JP2001181414A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2001181414A
JP2001181414A JP37180599A JP37180599A JP2001181414A JP 2001181414 A JP2001181414 A JP 2001181414A JP 37180599 A JP37180599 A JP 37180599A JP 37180599 A JP37180599 A JP 37180599A JP 2001181414 A JP2001181414 A JP 2001181414A
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Seiji Kuroda
誠二 黒田
Masayuki Shibata
雅之 柴田
Toshihisa Ishihara
稔久 石原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ネックインやサージング現象が生じ難く、耐
傷性に優れ、ブリードが少なく、折り曲げた際の白化が
発生しにくく、且つ熱成形性及び耐候性、透明性にも優
れた化粧シートを提供することを課題とする。 【解決手段】 エチレン含有量が1〜4重量%のエチレ
ン・プロピレンランダム共重合体;75〜96重量%、
MFRが1〜10g/10分でQ値が25以上の低密度
ポリエチレン;2〜15重量%、エチレンと下記式
(1)で示される環状アミノビニル化合物との共重合
体;2〜10重量%を含有するポリオレフィン系樹脂組
成物からなり、MFRが2〜10g/10分、190℃
におけるスウェル比が1.2〜1.4であるポリオレフ
ィン系樹脂材料によりシートを形成し、装飾処理を施し
て化粧シートを得る。 (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又
はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧シートに関し、
特に、建築物の内装、建具の表面化粧、車輛内装等に用
いるのに適した化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような用途に用いる化粧シ
ートとしては、ポリ塩化ビニルフィルムを使用し、これ
に印刷、エンボス加工等で装飾した化粧シート(特公昭
58−14312号公報等)が用いられてきたが、近
年、これに代わるものとして、(I)ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系フィルムを使用した
化粧シートが提案され(特開平2−128843号公報
参照)、(II)更に、(I)の改良仕様として、極性官
能基をグラフト重合させたポリオレフィン系樹脂に、オ
レフィン系エラストマーを混合させたもの(特開平6−
210808号公報)、或いは、ポリオレフィン系樹脂
に相溶化剤を用いてポリウレタン樹脂を混合させたもの
(特開平7−26038号公報等)、等も提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、提案されてい
る上記のようなポリオレフィン系樹脂シートを用いた化
粧シートは必ずしも満足できるものではない。すなわ
ち、建築物の内外装用、建具・家具等の表面化粧用、車
輛内装用等に用いる表面化粧シートには、通常、下記
(1)〜(10)のような機能が要求される。
【0004】(1)ポリ塩化ビニル並みの熱成形性。特
に、温度変化にともなう一定荷重時伸度の変化がポリ塩
化ビニルとほぼ同等の緩やかで連続的に変化すること。
また、加熱から冷却への過程にともなって、強度低下等
の材料力学的特性の劣化が生じないこと。
【0005】(2)耐クリープ変形性。外装材や内装材に
は建具や家具による定荷重が長時間かけられる場合が多
く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれたり剥
がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じない材
料であることが求められる。 (3)耐寒折り曲げ強度。寒冷時にVカット加工による折
り曲げ加工を行うと応力緩和が不十分な場合は、折り曲
げ部に白化、亀裂、破断等が生じ易くなる。
【0006】(4)耐有機溶剤性。化粧シートと被着体を
接着する接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤・変形
するのを防止する。多層構造の化粧シートを得る場合も
同様である。 (5)破断時伸度、耐衝撃強度。Vカット加工等による折
り曲げ加工の際、折り曲げ部の亀裂を防止するために、
この特性を求められる。(6)適度な曲げ弾性率を持つ。
曲げ加工部での化粧シートの追従性が十分であるために
は必要とされる。
【0007】(7)表面シートの透明性が良好。 (8)エンボス加工等にともなう加熱と冷却が加わって
も、再結晶による白化、濁りを生じない。 (9)易接着性。特に基材シートの場合は、化粧シートの
使用時に広範囲の接着剤を用いて容易に各種被着体に接
着出来ることが要望される。 (10)耐候性に優れる。
【0008】前記した前記(I)の仕様の化粧シート
は、工業的に量産が難しく、かつ、ポリオレフィン系樹
脂は結晶化度が高いため等の理由から、ポリ塩化ビニル
樹脂に比べて融点前後の物性の変化が急峻であり、従来
汎用のポリ塩化ビニルシートに比べ加工可能な条件範囲
が狭い欠点を有しており、上記の条件の内、特に、
(1)、(5)〜(10)の条件を十分には満足できないものであ
った。(II)の仕様のものは、オレフィン系エラストマ
ーを混合させたことにより、(1)、(5)、(6)の条件は改
善され、熱成形性、エンボス加工性等は向上したが、透
明性、耐候性、及び耐熱性では不十分なものであった。
【0009】最近、オレフィン系樹脂を用いた従来の化
粧シートの持つ上記のような不都合を解消することを目
的として、オレフィン系樹脂を用いながらポリ塩化ビニ
ル系樹脂を用いた化粧シートと同等の熱成形性及び耐候
