JP4389324B2 - 穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法 - Google Patents

穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法に関し、特に、加工布に穴かがり縫目の閂止め縫目を形成する前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を下縫いするようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、穴かがりミシンは、加工布を布送りする布送り機構と、加工布に縫目を形成する縫製機構と、布送り機構と縫製機構を制御して1対の千鳥縫目と1対の閂止め縫目を含む穴かがり縫目を形成させる制御装置等を備えている。更に、加工布にボタン穴を形成するカッタを含むボタン穴形成機構を設け、制御装置によりボタン穴形成機構を制御して、穴かがり縫目の形成を含む一連の動作で穴かがり縫目の内側にボタン穴を形成するようにしたものも多い。
【0003】
尚、前記縫製機構は、基本的に、針棒と、針棒の下端に装着されて上糸供給源から延びる上糸が装着される縫針と、針棒を上下に駆動する針棒上下動機構及び左右に揺動駆動する針棒揺動機構と、針板(送り台)の下側に装着され下糸が巻付けられるボビンと、針板の下側にて上下動する縫針付近における上糸を捕捉しボビンから延びる下糸と交絡させる糸輪捕捉器等を有する。
【0004】
ところで、従来の穴かがりミシンにおいては、制御装置により縫製データに基づいて布送り機構と縫製機構が制御されて穴かがり縫目を形成するが、本願出願人は、穴かがり縫目の形状とサイズを規定する複数のパラメータ等を設定することにより、制御装置により、布送り機構と縫製機構を駆動制御して穴かがり縫目を形成する縫製データを演算処理する技術を記載した穴かがりミシンを出願している(特願平11−124302号参照)。
【0005】
さて、穴かがりミシンにより加工布に形成される穴かがり縫目については、例えば、本実施形態に係る図14の穴かがり縫目70のように、通常、閂止め縫目73,74の幅は千鳥縫目71,72の幅よりも広く、閂止め縫目73,74の大部分の縫目ピッチ(針落ち点から次の針落ち点までの距離;例えば、3.5mm )は、千鳥縫目71,72の縫目ピッチ(例えば、1.5mm )と比べても長い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の穴かがりミシンにより加工布に形成される穴かがり縫目(例えば、角形の穴かがり縫目)については、前述したように、閂止め縫目の大部分の縫目ピッチが長すぎるため、閂止め縫目を縫製する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺になり易い。つまり、綺麗な穴かがり縫目を形成することが難しく、特に、伸縮性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め縫目を形成する場合、前記問題が一層顕著になる。
【0007】
一方、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺にならないように、閂止め縫目を縫製する際、天秤と糸調子器を介して上糸に付与する張力を小さくすると、閂止め縫目を適度に引締めることができなくなる。他方、ニット等の起毛素材からなる加工布に閂止め縫目を形成する場合には、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込み易く、閂止め縫目の見栄えが悪くなるという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、穴かがりミシン及び穴かがり縫目形成方法において、綺麗な穴かがり縫目の閂止め縫目を簡単に且つ確実に更に綺麗に形成すること、閂止め縫目を適度に引締めて形成可能にすること、起毛素材からなる加工布に形成する閂止め縫目の見栄えを良くすること、等である。
【0009】
請求項1の穴かがりミシンは、加工布を布送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する縫製手段と、布送り手段と縫製手段を制御して1対の千鳥縫目と1対の閂止め縫目を含む穴かがり縫目を形成させる制御手段を備えた穴かがりミシンにおいて、前記制御手段は、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫目と交差する補強用縫目であって穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状に形状の補強用縫目を形成してから、その補強用縫目上に穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の閂止め縫目を形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とするものである。
【0010】
この穴かがりミシンでは、制御手段により布送り手段と縫製手段が制御され、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫目と交差する補強用縫目を形成してから、その補強用縫目上に閂止め縫目を形成することができる。即ち、補強用縫目が閂止め縫目の形成予定部において穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に形成され、その補強用縫目上に閂止め縫目が穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に形成される。加工布の閂止め縫目の形成予定部が補強用縫目により補強されると、その補強用縫目上に閂止め縫目を形成する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺になりにくくなる。従って、綺麗な穴かがり縫目を簡単且つ確実に形成することができ、しかも、補強用縫目上に閂止め縫目を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸縮性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め縫目を形成する場合に有効である。
【0011】
しかも、加工布がニット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。尚、閂止め縫目の形成予定部に補強用縫目を形成することから、その補強用縫目を閂止め縫目で覆い隠すことができるため、閂止め縫目の良好な見栄えが損うこともない。
【0012】
請求項2の穴かがりミシンは、請求項1の発明において、前記補強用縫目を1対の閂止め縫目形成予定部の両方に形成する第1モードと一方にだけ形成する第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成したことを特徴とするものである。第1モードに設定した場合、1対の閂止め縫目形成予定部の両方に補強用縫目を形成することができ、第2モードに設定した場合、1対の閂止め縫目形成予定部の一方にだけ補強用縫目を形成することができ、これら第1,第2モードの何れかに択一的に設定することができる。
【0013】
特に、第2モードを設定した場合、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構成してもよい。これにより、前閂止め縫目予定部に形成される縫目数(針落ち数)を抑え、前閂止め縫目を形成する際の針流れ(針が縫目に干渉して湾曲し所定の針落ち位置に落ちない現象)や針折れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0014】
