JP2003107717A - 銀塩オフセット印刷原版 - Google Patents

銀塩オフセット印刷原版

Info

Publication number
JP2003107717A
JP2003107717A JP2001304390A JP2001304390A JP2003107717A JP 2003107717 A JP2003107717 A JP 2003107717A JP 2001304390 A JP2001304390 A JP 2001304390A JP 2001304390 A JP2001304390 A JP 2001304390A JP 2003107717 A JP2003107717 A JP 2003107717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
post
treatment
silver salt
offset printing
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001304390A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Yamada
旬 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2001304390A priority Critical patent/JP2003107717A/ja
Publication of JP2003107717A publication Critical patent/JP2003107717A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム支持体の表面処理方法を改良して
物理現像核を付与するとともに、表面の親水性と画像銀
の接着性を向上させ、細線の耐刷性と現像ラチチュード
に優れた印刷汚れの出難い銀塩オフセット印刷原版を提
供することを目的とする。 【解決手段】陽極酸化後の後処理において、金属珪酸塩
と物理現像核形成物質と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩を含
む水溶液で後処理したアルミニウム支持体に銀塩感光層
を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印刷原版。さ
らに、陽極酸化後の後処理において、金属珪酸塩を含む
水溶液で後処理し、ついで物理現像核形成物質と硝酸塩
及び/又は亜硝酸塩を含む水溶液で後処理したアルミニ
ウム支持体に銀塩感光層を設けたことを特徴とする銀塩
オフセット印刷原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷版に
関するものであり、特にアルミニウムを支持体に用いた
銀塩拡散転写法による銀塩オフセット印刷原版に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】銀塩拡散転写法(DTR法)を用いた銀
塩平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンド
ン・ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ・ロッ
ト及びエディス・ワイデ著、「フォトグラフィック・シ
ルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、
第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されてい
る。その中に述べられているように、DTR法を用いた
平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツー
シートタイプ、或はそれらを一枚のレジンコート紙、或
いはフィルム上に設けたモノシートタイプの二方式が知
られているが、いずれも軽印刷を対象に開発され、耐刷
性には制限があった。
【0003】アルミニウムを支持体とした銀塩方式の平
版印刷版としては特開昭57−118244号、同57
−158844号、同63−260491号、特開平3
−116151号等の各公報に詳しく記載されている。
【0004】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
塗布し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を塗布した2
回塗布構成になっているので、製造コスト高くなる欠点
があった。この平版印刷版の一般的な製版方法は、露光
後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲン化
銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなっている。
【0005】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0006】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有する。
