パルス当たりのエネルギが主制御装置50で指示された値となるように高圧電源16eの電源電圧のフィードバック制御を行なう。また、エキシマレーザ光源16内のビームスプリッタ16bの外側には、主制御装置50からの制御情報に応じてレーザビームLBを遮光するためのシャッタ16fも配置されている。
なお、パルス発光されるレーザビームを用いて走査露光を行うときの露光量制御の詳細は、例えば特開平8−250402号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令の許す限りにおいて、上記の公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、本実施形態では、上述のようにレーザ光源内のエネルギモニタを使ってレーザビームのエネルギをパルス毎に制御することにしているが、後述のインテグレータセンサ46で検出されるレーザビームのパルス毎のエネルギ情報を直接使用して、高圧電源16eをパルス毎にフィードバック制御することも可能である。
図1に戻り、前記ビーム整形光学系18は、エキシマレーザ光源16からパルス発光されたレーザビームLBの断面形状を、該レーザビームLBの光路後方に設けられたフライアイレンズ22に効率よく入射するように整形するもので、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ(いずれも図示省略)等で構成される。
前記エネルギ粗調器20は、ビーム整形光学系18後方のレーザビームLBの光路上に配置され、ここでは、回転板34の周囲に透過率(=1−減光率)の異なる複数個(例えば6個)のNDフィルタ(図1ではその内の2個のNDフィルタ36A、36Dが示されている)を配置し、その回転板34を駆動モータ38で回転することにより、入射するレーザビームLBに対する透過率を100%から等比級数的に複数段階で切り換えることができるようになっている。駆動モータ38は、後述する主制御装置50によって制御される。なお、その回転板34と同様の回転板を2段配置し、2組のNDフィルタの組み合わせによってより細かく透過率を調整できるようにしてもよい。
前記フライアイレンズ22は、エネルギ粗調器20から出たレーザビームLBの光路上に配置され、レチクルRを均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。この2次光源から射出されるレーザビームを以下においては、「パルス照明光EL」と呼ぶものとする。
フライアイレンズ22の射出面の近傍に、円板状部材から成る変形照明用の照明系開口絞り板24が配置されている。この照明系開口絞り板24には、等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開口絞りのみが図示されている)等が配置されている。この照明系開口絞り板24は、後述する主制御装置50により制御されるモータ等の駆動装置40により回転されるようになっており、これによりいずれかの開口絞りがパルス照明光ELの光路上に選択的に設定される。
なお、変形照明については、例えば特開平5−304076号公報及びこれに対応する米国特許第5,335,044号や、特開平7−94393号公報及びこれに対応する米国特許第5,661,546号に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令の許す限りにおいて、上記の公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
照明系開口絞り板24から出たパルス照明光ELの光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、固定レチクルブラインド30A及び可動レチクルブラインド30Bを介在させて第1リレーレンズ28A及び第2リレーレンズ28Bから成るリレー光学系が配置されている。
固定レチクルブラインド30Aは、レチクルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした面に配置され、レチクルR上の照明領域42Rを規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レチクルブラインド30Aの近傍に走査方向の位置及び幅が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30Bが配置され、走査露光の開始時及び終了時にその可動レチクルブラインド30Bを介して照明領域42Rを更に制限することによって、不要な部分の露光が防止されるようになっている。
リレー光学系を構成する第2リレーレンズ28B後方のパルス照明光ELの光路上には、当該第2リレーレンズ28Bを通過したパルス照明光ELをレチクルRに向けて反射する折り曲げミラーMが配置され、このミラーM後方のパルス照明光ELの光路上にコンデンサレンズ32が配置されている。
更に、照明系12内のビームスプリッタ26で垂直に折り曲げられる一方の光路上、他方の光路上には、光電変換素子よりなるインテグレータセンサ46、反射光モニタ47がそれぞれ配置されている。これらインテグレータセンサ46、反射光モニタ47としては、例えば遠紫外域で感度があり、且つエキシマレーザ光源16のパルス発光を検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフォトダイオード等が使用できる。
このようにして構成された照明系12の作用を簡単に説明すると、エキシマレーザ光源16からパルス発光されたレーザビームLBは、ビーム整形光学系18に入射して、ここで後方のフライアイレンズ22に効率よく入射するようにその断面形状が整形された後、エネルギ粗調器20に入射する。そして、このエネルギ粗調器20のいずれかのNDフィルタを透過したレーザビームLBは、フライアイレンズ22に入射する。これにより、フライアイレンズ22の射出端に多数の2次光源が形成される。この多数の2次光源から射出された露光光(露光用照明光)としてのパルス照明光ELは、照明系開口絞り板24上のいずれかの開口絞りを通過した後、透過率が大きく反射率が小さなビームスプリッタ26に至る。このビームスプリッタ26を透過したパルス照明光ELは、第1リレーレンズ28Aを経て固定レチクルブラインド30Aの矩形の開口部及び可動レチクルブラインド30Bを通過した後、第2リレーレンズ28Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩形の照明領域42Rを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッタ26で反射されたパルス照明光ELは、集光レンズ44を介してインテグレータセンサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光電変換信号(パルス照明光のパルス毎のエネルギに関する情報)が、不図示のピークホールド回路及びA/D変換器を介して出力DS(digit/pulse)として主制御装置50に供給される。このインテグレータセンサ46の出力DSと、ウエハWの表面上でのパルス照明光ELの照度(強度)との相関係数は予め求められて、主制御装置50に併設されたメモリ(記憶装置)51内に記憶されている。
また、レチクルR上の照明領域42Rを照明しそのレチクルのパターン面(図1における下面)で反射された反射光束は、コンデンサレンズ32、リレー光学系を前と逆向きに通過し、ビームスプリッタ26で反射され、集光レンズ48を介して反射光モニタ47で受光される。この反射光モニタ47の光電変換信号が、不図示のピークホールド回路及びA/D変換器を介して主制御装置50に供給される。反射光モニタ47は、本実施形態では、主としてレチクルRの透過率の事前測定の際に用いられる。これについては後述する。
前記レチクルステージRST上にレチクルRが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、レチクルステージ駆動部48によって走査方向(ここでは図1の紙面左右方向であるY方向とする)に所定ストローク範囲で走査されるようになっている。この走査中のレチクルステージRSTの位置は、レチクルステージRST上に固定された移動鏡52Rを介して外部のレーザ干渉計54Rによって計測され、このレーザ干渉計54Rの計測値が主制御装置50に供給されるようになっている。
