JP5303695B2 - アルミナ多孔質自立膜及びその製造方法 - Google Patents

アルミナ多孔質自立膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミナ多孔質自立膜及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、大きなアスペクト比を有する繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜及びその製造方法に関するものである。本発明は、配向性が有り、細孔分布が狭いマイクロ孔を有し、高い透明性と熱安定性を保持し、かつ紫外線励起による発光能を併せ持つことができる、例えば、光学材料、センサー素子、分離膜、光電気化学膜、イオン伝導膜、触媒担体などの材料として利用可能な新しいアルミナ多孔質自立膜を提供するものである。
近年、液晶、有機ELなどのディスプレーや、電子機器配線基盤のフレキシブル化により、柔軟性、透明性、高耐熱性、可撓性を有する独立したフィルムやシートなどの高性能の自立膜が求められている。プラスチックなどの有機フィルムは、柔軟性や透明性に優れている反面、例えば、耐熱性が低い、という欠点を有している。また、薄板のガラスなどは、耐熱性、透明性が優れているものの、厚さ0.4mm程度までの薄板しかできないため、軽量化、柔軟性の面で限界がある、という問題を有している。
一方、アルミナは、優れた電気絶縁性と、熱伝導性を兼ね揃えていることから、高耐熱性、柔軟性を有する独立したフィルムや、シート用の素材の一つとして、その将来性が高く期待されている。擬ベーマイト多孔質自立膜を、適当な条件で焼成することにより、各種のアルミナ多孔質自立膜を得ることができる。
擬ベーマイト自立膜については、先行技術として、例えば、径が10nm以下で、長さが200nm以下の擬ベーマイト結晶からなる透明性が高いアルミナゾル、及び当該アルミナゾルから得られる擬ベーマイト膜、が提案されている(特許文献1)。
また、他の先行技術として、水溶性無機アルミニウム塩又は有機アルミニウム化合物を加水分解し、酸性溶液中で加温して得られるゲル状のベーマイトに、水溶性バインダーを添加してシート化し、乾燥、焼成することにより得られる透明なアルミナ薄膜、が提案されている(特許文献2)。
また、他の先行技術として、酸化アルミニウム超微粒子ゾルと、分子の両端に分子の両端に極性基及び疎水基がそれぞれ付加された両親媒性化合物を含有する展開液を支持体上に展開した後、形成された液膜から溶媒を除去することにより得られる結晶配向性を有している酸化アルミニウム複合薄膜、が提案されている(特許文献3)。
また、他の先行技術として、アルミニウム板をオートクレーブ中で水酸化ナトリウム水溶液と水熱反応させてアルミニウム板上に膜を生成させ、自然剥離させることにより得られる1辺の長さが少なくともmm単位の長さを有する、ベーマイト自立膜、が提案されている(特許文献4)。
これらの先行技術のうち、上記特許文献1では、短径が約10nm、長径が約100nmである針状の擬ベーマイト粒子を含有するゾルを合成し、また、バインダーとしてポリビニルアルコールの混合液を使用して、フィルムを作製し、また、反りの有無を観察している。しかし、合成した擬ベーマイトゾルのみから作製したフィルムについては、反りの有無などは、観察していない。
また、上記方法で作製された、短径が約10nm、長径が約100nmである針状の擬ベーマイト粒子からなるフィルムは、可撓性が十分なものではなく、また、この文献には、ポリビニルアルコールなど、バインダーとして使用される水溶性高分子を含まないアルミナゾルのみから作製した擬ベーマイトフィルムの可撓性については、何も記載されていない。
上記特許文献2に開示されているベーマイトからなる薄膜は、水溶性バインダーを必須の構成要素としている。そのため、この種の薄膜は、水溶性バインダーの混入を嫌う用途には、使用し難く、水溶性バインダーとして例示されている有機化合物を使用した場合、得られる膜の耐熱性が低く、焼成により有機物を除去すると、平坦な膜が得られない、などの問題を有している。
この文献には、水溶性無機アルミニウム塩又は有機アルミニウム化合物を加水分解し、酸性溶液中で加温して得られるゲル状のベーマイトのみから得られる薄膜、及び焼成したアルミナ薄膜の透明性、可撓性などについては、何も記載されていない。
また、水溶性無機アルミニウム塩又は有機アルミニウム化合物を加水分解し、酸性溶液中で加温して得られるゲル状のベーマイトから作製された膜であっても、ベーマイト粒子の諸特性によっては、透明で、可撓性を有する薄膜が得られないことがある。
上記特許文献3に開示されている酸化アルミニウム複合薄膜は、分子の両端に極性基及び疎水基がそれぞれ付加された両親媒性化合物を必須の構成要素としている。しかし、この両親媒性化合物は、特殊な構造を有しており、容易に入手できる物ではないので、工業的なアルミナ薄膜製造方法としては十分ではない。
また、この種の複合薄膜は、有機化合物を使用しているため、得られる膜の耐熱性が低く、焼成により有機物を除去すると、平坦な膜が得られない、などの問題も有している。また、酸化アルミニウム微粒子の諸特性によっては、透明で、可撓性を有する薄膜が得られないことがある。更に、得られる酸化アルミニウム複合薄膜は、白色不透明であり、可撓性も十分なものではない。
上記特許文献4には、ベーマイト自立膜の製造方法が開示されているが、この種の方法は、膜厚の調整が困難であり、アルミニウム基板からの膜の剥離が困難であり、特殊な装置内で膜合成を行う必要があり、縦、横が5cm以上などの広い面積を有する自立膜を製造し難い、などの問題点を有している。また、この種の方法で得られるベーマイト粒子の諸特性によっては、透明で、可撓性を有するベーマイト自立膜が得られないことがある。