【0007】前記アルミニウム平版印刷版の支持体は一
般に不活性で物理現像活性に乏しく、銀塩感光層を塗布
しただけでは十分な銀画像が形成できず、物理現像核を
表面に付与して十分な銀画像を確保するが、一般に耐刷
性を得ようとすると印刷汚れが出やすくなり、逆に印刷
汚れを改良使用とすると耐刷性が悪化するのが現状であ
った。PS版の場合には印刷汚れを改良するため支持体
製造時に金属珪酸塩による後処理や、現像液に金属珪酸
塩を混合する方法が用いられるが、物理現像核を塗布す
る銀塩印刷版の場合には、金属珪酸塩を混合すると耐刷
性が極端に悪化したり、インキ乗りが極端に悪化したり
する。物理現像核の付与を塗布によらず特開平6−30
1212号、特開平7−56343号、特開平7−64
291号、特開平7−110578号公報等に記載され
ているようなアルミニウム支持体製造の段階で後処理に
より物理現像核を形成する方法では塗布工程が1回で済
み、製造コストも安く、さらに、耐刷性に問題はないも
のの汚れやすい印刷版であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアルミニウム
支持体の表面処理方法を改良して物理現像核を付与する
とともに、表面の親水性と画像銀の接着性を向上させ、
細線の耐刷性と現像ラチチュードに優れた印刷汚れの出
難い銀塩オフセット印刷原版を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の発明によって達成された。即ち、陽極酸化後の後処
理において、金属珪酸塩と物理現像核形成物質と硝酸塩
及び/又は亜硝酸塩を含む水溶液で後処理したアルミニ
ウム支持体に銀塩感光層を設けたことを特徴とする銀塩
オフセット印刷原版である。さらに、陽極酸化後の後処
理において、金属珪酸塩を含む水溶液で後処理し、つい
で物理現像核形成物質と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩を含
む水溶液で後処理したアルミニウム支持体に銀塩感光層
を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印刷原版であ
る。さらに、陽極酸化後に行う水洗水のアルミニウム表
面における残留水分量を1〜20g/m2に制限して後処
理したことを特徴とする銀塩オフセット印刷原版。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銀塩オフセット印刷原版では支持体表面の親水
性と物理現像活性を向上させ、さらに現像処理によって
形成される銀画像の接着性を改良するため、アルミニウ
ム支持体の製造段階の陽極酸化処理の後処理液に金属珪
酸塩と物理現像核形成物質と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩
を含有させて処理する。
【0011】次に、本発明のアルミニウム支持体の製造
方法とこれを利用した銀塩オフセット印刷原版について
詳しく説明する。
【0012】本発明の支持体のアルミニウム板には純ア
ルミニウム及び各種の金属、例えば、珪素、マグネシウ
ム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、クロム、チタン等を少量
含むアルミニウム合金板が使用される。
【0013】上記アルミニウム板はオフセット印刷版用
の支持体とするため、感光層を塗布する前に表面処理が
施される。表面処理では一般に脱脂、粗面化、デスマッ
ト、陽極酸化、後処理の各処理が行われる。これらの処
理は通常アルミニウムのコイルを用いて連続的に行わ
れ、各処理の後には必要に応じて水洗が加えられ、乾燥
して支持体とされ、その処理速度には特に制限はない。
【0014】次に処理工程の順に支持体の製造方法を説
明する。脱脂処理はアルミニウム表面の圧延時の油或は
空気との接触により生成する酸化膜等を除去し、清浄な
アルミニウム板の表面を露出させて、以降の工程がムラ
なく処理できるように施される。脱脂処理の方法として
は、例えばトリクロロエチレン、パークロロエチレン、
等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸
四ナトリウム、石鹸等、或はこれらの混合物によるアル
カリ脱脂、界面活性剤、ケロシン、トリエタノールアミ
ン、水酸化ナトリウム等を組合せたエマルジョン脱脂、
さらに上記の化学脱脂では取れない汚染を除く仕上げ脱
脂と呼ばれる電解脱脂、等の方法がある。
【0015】次に粗面化処理が行われる。粗面化処理は
表面に凹凸を与えるものであり、直接的にはアンカー効
果により感光層の接着性向上に寄与するが、さらにオフ
セット印刷版においては、耐刷性、保水性、印刷画質等
の印刷の基本性能に影響を与えるので、現在ではこれら
の性能を向上させるため各種の方法が実用化されてい
る。即ち、ブラシグレイニング、ボールグレイニング、
液体ホーニング等の機械的粗面化方法、塩酸或は硝酸等
による化学的エッチングによる化学的粗面化方法、或は
