JP4392572B2 - 穴かがりミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は穴かがりミシンに関し、特に、穴かがり縫目の縫製予定部に補強用縫目を縫製する際に、縫製用の上糸に付与する張力を、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の上糸張力と異なる張力に自動的に切換えるようにした穴かがりミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、穴かがりミシンは、加工布に形成されるボタン穴を囲繞する穴かがり縫目を縫製する為のミシンであり、その穴かがり縫目は閂止め部(前閂止め部と奥閂止め部)と千鳥部(往千鳥部と復千鳥部)とを含み、概ね前閂止め部→往千鳥部→奥閂止め部→復千鳥部の順で連続的に縫製される。尚、穴かがりミシンでは、通常、穴かがり縫目の縫製前や縫製途中や縫製後にボタン穴を形成できるようになっている。
【0003】
一般的なミシン同様に穴かがりミシンには、縫製用の上糸が掛けられる糸調子皿が設けられ、この糸調子皿により上糸に張力が付与されて加工布に形成される縫目が引締められる。糸調子皿には上糸張力を調節する糸調子ツマミが付設され、加工布の厚さや種類や穴かがり縫目のサイズや形状等に応じて、作業者が縫製前に糸調子ツマミを操作し、加工布に適度に引締まった綺麗な穴かがり縫目を形成できる上糸張力に調節することができる。
【0004】
穴かがり縫目の通常の閂止め部を形成する縫目については、連続する2つの針落ち点間の距離が長い部分が多いため、閂止部を縫製する際、上糸に強い張力を付与して行うと、縫目を引締めすぎて綺麗な閂止め部を形成できない虞があり、それ故、上糸張力を比較的弱い張力にして行う必要がある。尚、通常の閂止め部を縫製する際の上糸張力で千鳥部が縫製されて、実施形態に係る図8に示すように、加工布の表裏両面側に千鳥部の千鳥模様が現れるウィップ縫いが行われる。
【0005】
さて、本願出願人は、加工布に穴かがり縫目を縫製する前に穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製するようにした穴かがりミシンを実用化しており、この補強用縫目を縫製する際には、上糸張力を通常の閂止め部を縫製する際の上糸張力と同じ張力にして行っている。穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製することにより加工布が補強され、伸縮性の高い加工布や布厚が薄い加工布の伸びや皺の発生を防止する等の補強効果を得ることができる。
【0006】
尚、穴かがり縫目の千鳥部を縫製する際、上糸にある程度強力な張力を付与して行うと、実施形態に係る図9に示すように、加工布の裏面側に千鳥部の千鳥模様が現れ表面側に千鳥部の直線状の上糸とそれに交絡する下糸が引出されて現れるパール縫いが行われる。但し、この上糸張力で閂止め部を縫製すると、前述のように、通常の閂止め部を綺麗に形成できない虞がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の穴かがりミシンにおいて、穴かがり縫目を縫製する前に穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製するようにしたものでは、その補強用縫目を縫製する際、上糸張力を穴かがり縫目の通常の閂止め部を縫製する際の上糸張力と同じ比較的弱い張力にして行うため、加工布の種類や生地目方向等によっては補強用縫目の引締まりが悪くなり、補強用縫目による補強効果を十分に発揮させることができないという問題が生じる。
【0008】
補強用縫目を縫製する際に、糸調子ツマミを介して上糸張力をある程度強い張力に調節しておくことで、補強用縫目の引締まりを良くすることができる。しかし、この上糸張力のままでは穴かがり縫目の通常の閂止め部を綺麗に形成できない虞がある。そこで、補強用縫目の縫製が終了して次に閂止め部を縫製する前に、糸調子ツマミを介して上糸張力を比較的弱い張力に調節し直すことが考えられるが、糸調子ツマミを介して手動で行う張力調節作業の負荷が大きくなるし、全体的な縫製作業の能率が著しく低下するという問題が発生する。
【0009】