また、第2モードを設定した場合、前閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構成してもよい。そして、前閂止め縫目の形状と奥閂止め縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成しないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目を形成するかの何れかに適宜設定して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0015】
請求項3の穴かがりミシンは、請求項2の発明において、前記第1モードのとき、制御手段は1対の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とするものである。
【0016】
第1モードに設定した場合に、糸を切断することなく、1対の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部に夫々形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成することができ、1対の補強用縫目の形成作業を簡単化することができる。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目を連続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成することが可能になる。
【0017】
請求項4の穴かがりミシンは、請求項2の発明において、前記第2モードのとき、制御手段は一方の閂止め縫目形成予定部に形成される補強用縫目と、他方の閂止め縫目形成予定部を横断するように形成される渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とするものである。
【0018】
第2モードに設定した場合、糸を切断することなく、1対の閂止め縫目形成予定部のうち一方に形成される補強用縫目と他方に形成される渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部に夫々形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成することができ、補強用縫目の形成作業を簡単化することができる。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目とを連続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成することが可能になる。
【0019】
請求項5の穴かがりミシンは、請求項2の発明において、前記制御手段に対して、前記第1,第2モードに択一的に設定する際に補強縫目用パラメータを設定する為の補強縫目用パラメータ設定手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、補強縫目用パラメータ設定手段により補強縫目用パラメータを設定して、第1,第2モードの何れかに択一的に設定することが可能になる。
【0020】
請求項6の穴かがりミシンは、請求項1〜5の何れかの発明において、前記制御手段に対して、前記補強用縫目の形状とサイズを規定する複数の第1パラメータを設定する為の第1パラメータ設定手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、第1パラメータ設定手段により複数の第1パラメータを設定して、閂止め縫目に対応する形状とサイズの補強用縫目を形成することが可能になる。
【0021】
【0022】
【0023】
請求項の穴かがり縫目形成方法は、加工布を布送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する縫製手段とを制御して穴かがり縫目を形成する穴かがり縫目形成方法において、前記穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目であって穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の補強用縫目を形成する補強用縫目形成工程と、次に、前記補強用縫目形成後、穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の閂止め縫目をその補強用縫目上に形成する閂止め縫目形成工程を備えたことを特徴とするものである。
【0024】
この穴かがり縫目形成方法では、布送り手段と縫製手段が制御され、穴かがり縫目が形成されるが、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を形成する。即ち、補強用縫目形成工程において補強用縫目が穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に形成され、次に閂止め縫目形成工程において閂止め縫目が穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に形成されるので、加工布の閂止め縫目の形成予定部が補強用縫目により補強される。それ故、その補強用縫目上に閂止め縫目形成する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺になりにくくなる。従って、綺麗な穴かがり縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止め縫目を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸縮性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め縫目を形成する場合に有効である。
【0025】
しかも、加工布がニット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。尚、閂止め縫目の形成予定部に補強用縫目を形成することから、その補強用縫目を閂止め縫目で覆い隠すことができるため、閂止め縫目の良好な見栄えが損うこともない。
【0026】
【0027】
【0028】
請求項の穴かがり縫目形成方法は、請求項の発明において、前記穴かがり縫目の1対の閂止め縫目の形成予定部のうち、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目の形成予定部にだけ補強用縫目を形成することを特徴とするものである。
【0029】
つまり、前閂止め縫目形成予定部に、止め縫いの縫目に加えて補強用縫目が形成されると縫目数(針落ち数)が多くなるため、その後、前閂止め縫目を形成する際に針流れ(針が縫目に干渉して湾曲し所定の針落ち位置に落ちない現象)や針折れが生じたり、閂止め縫目の見栄えが悪くなる虞があるが、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形することにより、前閂止め縫目形成予定部に形成される縫目数を抑え、前記問題を解消し、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、加工布に、例えば、図14の角形の穴かがり縫目70を形成するとともに、その穴かがり縫目70の内側にボタン穴80を形成する所謂ボタン穴用の穴かがりミシンに、本発明を適用した場合の例である。但し、図1の前方と左方を基準として説明する。尚、以下、穴かがり縫目やボタン穴等の符号については、図14の穴かがり縫目70とボタン穴80等の符号を引用する。
