JP2001199960A - ピリジンの精製方法 - Google Patents
ピリジンの精製方法Info
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- JP2001199960A JP2001199960A JP2000004753A JP2000004753A JP2001199960A JP 2001199960 A JP2001199960 A JP 2001199960A JP 2000004753 A JP2000004753 A JP 2000004753A JP 2000004753 A JP2000004753 A JP 2000004753A JP 2001199960 A JP2001199960 A JP 2001199960A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経時着色の少ない高品質の製品を工業的有利
に得る方法を提供する。 【解決手段】 ピリジンを主成分とする粗ピリジンを金
属銅等とともに加熱した後、蒸留精製する。
に得る方法を提供する。 【解決手段】 ピリジンを主成分とする粗ピリジンを金
属銅等とともに加熱した後、蒸留精製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピリジンの精製方
法、さらに詳しくは、粗ピリジンを金属銅及び/又は酸
化銅とともに加熱し、蒸留することにより、経時着色の
少ない高品質の製品を得ることを特徴とするピリジンの
精製方法に関するものである。
法、さらに詳しくは、粗ピリジンを金属銅及び/又は酸
化銅とともに加熱し、蒸留することにより、経時着色の
少ない高品質の製品を得ることを特徴とするピリジンの
精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピリジンは、産業界において、医療や農
薬物質の原料として、また各種有機合成中間体として、
巾広い用途を持っている。ピリジンには、アミン類、ア
ルコール類、アルデヒド類等の種々の構造不明の不純物
が含まれており、これら不純物の存在は、製品であるピ
リジンの品質を低下させるだけでなく、さらに、医薬品
など誘導体を合成するための原料として用いられた場
合、得られる誘導体の品質に悪影響を与える。特に、こ
れらの不純物のうち、目的とするピリジンと沸点が近似
している不純物は、単に精留操作のみでは非常に除去し
難い。また、この不純物は、経時着色の原因物質と考え
られており、これにより、ピリジンが着色した場合、そ
の商品価値は著しく低下してしまう。
薬物質の原料として、また各種有機合成中間体として、
巾広い用途を持っている。ピリジンには、アミン類、ア
ルコール類、アルデヒド類等の種々の構造不明の不純物
が含まれており、これら不純物の存在は、製品であるピ
リジンの品質を低下させるだけでなく、さらに、医薬品
など誘導体を合成するための原料として用いられた場
合、得られる誘導体の品質に悪影響を与える。特に、こ
れらの不純物のうち、目的とするピリジンと沸点が近似
している不純物は、単に精留操作のみでは非常に除去し
難い。また、この不純物は、経時着色の原因物質と考え
られており、これにより、ピリジンが着色した場合、そ
の商品価値は著しく低下してしまう。
【0003】ピリジン、ピコリン、ルチジンなどのピリ
ジン塩基類は、例えば、アンモニアとアルデヒド、オレ
フィン等との反応による合成法によって製造されている
他、コークス炉ガスまたは、タール油からの回収法によ
っても製造されている。これら合成法あるいは、回収法
のいずれの方法であっても、製造されたピリジンには微
量の不純物が存在し、その品質を低下させている。これ
ら微量不純物は、明確に定量または定性分析されている
訳ではないが、上記アミン類、アルコール類、アルデヒ
ド類等のような化合物であると考えられている。例え
ば、アルデヒド類などが混入している場合には、これが
縮合して生じた縮合物などもその一例である。
ジン塩基類は、例えば、アンモニアとアルデヒド、オレ
フィン等との反応による合成法によって製造されている
他、コークス炉ガスまたは、タール油からの回収法によ
っても製造されている。これら合成法あるいは、回収法
のいずれの方法であっても、製造されたピリジンには微
量の不純物が存在し、その品質を低下させている。これ