本発明の目的は、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の上糸張力と異なる張力に自動的に切換えて、補強用縫目による補強効果を十分に発揮させると共に穴かがり縫目を綺麗に形成し、補強用縫目を形成することによる時間ロスを極力抑えて全体的な縫製作業の能率低下を防止する穴かがりミシンを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の穴かがりミシンは、加工布に形成されるボタン穴を囲繞する閂止め部と千鳥部を含む穴かがり縫目を縫製すると共に、穴かがり縫目の縫製前に穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製するようにした穴かがりミシンにおいて、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の第1張力又はこの第1張力よりも強力な第2張力の何れかを縫製用の上糸に付与可能な糸調子手段と、前記糸調子手段による上糸張力を前記第1張力又は前記第2張力に2段階に切換える張力切換え手段と、前記張力切換え手段を制御して、補強用縫目を縫製する際の糸調子手段による上糸張力を、前記第1張力又は前記第2張力の何れかに切換える切換え制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
この穴かがりミシンは、穴かがり縫目を縫製する前に穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製するようにしたミシンであり、糸調子手段、張力切換え手段、切換え制御手段を備えている。糸調子手段は縫製用の上糸に第1張力又は第2張力の何れかを付与可能なものであり、張力切換え手段により、糸調子手段による上糸張力が第1張力又は第2張力に2段階に切換えられる。切換え制御手段により張力切換え手段が制御されて、補強用縫目を縫製する際の糸調子手段による上糸張力が第1張力又は第2張力の何れかに切換えられる。
【0012】
通常の閂止め部を縫製する際には上糸張力を第1張力にして行う。それ故、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を第2張力に切換えるようにして、補強用縫目の引締まりを良くすることができ、補強用縫目による補強効果を十分に発揮させることが可能になる。また、補強用縫目の縫製後に、上糸張力を第1張力に切換えてから通常の閂止め部を縫製して、閂止め部の品質を確保して穴かがり縫目を綺麗に形成することができる。
【0013】
上糸張力の切換えを短時間で行えるため、補強用縫目と穴かがり縫目をほぼ連続して縫製でき、補強用縫目を形成することによる時間ロスを極力抑えて全体的な縫製作業の能率低下を防止することができる。また、上糸張力を2段階に切換える、糸調子手段、張力切換え手段、切換え制御手段を簡単化でき製作コスト的にも有利になる。
【0014】
請求項2の穴かがりミシンは、請求項1の発明において、前記補強用縫目を縫製する際に上糸に付与する張力を規定するパラメータを設定する為のパラメータ設定手段を設け、前記切換え制御手段は、パラメータ設定手段で設定されたパラメータに基づいて張力切換え手段を制御することを特徴とするものである。
【0015】
パラメータ設定手段により、補強用縫目を縫製する際に上糸に付与する張力を規定するパラメータを設定することができ、切換え制御手段により、パラメータ設定手段で設定されたパラメータに基づいて張力切換え手段が制御される。パラメータ設定手段で前記パラメータを設定するだけで、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を、第1張力又は第2張力に切換えできるようになるため非常に便利になる。
【0016】
【0017】
【0018】
請求項3の穴かがりミシンは、請求項1又は2の発明において、前記第2張力は穴かがり縫目の千鳥部をパール縫いする際に適用される張力であることを特徴とするものである。上糸張力を第2張力にして穴かがり縫目の千鳥部をパール縫いすることができ、その第2張力を補強用縫目を縫製する際に採用できる。つまり、上糸張力を第1又は第2張力に2段階に切換え可能にして、2種類の穴かがり縫目(加工布の表裏両面側に千鳥部の千鳥模様が現れるウィップ縫いとパール縫いで形成される2種類の穴かがり縫目)と引締まりを良くした補強用縫目とを縫製することが可能となる。
【0019】
請求項4の穴かがりミシンは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記糸調子手段は上糸が掛けられる1対の糸調子皿を有し、前記張力切換え手段は1対の糸調子皿のうちの一方を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸に付与する張力を前記第1張力又は前記第2張力に切換えることを特徴とするものである。
【0020】
糸調子手段に上糸が掛けられる1対の糸調子皿が設けられ、張力切換え手段により、1対の糸調子皿のうちの一方が、張力付与状態に切換えられて上糸に付与される張力が強くなり、張力開放状態に切換えられて上糸に付与される張力が弱くなる。1対の糸調子皿のうちの一方を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸に付与される張力を第1張力又は第2張力に2段階に簡単且つ確実に切換えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、加工布に、例えば、図6の穴かがり縫目70を形成するとともに、その穴かがり縫目70の内側にボタン穴77を形成する所謂ボタン穴用の穴かがりミシンに、本発明を適用した場合の例である。但し、図1の前方と左方を基準として説明する。尚、以下、穴かがり縫目やボタン穴等の符号については、図6の角形の穴かがり縫目70とボタン穴77等を符号を主に引用する。