なお、レチクルRに用いる材質は、使用する光源によって使い分ける必要がある。すなわち、KrFエキシマレーザ光源やArFエキシマレーザ光源を光源とする場合は、合成石英を用いることができるが、F2エキシマレーザ光源を用いる場合は、ホタル石で形成する必要がある。
前記投影光学系PLは、両側テレセントリックな光学配置になるように配置された共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成されている。また、この投影光学系PLとしては、投影倍率βが例えば1/4や1/5などのものが使用されている。このため、前記の如くして、パルス照明光ELによりレチクルR上の照明領域42Rが照明されると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状の露光領域42Wに投影露光される。
なお、パルス照明光ELとしてKrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光を用いる場合には、投影光学系PLを構成する各レンズエレメントとしては合成石英等を用いることができるが、F2エキシマレーザ光を用いる場合には、この投影光学系PLに使用されるレンズの材質は、全てホタル石が用いられる。
前記XYステージ14は、ウエハステージ駆動部56によってXY面内で走査方向であるY方向及びこれに直交するX方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆動されるようになっている。このXYステージ14上に搭載されたZチルトステージ58上に不図示のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着等により保持されている。Zチルトステージ58は、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)を調整すると共に、XY平面に対するウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、XYステージ14の位置は、Zチルトステージ58上に固定された移動鏡52Wを介して外部のレーザ干渉計54Wにより計測され、このレーザ干渉計54Wの計測値が主制御装置50に供給されるようになっている。
更に、図1の走査型露光装置10には、ウエハW表面の前記露光領域IA内部分及びその近傍の領域のZ方向(光軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式のフォーカス検出系(焦点検出系)の一つである多点フォーカス位置検出系が設けられている。この多点フォーカス位置検出系は、不図示の照射光学系と受光光学系とから構成されている。この多点フォーカス位置検出系の詳細な構成等については、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令の許す限りにおいて、上記の公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
制御系は、図1中、制御装置としての主制御装置50によって主に構成される。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して制御する。また、本実施形態では、主制御装置50は、後述するように走査露光の際の露光量の制御も行う。
具体的には、主制御装置50は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度Vr=Vで走査されるのに同期して、XYステージ14を介してウエハWが露光領域42Wに対して−Y方向(又は+Y方向)に速度Vw=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、レーザ干渉計54R、54Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動部48、ウエハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチクルステージRST、XYステージ14の位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置50ではレーザ干渉計54Wの計測値に基づいてウエハステージ駆動部56を介してXYステージ14の位置を制御する。このように、本第1の実施形態では、主制御装置50、レーザ干渉計54R、54W、レチクルステージ駆動部48、ウエハステージ駆動部56によって、レチクルステージRSTとZチルトステージ58とを走査方向に同期移動させる駆動装置が構成されている。
また、主制御装置50では、制御情報TSをエキシマレーザ光源16に供給することによって、エキシマレーザ光源16の発振周波数(発光タイミング)、及び発光パワー(エネルギ)等を制御する。また、主制御装置50は、エネルギ粗調器20、照明系開口絞り板24をモータ38、駆動装置40をそれぞれ介して制御し、更にステージ系の動作情報に同期して可動レチクルブラインド30Bの開閉動作を制御する。
このように本実施形態では、主制御装置50が、露光コントローラ及びステージコントローラの役目をも有している。これらのコントローラを主制御装置50とは別に設けても良いことは勿論である。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の走査型露光装置10におけるウエハW上の複数のショット領域(ショット領域)にレチクルパターンの露光を行う場合の露光シーケンスについて、主制御装置50内のCPUの制御アルゴリズムを示す図3のフローチャートに沿って説明する。
まず、前提条件について説明する。
(1)オペレータによりコンソール等の入出力装置62(図1参照)から入力されたショット配列(いくつかのダミーショットを含む)、ショットサイズ、各ショットの露光順序その他の必要なデータに基づいて、予めショットマップデータ(各ショット領域の露光順序と走査方向とを定めたデータ)が作成され、メモリ51(図1参照)内に格納されているものとする。
(2)また、インテグレータセンサ46の出力DSは、Zチルトステージ58上で像面(即ち、ウエハの表面)と同じ高さに設置された不図示の基準照度計の出力に対して予め較正(キャリブレーション)されている。その基準照度計のデータ処理単位は(mJ/(cm2・pulse))なる物理量であり、インテグレータセンサ46の較正とは、インテグレータセンサ46の出力DS(digit/pulse)を、像面上の露光量(mJ/(cm2・pulse))に変換するための変換係数K1(或いは変換関数)を得ることである。この変換係数K1を用いると、インテグレータセンサ46の出力DSより間接的に像面上に与えられている露光量を計測できることになる。
(3)また、上記キャリブレーションが完了したインテグレータセンサ46の出力DSに対して、エネルギモニタ16cの出力ESもキャリブレーションされ、両者の相関係数K2も予め求められ、メモリ51内に格納されている。
(4)さらに、上記キャリブレーションが完了したインテグレータセンサ46の出力に対して反射光モニタ47の出力がキャリブレーションされ、両者の相関係数K3が予め求められてメモリ51内に格納されているものとする。
(5)オペレータによりコンソール等の入出力装置62(図1参照)から入力された照明条件(投影光学系の開口数NA、コヒーレンスファクタσやパターンの種類など)を含む露光条件に応じて、主制御装置50により、投影光学系PLの不図示の開口絞りの設定、照明系開口絞り板24の開口の選択設定、エネルギ粗調器20の減光フィルタの選択、レジスト感度に応じた目標露光量の設定等が行われているものとする。
(6)更に、露光に用いられるレチクルRのレチクル透過率は、予め次のようにして測定され、その測定結果がメモリ51内に記憶されている。
すなわち、まず、レチクルRが不図示のレチクルローダによってレチクルステージRST上にロードされる。このとき、XYステージ14は、投影光学系PLの直下と離れた所定のローディングポジションにあり、そのローディングポジションでウエハホルダ上のウエハの交換が行われている。レチクルRのロード後に、主制御装置50では、インテグレータセンサ46と、反射光モニタ47との出力を取り込み、両者の比に上記の相関係数K3を乗じ、これを1から減じて100倍することによってレチクルRの透過率Rt(%)を求めるのである。なお、この場合、投影光学系PLの直下にXYステージ14が存在しないので、投影光学系PLより下方側からの反射光は、無視できる程度に小さいものと考えて差し支えない。