性、透明性を持つ化粧シートを提供することに成功し
た。具体的には、主原料がポリプロピレン、エラストマ
ー、着色剤、及び無機充填剤からなる基材シートとして
の着色フィルム上に、表面シートとして、アイソタクチ
ックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混
合系からなる分子が複合立体構造を有する無色又は着色
透明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層し、そ
して、必要に応じて基材シート又は表面シートのいずれ
か又は両方に模様を施してなる化粧シートである。(特
開平11−221889)しかし、提案されている上記
のようなポリオレフィン系樹脂シートを用いた化粧シー
トでさえも完全には満足できるものではない。すなわ
ち、建築物の内外装用、建具・家具等の表面化粧用、車
輛内装用等に用いる表面化粧シートには、さらに、下記
(11)〜(12)のような機能が要求される。
【0010】(11)生産性が良いこと。具体的にはネック
インやサージング現象が生じ難いこと。 (12)長期使用中の塗膜とポリオレフィン系樹脂シートと
の密着強度が低下しないこと。すなわち、通常は化粧シ
ートの耐擦傷性向上、艶調整等のため、該化粧シート表
面に2液硬化型ポリウレタン等の樹脂からなる上塗り塗
膜層(OP;OverPaint varnishとも言う)を形成する
ことが多い。一方、化粧シートの耐候性を付与せしめる
ため、通常、化粧シートの少なくとも最表面側のポリオ
レフィン系樹脂シートには、耐候安定剤(光安定剤)、
紫外線吸収剤を添加するが、これら耐候安定剤などは一
般のポリオレフィン系樹脂との相溶性が悪く、長期使用
中にシート表面にブリードし、該ブリードした耐候安定
剤等が離型剤の如く作用して上記上塗り塗膜層とシート
との密着性を低下せしめる。
【0011】本発明は、オレフィン系樹脂を用いた従来
の化粧シートの持つ上記のような不都合を解消すること
を目的としており、製造工程においてはネックインやサ
ージング現象が生じ難い、物性として耐傷性に優れ、経
時・耐熱促進試験及び耐候促進試験における耐候安定剤
などのブリードが少なくそれによって上塗り塗膜層(=
OP層)の密着性の低下などが起きないということ、及
び折り曲げた際の白化が発生しにくいことを特徴とする
化粧シートを提供することを課題とする。また、オレフ
ィン系樹脂を用いながらポリ塩化ビニル系樹脂を用いた
化粧シートと同等以上の熱成形性及び耐候性、透明性を
持つ化粧シートを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく多くの実験と研究を行うことにより、化
粧シートを単層シートでも良いし、あるいは少なくと
も、基材シートとそこに積層する表面シートの2層構造
とし、それぞれのシートに前記した化粧シートに求めら
れる諸条件を分担して持たせることにより、実用性の高
いオレフィン系樹脂化粧シートが得られることを知見
し、本発明をなすに至った。
【0013】すなわち、本発明は、以下の成分(a)、
(b)及び(c)を含有するポリオレフィン系樹脂組成
物からなり、230℃におけるMFRが2〜10g/1
0分であって且つ190℃におけるスウェル比が1.2
0〜1.40であるポリオレフィン系樹脂材料により形
成されるシートであって、装飾処理を施してなる化粧シ
ートを提供する。 (a)NMR法によるエチレン含有量が1〜4重量%の
エチレン・プロピレンランダム共重合体;75〜96重
量% (b)190℃におけるMFRが1〜10g/10分、
Q値が25以上の低密度ポリエチレン;2〜15重量% (c)エチレンと下記式(1)で示される環状アミノビ
ニル化合物との共重合体;2〜10重量%
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R及びRは、それぞれ独立し
て水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0016】また、本発明は、基材シートと表面シート
とを少なくとも有する複層シートであって、前記表面シ
ートが、以下の成分(a)、(b)及び(c)を含有す
るポリオレフィン系樹脂組成物からなり、230℃にお
けるMFRが2〜10g/10分であって且つ190℃
におけるスウェル比が1.20〜1.40であるポリオ
レフィン系樹脂材料により形成されており、且つ必要に
応じて前記基材シート及び表面シートのいずれか又は両
方に装飾処理を施してなる、化粧シートを提供する。 (a)NMR法によるエチレン含有量が1〜4重量%の
エチレン・プロピレンランダム共重合体;75〜96重
量% (b)190℃におけるMFRが1〜10g/10分、
Q値が25以上の低密度ポリエチレン;2〜15重量% (c)エチレンと下記式(1)で示される環状アミノビ
ニル化合物との共重合体;2〜10重量%
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R及びRは、それぞれ独立し
て水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0019】また、本発明は、前記シートの表面に、イ
ソシアネート基を有する樹脂からなる上塗り塗膜層を積
層してなることを特徴とする前記化粧シートを提供す
る。
【0020】また、本発明は、前記樹脂組成物が、さら
に以下の成分(d)を含有するものである前記化粧シー
トを提供する。 (d)下記式(2)で表されるトリアリールトリアジン
型紫外線吸収剤;前記成分(a)、(b)及び(c)の
合計100重量部に対し0.1〜1重量部
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R〜Rは、それぞれ独立して
炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
【0023】また、本発明は、前記ポリオレフィン系樹
脂材料が、前記成分(a)、(b)及び(c)を含有す
る樹脂組成物100重量部に対し、有機過酸化物を0.
