JP2001224874A - 穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法 - Google Patents

穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法

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JP2001224874A JP2000062517A JP2000062517A JP2001224874A JP 2001224874 A JP2001224874 A JP 2001224874A JP 2000062517 A JP2000062517 A JP 2000062517A JP 2000062517 A JP2000062517 A JP 2000062517A JP 2001224874 A JP2001224874 A JP 2001224874A
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幸夫 西田
Itaru Shibata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 綺麗な穴かがり縫目の閂止め縫目を簡単且つ
確実に、しかも、適度に引締めて形成可能にし、起毛素
材からなる加工布に形成する閂止め縫目の見栄えが良く
なる穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法を提供す
る。 【解決手段】 穴かがり縫目の形成予定部71a〜74
aに、渡り用縫目87、補強用縫目86、渡り用縫目8
8、補強用縫目85を、この順で連続的に縫製し、続け
て、穴かがり縫目を連続的に縫製する。閂止め縫目形成
予定部73a,74aが補強用縫目85,86により補
強されるため、その補強用縫目85,86上に閂止め縫
目85,86を形成する際、閂止め縫目85,86付近
の加工布が糸で引張られて縮み皺になりにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は穴かがりミシン及
び穴かがり縫目形成方法に関し、特に、加工布に穴かが
り縫目の閂止め縫目を形成する前に、その閂止め縫目の
形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を下縫い
するようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、穴かがりミシンは、加工布を布
送りする布送り機構と、加工布に縫目を形成する縫製機
構と、布送り機構と縫製機構を制御して1対の千鳥縫目
と1対の閂止め縫目を含む穴かがり縫目を形成させる制
御装置等を備えている。更に、加工布にボタン穴を形成
するカッタを含むボタン穴形成機構を設け、制御装置に
よりボタン穴形成機構を制御して、穴かがり縫目の形成
を含む一連の動作で穴かがり縫目の内側にボタン穴を形
成するようにしたものも多い。
【0003】尚、前記縫製機構は、基本的に、針棒と、
針棒の下端に装着されて上糸供給源から延びる上糸が装
着される縫針と、針棒を上下に駆動する針棒上下動機構
及び左右に揺動駆動する針棒揺動機構と、針板(送り
台)の下側に装着され下糸が巻付けられるボビンと、針
板の下側にて上下動する縫針付近における上糸を捕捉し
ボビンから延びる下糸と交絡させる糸輪捕捉器等を有す
る。
【0004】ところで、従来の穴かがりミシンにおいて
は、制御装置により縫製データに基づいて布送り機構と
縫製機構が制御されて穴かがり縫目を形成するが、本願
出願人は、穴かがり縫目の形状とサイズを規定する複数
のパラメータ等を設定することにより、制御装置によ
り、布送り機構と縫製機構を駆動制御して穴かがり縫目
を形成する縫製データを演算処理する技術を記載した穴
かがりミシンを出願している(特願平11−12430
2号参照)。
【0005】さて、穴かがりミシンにより加工布に形成
される穴かがり縫目については、例えば、本実施形態に
係る図14の穴かがり縫目70のように、通常、閂止め
縫目73,74の幅は千鳥縫目71,72の幅よりも広
く、閂止め縫目73,74の大部分の縫目ピッチ(針落
ち点から次の針落ち点までの距離;例えば、3.5mm )
は、千鳥縫目71,72の縫目ピッチ(例えば、1.5mm
)と比べても長い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 従来の穴かがりミシ
ンにより加工布に形成される穴かがり縫目(例えば、角
形の穴かがり縫目)については、前述したように、閂止
め縫目の大部分の縫目ピッチが長すぎるため、閂止め縫
目を縫製する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張ら
れて縮み皺になり易い。つまり、綺麗な穴かがり縫目を
形成することが難しく、特に、伸縮性の高い素材や布厚
が薄い素材からなる加工布に閂止め縫目を形成する場
合、前記問題が一層顕著になる。
【0007】一方、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張
られて縮み皺にならないように、閂止め縫目を縫製する
際、天秤と糸調子器を介して上糸に付与する張力を小さ
くすると、閂止め縫目を適度に引締めることができなく
なる。他方、ニット等の起毛素材からなる加工布に閂止
め縫目を形成する場合には、閂止め縫目が加工布の起毛
部の下側に入り込み易く、閂止め縫目の見栄えが悪くな
るという問題もある。
【0008】本発明の目的は、穴かがりミシン及び穴か
がり縫目形成方法において、綺麗な穴かがり縫目の閂止
め縫目を簡単に且つ確実に更に綺麗に形成すること、閂
止め縫目を適度に引締めて形成可能にすること、起毛素
材からなる加工布に形成する閂止め縫目の見栄えを良く
すること、等である。
【0009】請求項1の穴かがりミシンは、加工布を布
送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する縫製手
段と、布送り手段と縫製手段を制御して1対の千鳥縫目
と1対の閂止め縫目を含む穴かがり縫目を形成させる制
御手段を備えた穴かがりミシンにおいて、前記制御手段
は、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め
縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫目
と交差する補強用縫目を形成するように、布送り手段と
縫製手段を制御することを特徴とするものである。
【0010】この穴かがりミシンでは、制御手段により
布送り手段と縫製手段が制御され、穴かがり縫目の閂止
め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫
目と交差する補強用縫目を形成してから、その補強用縫
目上に閂止め縫目を形成することができる。つまり、加
工布の閂止め縫目の形成予定部が補強用縫目により補強
されると、その補強用縫目上に閂止め縫目を形成する
際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺に
なりにくくなる。従って、綺麗な穴かがり縫目を簡単且
つ確実に形成することができ、しかも、補強用縫目上に
閂止め縫目を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸
縮性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止
め縫目を形成する場合に有効である。
【0011】しかも、加工布がニット等の起毛素材から
なる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛
部をある程度倒すことができるため、その部分において
は、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにく
くなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。尚、閂止
め縫目の形成予定部に補強用縫目を形成することから、
その補強用縫目を閂止め縫目で覆い隠すことができるた
め、閂止め縫目の良好な見栄えが損うこともない。
【0012】請求項2の穴かがりミシンは、請求項1の
発明において、前記補強用縫目を1対の閂止め縫目形成
予定部の両方に形成する第1モードと一方にだけ形成す
る第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成したこ
とを特徴とするものである。第1モードに設定した場
合、1対の閂止め縫目形成予定部の両方に補強用縫目を
形成することができ、第2モードに設定した場合、1対
