JP2013082596A - アルミナ多層多孔質体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゾルゲル法で作製されるアスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)が50〜5000の範囲内にあるアルミナナノファイバーの集積体からなる多孔質アルミナ層と、空隙層とが交互に積層してなることを特徴とするアルミナ多層多孔質体。
【選択図】図3
Description
そこで本発明は、多孔質のアルミナ層と層状の空隙層が交互に積層してなるもので、コーティング膜および自立膜として使用可能な強度を有するアルミナ多層多孔質体およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)ゾルゲル法で作製されるアスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)が50〜5000の範囲内にあるアルミナナノファイバーの集積体からなる多孔質アルミナ層と、空隙層とが交互に積層してなることを特徴とするアルミナ多層多孔質体;
(2)前記多孔質アルミナ層の間隔が10〜500nmであることを特徴とする、(1)に記載のアルミナ多層多孔質体;
(3)前記アルミナナノファイバーがベーマイト又は擬ベーマイトを含むことを特徴とする、(1)に記載のアルミナ多層多孔質体;
(4)前記アルミナナノファイバーは、平均繊維幅が2〜20nmであり、かつ、平均繊維長が100〜10,000nmであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体;
(5)前記アルミナナノファイバーの結晶系が、擬ベーマイト、ベーマイト、γ-アルミナ、θ-アルミナ又はα-アルミナから選ばれる少なくとも1種である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体;
(6)平均繊維幅が2〜20nmであり、平均繊維長が100〜10000nmであり、かつ、アスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナナノファイバーゾルに塩基性化合物を混合し、得られた混合物を支持体の上に塗布して乾燥することにより得られることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法;
(7)前記アルミナナノファイバーは、平均繊維幅が2〜20nmであり、かつ、平均繊維長が100〜10000nmであることを特徴とする、(6)に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法;
(8)前記塩基性物質の添加量がAl原子に対し0.02〜1mol%であることを特徴とする、(6)又は(7)に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法;並びに
(9)前記アルミナナノファイバーゾルは、加水分解性アルミニウム化合物を加水分解し、次いで解膠することにより調製されることを特徴とする、(6)〜(8)のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法;
を提供するものである。
本発明によるアルミナ多層多孔質体の製造方法は、平均繊維幅が2〜20nm、平均繊維長が100〜10,000nmであり、平均アスペクト比が50〜5000であるアルミナナノファイバーが分散しているアルミナゾルに塩基性化合物を混合し、得られた混合物を支持体の上に塗布して乾燥することにより得られることを特徴とするものである。
<条件>管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:250mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:10°/min、発散スリット:0.5°、散乱スリット:0.5°、受光スリット:0.30mm
本発明によるアルミナ(ベーマイト)多層多孔質膜は、熱処理することにより、多層多孔質構造並びに光物性等、基本的性質を保持したままで熱的および化学的により安定なγ-アルミナ→δ、θ-アルミナ→α-アルミナへと容易に相変化させることができ、また、いずれの場合でも層状構造を保持することができる。
TEM観察:FEI−TECNAI−G20(200kV)
SEM観察に際して、多層多孔質体の断面を作製するために下記の処理を行った。
多層多孔質体を5mm以下の切片に切出し、Siウェハー片の上に試料、適量のエポキシ樹脂、カバーガラス片の順に乗せ熱硬化(130℃、1hr)させて固定した。樹脂包埋したサンプル片を、ハンディラップ(日本電子製:HLA-2000)を用いて断面が平滑になるまで予備研磨し、さらにイオンミリング装置(株)日立ハイテクノロジーズ製:E-3500)を用いて断面加工を行った。加工条件は加速電圧3〜6kV、放電電圧4kV、ステージコントロール1〜4、加工時間は3〜6hr処理した。得られた試料片をSEM観察((株)日立ハイテクノロジーズ製:S4800)に使用した。
熱伝導率は下記式より算出した。
熱伝導率=熱拡散率×密度×比熱
熱拡散率測定:周期加熱法熱拡散率測定装置(FTC−19)アルバック理工株式会社製
密度測定:AccuPyc1330(島津製作所社製)
比熱測定:Thermo plus EVO(株式会社リガク)
光反射率測定:CARY5000(Varian社製)
フラスコに、イオン交換水300g、酢酸6.2g(0.1mol)を取り、撹拌しながら液温を75℃に上昇させた。これに、アルミニウムイソプロポキシド68g(0.34mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させたのち、反応液をオートクレーブに移し、120℃で、3時間反応を行った。反応液を、40℃以下に冷却し、反応を終了した。得られたアルミナ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、表1の実施例1に示す寸法を有するアルミナナノファイバーが分散してなるアルミナゾルが得られた。実施例1で得られた繊維状アルミナ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を図1に示す。
酢酸量、イソプロピルアルコール留出後の反応温度、及び反応時間を変化させたことを除き、実施例1と同様にして、表1に示す各種寸法を有するアルミナゾルを作製した。
実施例1〜4と比較例2で作製した自立膜の厚さ方向の熱伝導率を算出した結果を表1に示す。
また、実施例及び比較例で作製した自立膜の光反射率を図4に示す。
実施例4で作製した多層多孔質膜を400℃、1000℃、1200℃で空気中で5時間焼成した。XRDで結晶系を確認した結果、γ-アルミナ(400℃)、θ-アルミナ(1000℃)、α-アルミナ(1200℃)であった。また空隙層の厚さをSEMで測定した結果、400℃処理膜は50−200nm、1000℃処理膜は30−150nm、1200℃処理膜は30−150nmであり、いずれも層状構造を保持していた。
Claims (9)
- ゾルゲル法で作製されるアスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)が50〜5000の範囲内にあるアルミナナノファイバーの集積体からなる多孔質アルミナ層と、空隙層とが交互に積層してなることを特徴とするアルミナ多層多孔質体。
- 前記多孔質アルミナ層の間隔が10〜500nmであることを特徴とする、請求項1に記載のアルミナ多層多孔質体。
- 前記アルミナナノファイバーがベーマイト又は擬ベーマイトを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアルミナ多層多孔質体。
- 前記アルミナナノファイバーは、平均繊維幅が2〜20nmであり、かつ、平均繊維長が100〜10,000nmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体。
- 前記アルミナナノファイバーの結晶系が、擬ベーマイト、ベーマイト、γ-アルミナ、θ-アルミナ又はα-アルミナから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体。
- 平均繊維幅が2〜20nmであり、平均繊維長が100〜10000nmであり、かつ、アスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナナノファイバーゾルに塩基性化合物を混合し、得られた混合物を支持体の上に塗布して乾燥することにより得られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法。
- 前記アルミナナノファイバーは、平均繊維幅が2〜20nmであり、かつ、平均繊維長が100〜10000nmであることを特徴とする、請求項6に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法。
- 前記塩基性物質の添加量がAl原子に対し0.02〜1mol%であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法。
- 前記アルミナナノファイバーゾルは、加水分解性アルミニウム化合物を加水分解し、次いで解膠することにより調製されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載のアルミナ多層多孔質体の製造方法。
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