特開昭59−78925号公報 特開昭60−235719号公報 特開平5−238728号公報 特開2005−89260号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、自立膜として利用可能な十分な強度を有し、可撓性があり、高い透明性を有し、かつクラックの発生がないアルミナ自立膜を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、特定の性状及び構造を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積から膜を構成することにより、配向性が有り、細孔分布が狭いマイクロ孔ないしメソ孔を有し、高い透明性と熱安定性を保持し、かつ紫外線励起による発光能を併せ持つことができる新規なアルミナ多孔質自立膜となることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は、自立膜として利用可能な十分な強度を有し、可撓性があり、配向性、耐熱性があり、高い透明性を有し、かつ紫外線励起による発光能を併せ持つことができるアルミナ多孔質自立膜を提供することを目的するものである。また、本発明は、短径が2〜5nm、長径が100〜10000nmであり、かつアスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナ水和物粒子が分散しているアルミナゾルを用いて、特殊な装置や過酷な条件を必要とせずに、100cm×100cm程度の大面積のアルミナ多孔質自立膜を製造することを可能とするアルミナ多孔質自立膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明の構成は、以下の技術的手段から構成される。
(1)アスペクト比(長径/短径)が30〜5000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜であって、
以下の特性;配向性:有り、細孔分布:細孔を有し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線をMP法ないしBJH法により解析して得られた細孔分布曲線において、ピークットップを示す細孔直径dpeak=0.5〜20nm、透光度:全光線透過率>20%(膜厚0.1〜100μm)、耐熱性:〜1000℃焼成で膜構造を維持する、を有することを特徴とするアルミナ多孔質自立膜。
(2)アルミナ水和物粒子が、無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である、前記(1)に記載のアルミナ多孔質自立膜。
(3)アルミナ粒子の結晶系が、γ、θ、又はαから選ばれる少なくとも1種である、前記(1)に記載のアルミナ多孔質自立膜。
(4)アルミナ多孔質自立膜の厚さが、0超〜1000μmである、前記(1)から(3)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(5)アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の短径が、1〜10nmで、長径が、100〜10000nmである、前記(1)から(4)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(6)アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子のアスペクト比が、100〜3000である、前記(1)から(5)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(7)アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の長径が、700〜7000nmである、前記(1)から(6)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(8)ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種のアルミナ水和物粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜であって、X線回折において、結晶子面(020)と結晶子面(120)の回折強度比d(020)/d(120)が5以上であることを特徴とする結晶配向性を有する、前記(1)から(7)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(9)無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種のアルミナ水和物粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜であって、支持体から剥離直後の状態で、100μm以下の膜厚において、JIS K5600−5−1にもとづいた耐屈曲性試験を行った場合、円筒形マンドレルの直径が2mm以上でクラックの発生がない、前記(1)から(7)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(10)無定形、ベーマイト、擬ベーマイト、γ−アルミナ、又はθ−アルミナから選ばれる少なくとも1種のアルミナ多孔質自立膜であって、紫外線照射により発光する、前記(1)から(7)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(11)波長365nmの紫外線を照射した場合、波長400nm〜700nmの範囲で発光する、前記(10)に記載のアルミナ多孔質自立膜。
(12)主としてθ−アルミナからなるアルミナ多孔質自立膜であって、〜1000℃焼成でも膜構造を維持している、前記(1)から(7)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
(13)前記(1)から(7)のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜を製造する方法であって、短径が2〜5nm、長径が100〜10000nmであり、かつアスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナ水和物粒子が分散している水性アルミナゾルを支持体に塗布し、乾燥後、支持体を除去すること、あるいは、支持体を除去し、加熱、焼成することを特徴とするアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
(14)アルミナ水和物粒子が、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である、前記(13)に記載のアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