の閂止め縫目形成予定部の一方にだけ補強用縫目を形成
することができ、これら第1,第2モードの何れかに択
一的に設定することができる。
【0013】特に、第2モードを設定した場合、止め縫
いが形成されない奥閂止め縫目形成予定部にだけ補強用
縫目を成形するように構成してもよい。これにより、前
閂止め縫目予定部に形成される縫目数(針落ち数)を抑
え、前閂止め縫目を形成する際の針流れ(針が縫目に干
渉して湾曲し所定の針落ち位置に落ちない現象)や針折
れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成して、全体的に
綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0014】また、第2モードを設定した場合、前閂止
め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構
成してもよい。そして、前閂止め縫目の形状と奥閂止め
縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成しないか、或
いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或い
は、前閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或い
は、前奥両閂止め側に補強用縫目を形成するかの何れか
に適宜設定して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成す
ることができる。
【0015】請求項3の穴かがりミシンは、請求項2の
発明において、前記第1モードのとき、制御手段は1対
の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用
縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するよう
に形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するよ
うに、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とす
るものである。
【0016】第1モードに設定した場合に、糸を切断す
ることなく、1対の閂止め縫目形成予定部に夫々形成さ
れる1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部に
夫々形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成する
ことができ、1対の補強用縫目の形成作業を簡単化する
ことができる。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の
形成を、穴かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫
製開始点で終了するようにすると、補強用縫目と渡り用
縫目を連続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形
成することが可能になる。
【0017】請求項4の穴かがりミシンは、請求項2の
発明において、前記第2モードのとき、制御手段は一方
の閂止め縫目形成予定部に形成される補強用縫目と、他
方の閂止め縫目形成予定部を横断するように形成される
渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断す
るように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成
するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特
徴とするものである。
【0018】第2モードに設定した場合、糸を切断する
ことなく、1対の閂止め縫目形成予定部のうち一方に形
成される補強用縫目と他方に形成される渡り用縫目と、
1対の千鳥縫目形成予定部に夫々形成される1対の渡り
用縫目とを連続的に形成することができ、補強用縫目の
形成作業を簡単化することができる。また、これら補強
用縫目と渡り用縫目の形成を、穴かがり縫目の縫製開始
点付近から開始して縫製開始点で終了するようにする
と、補強用縫目と渡り用縫目とを連続的に形成した後、
穴かがり縫目も連続的に形成することが可能になる。
【0019】請求項5の穴かがりミシンは、請求項2の
発明において、前記制御手段に対して、前記第1,第2
モードに択一的に設定する際に補強縫目用パラメータを
設定する為の補強縫目用パラメータ設定手段を設けたこ
とを特徴とするものである。つまり、補強縫目用パラメ
ータ設定手段により補強縫目用パラメータを設定して、
第1,第2モードの何れかに択一的に設定することが可
能になる。
【0020】請求項6の穴かがりミシンは、請求項1〜
5の何れかの発明において、前記制御手段に対して、前
記補強用縫目の形状とサイズを規定する複数の第1パラ
メータを設定する為の第1パラメータ設定手段を設けた
ことを特徴とするものである。つまり、第1パラメータ
設定手段により複数の第1パラメータを設定して、閂止
め縫目に対応する形状とサイズの補強用縫目を形成する
ことが可能になる。
【0021】請求項7の穴かがりミシンは、請求項6の
発明において、前記制御手段に対して、前記穴かがり縫
目の形状とサイズを規定する複数の第2パラメータを設
定する為の第2パラメータ設定手段を設け、これら第2
パラメータの一部を前記第1パラメータとして活用する
ことを特徴とするものである。
【0022】つまり、第2パラメータ設定手段により複
数の第2パラメータを設定して、所望の形状とサイズの
穴かがり縫目を形成することができる。そして、複数の
第2パラメータの一部を前記第1パラメータとして活用
するので、第1パラメータを新たに設定する設定数を低
減して設定作業を簡単に行うことができ、閂止め縫目に
対応する補強用縫目の形状とサイズを容易に設定するこ
とが可能になる。
【0023】請求項8の穴かがり縫目形成方法は、加工
布を布送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する
縫製手段とを制御して穴かがり縫目を形成する穴かがり
縫目形成方法において、前記穴かがり縫目の閂止め縫目
の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目
と交差する補強用縫目を形成する工程を備えたことを特
徴とするものである。
【0024】この穴かがり縫目形成方法では、布送り手
段と縫製手段が制御され、穴かがり縫目が形成される
が、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め
縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を
形成するので、加工布の閂止め縫目の形成予定部が補強
用縫目により補強される。それ故、その補強用縫目上に
閂止め縫目の形成する際、閂止め縫目付近の加工布が糸
で引張られて縮み皺になりにくくなる。従って、綺麗な
穴かがり縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止
め縫目を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸縮性
の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め縫
目を形成する場合に有効である。
【0025】しかも、加工布がニット等の起毛素材から
なる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛
部をある程度倒すことができるため、その部分において
は、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにく
くなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。尚、閂止
め縫目の形成予定部に補強用縫目を形成することから、
その補強用縫目を閂止め縫目で覆い隠すことができるた
め、閂止め縫目の良好な見栄えが損うこともない。
【0026】請求項9の穴かがり縫目形成方法は、請求
項8の発明において、前記補強用縫目を形成してから、
穴かがり縫目を形成することを特徴とするものである。
つまり、1対の補強用縫目を形成してから、穴かがり縫
目を連続的に形成できる。
【0027】請求項10の穴かがり縫目形成方法は、請
求項8の発明において、前記補強用縫目の形成後、その
補強用縫目上に連続的に閂止め縫目を形成することを特
徴とするものである。つまり、各補強用縫目の形成後そ