005〜0.1重量部配合してなる樹脂混合物を溶融混
練して得られるものであることを特徴とする前記化粧シ
ートを提供する。
【0024】また、本発明は、前記ポリオレフィン系樹
脂材料が、前記成分(a)、(b)、(c)及び(d)
を含有する樹脂組成物100重量部に対し、有機過酸化
物を0.005〜0.1重量部配合してなる樹脂混合物
を溶融混練して得られるものであることを特徴とする前
記化粧シートを提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】本発明の化粧シートは、ポリオレフィン系
樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂材料により形
成されており、装飾処理が施されている。
【0027】I.ポリオレフィン系樹脂材料 (1)ポリオレフィン系樹脂組成物 本発明のポリオレフィン系樹脂材料は、エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体(a)、低密度ポリエチレン
(b)、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合
体(c)含有してなる樹脂組成物I、並びに該組成物I
にさらに必要に応じトリアリールトリアジン型紫外線吸
収剤(d)を含有してなる樹脂組成物IIからなる。
【0028】<エチレン・プロピレンランダム共重合体
>本発明で用いられるエチレン・プロピレンランダム共
重合体は、NMR法によるエチレン含有量が1〜4重量
%である。エチレン含有量が上記範囲未満では、耐折り
曲げ白化性が劣るので好ましくなく、上記範囲を超える
と耐傷性が劣るので好ましくない。
【0029】かかるエチレン・プロピレンランダム共重
合体の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製
造されたものを使用することができ、また市販されてい
る種々のものを使用することができる。
【0030】<低密度ポリエチレン>本発明で用いられ
る低密度ポリエチレンは、MFR(JIS−K6760
(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した
値)が1〜10g/10分である。MFRが上記範囲未
満では、低密度ポリエチレンの分散性が悪くなるので好
ましくなく、上記範囲を超えると成形加工性が劣るので
好ましくない。
【0031】また、前記低密度ポリエチレンのQ値[重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)]は25以上である。Q値が25未満の低密
度ポリエチレン樹脂を用いても押出ラミネート加工性の
改良効果は乏しい。Q値の上限は特に限定されないが、
50程度である。なお、本発明におけるQ値は標準装備
のGPC粘度計により測定したものであり、その条件
は、装置:Waters社製「150CV」、カラム:東ソー
(株)製「GMH XL−HT」3本、温度:135
℃、溶離液:1,2,4−トリクロロベンゼン、注入
量:500μl、である。
【0032】なお、ここでいう低密度ポリエチレンは、
主としてエチレンホモポリマー、特に高圧法分岐低密度
ポリエチレンをいうが、上記条件を満たす限り、α−オ
レフィン等の他の共重合成分を少量含有する共重合体で
あってもよい。また、かかる共重合体とエチレンホモポ
リマーとの混合物であってもよい。かかる低密度ポリエ
チレンは、一般にいわゆる高圧法で製造されるものであ
るが特に制限はなく、また、市販されているものを適宜
使用することができる。
【0033】<エチレン・環状アミノビニル化合物共重
合体>前記樹脂組成物には、エチレンと下記式(1)で
示される環状アミノビニル化合物との共重合体(エチレ
ン・環状アミノビニル化合物共重合体)が配合される。
【0034】
【化7】
【0035】上記式(1)中、R及びRは、それぞ
れ独立して水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。式(1)で表
されるビニル化合物は公知の方法で合成することができ
る。エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体中の環
状アミノビニル化合物の含有量は1〜10重量%、好ま
しくは2〜8重量%、共重合体のMIは0.1〜500
g/10min.、好ましくは0.5〜200g/10
min.の範囲が望ましい。
【0036】前記エチレン・環状アミノビニル化合物共
重合体は、所要単量体を共重合条件に付すことによって
製造されるが、高圧法低密度ポリエチレン製造装置での
製造が可能である。通常はラジカル重合で製造され、使
用される触媒は遊離基発生開始剤、例えばジアルキルパ
ーオキサイド、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシ
エステル類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタ
ール類、ハイドロパーオキサイド類、アゾ化合物等が有
用である。重合装置はエチレンの高圧ラジカル重合法で
一般的に用いられている連続攪拌式槽型反応器又は連続
式管型反応器等を使用することができる。重合圧力は1
000〜5000kg/cm程度、重合温度は100
〜400℃程度である。
【0037】<トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤
>前記樹脂組成物には、下記式(2)で表されるトリア
リールトリアジン型紫外線吸収剤を配合することができ
る。
【0038】
【化8】
【0039】ここで、式(2)中、R〜Rはそれぞ
れ独立して炭素数1〜10のアルキル基を表す。上記式
(1)において、R〜Rが水素ではブリードアウト
しやすくなるので好ましくなく、炭素数が上記範囲を超
えると耐候性が劣るので好ましくない。上記式(2)で
表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤の入手
方法は特に限定されず、市販のものを使用することがで
きる。
【0040】<その他の配合成分>本発明のポリオレフ
ィン系樹脂組成物には、上述した紫外線吸収剤及び耐候
安定剤に加えて、他の付加的成分を、本発明の効果を著
しく損なわない範囲で配合することができる。このよう