(15)アルミナゾルが、アルミニウムアルコキシドを加水分解、解膠することにより得られたものである、前記(13)又は(14)に記載のアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、アスペクト比(長径/短径)が30〜5000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜であって、次のような特性;配向性:有り、細孔分布:マイクロ孔ないしメソ孔を有し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線をMP法ないしBJH法により解析して得られた細孔分布曲線において、ピークットップを示す細孔直径dpeakが0.5〜20nm、透光度:全光線透過率>20%(膜厚0.1〜100μm)、耐熱性:〜1000℃焼成で膜構造を維持する、を有することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記のアルミナ多孔質自立膜を作製する方法であって、短径が2〜5nm、長径が100〜10000nmであり、かつアスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナ水和物粒子が分散しているアルミナゾルを、支持体に塗布し、乾燥後、支持体を除去し、必要に応じて、更に、加熱、焼成することを特徴とするものである。
本発明のアルミナ多孔質自立膜について説明すると、本発明のアルミナ多孔質自立膜は、アスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状の特定の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積から構成される。本発明において、アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積とは、アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子が、膜の平面方向にその長軸方向の全部ないし一部を揃えて積み重なって形成される集積であることを意味する。この場合、膜の作製条件により、粒子の長軸方向をほぼ揃えて積み重なって形成される集積と、長軸方向がランダムな形態に積み重なって形成される集積が得られる。また、本発明において、アルミナ多孔質自立膜の多孔質とは、繊維状もしくは針状の粒子と粒子とで形成される空隙により多孔質構造を有していることを意味する。
本発明のアルミナ多孔質自立膜を構成するアルミナ水和物粒子は、好適には、無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種であり、更に好適には、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である。ベーマイトは、組成式Al・nHO(n=1〜1.5)で表されるアルミナ水和物の結晶である。また、擬ベーマイトは、ベーマイトのコロイド状凝集体を指している。
本発明のアルミナ多孔質自立膜を構成するアルミナ水和物粒子は、無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である。この場合、これらの中から選ばれる無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトの1種、あるいは2種以上である場合があり得る。本発明では、上記アルミナ水和物粒子を、350℃以下、特に、100℃〜300℃、すなわち、100℃〜300℃の範囲内の特定温度で加熱処理することにより、ベーマイト又は擬ベーマイトのアルミナ水和物粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜が得られる。100℃〜300℃の範囲の温度で、焼成処理後に、0.4nm〜20nmの間に細孔分布極大を示すアルミナ多孔質自立膜が得られる。
本発明のアルミナ多孔質自立膜を構成するアルミナ粒子の結晶系は、好適には、γ、θ、又はαから選ばれる少なくとも1種であり、更に好適には、γ、θから選ばれる少なくとも1種である。この場合、これらの中から選ばれるγ、θ、又はαの1種、あるいは2種以上である場合があり得る。本発明のアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜は、アルミナ水和物粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜を、加熱焼成することにより得られる。
本発明では、アルミナ水和物粒子を250℃〜750℃の範囲の温度で焼成処理することで、発光現象を示すアルミナ多孔質自立膜が得られ、356nmの紫外線を照射した場合、波長400nm〜700nmの範囲で発光する。また、アルミナ水和物粒子を400〜900℃の範囲の温度で焼成処理することにより、主としてγ−アルミナ粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜が得られ、また、アルミナ水和物粒子を900〜1100℃の範囲の温度で焼成処理することにより、主としてθ−アルミナ粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜が得られる。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、長径/短径のアスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなり、好適には、該アスペクト比が100〜3000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなる。アスペクト比が30未満の柱状、板状などの粒子形状の場合は、乾燥途中で、微細化し、アルミナ多孔質自立膜を得ることが困難となり、また、自立膜が得られたとしても、可撓性を有する膜が得られない。アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子のアスペクト比が5000を超える場合は、多大な製造時間を要することから、好ましくない。