【0022】
図1に示すように、穴かがりミシンMには、ミシンテーブル1に、ミシンモータ2と、そのミシンモータ2を含む各駆動部(後で詳述する)を起動又は停止させる為の足踏ペダル3と、穴かがり縫目70の形状とサイズ等を規定する複数のパラメータ等を入力設定する為の操作パネル4と、前記各駆動部を駆動制御する制御装置5等が設けられている。
【0023】
穴かがりミシンMは、ベッド部6と脚柱部7とアーム部8とを有するミシン本体を有し、そのミシン本体に、図2〜図4に示すように、加工布を前後に布送りする布送り機構10と、加工布に縫目を形成する縫製機構30と、加工布にボタン穴77を形成するボタン穴形成機構60が設けられ、制御装置5により、布送り機構10と縫製機構30が制御されて穴かがり縫目70を形成し、ボタン穴形成機構60が制御されて穴かがり縫目70の内側にボタン穴77を形成する。
【0024】
図3に示すように、布送り機構10は、送り台11と、押え足12と、ステッピングモータ13等を有し、加工布を押え足12で送り台11に押えた状態で、ステッピングモータ13により送り台11と押え足12を一体的に前後に駆動することで、加工布も一体的に前後に布送りされる。送り台11は前後に長い板状に形成され、ベッド部6の上面部分に嵌込まれた左右1対の案内板14により前後に移動可能にガイドされている。送り台11の前端部には穴かがり縫目70及びボタン穴77を形成する為の長孔11aが形成されている。
【0025】
送り台11の後端部下面側に可動部材15が固定され、その可動部材15の後側に前後に長い連結ロッド16を介して可動部材17が連結され、この可動部材17に、布押え12を前端部に取り付けた押え腕18の後端部が左右軸心回りに枢支されている。押え足12は付勢部材(図示略)により押え腕18を介して下方へ付勢され、足踏ペダル3の操作で駆動される押え昇降機構(図示略)により、押え腕18と一体的に押え足12が昇降される。尚、この押え昇降機構には、足踏ペダル3の操作量に応じて押え足12の昇降とその高さ調節を可能に駆動制御されるステッピングモータ22(図10参照)が設けられている。
【0026】
前記連結ロッド16は、可動部材15,17の左端部に挿通状に固定されて延び、可動部材15,17の前後両側において1対の軸受19を介してミシン機枠に前後移動自在にガイド支持されている。連結ロッド16の右側には、前後に長いロッド20がミシン機枠に固定的に設けられ、このロッド20に可動部材17の右端部が軸受17aを介して前後移動自在にガイド支持されている。
【0027】
ステッピングモータ13の出力軸に駆動プーリ13aが固着され、駆動プーリ13aの後方に従動プーリ(図示略)がミシン機枠に枢支され、これら両プーリに無端状のベルト21が掛け渡されている。このベルト21の一部に可動部材17が連結され、ステッピングモータ13が駆動されると、ベルト21を介して可動部材15,17と送り台11と押え足12が前後に一体的に駆動される。
【0028】
図2、図4に示すように、縫製機構30は、針棒31、針棒31の下端に装着された縫針32、縫針32に糸駒等の上糸供給源(図示略)から供給される縫製用の上糸33に張力を付与する糸調子機構34、糸調子機構34から縫針32へ延びる上糸33の途中部が掛けられて主に加工布に形成される縫目を引き締める為に機能する天秤35等を有する。
【0029】
針棒31及び縫針32はミシンモータ2により駆動される針棒上下動機構(図示略)により上下に往復駆動され、ベッド部6内の糸捕捉器(図示略)により送り台11の下側にて上下動する縫針32付近における上糸33を捕捉しボビン(図示略)から伸びる下糸と交絡させて縫目が形成される。また、針棒31はステッピングモータ36(図10参照)により左右に揺動駆動され、これにより、前後に布送りされる加工布に左右幅のある穴かがり縫目70を縫製可能になる。
【0030】
天秤35はミシンモータ2により駆動される針棒上下動機構と大部分が共通の天秤駆動機構(図示略)により上下に往復駆動され、上昇する天秤35により上糸33が引っ張られて、糸調子機構34により上糸33に摩擦抵抗が作用して張力が付与され、加工布に形成される縫目が引締められる。
【0031】
ここで、図6に示すように、穴かがり縫目70は、左(往)千鳥部71と右(復)千鳥部72と前閂止め部73と奥閂止め部74を有し、前閂止め部73の一部、左千鳥部71、奥閂止め部74、右千鳥部72、前閂止め部73の残りの部分の順で縫製される。また、この穴かがりミシンMでは、図7に示すように、加工布に形成されるボタン穴77を囲繞する穴かがり縫目を縫製する前に、穴かがり縫目縫製予定部76に、例えば矩形状の補強用縫目75を縫製できるように構成されている。