これらの酸による電気化学的エッチングによる電解粗面
化方法、或はこれらを組合せて粗面化する方法が知られ
ている。
【0016】電解粗面化法では、塩酸叉は硝酸を主体と
する電解液を使用し、直流或は交流電流(単相或は3
相)を流して電解される。アルミニウム表面にピットが
形成され、電解時の電流密度、液濃度、液組成、液温度
等によってピットの大きさ、深さ、ピットの分布状態を
変えることが出来る。表面の形状は一般に陽極酸化後に
表面粗さ計により評価されるが、その大きさは中心線平
均粗さ;Raの値で0.4 〜0.8μが適当である。
【0017】アルミニウム板に供給される電力は電解液
の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版と
して適切な砂目を得るためには、一般に、電圧では1〜
60V、処理面における電流密度では5〜60A/dm
電気量では50〜4000クーロンの範囲で使われる。又電
解液の温度は0〜60℃、電極とアルミニウム板との距
離は1〜10cmの範囲が好ましい。
【0018】電解粗面化に使用する交流電流としては単
相或いは3相の商業用交流或いはこれらを含めた10〜
100Hzの範囲内の正弦波、サイリスター等により交
流の一部がカットされた波形の電流、正負の電流比が等
しくない非対称、対称形正弦波、及び非正弦波、対称形
非正弦波などが使用できる。
【0019】電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が
0.1〜10重量%であり、電解液中のアルミニウムイ
オンの濃度を0〜10g/リットル範囲に維持したもの
が好ましい。電解粗面化処理では電解の進行により、ア
ルミニウムがとけ込み、酸類が消費されるので、電解液
の組成が所定の設定範囲をはずれないように、電解液の
一部を廃棄しながら、酸類を補給する、電解液の液管理
のための補充装置の設置が好ましい。
【0020】次にデスマット処理を行う。デスマット処
理ではスマットが溶解し、ピット面が現われる。デスマ
ット処理には、水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは
燐酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混
合物が使用できるが、それぞれスマット除去能力に違い
があり、処理液の種類或いはその濃度或いは処理温度に
よってその除去能力を調整して使用される。デスマット
処理が強すぎる場合には粗面化の工程で形成された凹凸
を溶解して平坦化させるだけでなく、粗面化液に添加し
た上記金属イオンをすべて溶出し、また弱すぎる場合に
はスマットが残留し、支持体表面が黒く着色するので好
ましくない。その溶解量は前記電解液による処理条件に
よって異なるが、0.05〜1g/mが適当である。
【0021】粗面化され、デスマットされたアルミニウ
ム板帯には、次に陽極酸化処理が施される。アルミニウ
ムは一般に活性な金属であり、空気中では自然に1〜数
nm程度の酸化膜が形成されるが、そのままでは耐アル
カリ性は低く、従って陽極酸化膜を形成させて耐アルカ
リ性の向上を図る。オフセット印刷版用支持体では、表
面の保水性と感光層の接着性向上を図るため酸化膜とし
ては多孔性の陽極酸化膜が形成される。酸化膜の厚さは
大きい程、耐アルカリ性は大きくなるが、厚くするに従
って電力コストが上がるばかりか、印刷汚れも大きくな
るので、好ましくは、その厚みは重量で3g/m2以下で
使用される。
【0022】電解液としては生成酸化膜の溶解性が低い
酸が好ましく、硫酸、蓚酸、クロム酸、燐酸等或はこれ
らの混合物が使用できるが、生産性を考慮すると硫酸を
電解液とするのが特に好ましい。陽極酸化に際して生成
する陽極酸化膜のマイクロポアの大きさは上記酸の種類
によって変化し、通常0.01〜0.1μmである。
【0023】陽極酸化膜は陽極にのみ生成するので、電
流は通常直流電流が使用される。陽極酸化の条件として
は、硫酸の場合、液濃度1〜40%、電流密度0.1〜
10A/dm2、電圧5〜30Vの範囲で使用され、電流
は直接給電法或いは間接給電法により供給される。陽極
酸化膜の厚みは電流密度と時間により変えられ、印刷版
の耐刷グレードによって適宜調整される。温度は陽極酸
化膜の硬度に影響を与え、低温の方が硬度は高くなる
が、可撓性に劣るため、通常は常温付近の温度で陽極酸
化される。
【0024】本発明では陽極酸化後、後処理を施す。本
発明では、陽極酸化と後処理の間に水洗処理するのが好
ましい。この水洗処理に際してアルミニウム表面に残留
する水分が多い場合には後処理液が薄まり、濃度が低下
し、後処理の効果が減殺されるので、残留水分は1〜2
0g/m2に制限するのが好ましい。本発明において、陽
極酸化、水洗、後処理はオンラインで連続して行う。
【0025】本発明の後処理では金属珪酸塩と物理現像
核形成物質と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩を含む水溶液で
処理する。後処理はこれらをすべて含む処理液で1回で
処理しても良いし、金属珪酸塩を含む処理液でまず後処
