JP2002014473A - 銀塩オフセット印刷原版 - Google Patents

銀塩オフセット印刷原版

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JP2002014473A
JP2002014473A JP2001098836A JP2001098836A JP2002014473A JP 2002014473 A JP2002014473 A JP 2002014473A JP 2001098836 A JP2001098836 A JP 2001098836A JP 2001098836 A JP2001098836 A JP 2001098836A JP 2002014473 A JP2002014473 A JP 2002014473A
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aluminum
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silver salt
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JP2001098836A
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Jun Yamada
旬 山田
Takenobu Yoshiki
武宣 吉城
Etsuji Tanaka
悦二 田中
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板材の不純物含有量を調整して支
持体の表面活性を改良し、銀画像の接着性の向上を図る
とともに、細線画像の再現性向上を図り、細線の耐刷性
と現像ラチチュードに優れた銀塩オフセット印刷原版を
提供することを目的とする。 【解決手段】銅を0.05〜0.5重量%含有するアル
ミニウム板を電解粗面化処理したアルミニウム支持体に
銀塩感光層を設けたことを特徴とする銀塩オフセット印
刷原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷版に
関するものであり、特にアルミニウムを支持体に用いた
銀塩拡散転写法による銀塩オフセット印刷原版に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】銀塩拡散転写法(DTR法)を用いた銀
塩平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンド
ン・ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ・ロッ
ト及びエディス・ワイデ著、「フォトグラフィック・シ
ルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、
第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されてい
る。 その中に述べられているように、DTR法を用い
た平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツ
ーシートタイプ、或はそれらを一枚のレジンコート紙、
或いはフィルム上に設けたモノシートタイプの二方式が
知られているが、いずれも軽印刷を対象に開発され、耐
刷性には制限があった。
【0003】アルミニウムを支持体とした銀塩方式の平
版印刷版としては特開昭57−118244号、同57
−158844号、同63−260491号、特開平3
−116151号等の各公報に詳しく記載されている。
【0004】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
塗布し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなってい
る。
【0005】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0006】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有する。
【0007】前記アルミニウム平版印刷版の支持体は一
般に不活性で物理現像活性に乏しく、銀塩感光層を塗布
しただけでは十分な銀画像が形成できず、物理現像核の
塗布をしなければならず、2層構成となるばかりでな
く、物理現像核の接着性に劣り、100μm 程度以下の
細線画像が印刷物に忠実に再現されないという問題があ
った。
【0008】また銀画像接着の向上と共に更に高精細印
刷では高画質化、塗布故障等による微小ポイントの改善
が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電解粗面化処
理したアルミニウム支持体を使用した銀塩オフセット印
刷版の、銀画像の接着性の向上を図るとともに、細線画
像の再現性向上を図り、細線の耐刷性と現像ラチチュー
ドに優れた銀塩オフセット印刷原版を提供することを目
的とする。更に本発明のもう1つの目的は、細線画像の
再現性の更なる向上を計り、高画質化に伴う微小な塗布
