JP2001281869A - 銀塩オフセット印刷原版 - Google Patents

銀塩オフセット印刷原版

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JP2001281869A
JP2001281869A JP2000095594A JP2000095594A JP2001281869A JP 2001281869 A JP2001281869 A JP 2001281869A JP 2000095594 A JP2000095594 A JP 2000095594A JP 2000095594 A JP2000095594 A JP 2000095594A JP 2001281869 A JP2001281869 A JP 2001281869A
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Jun Yamada
旬 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム支持体の表面処理方法を改良し
て、銀画像の接着性の向上を図るとともに、細線画像の
再現性向上を図り、細線の耐刷性と現像ラチチュードに
優れた銀塩オフセット印刷原版を提供することを目的と
する。 【解決手段】物理現像核形成金属イオンを含有する処理
液で電解粗面化処理したアルミニウム支持体に銀塩感光
層を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印刷原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷版に
関するものであり、特にアルミニウムを支持体に用いた
銀塩拡散転写法による銀塩オフセット印刷原版に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】銀塩拡散転写法(DTR法)を用いた銀
塩平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンド
ン・ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ・ロッ
ト及びエディス・ワイデ著、「フォトグラフィック・シ
ルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、
第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されてい
る。 その中に述べられているように、DTR法を用い
た平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツ
ーシートタイプ、或はそれらを一枚のレジンコート紙、
或いはフィルム上に設けたモノシートタイプの二方式が
知られているが、いずれも軽印刷を対象に開発され、耐
刷性には制限があった。
【0003】アルミニウムを支持体とした銀塩方式の平
版印刷版としては特開昭57−118244号、同57
−158844号、同63−260491号、特開平3
−116151号等の各公報に詳しく記載されている。
【0004】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
塗布し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなってい
る。
【0005】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0006】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有する。
【0007】前記アルミニウム平版印刷版の支持体は一
般に不活性で物理現像活性に乏しく、銀塩感光層を塗布
しただけでは十分な銀画像が形成できず、物理現像核の
塗布をしなければならず、2層構成となるばかりでな
く、物理現像核の接着性に劣り、100μm 程度以下の
細線画像が印刷物に忠実に再現されないという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアルミニウム
支持体の表面処理方法を改良して、銀画像の接着性の向
上を図るとともに、細線画像の再現性向上を図り、細線
の耐刷性と現像ラチチュードに優れた銀塩オフセット印
刷原版を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の発明によって達成された。物理現像核形成金属イオ
ンを含有する処理液で電解粗面化処理したアルミニウム
支持体に銀塩感光層を設けたことを特徴とする銀塩オフ
セット印刷原版。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銀塩オフセット印刷原版では支持体表面の物理
現像活性を向上させ、現像処理(現像タンク中の現像液
に浸漬してから次の処理工程で現像が停止するまでの時
間)によって形成される銀画像の接着性を改良するため
に、好ましくはアルミニウム支持体の製造段階の電解粗
面化処理液に物理現像核形成金属イオンを含有させる。