理し、ついで物理現像核形成物質と硝酸塩及び/又は亜
硝酸塩を含む水溶液で後処理するように、2回に分けて
後処理してもよい。
【0026】本発明では金属珪酸塩としては例えば珪酸
ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸マグネシウム等が使用
できる。その添加量は0.001〜0.5重量%の範囲
が好ましい。次に物理現像核形成物質としては、例えば
銀やパラジウム、亜鉛等の水溶性塩とチオ硫酸ソーダ、
或いは硫化ソーダ等の硫化物を混合した金属硫化物を添
加した処理液を使用する。その含有量は0.001〜1
重量%の範囲で十分である。次に硝酸塩としては例え
ば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、
硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛等がある。
また、亜硝酸塩としては例えば、亜硝酸ナトリウム、亜
硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ニッケル、亜
硝酸マグネシウム、亜硝酸亜鉛等がある。これらの含有
量も0.001〜1重量%の範囲で十分である。本発明
では後処理液に金属珪酸塩を含有するにもかかわらず、
物理現像核に硝酸塩及び又は亜硝酸塩が共存するため、
耐刷性が悪化することなく印刷汚れが改良できる。さら
に必要に応じて各種の界面活性剤を添加することがで
き、ことができる。その添加量は0.001〜0.5重
量%の範囲が好ましい。後処理液のpHはアルミニウム
表面を溶かさないpH3〜11の範囲が適当であり、特
にpH5〜9の中性域が好ましい。後処理時の処理液の
温度には特に制限はないが、30〜80℃の範囲が適当
である。
【0027】本発明の後処理は粗面化、陽極酸化された
感光層塗布側表面のみに実施する方が好ましく、上面或
いは下面の表面に一定量均一に広げて処理する。このよ
うな後処理には幅方向に均一な開口を持つスリットノズ
ルを使用し、処理液を均一に吐出させ、処理液を一定量
坦持させて処理する。従来の浸漬処理やシャワー処理で
も後処理は可能であるが、多量の処理液を循環使用する
場合には前工程からの処理液の混入、蓄積があり、本発
明の物理現像核を含む後処理液は変質が懸念される。ス
リットノズルより一定量の処理液を吐出させ、坦持させ
て後処理する場合、常時少量の新液で処理することにな
り、物理現像核形成物質の凝集、沈殿等、処理液を変質
させることなく、表面のみ幅方向に均一な処理をするこ
とができる。スリットの間隙、スリットノズルとアルミ
ニウム板との間隔には特に制限はないが、いずれも0.
1〜1mm程度が普通であり、吐出量、処理速度により
適宜調整される。スリットノズルの精度が高ければ、そ
れだけ少量の液量で均一な処理が可能になる。吐出量は
処理速度、アルミの幅によって変わるが、表面に坦持さ
せる液量としては5〜100ml/m2が適当である。
【0028】本発明において、後処理液で処理した後、
少なくともその表面を水洗するのが好ましい。本発明の
後処理による物理現像核付与は従来の塗布による物理現
像核付与に較べ、処方中の不活性成分、過剰成分が水洗
で洗い流されて、表面に残留せず、金属珪酸塩等は必要
最低限に管理され、その上感光層塗布に際して、核液塗
布に起因する点故障、塗布スジ、異物等塗布故障を排除
できる。
【0029】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する。ハロゲ
ン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ
化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択
されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上のものを
意味する)が好ましい。また乳剤のタイプとしてはネガ
型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳
剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感する
ことができる。
【0030】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0031】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0032】本発明の印刷原版の製版において、現像処
理時間(現像液に浸漬してから次の処理工程で現像が停
止するまでの時間)は制限されるものではなく、例えば
20秒間もしくはそれより短い浸漬現像の後に、さらに
3〜30秒間程度の現像を進行させてもよい。
【0033】本発明においては陽極酸化膜の溶解を抑制
する意味から、一般的には現像液のpHは低い方が好ま
しく、現像温度は低い方が好ましく、また現像処理時間
は短い方が好ましい。具体的には、現像液のpHは通常
10〜14であるが、印刷特性を考慮して、pH12.
