JP2000275855A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JP2000275855A
JP2000275855A JP8292299A JP8292299A JP2000275855A JP 2000275855 A JP2000275855 A JP 2000275855A JP 8292299 A JP8292299 A JP 8292299A JP 8292299 A JP8292299 A JP 8292299A JP 2000275855 A JP2000275855 A JP 2000275855A
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printing plate
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JP8292299A
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English (en)
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Takenobu Yoshiki
武宣 吉城
Jun Yamada
旬 山田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】故障の少ない平版印刷版を提供する。 【解決手段】L*が78以下でかつ3.5g/m2以下の陽極酸化
膜を持粗面化されたアルミニウム支持体上に物理現像核
層を有し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を有するこ
とを特徴とする平版印刷版を用いることで故障の少ない
平版印刷版を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする平版印刷版、特に銀錯塩拡散転写法を用い
る平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディフュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、 転写材料と受像材料を別々
にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持
体上に設けたモノシートタイプの2方式が知られてい
る。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭
57−158844号公報に詳しく記載されている。
又、モノシートタイプについては、特公昭48−305
62号、同51−15765号、特開昭51−1111
03号、同52−150105号などの各公報に詳しく
記載されている。
【0004】紙を支持体とした平版印刷版は、印刷中の
版伸びや水分のしみ込みなどのため耐刷性を含め高品質
の印刷は困難である。これらの問題点を改良し印刷性能
を向上する目的でフィルム支持体が用いられる。例え
ば、酢酸セルロースフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、或はポリエ
ステル、ポリプロピレン、又はポリスチレンフィルムな
どをポリエチレンフィルムで被覆した複合フィルム等が
支持体として利用できる。
【0005】しかしながら、フィルムを支持体とした平
版印刷版は紙ベースの印刷版と比べ、版伸び性や水分の
しみ込みなどの点で改良されたものの、耐刷性、保水
性、更には印刷機への版掛け性等の点で問題を残してい
る。
【0006】そこで、上に述べた紙やフィルムを支持体
とした平版印刷版の種々の問題点を解決するために、金
属特にアルミニウム板を支持体とした銀塩方式の平版印
刷版が知られており、特開昭57−118244号、同
57−158844号、同63−260491号、特開
平3−116151号、同4−282295号などの各
公報に詳しく記載されている。
【0007】特開昭63−260491号、特開平3−
116151号、同4−282295号などの各公報に
は、粗面化し陽極酸化したアルミニウム板を支持体と
し、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感光性
ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDTR
法を利用する平版印刷版が詳述されている。それによれ
ば、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、ハ
ロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して除去し印刷版を作製
する。しかしここで作製するDTR現像してできた銀は
従来の有機感光体を使用した平版印刷版(PS版など)
に比べ画像層の厚さが極めて薄く、また支持体であるア
ルミニウムよりはるかに貴な金属である銀が直接アルミ
に接触するため支持体の欠陥の影響を極めて受けやすい
という特徴があった。通常、銀塩方式の平版印刷版を商
業的に製造する場合には連続的に製造するが、この時支
持体がロールを通る間にその陽極酸化層が硬く、もろい
ために傷が入りやすく、この傷が欠陥となってでてくる
ため、安定した平版印刷版を製造するうえで大きな問題
となっていた。
【0008】従って、版の故障を減らす為に、できるだ
け製造時に傷の入りにくい支持体を製造する技術の開発
が要望されている。特開昭63−260491では陽極
酸化層と中心線表面粗さとを調整することによって故障
の1つである腐食を減らそうとしている。しかしなが
ら、この方法では陽極酸化層を厚くするか、表面粗さを
減らさざるを得ない。しかし、表面粗さを減らすと、耐
刷力が落ちてしまうし、また厚い陽極酸化層を使った場
合には、平版印刷版の製造時に支持体がロールを通る間
に酸化膜に傷が入り易く、印刷時の故障の発生頻度を上
げるという問題があった。また特開平7−77806、
同平8−295084などでは表面の形状を規定した
り、あるいは表面の処理方法について記載されている
が、これらは銀膜を支持体に強固に付着させることを主
眼としており、これらの方法ではかかる問題を解決する
ことは出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は陽極酸
化層に傷が入り難く、故障の発生しにくい平版印刷版を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、明