【0011】次に、本発明のアルミニウム支持体の製造
方法とこれを利用した銀塩オフセット印刷原版について
詳しく説明する。
【0012】本発明の支持体のアルミニウム板には純ア
ルミニウム及び各種の金属、例えば、珪素、マグネシウ
ム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、クロム、チタン等を少量
含むアルミニウム合金板が使用される。
【0013】上記アルミニウム板はオフセット印刷版用
の支持体とするため、感光層を塗布する前に表面処理が
施される。表面処理では一般に脱脂、粗面化、デスマッ
ト、陽極酸化、さらに必要に応じて後処理の各処理が行
われる。これらの処理は通常アルミニウムのコイルを用
いて連続的に行われ、各処理の後には必要に応じて水洗
が加えられ、乾燥して支持体とされ、その処理速度には
特に制限はない。
【0014】次に処理工程の順に支持体の製造方法を説
明する。脱脂処理はアルミニウム表面の圧延時の油或は
空気との接触により生成する酸化膜等を除去し、清浄な
アルミニウム板の表面を露出させて、以降の工程がムラ
なく処理できるように施される。脱脂処理の方法として
は、例えばトリクロロエチレン、パークロロエチレン、
等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸
四ナトリウム、石鹸等、或はこれらの混合物によるアル
カリ脱脂、界面活性剤、ケロシン、トリエタノールアミ
ン、水酸化ナトリウム等を組合せたエマルジョン脱脂、
さらに上記の化学脱脂では取れない汚染を除く仕上げ脱
脂と呼ばれる電解脱脂、等の方法がある。
【0015】次に粗面化処理が行われる。粗面化処理は
表面に凹凸を与えるものであり、直接的にはアンカー効
果により感光層の接着性向上に寄与するが、さらにオフ
セット印刷版においては、耐刷性、保水性、印刷画質等
の印刷の基本性能に影響を与えるので、現在ではこれら
の性能を向上させるため各種の方法が実用化されてい
る。即ち、ブラシグレイニング、ボールグレイニング、
液体ホーニング等の機械的粗面化方法、塩酸或は硝酸等
による化学的エッチングによる化学的粗面化方法、或は
これらの酸による電気化学的エッチングによる電解粗面
化方法、或はこれらを組合せて粗面化する方法が知られ
ている。
【0016】電解粗面化法では、塩酸叉は硝酸を主体と
する電解液を使用し、直流或は交流電流(単相或は3
相)を流して電解される。アルミニウム表面にピットが
形成され、電解時の電流密度、液濃度、液組成、液温度
等によってピットの大きさ、深さ、ピットの分布状態を
変えることが出来る。表面の形状は一般に陽極酸化後に
表面粗さ計により評価されるが、その大きさは中心線平
均粗さ;Raの値で0.4 〜0.8μが適当である。
【0017】本発明では上記電解液に物理現像核形成金
属イオン、例えば金、銀、白金、パラジウム、銅、ニッ
ケル、コバルト等或いはそれらの無機酸、有機酸との塩
を添加する。添加量は0.001〜1重量%の範囲が好
ましい。
【0018】アルミニウム板に供給される電力は電解液
の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版と
して適切な砂目を得るためには、一般に、電圧では1〜
60V、処理面における電流密度では5〜60A/dm2
電気量では50〜4000クーロンの範囲で使われる。又電
解液の温度は0〜60℃、電極とアルミニウム板との距
離は1〜10cmの範囲が好ましい。
【0019】電解粗面化に使用する交流電流としては単
相或いは3相の商業用交流或いはこれらを含めた10〜
100Hzの範囲内の正弦波、サイリスター等により交
流の一部がカットされた波形の電流、正負の電流比が等
しくない非対称、対称形正弦波、及び非正弦波、対称形
非正弦波などが使用できる。
【0020】電解液としては硝酸或はその塩、塩酸或は
その塩、或はそれらの1種或は2種以上の混合物の水溶
液が使用出来る。さらに必要に応じて硫酸、燐酸、クロ
ム酸、ほう酸、有機酸、或はそれらのアルカリ塩、アン
モニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他の腐食促進
剤、腐食抑制剤、安定化剤等を加えて使用してもよい。
【0021】電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が
0.1〜10重量%であり、電解液中のアルミニウムイ
オンの濃度を0〜10g/リットル範囲に維持したもの
が好ましい。電解粗面化処理では電解の進行により、ア
ルミニウムがとけ込み、酸類が消費されるので、電解液
の組成が所定の設定範囲をはずれないように、電解液の
一部を廃棄しながら、酸類を補給する、電解液の液管理
のための補充装置の設置が好ましい。
【0022】本発明では上記電解液にさらに物理現像核
形成金属イオン、例えば金、銀、白金、パラジウム、
銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト等の無機酸、
有機酸等との水溶性の塩を添加する。これらの金属イオ
ンは上記電解粗面化処理中に表面に少量析出し、アルミ
ニウム表面の物理現像活性を向上させる。添加量は0.
