JP2001190955A - 排ガス浄化用触媒成型体 - Google Patents

排ガス浄化用触媒成型体

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JP2001190955A JP2000002512A JP2000002512A JP2001190955A JP 2001190955 A JP2001190955 A JP 2001190955A JP 2000002512 A JP2000002512 A JP 2000002512A JP 2000002512 A JP2000002512 A JP 2000002512A JP 2001190955 A JP2001190955 A JP 2001190955A
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Hiroshi Nishigata
潟 博 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱衝撃性に優れ、機械的強度にも優れた排ガ
ス浄化用触媒成型体を提供する。 【解決手段】 [A](i)平均直径が3〜50nm、平均長
さが30〜10000nmの範囲にあり、かつ(ii)分子
式がAl23・1.05〜1.30H2Oで表される、繊維状ベー
マイトからなるアルミナ水和物から得られるアルミナ担
体に、[B]周期律表第IB族、IVA族、VA族、VIA族、VIIA
族、VIII族および希土類から選ばれる1種以上の元素ま
たはその化合物が担持されてなることを特徴とする排ガ
ス浄化用触媒成型体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、排ガス中の有害物質の除
去に用いられる触媒成型体に関し、詳しくは内燃機関ま
たはボイラー等の燃焼炉から排出される排ガス中に含ま
れる未燃炭化水素、一酸化炭素などの可燃性物質および
窒素酸化物等の有害物質を除去するための熱衝撃性に優
れた触媒成型体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】工場や発電所あるいは自動車等の
内燃機関から排出される排ガスには、未燃炭化水素、一
酸化炭素などの可燃性物質および窒素酸化物(NOX
等の有害物質が含まれている。これらの物質は、大気汚
染の原因となり、人体および環境に悪影響を及ぼすた
め、これらの物質を除去すべく種々の技術が実用化され
ている。
【0003】これらの技術のうち、触媒を用いて上記の
有害物質を酸化または還元し、無害化する方法が多く採
用されている。特に、工場、発電所などから排出される
排ガス中のNOXの除去に関しては、TiO2-V25
触媒を使用し、アンモニアを還元剤としてNOXを還元
し、除去する方法が採用されている。また、ガソリンエ
ンジン自動車の排ガス除去に関しては、Pt、Pdおよ
びRh等の貴金属元素をアルミナなどの耐熱性酸化物担
体に担持させた触媒を用いて、排ガス中の未燃炭化水素
や一酸化炭素を還元剤として、NOXを還元除去すると
同時に未燃炭化水素や一酸化炭素も除去する、いわゆる
三元触媒方式による排ガスを浄化する方法が行われてい
る。
【0004】さらに、近年、リーンバーンガソリンエン
ジンまたはディーゼルエンジン自動車の排ガスのような
酸素過剰雰囲気中で発生したNOXの除去方法として、
炭化水素を還元剤とし、Ag/アルミナ系触媒またはC
u/ゼオライト系触媒を用いる方法が試みられている。
ところで、上記のような排ガスの浄化に際して、一時に
大量の排ガスの処理を行うことが必要とされるが、排ガ
ス中に多量のダストが含まれていることがあり、このた
めに、通常の粒状触媒を用いたのでは、除去装置の圧力
損失が著しく大きくなったり、ダストが触媒粒子間に堆
積して運転中に急激な圧力損失が生じるなどの問題点が
あった。
【0005】このために、排ガス浄化用の触媒は、一般
に排ガスの流れ方向に対し、平行に貫通した多数の小孔
を有する、いわゆるハニカム状に成型したハニカム構造
体が用いられている。しかしながら、このようなハニカ