度指数L*を78未満でかつ3.5g/m2以下、好ましくは2.3g
/m2以下の陽極酸化膜を持つ粗面化されたアルミニウム
支持体上に少なくとも1層の物理現像核層と少なくとも
1層のハロゲン化銀乳剤層を塗布された平版印刷版を用
いることによって達成された。
【0011】傷の入りにくいアルミニウム支持体を製造
するには、陽極酸化膜を割れにくく強くすること、さら
に、陽極酸化膜の最表面を強くして傷の入りにくいよう
にすることが必要であると言える。通常平版印刷版に用
いられる陽極酸化膜は多孔質の構造を持っており、表面
に傷の入るときにはその孔にそって傷が入る。従って、
この孔の形状をコントロールすること、すなわち製造時
の液組成、電圧、温度など電解条件を変えることで傷の
入りやすさは変わる。だが、平版印刷版の製造に一般的
に使われている硫酸での陽極酸化は孔の径が非常に小さ
く、孔をさらに小さくして製造するには、商業的に困難
であると言える。一方表面を硬化させるには珪酸処理や
水和封孔処理を用いて、表面の孔を塞ぐことなどが考え
れるが、これらの方法は銀塩方式の平版印刷版では銀画
像の支持体への接着性が著しく弱くなるためこの方法を
用いることも困難である。
【0012】アルミニウム支持体の表面の強度は陽極酸
化だけではなく、その前の処理、特に電解粗面化やデス
マット工程の影響を強く受けていることを本発明者等は
発見した。特に電解粗面化工程で発生するスマットには
不純物が多く含まれ、しかもこれらは表面に偏析するた
め、表面の強度を大きく変える因子となる。従って、表
面に傷を入れ難くするには、電解工程で表面に不純物を
含んだ合金であるスマットを偏析させ、かつ続くデスマ
ットでこの合金をあまり取らないようしてやる必要があ
る。電解粗面化やデスマットの工程を変化させれば、そ
の結果として表面の色調の変化として現れる。従って、
これらの全ての工程をコントロールし、すなわちその結
果としての表面の明度をコントロールすることで、表面
に傷の入りにくいようにできることを本発明者等が発見
した。しかし同時にスマットが多い表面の場合、陽極酸
化の工程でこのスマットの存在する部分では陽極酸化が
進みにくいことが知られて入るが、この為ある程度以上
膜をつけるとスマットのある部分と無い部分の陽極酸化
膜厚に差が出来てしまい、逆にその境界で傷が入りやす
くなる。従って、特殊な処理をすることなく、支持体表
面の明度をコントロールし、かつ、陽極酸化膜を付けす
ぎないことで表面に傷が入りにくいようにできることを
本発明者が発見し、本発明に至った。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においてL*は1975年
の第18回CIEロンドン大会で採択されたCIE1976L*a*b*
色空間の明度指数L*を意味し、L*=116(Y/Yn)1/3-16で
定義される。ここでY値はXYZ表色系における3刺激値の
Y値であり、Ynは完全拡散反射面の標準の光によるY値
であり、Yn=100と定められている。これらの値はJIS8
Z22 記載の方法で測定することができる。L*の値は黒く
なり過ぎると画像と非画像部の視認性が悪くなるために
低すぎても良くないし、逆に高すぎると傷が入りやすく
なる。L*は78以下、好ましくは75〜68が好ましい。
【0014】アルミニウム支持体の色調は粗面化、デス
マット、陽極酸化、後処理などの全ての工程の影響を受
ける。特に本発明においては粗面化、デスマットの影響
は大きい。粗面化においては表面に不純物の濃度の高い
スマットを偏析させるために化学研磨もしくは電解研磨
が必要不可欠となる。
【0015】本発明において陽極酸化処理は粗面化工
程、デスマット工程の後に施される。陽極酸化の電解液
には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸または有機酸
(例えばスルファミン酸、ベンゼンスルホン酸など)ま
たはそれらの混合物が使用できるが、生成酸化膜の溶解
性の低い酸、たとえば硫酸が特に好ましい。
【0016】陽極酸化膜は陽極にのみ生成するので電流
は通常直流電流が使用される。陽極酸化の条件としては
液濃度1〜40%、電流密度0.1〜10A/dm2、 電圧10〜100V
の範囲で使用される。陽極酸化膜の厚みは電流密度と時
間により変えられるが3.5g/m2〜1g/m2、好ましくは2.3g
/m2以下が良い。 温度は陽極酸化膜の硬度に影響を与
え、低温では硬度は高くなるが、可撓性に劣るため通常
は常温付近の温度で処理される。これら作成した陽極酸
化膜の量はJIS H86807「皮膜質量法」に基づいて測定で
きる。
【0017】本発明で用いるアルミニウム支持体にはア
ルミニウム含有量が少なくとも95%であるアルミニウ
ム合金がある。有用なアルミニウム合金には例えば重量
で99.55%のAl、0.29%のMn、0.02%のTi、0.29%のF
e、0.1%のSi、0.004%のCu及び0.03%のZnを含有するする
ものがある。純粋なアルミニウムを使用することもでき
るが、経済性及び十分な色調を取ることが難しいので好
ましくない。支持体の厚さは通常約0.13〜0.50mmの範囲
である。
【0018】本発明に用いられる支持体には、この技術
分野において通常使用されている脱脂処理、粗面化処理
及び陽極酸化処理等が施されるが、少なくとも粗面化処
理及び陽極酸化処理がこの順で行なわれた支持体を用い
る。
【0019】本発明で用いるアルミニウム板は表面から
脂肪性物質を除去するために脱脂処理を行う。脱脂処理
としてはトリクレン、シンナー等の溶剤脱脂、界面活性
剤、ケロシン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウ
ムを混ぜたエマルジョン脱脂、酸脱脂、アルカリ脱脂な
どがある。
【0020】本発明で用いるアルミニウム板は感光層と
の密着性を良好にし、かつ保水性を改善するために粗面
化処理をされる。粗面化処理の方法としては機械的処
理、化学的処理、電気化学的処理があり、これらを単独
もしくは組み合わせて処理を行う。ただし前述したよう
に機械研磨のみでは表面への不純物の濃縮が発生しない
ために表面に十分に硬度を与えられず好ましくない。表
面の形状は一般に粗さ計により表されるが、その大きさ
は中心線平均粗さ;Raの値で0.3〜1.0μmが適当であ
る。
【0021】機械的粗面化処理としてボールグレイン
法、ナイロンブラシ法、バフ研磨法、ブラスト研磨法等
を用いることができる。また化学的粗面化には塩化物、
フッ化物等で化学的にアルミニウムを溶解する方法があ
る。
【0022】電気化学的粗面化処理方法は他の方法に比
較して電解液組成及び電解条件によって、砂目の形状及