故障を改善した銀塩オフセット印刷原版を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の発明によって達成された。銅を0.05〜0.5重
量%含有するアルミニウム板を電解粗面化処理したアル
ミニウム支持体に銀塩感光層を設けたことを特徴とする
銀塩オフセット印刷原版。更に、上記銀塩オフセット印
刷原版において、銀塩感光層のハロゲン化銀乳剤の銀/
ゼラチンの比率が1以上にすることにより細線再現性を
向上させることがができ、陽極酸化されたアルミニウム
支持表面を分子中にスルホ基を有し、かつフッ素原子を
有さないアニオン性界面活性剤で洗浄することにより更
に耐刷性を向上させ、塗布故障を少なくすることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銀塩オフセット印刷原版では支持体表面の物理
現像活性を向上させ、現像処理(現像タンク中の現像液
に浸漬してから次の処理工程で現像が停止するまでの時
間)によって形成される銀画像の接着性を改良するため
に、銅の含有量を0.05〜0.5重量%に調整した原
反アルミニウム板材を使用して電解粗面化処理したアル
ミニウム支持体を使用し、銀塩オフセット印刷原版とす
る。
【0012】次に、本発明のアルミニウム支持体の製造
方法とこれを利用した銀塩オフセット印刷原版について
詳しく説明する。
【0013】本発明の支持体のアルミニウム板材には不
純物金属として銅を0.05〜0.5重量%含有させ
る。一般にアルミニウム板材は用途により各種の不純物
を混合した合金に構成されていて、それぞれ呼称と規格
が決められている。1000番代のアルミニウム板材は
99%以上のアルミニウムを含有し、純アルミニウム系
と称される。これ以外のアルミニウム板材は99%以下
のアルミニウム含有量であって、その主体となる不純物
により2000番代は銅系アルミニウム、3000番代
はマンガン系アルミニウム、4000番代はケイ素系ア
ルミニウム、5000番代はマグネシウム系アルミニウ
ム、6000番代はマグネシウム−ケイ素系アルミニウ
ム、7000番代は亜鉛−マグネシウム系アルミニウム
と称されている。上記呼称のアルミニウム板材中の不純
物金属は規格の範囲内で調整されるが、主体となる不純
物金属以外に互いにケイ素、マグネシウム、銅、亜鉛、
マンガン、を適宜含有し、その他に鉄、クロム、チタ
ン、ニッケル、ジルコニウム、ビスマス、鉛等を少量含
む。印刷版用アルミニウム支持体には引張強度以外に適
度な可撓性、折り曲げに対する靭性が要求され、さら
に、電解による粗面化には不純物が多すぎる場合には均
一処理が困難になるので、不純物が少ない純アルミニウ
ム系のものが好まれる。本発明において、銅含有量を
0.05〜0.5重量%に調整するが、銅含有量が0.
05重量%より少ない場合は、電解粗面化後の物理現像
活性が小さく、また、0.5重量%より大きい場合には
腰が強くなりすぎて印刷版としてのハンドリングが困難
になる。
【0014】本発明で用いられるアルミニウム支持体は
公知の方法で圧延され、板材に製造される。すなわちア
ルミニウムのインゴットを溶解保持してスラブを鋳造
し、スラブ表面の不純物組織部分を面削機にかけて3〜
10mmずつ切削する面切削工程を経た後、均熱炉にお
いて480〜540℃、6〜12時間保持する均熱化処
理工程を行い、しかる後に熱間圧延で5〜40mmの厚
みに圧延した後、室温で所定の厚みに冷間圧延を行う。
またその後組織の均一化のために焼鈍を行い圧延組織等
を均質化した後、規定の厚みに冷間圧延を行い、平坦度
のよい板にするため矯正する。支持体の厚みは通常0.
13〜0.5mmの範囲である。
【0015】上記アルミニウム板はオフセット印刷版用
の支持体とするため、感光層を塗布する前に表面処理が
施される。表面処理では一般に脱脂、粗面化、デスマッ
ト、陽極酸化、さらに必要に応じて後処理の各処理が行
われる。これらの処理は通常アルミニウムのコイルを用
いて連続的に行われ、各処理の後には必要に応じて水洗
が加えられ、乾燥して支持体とされ、その処理速度には
特に制限はない。
【0016】次に処理工程の順に支持体の製造方法を説
明する。脱脂処理はアルミニウム表面の圧延時の油或は
空気との接触により生成する酸化膜等を除去し、清浄な
アルミニウム板の表面を露出させて、以降の工程がムラ
なく処理できるように施される。脱脂処理の方法として
は、例えばトリクロロエチレン、パークロロエチレン、
等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸
四ナトリウム、石鹸等、或はこれらの混合物によるアル
カリ脱脂、界面活性剤、ケロシン、トリエタノールアミ
ン、水酸化ナトリウム等を組合せたエマルジョン脱脂、
さらに上記の化学脱脂では取れない汚染を除く仕上げ脱
脂と呼ばれる電解脱脂、等の方法がある。
【0017】次に粗面化処理が行われる。粗面化処理は
表面に凹凸を与えるものであり、直接的にはアンカー効
果により感光層の接着性向上に寄与するが、さらにオフ
セット印刷版においては、耐刷性、保水性、印刷画質等
の印刷の基本性能に影響を与えるので、現在ではこれら
の性能を向上させるため各種の方法が実用化されてい
る。即ち、ブラシグレイニング、ボールグレイニング、
液体ホーニング等の機械的粗面化方法、塩酸或は硝酸等
による化学的エッチングによる化学的粗面化方法、或は