ら微量不純物は、明確に定量または定性分析されている
訳ではないが、上記アミン類、アルコール類、アルデヒ
ド類等のような化合物であると考えられている。例え
ば、アルデヒド類などが混入している場合には、これが
縮合して生じた縮合物などもその一例である。
【0004】これらの微量不純物を除去し、経時着色の
少ない高品質のピリジンを製造するために、これまで種
々の処理法が考案されている。たとえば、特公昭43−
15977号公報には、ピリジン塩基類に紫外線を照射
した後、精留を行なう方法が開示されているが、設備費
が高いことや、着火爆発を防止する必要があることか
ら、工業的に有利な製造法とはいい難い。また、特公昭
60−19294号公報には、イオン交換樹脂を用いた
方法、特公平6−45597号公報には、過マンガン酸
塩または重クロム酸塩を用いた方法が開示されている。
しかし、その効果は必ずしも期待通りで無いことや、工
業的に高価であることなどが問題として挙げられる。
少ない高品質のピリジンを製造するために、これまで種
々の処理法が考案されている。たとえば、特公昭43−
15977号公報には、ピリジン塩基類に紫外線を照射
した後、精留を行なう方法が開示されているが、設備費
が高いことや、着火爆発を防止する必要があることか
ら、工業的に有利な製造法とはいい難い。また、特公昭
60−19294号公報には、イオン交換樹脂を用いた
方法、特公平6−45597号公報には、過マンガン酸
塩または重クロム酸塩を用いた方法が開示されている。
しかし、その効果は必ずしも期待通りで無いことや、工
業的に高価であることなどが問題として挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況下、
経時着色の無い高純度ピリジンを得る為に、簡単でしか
もエネルギーを多量に使用しない高純度ピリジンの製造
方法の確立が望まれていた。即ち本発明の目的は、煩雑
な手段を用いずに、ピリジンの精製を行なうことであ
る。
経時着色の無い高純度ピリジンを得る為に、簡単でしか
もエネルギーを多量に使用しない高純度ピリジンの製造
方法の確立が望まれていた。即ち本発明の目的は、煩雑
な手段を用いずに、ピリジンの精製を行なうことであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、経時着色
の無い高純度ピリジンを、工業的に有利に製造する方法
につき鋭意検討した結果、粗ピリジンを金属銅等ととも
に加熱処理することにより、かかる問題点を解決する方
法を見い出し、本発明を完成するに至った。
の無い高純度ピリジンを、工業的に有利に製造する方法
につき鋭意検討した結果、粗ピリジンを金属銅等ととも
に加熱処理することにより、かかる問題点を解決する方
法を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の第1は、ピリジンを主成
分とする粗ピリジンを金属銅及び/又は酸化銅とともに
加熱した後、蒸留精製することを特徴とするピリジンの
精製方法を提供する。本発明の第2は、粗ピリジン10
0重量部に対して、金属銅及び/又は酸化銅0.01〜
100重量部を加えて加熱することを特徴とする本発明
の第1記載のピリジンの精製方法を提供する。本発明の
第3は、金属銅及び/又は酸化銅が、粒状または粉末状
であることを特徴とする本発明の第1又は2に記載のピ
リジンの精製方法を提供する。本発明の第4は、加熱
を、液相で70〜110℃、1〜10時間行うことを特
徴とする本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のピリ
ジンの精製方法を提供する。本発明の第5は、加熱を、
気相で150〜400℃、10〜60秒間行うことを特
徴とする本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のピリ
ジンの精製方法を提供する。本発明の第6は、粗ピリジ
ンが、純度98重量%以上の純度を有するものである本
発明の第1〜5のいずれか1項に記載のピリジンの精製
方法を提供する。本発明の第7は、精製後のピリジン
の、6ヶ月保存後の着色度がAPHA25以下である本
発明の第1〜6のいずれか1項に記載のピリジンの精製
方法を提供する。
分とする粗ピリジンを金属銅及び/又は酸化銅とともに