な任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に
使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、ア
ンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金
属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光
増白剤を挙げることができる。
【0041】また、本発明においては、上述したトリア
リールトリアジン型紫外線吸収剤の他に、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−メチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロ
キシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤類等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメ
トキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−
ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤類等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤、サルチル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−
サリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤が
用いられる。
【0042】その他に、ベンゾトリアゾール骨格にアク
リロイル基又はメタクリロイル基を導入した反応型紫外
線吸収剤等も用いられる。或いは、高い透明度を要求さ
れない場合は、無機系紫外線吸収剤を添加することもで
きる。無機系紫外線吸収剤としては、粒径0.2μm以
下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄等が用いられ
る。なお、これらの紫外線吸収剤の添加量は、通常、前
記樹脂組成物全量に対し0.1〜5重量%程度である。
【0043】紫外線による劣化をさらに防止し、耐候性
を向上させるために、他の光安定剤としてラジカル捕捉
剤も添加することが好ましい。このラジカル捕捉剤とし
ては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、その他、例えば特公平4−82625号公報に開
示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕
捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。こ
れらラジカル捕掟剤の添加量は、通常、前記樹脂組成物
全量に対し0.1〜5重量%程度である。
【0044】なお、前記ポリオレフィン系樹脂組成物に
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤からなる光安定剤を
添加する場合には、化粧シート(又は複層の場合は表面
シート)に隣接するインキ層、接着剤層等の層にはウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の分子
中に塩素原子を含まない樹脂を用いると耐候性向上の点
で良好である。もし、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体、塩素化ポリオレフィン等の分子中に塩素原子を含む
樹脂を用いると、紫外線又は熱の作用によりこれらの樹
脂から脱塩素反応で塩化水素が発生し、これがヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤と反応してその作用を失活・
阻害するため、耐候性が十分に向上しない。
【0045】(2)ポリオレフィン系樹脂組成物 本発明の樹脂組成物Iにおける前記エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体(a)の含有割合は75〜96重量
%である。(a)の割合が上記範囲未満では耐傷性が劣
るので好ましくなく、上記範囲を超えると耐折り曲げ白
化性が劣るので好ましくない。
【0046】また、前記低密度ポリエチレン(b)の含
有割合は2〜15重量%である。(b)の割合が上記範
囲未満では成形加工性が劣るので好ましくなく、上記範
囲を超えると透明性が低下するので好ましくない。
【0047】また、前記エチレン・環状アミノビニル化
合物共重合体(c)の含有割合は、2〜10重量%であ
る。(c)の割合が上記範囲未満では耐候性が劣るので
好ましくなく、上記範囲を超えると経済性の点で好まし
くない。
【0048】本発明の樹脂組成物IIにおけるトリアリー
ルトリアジン型紫外線吸収剤(d)の含有割合は、前記
(a)、(b)及び(c)の合計100重量部に対し、
0.1〜1重量部である。(d)の割合が上記範囲未満
では耐候性が劣るので好ましくなく、上記範囲を超える
と色相、経済性の点で好ましくない。
【0049】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
上記必須成分と必要に応じて配合される付加的成分とを
混合し、溶融混練することにより得られる。溶融混練に
ついては、例えば粉末状、ペレット状等の形状の各成分
を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッ
チミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練
機を使用して行う。混練温度は、一般に180〜270
℃で行われる。また、混練機は上述したものを二種以上
を組み合わせることもできる。
【0050】(3)ポリオレフィン系樹脂材料 本発明のポリオレフィン系樹脂材料は、前記ポリオレフ
ィン系樹脂組成物(樹脂組成物I又はII)からなり、M
FR(JIS−K6758(230℃、2.16kg荷
重)に準拠して測定した値)が2〜10g/10分であ
って且つ190℃におけるスウェル比が1.20〜1.