この図3の制御アルゴリズムがスタートするのは、ウエハ交換、レチクルアライメント、ベースライン計測、サーチアライメント及びファインアライメント等の一連の露光のための準備作業が終了した時点であるものとする。
まず、ウエハW内に設定された複数のショット領域のうち、任意のショット領域を走査露光するに際し、ステップ100で、当該露光対象のショット領域がエッジショットであるか否かを判断する。このステップ100における判断は、予め作成されメモリ51内に格納されたショットマップデータ(ウエハW内の複数のショット領域を順次露光処理する際に、予めショット配列、露光順序、走査方向等が決定されたデータ)に基づいて行われる。そして、このステップ100における判断が否定された場合には、ステップ112に移行して、当該ショットをメモリ51内のショットマップデータの走査方向に従って走査露光を行う。この場合、通常と同様露光中の露光量がショット内で一定となるような露光量制御が行われる。
一方、ステップ100における判断が肯定された場合には、次のステップ102に進んで当該露光対象のショット領域が、予め定めたダミーショットであるか否かを判断する。このステップ102における判断もメモリ51内のショットマップデータに基づいて行われる。そして、このステップ102における判断が肯定された場合には、ステップ112に移行して前述の如く、メモリ51内のショットマップデータに従った走査方向で走査露光を行う。
一方、上記ステップ102における判断が否定された場合には、ステップ104に進み、メモリ51内のショットマップデータに基づきそのショットの走査方向の両側にともに隣接ショットがあるか否かを判断する。そして、このステップ104における判断が肯定された場合、すなわち、エッジショットであってダミーショットではなく、かつ非走査方向の隣接ショットの一方のないショット領域では、ステップ112に移行して当該ショットをメモリ51内のショットマップデータに従ったスキャン方向で走査露光を行う。一方、ステップ104における判断が否定された場合には、次のステップ106に進んで、第1の関数としての散乱光の影響度を評価するための関数としての影響度関数の具体的な形を計算で求める。
この影響度関数Fは、予め実験的に求められた関数であって、レチクル透過率Rtと照明条件ILとを少なくともパラメータとして含む関数であり、前述した従来例の図13Cに示されるショット領域外にしみ出したしみ出し部分の形状に対応する関数である。ここで、パラメータRt、ILについて簡単に説明する。
(1)Rt:レチクル透過率
殆どが遮光性の材料(クロム膜等)で覆われたレチクル、例えばコンタクトホールなどの孤立パターン露光用のレチクルの場合、投影光学系に入る絶対光量が小さいために、少なくとも投影光学系内で発生する材料や、材料表面、コーティング材での散乱成分は相対的に小さくなる。従って、この場合には、散乱光の影響は殆ど問題にならない。
これと反対に、遮光性部分の面積の少ないレチクル、例えばラインアンドスペースパターン露光用のレチクルの場合、透過率が50%を超えるものも存在し、散乱光の影響は無視できなくなる。先に述べたように、最大1%程度の散乱光成分が発生する。
従って、影響度関数のパラメータとしてレチクル透過率を含めることは、散乱光の影響を正確に求めるためには重要である。
(2)IL:照明条件等
照明条件、より正確には投影光学系の開口数N.A.、コヒーレンスファクタσ、あるいはレチクルパターンの種類により、散乱光の影響度は違ってくる。これは、上記諸条件の差異により、照明光学系や投影光学系を通り抜ける光束の位置が互いに異なり、よって光学系内の散乱性の場所依存性による、散乱光の〔強度〕、〔拡がり方〕に差が生じるためである。
一般に、大きな開口数の照明系開口絞りが選択された場合や、投影光学系の開口数が大きく設定された場合、若しくはレチクルパターンが微細なものになり大きな回折角の光がある場合に、散乱光は相対的により強く、またより遠くまで拡がる傾向にある。これは光学系の加工精度や材料均質性等が、いずれも投影光学系の光軸を中心として放射方向に外に行くに伴って悪くなる傾向を有するためである。
上記のパラメータは、露光ジョブ毎に図3のステップ106の処理に先立って登録する必要がある。このため、本実施形態では、レチクル透過率と同様に、照明条件の各設定をメモリ51内に予め記憶している。
上の説明から明らかなように、散乱光の影響度関数は、F(強度,拡がり)=F(Rt,IL)と表すことが出来る。先に述べたように、この関数は、実験により求めて登録しておく必要があるが、本実施形態では、特定のショット領域の走査方向の一方の端部側について、隣接ショットの露光の際の散乱光の影響の有無を問題とするので、この実験は、例えば、次のようにして行うことが可能である。
すなわち、例えば、ある露光条件の下に、レチクルステージRSTを、走査露光の際のショット領域の端部を露光する位置まで移動させて静止し、このときZチルトステージ58上に不図示のピンホールセンサ(このピンホールセンサの出力は、インテグレータセンサ46の出力に対してキャリブレーションされている)を固定し、XYステージ14をXY2次元方向に所定間隔毎に移動させながら、露光領域42Wの走査方向の外側に隣接する所定面積の計測対象領域内で光量を計測する。そして、各Y位置におけるピンホールセンサの出力値をX方向について平均し、そのときの計測対象領域内の走査方向(Y方向)のウエハ面上における光強度分布のデータ群を求める。
次に、レチクルステージRSTを、その位置から走査露光の際のショット領域の中心側に所定量移動した位置を露光する位置まで移動させて静止し、上と同様にしてそのときの計測対象領域内の走査方向(Y方向)のウエハ面上における光強度分布のデータ群を求める。なお、上記のピンホールセンサの出力の平均値に対してその出力がキャリブレーションされたスリットセンサを用いて上記の計測を行うことも可能である。
このような実験をレチクルステージを所定量づつ移動させながら繰り返し数回行い、計測対象領域内の各Y位置の強度の合計値から、各Y位置における強度を求め、このようにして得られた強度分布データ群を、カーブフィットして、その露光条件下における散乱光の影響度関数曲線を求める。そして、この影響度関数曲線に対応する具体的な関数を決定するため、予め仮定したパラメータRt、IL及び未定係数を含む所定の関数に、その影響度関数曲線の代表的な点の値を代入して、未定係数を決定し、そのときの露光条件下における具体的な、影響度関数を求める。
このような実験を、レチクル透過率を徐々に変更(透過率の異なるレチクルに交換)し、さらに、照明条件を徐々に変更して繰り返し行い、各レチクル透過率及び照明条件毎に、具体的な影響度関数を求める。
以上のようにして求めた、各露光条件毎の影響度関数を、メモリ21内にテーブルとして記憶しても良いが、上述のようにして求めた、各露光条件における影響度関数を統計処理(例えば最小自乗法)して、露光条件によらない影響度関数に含まれる未定係数を決定し、影響度関数の一般式を求め、この一般式を影響度関数F(Rt、IL)としてメモリ51内に記憶しても良い。以下の説明では、この影響度関数F(Rt、IL)がメモリ51内に記憶されているものとする。
そこで、図3のステップ106では、この影響度関数にそのときのパラメータRt、IL(これは所定の演算によって求められる)を代入して、その露光条件下における影響度関数を計算する。
次のステップ108では、上記ステップ106で求めた影響度関数に基づいて露光量制御関数を決定した後、ステップ110に進む。なお、露光量制御関数は、走査露光中のレチクルの位置と対応するものである。このステップ110では、ステップ108で決定した露光量制御関数に従って、露光量を制御しつつ、その露光対象ショット領域の走査露光を行う。この露光量の具体的な制御の例については後述する。
上記のステップ112、110のいずれかで、当該ショットの走査露光が行われた後、いずれの場合もステップ114に進んで次ショット(次に露光すべきショット)が有るか否かを判断する。そして、次のショットが有る場合は、ステップ100に戻って上記の処理・判断を繰り返し、ウエハW上の全てのショット領域の露光が終了すると、ステップ114の判断が肯定され、本ルーチンの一連の処理を終了する。
次に、図4に基づいて、上記ステップ110における特定のショット領域の走査露光中に行われる露光量制御の具体例について説明する。