これらの酸による電気化学的エッチングによる電解粗面
化方法、或はこれらを組合せて粗面化する方法が知られ
ている。
【0018】電解粗面化法では、塩酸叉は硝酸を主体と
する電解液を使用し、直流或は交流電流(単相或は3
相)を流して電解される。アルミニウム表面にピットが
形成され、電解時の電流密度、液濃度、液組成、液温度
等によってピットの大きさ、深さ、ピットの分布状態を
変えることが出来る。表面の形状は一般に陽極酸化後に
表面粗さ計により評価されるが、その大きさは中心線平
均粗さ;Raの値で0.4 〜0.8μが適当である。
【0019】アルミニウム板に供給される電力は電解液
の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版と
して適切な砂目を得るためには、一般に、電圧では1〜
60V、処理面における電流密度では5〜60A/dm2
電気量では50〜4000クーロンの範囲で使われる。又電
解液の温度は0〜60℃、電極とアルミニウム板との距
離は1〜10cmの範囲が好ましい。
【0020】電解粗面化に使用する交流電流としては単
相或いは3相の商業用交流或いはこれらを含めた10〜
100Hzの範囲内の正弦波、サイリスター等により交
流の一部がカットされた波形の電流、正負の電流比が等
しくない非対称、対称形正弦波、及び非正弦波、対称形
非正弦波などが使用できる。
【0021】電解液としては硝酸或はその塩、塩酸或は
その塩、或はそれらの1種或は2種以上の混合物の水溶
液が使用出来る。さらに必要に応じて硫酸、燐酸、クロ
ム酸、ほう酸、有機酸、或はそれらのアルカリ塩、アン
モニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他の腐食促進
剤、腐食抑制剤、安定化剤等を加えて使用してもよい。
【0022】電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が
0.1〜10重量%であり、電解液中のアルミニウムイ
オンの濃度を0〜10g/リットル範囲に維持したもの
が好ましい。電解粗面化処理では電解の進行により、ア
ルミニウムがとけ込み、酸類が消費されるので、電解液
の組成が所定の設定範囲をはずれないように、電解液の
一部を廃棄しながら、酸類を補給する、電解液の液管理
のための補充装置の設置が好ましい。
【0023】次にデスマット処理を行う。デスマット処
理ではスマットが溶解し、ピット面が現われる。デスマ
ット処理には、水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは
燐酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混
合物が使用できるが、それぞれスマット除去能力に違い
があり、処理液の種類或いはその濃度或いは処理温度に
よってその除去能力を調整して使用される。デスマット
処理が強すぎる場合には粗面化の工程で形成された凹凸
を溶解して平坦化させるだけでなく、粗面化液に添加し
た上記金属イオンをすべて溶出し、また弱すぎる場合に
はスマットが残留し、支持体表面が黒く着色するので好
ましくない。その溶解量は前記電解液による処理条件に
よって異なるが、0.05〜1g/m2が適当である。
【0024】粗面化され、デスマットされたアルミニウ
ム板帯には、次に陽極酸化処理が施される。アルミニウ
ムは一般に活性な金属であり、空気中では自然に1〜数
nm程度の酸化膜が形成されるが、そのままでは耐アル
カリ性は低く、従って陽極酸化膜を形成させて耐アルカ
リ性の向上を図る。オフセット印刷版用支持体では、表
面の保水性と感光層の接着性向上を図るため酸化膜とし
ては多孔性の陽極酸化膜が形成される。酸化膜の厚さは
大きい程、耐アルカリ性は大きくなるが、厚くするに従
って電力コストが上がるばかりか、印刷汚れも大きくな
るので、好ましくは、その厚みは重量で3g/m2以下で
使用される。電解液としては生成酸化膜の溶解性が低い
酸が好ましく、硫酸、蓚酸、クロム酸、燐酸等或はこれ
らの混合物が使用できるが、生産性を考慮すると硫酸を
電解液とするのが特に好ましい。陽極酸化に際して生成
する陽極酸化膜のマイクロポアの大きさは上記酸の種類
によって変化し、通常0.01〜0.1μmである。
【0025】多孔性陽極酸化膜はマイクロポア底部のア
ルミニウム表面を溶解しながら成長するので、陽極酸化
処理前に行われた粗面化処理による形状やデスマット処
理による表面がそのまま陽極酸化処理後も酸化膜の表面
に保存される。従って、本発明の支持体アルミニウム中
の銅による物理現像活性の効果はデスマット、陽極酸化
後も失われることはない。陽極酸化膜は陽極にのみ生成
するので、電流は通常直流電流が使用される。陽極酸化
の条件としては、硫酸の場合、液濃度1〜40%、電流
密度0.1〜10A/dm2 、電圧5〜30Vの範囲で使
用され、電流は直接給電法或いは間接給電法により供給
される。陽極酸化膜の厚みは電流密度と時間により変え
られ、印刷版の耐刷グレードによって適宜調整される。
温度は陽極酸化膜の硬度に影響を与え、低温の方が硬度
は高くなるが、可撓性に劣るため、通常は常温付近の温
度で陽極酸化される。