の補強用縫目上に連続的に閂止め縫目を形成しつつ、最
終的に穴かがり縫目を形成できる。
【0028】請求項11の穴かがり縫目形成方法は、請
求項8〜10の何れかの発明において、前記穴かがり縫
目の1対の閂止め縫目の形成予定部のうち、止め縫いが
形成されない奥閂止め縫目の形成予定部にだけ補強用縫
目を形成することを特徴とするものである。
【0029】つまり、前閂止め縫目形成予定部に、止め
縫いの縫目に加えて補強用縫目が形成されると縫目数
(針落ち数)が多くなるため、その後、前閂止め縫目を
形成する際に針流れ(針が縫目に干渉して湾曲し所定の
針落ち位置に落ちない現象)や針折れが生じたり、閂止
め縫目の見栄えが悪くなる虞があるが、止め縫いが形成
されない奥閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成
形することにより、前閂止め縫目予定部に形成される縫
目数を抑え、前記問題を解消し、全体的に綺麗な穴かが
り縫目を形成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、加工布に、
例えば、図14の角形の穴かがり縫目70を形成すると
ともに、その穴かがり縫目70の内側にボタン穴80を
形成する所謂ボタン穴用の穴かがりミシンに、本発明を
適用した場合の例である。但し、図1の前方と左方を基
準として説明する。尚、以下、穴かがり縫目やボタン穴
等の符号については、図14の穴かがり縫目70とボタ
ン穴80等の符号を引用する。
【0031】図1に示すように、穴かがりミシンMに
は、ミシンテーブル1に、ミシンモータ2と、そのミシ
ンモータ2を含む各駆動部(後で詳述する)を起動又は
停止させる為のペダル3と、穴かがり縫目70の形状と
サイズ等を規定する複数のパラメータ等を入力設定する
為の操作パネル4と、前記各駆動部を駆動制御する制御
装置5等が設けられている。
【0032】穴かがりミシンMは、ベッド部6と脚柱部
7とアーム部8とを有するミシン本体を有し、そのミシ
ン本体に、図2〜図5に示すように、加工布を前後に布
送りする布送り機構10と、加工布に縫目を形成する縫
製機構30と、加工布にボタン穴80を形成するカッタ
61を含むボタン穴形成機構60が設けられ、制御装置
5により、布送り機構10と縫製機構30が制御されて
穴かがり縫目70を形成するとともに、ボタン穴形成機
構60が制御されて穴かがり縫目70の内側にボタン穴
80を形成する。
【0033】前記布送り機構10は、図3に示すよう
に、送り台11と、押え足12と、ステッピングモータ
13等を有し、加工布を押え足12で送り台11に押え
た状態で、ステッピングモータ13により送り台11と
押え足12を一体的に前後に駆動することで、加工布も
一体的に前後に布送りされる。送り台11は前後に長い
板状に形成され、その前端部に穴かがり縫目70及びボ
タン穴80を形成する為の長孔11aが形成されてい
る。ベッド部6の上面部分に左右1対の案内板14が嵌
込まれており、これらの案内板14の間に送り台11が
前後に移動可能にガイド支持されている。
【0034】送り台11の後端部下面側に可動部材15
が固定され、その可動部材15の後側に前後に長い連結
ロッド16を介して可動部材17が連結され、この可動
部材17に、前端部に布押え12を取り付けた押え腕1
8の後端部が左右軸心回りに枢支されている。押え足1
2は、付勢部材(図示略)により押え腕18を介して下
方へ付勢されており、例えば、ペダル3の操作により、
布押え12の高さ調節を行うことができる。
【0035】連結ロッド16は、可動部材15,17の
左端部に挿通状に固定されて延び、可動部材15,17
の前後両側において1対の軸受19を介してミシン機枠
に前後に移動可能にガイド支持されている。また、連結
ロッド16の右側に、前後に長いロッド20がミシン機
枠に固定的に設けられ、このロッド20に可動部材17
の右端部が軸受17aを介して前後に移動自在にガイド
支持されている。
【0036】ステッピングモータ13の出力軸に駆動プ
ーリ13aが固着され、駆動プーリ13aの後方に従動
プーリ(図示略)がミシン機枠に枢支され、これら両プ
ーリに無端状のベルト21が掛け渡されている。このベ
ルト21の一部に可動部材17が固定され、ステッピン
グモータ13が駆動されると、ベルト21を介して可動
部材15,17と送り台11と押え足12が前後に一体
的に駆動される。
【0037】前記縫製機構30は、図2、図4に示すよ
うに、針棒31と、針棒31の下端に装着されて糸駒等
の上糸供給源(図示略)から延びる上糸が装着される縫
針32と、針棒31を上下に往復駆動する針棒上下動機
構33及び左右に揺動駆動する針棒揺動機構34と、送
り台11の下側に装着され下糸が巻付けられるボビン
(図示略)と、送り台11の下側にて上下動する縫針3
2付近における上糸を捕捉しボビンから伸びる下糸と交
絡させる糸輪捕捉器(図示略)等を有する。
【0038】図4に示すように、針棒上下動機構33に
おいては、アーム部8に揺動自在に設けられた仮想線で
示す針棒台35に、針棒31が上下に摺動可能に支持さ
れ、針棒31に針棒抱き36が固定されている。針棒3
1の後側に針棒連竿37が設けられ、その上端部37a
が鉛直面内の円Cに沿って円運動するようにミシンモー
タ2で回動される上軸38に連結され、針棒連竿37の
下端部37bの前側と後側に、角コマ39,40が夫々
回動自在に連結されている。針棒抱き36の後部に左右
方向に断面矩形の案内溝36aが形成され、この案内溝
36aに前側の角コマ39が左右方向に移動自在に係合
している。
【0039】針棒抱き36の後部には針棒連竿案内41
が設けられ、この針棒連竿案内41に形成された垂直溝
41aに、後側の角コマ40が係合し垂直方向にのみ移
動可能に案内されている。更に、針棒台35の側面に平
板状の針棒案内42が固定され、この針棒案内42に形
成され針棒31に沿って伸びる長穴42aに、針棒抱き
36の左側部から突出した突起36bが係合している。
このように構成された針棒上下動機構33では、ミシン
モータ2によって回転駆動される上軸38から針棒連竿
37に加わる力を、角コマ39と針棒抱き36を介して
針棒31に伝達し、それによって針棒31を上下動させ
ることができる。
【0040】針棒揺動駆動機構34においては、針棒台
35の後側に揺動レバー45が設けられ、この揺動レバ
ー45の下端前側に回動可能に装着された角駒46が針
棒台35の下端前部に係合している。揺動レバー45の
上端部にステッピングモータ47の出力軸47aが内嵌
固着され、ステッピングモータ47から揺動レバー45
に加わる力を、角コマ46と針棒台35を介して針棒3
1に伝達し、それによって針棒31を左右に揺動させる
ことができる。
【0041】ここで、図14の角形の穴かがり縫目70
について説明する。この穴かがり縫目70は、左千鳥縫
目71と右千鳥縫目72とを有し、更に、その前端部に
前閂止め縫目73を有し、後端部に奥閂止め縫目74を
有する。尚、通常、穴かがり縫目70の縫製時には、前
閂止め縫目73の一部、左千鳥縫目71、奥閂止め縫目
74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73の残りの部分
の順で縫目が形成される。また、図14に示す長さa〜
e等を操作パネル4にて設定することができる。
【0042】前記ボタン穴形成機構60は、図5に示す
ように、カッタ61、カッタホルダ62、カッタ取付軸
63、カッタ作動腕64、カッタ駆動用ソレノイド65
等を有する。カッタ取付軸63の下端にカッタホルダ6
2が設けられ、そのカッタホルダ62にカッタ61がビ
ス62aで固定されている。カッタ作動腕64は後端側
が上方に屈曲した略L字形に形成され、その前後方向中
央部が枢支軸64aを介してミシン機枠に左右軸心回り
に揺動可能に支持されている。
【0043】カッタ作動腕64の前端部分はバネ部材6
6により上方へ付勢され、カッタ作動腕64の前端部が
カッタ取付軸63の上部に連結され、カッタ作動腕64
の後上端部が、カッタ駆動用ソレノイド65から後方へ
突出したプランジャ65aにリンク67を介して連結さ
れている。カッタ駆動用ソレノイド65のプランジャ6
5aを突出/退避させることによって、カッタ作動腕6
4とカッタ取付軸63を介してカッタ61を上下動させ
ることができる。尚、カッタ駆動用ソレノイド65はプ
ランジャ65aを突出方向へも退避方向へも駆動可能な
双方向ソレノイドであるため、バネ部材66はカッタ取
付軸63からカッタ61に至る機構の重量を補償する程
度のものであればよく、省略することも可能である。
【0044】次に、穴かがりミシンMの制御系について
説明する。図6に示すように、制御装置5は、CPU5
aとROM5bとRAM5cを主要部とするマイクロコ
ンピュータと、ペダル3の操作状態に応じた起動スイッ