加熱した後、蒸留精製することを特徴とするピリジンの
精製方法を提供する。本発明の第2は、粗ピリジン10
0重量部に対して、金属銅及び/又は酸化銅0.01〜
100重量部を加えて加熱することを特徴とする本発明
の第1記載のピリジンの精製方法を提供する。本発明の
第3は、金属銅及び/又は酸化銅が、粒状または粉末状
であることを特徴とする本発明の第1又は2に記載のピ
リジンの精製方法を提供する。本発明の第4は、加熱
を、液相で70〜110℃、1〜10時間行うことを特
徴とする本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のピリ
ジンの精製方法を提供する。本発明の第5は、加熱を、
気相で150〜400℃、10〜60秒間行うことを特
徴とする本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のピリ
ジンの精製方法を提供する。本発明の第6は、粗ピリジ
ンが、純度98重量%以上の純度を有するものである本
発明の第1〜5のいずれか1項に記載のピリジンの精製
方法を提供する。本発明の第7は、精製後のピリジン
の、6ヶ月保存後の着色度がAPHA25以下である本
発明の第1〜6のいずれか1項に記載のピリジンの精製
方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について具体
的に説明する。本発明の特徴は、粗ピリジンを金属銅及
び/又は酸化銅と共に加熱処理を行い、更に蒸留精製を
行なうことにより、経時着色を低減したピリジンを製造
することにある。
的に説明する。本発明の特徴は、粗ピリジンを金属銅及
び/又は酸化銅と共に加熱処理を行い、更に蒸留精製を
行なうことにより、経時着色を低減したピリジンを製造
することにある。
【0009】粗ピリジン 原料として使用する粗ピリジンは、例えば、蒸留等の操
作によって得た純度98重量%以上のピリジンである。
粗ピリジンの製造原料や製造方法には、特に制限はない
が、従来公知のアンモニアとアセトアルデヒド、ホルム
アルデヒドのようなアルデヒド又はそれらの混合物、あ
るいはアンモニアとオレフィン等との反応による合成法
によって製造されたもの、又は、コークス炉ガスもしく
はタール油からの回収法によっても製造されたもの等が
使用される。
作によって得た純度98重量%以上のピリジンである。
粗ピリジンの製造原料や製造方法には、特に制限はない
が、従来公知のアンモニアとアセトアルデヒド、ホルム
アルデヒドのようなアルデヒド又はそれらの混合物、あ
るいはアンモニアとオレフィン等との反応による合成法
によって製造されたもの、又は、コークス炉ガスもしく
はタール油からの回収法によっても製造されたもの等が
使用される。
【0010】金属銅及び酸化銅 本発明で使用する金属銅は、特に制限はないが、還元
銅、電気銅、ラネー銅等を用いてもよい。また、酸化銅
(CuOやCu2O等)も使用可能である。以下金属銅
及び/又は酸化銅を金属銅等という。金属銅等の添加量
は、粗ピリジン100重量部に対して0.01〜100
重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。金属銅
等の添加量が、0.1重量部未満では高沸点物化が遅く
なり、また、100重量部を超えると不経済になった
り、分離に手間がかかる。金属銅等の形状は、特に制限
はないが、ピリジン塩基との接触面積を多くする意味
で、線状、網状、箔状、多孔状でもよいが、粒状(ペレ
ット状も含む)ないし微細な粉末状が好ましい。粒状
(ペレット状も含む)ないし粉末状で使用する場合に
は、粒径が0.5〜10mm、好ましくは1〜3mmで
ある。
銅、電気銅、ラネー銅等を用いてもよい。また、酸化銅
(CuOやCu2O等)も使用可能である。以下金属銅
及び/又は酸化銅を金属銅等という。金属銅等の添加量
は、粗ピリジン100重量部に対して0.01〜100
重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。金属銅
等の添加量が、0.1重量部未満では高沸点物化が遅く
なり、また、100重量部を超えると不経済になった
り、分離に手間がかかる。金属銅等の形状は、特に制限
はないが、ピリジン塩基との接触面積を多くする意味
で、線状、網状、箔状、多孔状でもよいが、粒状(ペレ