【0031】
図1に示すように、穴かがりミシンMには、ミシンテーブル1に、ミシンモータ2と、そのミシンモータ2を含む各駆動部(後で詳述する)を起動又は停止させる為のペダル3と、穴かがり縫目70の形状とサイズ等を規定する複数のパラメータ等を入力設定する為の操作パネル4と、前記各駆動部を駆動制御する制御装置5等が設けられている。
【0032】
穴かがりミシンMは、ベッド部6と脚柱部7とアーム部8とを有するミシン本体を有し、そのミシン本体に、図2〜図5に示すように、加工布を前後に布送りする布送り機構10と、加工布に縫目を形成する縫製機構30と、加工布にボタン穴80を形成するカッタ61を含むボタン穴形成機構60が設けられ、制御装置5により、布送り機構10と縫製機構30が制御されて穴かがり縫目70を形成するとともに、ボタン穴形成機構60が制御されて穴かがり縫目70の内側にボタン穴80を形成する。
【0033】
前記布送り機構10は、図3に示すように、送り台11と、押え足12と、ステッピングモータ13等を有し、加工布を押え足12で送り台11に押えた状態で、ステッピングモータ13により送り台11と押え足12を一体的に前後に駆動することで、加工布も一体的に前後に布送りされる。送り台11は前後に長い板状に形成され、その前端部に穴かがり縫目70及びボタン穴80を形成する為の長孔11aが形成されている。ベッド部6の上面部分に左右1対の案内板14が嵌込まれており、これらの案内板14の間に送り台11が前後に移動可能にガイド支持されている。
【0034】
送り台11の後端部下面側に可動部材15が固定され、その可動部材15の後側に前後に長い連結ロッド16を介して可動部材17が連結され、この可動部材17に、前端部に布押え12を取り付けた押え腕18の後端部が左右軸心回りに枢支されている。押え足12は、付勢部材(図示略)により押え腕18を介して下方へ付勢されており、例えば、ペダル3の操作により、布押え12の高さ調節を行うことができる。
【0035】
連結ロッド16は、可動部材15,17の左端部に挿通状に固定されて延び、可動部材15,17の前後両側において1対の軸受19を介してミシン機枠に前後に移動可能にガイド支持されている。また、連結ロッド16の右側に、前後に長いロッド20がミシン機枠に固定的に設けられ、このロッド20に可動部材17の右端部が軸受17aを介して前後に移動自在にガイド支持されている。
【0036】
ステッピングモータ13の出力軸に駆動プーリ13aが固着され、駆動プーリ13aの後方に従動プーリ(図示略)がミシン機枠に枢支され、これら両プーリに無端状のベルト21が掛け渡されている。このベルト21の一部に可動部材17が固定され、ステッピングモータ13が駆動されると、ベルト21を介して可動部材15,17と送り台11と押え足12が前後に一体的に駆動される。
【0037】
前記縫製機構30は、図2、図4に示すように、針棒31と、針棒31の下端に装着されて糸駒等の上糸供給源(図示略)から延びる上糸が装着される縫針32と、針棒31を上下に往復駆動する針棒上下動機構33及び左右に揺動駆動する針棒揺動機構34と、送り台11の下側に装着され下糸が巻付けられるボビン(図示略)と、送り台11の下側にて上下動する縫針32付近における上糸を捕捉しボビンから伸びる下糸と交絡させる糸輪捕捉器(図示略)等を有する。
【0038】
図4に示すように、針棒上下動機構33においては、アーム部8に揺動自在に設けられた仮想線で示す針棒台35に、針棒31が上下に摺動可能に支持され、針棒31に針棒抱き36が固定されている。針棒31の後側に針棒連竿37が設けられ、その上端部37aが鉛直面内の円Cに沿って円運動するようにミシンモータ2で回動される上軸38に連結され、針棒連竿37の下端部37bの前側と後側に、角コマ39,40が夫々回動自在に連結されている。針棒抱き36の後部に左右方向に断面矩形の案内溝36aが形成され、この案内溝36aに前側の角コマ39が左右方向に移動自在に係合している。
【0039】
針棒抱き36の後部には針棒連竿案内41が設けられ、この針棒連竿案内41に形成された垂直溝41aに、後側の角コマ40が係合し垂直方向にのみ移動可能に案内されている。更に、針棒台35の側面に平板状の針棒案内42が固定され、この針棒案内42に形成され針棒31に沿って伸びる長穴42aに、針棒抱き36の左側部から突出した突起36bが係合している。このように構成された針棒上下動機構33では、ミシンモータ2によって回転駆動される上軸38から針棒連竿37に加わる力を、角コマ39と針棒抱き36を介して針棒31に伝達し、それによって針棒31を上下動させることができる。
【0040】
針棒揺動駆動機構34においては、針棒台35の後側に揺動レバー45が設けられ、この揺動レバー45の下端前側に回動可能に装着された角駒46が針棒台35の下端前部に係合している。揺動レバー45の上端部にステッピングモータ47の出力軸47aが内嵌固着され、ステッピングモータ47から揺動レバー45に加わる力を、角コマ46と針棒台35を介して針棒31に伝達し、それによって針棒31を左右に揺動させることができる。
【0041】
ここで、図14の角形の穴かがり縫目70について説明する。
この穴かがり縫目70は、左千鳥縫目71と右千鳥縫目72とを有し、更に、その前端部に前閂止め縫目73を有し、後端部に奥閂止め縫目74を有する。尚、通常、穴かがり縫目70の縫製時には、前閂止め縫目73の一部、左千鳥縫目71、奥閂止め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73の残りの部分の順で縫目が形成される。また、図14に示す長さa〜e等を操作パネル4にて設定することができる。
【0042】
前記ボタン穴形成機構60は、図5に示すように、カッタ61、カッタホルダ62、カッタ取付軸63、カッタ作動腕64、カッタ駆動用ソレノイド65等を有する。カッタ取付軸63の下端にカッタホルダ62が設けられ、そのカッタホルダ62にカッタ61がビス62aで固定されている。カッタ作動腕64は後端側が上方に屈曲した略L字形に形成され、その前後方向中央部が枢支軸64aを介してミシン機枠に左右軸心回りに揺動可能に支持されている。
【0043】
カッタ作動腕64の前端部分はバネ部材66により上方へ付勢され、カッタ作動腕64の前端部がカッタ取付軸63の上部に連結され、カッタ作動腕64の後上端部が、カッタ駆動用ソレノイド65から後方へ突出したプランジャ65aにリンク67を介して連結されている。カッタ駆動用ソレノイド65のプランジャ65aを突出/退避させることによって、カッタ作動腕64とカッタ取付軸63を介してカッタ61を上下動させることができる。尚、カッタ駆動用ソレノイド65はプランジャ65aを突出方向へも退避方向へも駆動可能な双方向ソレノイドであるため、バネ部材66はカッタ取付軸63からカッタ61に至る機構の重量を補償する程度のものであればよく、省略することも可能である。
【0044】
次に、穴かがりミシンMの制御系について説明する。
図6に示すように、制御装置5は、CPU5aとROM5bとRAM5cを主要部とするマイクロコンピュータと、ペダル3の操作状態に応じた起動スイッチ3aからの信号や操作パネル4からの信号等が入力される入力インタフェース5dと、ミシンモータ2、ステッピングモータ13,47、カッタ駆動用ソレノイド65に図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力するとともに、操作パネル4へも表示状態等の制御信号を出力する出力インタフェース5eとを備え、それらをバス5fにて接続して構成されている。