【0032】
さて、図4の糸調子機構34は、縫製用の上糸33に強弱異なる張力を付与可能なものであり、この糸調子機構34による上糸張力の強弱を切換える張力切換え機構50(図5参照)が設けられ、この張力切換え機構50を切換え制御手段としての制御装置5(図10参照)により制御して、補強用縫目(75)を縫製する際の糸調子機構34による上糸張力を、穴かがり縫目70の閂止め部73,74を縫製する際の上糸張力と異なる張力に自動的に切換え可能になっている。
【0033】
糸調子機構34は、穴かがり縫目70の通常の閂止め部73,74を縫製する際の第1張力と、この第1張力よりも強力な第2張力の何れかを上糸33に付与するように構成され、図4に示すように、第1,第2糸調子皿40,41と補助糸調子皿42とを有する。上糸供給源から延びる上糸33は、糸案内部材33a,33b等に案内されてから、第1糸調子皿40、補助糸調子皿42、第2糸調子皿41にこの順序で掛けられ、そこから、糸案内部材33cにより上方へ案内されて天秤35に掛けられ、そこから、案内部材33d,33e等に案内されて縫針32に供給される。
【0034】
第1糸調子皿40は、詳細に図示していないが、上糸33を挟持する2枚の糸挟持皿と、これら糸挟持皿のうちの一方を他方に付勢する圧縮コイルバネとを有する一般的な糸調子皿であり、常時上糸33に張力を付与する張力付与状態にある。尚、第1糸調子皿40の糸調子ツマミ40aを回動操作して上糸33に付与する張力(圧縮コイルバネの付勢力)を調節できる。
【0035】
第2糸調子皿41は、図5に示すように、上糸33を挟持可能な2枚の糸挟持皿43,44と、糸挟持皿43を糸挟持皿44に付勢する圧縮コイルバネ45を有し、上糸33に張力を付与する張力付与状態と張力を付与しない張力開放状態に択一的に切換えられる。そのために、張力開放ピン46と圧縮コイルバネ47が設けられている。尚、第2糸調子皿41の糸調子ツマミ41aを回動操作して上糸33に付与する張力(圧縮コイルバネ45の付勢力)を調節できる。
【0036】
糸挟持皿44はミシン機枠に固定的に設けられ、張力開放ピン46はこの糸挟持皿44を挿通すると共に左方へ突出している。圧縮コイルバネ47は糸挟持皿44の左側において張力開放ピン46に外装され、その張力開放ピン46を左方へ付勢している。通常、張力開放ピン46は糸挟持皿43に影響を及ぼさず、糸調子皿41は張力付与状態になっているが、張力切換え機構50により張力開放ピン46が右方へ押動されると、糸挟持皿43又は糸挟持皿43に付随のバネ受け部材も右方へ押動されて、糸調子皿41が張力開放状態に切換えられる。
【0037】
第2糸調子皿41が張力開放状態のとき、第1糸調子皿40及び補助糸調子皿42により上糸33に第1張力が付与され、第2糸調子皿41が張力付与状態のとき、第1,第2糸調子皿40,41及び補助糸調子皿42により上糸33に第1張力よりも強力な第2張力が付与される。尚、補助糸調子皿42は、第1糸調子皿40と同様の構造であり、上糸33に微弱な張力を付与して縫製中における上糸33のバタツキを防止する為の糸調子皿である。
【0038】
張力切換え機構50は、上述のように、第1,第2糸調子皿40,41のうちの第2糸調子皿41を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸33に付与する張力の強弱を第1,第2張力に切換える機構であり、図5に示すように、張力開放リンク51とソレノイドアクチュエータ52とを有する。張力開放リンク51の途中部が段ねじ53によりミシン機枠に鉛直軸心回りに枢支され、ソレノイドアクチュエータ52は張力開放リンク51の後部付近においてミシン機枠に前向きにして固定されている。
【0039】
ソレノイドアクチュエータ52のプランジャ52aが、ソレノイドリンク54を介して張力開放リンク51の後端水平片51aに回動可能に連結されている。ソレノイドアクチュエータ52が非駆動状態のとき、張力開放リンク51の前端鉛直片51bが、張力開放ピン46に左方から接近対向し、第2糸調子皿41は張力付与状態になっている。ソレノイドアクチュエータ52が駆動されると、プランジャ52aが突出して張力開放リンク51が段ねじ53を中心として平面視にて反時計回りに回動し、前端鉛直片51bにより張力開放ピン46が右方へ押動されて、張力付与状態の第2糸調子皿41が張力開放状態に切換えられる。
【0040】
穴かがり縫目70の通常の閂止め部73,74を縫製する際には、上糸張力を第1張力にして行うが、千鳥部71,72を縫製する際にも上糸張力を第1張力にして行うと、図8に示すように、加工布の表裏両面側に千鳥部71,72の千鳥模様が現れるウィップ縫いが行われ、千鳥部71,72を縫製する際に上糸張力を第2張力にして行うと、図9に示すように、加工布の裏面側に千鳥部71,72の千鳥模様が現れ表面側に千鳥部71,72の直線状の上糸とそれに交絡する下糸が引出されて現れるパール縫いが行われる。