塗付加工に好適で、かつ高い透明性を有するアルミナ多孔質自立膜を得るためには、アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子は、その短径が1nm以上で10nm以下であることが好ましい。アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の短径が1nm未満である場合は、アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子は、凝集し易くなり、それにより、粘度が増大するため、塗付加工が難しくなるので、好ましくない。
十分な可撓性や強度を有するアルミナ多孔質自立膜を得るためには、アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の長径が、100nm以上で10000nm以下の範囲であることが好ましく、700nmで7000nm以下の範囲であることが更に好ましい。この場合、長径は、これらの範囲のいずれか1種の特定の値をとることができる。アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の長径が、10000nmを超える場合は、多大な製造時間を要することになるので、好ましくない。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、配向性を有している。アルミナの熱伝導性、電気伝導性などの諸物性に適合する膜の異方性を利用する場合には、アルミナ多孔質自立膜としては、アルミナ水和物粒子を100〜300℃の範囲の温度で焼成して得られるベーマイト又は擬ベーマイト粒子が集積しているアルミナ多孔質自立膜において、X線回折によるd(020)/d(120)回折強度比が5以上である、結晶配向性を有するものであることが好ましい。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、細孔を有し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線から、マイクロ孔ないしメソ孔依存のヒステリシスとして、MP法ないしBJH法により解析して得られた細孔分布曲線において、ピークットップを示す細孔直径dpeakが、0.5〜20nmである細孔分布を有する。MP法とは、吸着等温線からマイクロ孔容積、マイクロ孔面積及びマイクロ孔の分布などを求める方法である(文献:R.S.Mikhail,S.Brunauer,E.E.Bodor,J.Colloid Interface Sci.,26,45(1968))。また、BJH法とは、吸着等温線からメソ孔容積、メソ孔表面積及びメソ孔の分布などを求める方法である(文献:E.P.Barrett,L.G.Joyner,P.P.Halenda,J.Am.Chem.Soc.,
73,373(1951))。
ここで、マイクロ孔とは、直径が2nm未満の細孔を、また、メソ孔とは、直径が2nm以上50nm未満の細孔を意味している。細孔分布曲線とは、固体粉末などの細孔径の分布割合を示す曲線をいい、その細孔径と細孔容積の関係を示すものである。
本発明におけるアルミナ多孔質自立膜の細孔分布曲線は、細孔直径をdp、細孔容積をVpとした場合に、横軸がdpの値であり、縦軸がdVp/ddp、すなわち、細孔容積Vpを細孔直径dpで微分した値であるグラフにおいて、複数のプロット又はそれらのプロット間を補完して作成された曲線を示し、アルミナ多孔質自立膜において、それぞれの細孔直径を有する細孔がどのように分布しているかを示すものである。
細孔分布曲線のピークトップとは、dVp/ddpの極大値をいう。本発明のアルミナ多孔質自立膜は、細孔分布が狭いマイクロ孔ないしメソ孔から構成されているので、物質透過性や吸着特性に高い選択性を示し、ガスなどの分離膜や触媒担体として有用である。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、0.1〜100μmの範囲の膜厚において、全光線透過率が20%以上である透明性を有し、好適には、全光線透過率が50%以上である。この全光線透過率は、膜厚によって相違することから、本発明では、0.1〜100μmの膜厚を基準として規定した。また、本発明のアルミナ多孔質自立膜の厚さは、0超〜1000μmの範囲である。ここで、0超〜1000μmとは、厚さが0を上回る値で、かつ1000μm以下の範囲の特定の値であることを意味している。
本発明の無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種のアルミナ水和物粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜は、自立膜として十分な強度と可撓性を有するために、支持体から剥離直後の状態で、100μm以下の膜厚において、JIS K5600−5−1にもとづいた耐屈曲性試験を行った場合、円筒形マンドレルの直径が2mm以上でクラックの発生がないものであることが好ましい。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、例えば、250〜750℃の範囲の温度で焼成して作製した場合、紫外線照射により発光し、特に、波長365nmの紫外線を照射した場合、波長400nm〜700nmの範囲で発光する。本発明のアルミナ多孔質自立膜は、〜1000℃焼成、すなわち、1000℃まで加熱焼成して作製しても膜構造を維持している。〜1000℃焼成、すなわち、1000℃まで加熱焼成して得られるアルミナ多孔質自立膜は、主としてθ−アルミナ粒子が集積したものである。また、本発明のアルミナ多孔質自立膜によれば、水溶性高分子又は界面活性剤を含まなくても、前記した可撓性、透明性を有する膜とすることが可能である。
次に、本発明のアルミナ多孔質自立膜の製造方法について説明する。本発明のアルミナ多孔質自立膜は、短径が2〜5nm、アスペクト比が30〜5000、かつ長径が100〜10000nmである繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子が分散している水性アルミナゾルを、撥水性の支持体に塗布し、乾燥後、支持体から剥離させること、あるいは支持体から剥離させ、加熱、焼成することにより作製することができる。前記の水性アルミナゾルは、加水分解性アルミニウム化合物を、加水分解し、酸性下で解膠することにより製造することができる。