【0045】
ROM5bには、操作パネル4を用いて穴かがり縫目70の形状とサイズを規定する複数のパラメータ等の縫製に関する各種設定を行う為の設定処理プログラムと、複数のパラメータに基づいて穴かがり縫目70の縫製データとカッタ駆動位置データとを演算するデータ演算処理プログラムと、縫製データとカッタ駆動位置データに基づいて前記布送り機構10、縫製機構30、ボタン穴形成機構60を駆動制御する制御プログラム等が格納されている。
【0046】
特に、制御装置5は、例えば、図14の1対の千鳥縫目71,72と1対の閂止め縫目73,74を含む穴かがり縫目70の形成前に、図15、図16に示すように、1対の閂止め縫目形成予定部73a,74aに夫々閂止め縫目73,74と交差するよう穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りさせて形成される1対の山形状の形状の補強用縫目85,86又はジグザグ状の形状の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫製機構30を制御するように構成されている。
【0047】
そのため、前記設定処理プログラムは、操作パネル4を用いて、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを規定する複数のパラメータ等を設定処理可能に構成され、前記データ演算処理プログラムは、これらパラメータに基づいて1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製データを作成するように構成されている。
【0048】
尚、この穴かがりミシンMでは、加工布に穴かがり縫目70を形成する前に、ボタン穴80又はその形成予定部の両側部位に亙るジグザグ縫目を下縫いでき、また、穴かがり縫目70の形成予定部に矩形縫目を下縫いできるようになっており、これらジグザグ縫目と矩形縫目の形状とサイズを規定するパラメータ等の設定については、前記同様、操作パネル4を用いて行えるようになっている。
【0049】
操作パネル4について図7を参照して説明すると、操作パネル4の中央に、穴かがりミシンMの現在の制御モードを表す4つのLED90と「SELECT」キー91が設けられ、操作パネル4の左端付近に、異常に対する対処後に穴かがりミシンMをリセットする為の「RESET 」キー92、カッタ61をプログラムに依らずに駆動する為の「CUTTER ON 」キー93、2桁の7セグメントディスプレイからなる表示部94、「PROGRAM NO」キー95が設けられ、操作パネル4の右部に、電源がONになっていることを示すLED96、何らかの異常が生じたことを示すLED97、4桁の7セグメントディスプレイからなる表示部98、アップダウンキー99、「ENTER 」キー100 が設けられている。
【0050】
「SELECT」キー91により、通常の縫製を行う為のオートモード(AUTO)と、実際に縫針32を落として縫製を行うことなく単に針落ち点の変化のみを確認するためのテストフィードモード(TESTFEED)と、使用者が図示しないプーリを回して手動で縫製を行う為のマニュアルモード(MANUAL)と、各種設定を行う為のプログラムモード(PROGRAM)とに択一的に切換えることができ、このモードの切り換えに応じて、現在設定されているモードに対応するLED90が点灯する。
【0051】
プログラムモードが設定されると、図8〜図11の複数のパラメータ(千鳥部の回転数、穴かがり縫目形状、カッタ寸法、・・・)のうちの1つに対応する番号が表示部94に表示され、そのパラメータの現在の設定値が表示部98に表示される。表示部94に表示される番号は、「PROGRAM NO」キー95により循環的に変更することができる。任意の番号を表示部94に表示させた状態で、アップダウンキー99により、表示部98に表示されるパラメータの設定値を増減して変更し、「ENTER 」キー100 により(確定)設定し直すことができる。
【0052】
各パラメータの設定値について、例えば、電源投入後パラメータの増減がなされていない場合には、ROM5bに記憶されている初期値(デフォルト値)が有効である。尚、アップダウンキー99の1回の押圧操作により、パラメータ毎に設定されている増減量(ステップ)だけ増減する。尚、プログラムモード以外のモードが設定されているときは、表示部98に各種メッセージが表示され、表示部94には現在選択されているパラメータの番号が表示される。
【0053】
図8〜図11に示すように、前記複数のパラメータとして、内容の欄に記載されているように、千鳥部の回転数、穴かがり縫目形状、カッタ寸法、カッタ多落し時の千鳥縫い長さ、千鳥ピッチ、・・・等があり、各パラメータに対応付けた番号が、操作パネル4の表示部94に表示される番号である。各パラメータ(例えば、番号「04」の千鳥ピッチ)については、設定範囲(0.20〜2.00mm)内で設定することができ、その設定の際、操作パネル4のアップダウンキー99の1回の押圧操作で1ステップ(0.05(mm))分だけ増減する。また、各パラメータの初期値(番号「04」の千鳥ピッチには0.35(mm))が設けられている。そして、制御装置5のROM5bに、複数のパラメータの番号に対応付けて設定範囲データとステップデータと初期値データとが格納されている。
【0054】
ここで、番号「01」の穴かがり縫目形状については、図12に示すように、(a)角形と、(b)放射形と、(c)丸形と、図示していないが、複数の任意形とがあり、穴かがり縫目形状を設定する場合、図8に示すように、操作パネル4を用いて、プログラムモードに切り換えてから、表示部94に「01」を表示させた状態で、例えば、表示部98に「0」を表示させると(a)の角形に設定することが可能になる。尚、図14のaは番号「02」のカッタ寸法、bは番号「04」の千鳥ピッチ、cは番号「05」の千鳥幅、dは図9の番号「20」の前閂止め長さ、eは番号「30」の奥閂止め長さを表している。
【0055】
特に、下縫いする為の複数のパラメータとして、図10に示すように、番号「45」の縫い合せ下縫い回数、番号「46」の山形下縫い回数、番号「47」の矩形下縫い回数、・・・、番号「54」の下縫い閂止めY針数(山形下縫いの時のみ有効)があり、これらパラメータの番号に対応付けて設定範囲データとステップデータと初期値データが、制御装置5のROM5bに格納されている。
【0056】
図8〜図11の複数のパラメータのうち、図10の番号「45」〜「54」のパラメータ以外のパラメータの大部分が、制御装置5に対して穴かがり縫目の形状とサイズを規定する複数のパラメータ(これが、第2パラメータに相当する)であり、それらの一部のパラメータと図10の番号「49」〜「54」のパラメータが、制御装置5に対して1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを規定する複数のパラメータ(これが、第1パラメータに相当する)である。このように、第2パラメータの一部を第1パラメータとして活用している。
【0057】
加工布に穴かがり縫目70を縫製する前に、補強用縫目85,86と渡り用縫目87,88の下縫いを行う場合には、番号「46」の山形下縫い回数を(1)に設定し、行わない場合には(0)を設定する。尚、加工布に穴かがり縫目を縫製する前に、前記ジグザグ縫目の下縫いを行う場合には番号「45」の縫い合せ下縫い回数を(1)に設定し、行わない場合には(0)に設定し、前記矩形縫目の下縫いを行う場合には番号「47」の矩形下縫い回数を(1〜5)に設定し、行わない場合には(0)に設定する。