001〜1重量%の範囲が好ましく、その濃度も一定に
管理することが好ましい。
【0023】次にデスマット処理を行う。デスマット処
理ではスマットが溶解し、ピット面が現われる。デスマ
ット処理には、水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは
燐酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混
合物が使用できるが、それぞれスマット除去能力に違い
があり、処理液の種類或いはその濃度或いは処理温度に
よってその除去能力を調整して使用される。デスマット
処理が強すぎる場合には粗面化の工程で形成された凹凸
を溶解して平坦化させるだけでなく、粗面化液に添加し
た上記金属イオンをすべて溶出し、また弱すぎる場合に
はスマットが残留し、支持体表面が黒く着色するので好
ましくない。その溶解量は前記電解液による処理条件に
よって異なるが、0.05〜1g/m2が適当である。
【0024】粗面化され、デスマットされたアルミニウ
ム板帯には、次に陽極酸化処理が施される。アルミニウ
ムは一般に活性な金属であり、空気中では自然に1〜数
nm程度の酸化膜が形成されるが、そのままでは耐アル
カリ性は低く、従って陽極酸化膜を形成させて耐アルカ
リ性の向上を図る。オフセット印刷版用支持体では、表
面の保水性と感光層の接着性向上を図るため酸化膜とし
ては多孔性の陽極酸化膜が形成される。酸化膜の厚さは
大きい程、耐アルカリ性は大きくなるが、厚くするに従
って電力コストが上がるばかりか、印刷汚れも大きくな
るので、好ましくは、その厚みは重量で3g/m2以下
で使用される。電解液としては生成酸化膜の溶解性が低
い酸が好ましく、硫酸、蓚酸、クロム酸、燐酸等或はこ
れらの混合物が使用できるが、生産性を考慮すると硫酸
を電解液とするのが特に好ましい。陽極酸化に際して生
成する陽極酸化膜のマイクロポアの大きさは上記酸の種
類によって変化し、通常0.01〜0.1μmである。
【0025】多孔性陽極酸化膜はマイクロポア底部のア
ルミニウム表面を溶解しながら成長するので、陽極酸化
処理前に行われた粗面化処理による形状やデスマット処
理による表面がそのまま陽極酸化処理後も酸化膜の表面
に保存される。従って、本発明の物理現像核形成金属塩
含有の電解粗面化処理の効果はデスマット、陽極酸化後
も失われることはない。陽極酸化膜は陽極にのみ生成す
るので、電流は通常直流電流が使用される。陽極酸化の
条件としては、硫酸の場合、液濃度1〜40%、電流密
度0.1〜10A/dm2 、電圧5〜30Vの範囲で使用
され、電流は直接給電法或いは間接給電法により供給さ
れる。陽極酸化膜の厚みは電流密度と時間により変えら
れ、印刷版の耐刷グレードによって適宜調整される。温
度は陽極酸化膜の硬度に影響を与え、低温の方が硬度は
高くなるが、可撓性に劣るため、通常は常温付近の温度
で陽極酸化される。
【0026】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する。必要に
応じてハロゲン化銀乳剤層を塗布する前に、物理現像核
層を塗布してもよい。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用い
られる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭
化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩
化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。ま
た乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよ
い。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感
あるいはスペクトル増感することができる。
【0027】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0028】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0029】本発明にさらに物理現像核層を塗布する場
合、物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用
いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラ
ジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化
物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コ
ロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法に
ついては、例えば、特公昭48−30562号、特開昭
48−55402号、同53−21602号、フォーカ
ル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、
アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグ
ラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・
プロセシズ」を参照し得る。
【0030】本発明の印刷原版の製版において、現像処
理時間(現像液に浸漬してから次の処理工程で現像が停
止するまでの時間)は制限されるものではなく、例えば
20秒間もしくはそれより短い浸漬現像の後に、さらに
3〜30秒間程度の現像を進行させてもよい。
【0031】本発明においては陽極酸化膜の溶解を抑制
する意味から、一般的には現像液のpHは低い方が好ま
しく、現像温度は低い方が好ましく、また現像処理時間
は短い方が好ましい。具体的には、現像液のpHは通常
10〜14であるが、印刷特性を考慮して、pH12.
5以上、とくに12.7〜13.7の範囲が好ましく、
現像液の温度は15〜30℃程度が好ましく、現像処理
時間は5〜30秒程度が好ましい。
【0032】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン
類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル−
3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレ
ンジアミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えば
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及
び以下に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0033】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0034】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0035】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
10〜100gである。
【0036】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0037】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特願平9−89444号明細書に記
載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物の
添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20gで
あり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0038】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0039】現像液には、更に銀画像部を親油性にする
化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油化
剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨ
ーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハラ
イド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、10
6ページに記載されている化合物が挙げられる。例えば
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アン
モニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプト
基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58−127928号に記載されている。
以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されること
はない。
【0040】2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メ
ルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−
ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベン
ゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イ
ミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−
1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカ
プト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベン
ゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−
エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−