ム状構造体は、前記のTiO2-V25系触媒においては
容易に成型が可能であるものの、アルミナ担体に金属元
素を担持する触媒では、従来のアルミナ粉末をハニカム
状に成型することは実用的に困難であり、しかもこのよ
うな従来のアルミナからなるハニカム構造体は、高温で
の熱衝撃性に劣り、急激な温度変化にさらされると、ハ
ニカム構造体に亀裂が生じたり、崩壊するなどの問題点
があった。
【0006】そこで、従来のハニカム状の触媒成型体
は、まずコージェライト、ムライト等を用いてハニカム
構造体を成型し、このハニカム構造体の表面にバインダ
ーとしてアルミナ等を含む触媒成分を被覆する、いわゆ
るウォッシュコート法により製造された触媒成型体が用
いられている。しかしながら、このようなウォッシュコ
ート法は、触媒製造工程が複雑になるため触媒のコスト
が著しく高くなるという欠点があった。また、ハニカム
構造体表面に形成された触媒層部分とハニカム構造体と
の付着強度が弱いため、排ガス処理中に触媒層が剥離し
て排ガス中へこの剥離した触媒層が混入し、排ガス処理
設備の下流部分における閉塞という問題を引き起こすこ
ともあった。さらに、ハニカム構造材の開口部は一般に
小さいため、ウォッシュコートにより被覆される触媒層
の厚さは、通常数μmないし数百μmの範囲に限定され
てしまい、ハニカム構造体の単位外表面当たりの触媒量
が制限され、所望の触媒性能を満足させるためにはハニ
カム構造体の量を多くしなければならず、このハニカム
構造体に量に対応して反応容器が大きくなるという問題
点も有していた。
【0007】本発明者らは、以上のような問題点を解決
すべく鋭意検討した結果、特定の繊維状ベーマイトから
なるアルミナ水和物から得られるアルミナを用いれば、
容易にハニカム構造体などを成型することができること
を見出した。さらに、このハニカム構造体は高温での熱
衝撃性に優れ、急激な温度変化にさらされても亀裂が生
じたり、崩壊することがないので、これに触媒成分を担
持すれば従来のウオッシュコート法のような複雑な工程
を要することなく、容易に熱衝撃性に優れた触媒成型体
を製造することができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、熱衝撃性に優れ、機械的強度
にも優れた排ガス浄化用触媒成型体を提供することを目
的とする。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る排ガス浄化用触媒成型体
は、[A](i)平均直径が3〜50nm、平均長さが30〜
10000nmの範囲にあり、かつ(ii)分子式がAl2
3・1.05〜1.30H2Oで表される、繊維状ベーマイトを含
むアルミナ水和物から得られるアルミナ担体に、[B]周
期律表第IB族、IVA族、VA族、VIA族、VIIA族、VIII族
および希土類から選ばれる1種以上の元素またはその化
合物が担持されてなることを特徴としている。
【0010】前記アルミナ水和物は、(a)少なくとも部
分的に再水和性を有するρおよび/またはχ結晶構造を
示すアルミナ、または(b)該アルミナとベーマイトより
溶解度の高いアルミナとの混合物を酸および水分の共存
下で水熱処理することによって得られたものが好まし
い。
【0011】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る排ガス浄化用触
媒成型体について、詳細に説明する。本発明に係る排ガ
ス浄化用触媒成型体は、特定のアルミナ水和物から得ら
れるアルミナ担体に、触媒成分が担持されてなることを
特徴としている。
【0012】[アルミナ水和物]本発明で用いられるア
ルミナ水和物は、主として分子式がAl23・1.05〜1.3
0H2Oで表される繊維状ベーマイトからなる。アルミナ
の結晶水が1.05より少ないとベーマイトの形状が繊
維状から板状になる傾向にある。また、1.30を越え
ると得られるベーマイトが小さな繊維の凝集体となる。
この範囲外のベーマイトを用いて得られる成型体は、圧
縮強度が低下し、また細孔分布がブロードになることが
ある。