【0058】
次に、前記制御装置5により実行される制御について、図13のフローチャートを参照して説明する。但し、図14の角形の穴かがり縫目70を縫製する前に、図16の補強用縫目85,86と渡り用縫目87,88を形成する場合を例にして説明する。尚、穴かがり縫目70だけを縫製することも可能である。
【0059】
穴かがりミシンMの電源投入とともにこの制御が開始され、先ず、初期設定(S1)が行われた後、パラメータ設定処理(S2)が行われる。このパラメータ設定処理では、例えば、電源投入直後には、図8〜図11の複数のパラメータにROM5bに記憶されている初期値が設定されるが、前述したように、操作パネル4を用いて、複数のパラメータの設定値を変更して設定し直すことができる。
【0060】
特に、このパラメータ設定処理では、補強用縫目85,86の下縫いを行うために、図10の番号「46」の山形下縫い回数を(1)に設定する。また、番号「48」〜「54」のパラメータの設定値についても、設定範囲内で所望の値に設定し直すことができる。ここで、その他の下縫いを行わないために、番号「45」の縫い合せ下縫い回数と番号「47」の矩形下縫い回数については(0)に設定することになる。
【0061】
次に、「ENTER 」キー100 が操作されてパラメータの設定が終了すると(S3;Yes)、複数のパラメータの設定値が読込まれ(S4)、穴かがり縫目70のサイズと形状を規定する複数のパラメータに基づいて、穴かがり縫目70の縫製データが演算されるとともに、番号「45」〜「54」の複数のパラメータと穴かがり縫目70の形状とサイズを規定する複数の第2パラメータとに基づいて、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製データが演算され(S5)、カッタ61を落とすカッタ駆動位置データが演算され(S6)、これらのデータはRAM5cに書込まれる。
【0062】
ここで、S5においては、先ず、渡り用縫目87、補強用縫目86,渡り用縫目88、補強用縫目85を、この順で縫製するように縫製データが演算され、続いて、穴かがり縫目70の、前閂止め縫目73の一部、左千鳥縫目71、奥閂止め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73の残りの部分を、この順で縫製するように縫製データが演算される。即ち、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製データは、穴かがり縫目70の縫製開始点付近から縫製を開始して縫製開始点で縫製を終了する縫製データに演算される。尚、複数のパラメータを用いて縫製データとカッタ駆動位置データを演算する具体的な方法については、本出願人が出願した特願平11−124302号に記載した演算方法と略同様であるので説明を省略する。
【0063】
続いて、ペダル3が踏込み操作されると(S7;Yes)、RAM5cに記憶している縫製データに基づいて、布送り機構10と縫製機構30が駆動制御されて縫製処理(S8)が実行され、前述のように、渡り用縫目87、補強用縫目86,渡り用縫目88、補強用縫目85、穴かがり縫目70(左千鳥縫目71、奥閂止め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73)の順で縫製が行われる。尚、何針目か先までの縫製データを演算しながら縫製処理を実行するようにしてもよいし、縫製データを全て演算してから縫製処理を開始するようにしてもよい。S8の縫製処理において、補強用縫目85,86を縫製する処理が補強用縫目形成工程に相当し、奥閂止め縫目74,前閂止め縫目73を縫製する処理が閂止め縫目形成工程に相当する。
【0064】
その後、RAM5cに記憶しているカッタ駆動位置データに基づいて、布送りされる加工布に対してカッタ61が、両側に千鳥縫目71,72を形成した段階でカッタ落とし位置に達すると、縫製が一時的に中断されてから(S10)、ボタン穴形成機構60によりカッタ61が下降駆動され(S11)ボタン穴80が形成される。尚、カッタ61の駆動位置とは、右千鳥縫目72の形成中または形成終了直後の所定位置となる。その後、縫製終了でないときには(S12;No )S7へリターンし、ペダル3が踏込み操作されているときには(S7;Yes)、S8の縫製処理において縫製が再開され、穴かがり縫目70の縫製が終了すると(S12;Yes)S2へリターンする。
【0065】
前記穴かがりミシンMの作用・効果について説明する。
制御装置5により布送り機構10と縫製機構30が制御され、穴かがり縫目70の閂止め縫目73,74の形成予定部73a,74aに、閂止め縫目73,74と交差する補強用縫目85,86を形成してから、その補強用縫目85,86上に閂止め縫目73,74を形成することができる。
【0066】
つまり、加工布の閂止め縫目形成予定部73a,74aが補強用縫目85,86により補強されるため、その補強用縫目85,86上に閂止め縫目73,74を形成する際、閂止め縫目73,74付近の加工布が糸で引張られて縮み皺になりにくくなる。従って、綺麗な穴かがり縫目70の閂止め縫目73,74を簡単且つ確実に形成することができ、しかも、閂止め縫目73,74を適度に引締めて形成可能になり、特に、伸縮性の高い素材や布厚が薄い素材からなる加工布に閂止め縫目73,74を形成する場合に有効になる。
【0067】
しかも、加工布がニット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目85,86により加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部分においては、閂止め縫目73,74が加工布の起毛部の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目73、74の見栄えが一層良くなる。閂止め縫目形成予定部73a,74aに補強用縫目85,86を形成することから、その補強用縫目85,86を閂止め縫目73,74で覆い隠すことができるため、閂止め縫目73,74の良好な見栄えが損うこともない。
【0068】
操作パネル4を用いて、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを規定する複数のパラメータ(第1パラメータ;「図10の番号「49」〜「54」のパラメータ)を設定することができるが、穴かがり縫目70の形状とサイズを規定する前記複数の第2パラメータを前記第1パラメータとして活用するので、第1パラメータの新たに設定する設定数を低減して設定作業を簡単に行うことができ、穴かがり縫目70に対応する1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の形状とサイズを容易に設定することが可能になる。
【0069】
次に、前記実施形態の変形例について説明する。
1〕穴かがり縫目70の閂止め縫目73,74の形成前に、1対の渡り用縫目87,88を形成しないで、閂止め縫目73,74の形成予定部73a,74aに閂止め縫目73,74と交差する補強用縫目85,86のみを形成するように構成してもよい。この場合、閂止め縫目73,74を非連続的に縫製してもよい。
【0070】
2〕前記実施形態では、ペダル3を踏込み続けると、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88を形成してから、穴かがり縫目70の形成を連続的に行うようになっているが、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88の縫製と、穴かがり縫目70の縫製を、独立に行うように構成してもよい。