ット状も含む)ないし微細な粉末状が好ましい。粒状
(ペレット状も含む)ないし粉末状で使用する場合に
は、粒径が0.5〜10mm、好ましくは1〜3mmで
ある。
【0011】加熱処理 ピリジンと金属銅等との共存加熱処理は、液相あるいは
気相の何れでも行なうことができる。液相法で処理する
には、金属銅等を充填したカラムに、粗ピリジンの液を
通過させて加熱処理したり、撹拌機を備えた槽型反応器
に粗ピリジンの液を供給し、金属銅等を加えて、加熱処
理することもできる。液相による処理温度は、高ければ
高い程、速やかに不純物の高沸化が行うことが出来る
が、通常液相で処理を行なう場合、70〜110℃、好
ましくは100〜110℃で処理を行なうとよい。処理
時間を長くするとその効果は増大するが、短時間でも効
果は発現する。工業的には1〜10時間程度の処理が現
実的であるが、本発明者は200時間の処理時間で更に
効果があることを見出している。液相法での金属銅等の
使用量は、粗ピリジン100重量部に対して0.01〜
100重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
気相の何れでも行なうことができる。液相法で処理する
には、金属銅等を充填したカラムに、粗ピリジンの液を
通過させて加熱処理したり、撹拌機を備えた槽型反応器
に粗ピリジンの液を供給し、金属銅等を加えて、加熱処
理することもできる。液相による処理温度は、高ければ
高い程、速やかに不純物の高沸化が行うことが出来る
が、通常液相で処理を行なう場合、70〜110℃、好
ましくは100〜110℃で処理を行なうとよい。処理
時間を長くするとその効果は増大するが、短時間でも効
果は発現する。工業的には1〜10時間程度の処理が現
実的であるが、本発明者は200時間の処理時間で更に
効果があることを見出している。液相法での金属銅等の
使用量は、粗ピリジン100重量部に対して0.01〜
100重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
【0012】気相法では、金属銅等を充填したカラム
に、粗ピリジンのガスを通過させて加熱処理して行う方
法などが挙げられる。気相で行なう場合、処理温度は1
50〜400℃、好ましくは200〜300℃である。
気相処理は、液相より高温で行うので、処理(接触)時
間は液相法の場合より短時間で行うことができる。例え
ば、銅ペレット(径2mm、長さ2mm)を充填したカ
ラムを通過させる場合には、粗ピリジンガスの接触時間
は、10〜60秒、好ましくは30〜50秒である。
に、粗ピリジンのガスを通過させて加熱処理して行う方
法などが挙げられる。気相で行なう場合、処理温度は1
50〜400℃、好ましくは200〜300℃である。
気相処理は、液相より高温で行うので、処理(接触)時
間は液相法の場合より短時間で行うことができる。例え
ば、銅ペレット(径2mm、長さ2mm)を充填したカ
ラムを通過させる場合には、粗ピリジンガスの接触時間
は、10〜60秒、好ましくは30〜50秒である。
【0013】ピリジンは、これら金属銅等と、加熱下に
接触すると、ピリジンには作用せず、ピリジン中の不純
物を選択的に高沸点物に変化させることができ、蒸留精
製により容易に不純物を除去することができる。尚、本
発明で使用する金属銅等が、粗ピリジンに含まれる経時
着色の原因不純物に、どの様に作用するかは不明であ
る。しかし、接触時間や接触温度を大きくすることで効
果が増大することや、銅処理液をバッチ蒸留装置で分留
すると、高沸点物に着色が観られることから、金属銅等
が不純物に対して触媒的に作用し、高沸点物化させてい
ると考えられる。
接触すると、ピリジンには作用せず、ピリジン中の不純
物を選択的に高沸点物に変化させることができ、蒸留精
製により容易に不純物を除去することができる。尚、本
発明で使用する金属銅等が、粗ピリジンに含まれる経時
着色の原因不純物に、どの様に作用するかは不明であ
る。しかし、接触時間や接触温度を大きくすることで効
果が増大することや、銅処理液をバッチ蒸留装置で分留
すると、高沸点物に着色が観られることから、金属銅等
が不純物に対して触媒的に作用し、高沸点物化させてい
ると考えられる。
【0014】蒸留 上記のようにして得られた処理液は、ピリジンを蒸留に
より回収し、高沸点物を蒸留釜残として除去すことこと