【0013】また、本発明で使用される繊維状ベーマイ
トの平均直径は、3〜50nm、平均長さは30〜10
000nmの範囲にある。このような繊維状ベーマイト
は、本発明では水に分散したゾル状として得られるが、
このゾルを乾燥すると繊維状ベーマイトが強固な三次元
網目構造を形成する。このため、この繊維状ベーマイト
を使用すると、熱衝撃性および機械的強度に優れ、さら
に乾燥時の収縮に起因するクラックの発生がない成型体
を得ることができる。
【0014】このような繊維状ベーマイトからなるアル
ミナ水和物は、たとえば、国際公開番号「WO97/32817」
号公報に記載された方法によって、調製することができ
る。具体的には、アルミナ原料の水懸濁液に、酸を加え
たのち90〜150℃の温度で水熱処理を行い、繊維状
ベーマイトが分散したアルミナゾルが調製される。以下
そのアルミナゾルの調製方法について説明する。
【0015】アルミナ原料 上記のような繊維状ベーマイトからなるアルミナ水和物
を得るためのアルミナ原料としては、少なくとも部分的
に再水和性を有するρおよび/またはχ結晶構造を示す
アルミナが用いられ、好ましくはギブサイト、バイヤラ
イト等のアルミナ三水和物を急速高温加熱により脱水し
て得られたもので、比表面積が200〜400m2/g
の範囲にあり、かつ部分的に再水和性を有するアルミナ
が用いられる。
【0016】また、アルミナ原料として、上記アルミナ
に、ギブサイト、バイヤライト、ノルストランダイト、
非晶質アルミナ水和物あるいはγ-アルミナ、η-アルミ
ナ、χ-アルミナなどの仮焼アルミナ等のように、水に
対する溶解度が、得られるベーマイトの溶解度より高い
アルミナから選ばれる1種または2種以上を混合したも
のを用いることもできる。
【0017】反応液中の原料アルミナの濃度としては、
特に制限されるものではないが、本発明の調製法によれ
ば、得られるアルミナゾルのアルミナ濃度が低濃度のア
ルミナゾルはもとより、約15重量%から60重量%の
範囲のような高濃度のアルミナゾルを調製することがで
きる。その結果、高濃度のアルミナゾルを調製した場合
には、濃度調整操作を行うことなく得られたゾルをその
まま押出成型などの成型工程に供給してもよい。このよ
うな高濃度のアルミナゾルを成型すれば、従来のアルミ
ナ粉末を用いたときに、ハニカム成型体の問題点であっ
た成型性、乾燥時の収縮割れ、機械的強度の不足などが
解消することができる。
【0018】 添加される酸の種類としては、硝酸、塩酸、フッ化水素
酸などのハロゲン化水素酸等の無機の一塩基酸、または
蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪族モノカルボ
ン酸が挙げられ、さらには上記酸のアルミニウム塩も用
いることができる。
【0019】酸の添加量は、反応液中の原料アルミナを
aモルとし、酸をbモルとし、水をcモルとしたとき、
次の関係式から導かれるk値が0.0001〜0.2の範
囲になるように調整されることが好ましい。 k=(b/a)×(b/c) このk値は酸の種類によって多少異なり、硝酸、塩酸な
どの無機一塩基酸の場合には、0.0001〜0.01、
好ましくは0.0005〜0.005の範囲であり、蟻
酸、酢酸などの低級脂肪族モノカルボン酸の場合には
0.002〜0.2、好ましくは0.005〜0.05の範
囲から選ばれる。k値が上記の値より小さくなると、生
成するベーマイトは繊維状から薄片状または板状にな
り、結晶水の値が1.05よりも少なくなる。またk値
が大きいと、生成ベーマイトは短い繊維の凝集物とな
り、結晶水の値が増加する。そして、これらのベーマイ
トを用いて得られる成型体は、機械的強度が弱くなる。
【0020】水熱処理 水熱処理の条件は、90〜150℃の範囲から選ばれ
る。水熱処理温度が90℃より低くなると長時間の反応
時間を要することになるので、生産性の面で好ましくな
い。また、水熱処理温度が150℃を越えると、昇温の
途中で粘度が上昇し、温度分布が不均一となり均質なア
ルミナゾルが得られないことがある。一般的に水熱処理
温度が高いと、得られるベーマイトは太く、短い繊維状