チ3aからの信号や操作パネル4からの信号等が入力さ
れる入力インタフェース5dと、ミシンモータ2、ステ
ッピングモータ13,47、カッタ駆動用ソレノイド6
5に図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力すると
ともに、操作パネル4へも表示状態等の制御信号を出力
する出力インタフェース5eとを備え、それらをバス5
fにて接続して構成されている。
【0045】ROM5bには、操作パネル4を用いて穴
かがり縫目70の形状とサイズを規定する複数のパラメ
ータ等の縫製に関する各種設定を行う為の設定処理プロ
グラムと、複数のパラメータに基づいて穴かがり縫目7
0の縫製データとカッタ駆動位置データとを演算するデ
ータ演算処理プログラムと、縫製データとカッタ駆動位
置データに基づいて前記布送り機構10、縫製機構3
0、ボタン穴形成機構60を駆動制御する制御プログラ
ム等が格納されている。
【0046】特に、制御装置5は、例えば、図14の1
対の千鳥縫目71,72と1対の閂止め縫目73,74
を含む穴かがり縫目70の形成前に、図15、図16に
示すように、1対の閂止め縫目形成予定部73a,74
aに夫々閂止め縫目73,74と交差するように形成さ
れる1対の山形の補強用縫目85,86と、1対の千鳥
縫目形成予定部71a,72aを夫々縦断するように形
成される1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成
するように、布送り機構10と縫製機構30を制御する
ように構成されている。
【0047】そのため、前記設定処理プログラムは、操
作パネル4を用いて、1対の補強用縫目85,86と1
対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを規定する複
数のパラメータ等を設定処理可能に構成され、前記デー
タ演算処理プログラムは、これらパラメータに基づいて
1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,
88の縫製データを作成するように構成されている。
【0048】尚、この穴かがりミシンMでは、加工布に
穴かがり縫目70を形成する前に、ボタン穴80又はそ
の形成予定部の両側部位に亙るジグザグ縫目を下縫いで
き、また、穴かがり縫目70の形成予定部に矩形縫目を
下縫いできるようになっており、これらジグザグ縫目と
矩形縫目の形状とサイズを規定するパラメータ等の設定
については、前記同様、操作パネル4を用いて行えるよ
うになっている。
【0049】操作パネル4について図7を参照して説明
すると、操作パネル4の中央に、穴かがりミシンMの現
在の制御モードを表す4つのLED90と「SELECT」キ
ー91が設けられ、操作パネル4の左端付近に、異常に
対する対処後に穴かがりミシンMをリセットする為の
「RESET 」キー92、カッタ61をプログラムに依らず
に駆動する為の「CUTTER ON 」キー93、2桁の7セグ
メントディスプレイからなる表示部94、「PROGRAM N
O」キー95が設けられ、操作パネル4の右部に、電源
がONになっていることを示すLED96、何らかの異
常が生じたことを示すLED97、4桁の7セグメント
ディスプレイからなる表示部98、アップダウンキー9
9、「ENTER 」キー100 が設けられている。
【0050】「SELECT」キー91により、通常の縫製を
行う為のオートモード(AUTO)と、実際に縫針32
を落として縫製を行うことなく単に針落ち点の変化のみ
を確認するためのテストフィードモード(TESTFE
ED)と、使用者が図示しないプーリを回して手動で縫
製を行う為のマニュアルモード(MANUAL)と、各
種設定を行う為のプログラムモード(PROGRAM)
とに択一的に切換えることができ、このモードの切り換
えに応じて、現在設定されているモードに対応するLE
D90が点灯する。
【0051】プログラムモードが設定されると、図8〜
図11の複数のパラメータ(千鳥部の回転数、穴かがり
縫目形状、カッタ寸法、・・・)のうちの1つに対応す
る番号が表示部94に表示され、そのパラメータの現在
の設定値が表示部98に表示される。表示部94に表示
される番号は、「PROGRAM NO」キー95により循環的に
変更することができる。任意の番号を表示部94に表示
させた状態で、アップダウンキー99により、表示部9
8に表示されるパラメータの設定値を増減して変更し、
「ENTER 」キー100 により(確定)設定し直すことがで
きる。
【0052】各パラメータの設定値について、例えば、
電源投入後パラメータの増減がなされていない場合に
は、ROM5bに記憶されている初期値(デフォルト
値)が有効である。尚、アップダウンキー99の1回の
押圧操作により、パラメータ毎に設定されている増減量
(ステップ)だけ増減する。尚、プログラムモード以外
のモードが設定されているときは、表示部98に各種メ
ッセージが表示され、表示部94には現在選択されてい
るパラメータの番号が表示される。
【0053】図8〜図11に示すように、前記複数のパ
ラメータとして、内容の欄に記載されているように、千
鳥部の回転数、穴かがり縫目形状、カッタ寸法、カッタ
多落し時の千鳥縫い長さ、千鳥ピッチ、・・・等があ
り、各パラメータに対応付けた番号が、操作パネル4の
表示部94に表示される番号である。各パラメータ(例
えば、番号「04」の千鳥ピッチ)については、設定範
囲(0.20〜2.00mm)内で設定することができ、その設定
の際、操作パネル4のアップダウンキー99の1回の押
圧操作で1ステップ(0.05(mm))分だけ増減する。ま
た、各パラメータの初期値(番号「04」の千鳥ピッチ
には0.35(mm))が設けられている。そして、制御装置5
のROM5bに、複数のパラメータの番号に対応付けて
設定範囲データとステップデータと初期値データとが格
納されている。
【0054】ここで、番号「01」の穴かがり縫目形状
については、図12に示すように、(a)角形と、
(b)放射形と、(c)丸形と、図示していないが、複
数の任意形とがあり、穴かがり縫目形状を設定する場
合、図8に示すように、操作パネル4を用いて、プログ
ラムモードに切り換えてから、表示部94に「01」を
表示させた状態で、例えば、表示部98に「0」を表示
させると(a)の角形に設定することが可能になる。
尚、図14のaは番号「02」のカッタ寸法、bは番号
「04」の千鳥ピッチ、cは番号「05」の千鳥幅、d
は図9の番号「20」の前閂止め長さ、eは番号「3
0」の奥閂止め長さを表している。
【0055】特に、下縫いする為の複数のパラメータと
して、図10に示すように、番号「45」の縫い合せ下
縫い回数、番号「46」の山形下縫い回数、番号「4
7」の矩形下縫い回数、・・・、番号「54」の下縫い
閂止めY針数(山形下縫いの時のみ有効)があり、これ
らパラメータの番号に対応付けて設定範囲データとステ
ップデータと初期値データが、制御装置5のROM5b
に格納されている。
【0056】図8〜図11の複数のパラメータのうち、
図10の番号「45」〜「54」のパラメータ以外のパ
ラメータの大部分が、制御装置5に対して穴かがり縫目
の形状とサイズを規定する複数のパラメータ(これが、
第2パラメータに相当する)であり、それらの一部のパ
ラメータと図10の番号「49」〜「54」のパラメー
タが、制御装置5に対して1対の補強用縫目85,86
と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを規定す
る複数のパラメータ(これが、第1パラメータに相当す
る)である。このように、第2パラメータの一部を第1
パラメータとして活用している。
【0057】加工布に穴かがり縫目70を縫製する前
に、補強用縫目85,86と渡り用縫目87,88の下
縫いを行う場合には、番号「46」の山形下縫い回数を
(1)に設定し、行わない場合には(0)を設定する。
尚、加工布に穴かがり縫目を縫製する前に、前記ジグザ
グ縫目の下縫いを行う場合には番号「45」の縫い合せ
下縫い回数を(1)に設定し、行わない場合には(0)
に設定し、前記矩形縫目の下縫いを行う場合には番号
「47」の矩形下縫い回数を(1〜5)に設定し、行わ
ない場合には(0)に設定する。
【0058】次に、前記制御装置5により実行される制
御について、図13のフローチャートを参照して説明す
る。但し、図14の角形の穴かがり縫目70を縫製する
前に、図16の補強用縫目85,86と渡り用縫目8
7,88を形成する場合を例にして説明する。尚、穴か
がり縫目70だけを縫製することも可能である。
【0059】穴かがりミシンMの電源投入とともにこの
制御が開始され、先ず、初期設定(S1)が行われた
後、パラメータ設定処理(S2)が行われる。このパラ