【0026】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する。必要に
応じてハロゲン化銀乳剤層を塗布する前に、物理現像核
層を塗布してもよい。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用い
られる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭
化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩
化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。ま
た乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよ
い。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感
あるいはスペクトル増感することができる。
【0027】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
銀/ゼラチンの比率は1以上が好ましい。ゼラチン量と
しては3g/m2以下であることが好ましく、更に好まし
くは2g/m2以下である。ゼラチン量が多いとハロゲン
化銀乳剤層が厚みを持つこととなり、内部DTRにおい
て、銀の拡散距離が長くなり画質の向上が望み難くなる
ため、厚みは薄い方が良い。また、銀に対しゼラチン量
を減量するする事により、ゼラチンによるDTR阻害や
付着によるアルミニウム支持体の物理現像活性の封鎖を
最小限にし、転写効率を高めて耐刷性を向上させること
ができる。銀/ゼラチンの比率を大きくすることによ
り、物理現像活性の高いアルミニウム支持体表面にハロ
ゲン化銀を敷き詰めることにより支持体のもつ表面欠陥
に起因するポイント故障に対しても封鎖することがで
き、塗布欠陥の減少にも効果がある。
【0028】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0029】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
公知の種々の方法によって調整することができる。
【0030】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
いわゆるシングルジェット方式あるいはダブルジェット
方式といわれる混合法のいずれを用いて調整されてもよ
いが、好ましくは後者を用いて調整された単分散乳剤を
用いるのがよい。また、本発明に、用いられるハロゲン
化銀結晶の晶癖は、立方体、八面体、十四面体、平板状
結晶のいずれでもよく、粒子径も特に制限はないが、好
ましくは0.1μm〜2.0μmの平均粒径のものが良
い。
【0031】本発明のハロゲン化銀乳剤は硫黄プラス金
増感により化学増感することができる。本発明に用いら
れる硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含まれる硫黄化
合物の他、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ
尿素類、チアゾ−ル類、ロ−ダニン類等を用いることが
できる。本発明に用いられる金増感剤は種々の金塩であ
り、例えば塩化金酸、三塩化金酸、チオシアナト金酸な
どである。
【0032】本発明に用いられる乳剤はハロゲン化銀の
物理熟成中あるいは化学熟成中に、ロジウム、イリジウ
ム等の金属塩を用いることができる。本発明に用いられ
る写真乳剤は、第4級アンモニウム塩、チオエ−テル化
合物、ポリエチレンオキサイド誘導体、ジケトン類など
を用いて増感することもできる。これらの方法は米国特
許第2、708、162号、同3、046、132号、
同3、046、133号、同3、046、134号、同
3、046、135号、英国特許第939、357号等
に記載されている。
【0033】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0034】本発明にさらに物理現像核層を塗布する場
合、物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用
いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラ
ジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化
物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コ
ロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法に
ついては、例えば、特公昭48−30562号、特開昭
48−55402号、同53−21602号、フォーカ
ル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、
アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグ
ラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・
プロセシズ」を参照し得る。