【0071】
3〕前記実施形態では、1対の補強用縫目85,86と1対の渡り用縫目87,88を形成してから、穴かがり縫目70を形成するようにしているが、補強用縫目85(又は86)の形成後、その補強用縫目85(又は86)上に連続的に閂止め縫目73(又は74)を形成するようにしてもよい。
【0072】
4〕予め記憶された種々の穴かがり縫目の縫製データ、補強用縫目と渡り用縫目の縫製データ、更には、種々のカッタ駆動位置データから、所望の穴かがり縫目と補強用縫目と渡り用縫目の縫製データとカッタ駆動位置データを選択設定して、布送り機構、縫製機構、ボタン穴形成機構を駆動制御するようにしてもよい。
【0073】
次に、変更形態について説明する。
この変更形態では、閂止め縫目形成予定部73a,74aに閂止め縫目73,74を形成する前に、補強用縫目85,86を形成しないモードに加え、図16に示すように、閂止め縫目形成予定部73a,74aの両方に補強用縫目85,86を形成する第1モードと、図19(又は図21)に示すように、一方の閂止め縫目形成予定部73a(又は74a)にだけ補強用縫目85(又は86)を形成する第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成されている。
【0074】
前記第1モードのとき、制御装置5は、前記実施形態と同様に、図15、図16に示すように、1対の閂止め縫目形成予定部73a,74aに夫々形成される1対の補強用縫目85,86と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫製機構30を制御するように構成されている。
【0075】
第2モードとしては、1対の閂止め縫目形成予定部73a,74aのうち、奥閂止め縫目形成予定部74aにだけ補強用縫目86を形成する場合(図19参照)と、前閂止め縫目形成予定部73aにだけ補強用縫目85を形成する場合(図21参照)の何方かに設定することができる。
【0076】
奥閂止め縫目形成予定部74aにだけ補強用縫目86を形成するように設定した場合、図19、図20に示すように、制御装置5は奥閂止め縫目形成予定部74aに形成される補強用縫目86と、前閂止め縫目形成予定部73aを横断するように形成される渡り用縫目110 と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫製機構30を制御するように構成されている。
【0077】
また、前閂止め縫目形成予定部73aにだけ補強用縫目85を形成するように設定した場合、図21に示すように,制御装置5は前閂止め縫目形成予定部73aに形成される補強用縫目85と、奥閂止め縫目形成予定部74aを横断するように形成される渡り用縫目111 と、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aを夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目87,88とを連続的に形成するように、布送り機構10と縫製機構30を制御するように構成されている。
【0078】
そのため、図18に示すように、番号「46」のパラメータとして、前記実施形態の「山形下縫い回数」の変わりに、「山形下縫い」のパラメータ(補強縫目用パラメータに相当する)が設けられ、制御装置5のROM5bに格納されている設定処理プログラムにより、この「山形下縫い」のパラメータを操作パネル4を用いて設定して、第1,第2モード等に択一的に設定できるようになっている。尚、番号「46」以外の複数のパラメータは、基本的に、前記実施形態の図8〜11の複数のパラメータと同様である。
【0079】
つまり、「山形下縫い」のパラメータについて、加工布に穴かがり縫目70を縫製する前に、補強用縫目を形成しない場合には(0)を設定し、奥閂止め側にのみ補強用縫目86を形成する場合(図19参照)には(1)を設定し、前閂止め側にのみ補強用縫目85を形成する場合(図21参照)には(2)を設定し、前奥両閂止め側に補強用縫目85,86を形成する場合(図16参照)には(3)を設定する。
【0080】
「山形下縫い」のパラメータを含む複数のパラメータの設定後、制御装置5のROM5bに格納されているデータ演算処理プログラムにより、前記複数の第2パラメータに基づいて、穴かがり縫目70の縫製データが演算されるとともに、「山形下縫い」のパラメータが(1)〜(3)の何れかに設定されている場合、つまり、第1又は第2モードに設定されている場合には、前記複数の第1パラメータに基づいて、補強用縫目を含む下縫い用の縫製データが演算される。
【0081】
そして、制御装置5により、これら縫製データに基づいて布送り機構10と縫製機構30が制御されて、例えば、「山形下縫い」のパラメータが(1)にされている場合には、図19に示すように、渡り用縫目87、補強用縫目86,渡り用縫目88、渡り用縫目110 の順で縫製が連続的に行われ、続けて、図20に示すように、穴かがり縫目70の縫製が、左千鳥縫目71、奥閂止め縫目74、右千鳥縫目72、前閂止め縫目73の順で連続的に行われる。
【0082】
ところで、前閂止め縫目形成予定部73aには、穴かがり縫目70の縫製開始時と縫製終了時に止め縫いが行われるが、これら止め縫いの縫目に加えて補強用縫目85が形成されると縫目数(針落ち数)が多くなるため、その後、前閂止め縫目73を形成する際に針流れ(針が縫目に干渉して湾曲し所定の針落ち位置に落ちない現象)や針折れが生じたり、閂止め縫目73の見栄えが悪くなる虞がある。
【0083】
この変更形態の穴かがりミシンによれば、「山形下縫い」のパラメータを(1)に設定(第2モードに設定)して、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目形成予定部74aにだけ補強用縫目86を成形することができ、これにより、前閂止め縫目予定部73aに形成される縫目数を抑え、前閂止め縫目73を形成する際の針流れや針折れを防止し、しかも、前閂止め縫目73を綺麗に形成して、全体的に綺麗な穴かがり縫目70を形成することが可能になる。
【0084】
また、第2モードに設定した場合に、糸を切断することなく、前閂止め縫目形成予定部73aに形成される渡り用縫目110 (又は、補強用縫目85)、奥閂止め縫目形成予定部74aに形成される補強用縫目86(又は、渡り用縫目111 )、1対の千鳥縫目形成予定部71a,72aに夫々形成される1対の渡り用縫目87,88を連続的に形成することができ、補強用縫目85(又は、86)の形成作業を簡単化することができる。
【0085】
更に、補強用縫目85(又は、86)と渡り用縫目渡り用縫目110 (又は、111 ),87,88の形成を、穴かがり縫目70の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で終了するようにするため、下縫いの後、穴かがり縫目70も連続的に形成することが可能になる。尚、第1モードに設定した場合には、前記実施形態と同様の作用が得られる。
【0086】
ところで、図22に示すように、前閂止め縫目の種類として、角形、放射形、丸形、流れ形、直線形があり、図23に示すように、奥閂止め縫目の種類として、角形、放射形、丸形、鳩目形がある。そして、前記任意形の穴かがり縫目について、図12の(a)〜(c)の穴かがり縫目以外に、図22の前閂止め縫目と図23の奥閂止め縫目の組合わせにより、複数種類構成することができる。尚、前奥両閂止め縫目の形状を角形としたものが図12の(a)、放射形としたのもが図12の(b)、丸形としたものが図12の(c)の穴かがり縫目である。