加水分解性アルミニウム化合物の種類、及び加水分解や解膠の条件を、適宜選択することにより、無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトであるアルミナ水和物粒子からなる水性アルミナゾルを製造することができる。アルミナ水和物粒子の結晶系としては、ベーマイト又は擬ベーマイトが好ましいものとして挙げられる。
加水分解性アルミニウム化合物には、各種の無機アルミニウム化合物、及び有機性の基を有するアルミニウム化合物が包含される。無機アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムなどの無機酸の塩、アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩、水酸化アルミニウムなどが例示される。
有機性の基を有するアルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、環状アルミニウムオリゴマー、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート、アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物などが例示される。
これらの化合物のうち、適度な加水分解性を有し、副生成物の除去が容易であることなどから、アルミニウムアルコキシドが好ましく、炭素数2〜5のアルコキシル基を有するものが特に好ましい。水の量は、水性ベーマイトゾル中の繊維状のベーマイト又は擬ベーマイト粒子の濃度が、0.1〜20質量%になるように調整することが好ましく、更に好ましくは、0.5〜10質量%になるように調整する。
水性ベーマイトゾル中の繊維状のベーマイト又は擬ベーマイト粒子の濃度が、0.1質量%以下の場合は、乾燥に多大な時間を要し、20質量%以上の場合は、分散液の粘度が高くなり、均一な膜が得られ難い面があるので、好ましくない。前記の水性アルミナゾルには、目的とするアルミナ多孔質自立膜の性状に悪影響を及ぼさない範囲で、アルコール、ケトン、エーテル、水溶性高分子などを添加することが可能である。
所定量の水と、これに加水分解性アルミニウム化合物を添加後、80〜170℃の範囲の温度で、0.5〜10時間加熱し、好ましくは100〜150℃の範囲の温度で、1〜5時間加熱し、水熱処理する。85℃未満の場合は、加水分解に長時間を必要とし、また、170℃を超える温度で実施しても、加水分解速度の増大は僅かであり、高耐圧容器などを必要とし、経済的に不利であるので、好ましくない。0.5時間未満の場合は、温度調節が難しく、また、10時間を超えて加熱しても、工程時間が長くなるだけであるので、好ましくない。
次に、加水分解により得られたアルミナスラリーを、特定量の酸の存在下で加熱することにより解膠する。共存させる酸としては、塩酸、硝酸、蟻酸、酢酸などの一価の酸が好ましく、酢酸が特に好ましい。酢酸の共存量は、加水分解性アルミニウム化合物に対して、0.1〜2モル倍であり、好ましくは0.3〜1.5モル倍である。
酸の共存量が0.1モル倍未満の場合は、解膠が十分進行せず、目的とする平均短径が1〜10nm、平均長径が100〜10000nm、かつ平均アスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子が分散している水性アルミナゾルを得ることができない。酸の共存量が2モル倍を超える場合は、経時安定性が低下するので、好ましくない。
本発明のアルミナ多孔質自立膜の製造において、使用する繊維状アルミナ分散液のpHは、2.5〜4であることが好適であるが、分散液のpHを、中性もしくはアルカリ性にしても、アルミナ多孔質自立膜を得ることができる。この場合、pH調整試薬として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、又はアンモニア、又はエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、尿素などの有機アミン類など、が使用可能である。無機水酸化物、炭酸塩などは、焼成後も元素が残存してしまうことから好ましくなく、好ましくは有機アミン類である。更に、アルミナ多孔質膜が形成される過程で、アンモニア、有機アミンなど、塩基性物質が発生する場合は、この種の調整剤の添加は特に必要としないので、pH調整用添加物は、特にとらわれるものではなく、特に規定されるものではない。
また、水性アルミナゾルの粘度が高い場合、液中に気泡を含むため、脱気処理が必要となる。脱気方法として、減圧処理、遠心処理などを利用することにより、気泡を取り除くことができる。脱気処理した水性擬アルミナゾルを、支持体に塗布し、分散媒を除去し、乾燥する。
支持体としては、各種のプラスチックを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルジアセテートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリプロピレンなどが例示される。撥水性を有する支持体の場合、室温で、容易に剥離して、自立膜を得ることができることから、支持体としては、撥水性の材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン材料などの撥水性を有する支持体を用いることが好ましい。
水性擬アルミナゾルの粘度、所望する膜の形状、大きさにより、各種の一般的な塗布方法を採用することができる。塗布方法としては、例えば、流涎法、ドクターブレードコート法、ナイフコート法、バーコート法などが挙げられる。分散媒を除去する方法として、蒸発法が好ましい。10〜100℃の範囲の温度の恒温室内で、10分〜5時間程度乾燥することにより、本発明のアルミナ多孔質自立膜が得られる。
本発明のアルミナ多孔質自立膜の膜の厚さは、分散媒中のアルミナ粒子量により容易に調節が可能である。得られる膜の厚さが、0.1〜100μmの範囲のアルミナ多孔質自立膜を作製可能であり、膜の面積は、100cm×100cmのような大面積の膜も作製することが可能である。また、これを切断して、膜の形状を変えることも適宜可能である。
本発明のアルミナ多孔質自立膜を構成する繊維状もしくは針状のアルミナ粒子について、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、内部に空隙が認められた。膜を作製した後、この空隙に、溶媒に溶解させた樹脂もしくは樹脂前躯体を挿入し、溶媒を除去もしくは硬化させることにより、樹脂含有の繊維状もしくは針状のアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜を作製することができる。