図4Aには、上記ステップ104における判断が肯定される特定のショット領域(以下、便宜上「ショット領域S」と呼ぶ)の平面図が示されている。このショット領域Sの露光に際しては、仮想線(二点鎖線)で示される露光領域IAが矢印A方向(+Y方向)にウエハに対し相対走査されるものとする。また、図4B〜Dには、そのショット領域Sの露光量制御の様子が示されている。
この内、図4Bは、レチクルRに照射される照明光ELの光量(強度)を、ショット領域Sの+Y方向の端部より数mmの点から増加を開始し、+Y方向の端部まで連続的に増加させるような露光量制御関数に従って露光量の調整を行う場合の露光量の変化の様子を示す線図である。この場合、影響度関数Fも、これに対応したものになる。このような露光量の制御は、主制御装置50が決定した露光量制御関数に応じた制御情報TSをエネルギコントローラ16dに与えることにより、エキシマレーザ光源16の高圧電源16eからレーザ共振器16dに供給される電圧を制御して、1パルス当たりのエネルギを連続的に増加させることにより容易に実現できる。また、照明光ELの光路上に光量(強度)を連続的に変化させることができるようなNDフイルタ等を配置して用いてもよい。さらに、エキシマレーザ光源16のレーザ共振器16aの発振周波数(パルス発光の周波数)を連続的に増加させることによっても容易に実現できる。勿論、レーザ共振器16aの発振周波数の調整と1パルス当たりのエネルギの調整とを組み合わせても良い。
上記のような露光量制御を行うのは、特定のショット領域Sでは、走査方向の一側(この場合+Y方向)に隣接ショットがなく、この隣接ショットの無い側のショット領域Sの端部では、散乱光によるカブリ露光がない。このため、露光量制御を行わない状態ではウエハW表面の積算露光量はその走査方向の一端部に行くに連れて小さくなるので、かかる積算露光量の不均一性を相殺する必要があるからである。従って、この図4Bの露光量制御によって、ショット領域S内の積算露光量の均一性が向上し、他の内部ショットと同等のショット内線幅均一性を確保することができる。
なお、ショット領域Sに対し矢印Aと逆向きに露光領域IAを相対走査する場合には、レチクルRに照射される照明光ELの光量をショット領域Sの+Y方向の端部から減少を開始しショット領域Sの+Y方向の端部から数mmの点で所定の目標光量になるように連続的に減少させるような露光量制御関数に従って露光量の調整を行えば良い。
図4Bでは、レチクルRに照射される照明光ELの光量を連続的に変化させたが、これに限らず、図4Cに示されるように、レチクルRに照射される照明光ELの光量をショット領域Sの+Y方向の端部より数mmの点から増加を開始し、+Y方向の端部まで段階的に増加させるような露光量制御関数に従って露光量の調整を行っても良い。かかる場合には、図4Bの場合に比べれば、ショット領域S内の積算露光量の均一性は高くないが、露光量制御を行わない場合に比べれば、はるかに積算露光量の均一性は向上する。
この他、本実施形態では走査露光が行われるので、その走査露光の際に、エキシマレーザ光源16のパワー(強度)及び発振周波数を一定に保ったまま、かつレチクルステージRSTとXYステージ14との速度比を保ったまま、その走査速度を変化させることによっても露光量の調整を行うことが可能である。図4Dには、この場合の露光量制御関数に従った走査速度の変化の様子が示されている。この場合、走査速度を速くすれば、ウエハ面上での露光量は減少し、逆に遅くすれば増加する。ショット領域Sの隣接ショットの無い側の端部では、カブリ露光がない影響を、露光量を増加することで相殺する必要があるので、この場合に図4Dからも明らかなように、主制御装置50では、干渉計54R、54Wの計測値をモニタしつつレチクルステージ駆動部48、ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステージRSTとXYステージ14の走査速度を、ショット領域Sの+Y方向の端部より数mmの点から減速を開始し、+Y方向の端部まで連続的に減少させるような露光量制御関数に従って変化させれば良い。この場合の露光量制御関数は、影響度関数Fの逆関数にほぼ対応するものになる。
勿論、ショット領域Sに対し矢印Aと逆向きに露光領域IAを相対走査する場合には、ショット領域Sの+Y方向の端部から走査速度の増加を開始し、ショット領域Sの+Y方向の端部より数mmの点で所定の目標走査速度になるように連続的に増加させるような露光量制御関数に従って走査速度の調整を行えば良い。
上記と同様の露光量制御は、主制御装置50が照明系12内の可動レチクルブラインド30Bを制御し、照明領域42R(ひいては、露光領域42W)の走査方向の幅(いわゆるスリット幅)を連続的に変化させることによっても実現することができる。なお、主制御装置が走査速度の調整とスリット幅の調整とを組み合わせて、露光量の調整を行うことも可能である。
以上より、主制御装置50では、エキシマレーザ光源16のレーザ共振器16aの発振周波数、1パルス当たりのエネルギ、走査速度及びスリット幅の少なくとも1つを、決定した露光量制御関数に従って制御することにより、露光量の調整を行えば良い。このことを、逆の言い方をすれば、前述したステップ108においては、露光量の制御をいかなる手段によって実現するかに応じた適切な露光量制御関数を決定すれば良いということになる。
図5には、特定のショット領域S(S2、S3、S4、S5、S64、S65、S66、S67)については、図4B〜C等の露光量制御方法を採用しつついわゆる完全交互スキャンで露光が行われるウエハW上のショット領域の配列の一例が示されている。この図5において、ショット領域S1、S6、S7、S14、S15、S24、S25、S34、S35、S44、S45、S54、S55、S62、S63、S68の16個のショット領域は、いわゆるダミーショットである。前述した図7の従来例では、同様の露光を行う際に、ダミーショットが24ショット必要であったのに対し、本実施形態ではダミーショットの数が8ショットも減少していることがわかる。この8ショットという数は、全ショット数が68(従来例の場合は76)であることを考えれば、単純に計算しても10%以上も露光に要する時間を短縮できることがわかる。
なお、図5において、4角に位置する8個のダミーショットS1、S6、S7、S14、S55、S62、S63、S68は、それぞれの非走査方向の隣接ショットに対する散乱光のカブリ露光の影響を所望の状態にするために必要なものである。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、散乱光の影響度が異なる隣接ショットの無いショット領域の内、特定のショット領域の露光において、隣接したダミーショットを設けることなく、そのショット領域内の積算露光量の均一性を良好にすることができる。従って、ウエハW上の各ショット領域で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保することができるとともにスループットの向上を図ることができるという効果がある。
なお、本実施形態の走査型露光装置10は、上記実施形態で説明した、多数の機械部品及び光学部品等を有する照明系12、複数のレンズ等を有する投影光学系PL、並びに多数の機械部品等を有するレチクルステージRST、XYステージ14及びZチルトステージ58をそれぞれ組み立てて機械的及び光学的に連結し、さらに、駆動装置、主制御装置50、及び記憶装置等51と機械的及び電気的に組み合わせた後に、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。
なお、露光装置100の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本実施形態の露光装置及び方法を使用したデバイスの製造について説明する。