により、本発明の目的とする経時着色し難いピリジンを
得ることができる。この際、ピリジン留分より低沸点物
をカットして、製品とすることもできる。これら分解と
蒸留操作を組み合わせて、蒸留塔の内部に金属銅等を存
在させ、粗ピリジンを、いわゆる反応蒸留させることで
も、経時着色の少ない目的とするピリジンを得ることが
可能である。蒸留操作は、回分でも、連続で行ってもよ
い。低沸点物及び高沸点物の一部は、外に抜き出すこと
もできるし、残りを、金属銅等との加熱処理にリサイク
ルすることができる。
より回収し、高沸点物を蒸留釜残として除去すことこと
により、本発明の目的とする経時着色し難いピリジンを
得ることができる。この際、ピリジン留分より低沸点物
をカットして、製品とすることもできる。これら分解と
蒸留操作を組み合わせて、蒸留塔の内部に金属銅等を存
在させ、粗ピリジンを、いわゆる反応蒸留させることで
も、経時着色の少ない目的とするピリジンを得ることが
可能である。蒸留操作は、回分でも、連続で行ってもよ
い。低沸点物及び高沸点物の一部は、外に抜き出すこと
もできるし、残りを、金属銅等との加熱処理にリサイク
ルすることができる。
【0015】着色度 上記のようにして得られた精製ピリジンは、下記経時着
色試験により評価した。 経時着色試験:ピリジンの標品を白色ガラス瓶に入れ、
そのまま密栓し、室温下暗所に放置し、6ヶ月後に、ハ
ーゼン標準液と比色して、着色度を測定し、ハーゼン色
数(APHA)で表示した。得られた製品の、6ヶ月保
存後の着色度はAPHAで50以下、好ましくは30以
下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは20以
下である。
色試験により評価した。 経時着色試験:ピリジンの標品を白色ガラス瓶に入れ、
そのまま密栓し、室温下暗所に放置し、6ヶ月後に、ハ
ーゼン標準液と比色して、着色度を測定し、ハーゼン色
数(APHA)で表示した。得られた製品の、6ヶ月保
存後の着色度はAPHAで50以下、好ましくは30以
下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは20以
下である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】(実施例1)2リットルのガラス製丸底フ
ラスコに、コンデンサーと攪拌装置を取り付け、マント
ルヒーターで加温できる装置に、粗ピリジン(ピリジン
純度99.1%、APHA3、但し経時着色がAPHA
80以上である。)1,000gと、粒状の金属銅(1
mmφ、和光純薬製試薬)10gを共存させ、100℃
で、攪拌しながら8時間処理した。得られた処理液は黒
緑色となった。反応液から金属銅を除いた後、塔径50
mmφ、理論段数30段のガラス製蒸留塔を用いて、缶
液温度120℃、塔頂温度116℃、塔頂圧常圧で、処
理液のバッチ蒸留(還流比=20)を行い、低沸点物側
10重量%と高沸点物側10重量%を除去し、中間留分
のピリジン(純度99.6%)約800g(収率80重
量%)を得た。得られたピリジンの6ヶ月後の着色度
は、APHA15であった。
ラスコに、コンデンサーと攪拌装置を取り付け、マント
ルヒーターで加温できる装置に、粗ピリジン(ピリジン
純度99.1%、APHA3、但し経時着色がAPHA
80以上である。)1,000gと、粒状の金属銅(1
mmφ、和光純薬製試薬)10gを共存させ、100℃
で、攪拌しながら8時間処理した。得られた処理液は黒
緑色となった。反応液から金属銅を除いた後、塔径50
mmφ、理論段数30段のガラス製蒸留塔を用いて、缶
液温度120℃、塔頂温度116℃、塔頂圧常圧で、処
理液のバッチ蒸留(還流比=20)を行い、低沸点物側
10重量%と高沸点物側10重量%を除去し、中間留分
のピリジン(純度99.6%)約800g(収率80重
量%)を得た。得られたピリジンの6ヶ月後の着色度
は、APHA15であった。
【0018】(実施例2)金属銅との加熱処理時間を2
00時間にした以外は、実施例1と同様の条件で処理を
行い、中間留分のピリジン(純度99.8%。収率80
重量%)を得た。得られた中間留分のピリジンの6ヶ月
後の着色度は、APHA8であった。
00時間にした以外は、実施例1と同様の条件で処理を
行い、中間留分のピリジン(純度99.8%。収率80