び表面粗さを微妙にコントロールすることが可能なので
この方法を用いることが好ましい。電気化学的粗面化処
理は直流、交流または両者の組み合わせで行うことがで
きる。交流波としては単相又は3相の商業用交流あるい
はこれらを含めた10〜300Hzの範囲の正弦波、矩形
波、台波等がある。
【0023】アルミニウム板に供給される電力は電解液
の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版と
して適切な砂目を得るためには、一般に電圧では1〜6
0A/dm2、電気量では50〜4000Cの範囲で使われ
る。 また電極とアルミニウム板との距離は1〜10cm
の範囲が好ましい。
【0024】電解液としては硝酸あるいはその塩、塩酸
あるいはその塩、あるいはそれらの1種または2種以上
の混合物の水溶液が使用できる。更に必要に応じて硫
酸、リン酸、クロム酸、硼酸、有機酸、あるいはそれら
の塩、アンモニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他
の腐食防止剤、腐食促進剤、安定化剤を加えて使用する
こともできる。
【0025】電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が
0.1〜10%であり、電解液中のアルミニウムイオン
の濃度を0〜10g/Lの範囲に維持したものが好まし
い。 電解液の温度は0〜60℃が好ましい。
【0026】本発明においてデスマットとは粗面化と陽
極酸化の間に行う化学エッチング工程のことを指す。デ
スマットには酸あるいはアルカリを用いて行うことがで
きるが酸処理が好ましい。酸には、硝酸、リン酸、クロ
ム酸、硫酸、塩酸、フッ酸などを単独、あるいは数種混
合して用いることができる。アルカリデスマットには水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム、第三リン酸カリウム、アルミン酸ナトリウ
ム、珪酸ナトリウムなどを単独、もしくは数種混合して
用いることができる。またそのデスマット液の濃度、処
理時間はスマットを完全に除去できるだけの濃度が必要
である。スマットの発生量はその前段階の粗面化の処理
方法に依存しているので、必要なデスマットの程度は粗
面化の方法に依存する。しかしスマットの除去の程度は
走査型顕微鏡で容易に観察できるので、これで処理した
アルミの表面を観測することでスマットが完全に除去さ
れるデスマットの程度を容易に決定することができる。
実際には廃液の処理の関係もあり、酸あるいはアルカリ
の合計で5〜40%程度で、その処理時間は30秒〜2
分が好ましい。処理温度は40〜60℃が好ましい。
【0027】本発明においてデスマット工程は2回以上
に分けることも可能である。この場合酸デスマットとア
ルカリデスマットとを組み合わせることも可能である
が、アルカリデスマットを先にするほうが好ましい。
【0028】陽極酸化処理を行なった後、必要に応じて
後処理を行うことも出来る。後処理としては当該業者に
知られた方法、例えば珪酸塩処理、弗化ジルコン酸処理
などの無機塩類での後処理、アラビアガム、ポリビニル
ホスホン酸、ポリビニルスルホン酸等の有機高分子処
理、水和封孔処理などがある。
【0029】本発明ではアルミニウム支持体と感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を設ける。本発明
で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知
の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば
金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と
硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コ
ロイドとして各種親水性コロイドを用いることもでき
る。これらの詳細及び製法については、例えば、フォー
カル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)
発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フ
ォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディフュージ
ョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0030】本発明の印刷版の感光性ハロゲン化銀乳剤
層には保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いる
ことができる。即ち、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各種ゼ
ラチンを用いることが出来る他、ポリビニルピロリド
ン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の
親水性高分子化合物を含有させることが出来る。用いら
れる親水性コロイドとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられるが、好ましくは、物理現像後の親水性コロイ
ド層の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含ま
ない親水性コロイド層を用いることが望ましい。本発明
に用いられるハロゲン化銀乳剤層にはEDTAなどのキ
レート剤を含ませることが好ましい。
【0031】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤の種類としては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から
選択される。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型
のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に
応じて化学増感あるいはスペクトル増感することが出来
る。
【0032】本発明においてハロゲン化銀乳剤層にはベ
ンゾトリアゾールもしくはその誘導体、またはメルカプ
ト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物を含
有させることでより一層故障を減らすことができる。そ
の量は1〜100mg/m2、 好ましくは5〜30mg/m2