【0035】本発明のに於いて、アルミニウム支持体と
ハロゲン化銀乳剤層の間に、アルミニウム支持体の物理
現像活性を補強するため薄い物理現像核層を設けてもよ
いが、アルミニウム支持体の耐刷性,細線再現性を保持
するため微小な方が良い。更には、物理現像核の活性や
核液塗布によるpH等の影響でアルミベース表面に欠陥
が生じたり、核液の活性でベース欠陥を逆に強化する場
合があり、塗布故障改善のために、実質的に物理現像核
を含まない方が好ましい。
【0036】また、ハロゲン化銀乳剤層の支持体表面へ
の均一塗布及び接着するハロゲン化銀の吸着促進させ転
写効率向上のため、分子中にスルホ基を有し、かつフッ
素原子を有さないアニオン性界面活性剤でアルミニウム
支持体表面の陽極酸化表面を洗浄することで更に耐刷性
を向上させ、塗布故障を減少させることができる。
【0037】本発明の銀塩オフセット印刷原版に於いて
用いられる分子中にスルホ基を有し、かつフッ素原子を
有さないアニオン性界面活性剤としては、下記の化合物
が挙げられる。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】これらの界面活性剤の添加量は1m2当たり
1×10-6〜1×10-1モルが好ましく、1×10-4
1×10-2モル/m2がより好ましい。また、これらの界
面活性剤で表面洗浄された後ののアルミニウム原版への
残留量は1×10-4モル/m2以下であることが好まし
い。
【0052】本発明のアルミニウム平版印刷材料の写真
乳剤層または他の親水性コロイド層には、製造工程、保
存中あるい写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真
性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させる
ことができる。すなわちアゾ−ル類たとえばベンゾチア
ゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベ
ンズイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換
体):ヘテロ環メルカプト化合物類、たとえばメルカプ
トチアゾール類、メルカプトベンズチアゾ−ル類、メル
カプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾー
ル類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾ−ル)、メルカプトピリミジン
類:アザインデン類、たとえばテトラアザインデン類
(特に4−ヒドロキシ置換(1、3、3a、7)テトラ
アザインデン類):などのようなカブリ防止剤または安
定剤として知られた多くの化合物を加えることができ
る。
【0053】本発明のアルミニウム平版印刷材料の写真
乳剤層または他の親水性コロイド層には、製造工程、保
存中あるい写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真
性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させる
ことができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾチア
ゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベ
ンズイミダゾ−ル類(特にニトロ−またはハロゲン置換
体):ヘテロ環メルカプト化合物類、たとえばメルカプ
トチアゾール類、メルカプトベンズチアゾール類、メル
カプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾー
ル類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾ−ル)、メルカプトピリミジン
類:アザインデン類、たとえばテトラアザインデン類
(特に4−ヒドロキシ置換(1、3、3a、7)テトラ
アザインデン類):などのようなカブリ防止剤または安
定剤として知られた多くの化合物を加えることができ
る。
【0054】本発明のアルミニウム平版印刷材料は、前
記以外の種々の化合物、例えばハレーション防止染料、
可塑剤、現像主薬、現像促進剤等を使用することができ
る。
【0055】また、本発明の親水性コロイド層の塗布方
法としては、エアードクター、ブレードコート、スクイ
ズコート、エアーナイフコート、リバースロールコー
ト、キャストコート、エクストルージョンコート等の方
法が用いられる。そして塗布量は1〜15μm、より好
ましくは2〜10μmとすることがこのましい。
【0056】本発明の印刷原版の製版において、現像処
理時間(現像液に浸漬してから次の処理工程で現像が停
止するまでの時間)は制限されるものではなく、例えば
20秒間もしくはそれより短い浸漬現像の後に、さらに
3〜30秒間程度の現像を進行させてもよい。
【0057】本発明においては陽極酸化膜の溶解を抑制
する意味から、一般的には現像液のpHは低い方が好ま
しく、現像温度は低い方が好ましく、また現像処理時間
は短い方が好ましい。具体的には、現像液のpHは通常
10〜14であるが、印刷特性を考慮して、pH12.