重量%)を得た。得られた中間留分のピリジンの6ヶ月
後の着色度は、APHA8であった。
【0019】(比較例1)金属銅を使用しない以外は、
実施例1と同様の条件で処理を行い、中間留分のピリジ
ン(純度99.3%。収率80重量%)を得た。得られ
た中間留分のピリジンの6ヶ月後の着色度は、APHA
80であった。
実施例1と同様の条件で処理を行い、中間留分のピリジ
ン(純度99.3%。収率80重量%)を得た。得られ
た中間留分のピリジンの6ヶ月後の着色度は、APHA
80であった。
【0020】(比較例2)実施例1の金属銅を鉄粉(和
光純薬の試薬)とした以外は、実施例1と同様の条件で
処理を行い、中間留分のピリジン(純度99.3%。収
率80重量%)を得た。得られた中間留分のピリジンの
6ヶ月後の着色度は、APHA100であった。
光純薬の試薬)とした以外は、実施例1と同様の条件で
処理を行い、中間留分のピリジン(純度99.3%。収
率80重量%)を得た。得られた中間留分のピリジンの
6ヶ月後の着色度は、APHA100であった。
【0021】(実施例3)実施例1の金属銅を0.5g
に変えた外は、実施例1と同様の条件で処理を行い、得
られた中間留分のピリジン(純度99.6%。収率80
重量%)の経時着色テストを実施したところ、APHA
は45であった。
に変えた外は、実施例1と同様の条件で処理を行い、得
られた中間留分のピリジン(純度99.6%。収率80
重量%)の経時着色テストを実施したところ、APHA
は45であった。
【0022】(実施例4)実施例1の金属銅を300g
に変えた外は、実施例1と同様の条件で処理を行い、得
られた中間留分のピリジン(純度99.7%。収率80
重量%)の経時着色テストを実施したところ、APHA
は15であった。
に変えた外は、実施例1と同様の条件で処理を行い、得
られた中間留分のピリジン(純度99.7%。収率80
重量%)の経時着色テストを実施したところ、APHA
は15であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特別な化学処理
や紫外線処理操作を行うことなく、経時着色の少ないピ
リジンを得ることができるので工業的に極めて価値があ
る。
や紫外線処理操作を行うことなく、経時着色の少ないピ
リジンを得ることができるので工業的に極めて価値があ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 ピリジンを主成分とする粗ピリジンを金
属銅及び/又は酸化銅とともに加熱した後、蒸留精製す
ることを特徴とするピリジンの精製方法。 - 【請求項2】 粗ピリジン100重量部に対して、金属
銅及び/又は酸化銅0.01〜100重量部を加えて加
熱することを特徴とする請求項1記載のピリジンの精製
方法。 - 【請求項3】 金属銅及び/又は酸化銅が、粒状または
粉末状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
ピリジンの精製方法。 - 【請求項4】 加熱を、液相で70〜110℃、1〜1
0時間行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載のピリジンの精製方法。 - 【請求項5】 加熱を、気相で150〜400℃、10
〜60秒間行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載のピリジンの精製方法。 - 【請求項6】 粗ピリジンが、純度98重量%以上の純
度を有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記
載のピリジンの精製方法。 - 【請求項7】 精製後のピリジンの、6ヶ月保存後の着
色度がAPHA25以下である請求項1〜6のいずれか
1項に記載のピリジンの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000004753A JP2001199960A (ja) | 2000-01-13 | 2000-01-13 | ピリジンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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