5以上、とくに12.7〜13.7の範囲が好ましく、
現像液の温度は15〜30℃程度が好ましく、現像処理
時間は5〜30秒程度が好ましい。
【0034】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン
類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル−
3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレ
ンジアミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えば
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及
び以下に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0035】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0036】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0037】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
10〜100gである。
【0038】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0039】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特願平9−89444号明細書に記
載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物の
添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20gで
あり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0040】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0041】現像液には、更に銀画像部を親油性にする
化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油化
剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨ
ーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハラ
イド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、10
6ページに記載されている化合物が挙げられる。例えば
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アン
モニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプト
基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58−127928号に記載されている。
以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されること
はない。
【0042】2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メ
ルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−
ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベン
ゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イ
ミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−
1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカ
プト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベン
ゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−
エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−
2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5
−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデ
シル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5
−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシ
ル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプ
ト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2
−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4
−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−
テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、
1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メル
カプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−
メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メル
カプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,
3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−
ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−ト
リアゾリン等が挙げられる。
【0043】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0044】
【実施例】本発明の銀塩オフセット印刷版を実施例によ
りさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制限
されるものではない。
【0045】実施例1〜3 幅1030mm、厚み0.24mmのA1100タイプ
アルミニウム板帯を25m/minの処理速度で移動さ
せ、60℃、4重量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒
間浸漬した後、水洗し、1.5重量%の塩酸と2重量%
の酢酸40℃の処理液を満たした電解槽に浸漬し、電源
より40A/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間
流して、交流電解粗面化し、水洗し、その後50℃、1
0重量%燐酸を含む水溶液に20秒間浸漬してデスマッ
トし、水洗し、さらに25℃、20重量%硫酸中に通し
間接給電方式により1.6g/m2の陽極酸化膜を形成
し、水洗した。この時、水洗後の残留水分は12g/m
2 に調節した。次に塩化パラジウムとチオ硫酸ソーダを
混合して製造した硫化パラジウムと珪酸ナトリウムと各
濃度の硝酸ナトリウムを含む処理液をpH6に調整した
後、それぞれ幅方向に設置された開口0.1mmのスリ
ットノズル(ノズル先端とアルミニウム板帯との間隙は
0.2mm)より処理液を100ml/m2の割合で吐出
(吐出量:約2575ml/min)させ表面に10秒
間坦持させて後処理し、水洗し、乾燥し、実施例1〜3
のオフセット印刷版用アルミニウム支持体を得た。この
ようにして得たアルミニウム支持体表面のパラジウム付
着量を測定し、表1に示す。
【0046】比較例1 実施例1の後処理において硝酸ナトリウムを省いた以外
まったく同様にして、比較例1のオフセット印刷版用ア
ルミニウム支持体を得た。
【0047】比較例2 次に実施例3の後処理において珪酸ナトリウムを省いた
以外まったく同様にして、比較例2のオフセット印刷版
用アルミニウム支持体を得た。
【0048】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.25μmの、ヘキサクロロ
イリジウム(III)酸カリウムを銀1モル当たり0.
006ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化
銀0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その
後、この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さ
らにこの乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加
し、赤色領域の増感色素を銀1g当たり3mg用いて分
光増感した。
【0049】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記実施例1〜4及び比較例1及び比較例2のア
ルミニウム支持体上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が3
g/m2になるように塗布乾燥して銀塩オフセット印刷原
版を得た。
【0050】上記印刷原版を633nmの赤色LDレー
ザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロ
セッサー(三菱製紙(株)製P−α880自動現像機)で
処理してオフセット印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃)、水洗処理工程(35
℃の水洗液をシャワー噴射しながらスクラブローラで乳
剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理工程(21
℃、)及び乾燥工程から構成されている。現像液及び水
洗液及び仕上げ液には下記の組成のものを使用し、処理
速度を変えて現像時間を調整し、現像ラチチュードを評
価した。現像ラチチュードはインキ乗りが充分で、耐刷
性が保持できる現像時間の範囲を評価する。現像時間が
短い場合、転写銀量が少なく、インキが乗らず、又、現
像時間が長くなると、転写銀量は増すが、アルミ表面が
現像液により腐食し、耐刷性が悪化する。現像ラチチュ
ードが広い方が使いやすい印刷版といえる。
【0051】 <現像液> 水酸化ナトリウム 25g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 50g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g ハイドロキノン 15g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1 22ミリモル アミノトリ(メチレンホスホン酸) 10g 水酸化ナトリウム 5g 脱イオン水で1000mlとする。pH(25℃)=1
3.1
【0052】 <水洗液> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g 第1燐酸カリウム 40g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.
0に調整した。タンパク質分解酵素として、ビオプラー
ゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)
製)を用いた。
【0053】 <仕上げ液> 燐酸 0.5g モノエタノールアミン 5.0g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g ポリグリセロール(6量体) 50g 脱イオン水で1000mlとする。pHは7.2に調整
した。
【0054】このようにして得た実施例1〜3及び比較
例1及び2の印刷版のベタ部(現像時間10秒)画像銀
量を測定し、表1にまとめて示す。
【0055】
【表1】
【0056】このようにして得られた銀塩オフセット印
刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オ
フセット印刷機の商標)に同時に掛けて、インキ(大日
本インキ(株)社製のニューチャンピオン墨H)及び市
販のPS版用給湿液を用いて耐刷性を比較した。比較例
1の印刷版は画像銀量が多いにもかかわらず、1万枚程
度で版飛びした。また比較例2はパラジウムの付着量が
少なくて現像が遅く、現像時間を30秒程度に延ばして
画像銀量を増やしたが、細線の版飛びが発生し、かつ印
刷汚れが発生し、現像ラチチュードの狭い印刷版であっ
た。これに対して、後処理液に珪酸ナトリウムと硫化パ
ラジウムと硝酸ナトリウムを含有させて後処理した、本
発明のアルミニウム支持体で作製した印刷原版を製版し
た実施例1〜3の印刷版は後処理液に珪酸ナトリウムを
含むにもかかわらず細線の版飛びもなく、又、硝酸ナト
リウムを含むにもかかわらず、インキノリも良く、非画
像部の保水性と細線の耐刷性に優れた、印刷汚れの少な
い現像ラチチュードの広い広い印刷版であることが確認
できた。
【0057】実施例4〜8 実施例1の硝酸ナトリウムの代わりにそれぞれ硝酸カリ
ウム、硝酸カルシウム、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウ
ム、硝酸亜鉛を加えて後処理し、実施例4〜8のオフセ
ット印刷版用アルミニウム支持体を得た。このようにし
て得たアルミニウム支持体のパラジウム付着量を測定
し、表2に示す。
【0058】このようにして得たアルミニウム支持体に
実施例1と同様にして銀塩感光層を塗布し、印刷原版を
得、実施例1と同様にして製版し、実施例5〜8の印刷
版のベタ部の画像銀量を測定し、表2にまとめて示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1と同様にして印刷評価したとこ
ろ、本発明の後処理液に金属珪酸塩と物理現像核形成物
質と硝酸塩とを含有させて後処理したアルミニウム支持
体を使用した実施例4〜8の印刷版は印刷汚れも少な
く、かつ細線の耐刷性に優れた現像ラチチュードの広い
印刷版であった。
【0061】実施例9〜13 実施例1の硝酸ナトリウムの代わりに亜硝酸塩としてそ
れぞれ亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カル
シウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸亜鉛を加えて後処
理し、実施例9〜13のオフセット印刷版用アルミニウ
ム支持体を得た。このようにして得たアルミニウム支持
体のパラジウム付着量を測定し、表3に示す。
【0062】このようにして得たアルミニウム支持体に
実施例1と同様にして銀塩感光層を塗布し、印刷原版を
得、実施例1と同様にして製版し、実施例9〜13の印