5以上、とくに12.7〜13.7の範囲が好ましく、
現像液の温度は15〜30℃程度が好ましく、現像処理
時間は5〜30秒程度が好ましい。
【0058】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン
類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル−
3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレ
ンジアミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えば
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及
び以下に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0059】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0060】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0061】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
10〜100gである。
【0062】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0063】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特開平10−282674号公報に
記載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物
の添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20g
であり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0064】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0065】現像液には、更に銀画像部を親油性にする
化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油化
剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨ
ーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハラ
イド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、10
6ページに記載されている化合物が挙げられる。例えば
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アン
モニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプト
基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58−127928号に記載されている。
以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されること
はない。
【0066】2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メ
ルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−
ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベン
ゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イ
ミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−
1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカ
プト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベン
ゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−
エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−
2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5
−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデ
シル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5
−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシ
ル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプ
ト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2
−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4
−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−
テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、
1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メル
カプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−
メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メル
カプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,
3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−
ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−ト
リアゾリン等が挙げられる。
【0067】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0068】
【実施例】本発明の銀塩オフセット印刷版を実施例によ
りさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制限
されるものではない。
【0069】実施例1〜3 銅含有量をそれぞれ0.07、0.12、0.17重量
%に調整した幅1030mm、厚み0.24mmのアルミニ
ウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60℃、
4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水
洗し、1.5%の塩酸と2%の酢酸よりなる30℃の処
理液を満たした電解槽に浸漬し、電源より40A/d
m2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、交流電
解粗面化し、水洗し、その後50℃、10%燐酸を含む
水溶液に20秒間浸漬してデスマットし、水洗し、さら
に25℃、20%硫酸中に通し間接給電方式により2g/
m2の陽極酸化膜を形成し、水洗し、乾燥し、実施例1〜
3のオフセット印刷版用アルミニウム支持体を得た。
【0070】比較例1 前記実施例のアルミニウム板帯の代わりに銅含有量0.
03重量%のアルミニウム板帯を用いて実施例1とまっ
たく同様にして表面処理し、比較例1のオフセット印刷
版用アミニウム支持体を得た。
【0071】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤
色領域に最大吸収波長を有する増感色素を銀1g当たり
3mg用いて分光増感した。
【0072】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記実施例1〜3及び比較例1のアルミニウム支
持体上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.5g/m2
なるように塗布乾燥して銀塩オフセット印刷原版を得
た。
【0073】実施例4及び比較例2 次に実施例1及び比較例1で得られたアルミニウム支持
体に硫化パラジウム核液を塗布し、その後乾燥した。物
理現像核層に含まれる核量は3mg/m2であった。さら
に、上記乳剤層塗布液を実施例1及び比較例1と同様に
塗布し、核液を塗布した2層構成の銀塩オフセット印刷
原版、実施例4及び比較例2を得た。
【0074】上記印刷原版を633nmの赤色LDレー
ザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロ
セッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で
処理してオフセット印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃)、水洗処理工程(35
℃の水洗液をシャワー噴射しながらスクラブローラで乳
剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理工程(21
℃、)及び乾燥工程から構成されている。現像液及び水
洗液及び仕上げ液には下記の組成のものを使用し、処理
速度を変えて現像時間を調整し、現像ラチチュードを評
価した。
【0075】 <現像液> 水酸化ナトリウム 25g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 50g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g ハイドロキノン 15g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1 22ミリモル アミノトリ(メチレンホスホン酸) 10g 水酸化ナトリウム 5g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1
【0076】 <水洗液> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g 第1燐酸カリウム 40g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.