ある。
【0033】ベンゾトリアゾール誘導体としては5−メ
チルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾー
ル等が挙げられる。またメルカプト基もしくはチオン基
を有する含窒素複素環化合物の複素環としてはイミダゾ
ール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサ
ゾール、オキサゾリン、ピラゾリドン、トリゾール、チ
アジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリ
ジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン
等があり、中でもイミダゾール、トリアゾール、テトラ
ゾールが好ましい。
【0034】メルカプト基もしくはチオン基を有する含
窒素複素環化合物の具体例を以下に挙げる。2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2メルカプト−1−ブチル−
ベンズイミダゾール、1エチル−2−メルカプト−ベン
ズイミダゾール、2メルカプト−ベンズイミダゾール、
1,3ジエチル−ベンズイミダゾリン−2−チオン、
1,3ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,
2−ジメルカプト−1,1’−デカメチレン−ジイミダ
ゾリン−2−チオン、2メルカプト−4−フェニルチア
ゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メル
カプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリ
ン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2
−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサ
ゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペン
チル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル
−3−メチルピラゾリドン−5−チオン、3−メルカプ
ト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−
トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−5−1,
2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アリル−
5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メ
ルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4
−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−5−
ペンタデシル−1,3,4−チアジアゾール、2−メル
カプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メ
ルカプト−5−フェニル1,3,4−オキサジアゾー
ル、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、5
−メルカプト−1−[3−(2−スルホベンツアミド)
フェニル]テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロ
ピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオ
ン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニルピリダ
ジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラッジ
ン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル1,3,5ト
リアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル
ー1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−
3,7−ジフェニル−S−トリアゾリノ[1,2−a]
−S−トリアゾリン等が挙げられる。
【0035】本発明で用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジ
ノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、
あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール、現像変成剤、例えばポリオキシ
アルキレン化合物等の添加剤等を含ませることが出来
る。
【0036】現像液のpHとして通常約10〜14、好ま
しくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版のア
ルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、写真
要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び量、
現像条件等によって異なる。
【0037】ゼラチン層を除去するためのウォッシュオ
フは、温度20〜30℃程度の流水で洗い流すことによ
って行なうことが出来る。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお%は
断りのないかぎり重量%を示す。
【0039】実施例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050)を4%
水酸化ナトリウム水溶液で50℃1分脱脂処理を行い、
水洗した後、2.5%の塩酸水溶液中20℃で交流密度
50A/dm2で60秒電解粗面化処理を行い、 0.5%水
酸化ナトリウム水溶液で温度、時間を変えてデスマット
し、その後25%硫酸溶液中で温度20℃電気密度3A/
dm2で処理時間を変えて陽極酸化を行い、 表1にあるよ
うなL*および陽極酸化層膜厚の異なるベースを作製し
た。なお、L*は日本電色工業社製ND1001DP色彩色差度計
を用いて測定した。
【0040】
【表1】