メータ設定処理では、例えば、電源投入直後には、図8
〜図11の複数のパラメータにROM5bに記憶されて
いる初期値が設定されるが、前述したように、操作パネ
ル4を用いて、複数のパラメータの設定値を変更して設
定し直すことができる。
【0060】特に、このパラメータ設定処理では、補強
用縫目85,86の下縫いを行うために、図10の番号
「46」の山形下縫い回数を(1)に設定する。また、
番号「48」〜「54」のパラメータの設定値について
も、設定範囲内で所望の値に設定し直すことができる。
ここで、その他の下縫いを行わないために、番号「4
5」の縫い合せ下縫い回数と番号「47」の矩形下縫い
回数については(0)に設定することになる。
【0061】次に、「ENTER 」キー100 が操作されてパ
ラメータの設定が終了すると(S3;Yes)、複数のパラ
メータの設定値が読込まれ(S4)、穴かがり縫目70
のサイズと形状を規定する複数のパラメータに基づい
て、穴かがり縫目70の縫製データが演算されるととも
に、番号「45」〜「54」の複数のパラメータと穴か
がり縫目70の形状とサイズを規定する複数の第2パラ
メータとに基づいて、1対の補強用縫目85,86と1
対の渡り用縫目87,88の縫製データが演算され(S
5)、カッタ61を落とすカッタ駆動位置データが演算
され(S6)、これらのデータはRAM5cに書込まれ
る。
【0062】ここで、S5においては、先ず、渡り用縫
目87、補強用縫目86,渡り用縫目88、補強用縫目
85を、この順で縫製するように縫製データが演算さ
れ、続いて、穴かがり縫目70の、前閂止め縫目73の
一部、左千鳥縫目71、奥閂止め縫目74、右千鳥縫目
72、前閂止め縫目73の残りの部分を、この順で縫製
するように縫製データが演算される。即ち、1対の補強
用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製
データは、穴かがり縫目70の縫製開始点付近から縫製
を開始して縫製開始点で縫製を終了する縫製データに演
算される。尚、複数のパラメータを用いて縫製データと
カッタ駆動位置データを演算する具体的な方法について
は、本出願人が出願した特願平11−124302号に
記載した演算方法と略同様であるので説明を省略する。
【0063】続いて、ペダル3が踏込み操作されると
(S7;Yes)、RAM5cに記憶している縫製データに
基づいて、布送り機構10と縫製機構30が駆動制御さ
れて縫製処理(S8)が実行され、前述のように、渡り
用縫目87、補強用縫目86,渡り用縫目88、補強用
縫目85、穴かがり縫目70(左千鳥縫目71、奥閂止
め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73)の順
で縫製が行われる。尚、何針目か先までの縫製データを
演算しながら縫製処理を実行するようにしてもよいし、
縫製データを全て演算してから縫製処理を開始するよう
にしてもよい。
【0064】その後、RAM5cに記憶しているカッタ
駆動位置データに基づいて、布送りされる加工布に対し
てカッタ61が、両側に千鳥縫目71,72を形成した
段階でカッタ落とし位置に達すると、縫製が一時的に中
断されてから(S10)、ボタン穴形成機構60により
カッタ61が下降駆動され(S11)ボタン穴80が形
成される。尚、カッタ61の駆動位置とは、右千鳥縫目
72の形成中または形成終了直後の所定位置となる。そ
の後、縫製終了でないときには(S12;No )S7へリ
ターンし、ペダル3が踏込み操作されているときには
(S7;Yes)、S8の縫製処理において縫製が再開さ
れ、穴かがり縫目70の縫製が終了すると(S12;Ye
s)S2へリターンする。
【0065】前記穴かがりミシンMの作用・効果につい
て説明する。制御装置5により布送り機構10と縫製機
構30が制御され、穴かがり縫目70の閂止め縫目7
3,74の形成予定部73a,74aに、閂止め縫目7
3,74と交差する補強用縫目85,86を形成してか
ら、その補強用縫目85,86上に閂止め縫目73,7
4を形成することができる。
【0066】つまり、加工布の閂止め縫目形成予定部7
3a,74aが補強用縫目85,86により補強される
ため、その補強用縫目85,86上に閂止め縫目73,
74を形成する際、閂止め縫目73,74付近の加工布
が糸で引張られて縮み皺になりにくくなる。従って、綺
麗な穴かがり縫目70の閂止め縫目73,74を簡単且
つ確実に形成することができ、しかも、閂止め縫目7
3,74を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸縮
性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め
縫目73,74を形成する場合に有効になる。
【0067】しかも、加工布がニット等の起毛素材から
なる加工布の場合には、補強用縫目85,86により加
工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部
分においては、閂止め縫目73,74が加工布の起毛部
の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目73、74の
見栄えが一層良くなる。閂止め縫目形成予定部73a,
74aに補強用縫目85,86を形成することから、そ
の補強用縫目85,86を閂止め縫目73,74で覆い
隠すことができるため、閂止め縫目73,74の良好な
見栄えが損うこともない。
【0068】操作パネル4を用いて、1対の補強用縫目
85,86と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイ
ズを規定する複数のパラメータ(第1パラメータ;「図
10の番号「49」〜「54」のパラメータ)を設定す
ることができるが、穴かがり縫目70の形状とサイズを
規定する前記複数の第2パラメータを前記第1パラメー
タとして活用するので、第1パラメータの新たに設定す
る設定数を低減して設定作業を簡単に行うことができ、
穴かがり縫目70に対応する1対の補強用縫目85,8
6と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを容易
に設定することが可能になる。
【0069】次に、前記実施形態の変形例について説明
する。1〕穴かがり縫目70の閂止め縫目73,74の
形成前に、1対の渡り用縫目87,88を形成しない
で、閂止め縫目73,74の形成予定部73a,74a
に閂止め縫目73,74と交差する補強用縫目85,8
6のみを形成するように構成してもよい。この場合、閂
止め縫目73,74を非連続的に縫製してもよい。
【0070】2〕前記実施形態では、ペダル3を踏込み
続けると、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用
縫目87,88を形成してから、穴かがり縫目70の形
成を連続的に行うようになっているが、1対の補強用縫
目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製と、
穴かがり縫目70の縫製を、独立に行うように構成して
もよい。
【0071】3〕前記実施形態では、1対の補強用縫目
85,86と1対の渡り用縫目87,88を形成してか
ら、穴かがり縫目70を形成するようにしているが、補
強用縫目85(又は86)の形成後、その補強用縫目8
5(又は86)上に連続的に閂止め縫目73(又は7
4)を形成するようにしてもよい。
【0072】4〕予め記憶された種々の穴かがり縫目の
縫製データ、補強用縫目と渡り用縫目の縫製データ、更
には、種々のカッタ駆動位置データから、所望の穴かが
り縫目と補強用縫目と渡り用縫目の縫製データとカッタ
駆動位置データを選択設定して、布送り機構、縫製機
構、ボタン穴形成機構を駆動制御するようにしてもよ
い。
【0073】次に、変更形態について説明する。この変
更形態では、閂止め縫目形成予定部73a,74aに閂
止め縫目73,74を形成する前に、補強用縫目85,
86を形成しないモードに加え、図16に示すように、
閂止め縫目形成予定部73a,74aの両方に補強用縫
目85,86を形成する第1モードと、図19(又は図
21)に示すように、一方の閂止め縫目形成予定部73
a(又は74a)にだけ補強用縫目85(又は86)を
形成する第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成
されている。
【0074】前記第1モードのとき、制御装置5は、前
記実施形態と同様に、図15、図16に示すように、1
対の閂止め縫目形成予定部73a,74aに夫々形成さ
れる1対の補強用縫目85,86と、1対の千鳥縫目形
成予定部71a,72aを夫々縦断するように形成され