0に調整した。タンパク質分解酵素として、ビオプラー
ゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)
製)を用いた。
【0077】 <仕上げ液> 燐酸 0.5g モノエタノールアミン 5.0g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g ポリグリセロール(6量体) 50g 脱イオン水で1000mlとする。pHは7.2に調整
した。
【0078】このようにして得た実施例1〜4及び比較
例1及び2の印刷版のベタ部の画像銀量を測定し、表1
にまとめて示す。
【0079】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例 実施例 実施例 比較例 実施例 比較例 1 2 3 1 4 2 ──────────────────────────────────── 銅含有量 0.07 0.12 0.17 0.03 0.07 0.03 (重量%) ──────────────────────────────────── 核液塗布 なし なし なし なし あり あり ──────────────────────────────────── 硝酸銀換算画像 1.0 1.4 1.5 0.5 1.4 1.4 銀量(g/m2) ────────────────────────────────────
【0080】このようにして得られた銀塩オフセット印
刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オ
フセット印刷機の商標)に同時に掛けて、インキ(大日
本インキ(株)社製のニューチャンピオン墨H)及び市
販のPS版用給湿液を用いて耐刷性を比較した。比較例
1の印刷版は画像銀量が少なく、印刷できず、また比較
例2の印刷版は現像時間12秒の製版で細線の版飛びが
発生し、現像ラチチュードの狭い印刷版であった。これ
に対して、本発明の銅含有量を調整したアルミニウム支
持体で作製した印刷原版を製版した実施例1の印刷版は
画像銀量は核液を塗布した比較例2に及ばないものの比
較例1より多く、インキ乗りがやや遅いものの、比較例
2と同じ現像時間12秒では版飛びはなく、耐刷性は良
好であった。実施例1に核液を塗布した実施例4は比較
例2より現像ラチチュードも広く現像時間12秒でも版
飛びは発生しなかった。又、銅含有量を多くした実施例
2及び実施例3の印刷版は核液を塗布しなかったにもか
かわらず画像銀量も多く、いずれも30秒以上の現像で
も版飛びすることなく、耐刷性に優れた現像ラチチュー
ドの広い印刷版であることが確認できた。
【0081】実施例5〜8 実施例1のアルミニウム板帯の代わりにそれぞれ銅含有
量を0.25、0.33、0.38、0.43に調整し
たA3105アルミニウム板帯を使用し、実施例1と同
様にして実施例5〜8のアルミニウム支持体を得た。
【0082】このようにして得たアルミニウム支持体に
実施例1と同様にして銀塩感光層塗布し、印刷原版を
得、実施例1と同様にして製版し、実施例5〜8の印刷
版のベタ部の画像銀量を測定し、表2にまとめて示す。
【0083】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 ──────────────────────────────────── 銅含有量(重量%) 0.25 0.33 0.38 0.43 ──────────────────────────────────── 硝酸銀換算画像 1.5 1.7 1.7 1.8 銀量(g/m2) ────────────────────────────────────
【0084】実施例1と同様にして印刷評価したとこ
ろ、本発明の銅含有量を調整したアルミニウム板材を電
解粗面化処理して製造したアルミニウム支持体を使用し
た実施例5〜8の印刷版は核液を塗布しなかったにもか
かわらず画像銀量も多く、いずれも30秒以上の現像で
も版飛びすることなく細線画像の耐刷性に優れた、現像
ラチチュードの広い印刷版であることが確認できた。
【0085】実施例9 銅含有量をそれぞれ0.14重量%に調整したアルミニ
ウム支持体を、米国特許第5,427,889号公報に
記載の方法に従って電解粗面化処理及び陽極酸化した。
平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜0.3
0μmのピットを100μm2当たり約5,600個有
し、かつ これらのピットの平均直径が0.08μmで
ある厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このア
ルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均
粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0086】ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドと
して、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(III)酸カリウムを銀1モル当り0.006
mmolドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr15
モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この
乳剤に硫黄金増感を施し、増感色素を銀1g当り1mg
用いて分光増感した。
【0087】このよにして作成したハロゲン化銀乳剤を
分割し、ゼラチンを加えて表3に示すように、銀/ゼラ
チン量を変化した乳剤を、物理現像核が塗布されていな
いアルミニウム支持体上に塗布、乾燥して平版印刷材料
を得た。
【0088】このようにして得られた試料を633nm
の赤色LDレーザーを光源とする出力機で全面に網点画
像を出力し、塗布故障による欠陥を計測する試料とし
た。次に製版用プロセッサー(三菱製紙製P−α880
自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。