本発明のアルミナ水和物粒子からなる自立膜を、電気炉などで、100〜1500℃の範囲の温度で加熱、焼成することにより、繊維状もしくは針状の形状を有するγ、θ、又はα−アルミナからなるアルミナ多孔質自立膜を得ることができる。
本発明のアルミナ多孔質自立膜は、膜特性として、アスペクト比:100〜3000、マイクロ孔ないしメソ孔を有し、細孔分布:dpeak=0.5〜20nm、透光度が全光線率>20%、結晶配向性:有り(特に、ベーマイト又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種からなる自立膜では、X線回折によるd(020)/d(120)回折強度比が5以上)、可撓性(無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種からなる自立膜で、支持体から剥離直後のもの):R=2mm(JIS K5600−5−1に基づく耐屈曲性試験)でクラックの発生がない、耐熱性:〜1000℃焼成で膜構造を維持する(主としてθ−アルミナからなる自立膜)、紫外線励起による発光:有り(250℃〜750℃の範囲の温度で焼成した場合)、を有していることで特徴付けられる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、自立膜として利用可能な十分な強度を有し、可撓性があり、マイクロ孔ないしメソ孔を有し、クラックの発生がなく、かつ高い透明性を有することができるアルミナ多孔質自立膜を提供することができる。
(2)本発明のアルミナ多孔質自立膜は、可撓性があるので、加工し易く、フレキシブル性を要求されるアルミナ薄膜材料の前駆体及び高結晶性アルミナ多孔質自立膜として有用である。
(3)本発明のアルミナ多孔質自立膜は、高度に配向したベーマイト又は擬ベーマイトなどの繊維状もしくは針状のアルミナ粒子から構成されているので、本発明のアルミナ多孔質自立膜は、水溶性バインダーや界面活性剤を含有しなくても、高い可撓性、透明性、配向性などを有する。
(4)本発明は、アルミナ自立膜の前駆体として利用可能な、あるいは、優れた熱安定性、熱伝導性、電気絶縁性などを併せ持つ、光学材料、センサー素子、分離膜、光電気化学膜、イオン伝導膜、触媒担体などの材料として利用可能な新しいアルミナ多孔質自立膜を提供するものとして有用である。
次に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、自立膜を構成する粒子の同定は、X線回折測定で行った。X線回折測定は、回折角2θが10〜90°で測定した。繊維状擬ベーマイト粒子の平均長径及び平均短径、及び、アスペクト比は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
繊維状擬ベーマイト粒子などの特定結晶面の強度比は、X線回折装置を使用し、擬ベーマイト粒子の(020)結晶面と(120)結晶面の回折ピークの強度比として示した。自立膜の全光線透過率は、濁度計により測定した。
自立膜の可撓性は、乾燥直後の膜を、JIS K5600−5−1にしたがって、円筒形マンドレル屈曲試験器により評価した。
測定装置については、以下の装置を使用した。
・X線回折装置(Mac.Sci.MXP−18、管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:250mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:10°/min、発散スリット:0.5°、散乱スリット:0.5°、受光スリット:0.30mm)
・透過型電子顕微鏡(FEI−TECNAI−G20)
・濁度計(日本電色工業(株)製、NDH5000)
・円筒形マンドレル屈曲試験器BD−2000(コーテック(株)製)
500mlの四つ口フラスコに、イオン交換水300g取り、撹拌しながら、液温を75℃に上昇させた。これに、アルミニウムイソポロポキシド34g(0.17mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させながら、液温を95℃まで上昇させた。反応液を、電磁撹拌式のオートクレーブに移し、これに、酢酸3.1g(0.051mol)加え、撹拌しながら、150℃で、6時間反応を行った。
反応液を、40℃以下に冷却し、反応を終了した。反応液中の固形分濃度は、2.8質量%であった。得られたアルミナ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、平均短径が4nm、平均長径が3000nm、平均アスペクト比が750の繊維状アルミナ粒子であった。図1に、本実施例で作製した、アルミナ多孔質自立膜としてのベーマイト自立膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
得られた繊維状アルミナ粒子分散液(固形分:2.8質量%)92g、及びイオン交換水64gを、プラスチック製容器に入れ、20分間激しく振とうした。この分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(300mm×280mm×10mm)に流し込み、送風式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。これにより、縦300mm、横280mm、厚さ10μmの均一な自立膜を得た。この膜の全光線透過率は、69%であった。
このベーマイト自立膜のX線回折図を、図2に示す。結晶系は、ベーマイトであり、14.5°付近の(020)面ピーク及び28.5°付近の(120)面ピーク強度比は、(020)/(120)=25であった。この自立膜の可撓性を測定した結果、マンドレル径2〜32mmでも、膜には、クラックは認められなかった。
500mlの四つ口フラスコに、イオン交換水300g取り、撹拌しながら、液温を75℃に上昇させた。これに、アルミニウムイソポロポキシド64g(0.34mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させながら、液温を98℃まで上昇させた。反応液を、電磁撹拌式のオートクレーブに移し、酢酸10.2g(0.17mol)加え、撹拌しながら、160℃で、3時間反応を行った。