40であることを特徴とする。
【0051】MFRが上記範囲未満では良好な押出ラミ
ネート加工性が得られない、透明性が悪化する等の点で
好ましくない。一方、上記範囲を超えるとTダイ幅方向
の肉厚調整が困難となりまた加工時に圧着ロールへ付着
しやすくなる等の問題を生じて作業性が低下する、材料
強度が低下する等の点で好ましくない。
【0052】スウェル比が上記範囲未満では押出ラミネ
ート加工性の改良効果が飽和するだけでなく、ネックイ
ンが大きくなるため好ましくない。一方、上記範囲を超
えると押出ラミネート加工性の改良効果が得られない、
透明性が悪化する等の点で好ましくない。
【0053】ここで、スウェル比は、190℃に設定さ
れたMFR測定装置を用い、押出量が1分間に0.1g
となるような速度でピストンを下降させ、直径1mm、
長さ8mmのノズルを通して得られた押出物の直径とノ
ズルの直径との比で表される効果をいう。なお、ノズル
を通過した押出物はドローダウンを起こすので、イソプ
ロピルアルコールを満たした容器に受け取るようにす
る。
【0054】このようなポリオレフィン系樹脂材料は、
前記ポリオレフィン系樹脂組成物に、有機過酸化物を配
合してなる樹脂混合物を溶融混練して得ることができ
る。
【0055】ここで使用される有機過酸化物としては、
ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、
ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル及びケト
ンパーオキサイド群に含まれるものである。例えばハイ
ドロパーオキサイド群にはキュメンハイドロパーオキサ
イド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が
含まれ、ジアルキルパーオキサイド群にはジクミルパー
オキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなど
があり、ジアシルパーオキサイド群にはラウリルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が含まれる。同
様にパーオキシエステル群にはターシャリーパーオキシ
アセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイ
ト等が、さらにケトンパーオキサイド群にはシクロヘキ
サノンパーオキサイド等がある。これらで例示されてい
る有機過酸化物のうち1種あるいは数種を同時に用いて
いよい。また、有機過酸化物の配合割合は、前記組成物
I又はII;100重量部に対し0.005〜0.1重量
部である。
【0056】溶融混練については、一軸又は二軸のスク
リュー式押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレン
ダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサ
ー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用
して行う。混練温度は、一般に180〜270℃程度で
行われる。混練機は上述したものを二種以上を組み合わ
せることもできる。
【0057】過酸化物を加えた溶融混練は、上記成分
(a)及び(b)に、耐候安定剤(c)及び場合により
(d)、並びに必要に応じて用いられる付加的成分を配
合するときに、同時に行うこともできる。さらに、
(a)と(b)に過酸化物を加えて溶融混練し変性を行
った後に、(c)、(d)及び付加的成分を加えること
もできる。
【0058】II.化粧シート 本発明の化粧シートは、上記ポリオレフィン系樹脂材料
からなるシート(以下、単に「ポリオレフィン樹脂シー
ト」とも呼称する)であって装飾処理が施されている。
前記化粧シートは単層シートでも良く、また上記ポリオ
レフィン系樹脂材料からなる表面シートと基材シートと
を少なくとも有する複層シートとしても良い。
【0059】(1)単層シート <シートの製造>前記化粧シートは、上述したポリオレ
フィン系樹脂材料を、必要に応じて適宜ブレンドし、カ
レンダー製法、押出成形法等の常用の方法により製膜す
ることにより得られる。前記化粧シートは、延伸シー
ト、未延伸シートのいずれも使用可能である。化粧シー
トの厚みは、30〜200マイクロメータ、好ましくは
40〜100マイクロメータである。
【0060】<易接着層>なお、前記化粧シートが単層
シートのときは、前記のポリオレフィン樹脂シート自体
に直接模様を印刷したり、接着剤を塗布することも可能
であるが、インキや接着剤とポリオレフィン樹脂シート
との接着力を、より強固なものにする必要がある場合に
は、ポリオレフィン樹脂シート表面に易接着層の塗布、
コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着
処理を施すことができる。
【0061】前記易接着層(プライマー層、或いはアン
カー層とも云う)としては、アクリル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン(ある
いはウレタン樹脂とも呼称する)、塩素化ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエチレンが使用されるが、特に前記ポリ
オレフィン樹脂シート表面に、コロナ放電処理等の易接
着処理を施して、水酸基、カルボキシル基等の活性水素
含有極性官能基を付与した後、該表面上にポリウレタン
または塩素化ポリプロピレンの易接着層を形成すること
が望ましい。
【0062】アクリルとしては、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アク
リル酸ブチル・(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル
共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又
は共重合体からなるアクリル樹脂(但し、ここで(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味する
ものとし、以下同様である)が挙げられる。
【0063】ポリウレタンとはポリオール(多価アルコ
ール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするポリウレタンである。
【0064】ポリオールとしては、分子中に2個以上の
水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が
用いられる。
【0065】また、イソシアネートとしては、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネー
トが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、
或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等
の脂肪族または脂環式イソシアネートが用いられる。あ
るいは、これらイソシアネートの付加体、または多量体
も用いられる。
【0066】<装飾処理>本発明の化粧シートに施され
る装飾処理としては、顔料添加による着色(透明又は不
透明着色)、模様の印刷、エンボス加工(加熱プレス)
やヘアライン加工等による凹凸模様賦形、金属薄膜層の
形成等が挙げられる。
【0067】顔料添加としては、チタン白、亜鉛華、弁
柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カー
ボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザ
イエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、
フタロシアニンブルー、インダスレンブリーRS、アニ
リンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アル
ミニウム、真鍮、等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チ
タン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢
(パール)顔料等である。これらは、粉末、或いは鱗片
状箔片として添加、分散せしめられる。
【0068】模様印刷としては、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等、公知の印刷法を用いインキ(或いは塗料)に
て模様を形成する。模様としては、木目模様、石目模
様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或
いは全面ベタ等がある。模様はシートの表面、裏面、表
裏両面、或いは層間に設ける。
【0069】模様印刷に用いられるインキ(或いは塗
料)としては、バインダーとして、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、
等を用い、一種又は二種以上混合して用いる。これに前
記に列挙した様な公知の顔料を添加した物を用いる。
【0070】ポリオレフィン系樹脂材料からなるシート
に直接印刷する場合は、バインダーとして塩素化ポリオ
レフィン、ポリウレタン等が接着性の点で好ましいが、
易接着プライマーを適当に選択して層形成すれば、其の
他のバインダーを用いても十分な接着性を与える。
【0071】エンボス加工としては、ポリオレフィン系
樹脂材料を加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、
冷却固定して形成するもので、公知の枚葉、或いは輪転
式のエンボス機が用いられる。
【0072】凹凸模様としては、木目板導管溝、石板表
面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
【0073】更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知
のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参
照)によって、着色インキを充填することもできる。着
色インキとしては上記と同様のものが仕様可能である。
但し、耐磨耗性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバイ
ンダーとするものが好ましい。
【0074】金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、
銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の
方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。
該金属薄膜は、化粧シートの全面に設けても、或いは、
部分的にパターン状に設けても良い。
【0075】なお、本発明の化粧シートが単層の場合の
層構成の一例を図1に示す。図1(A)では、ポリオレ
フィン系樹脂材料からなるシート1に顔料2が配合され
て化粧シート3が形成されている。図1(B)では、ポ
リオレフィン系樹脂材料からなるシート1の一方の表面
に易接着層(プライマー層)4が形成されており、該易
接着層の表面に模様5が施されている。図1(C)で
は、ポリオレフィン系樹脂材料からなるシート1の表面
に凹凸模様7が施されている。図1(D)では、ポリオ
レフィン系樹脂材料からなるシート1の表面に着色イン
キワイピング8が充填され、さらに模様5が施されてい
る。
【0076】(2)複層シート 本発明の化粧シートが複層の場合、該化粧シートは、基
材シート上に前記ポリオレフィン系樹脂材料からなる表
面シートを積層し、必要に応じて前記基材シート又は表
面シートのいずれか又は両方に装飾処理を施してなるこ
とを特徴とする。前記化粧シートが複層の場合は、例え
ば、基材シートには前述した化粧シートに要求される機
能(1)〜(12)のうち(1)〜(6)及び(9)を主に担わせること
とし、基材シートの表面に積層する表面シートには条件
(1)〜(8)及び(10)〜(12)を主に担わせることとすること
ができる。
【0077】<基材シート>基材シートは、ポリオレフ
ィンを主体とする樹脂材料からなる。ポリオレフィンと
しては、基本的性能が優れるものとして、前記ポリオレ
フィン系樹脂材料を用いてもよいが、その他ポリエチレ
ン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン
−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・ブテン−
1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロピレン
・エチレン・3元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1
・オクテン−1・3元共重合体、ポリメチルペンテン、
或いは特開平6−16832号公報等に記載のオレフィ
ン系エラストマー等のエラストマーが使用される。厚さ
は30〜200μm程度で、延伸シート、未延伸シート
のいずれも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適
性上は、未延伸シートの方が良好である。
【0078】前記エラストマーとしては、ジエン系ゴ
ム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等
が用いられる。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム
分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加さ
せてなるもので、ポリオレフィン系樹脂(本発明におい
ては、ポリプロピレン)の結晶化を抑え、柔軟性をアッ
プさせる。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブ
ダジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブダジエンゴ
ム、アクリロニトリル・ブダジエンゴム、アクリロニト
リル・イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等があ
る。オレフィンエラストマーとしては、2種類又は3種
類以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくと
も1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンはエチレ
ン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、ポリエ
ンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノルボ
ルネン等が使用される。好ましいオレフィン系共重合体
ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分と
する弾性共重合体が挙げられる。尚、これらのエラスト
マーは、必要に応じて適度に架橋させる。架橋剤として
は、硫黄、脂肪族有機過酸化物、芳香族有機過酸化物等
公知の物が用いられる。
【0079】前記エラストマーの添加量としては、基材
シートを構成する樹脂材料全量に対し、10〜60重量
%、好ましくは30重量%程度である。エラストマーが
10重量%より低いと一定荷重時伸度の変化が急峻にな
り過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じ、又
エラストマーが60重量%より高いと透明性、耐候性及