【0041】
図2に示すように、ボタン穴形成機構60は、カッタ61、カッタホルダ62、カッタ取付軸63、カッタ駆動用ソレノイド64(図10参照)等を有する。カッタ取付軸63の下端にカッタホルダ62が連結され、そのカッタホルダ62にカッタ61がビス62aで固定されている。カッタ駆動用ソレノイド64により、カッタ取付軸63とカッタホルダ62と一体的にカッタ61が昇降駆動され、このカッタ61が加工布上に落とされてボタン穴77が形成される。
【0042】
次に、穴かがりミシンMの制御系について説明する。図10に示すように、制御装置5は、CPU5aとROM5bとRAM5cを主要部とするマイクロコンピュータと、足踏ペダル3の操作状態に応じたペダル位置検出センサ3aからの信号や操作パネル4からの信号等が入力される入力インタフェース5dと、ミシンモータ2、ステッピングモータ13,22,36、ソレノイドアクチュエータ52,64を駆動する為の駆動回路80〜85に駆動信号を出力すると共に、操作パネル4へも表示状態等の制御信号を出力する出力インタフェース5eとを備え、それらをバス5fにて接続して構成されている。
【0043】
ROM5bには、操作パネル4を用いて穴かがり縫目70の形状とサイズを規定する複数のパラメータ等の縫製に関する各種設定を行う為の設定処理プログラムと、複数のパラメータに基づいて縫製データ(針落ちデータ)とボタン穴データ(カッタ落とし位置データ)とを演算すると共に、そのデータに基づいて布送り機構10、縫製機構30、ボタン穴形成機構60等を駆動制御する制御プログラムが格納されている。
【0044】
特に、前記設定処理プログラムでは、操作パネル4を用いて図7のような補強用縫目75を縫製する際に上糸33に付与する張力を規定するパラメータを設定することができ、この設定処理プログラムを有する制御装置Cと操作パネル4が本願特有のパラメータ設定手段に相当する。また、前記制御プログラムでは、設定された前記張力を規定するパラメータに基づいて張力切換え機構50を制御し、補強用縫目75を縫製する際の糸調子機構34による上糸張力を穴かがり縫目70の閂止め部73,74を縫製する際の上糸張力と異なる張力に自動的に切換えできるように構成され、この制御プログラムを有する制御装置Cが本願特有の切換え制御手段に相当する。
【0045】
図11〜図14に示すように、複数のパラメータとして、内容の欄に記載されているように、千鳥部の回転数、穴かがり縫目形状、千鳥部形状、カッタ寸法、カッタ多落し時の千鳥縫い長さ、千鳥ピッチ、・・・等があり、操作パネル4の表示部に番号(番号の欄に記載されている番号)を表示させ、その番号に対応するパラメータを設定することができる。
【0046】
各パラメータ(例えば、番号「04」の千鳥ピッチ)については、設定範囲(0.20〜2.00mm)内で設定することができ、その設定の際、操作パネル4のアップダウンキー(図示略)の1回の押圧操作で1ステップ(0.05(mm))分だけ増減する。各パラメータの初期値(番号「04」の千鳥ピッチには0.35(mm))が設けられ、基本的にこの初期値を変更し設定することになる。尚、制御装置5のROM5bに、複数のパラメータの番号に対応付けて設定範囲データとステップデータと初期値データとが格納されている。尚、図6に示すaは番号「02」のカッタ寸法、bは番号「04」の千鳥ピッチ、cは番号「05」の千鳥幅、dは番号「20」の前閂止め長さ、eは番号「30」の奥閂止め長さを表している。
【0047】
ここで、番号「11」の縫目形式については、(0;ウィップ)を設定することにより、上糸張力を第1張力にして穴かがり縫目70の閂止め部73,74と千鳥部71,72の全部が縫製されて、図8のウィップ縫いが行われ、(1;パール)を設定することにより、上糸張力を第1張力にして穴かがり縫目70の閂止め部73,74か縫製され第2張力にして千鳥部71,72が縫製されて、図9のパール縫いが行われる。
【0048】
また、下縫いする為の複数のパラメータとして、図13に示すように、番号「45」の縫い合せ下縫い回数、番号「46」の山形下縫い回数、番号「47」の矩形下縫い回数、・・・、番号「55」の下縫い閂止めY針数(山形下縫いの時のみ有効)がある。図7のような1重の補強用縫目75を縫製する場合には、番号「47」の矩形下縫い回数を(1)に設定し、番号「45」の縫い合せ下縫い回数と番号「46」の山形下縫い回数を夫々(0)に設定する。
【0049】
補強用縫目の縫製条件については番号「48」〜「55」のパラメータでもって設定できる。特に、番号「48」の下縫い糸調子を(0)に設定すると、補強用縫目を縫製する際の上糸張力が第1張力に設定され、(1)に設定すると、補強用縫目を縫製する際の上糸張力が第2張力に設定される。
【0050】