図6は、本実施形態におけるデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートが示されている。図6に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハプロセスステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(組立ステップ)において、ステップ204において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップ205には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図7には、半導体デバイスの場合における、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図7において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハプロセスの各段階の前工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、前工程が終了すると、以下のようにして後工程が実行される。この後工程では、まず、ステップ215(レジスト処理ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布し、引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上記で説明した走査型露光装置及び走査露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、引き続き、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前工程と後工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上のようにして、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスが、高い量産性で製造される。
なお、本実施形態では、ウエハW上の各ショット領域内のフレアに起因する走査方向における線幅のバラツキを補正する場合について説明したが、実際には、量的には小さいものの非走査方向についても隣接するショットの露光の際のフレアの影響によりその非走査方向のパターン線幅の不均一性が生じ得る。そこで、非走査方向に隣接ショットが無いショット領域に関しては、予め計測した線幅分布データを元に非走査方向のフレア込みの理想的な強度分布を求め、各ショット領域の露光前にこの理想的な強度分布になるように照明系内の光学部材を駆動させて、例えば特開平8−64517号公報及びこれに対応する米国特許第5,581,075号に記載される如く、凹凸むら発生させたり、あるいは例えば特開平7−130600号公報及びこれに対応する米国特許第5,615,047号に記載される如く、傾斜むら補正板を用いて傾斜むらを積極的に発生させて非走査方向の露光量分布を補正しても良い。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令の許す限りにおいて、上記の公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。なお、上記の特開平7−130600号公報及びこれに対応する米国特許第5,615,047号には、走査型露光装置について明示的な記載はないが、該公報に開示される傾斜むら補正板は走査型露光装置にも好適に適用できるものである。上記のような非走査方向の補正を上記の走査方向の露光量補正と併せて行うことにより、一層各ショット領域内の線幅均一性が向上する。かかる非走査方向の露光量分布の補正も、各ショット毎に理想的な強度分布を求め、これに応じて行った方が良い。なお、非走査方向の露光量の補正だけを行うようにしてもよい。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態の走査型露光装置は、主制御装置50で実行される露光制御プログラムを除いて第1実施形態の走査露光装置と同様に構成されている。すなわち、本実施形態の走査露光装置10の概略的な構成は図1に示されている。
以下、第1実施形態と相違する本実施形態の走査型露光装置10におけるウエハW上の複数のショット領域(ショット領域)にレチクルパターンの露光を行う場合の露光動作のアルゴリズムを、図8〜図12を参照して説明する。
まず、デバイス製造用の露光(以下、「実露光」という)に先立って、実露光におけるレチクルRの種類、レジスト剤の種類、ウエハW上におけるショット領域割付、走査方向等のプロセス条件から見て、プロセス条件毎に実露光の際の各ショット領域における露光量制御データを決定する。この決定にあたっては、まず、図8のステップ121において、線幅分布測定のための測定用レチクルを用い、露光量を一定値制御しつつ、実露光と同一の条件で、M枚の測定用ウエハ上の各ショット領域に測定用レチクルに形成された線幅測定用パターンを転写する。ここで、転写が行われる測定用ウエハの枚数Mは、後述する処理において統計学上充分と見なせるだけの数を用意する。また、線幅測定用パターンは、測定用レチクルのパターン領域を非走査方向(X軸方向)を行方向とし、走査方向(Y軸方向)を列方向として、I行J列のマトリクス状に仮想的に分割された部分領域のそれぞれに形成された、所定線幅の1つ以上の線パターン、例えば、X軸方向に延びた複数の直線パターン(以下、「H線パターン」という)、Y軸方向に延びた複数の直線パターン(以下、「V線パターン」という)、又はH線パターンとV線パターンとの組み合わせからなる。そして、測定用レチクル上の各部分領域が、測定用ウエハ上の各ショット領域内の部分領域に転写される。
ここで、測定用ウエハに転写されるパターンの線幅分布は、一般的に、走査露光の際のウエハの走査方向が+Y方向であるか−Y方向であるかによって僅かではあるが異なる。そこで、非常に精度良く線幅制御を行う場合には、双方の走査方向についてそれぞれM枚の測定用ウエハに転写を行う。
なお、H線パターン及びV線パターンの所定線幅は、実露光において線幅精度の良い転写が行われるべき線幅、すなわち線幅の制御対象として特に線幅均一性を高めたい線幅に応じて設定される。
また、H線パターンとV線パターンとでは、一般的に測定用ウエハに転写される線幅分布が異なるが、H線パターンとV線パターンとのいずれかのパターンについて特に線幅均一性を高めたいときには、着目するパターンのみを測定用レチクルに形成すればよい。一方、H線パターンとV線パターンとの双方のパターンについて線幅均一性を高めたいときには、双方のパターンを測定用レチクルに形成すればよい。以下、H線パターンの線幅均一性に着目した場合を例にとって説明する。
次に、ステップ123において、露光が完了したM枚の測定用ウエハを現像する。引き続き、ステップ125において、現像後の測定用ウエハ上に形成された各線パターンの線幅を測定し、各ショット領域内の部分領域における線幅値から各ショット領域内の線幅分布を求める。ここで、ショット領域内の部分領域毎に、H線パターンの測定線幅に基づいて、H線パターンの線幅値を統計処理(例えば、平均演算等)して求める。
なお、密集線パターンと孤立線パターンとでは、線幅の露光量に関する依存性が異なる。すなわち、密集線パターンの場合には、線幅が露光量によって大きく変化するが、孤立線パターンの場合には、露光量による線幅の変化は密集線パターンの場合よりも小さく、むしろ照明σ値によって大きく変化する。そこで、測定用レチクルに形成されたパターンにおいて、密集線パターンと孤立線パターンとが混在するときは、密集線パターンに関する線幅の測定結果に基づいて、ショット領域内の部分領域毎の線幅値を求める。また、前記線状パターンの線幅計測には、電子顕微鏡によって行うこともできるし、また、電気配線を行うことができる場合は電気抵抗値測定によって線幅計測を行うこともできる。
こうして、求められたショット領域内の線幅分布データは位置に関して離散的なデータとなり、第m(m=1〜M)ウエハの第n(n=1〜N、N:測定用ウエハのショット領域数)ショット内における、X方向にi(i=1〜I)番目かつY方向にj(j=1〜J)番目の計測点に対する線幅データがW[m,n](i,j)という形式で得られることになる。こうして測定された線幅分布の一例が図9に示されている。なお、図9では、I=5、J=15としている。
ここで、実露光では、走査方向すなわちY軸方向に関する線幅補正を行うので、X方向について各データW[m,n](i,j)を統計処理(例えば、平均演算)して、Y方向に関する線幅分布W[m,n](j)を求める。このW[m,n](j)は離散的な分布なので、ショット領域内のY方向に関する各位置に対応させるためには、位置Yに対する連続データとした方が好都合なので、例えば補間をするか、あるいは適当な関数形を用いてフィッテイングをかける等の操作を行って、各ウエハ、各ショットに対するY方向に関して連続的な線幅分布W[m,n](Y)を求める。この線幅分布W[m,n](Y)の一例が、図10に実線で示されている。なお、図10では、図9に示された線幅分布W[m,n](i,j)をX方向について平均演算して求めたY方向に関する線幅分布W[m,n](j)は破線の折れ線で示されており、これを3次曲線にてフィッテイングした結果として求められた線幅分布W[m,n](Y)が示されている。