【0087】
さて、閂止め縫目の形状に応じても、それに対応する補強用縫目を形成するのが有効な場合と有効でない場合とがある。特に、図22の複数種類の前閂止め縫目のうちの放射形と直線形、また、図23の複数種類の奥閂止め縫目のうちの放射形と鳩目形については、その縫目の少なくとも一部が、穴かがり縫目70の長さ方向成分を含む方向に形成されるため、補強用縫目を形成しなくても、長さ方向への伸縮を抑える等の効果があり、あえて補強用縫目を形成して閂止め縫目の見栄えを悪くする必要はない。
【0088】
本実施形態によれば、前閂止め縫目の形状と奥閂止め縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成しないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目86を形成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目85を形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目85,86を形成するかの何れかに適宜設定することができる。
【0089】
この穴かがりミシンの変形例について説明する。
1〕制御装置5が、図22の前閂止め縫目の形状と図23の奥閂止め縫目の形状に応じて、補強用縫目を形成しないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目86を形成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目85を形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目85,86を形成するかの何れかに自動的に設定するように構成してもよい。
【0090】
この場合、前述のように、前閂止め縫目が放射形と直線形のときには、前閂止め縫目形成予定部73aに補強用縫目85を形成しないように、また、奥閂止め縫目が放射形と鳩目形のときには、奥閂止め縫目形成予定部74aに補強用縫目86を形成しないように自動設定される。
【0091】
2〕更にこの場合、補強縫目用パラメータ(番号「46」の山形下縫い)に、自動設定用の設定項目(例えば、4)を設け、この設定項目に設定した場合にのみ、前閂止め縫目の形状と奥閂止め縫目の形状に応じて補強用縫目を形成するか否かを自動的に設定するようにしもよい。或いは、このようにパラメータを設定して自動設定するようにしなくてもよい。即ち、番号「46」の山形下縫いのパラメータの設定により、閂止め縫目形成予定部に補強用縫目が形成されるように設定されている場合でも、閂止め縫目の形状(放射形等)の場合にはその設定を無効として、閂止め縫目形成予定部に補強用縫目を形成しないように自動的に切り替わるようにしてもよい。
【0092】
3〕布送り機構10においては、X方向(前後方向)へのみ布を送るように構成されているが、X方向とことなるY方向(左右方向)へも布を送るように構成してもよい。この変形例については、前記メイン実施形態についても同様である。
4〕その他の変形として、前記実施形態の変形例と基本的に同様の変更を加えることが可能である。
【0093】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態や変形例に種々の変更を付加した形態で実施することも可能であるし、穴かがりミシンに関わらず、少なくとも、布送り機構と縫製機構と制御装置を備えたミシンに本発明を適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
請求項1の穴かがりミシンによれば、制御手段が、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫目と交差する補強用縫目を形成してから閂止め縫目を形成するように、布送り手段と縫製手段を制御するので、補強用縫目上に閂止め縫目を形成する際、閂止め縫目付近の加工布が糸で引張られて縮み皺になりにくくなるため、綺麗な穴かがり縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止め縫目を適度に引締めて形成可能になる。更に、加工布がニット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。
また、穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の補強用縫目を形成してから、穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に閂止め縫目を形成するので、特に、伸縮性の高い素材や布厚の薄い素材からなる加工布の場合に有効である。
【0095】
請求項2の穴かがりミシンによれば、補強用縫目を1対の閂止め縫目形成予定部の両方に形成する第1モードと一方にだけ形成する第2モードの何れかに択一的に設定することができる。特に、第2モードを設定した場合、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構成することができ、これにより、前閂止め縫目予定部に形成される縫目数を抑え、前閂止め縫目を形成する際の針流れや針折れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0096】
また、第2モードを設定した場合、前閂止め縫目形成予定部にだけ補強用縫目を成形するように構成してもよい。そして、前閂止め縫目の形状と奥閂止め縫目の形状等に応じて、補強用縫目を形成しないか、或いは、奥閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或いは、前閂止め側にのみ補強用縫目を形成するか、或いは、前奥両閂止め側に補強用縫目を形成するかの何れかに適宜設定して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【0097】
請求項3の穴かがりミシンによれば、第1モードのとき、制御手段は1対の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御するので、糸を切断することなく、これら補強用縫目と渡り用縫目を連続的に形成することができ、1対の補強用縫目の形成作業を簡単化することができる。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目とを連続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成することができる。
【0098】
請求項4の穴かがりミシンによれば、第2モードのとき、制御手段は一方の閂止め縫目形成予定部に形成される補強用縫目と、他方の閂止め縫目形成予定部を横断するように形成される渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御するので、糸を切断することなく、これら補強用縫目と渡り用縫目を連続的に形成することができ、補強用縫目の形成作業を簡単化することができる。また、これら補強用縫目と渡り用縫目の形成を、穴かがり縫目の縫製開始点付近から開始して縫製開始点で終了するようにすると、補強用縫目と渡り用縫目とを連続的に形成した後、穴かがり縫目も連続的に形成できる。
【0099】
請求項5の穴かがりミシンによれば、制御手段に対して、第1,第2モードに択一的に設定する際に補強縫目用パラメータを設定する為の補強縫目用パラメータ設定手段を設けたので、補強縫目用パラメータ設定手段により補強縫目用パラメータ設定して、第1,第2モードの何れかを容易に設定することができる。