反応液を、40℃以下に冷却し、反応を終了した。反応液中の固形分濃度は、4.8質量%であった。得られたアルミナ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、平均短径が2nm、平均長径が2000nm、平均アスペクト比が1000の繊維状アルミナ粒子であった。
この繊維状アルミナ粒子分散液(固形分:5質量%)11g、及びイオン交換水9gを、プラスチック製容器に入れ、20分間激しく振とうした。この分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風式オーブン内で、40℃、3時間乾燥することにより、縦80mm、横80mm、厚さ50μmの均一な自立膜を得た。この自立膜の全光線透過率を測定した結果、91%であった。
結晶系は、ベーマイトであり、14.5°付近のピーク(020)面及び28.5°付近の(120)面ピーク強度比は、(020)/(120)=15であった。この自立膜の可撓性を測定した結果、マンドレル径2〜32mmでも、膜には、クラックは認められなかった。
実施例2と同様な操作で調製したベーマイト自立膜を、電気炉で、300℃、600℃、1000℃で、5時間焼成した。得られた自立膜は、粉化することなく、膜構造を維持しており、各温度処理後の結晶系は、ベーマイト(300℃)、γ(600℃)、θ(1000℃)であった。図3に、各温度で焼成して作製したアルミナ多孔質自立膜の写真を示す。左から、300℃、600℃、1000℃で、各々、5時間焼成して作製した自立膜である。図4に、アルミナ多孔質自立膜の細孔分布曲線を示す。図5に、本発明のアルミナ多孔質自立膜に、波長365nmの紫外線を照射した場合の発光の様子を示す。
実施例1で調製した繊維状アルミナゾル8g(pH3.5)を、アンモニア水でpH7に調整した。得られた分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風機式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。これにより、縦80mm、横80mm、厚さ20μmの均一な自立膜を得ることができた。この膜の全光線透過率は、60%であった。
得られた膜の結晶系は、ベーマイトであり、14.5°付近の(020)面ピーク及び28.5°付近のピーク(120)面ピーク強度比は、(020)/(120)=23であった。
実施例1で調製した繊維状アルミナゾル15gを、アンモニア水でpH10に調整した。得られた分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風機式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。これにより、縦80mm、横80mm、厚さ30μmの均一な自立膜を得ることができた。この膜の全光線透過率は、40%であった。
得られた膜の結晶系は、ベーマイトであり、14.5°付近の(020)面ピーク及び28.5°付近のピーク(120)面ピーク強度比は、(020)/(120)=26であった。
比較例1
(アスペクト比が10未満の柱状ベーマイトからなる膜)
500mlの四つ口フラスコに、イオン交換水300g取り、撹拌しながら、液温を75℃に上昇させた。これに、アルミニウムイソポロポキシド64g(0.34mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させながら、液温を98℃まで上昇させた。反応液を、電磁撹拌式のオートクレーブに移し、酢酸9.38g(0.156mol)加え、撹拌しながら、180℃で、5時間反応を行った。
反応液を、40℃以下に冷却し、反応を終了した。反応液中の固形分濃度は、4.8質量%であった。得られたアルミナ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、平均短径が10nm、平均長径が50nm、平均アスペクト比が5の柱状アルミナ粒子であった。
この柱状アルミナ粒子分散液(固形分:4.8質量%)12g及びイオン交換水8gを、プラスチック製容器に入れ、20分間激しく振とうした。この分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。しかし、得られた膜は、クラックが入るため、膜の大きさは、大きいもので5mm×5mm程度であり、十分利用できる大きさの自立膜を得ることができなかった。
比較例2
(水溶性バインダーPVA添加;ゾル中のアルミナ固形分:PVA=1:1質量比)
比較例1と同様な条件で得られた柱状アルミナ粒子分散液(固形分:4.8質量%)12g、及び10%ポリビニルアルコール(平均重合度900〜1100、完全けん化型:和光純薬工業(株))水溶液5.7gを、プラスチック製容器に入れ、20分間激しく振とうした。この分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。
この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。しかし、得られた膜は、乾燥中にクラックが入り、十分利用できる大きさの自立膜を得ることができなかった。
比較例3
(無定形アルミナゾルを使用した場合)
市販の無定形アルミナゾル(日産化学工業品:AS−200)(固形分:10質量%)6g、及びイオン交換水8gを、プラスチック製容器に入れ、20分間激しく振とうした。この分散液を、遠心機で脱気することにより、均一な分散液を得た。この分散液を、テフロン(登録商標)コートした容器(80mm×80mm×10mm)に流し込み、送風式オーブン内で、40℃、3時間乾燥した。しかし、得られた膜は、クラックが入るため、十分利用できる大きさの自立膜を得ることができなかった。
以上詳述したように、本発明は、アルミナ多孔質自立膜及びその製造方法に係るものであり、本発明により、可撓性及び透明性を有し、加工し易く、フレキシブル性を要求されるアルミナ薄膜材料又はその前駆体として有用であるアルミナ多孔質自立膜を提供することができる。本発明のアルミナ多孔質自立膜は、高度に配向したベーマイト又は擬ベーマイトなどのアルミナ結晶などから構成されているので、本発明のアルミナ多孔質自立膜は、水溶性バインダーや界面活性剤を含有しなくても、高い可撓性、透明性、結晶配向性を有する。本発明は、アルミナ自立膜の前駆体として利用可能な、あるいは、優れた熱安定性、熱伝導性、電気絶縁性などを併せ持つ、光学材料、センサー素子、分離膜、光電気化学膜、イオン伝導膜、触媒担体などの材料として利用可能な新しいアルミナ多孔質自立膜を提供するものとして有用である。