こうして、各ショット領域について線幅分布W[m,n](Y)が求められると、図8のステップ127において、各測定用ウエハ間で第1ショット領域の同期方向に関する線幅分布が比較される。すなわち、各線幅分布W[m,1](Y)が相互に比較される。そして、ステップ129において、各線幅分布W[m,1](Y)が実質的に同一であるか否かが判定される。
ステップ129における判定が肯定的な場合には、ステップ121へ移り、ショット領域内の走査方向(Y軸方向)に関する位置に応じた露光光量(照明光の強度)が以下のようにして求められる。
ステップ131では、まず、線幅分布W[m,1](Y)を測定用ウエハについて平均し、線幅分布W[1](Y)を求める。ところで、線幅分布W[1](Y)は一定値制御を行った露光量Eを変化させると変化する。例えば、近年において一般的に用いられているポジ型レジストを使用した場合を考えると、露光量を小さくすると線幅が太くなり、露光量を大きくすると線幅が細くなる。したがって、線幅分布W[1](Y)は、露光量Eを変化させることを考えると、線幅分布W[1](Y,E)と表される。この線幅分布W[1](Y,E)は、上記の測定によって求められた線幅分布W[1](Y)と、予め求められた線幅と露光量との関係に基づいてもとめられる。ここで、線幅と露光量との関係は、計算により推定できる可能性もあるし、実験的に導出することもできる。
計算による場合は、当然のことながら計算結果が必ずしも現実の関係を与えるとは限らないので注意が必要である。また、レチクル描画誤差による線幅不均一が支配的である場合、レチクル線幅分布計測結果からレジスト上での線幅分布を予想することが要求される場合もあるが、このときは、両者の関係の非線型性を充分考慮する必要がある。
一方、実験による場合は、線幅分布計測用のレチクルを用いて、様々な露光量について、各露光量を一定値制御しつつ実露光の状態と同一の条件で走査露光を行う。このとき露光量は、線幅変化が必要補正量と同等の範囲となるような幅にわたって、かつ適切な間隔で変化させなければならない。
以上のようにして求められた線幅分布W[1](Y,E)(図11参照)と各Y位置で所定の目標線幅W0とから、各Y位置における露光量E[1](Y)を演算によって求める(図12参照)。例えば、上記のポジ型レジスト剤を使用しており、上記の線幅測定時の線幅分布W[1](Y,E)において、第1ショット領域の走査方向の両端で線幅が細かったときには、走査露光開始直後の領域と走査露光終了直前の領域における露光量が、他の領域の露光量よりも小さくなる露光量のY方向に関する分布が得られる。こうして求められた露光量E[1](Y)から、ウエハWの同期移動速度VWと、ウエハW上のスリット状の露光領域42Wの走査方向の幅(スリット幅)と、照明光のパルス発光の周期とを勘案して、各Y位置における露光光量P[1](Y)を求める。なお、露光光量P[1](Y)は、照明系12で調整可能な最大露光光量と最小露光光量との間の値である必要があり、また、同期移動速度を考慮して露光光量P[1](Y)を時間tの関数P[1](t(=(Y/VW)))として考えた場合において、露光光量の時間変化が照明系12の性能内であることが必要である。もし、当初に求められた露光光量P[1](Y)が照明系12の性能では実現できなければ、露光量E[1](Y)をより平滑化してから露光光量P[1](Y)を求め直してもよいし、ウエハWの同期速度VW、スリット幅、照明光のパルス発光の周期の中の少なくとも1つと、露光光量Pの調整とを併用するようにしてもよい。こうして求められた露光光量P[1](Y)が、ステップ135において、記憶装置51に格納される。
一方、ステップ129における判定が否定的な場合には、ステップ133へ移り、ショット領域内の走査方向(Y軸方向)に関して共通の露光量、例えば線幅分布W[1](Y,E)のY方向に対する平均値W[1](E)が所定の目標線幅W0となる露光量E0[1]を求める。そして、求められた共通の露光量から、ショット領域内の走査方向に関して共通の露光光量P0[1]を決定する。こうして求められた露光光量P0[1]が、ステップ135において、記憶装置51に格納される。
次に、ステップ137において、すべてのショット領域について、露光光量P[n](Y)又は露光光量P0[n]が求められ、記憶装置51に格納されたか否かが判定される。上記では、第1ショット領域についてのみ露光の際の露光光量が求められただけなので、ステップ137では否定的な判断がなされ、ステップ139へ移る。このステップ139においては、各測定用ウエハ間で第2ショット領域の同期方向に関する線幅分布W[2](Y)が比較される。そして、ステップ131〜ステップ135において、第1ショット領域の場合と同様にして、露光光量P[2](Y)又は露光光量P0[2]が求められ、記憶装置51に格納される。
以後、ステップ137において、すべてのショット領域について、露光光量P[n](Y)又は露光光量P0[n]が求められ、記憶装置51に格納されたと判断されるまで、各ショット領域について、露光光量P[n](Y)又は露光光量P0[n]が求められ、記憶装置51に格納される。そして、ステップ137において肯定的な判断がなされると、露光光量データの決定を終了する。
なお、上述のステップ121において、+Y方向及び−Y方向の走査方向の双方についてパターン転写を行った場合には、ステップ123において、線幅データがW[m,n;k](i,j)(ここで、k=+(+Y方向走査)又は−(−Y方向走査))という形式で得られることになる。そして、各k毎に上述のステップ125〜ステップ139を実行することにより、すべてのショット領域について、露光光量P[n;k](Y)又は露光光量P0[n;k]が求められ、記憶装置51に格納される。なお、k=「+」の場合には、jが1からJに増加する方向に向かって、露光が進行し、k=「−」の場合には、jがJから1に減少する方向に向かって露光が進行する。
また、以上では、H線パターンに関して線幅を均一化するための露光光量を求めたが、V線パターンに関して線幅を均一化するための露光光量も同様にして求めることができる。さらに、H線パターン及びV線パターンの双方の線幅を適度に均一化する場合には、H線パターンの線幅分布とV線パターンの線幅分布と個別に求めて、所望の重み付けをして平均し、その結果から上述のショット領域内における線幅分布を求めることにすればよい。
こうして、露光光量データの決定が終了すると、実露光にあたって、不図示のウエハローダによって、露光対象となるウエハWがZチルトステージ上にロードされる。これと同時に、不図示のレチクルローダによって、デバイス製造用のパターンが形成されたレチクルRがレチクルステージRST上にロードされる。そして、主制御装置50が、ウエハ干渉計54W及びレチクル干渉計54Rから供給された位置情報(速度情報)に基づき、ウエハステージ駆動部56及びレチクルステージ駆動部48を介して、ウエハWとレチクルとを同期移動制御しつつ、記憶装置51に記憶された露光光量データに基づいて露光光量制御を行って、レチクルRに形成されたパターンをウエハW上の各ショット領域上に転写する。ここで、露光光量制御は、主制御装置50が、インテグレータセンサ46から供給されたパルス照明光ELの照度情報(強度情報)をモニタしつつ、エキシマレーザ光源16及びエネルギ粗調器20を制御して、パルス照明光ELの各パルスのエネルギを変化させることによって行われる。なお、パルス照明光ELの各パルスのエネルギ(強度)の制御は、エキシマレーザ光源16の高圧電源16eからレーザ共振器16dに供給される電圧の調整及びエネルギ粗調器20のNDフィルタの調整の少なくとも一方を行えばよい。
なお、露光光量制御の目的はウエハWにおけるパターンの線幅分布を均一化するための露光量の調整であるが、この露光量の調整のために、パルス照明光ELの照度(強度)を一定としつつ、主制御装置50が、可変ブラインド30Bを制御して、レチクルR上の照明領域42Rの走査方向の幅及びウエハW上の露光領域42Wの走査方向の幅を制御してもよい。また、主制御装置50が、ウエハステージ駆動部56及びレチクルステージ駆動部48を制御して、ウエハWとレチクルRとの同期移動速度を変化させてもよい。さらに、パルス照明光ELのパルス発光の周波数を変化させてもよい。
すなわち、ウエハW上の露光領域42Wを通過する間に、ウエハWに露光量E[n](Y)又は露光量E0[n]に基づく露光量が与えられるように、主制御装置50が、上記のパルス照明光ELの各パルスのエネルギ、パルスの発振周波数、照明領域42Rと露光領域42Wと走査方向の幅、及びウエハWとレチクルRとの同期移動速度の少なくとの1つを制御すればよい。