刷版のベタ部の画像銀量を測定し、表3にまとめて示
す。
【0063】
【表3】
【0064】実施例1と同様にして印刷評価したとこ
ろ、本発明の後処理液に金属珪酸塩と物理現像核形成物
質と亜硝酸塩とを含有させて後処理したアルミニウム支
持体を使用した実施例9〜13の印刷版は印刷汚れも少
なく、かつ細線の耐刷性に優れた現像ラチチュードの広
い印刷版であった。
【0065】実施例14〜19 また、実施例9〜13において珪酸ナトリウムのみの処
理液で後処理し、水洗し、ついで硫化パラジウムと亜硝
酸塩を含む処理液でそれぞれ後処理し、2回に分けて後
処理したが、いずれも同様に、印刷よごれの少ない、細
線の耐刷性のよい現像ラチチュードの広い印刷版であ
り、本発明の後処理の効果が確かめられた。
【0066】
【発明の効果】陽極酸化処理後の後処理において、金属
珪酸塩と物理現像核形成物質と硝酸塩及び又は亜硝酸塩
を含有させた処理液で後処理したアルミニウム支持体を
使用することにより、印刷汚れが改良され、かつ細線の
耐刷性の良い現像ラチチュードの広い銀塩オフセット印
刷原版を得ることができ、銀塩乳剤塗布一工程で銀塩オ
フッセット印刷原版が製造できる結果、点故障、塗布ス
ジ等塗布故障を減少させることが出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化後の後処理において、金属珪酸
    塩と物理現像核形成物質と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩と
    を含む水溶液で後処理したアルミニウム支持体に銀塩感
    光層を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印刷原
    版。
  2. 【請求項2】 陽極酸化後の後処理において、金属珪酸
    塩を含む水溶液で後処理し、ついで物理現像核形成物質
    と硝酸塩及び/又は亜硝酸塩とを含む水溶液でさらに後
    処理したアルミニウム支持体に銀塩感光層を設けたこと
    を特徴とする銀塩オフセット印刷原版。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、陽極
    酸化と後処理の間に水洗処理を行い、水洗水のアルミニ
    ウム表面における残留水分量を1〜20g/m2に制限し
    て後処理したことを特徴とする銀塩オフセット印刷原
    版。
JP2001304390A 2001-09-28 2001-09-28 銀塩オフセット印刷原版 Pending JP2003107717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304390A JP2003107717A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 銀塩オフセット印刷原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304390A JP2003107717A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 銀塩オフセット印刷原版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003107717A true JP2003107717A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19124325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001304390A Pending JP2003107717A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 銀塩オフセット印刷原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003107717A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003107717A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JP2003295448A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JPH10264548A (ja) オフセット印刷版用アルミニウム支持体及び銀塩オフセット印刷原版
JP2001281869A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JP2000267267A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JP2000275848A (ja) 銀塩オフセット印刷版の製版方法
JP2002196499A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JP2002014473A (ja) 銀塩オフセット印刷原版
JP3815940B2 (ja) 平版印刷版
JP3210763B2 (ja) 銀塩オフセット印刷原版の製造方法
JP3763705B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003167349A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2001305740A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2002189298A (ja) 平版印刷版
JPH0764291A (ja) 銀塩感光板の製造方法
JP2003295473A (ja) 平版印刷版の処理方法
JPH07110578A (ja) 銀塩感光板の製造方法及び銀塩感光板
JP2000275855A (ja) 平版印刷版
JPH0756343A (ja) 銀塩感光板の製造方法及び銀塩感光板
JP2005202343A (ja) 平版印刷版の製造方法
JP2005202340A (ja) 平版印刷版
JP2001281870A (ja) 平版印刷版
JP2005250056A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2006267340A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2005121706A (ja) 銀塩平版印刷版