【0100】
請求項6の穴かがりミシンによれば、制御手段に対して、前記補強用縫目の形状とサイズを規定する複数の第1パラメータを設定する為の第1パラメータ設定手段を設けたので、閂止め縫目に対応する形状とサイズの補強用縫目を形成することが可能になる。
【0101】
【0102】
請求項の穴かがり縫目形成方法によれば、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目を形成する補強用縫目形成工程と、次に、補強用縫目形成後、その補強用縫目上に閂止め縫目を形成する閂止め縫目形成工程を備えたので、その補強用縫目上に閂止め縫目の形成する際、加工布が閂止め縫目の縫目方向に糸で引張られて縮み皺になりにくくなるため、綺麗な穴かがり縫目を簡単且つ確実に形成でき、しかも、閂止め縫目を適度に引締めて形成可能になる。更に、加工布がニット等の起毛素材からなる加工布の場合には、補強用縫目により加工布の起毛部をある程度倒すことができるため、その部分においては、閂止め縫目が加工布の起毛部の下側に入り込みにくくなり、閂止め縫目の見栄えが一層良くなる。
【0103】
また、補強用縫目形成工程において穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の補強用縫目を形成し、次に閂止め縫目形成工程において穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状に閂止め縫目を形成するので、特に、伸縮性の高い素材や布厚の薄い素材からなる加工布の場合に有効である。
【0104】
【0105】
請求項の穴かがり縫目形成方法によれば、穴かがり縫目の1対の閂止め縫目の形成予定部のうち、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目の形成予定部にだけ補強用縫目を形成するので、前閂止め縫目形成予定部に形成される縫目数を抑え、前閂止め縫目を形成する際の針流れや針折れを防止し、前閂止め縫目を綺麗に形成して、全体的に綺麗な穴かがり縫目を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る穴かがりミシンの斜視図である。
【図2】穴かがりミシン要部の右側面図である。
【図3】布送り機構の斜視図である。
【図4】縫製機構の斜視図である。
【図5】ボタン穴形成機構の斜視図である。
【図6】制御装置を含む制御系のブロック図である。
【図7】操作パネルの正面図である。
【図8】複数のパラメータを表す図表(1/4)である。
【図9】複数のパラメータを表す図表(2/4)である。
【図10】複数のパラメータを表す図表(3/4)である。
【図11】複数のパラメータを表す図表(4/4)である。
【図12】穴かがり縫目形状を示し、(a)は角形(b)は放射形(c)は円形の穴かがり縫目である。
【図13】制御装置で実行される制御のフローチャートである。
【図14】穴かがり縫目の平面図である。
【図15】補強用縫目と渡り用縫目(縫製途中)の平面図である。
【図16】補強用縫目と渡り用縫目(縫製完了)の平面図である。
【図17】補強用縫目と渡り用縫目と穴かがり縫目の平面図である。
【図18】変更形態に係る複数のパラメータを表す図表の一部である。
【図19】補強用縫目と渡り用縫目の平面図である。
【図20】補強用縫目と渡り用縫目と穴かがり縫目の平面図である。
【図21】補強用縫目と渡り用縫目の平面図である。
【図22】前閂止め縫目の種類を示す図表である。
【図23】奥閂止め縫目の種類を示す図表である。
【符号の説明】
M 穴かがりミシン
4 操作パネル
5 制御装置
10 布送り機構
30 縫製機構
70 穴かがり縫目
71,72 千鳥縫目
71a,72a 千鳥縫目形成予定部
73,74 閂止め縫目
73a,74a 閂止め縫目形成予定部
85,86 補強用縫目
87,88,110 ,111 渡り用縫目

Claims (8)

  1. 加工布を布送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する縫製手段と、布送り手段と縫製手段を制御して1対の千鳥縫目と1対の閂止め縫目を含む穴かがり縫目を形成させる制御手段を備えた穴かがりミシンにおいて、
    前記制御手段は、穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部のうちの少なくとも一方に閂止め縫目と交差する補強用縫目であって穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の補強用縫目を形成してから、穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の閂止め縫目をその補強用縫目上に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とする穴かがりミシン。
  2. 前記補強用縫目を1対の閂止め縫目形成予定部の両方に形成する第1モードと一方にだけ形成する第2モードの何れかに択一的に設定可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
  3. 前記第1モードのとき、制御手段は1対の閂止め縫目形成予定部に夫々形成される1対の補強用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の穴かがりミシン。
  4. 前記第2モードのとき、制御手段は一方の閂止め縫目形成予定部に形成される補強用縫目と、他方の閂止め縫目形成予定部を横断するように形成される渡り用縫目と、1対の千鳥縫目形成予定部を夫々縦断するように形成される1対の渡り用縫目とを連続的に形成するように、布送り手段と縫製手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の穴かがりミシン。
  5. 前記制御手段に対して、前記第1,第2モードに択一的に設定する際に補強縫目用パラメータを設定する為の補強縫目用パラメータ設定手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の穴かがりミシン。
  6. 前記制御手段に対して、前記補強用縫目の形状とサイズを規定する複数の第1パラメータを設定する為の第1パラメータ設定手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の穴かがりミシン。
  7. 加工布を布送りする布送り手段と、加工布に縫目を形成する縫製手段とを制御して穴かがり縫目を形成する穴かがり縫目形成方法において、
    前記穴かがり縫目の閂止め縫目の形成前に、その閂止め縫目の形成予定部に閂止め縫目と交差する補強用縫目であって穴かがり縫目の長手方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の補強用縫目を形成する補強用縫目形成工程と、
    次に、前記補強用縫目形成後、穴かがり縫目の長手方向と直交する方向に千鳥状に針振りして山形又はジグザグ状の形状の閂止め縫目をその補強用縫目上に形成する閂止め縫目形成工程を備えたことを特徴とする穴かがり縫目形成方法。
  8. 前記穴かがり縫目の1対の閂止め縫目の形成予定部のうち、止め縫いが形成されない奥閂止め縫目の形成予定部にだけ補強用縫目を形成することを特徴とする請求項に記載の穴かがり縫目形成方法。
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