尚、番号「47」の矩形下縫い回数を(2〜5)に設定して多重の補強用縫目75を縫製することができる。また、補強用縫目として、ボタン穴77(又はボタン穴形成予定部)を亙るジグザグ縫目を縫製でき、その場合番号「45」の縫い合せ下縫い回数を(1)に設定し、その他の補強用縫目の回数を(0)に設定する。閂止め部の形成予定部にジグザグ縫目となる補強用縫目を縫製でき、その場合番号「46」の山形下縫い回数を(1)に設定し、その他の補強用縫目の回数を(0)に設定する。
【0051】
次に、制御装置5により実行される制御について、図15、図16のフローチャートを参照して説明する。尚、図中Si(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す。
【0052】
穴かがりミシンMの電源投入とともにこの制御が開始され、先ず、初期設定(S1)が行われた後、パラメータ設定処理(S2)が行われる。このパラメータ設定処理では、例えば、電源投入直後には、図11〜図14の複数のパラメータにROM5bに記憶されている初期値が設定されるが、前述のように、操作パネル4を用いて、複数のパラメータの設定値を変更して設定し直すことができる。
【0053】
このパラメータ設定処理において、例えば、1重の補強用縫目75の下縫いを行う場合、図13の番号「47」の矩形下縫い回数を(1)に設定する。番号「48」〜「53」のパラメータの設定値についても、設定範囲内で所望の値に設定し直すことができる。パラメータ設定処理が終了すると(S3;Yes)、パラメータの設定値が読込まれ(S4)、番号「45」〜「47」のパラメータ設定値に基づいて補強縫い有りか否かが判断される(S5)。補強縫い有りのときには(S5;Yes)、番号「48」の下縫い糸調子の設定値に基づいて糸調子が弱か強か判断され(S6)。
【0054】
糸調子が弱のとき(S6;Yes)、張力切換え機構50のソレノイドアクチュエータ52が駆動されずにOFF状態になり(S7)、第2糸調子皿41が張力開放状態になるため、第1糸調子皿40と補助糸調子皿42により上糸33に第1張力が付与される。糸調子が強のとき(S6;No )、張力切換え機構50のソレノイドアクチュエータ52が駆動されON状態になり(S8)、第2糸調子皿41が張力付与状態になるため、第1,第2糸調子皿40,41と補助糸調子皿42により上糸33に第2張力が付与され、その後、補強用縫目縫製処理(S9)が実行され、足踏ペダル3が踏まれると加工布に補強用縫目75が形成される。
【0055】
その後、穴かがり縫目縫製処理(S10)が実行される。図16に示すように、この穴かがり縫目縫製処理が開始されると、複数のパラメータの設定値が読込まれ(S20)、穴かがり縫目の縫製データ(複数の針落ちデータ)が演算される(S21)。次に、番号「11」の縫目形式の設定値に基づいて、ウィップ縫いのときには(S22;Yes)、張力切換え機構50のソレノイドアクチュエータ52が駆動されずにOFF状態になり(S23)、第2糸調子皿41が張力開放状態になるため、第1糸調子皿40と補助糸調子皿42により上糸33に第1張力が付与され、この状態で、足踏ペダル3が踏まれると加工布に穴かがり縫目70(前閂止め部73、往千鳥部71、奥閂止め部74、復千鳥部72)が縫製されてリターンする。
【0056】
ウィップ縫いでないとき(S22;No )、つまりパール縫いのときには、前閂止め部、往千鳥部、奥閂止め部、復千鳥部の順で縫製される穴かがりにおいて、閂止め部を第1張力にして縫製し千鳥部を第2張力で縫製するように、足踏ペダル3が踏まれると、ソレノイドOFF(S25)、前閂止め部縫製(S26)、ソレノイドON(S27)、往千鳥部縫製(S28)、ソレノイドOFF(S29)、奥閂止め部縫製(S30)、ソレノイドON(S31)、復千鳥部縫製(S32)が実行されてリターンする。尚、実際には、前閂止め部は穴かがり縫目の最初と最後に別けて縫製されるがこのフローチャートは若干簡略化してある。
【0057】
次に、図15に示すように、S10の穴かがり縫目縫製処理後、ボタン穴形成処理(S11)が実行されて、穴かがり縫目の内側にボタン穴が形成されS2へリターンする。尚、ボタン穴形成処理について、このフローチャートでは穴かがり縫目の形成後にボタン穴を形成する所謂後メスを行うようにしているが、穴かがり縫目の縫製前又は縫製途中においてボタン穴を形成できるようにしてもよい。
【0058】
この穴かがりミシンMの作用・効果について説明する。糸調子機構34は縫製用の上糸33に強弱異なる張力を付与可能なものであり、張力切換え機構50により、糸調子機構34による上糸張力の強弱が切換えられる。制御装置5により張力切換え機構50が制御されて、補強用縫目を縫製する際の糸調子機構34による上糸張力が、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の上糸張力よりも強力な張力に自動的に切換えられる。
【0059】