以上、説明したように、本実施形態によれば、ウエハWへのパターン転写の際に、ショット領域の全域で一定の露光量の目標値とした場合に生じる走査方向に関するパターン線幅の転写誤差に応じて、この誤差を相殺するように各ショット領域内における走査方向の位置に関する露光量を制御するので、高精度なパターン転写を行うことができる。
なお、本実施形態の走査型露光装置10は、第1実施形態と同様に、多数の機械部品及び光学部品等を有する照明系12、複数のレンズ等を有する投影光学系PL、並びに多数の機械部品等を有するレチクルステージRST、XYステージ14及びZチルトステージ58をそれぞれ組み立てて機械的及び光学的に連結し、さらに、駆動装置、主制御装置50、及び記憶装置等51と機械的及び電気的に組み合わせた後に、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。
また、本実施形態の露光装置及び方法を、前述の図6及び図7で説明したデバイス製造方法に適用することにより、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスを製造することができる。
なお、本実施形態では、パターン線幅の転写誤差の要因となる、レチクルRに形成されたパターンの描画誤差、ウエハW上のレジスト膜の厚さの不均一性、投影光学系PLの像面とウエハW上の露光領域42Wとの合焦制御誤差、レチクルRとウエハWとの同期移動制御誤差、及び投影光学系PLで発生する光散乱等の要因の全てが総合されて生じるパターン線幅の転写誤差を測定用の露光を行って求め、その測定結果に基づいて、ウエハWの露光量を制御している。これに対して、上記の各要因のパターン線幅の転写誤差に対する寄与の特性が既知である場合には、各要因の特性に基づいてパターン線幅の転写誤差を算出し、その算出結果に基づいて、ウエハWの露光量を制御することも可能である。
また、本実施形態では、ショット領域毎に露光光量データPを個別に管理したが、パターン線幅の転写誤差にショット領域間で共通性がある場合には、共通性のあるショット領域のグループ毎に露光光量データを管理することができる。かかる場合には、管理するデータ量を低減することができる。例えば、パターン線幅の転写誤差が、主にレチクルRに形成されたパターンの描画誤差といった、使用する走査型露光装置自体に由来せず走査型露光装置間で機差が無く、ショット領域の位置による差異の無いものでであれば、パターン線幅の転写誤差は、全てのショット領域間で共通性があることになる。この場合には、1つの露光光量データを管理すればよい。また、パターン線幅の転写誤差が、主にウエハWの径方向で発生するウエハW上のレジスト膜の厚さの不均一性やフレアの影響によるものであり、ウエハW上のショット領域の位置や周辺ショット領域との位置関係に応じたものであれば、パターン線幅の転写誤差に共通性のあるいくつかのグループに分けることができることになる。この場合には、グループの数だけ露光光量データを管理すればよい。なお、露光量データEについても同様である。
なお、上記の第1及び第2実施形態では、光源としてパルスレーザ光源の一種であるエキシマレーザ光源を用いる走査型露光装置及びその走査露光方法について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、超高圧水銀ランプ等を光源とし、その光源の発する紫外域の輝線(g線、i線)等の連続光を露光用照明光として用いる走査型露光装置及びその走査露光方法にも好適に適用できるものである。かかるランプを光源とする露光装置の場合には、前述した同期移動中の露光量制御を、前述した同期移動速度、スリット幅の少なくとも一方を調整することによって容易に実現できる。あるいは、ランプ光源の出力(ランプパワー)を制御したり、あるいは照明光学系内に設置された透過率制御素子、例えば、相対位置が調整可能な2枚の回折格子板を有する透過率可変素子などを制御することにより、露光量の調整を行えば良い。
また、本発明は、紫外線を光源にする縮小投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適応できる。
以上説明したように、本発明に係る露光装置及び露光方法は、集積回路等のマイクロデバイスを製造するリソグラフィ工程において、微細なパターンをウエハ等の基板上に精度良く形成するのに適している。
また、本発明に係るデバイスの製造方法は、微細なパターンを有するデバイスの製造に適しており、本発明に係るデバイスは、高い集積度やパターン精度が要求される装置等の製造に適している。
第1実施形態の走査型露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1のエキシマレーザ光源の内部構成を示す図である。 第1実施形態におけるウエハ上の複数のショット領域にレチクルパターンの露光を行う際の、主制御装置内のCPUの制御アルゴリズムを示すフローチャートである。 図4Aは、特定のショット領域の平面図であり、図4B〜図4Dは、そのショット領域の露光量制御の様子を説明するための線図である。 特定のショット領域S(S2、S3、S4、S5、S64、S65、S66、S67)について図4B〜図D等の露光量制御方法を採用しいわゆる完全交互スキャンで露光が行われるウエハW上のショット領域の配列の一例を示す図である。 図1に示された装置を用いたデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。 図6のウエハプロセスステップ(ステップ204)における処理のフローチャートである。 第2実施形態における各ショット領域の走査方向に関する露光光量の決定のための処理のフローチャートである。 測定された線幅分布W[m,n](i,j)の一例を示すグラフである。 線幅分布W[m,n](i,j)がX方向について平均化されたて求められた線幅分布W[m,n](Y)の一例を示すグラフである。 線幅分布W[n](Y,E)の一例を示すグラフである。 各Y位置で目標線幅となる露光量E[n](Y)の一例を示すグラフである。 図13A〜図13Cは、従来技術を説明するための図である。 従来技術によるショット領域及びダミーショット領域の配置の一例を説明するための図である。

Claims (22)

  1. 露光光によりマスクを照明するとともに、前記マスクと基板とを同期移動させながら、前記マスクに形成されたパターンを、投影光学系を介して前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査露光方法において、
    前記複数のショット領域のうち、前記基板の端部に位置する特定のショット領域の露光に際して、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域の前記隣接するショット領域が無い側の端部の露光量を、前記端部以外の部分の露光量と異ならせる露光量調整をして、その特定のショット領域に対する前記パターンの転写を行うことを特徴とする走査露光方法。
  2. 請求項1に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整は、前記特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部における露光量を他の部分より大きくすることにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  3. 請求項1に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整は、前記特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部における露光量を、前記特定のショット領域の中心から遠ざかるにつれて段階的に徐々に大きくすることにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  4. 請求項1に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整は、前記特定のショット領域の隣接するショット領域が無い側の端部における露光量を、前記特定のショット領域の中心から遠ざかるにつれて連続的に徐々に大きくすることにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  5. 請求項1に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整は、前記特定のショット領域の隣接するショット領域の無い側の端部における露光量を、前記マスクの透過率及び照明条件の少なくとも一方に対する所定の関数に従って変化させることにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  6. 請求項5に記載の走査露光方法において、