となり、水熱処理温度が低いと、得られるベーマイトは
細く、長い繊維状となる。
【0021】上記繊維状ベーマイトの直径と長さは、得
られるアルミナ成型体の細孔構造とも密接に関係してい
る。すなわち、短い繊維のベーマイトから得られるアル
ミナ成型体の細孔容積は小さく、長い繊維の場合は細孔
容積が大きい。また、細い繊維のベーマイトから得られ
るアルミナ成型体の比表面積は大きく、太い繊維の場合
は比表面積が小さい。
【0022】[排ガス浄化用触媒成型体の作製]本発明
に係る排ガス浄化用触媒成型体は、上記のような繊維状
ベーマイトからなるアルミナ水和物から得られアルミナ
を担体とするもので、所望の形状に成型されたアルミナ
成型体に所望の触媒成分を担持してなる。アルミナ成型
体の形状としては、円柱状、円筒状、球状、ハニカム
状、シート状など、特に制限されるものではないが、ハ
ニカム構造体が、触媒成分の担持量が大きく、また排ガ
スとの接触面積が大きいので処理能力が高くなるため、
好ましい。ハニカム構造体の形状としては円柱型、四角
柱型、六角柱型など適用する排気系の構造に応じて適宜
に選択できる。また、ハニカム構造体の開孔部の形状
は、特に制限はなく、円形、四角形、六角形など任意の
形状でよい。さらに開孔部の孔数についても処理すべき
排ガスの種類、ガス流量、圧力損失あるいは除去効率な
どを考慮して適正な孔数が決められるが、通常は1平方
インチ当たり20〜800個程度が適当である。
【0023】本発明で用いられる触媒成分としては、周
期律表第IB族、IVA族、VA族、VIA族、VIIA族、VIII族
および希土類から選ばれる1種以上の主として金属また
はその化合物などが挙げられる。具体的には、Cu,A
gなどの周期律表第IB族の金属、Ti,ZrなどのIVA
族の金属、VなどのVA族の金属、Mo,WなどのVIA族
の金属、MnなどのVIIA族の金属元素、Fe,Co,N
i,Pd,Pt,RhなどのVIII族の金属およびLa,
Ceなどの希土類から選ばれる1種または2種以上の元
素、またはこれら元素の酸化物などの化合物が挙げられ
る。また、これらの触媒成分の触媒成型体中における担
持量は、対象とする排ガスの種類によって異なるが、触
媒成分として触媒成型体当たり0.1〜20重量%の範
囲から選ばれる。
【0024】本発明に係る触媒成型体の調製法として
は、 前記アルミナ水和物をハニカム状に成型したのち触媒
成分を含浸法などで担持する 前記アルミナ水和物と触媒成分とを混合し、この混合
物をハニカム状に成型する などの方法がある。
【0025】このうち、のアルミナ水和物を用いてハ
ニカム状に成型したのち触媒成分を担持する方法が望ま
しい。そこで、アルミナ水和物を用いてハニカム状に成
型したのち触媒成分を含浸させる方法について説明す
る。本発明ではアルミナ水和物は、水に分散したゾルと
して得られるので、このゾルを乾燥してキセロゲルと
し、これを粉砕したのち、ハニカム状に成型してもよい
が、特に次のような方法が好適に用いられる。
【0026】第一の方法は、得られたアルミナゾルにア
ンモニアなどのアルカリ性物質を添加し、三次元網目構
造を有するヒドロゲルとしたのちこのヒドロゲルをハニ
カム状に成型する。第二の方法は、得られたアルミナゾ
ルを濃縮するか、押出成型などに成型し得るアルミナ濃
度のゾルを直接調製し、これらのゾルを直接成型する。
【0027】第三の方法は、第二の方法で得られた成型
体を、アンモニアなどのアルカリ性物質に接触させ、ア
ルミナゾルを三次元網目構造を有するヒドロゲルへ転換
する。上記第一〜三の方法において、成型時のヒドロゲ
ルまたはゾルの水分濃度は、45〜60重量%の範囲が
好ましい。
【0028】上記のような方法で得られた成型体は、次
いで乾燥されたのち、500〜600℃の温度で焼成さ
れ、主としてγ-アルミナからなるハニカム状成型体が
得られる。上記のような方法で得られたアルミナ成型体
に触媒成分を含浸し、乾燥、焼成すれば目的の触媒成型
体が得られる。含浸法としては、従来から用いられてい
る方法が採用される。すなわち、触媒成分金属の硝酸塩
などが所定の濃度に調製された水溶液にアルミナ成型体