通常の閂止め部を縫製する際には上糸張力を比較的弱い張力にして行うが、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を閂止め部を縫製する際の上糸張力よりも強くするように自動的に切換えることができるため、補強用縫目の引締まりを良くすることができ、補強用縫目による補強効果を十分に発揮させることが可能になる。また、補強用縫目の縫製後に、上糸張力を元の比較的弱い張力に自動的に切換えてから通常の閂止め部を縫製して、閂止め部の品質を確保して穴かがり縫目を綺麗に形成することができる。上糸張力の切換えを短時間で行えるため、補強用縫目と穴かがり縫目をほぼ連続して縫製でき、補強用縫目を形成することによる時間ロスを極力抑えて全体的な縫製作業の能率低下を防止することができる。
【0060】
操作パネル4と制御装置5により補強用縫目を縫製する際に上糸に付与する張力を規定するパラメータを容易に設定することができ、制御装置5によりそのパラメータに基づいて張力切換え機構50が制御される。前記パラメータを設定するだけで、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の上糸張力よりも強力な張力に自動的に切換えできるようになるため非常に便利になる。
【0061】
糸調子機構34により、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の第1張力と、第1張力よりも強力な第2張力の何れかを上糸に付与することができ、切換え制御機構50により、穴かがり縫目の閂止め縫目を縫製する際に第1張力に自動的に切換え、補強用縫目を縫製する際に上糸張力を第2張力に自動的に切換えることができる。上糸張力を2段階に切換える、糸調子機構34、張力切換え機構50、制御装置5による切換え制御を簡単化でき製作コスト的にも有利になる。
【0062】
糸調子機構34に上糸33が掛けられる第1,第2糸調子皿40,41が設けられ、張力切換え機構50により、第2糸調子皿41を張力付与状態に切換えて上糸33に付与する張力を強くし、張力開放状態に切換えて上糸33に付与する張力を弱くすることができる。このように、第2糸調子皿41だけを張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸33に付与する張力を強弱2段階に簡単且つ確実に切換えることができる。
【0063】
尚、糸調子機構34は前記実施形態のものに限らず、種々の構造のものを適用可能である。例えば、第1,第2糸調子皿40,41の代わりに、1つの糸調子皿を設けてもよい。但し、この糸調子皿は、そのコイルバネの付勢力を切換えて上糸に強弱異なる張力を付与可能なものに構成される。それ故、上糸張力を無段階的に切換えることも可能となる。
【0064】
また、第1,第2糸調子皿40,41以外に第3の糸調子皿を設け、この第3の糸調子皿も張力切換え機構により張力付与状態と張力開放状態に切換えるようにすることで、上糸張力の強弱を3段階で切換えできるようになる。このように、第3の糸調子皿のような糸調子皿を増やして、上糸張力の切換え段数を増大させることは可能となる。
【0065】
尚、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を、閂止め部を縫製する際の上糸張力よりも弱くするように自動的に切換えてもよいし、閂止め部を縫製する際の上糸張力と同じ張力とすることもできる。尚、その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を付加した形態で実施することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
請求項1の穴かがりミシンによれば、穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の第1張力又はこの第1張力よりも強力な第2張力の何れかを縫製用の上糸に付与可能な糸調子手段、糸調子手段による上糸張力を第1張力又は第2張力に2段階に切換える張力切換え手段、張力切換え手段を制御して、補強用縫目を縫製する際の糸調子手段による上糸張力を、第1張力又は前記第2張力の何れかに切換える切換え制御手段とを設けた。穴かがり縫目の通常の閂止め部を縫製する際には上糸張力を第1張力にして行うため、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を第2張力に切換えるようにして、補強用縫目の引締まりを良くすることができ、補強用縫目による補強効果を十分に発揮させることができる。
【0067】
補強用縫目の縫製後に、上糸張力を第1張力に切換えてから通常の閂止め部を縫製して、閂止め部の品質を確保して穴かがり縫目を綺麗に形成できる。上糸張力の切換えを短時間で行えるため、補強用縫目と穴かがり縫目をほぼ連続して縫製でき、補強用縫目を形成することによる時間ロスを極力抑えて全体的な縫製作業の能率低下を防止できる。また、上糸張力を2段階に切換える、糸調子手段、張力切換え手段、切換え制御手段を簡単化でき製作コスト的にも有利になる。