る1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成するよ
うに、布送り機構10と縫製機構30を制御するように
構成されている。
【0075】第2モードとしては、1対の閂止め縫目形
成予定部73a,74aのうち、奥閂止め縫目形成予定
部74aにだけ補強用縫目86を形成する場合(図19
参照)と、前閂止め縫目形成予定部73aにだけ補強用
縫目85を形成する場合(図21参照)の何方かに設定
することができる。
【0076】奥閂止め縫目形成予定部74aにだけ補強
用縫目86を形成するように設定した場合、図19、図
20に示すように、制御装置5は奥閂止め縫目形成予定
部74aに形成される補強用縫目86と、前閂止め縫目
形成予定部73aを横断するように形成される渡り用縫
目110 と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを
夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,
88とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫
製機構30を制御するように構成されている。
【0077】また、前閂止め縫目形成予定部73aにだ
け補強用縫目85を形成するように設定した場合、図2
1に示すように,制御装置5は前閂止め縫目形成予定部
73aに形成される補強用縫目85と、奥閂止め縫目形
成予定部74aを横断するように形成される渡り用縫目
111 と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを夫
々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,8
8とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫製
機構30を制御するように構成されている。
【0078】そのため、図18に示すように、番号「4
6」のパラメータとして、前記実施形態の「山形下縫い
回数」の変わりに、「山形下縫い」のパラメータ(補強
縫目用パラメータに相当する)が設けられ、制御装置5
のROM5bに格納されている設定処理プログラムによ
り、この「山形下縫い」のパラメータを操作パネル4を
用いて設定して、第1,第2モード等に択一的に設定で
きるようになっている。尚、番号「46」以外の複数の
パラメータは、基本的に、前記実施形態の図8〜11の
複数のパラメータと同様である。
【0079】つまり、「山形下縫い」のパラメータにつ
いて、加工布に穴かがり縫目70を縫製する前に、補強
用縫目を形成しない場合には(0)を設定し、奥閂止め
側にのみ補強用縫目86を形成する場合(図19参照)
には(1)を設定し、前閂止め側にのみ補強用縫目85
を形成する場合(図21参照)には(2)を設定し、前
奥両閂止め側に補強用縫目85,86を形成する場合
(図16参照)には(3)を設定する。
【0080】「山形下縫い」のパラメータを含む複数の
パラメータの設定後、制御装置5のROM5bに格納さ
れているデータ演算処理プログラムにより、前記複数の
第2パラメータに基づいて、穴かがり縫目70の縫製デ
ータが演算されるとともに、「山形下縫い」のパラメー
タが(1)〜(3)の何れかに設定されている場合、つ
まり、第1又は第2モードに設定されている場合には、
前記複数の第1パラメータに基づいて、補強用縫目を含
む下縫い用の縫製データが演算される。
【0081】そして、制御装置5により、これら縫製デ
ータに基づいて布送り機構10と縫製機構30が制御さ
れて、例えば、「山形下縫い」のパラメータが(1)に
されている場合には、図19に示すように、渡り用縫目
87、補強用縫目86,渡り用縫目88、渡り用縫目11
0 の順で縫製が連続的に行われ、続けて、図20に示す
ように、穴かがり縫目70の縫製が、左千鳥縫目71、
奥閂止め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73
の順で連続的に行われる。
【0082】ところで、前閂止め縫目形成予定部73a
には、穴かがり縫目70の縫製開始時と縫製終了時に止
め縫いが行われるが、これら止め縫いの縫目に加えて補
強用縫目85が形成されると縫目数(針落ち数)が多く
なるため、その後、前閂止め縫目73を形成する際に針
流れ(針が縫目に干渉して湾曲し所定の針落ち位置に落
ちない現象)や針折れが生じたり、閂止め縫目73の見
栄えが悪くなる虞がある。
【0083】この変更形態の穴かがりミシンによれば、
「山形下縫い」のパラメータを(1)に設定(第2モー
ドに設定)して、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目
形成予定部74aにだけ補強用縫目86を成形すること
ができ、これにより、前閂止め縫目予定部73aに形成
される縫目数を抑え、前閂止め縫目73を形成する際の
針流れや針折れを防止し、しかも、前閂止め縫目73を
綺麗に形成して、全体的に綺麗な穴かがり縫目70を形
成することが可能になる。
【0084】また、第2モードに設定した場合に、糸を
切断することなく、前閂止め縫目形成予定部73aに形
成される渡り用縫目110 (又は、補強用縫目85)、奥
閂止め縫目形成予定部74aに形成される補強用縫目8
6(又は、渡り用縫目111 )、1対の千鳥縫目形成予定
部71a,72aに夫々形成される1対の渡り用縫目8
7,88を連続的に形成することができ、補強用縫目8
5(又は、86)の形成作業を簡単化することができ
る。
【0085】更に、補強用縫目85(又は、86)と渡
り用縫目渡り用縫目110 (又は、111 ),87,88の
形成を、穴かがり縫目70の縫製開始点付近から開始し
て縫製開始点で終了するようにするため、下縫いの後、
穴かがり縫目70も連続的に形成することが可能にな
る。尚、第1モードに設定した場合には、前記実施形態
と同様の作用が得られる。
【0086】ところで、図22に示すように、前閂止め
縫目の種類として、角形、放射形、丸形、流れ形、直線
形があり、図23に示すように、奥閂止め縫目の種類と
して、角形、放射形、丸形、鳩目形がある。そして、前
記任意形の穴かがり縫目について、図12の(a)〜
(c)の穴かがり縫目以外に、図22の前閂止め縫目と
図23の奥閂止め縫目の組合わせにより、複数種類構成
することができる。尚、前奥両閂止め縫目の形状を角形
としたものが図12の(a)、放射形としたのもが図1
2の(b)、丸形としたものが図12の(c)の穴かが
り縫目である。
【0087】さて、閂止め縫目の形状に応じても、それ
に対応する補強用縫目を形成するのが有効な場合と有効
でない場合とがある。特に、図22の複数種類の前閂止
め縫目のうちの放射形と直線形、また、図23の複数種
類の奥閂止め縫目のうちの放射形と鳩目形については、
その縫目の少なくとも一部が、穴かがり縫目70の長さ
方向成分を含む方向に形成されるため、補強用縫目を形
成しなくても、長さ方向への伸縮を抑える等の効果があ
り、あえて補強用縫目を形成して閂止め縫目の見栄えを
悪くする必要はない。
【0088】本実施形態によれば、前閂止め縫目の形状
と奥閂止め縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成し
ないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目86を形
成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目85を
形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目8
5,86を形成するかの何れかに適宜設定することがで
きる。
【0089】この穴かがりミシンの変形例について説明
する。 1〕制御装置5が、図22の前閂止め縫目の形状と図2
3の奥閂止め縫目の形状に応じて、補強用縫目を形成し
ないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目86を形
成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目85を
形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目8
5,86を形成するかの何れかに自動的に設定するよう
に構成してもよい。
【0090】この場合、前述のように、前閂止め縫目が
放射形と直線形のときには、前閂止め縫目形成予定部7
3aに補強用縫目85を形成しないように、また、奥閂
止め縫目が放射形と鳩目形のときには、奥閂止め縫目形
成予定部74aに補強用縫目86を形成しないように自
動設定される。
【0091】2〕更にこの場合、補強縫目用パラメータ