2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5
−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデ
シル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5
−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシ
ル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプ
ト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2
−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4
−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−
テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、
1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メル
カプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−
メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メル
カプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,
3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−
ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−ト
リアゾリン等が挙げられる。
【0041】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0042】
【実施例】本発明の銀塩オフセット印刷版を実施例によ
りさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制限
されるものではない。
【0043】実施例1〜4 幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアル
ミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60
℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した
後、水洗し、1.5%の塩酸と2%の酢酸と0.1%の
各種銅塩(表1)よりなる30℃の処理液を満たした電
解槽に浸漬し、電源より40A/dm2、50Hzの単
相交流電流を30秒間流して、交流電解粗面化し、水洗
し、その後50℃、10%燐酸を含む水溶液に20秒間
浸漬してデスマットし、水洗し、さらに25℃、20%
硫酸中に通し間接給電方式により2g/m2の陽極酸化膜を
形成し、乾燥し、実施例1〜4のオフセット印刷版用ア
ルミニウム支持体を得た。
【0044】比較例1 前記実施例の粗面化液から銅塩を省いた以外まったく同
様にして、銅塩を含有させないで粗面化して比較例1の
オフセット印刷版用アミニウム支持体を得た。
【0045】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤
色領域に吸収波長を有する増感色素を銀1g当たり3m
g用いて分光増感した。
【0046】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記実施例1〜4及び比較例1のアルミニウム支
持体上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.5g/m2
になるように塗布乾燥して銀塩オフセット印刷原版を
得た。
【0047】比較例2 次に比較例1で得られたアルミニウム支持体に硫化パラ
ジウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に
含まれる核量は3mg/m2であった。さらに、上記乳
剤層塗布液を比較例1と同様に塗布し、核液を塗布した
2層構成の銀塩オフセット印刷原版を得た。
【0048】上記印刷原版を633nmの赤色LDレー
ザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロ
セッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で
処理してオフセット印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃)、水洗処理工程(35
℃の水洗液をシャワー噴射しながらスクラブローラで乳
剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理工程(21
℃、)及び乾燥工程から構成されている。現像液及び水
洗液及び仕上げ液には下記の組成のものを使用し、処理
速度を変えて現像時間を調整し、現像ラチチュードを評
価した。
【0049】 <現像液> 水酸化ナトリウム 25g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 50g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g ハイドロキノン 15g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1 22ミリモル アミノトリ(メチレンホスホン酸) 10g 水酸化ナトリウム 5g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1
【0050】 <水洗液> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g 第1燐酸カリウム 40g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。 タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15
(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
【0051】 <仕上げ液> 燐酸 0.5g モノエタノールアミン 5.0g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g ポリグリセロール(6量体) 50g 脱イオン水で1000mlとする。 pHは7.2に調整した。
【0052】このようにして得た実施例1〜4及び比較
例1及び2の印刷版のベタ部の画像銀量を測定し、表1
にまとめて示す。
【0053】
【表1】
【0054】このようにして得られた銀塩オフセット印
刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オ
フセット印刷機の商標)に同時に掛けて、インキ(大日
本インキ( 株)社製のニューチャンピオン墨H)及び
市販のPS版用給湿液を用いて耐刷性を比較した。比較
例1の印刷版は画像銀量が少なく、印刷できず、また比
較例2の印刷版は現像時間12秒の製版で細線の版飛び
が発生し、現像ラチチュードの狭い印刷版であった。こ
れに対して、本発明の電解粗面化処理液に銅塩を含有さ
せて粗面化したアルミニウム支持体で作製した印刷原版
を製版した実施例1〜4の印刷版は核液を塗布しなかっ
たにもかかわらず画像銀量も多く、いずれも30秒以上
の現像でも版飛びすることなく現像ラチチュードの広い
印刷版であることが確認できた。
【0055】実施例5〜10 実施例1の金属塩の代わりにシュウ酸ニッケル、硫酸コ
バルト、酢酸ニッケル、燐酸コバルト、酢酸パラジウ
ム、酢酸銀をそれぞれ添加した電解粗面化液を使用し
て、アルミニウム支持体を製造し、実施例1と同様にし
て、実施例5〜10の銀塩オフセット印刷原版を得た。
【0056】このようにして得たアルミニウム支持体に
実施例1と同様にして銀塩感光層塗布し、印刷原版を
得、実施例1と同様にして製版し、実施例5〜10の印
刷版のベタ部の画像銀量を測定し、表2にまとめて示
す。
【0057】
【表2】
【0058】実施例1と同様にして印刷評価したとこ
ろ、本発明の電解粗面化処理液に物理現像核形成金属イ
オンを含有させて粗面化したアルミニウム支持体を使用
した実施例5〜10の印刷版は核液を塗布しなかったに
もかかわらず画像銀量も多く、いずれも30秒以上の現
像でも版飛びすることなく細線画像の現像ラチチュード
の広い印刷版であることが確認できた。
【0059】
【発明の効果】本発明の物理現像核形成金属イオンを含
有させた電解粗面化処理液を用いて粗面化したアルミニ
ウム支持体によって核液を塗布することなく十分な画像
銀を形成できる銀塩オフセット印刷原版を得ることがで
きる。本発明のアルミニウム支持体を使用した銀塩オフ
ッセット印刷原版により現像ラチチュードの広い、細線
の耐刷性に優れたDTR方式の印刷版を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 8/06 501 G03C 8/06 501 G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 7/09 501 7/09 501

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物理現像核形成金属イオンを含有する処
    理液で電解粗面化処理したアルミニウム支持体に銀塩感
    光層を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印刷原
    版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007311429A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Nippon Foil Mfg Co Ltd フレキシブルプリント配線板の製造方法

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