び耐クリープ性の低下が生じる。
【0080】前記基材シートは、上述したポリオレフィ
ンを配合ベースとし、これに着色剤を配合してなる樹脂
材料からなる着色フィルムとするのが好ましい。かかる
着色剤は基材シートに化粧シートとして必要な色彩を持
たせるためのものであり、チタン白、亜鉛華、弁柄、
朱、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタン黄、カーボン
ブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエ
ローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタ
ロシアニンブルー等の有機顔料或いは染料、アルミニウ
ム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆
雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等
が用いられる。着色は透明着色、不透明(隠蔽)着色い
ずれでも可であるが、一般的には、被着体を隠蔽するた
めに不透明着色が好ましい。
【0081】また、基材シートを構成する樹脂材料に
は、無機充填剤を配合することもできる。かかる無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミ
ナ、シリカ、クレー、タルク等の平均粒径0.1〜10
μm程度の粉末が用いられる。添加量としては、1〜6
0重量%程度、より好ましくは5〜30重量%である。
1重量%より低いと耐クリープ変形性及び易接着性の低
下が生じ、60量%より高いと破断時伸度及び耐衝撃性
の低下が生じる。
【0082】さらに、必要に応じて、熱安定剤、難燃
剤、ラジカル捕捉剤等を添加する。熱安定剤は、フェノ
ール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォス
ファイト系、アミン系等公知のものであり、熱加工時の
熱変色等の劣化の防止性をより向上させる場合に用いら
れる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の粉末が用いられ、これらは、難燃性を付
与する必要がある場合に添加する。
【0083】これらの材料をブレンドしたものをカレン
ダー製法等の常用の方法により製膜して不透明着色基材
シートを得る。得られる基材シートは化粧シートの基材
シートに求められる前記(1)〜(6)、(9)の条件(必要と
される機能)を満足する。基材シートの厚みは50〜2
00μm程度、好ましくは50〜100μm程度であ
る。
【0084】基材シートの表面には、好ましくは、易接
着層の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処
理等の易接着処理が施される。易接着層(プライマー
層、或いはアンカー層とも云う)としては、アクリル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレンが使用されるが、特に、ウレタン樹脂が望まし
い。
【0085】アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アク
リル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ
(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル
酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メ
タ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)ア
クリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル・(メ
タ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリル酸2ヒドロキ
シエチル等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又
は共重合体からなるアクリル樹脂(ただし、ここで(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味す
る)等が用いられる。
【0086】ウレタン樹脂(ポリウレタン)とはポリオ
ール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを
架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンである。ポリオー
ルとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもの
で、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
【0087】また、イソシアネートとしては、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネー
トが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、
或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等
の脂肪族(ないしは脂環族)イソシアネートが用いられ
る。或いは、これらのイソシアネートの付加体又は多量
体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシア
ネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等
がある。
【0088】易接着処理を施した表面には、必要に応じ
て模様層を形成してもよい。模様層は基材シート又は後
述する表面シートのいずれか一方、或いは両方に形成す
ることができる。図2(A)は易接着層を形成した1例
であり、基材シート11に積層した表面シート12と模
様層13との間に易接着層14を設けている。図2
(D)に示すように、基材シート11が被着体31に面
する側に易接着層14を設ける場合もある。模様処理と
しては、図2(A)に示すような模様13の印刷、図2
(B)に示すようなエンボス加工(加熱プレス)、ヘア
ライン加工等による凹凸模様賦形15等であってよく、
さらに、凹凸模様15の凹部に公知のワイピング法によ
って、着色インキ16を充填することもできる。また、
金属薄膜を形成してもよい。
【0089】模様印刷としては、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等公知の印刷法を用いインキ(或いは塗料)にて
模様を形成する。模様としては、木目模様、石目模様、
布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
全面ベタ等がある。
【0090】インキ(或いは)塗料としては、バインダ
ーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、等を用
い、1種又は1種以上混合して用いる。これに前記に列
挙した様な公知の顔料を添加した物を用いる。基材シー
トに直接印刷する場合は、バインダーとして塩素化ポリ
オレフィン、ウレタン樹脂等が接着性の点で好ましい
が、易接着プライマーを適当に選択して層形成すれば、
其の他のバインダーを用いても十分な接着性を与える。
【0091】エンボス加工としては、基材シートを加熱
軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定して形
成するもので、公知の枚葉、或いは輪転式のエンボス機
が用いられる。凹凸形状としては、木目板導管溝、石板
表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。着色インキ