【0089】上記記載の方法で作成された平版印刷材料
について、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社
製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ株
製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿
液を用いて印刷を行い、印刷物に現れる塗布故障を評価
した。ここでポイント故障とはベース欠陥や乳剤塗布時
の故障で、10〜50μmの径の画像飛び個数である。
菊版の印刷では1版で0.8m2程度の製版となるため、
1版に1個以上のポイント故障があると印刷の画像に現
れるため、損版率を下げるためにも数値は低い方が良
い。また、解像力チャートによるネガーポジ再現性でる
最少細線の太さを表3に示す。
【0090】
【表3】 ──────────────────────────────────── 試験NO. 塗布Ag/セ゛ラチン 硝酸銀換算画像 細線再現 ホ゜イント故障 (g/m2) 銀量(g/m2) (μm) (個/10m2) ──────────────────────────────────── 1 3/3.5 1.3 20 0.9 2 3/3 1.5 12 0.3 3 3/1 1.5 7 0.2 4 2/3 1.0 18 0.9 5 2/1.5 1.2 10 0.3 ────────────────────────────────────
【0091】上記の結果から、銀/ゼラチンの比率を1
以上にすると細線の画質再現性が良化し、更に塗布故障
の減少にも効果があることが分かる。
【0092】実施例10 銅を0.14重量%含む電解粗面化処理及び陽極酸化し
たアルミニウム支持体を表4に示す界面活性剤を含む溶
液で洗浄後、水洗乾燥した。
【0093】ハロゲン化銀乳剤は実施例1と同様の方法
で銀量2.5g/m2、ゼラチン量2g/m2となるようア
ルミニウム支持体上に塗布、乾燥して平版印刷材料を得
た。
【0094】このようにして得られた試料を633nm
の赤色LDレーザーを光源とする出力機で全面に網点画
像を出力し、塗布故障による欠陥を計測する試料とし
た。次に製版用プロセッサー(三菱製紙製P−α880
自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。
【0095】上記記載の方法で作成された平版印刷材料
について、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社
製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ株
製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿
液を用いて印刷を行い、印刷物に現れる塗布故障を評価
した。ここでポイント故障とはベース欠陥や乳剤塗布時
の故障で、10〜50μmの径の画像飛び個数である。
菊版の印刷では1版で0.8m2程度の製版となるため、
1版に1個以上のポイント故障があると印刷の画像に現
れるため、損版率を下げるためにも数値は低い方が良
い。
【0096】
【表4】 ──────────────────────────────────── 試験NO. 界面活性剤 硝酸銀換算画像 ホ゜イント故障 銀量(g/m2) (印刷物) ──────────────────────────────────── 1 化1 1.2 0.1 2 化4 1.2 0.1 3 化13 1.1 0.1 4 なし 0.7 0.3 ────────────────────────────────────
【0097】上記の結果に見られるように、スルホ基を
有するアニオン性界面活性剤で電解粗面化処理及び陽極
酸化したアルミニウム支持体表面を洗浄することにより
転写銀量が保持できポイント故障を更に減少させられる
ことが分かる。
【0098】
【発明の効果】本発明の銅含有量を調整したアルミニウ
ム板材を電解粗面化処理したアルミニウム支持体によっ
て核液を塗布することなく十分な画像銀を形成できる銀
塩オフセット印刷原版を得ることができる。本発明のア
ルミニウム支持体を使用した銀塩オフッセット印刷原版
により現像ラチチュードの広い、細線の耐刷性に優れた
DTR方式の印刷版を得ることができる。更に、細線画
像の再現性の向上を計り、高画質化に伴う微小な塗布故
障を改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AA12 AA14 AB03 AC01 AD01 AD03 CA15 DA18 FA03 FA17 2H096 AA09 BA17 CA01 CA03 CA20 EA02 GA08 JA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅を0.05〜0.5重量%含有するア
    ルミニウム板を電解粗面化処理したアルミニウム支持体
    に銀塩感光層を設けたことを特徴とする銀塩オフセット
    印刷原版。
  2. 【請求項2】 請求項1の銀塩オフセット印刷原版にお
    いて、銀塩感光層のハロゲン化銀乳剤の銀/ゼラチンの
    比率が1以上であることを特徴とする銀塩オフセット印
    刷原版。
  3. 【請求項3】 請求項1の銀塩オフセット印刷原版にお
    いて、アルミニウム支持体表面が、分子中にスルホ基を
    有し、かつフッ素原子を有さないアニオン性界面活性剤
    で洗浄されていることを特徴とする銀塩オフセット印刷
    原版。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007311429A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Nippon Foil Mfg Co Ltd フレキシブルプリント配線板の製造方法

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