    前記所定の関数は、予め実験により求められることを特徴とする走査露光方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の走査露光方法において、
    前記特定のショット領域における隣接するショット領域が無い側の前記端部は、前記特定のショット領域を露光する際における前記基板の移動方向である第1方向の端部及び該第1方向に直交する第2方向の端部の少なくとも一方の端部であることを特徴とする走査露光方法。
  8. 請求項7に記載の走査露光方法において、
    前記特定ショット領域の隣接するショット領域の無い端部は、前記第1方向の端部であり、
    前記特定ショット領域の走査露光中に露光量調整を変更することを特徴とする走査露光方法。
  9. 請求項8に記載の走査露光方法において、
    前記露光光の光源がパルス照明光源である場合に、前記露光量調整が、前記パルス照明光源の発振周波数、前記パルス照明光源から前記マスクに照射されるパルス照明光のエネルギの少なくとも一方を調整することにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  10. 請求項8に記載の走査露光方法において、
    前記露光光の光源がランプ光源である場合に、前記露光量調整が、ランプパワー及び前記光源から前記マスクに至る露光光の光路上に配置された透過率制御素子の少なくとも一方を調整することにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  11. 請求項8に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整が、前記マスクと前記基板との移動速度及び前記基板上に照射される露光光の前記第1方向に関する幅の少なくとも一方を変化させることにより行われることを特徴とする走査露光方法。
  12. 請求項7に記載の走査露光方法において、
    前記特定ショット領域の隣接するショット領域の無い端部は、前記第2方向の端部であることを特徴とする走査露光方法。
  13. 請求項12に記載の走査露光方法において、
    前記露光量調整が、前記マスク上に照射される露光光の前記第2方向に応じた方向に関する強度分布を調整することによって行われることを特徴とする走査露光方法。
  14. 露光光によりマスクを照明するとともに、前記マスクと基板とを同期移動させながら、前記マスクに形成されたパターンを、投影光学系を介して前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査露光方法であって、
    前記基板上の各ショット領域に対するマスクパターンの転写に先立って、所定方向に関して隣接するショット領域があるか否かを判断する第1工程と;
    前記第1工程において否定的な判断がなされた特定のショット領域について、前記マスクの透過率及び照明条件の少なくとも一方をパラメータとして含み、前記特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響度を評価するための第1の関数を用いて、前記特定のショット領域の露光量補正のための第2の関数を算出する第2工程と;
    前記第2工程の算出結果に基づいて、前記特定のショット領域の前記隣接するショット領域が無い側の端部の露光量と該端部以外の部分の露光量とが異なるように露光量を制御しつつ、前記特定のショット領域に前記マスクパターンを転写する第3工程とを含む走査露光方法。
  15. マスクと基板とを同期移動することにより前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域に転写する走査露光方法において、
    前記複数のショット領域のうち、所定方向に関する隣接するショット領域の無い特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、前記基板に対する露光量を部分的に異ならせることを特徴とする走査露光方法。
  16. 請求項14又は15に記載の走査露光方法において、
    前記所定方向は、前記特定のショット領域を露光する際における前記基板の移動方向である第1方向及び該第1方向に直交する第2方向の少なくとも一方の方向であることを特徴とする走査露光方法。
  17. マスクと基板とを同期移動することにより、前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域の各々に転写する走査露光方法において、
    前記複数のショット領域の内、隣接するショット領域の少なくとも1つが無い特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域と隣接するショット領域がすべてあるショット領域とで、走査露光中の露光量制御を異ならせることを特徴とする走査露光方法。
  18. マスクと基板とを同期移動することにより、前記マスクのパターンを前記基板上の複数のショット領域の各々に転写する走査露光方法において、
    前記複数のショット領域の内、特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じるフレアの該特定のショット領域に対する影響を考慮した露光量制御を行いながら走査露光することを特徴とする走査露光方法。
  19. 請求項18に記載の走査露光方法において、
    前記特定のショット領域は、少なくとも1つの隣接するショット領域が無いことを特徴とする走査露光方法。
  20. マスクと基板とを同期移動しつつ前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査型露光装置であって、
    光源を含み、前記マスクに露光用照明光を照射する照明系と;
    前記マスクから射出された露光用照明光を前記基板上に投射する投影光学系と;
    前記マスクを保持するマスクステージと;
    前記基板を保持する基板ステージと;
    前記マスクステージと基板ステージとを同期移動させる駆動装置と;
    前記基板上の端部に位置する特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域内における隣接するショット領域が無い側の端部における露光量が前記端部以外の部分と異なるよう露光量を調整する制御装置を備える走査型露光装置。
  21. マスクと基板とを同期移動しつつ前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の複数のショット領域に順次転写する走査型露光装置の製造方法であって、
    光源を含み、前記マスクに露光用照明光を照射する照明系を提供する工程と;
    前記マスクから射出された露光用照明光を前記基板上に投射する投影光学系を提供する工程と;
    前記マスクを保持するマスクステージを提供する工程と;
    前記基板を保持する基板ステージを提供する工程と;
    前記マスクステージと基板ステージとを同期移動させる駆動装置を提供する工程と;
    前記基板上の端部に位置する特定のショット領域の露光に際し、該特定のショット領域に隣接する他のショット領域を露光するときに生じる不要な散乱光の該特定のショット領域に対する影響を考慮して、該特定のショット領域内における隣接するショット領域が無い側の端部における露光量が前記端部以外の部分と異なるように露光量を調整する制御装置を提供する工程とを含む走査型露光装置の製造方法。
  22. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程では、請求項1〜19のいずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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