【0068】
請求項2の穴かがりミシンによれば、パラメータ設定手段により、補強用縫目を縫製する際に上糸に付与する張力を規定するパラメータを設定することができ、切換え制御手段により、パラメータ設定手段で設定されたパラメータに基づいて張力切換え手段が制御される。パラメータ設定手段で前記パラメータを設定するだけで、補強用縫目を縫製する際の上糸張力を、第1張力又は第2張力の何れかに切換えできるようになるため非常に便利になる。
【0069】
【0070】
請求項3の穴かがりミシンによれば、第2張力は穴かがり縫目の千鳥部をパール縫いする際に適用される張力であるので、その第2張力にて縫目の千鳥部をパール縫いすることができ、その第2張力を補強用縫目を縫製する際に採用できる。つまり、上糸張力を第1又は第2張力に2段階に切換え可能にして、2種類の穴かがり縫目(前記ウィップ縫いとパール縫いで形成される2種類の穴かがり縫目)と引締まりを良くした補強用縫目とを縫製することが可能となる。
【0071】
請求項4の穴かがりミシンによれば、糸調子手段は上糸が掛けられる1対の糸調子皿を有し、前記張力切換え手段は1対の糸調子皿のうちの一方を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸に付与する張力を第1張力又は第2張力に切換えることができる。1対の糸調子皿のうちの一方を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸に付与される張力を第1張力と第2張力に2段階に簡単且つ確実に切換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る穴かがりミシンの斜視図である。
【図2】穴かがりミシンのミシン本体前部の右側面図である。
【図3】布送り機構の斜視図である。
【図4】穴かがりミシンの糸調子機構を含むミシン本体前部の斜視図である。
【図5】糸調子皿と張力切換え機構の斜視図である。
【図6】穴かがり縫目の平面図である。
【図7】補強用縫目の平面図である。
【図8】ウィップ縫いにより形成される穴かがり縫目であり、(a)は表面側に現れる縫目(b)は裏面側に現れる縫目を示す。
【図9】パール縫いにより形成される穴かがり縫目であり、(a)は表面側に現れる縫目(b)は裏面側に現れる縫目を示す。
【図10】穴かがりミシンの制御系のブロック図である。
【図11】複数のパラメータを表す図表(1/4)である。
【図12】複数のパラメータを表す図表(2/4)である。
【図13】複数のパラメータを表す図表(3/4)である。
【図14】複数のパラメータを表す図表(4/4)である。
【図15】制御装置で実行される制御のフローチャート(1/2)である。
【図16】制御装置で実行される制御のフローチャート(1/2)である。
【符号の説明】
M 穴かがりミシン
4 操作パネル
5 制御装置
33 上糸
34 糸調子機構
40,41 第1,第2糸調子皿
50 張力切換え機構
70 穴かがり縫目
71,72 千鳥部
73,74 閂止め部
75 補強用縫目
77 ボタン穴
Claims (4)
- 加工布に形成されるボタン穴を囲繞する閂止め部と千鳥部を含む穴かがり縫目を縫製すると共に、穴かがり縫目の縫製前に穴かがり縫目縫製予定部に補強用縫目を縫製するようにした穴かがりミシンにおいて、
穴かがり縫目の閂止め部を縫製する際の第1張力又はこの第1張力よりも強力な第2張力の何れかを縫製用の上糸に付与可能な糸調子手段と、
前記糸調子手段による上糸張力を前記第1張力又は前記第2張力に2段階に切換える張力切換え手段と、
前記張力切換え手段を制御して、補強用縫目を縫製する際の糸調子手段による上糸張力を、前記第1張力又は前記第2張力の何れかに切換える切換え制御手段と、
を備えたことを特徴とする穴かがりミシン。 - 前記補強用縫目を縫製する際に上糸に付与する張力を規定するパラメータを設定する為のパラメータ設定手段を設け、前記切換え制御手段は、パラメータ設定手段で設定されたパラメータに基づいて張力切換え手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
- 前記第2張力は穴かがり縫目の千鳥部をパール縫いする際に適用される張力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穴かがりミシン。
- 前記糸調子手段は上糸が掛けられる1対の糸調子皿を有し、前記張力切換え手段は1対の糸調子皿のうちの一方を張力付与状態と張力開放状態に切換えて、上糸に付与する張力を前記第1張力又は前記第2張力に切換えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の穴かがりミシン。
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