実施例1で作製したアルミナ多孔質自立膜としての擬ベーマイト自立膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。 実施例1で作製したアルミナ多孔質自立膜としての擬ベーマイト自立膜のX線回折図を示す。 実施例3で作製したアルミナ多孔質自立膜の写真を示す。左から、300℃、600℃、1000℃で各5時間焼成することにより作製した自立膜である。 アルミナ多孔質自立膜の細孔分布曲線(dp:細孔直径、Vp:細孔容積)である。 本発明のアルミナ多孔質自立膜に、波長365nmの紫外線を照射した場合の発光の様子を示す。

Claims (15)

  1. アスペクト比(長径/短径)が30〜5000である繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の集積からなるアルミナ多孔質自立膜であって、
    以下の特性;配向性:有り、細孔分布:細孔を有し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線をMP法ないしBJH法により解析して得られた細孔分布曲線において、ピークットップを示す細孔直径dpeak=0.5〜20nm、透光度:全光線透過率>20%(膜厚0.1〜100μm)、耐熱性:〜1000℃焼成で膜構造を維持する、を有することを特徴とするアルミナ多孔質自立膜。
  2. アルミナ水和物粒子が、無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のアルミナ多孔質自立膜。
  3. アルミナ粒子の結晶系が、γ、θ、又はαから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のアルミナ多孔質自立膜。
  4. アルミナ多孔質自立膜の厚さが、0超〜1000μmである、請求項1から3のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  5. アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の短径が、1〜10nmで、長径が、100〜10000nmである、請求項1から4のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  6. アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子のアスペクト比が、100〜3000である、請求項1から5のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  7. アルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子の長径が、700〜7000nmである、請求項1から6のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  8. ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種のアルミナ水和物粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜であって、X線回折において、結晶子面(020)と結晶子面(120)の回折強度比d(020)/d(120)が5以上であることを特徴とする結晶配向性を有する、請求項1から7のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  9. 無定形、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種のアルミナ水和物粒子が集積したアルミナ多孔質自立膜であって、支持体から剥離直後の状態で、100μm以下の膜厚において、JIS K5600−5−1にもとづいた耐屈曲性試験を行った場合、円筒形マンドレルの直径が2mm以上でクラックの発生がない、請求項1から7のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  10. 無定形、ベーマイト、擬ベーマイト、γ−アルミナ、又はθ−アルミナから選ばれる少なくとも1種のアルミナ多孔質自立膜であって、紫外線照射により発光する、請求項1から7のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  11. 波長365nmの紫外線を照射した場合、波長400nm〜700nmの範囲で発光する、請求項10に記載のアルミナ多孔質自立膜。
  12. 主としてθ−アルミナからなるアルミナ多孔質自立膜であって、〜1000℃焼成でも膜構造を維持している、請求項1から7のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜。
  13. 請求項1から7のいずれかに記載のアルミナ多孔質自立膜を製造する方法であって、短径が2〜5nm、長径が100〜10000nmであり、かつアスペクト比が30〜5000である繊維状もしくは針状のアルミナ水和物粒子が分散している水性アルミナゾルを支持体に塗布し、乾燥後、支持体を除去すること、あるいは、支持体を除去し、加熱、焼成することを特徴とするアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
  14. アルミナ水和物粒子が、ベーマイト、又は擬ベーマイトから選ばれる少なくとも1種である、請求項13に記載のアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
  15. アルミナゾルが、アルミニウムアルコキシドを加水分解、解膠することにより得られたものである、請求項13又は14に記載のアルミナ多孔質自立膜の製造方法。
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