を浸漬したのち乾燥し、所定温度で焼成すればよい。
【0029】このようにアルミナ成型体に触媒成分を担
持しても、成型体の熱衝撃性および機械的強度が変わる
ことはない。このような本発明に係る排ガス浄化用触媒
成型体では、特定の繊維状ベーマイトを用いてアルミナ
担体を調製し、これに触媒成分を担持するので熱衝撃性
おいび機械的強度に優れている。また、従来のような複
雑な製造工程を経る必要もなく、製造コストを低減でき
る。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る排ガス浄化用触媒成型体
は、特定の繊維状ベーマイトからなるアルミナ水和物か
ら得らるアルミナを担体とするものである。このアルミ
ナからなる成型体は熱衝撃性および機械的強度に優れて
いることから、これに触媒成分を担持することにより、
熱衝撃性および機械的強度に優れた触媒成型体を得るこ
とができる。
【0031】また、本発明に係る触媒成型体は、従来の
触媒成型体に比較して特に低温での窒素酸化物除去性能
が優れている。さらに、本発明で用いられる特定の繊維
状ベーマイトからなるアルミナ水和物は、多量のバイン
ダーなどを用いることなく容易にハニカム構造体などの
成型体を成型することができる。そのために、製造コス
トが高い従来のウオッシュコート法のような複雑な製造
工程を経て触媒成型体を製造する必要がないので、経済
的にも優れた触媒成型体を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0033】
【実施例1】アルミナ水和物の調製 担体となるアルミナ水和物を国際公開公報WO 97/32817
号の実施例1に基づき調製した。すなわち、純水1,016m
l に酢酸を56g加え、次いでρおよび/またはχー結晶構
造を示すアルミナ(Al2O3として94重量%)を128g添加し
た。この混合物をオートクレーブに入れ、98℃で360時
間保持し、さらに125℃に昇温して48時間保持して水熱
処理を行った。得られたアルミナゾルにアンモニア水を
加えてヒドロゲルへ転化した。このヒドロゲルを乾燥し
て繊維状ベーマイトを得た。
【0034】得られた繊維状ベーマイトの平均直径は
4.5nmであり、平均長さは2000nmであった。
また、ベーマイトの分子式はAl2O3・1.18H2Oであった。ハニカム構造体の作製 上記で得られた繊維状ベーマイトにバインダーとしてカ
ルボキシメチルセルロース(CMC)をアルミナに対し
て10重量%加え、さらに純水を加えて、充分混練した
のち、ハニカム成型器で成型し、80℃で8日間乾燥し
た。これを50℃/時間の昇温速度で600℃まで昇温して焼
成し、10時間保持した後室温まで5時間かけて放冷し
て、ガス流通セル(貫通孔)数:1平方インチ当たり400
個、直径33mm、長さ76mmのハニカム構造体を製造した。
【0035】得られたハニカム構造体について、熱衝撃
性試験を行った。まず、所定の温度(200、400、
700、1100℃)に保持されたマッフル炉中に試料
を挿入し、炉中の試料の急加熱による変化を観察した。
マッフル炉中の試料をその温度で0.5時間保持したの
ち試料を取り出し、直ちに常温空気が平均流速1m/sec
で流れるガラス管中に移して急冷し、試料の急冷による
変化を観察した。
【0036】結果を表1に示す。
【0037】
【比較例1】市販のベーマイトにバインダーとしてカル
ボキシメチルセルロースをアルミナに対して10重量%
加えた以外は、実施例1と同様の方法でハニカム構造体
を作製し、実施例1と同様の条件で熱衝撃性試験を行っ
た。結果を表1に示す。なお、700℃および1000
℃での急冷試験は、急加熱により崩壊したので行わなか
った。
【0038】
【実施例2】実施例1で得られたハニカム構造体(1
7.5g)を、0.514mol/Lの硝酸銀水溶液に5分間
浸漬した。次いでこれを110℃で5時間乾燥し、60
0℃で4時間焼成することにより、ハニカム構造体当た
り0.87g(約5重量%)のAgが担持されたハニカ
ム状触媒成型体を製造した。
【0039】この触媒成型体について、実施例1と同様