【0041】作製したアルミ支持体上に塗布量が3mg/m2
となるよう硫化パラジウム核を塗布した。
【0042】ヨウ素を0.5%含む塩化銀乳剤(平均粒
径0.3μm)を金硫黄増感しまた赤色に色素増感し
た。つぎに作成したプレートにこの乳剤を塗布量が硝酸
銀で2.0g/m2となるよう塗布乾燥し感光性平版印刷版
を作成した。
【0043】このようにして得られた平版印刷版に光源
がSDP-α2400で2400dpi、 175lpiで30%全面網露光を
行い、 次に製版用プロセッサー(三菱製紙社製P-α88
0)で処理して平版印刷版を作製した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃、15秒浸漬)、水洗処
理工程(35℃の水洗水を10秒間シャワー噴射しなが
らスクラブローラーで乳剤層をウォッシュオフする)、
仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工
程から構成されている。水洗処理工程は貯蔵タンクに貯
留された20Lの水洗水をポンプで循環させて、平版印
刷版にシャワー噴射した後、濾過フィルターで濾過して
貯留タンクに回収し再使用するクローズドタイプとなっ
ている。
【0044】用いた現像液、水洗液、仕上げ液の構成は
次の通りである。 <現像液> 水酸化ナトリム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g N−メチルエタノールアミン 6g エチレンジアミン4酢酸ナトリウム塩 5g 脱イオン水で1000mLとする。 pH(25℃)=13.4
【0045】<水洗液> 2−メルカフ゜ト−5−nヘフ゜チル−オキサンシ゛オール 0.5g トリエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g リン酸2水素カリウム 40g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0
に調整した。 タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL-15 (細菌
プロティナーゼ、長瀬産業(株)製を用いた。
【0046】<仕上げ液> アラビアゴム 10g リン酸 0.5g 硝酸ナトリウム 20g ポリエチレングリコール#400 100g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサンシ゛オール 0.5g 脱イオン水にて1000mLとする。 水酸化ナトリウムにてpHは6.5に調整した。この様に
して作成した平版印刷板を、印刷機スプリント226
(コモリコーポレーション)で印刷した。印刷された網
画像をルーペで見て、網点が1つ〜3つ欠けているもの
を故障小、4つ以上欠けているものも故障大として5m2
観測し、1m2当たりの故障の数を評価したところ、下記
表2のようになった。
【0047】
【表2】
【0048】表2より故障を少なくする、特に故障大を
1m2当たり1個以下にするにはL*を78以下かつ陽極酸
化層を2.3g/m2以下にすることで実質的に故障大を無
くしてしまうことが判る。
【0049】実施例2 実施例1の電解粗面化液を2.6%の硝酸を使用する以
外は実施例1と同様に感光性平版印刷版を作成し、試験
を行った。その結果実施例1と同様の結果を得た。
【0050】実施例3 実施例1のベース9、10を用い、これに以下の表3の
ように乳剤層に添加剤をそれぞれ10mg/m2加え、実施
例1と同様に試験した結果、表3のようになった。ここ
から、乳剤層にベンゾトリアゾールもしくはその誘導
体、またはメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒
素複素環化合物を含有させることで、さらに故障の数を
減らせれることが判る。
【0051】
【表3】
【0052】
【化1】
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
【化4】
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】
【化7】
【0059】
【発明の効果】L*が78以下でかつ3.5g/m2以下の陽極酸
化膜を持粗面化されたアルミニウム支持体上に物理現像
核層を有し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を有する
ことを特徴とする平版印刷版を用いることで故障の少な
い平版印刷版を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 明度指数L*が78未満でかつ3.5g/m2以下
    の陽極酸化膜を持つ粗面化されたアルミニウム支持体上
    に少なくとも1層の物理現像核層を有し、更にその上に
    少なくともとハロゲン化銀乳剤層を有することを特徴と
    する平版印刷版。
  2. 【請求項2】 明度指数L*が78未満でかつ2.3g/m2以下
    の陽極酸化膜を持つ粗面化されたアルミニウム支持体上
    に少なくとも1層の物理現像核層と少なくとも1層のハ
    ロゲン化銀乳剤層を塗布された平版印刷版。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤層にベンゾトリアゾー
    ルもしくはその誘導体、またはメルカプト基もしくはチ
    オン基を有する含窒素複素環化合物を含有する事を特徴
    とする請求項1もしくは請求項2記載の平版印刷版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002214790A (ja) * 2001-01-18 2002-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版用支持体、感光性平版印刷版及び画像形成方法
JP2002283751A (ja) * 2001-03-22 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版

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JP2002214790A (ja) * 2001-01-18 2002-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版用支持体、感光性平版印刷版及び画像形成方法
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