(番号「46」の山形下縫い)に、自動設定用の設定項
目(例えば、4)を設け、この設定項目に設定した場合
にのみ、前閂止め縫目の形状と奥閂止め縫目の形状に応
じて補強用縫目を形成するか否かを自動的に設定するよ
うにしもよい。或いは、このようにパラメータを設定し
て自動設定するようにしなくてもよい。即ち、番号「4
6」の山形下縫いのパラメータの設定により、閂止め縫
目形成予定部に補強用縫目が形成されるように設定され
ている場合でも、閂止め縫目の形状(放射形等)の場合
にはその設定を無効として、閂止め縫目形成予定部に補
強用縫目を形成しないように自動的に切り替わるように
してもよい。
【0092】3〕布送り機構10においては、X方向
(前後方向)へのみ布を送るように構成されているが、
X方向とことなるY方向(左右方向)へも布を送るよう
に構成してもよい。この変形例については、前記メイン
実施形態についても同様である。 4〕その他の変形として、前記実施形態の変形例と基本
的に同様の変更を加えることが可能である。
【0093】尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前
記実施形態や変形例に種々の変更を付加した形態で実施
することも可能であるし、穴かがりミシンに関わらず、
少なくとも、布送り機構と縫製機構と制御装置を備えた
ミシンに本発明を適用可能である。
【0094】
【発明の効果】 請求項1の穴かがりミシンによれば、
制御手段が、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、そ
の閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂
止め縫目と交差する補強用縫目を形成するように、布送
り手段と縫製手段を制御するので、補強用縫目上に閂止
め縫目を形成する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引
張られて縮み皺になりにくくなるため、綺麗な穴かがり
縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止め縫目を
適度に引締めて形成可能になる。更に、加工布がニット
等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目に
より加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、
その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部の下
側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一層良
くなる。
【0095】請求項2の穴かがりミシンによれば、補強
用縫目を1対の閂止め縫目形成予定部の両方に形成する
第1モードと一方にだけ形成する第2モードの何れかに
択一的に設定することができる。特に、第2モードを設
定した場合、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目形成
予定部にだけ補強用縫目を成形するように構成すること
ができ、これにより、前閂止め縫目予定部に形成される
縫目数を抑え、前閂止め縫目を形成する際の針流れや針
折れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成して、全体的
に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0096】また、第2モードを設定した場合、前閂止
め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構
成してもよい。そして、前閂止め縫目の形状と奥閂止め
縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成しないか、或
いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或い
は、前閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或い
は、前奥両閂止め側に補強用縫目を形成するかの何れか
に適宜設定して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成す
ることができる。
【0097】請求項3の穴かがりミシンによれば、第1
モードのとき、制御手段は1対の閂止め縫目形成予定部
に夫々形成される1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目
形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り
用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製
手段を制御するので、糸を切断することなく、これら補
強用縫目と渡り用縫目を連続的に形成することができ、
1対の補強用縫目の形成作業を簡単化することができ
る。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴
かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で
終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目とを連
続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成するこ
とができる。
【0098】請求項4の穴かがりミシンによれば、第2
モードのとき、制御手段は一方の閂止め縫目形成予定部
に形成される補強用縫目と、他方の閂止め縫目形成予定
部を横断するように形成される渡り用縫目と、1対の千
鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対
の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段
と縫製手段を制御するので、糸を切断することなく、こ
れら補強用縫目と渡り用縫目を連続的に形成することが
でき、補強用縫目の形成作業を簡単化することができ
る。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴
かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で
終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目とを連
続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成でき
る。
【0099】請求項5の穴かがりミシンによれば、制御
手段に対して、第1,第2モードに択一的に設定する際
に補強縫目用パラメータを設定する為の補強縫目用パラ
メータ設定手段を設けたので、補強縫目用パラメータ設
定手段により補強縫目用パラメータ設定して、第1,第
2モードの何れかを容易に設定することができる。
【0100】請求項6の穴かがりミシンによれば、制御
手段に対して、前記補強用縫目の形状とサイズを規定す
る複数の第1パラメータを設定する為の第1パラメータ
設定手段を設けたので、閂止め縫目に対応する形状とサ
イズの補強用縫目を形成することが可能になる。
【0101】請求項7の穴かがりミシンによれば、制御
手段に対して、前記穴かがり縫目の形状とサイズを規定
する複数の第2パラメータを設定する為の第2パラメー
タ設定手段を設けたので、所望の形状とサイズの穴かが
り縫目を形成することができ、これら第2パラメータの
一部を前記第1パラメータとして活用するので、第1パ
ラメータを新たに設定する設定数を低減して設定作業を
簡単に行い、閂止め縫目に対応する補強用縫目の形状と
サイズを容易に設定することが可能になる。
【0102】請求項8の穴かがり縫目形成方法によれ
ば、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め
縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を
形成する工程を備えたので、その補強用縫目上に閂止め
縫目の形成する際、加工布が閂止め縫目の縫目方向に糸
で引張られて縮み皺になりにくくなるため、綺麗な穴か
がり縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止め縫
目を適度に引締めて形成可能になる。更に、加工布がニ
ット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫
目により加工布の起毛部をある程度倒すことができるた
め、その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部
の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一
層良くなる。
【0103】請求項9の穴かがり縫目形成方法によれ
ば、補強用縫目を形成してから、穴かがり縫目を形成す
るので、1対の補強用縫目を形成してから、穴かがり縫
目を連続的に形成することができる。
【0104】請求項10の穴かがり縫目形成方法によれ
ば、補強用縫目の形成後、その補強用縫目上に連続的に
閂止め縫目を形成するので、各補強用縫目の形成後その
補強用縫目上に連続的に閂止め縫目を形成しつつ、最終
的に穴かがり縫目を形成することができる。
【0105】請求項11の穴かがり縫目形成方法によれ
ば、穴かがり縫目の1対の閂止め縫目の形成予定部のう
ち、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目の形成予定部
にだけ補強用縫目を形成するので、前閂止め縫目予定部
に形成される縫目数を抑え、前閂止め縫目を形成する際
の針流れや針折れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成
して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る穴かがりミシンの斜視
図である。
【図2】穴かがりミシン要部の右側面図である。
【図3】布送り機構の斜視図である。
【図4】縫製機構の斜視図である。
【図5】ボタン穴形成機構の斜視図である。
【図6】制御装置を含む制御系のブロック図である。
【図7】操作パネルの正面図である。
【図8】複数のパラメータを表す図表(1/4)であ
る。
【図9】複数のパラメータを表す図表(2/4)であ
る。
【図10】複数のパラメータを表す図表(3/4)であ
る。
【図11】複数のパラメータを表す図表(4/4)であ
る。
【図12】穴かがり縫目形状を示し、(a)は角形
(b)は放射形(c)は円形の穴かがり縫目である。
【図13】制御装置で実行される制御のフローチャート
である。
【図14】穴かがり縫目の平面図である。
【図15】補強用縫目と渡り用縫目(縫製途中)の平面
図である。
【図16】補強用縫目と渡り用縫目(縫製完了)の平面
図である。
【図17】補強用縫目と渡り用縫目と穴かがり縫目の平
面図である。
【図18】変更形態に係る複数のパラメータを表す図表
の一部である。
【図19】補強用縫目と渡り用縫目の平面図である。
【図20】補強用縫目と渡り用縫目と穴かがり縫目の平
面図である。
【図21】補強用縫目と渡り用縫目の平面図である。
【図22】前閂止め縫目の種類を示す図表である。
【図23】奥閂止め縫目の種類を示す図表である。
【符号の説明】
M 穴かがりミシン 4 操作パネル 5 制御装置 10 布送り機構 30 縫製機構 70 穴かがり縫目 71,72 千鳥縫目 71a,72a 千鳥縫目形成予定部 73,74 閂止め縫目 73a,74a 閂止め縫目形成予定部 85,86 補強用縫目 87,88,110 ,111 渡り用縫目
フロントページの続き (72)発明者 西田 幸夫 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 柴田 到 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 近藤 隆 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 蒲野 淳 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 Fターム(参考) 3B150 AA24 CB03 CB14 CB26 CE03 CE06 CE27 JA07 NA07 NA14 NB02 NB03 NC06 QA02 QA06 QA07 QA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工布を布送りする布送り手段と、加工
    布に縫目を形成する縫製手段と、布送り手段と縫製手段
    を制御して1対の千鳥縫目と1対の閂止め縫目を含む穴
    かがり縫目を形成させる制御手段を備えた穴かがりミシ
    ンにおいて、 前記制御手段は、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前
    に、その閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一
    方に閂止め縫目と交差する補強用縫目を形成するよう
    に、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とする
    穴かがりミシン。
  2. 【請求項2】 前記補強用縫目を1対の閂止め縫目形成
    予定部の両方に形成する第1モードと一方にだけ形成す
    る第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
  3. 【請求項3】 前記第1モードのとき、制御手段は1対
    の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用
    縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するよう
    に形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するよ
    うに、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とす
    る請求項2に記載の穴かがりミシン。
  4. 【請求項4】 前記第2モードのとき、制御手段は一方
    の閂止め縫目形成予定部に形成される補強用縫目と、他
    方の閂止め縫目形成予定部を横断するように形成される
    渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断す
    るように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成
    するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特
    徴とする請求項2に記載の穴かがりミシン。
  5. 【請求項5】 前記制御手段に対して、前記第1,第2
    モードに択一的に設定する際に補強縫目用パラメータを
    設定する為の補強縫目用パラメータ設定手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の穴かがりミシン。
  6. 【請求項6】 前記制御手段に対して、前記補強用縫目
    の形状とサイズを規定する複数の第1パラメータを設定
    する為の第1パラメータ設定手段を設けたことを特徴と
    する請求項1〜5の何れかに記載の穴かがりミシン。
  7. 【請求項7】 前記制御手段に対して、前記穴かがり縫
    目の形状とサイズを規定する複数の第2パラメータを設
    定する為の第2パラメータ設定手段を設け、これら第2
    パラメータの一部を前記第1パラメータとして活用する
    ことを特徴とする請求項6に記載の穴かがりミシン。
  8. 【請求項8】 加工布を布送りする布送り手段と、加工
    布に縫目を形成する縫製手段とを制御して穴かがり縫目
    を形成する穴かがり縫目形成方法において、 前記穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め
    縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を
    形成する工程を備えたことを特徴とする穴かがり縫目形
    成方法。
  9. 【請求項9】 前記補強用縫目を形成してから、穴かが
    り縫目を形成することを特徴とする請求項8に記載の穴
    かがり縫目形成方法。
  10. 【請求項10】 前記補強用縫目の形成後、その補強用
    縫目上に連続的に閂止め縫目を形成することを特徴とす
    る請求項8に記載の穴かがり縫目形成方法。
  11. 【請求項11】 前記穴かがり縫目の1対の閂止め縫目
    の形成予定部のうち、止め縫いが形成されない奥閂止め
    縫目の形成予定部にだけ補強用縫目を形成することを特
    徴とする請求項8〜10の何れかに記載の穴かがり縫目
    形成方法。
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