の条件で熱衝撃性試験を行ったが、いずれも急熱、急冷
による変化は認められなかった。次に、この触媒成型体
を流通式固定床反応器に充填し、次の条件で窒素酸化物
除去試験を行った。 反応ガス組成:NO=800ppm, O2=10%, SO2=80ppm,H
2O=10%, C1124=462ppm, He=balance 反応温度:300〜600℃ 空間速度:20,000 h-1 各反応温度における窒素酸化物除去率を表2に示す。
【0040】
【比較例2】市販のγ-アルミナ100gに、0.514
mol/Lの硝酸銀水溶液200mlを加え、混合しながら
水分を蒸発乾固したのち450℃で2時間焼成した。得
られた焼成物を湿式粉砕して水性スラリーを得た。この
スラリーに実施例1と同じ形状と大きさのコージェライ
ト質ハニカム構造体を浸漬し、スラリーから引き上げて
余分のスラリーを空気を吹き付けて除去したのち、11
0℃で乾燥後600℃1.5時間焼成することにより、
ハニカム構造体当たり0.87gのAgが担持されたハ
ニカム状触媒成型体を製造した。
【0041】次に、この触媒成型体を流通式固定床反応
器に充填し、実施例1と同じ条件で窒素酸化物除去試験
を行った。各反応温度における窒素酸化物除去率を表2
に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/38 B01J 23/70 A 23/70 32/00 32/00 C04B 30/02 C04B 30/02 C01F 7/02 D // C01F 7/02 B01D 53/36 104B (72)発明者 宮 川 秀 生 新潟県新津市滝谷本町1−26 日揮化学株 式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AA13 AA18 BA03X BA03Y BA07Y BA08Y BA18Y BA19Y BA20Y BA21Y BA22Y BA23Y BA24Y BA25Y BA26Y BA27Y BA28Y BA29Y BA34X BA34Y BA35Y BA37Y BA38Y BA41X BA41Y BB02 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BB04A BB04B BC30A BC32B BC38A BC49A BC53A BC57A BC61A BC65A CA02 CA03 CA13 CA14 CA15 DA06 EA19 EC22X EC22Y FC04 4G076 AA02 AB02 AB06 BA12 BA25 BA47 BD02 CA07 CA11 DA01 FA06 FA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](i)平均直径が3〜50nm、平均長さ
    が30〜10000nmの範囲にあり、かつ(ii)分子式
    がAl23・1.05〜1.30H2Oで表される、繊維状ベーマ
    イトからなるアルミナ水和物から得られるアルミナ担体
    に、 [B]周期律表第IB族、IVA族、VA族、VIA族、VIIA族、VI
    II族および希土類から選ばれる1種以上の元素またはそ
    の化合物が担持されてなることを特徴とする排ガス浄化
    用触媒成型体。
  2. 【請求項2】前記アルミナ水和物が、 (a)少なくとも部分的に再水和性を有するρおよび/ま
    たはχ結晶構造を示すアルミナ、または (b)該アルミナとベーマイトより溶解度の高いアルミナ
    との混合物を酸および水分の共存下で水熱処理すること
    によって得られたものであることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス浄化用触媒成型体。
JP2000002512A 2000-01-11 2000-01-11 排ガス浄化用触媒成型体 Expired - Lifetime JP4540785B2 (ja)

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