は前記と同様の物が可能である。但し、耐磨耗性の点
で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとする物が好
ましい。
【0092】金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、
銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の
方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。
該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分的にパタ
ーン状に設けても良い。
【0093】<表面シート>本発明による化粧シートに
おいて、上記のように必要に応じて装飾処理が施された
基材シートの表面に、ポリオレフィン系樹脂材料からな
るフィルムを表面シートとして積層する。前記ポリオレ
フィン系樹脂材料としては、単層シートの場合に該シー
トを構成するポリオレフィン系樹脂材料と同様の樹脂材
料(前記樹脂組成物I又はII)が用いられる。
【0094】本発明の表面シートを構成するポリオレフ
ィン系樹脂材料には、化粧シートの表面層として求めら
れる機能を補強するために、所望により、各種添加剤、
補強材、充填剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、難燃剤等が添加されていてもよい。難熱剤
は、基材シートの場合と同様であってよい。
【0095】もし、表面シート中に、ヒンダードアミン
系ラジカル捕捉剤を添加する場合には、表面シートに隣
接するインキ層、接着剤層等の層にはウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の分子中に塩素原子
を含まない樹脂を用いると耐候性向上の点で良好であ
る。もし、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リオレフィン等の分子中に塩素原子を含む樹脂を用いる
と、紫外線又は熱の作用によりこれらの樹脂から脱塩素
反応で塩化水素が発生し、これがヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤と反応してその作用を失活・阻害するた
め、耐候性が十分に向上しない。
【0096】表面シートは、上述した表面シートを構成
する樹脂材料を、必要に応じて適宜ブレンドし、カレン
ダー製法、押出成形法等の常用の方法により製膜するこ
とにより得られる。すなわち、かかる製膜により、無色
又は着色透明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムが得
られるが、得られたフィルムは、化粧シートの表面シー
トに求められる前記(1)〜(8)、特に、(7)、(8)の条件を
満足する。表面シートの厚みは30〜200μm程度、
好ましくは40〜100μm程度である。上記表面シー
トの基材シートとの接触面には、好ましくは、基材シー
トの場合と同様にして、易接着層の塗布、コロナ放電処
理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すこ
とができる。
【0097】前記した着色フィルムである基材シートと
上記無色又は着色透明なポリプロピレン系樹脂フィルム
である表面シートは、通常の手段により積層することが
できる。積層方法としては、溶融押出塗工(エクストル
ージョンコート)、熱プレスによる融着、或いは、2液
硬化型ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤
を用いたドライラミネート等であってよい。
【0098】本発明の化粧シートは、複層シートの場合
も、その表面シート側の表面に、必要に応じて模様層を
形成することができる。模様処理としては、図2(C)
に示すようなエンボス加工(加熱プレス)、ヘアライン
加工等による凹凸模様賦形、或いは、模様の印刷であっ
てよい。模様印刷法、模様の種類、インキ(或いは)塗
料の種類、バインダー等は、基材シートの場合と同様で
あってよい。更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知
のワイピング法によって、着色インキを充填することも
できる。その際に、必要に応じて、エンボス加工面に前
記したコロナ放電処理等の易接着処理を施し、着色イン
キの充填を行う。
【0099】好ましくは、さらにその表面シートの上
に、耐擦傷性向上、艶調整のために上塗り塗膜層をを形
成することができる。バインダーとして塩素化ポリオレ
フィン、2液硬化ポリウレタン樹脂等が好ましい。
【0100】(3)上塗り塗膜層 本発明の化粧シートには、該化粧シート(複層シートの
場合は表面シート)の表面側に、分子中にイソシアネー
ト基を有する樹脂からなる上塗り塗膜層を形成すること
ができる。
【0101】分子中にイソシアネート基を有する樹脂と
しては、2液硬化型ポリウレタン樹脂、或いは1液硬化
型ウレタン樹脂が用いられる。2液硬化型ポリウレタン
樹脂としては、易接着層の樹脂系として前記したものと
同様のポリオールとイソシアネートを混合したものを用
いることができる。
【0102】なお、2液硬化型ウレタン樹脂を用いる場
合の好ましい態様として、イソシアネート中のイソシア
ネート基(NCO基)の数(モル数)をそれと反応させ
るポリオールの水酸基(OH基)の数(反応当量)より
も多くし、ポリオールとイソシアネートとが反応した後
でも未反応のイソシアネート基を確実にしかも多数残留
させる態様がある。この場合、NCO基/OH基の比は
最大1.4程度までとする。
【0103】1液型湿気硬化ウレタン樹脂は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同志が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物が生じて、
この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反
応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を
起こす。
【0104】分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
は、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル
結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等で
ある。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用す
る。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、この
ウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、ア
ロファネート結合を生じて、このアロファネート結合に
よっても架橋反応を起こす。
【0105】これらの上塗り塗膜には、さらに必要に応
じ、紫外線吸収剤(前記のトリアリールトリアジン型等
各種のものから選ぶことができる)、アルミナ(特に球
状α−アルミナが好ましい)、シリカ等の微粒子からな
る減摩剤兼艶消剤、銀ゼオライト等の抗菌剤等を添加す
る。艶消剤を添加した場合は、上塗り塗膜は艶調整コー
トとして機能する。
【0106】以上のように、化粧シート(又は表面シー
ト)中に添加する紫外線吸収剤として分子中にOH基を
有する有機系のものを使用し、且つその表面にイソシア
ネート基を有する樹脂を使用して上塗り塗膜層を形成す
ると、紫外線吸収剤が経時的にブリードアウト(滲出)
して上塗り塗膜に入ったときに、その紫外線吸収剤のO
H基と上塗り塗膜中のイソシアネート基とがウレタン反
応し、上塗り塗膜層中に捕捉されるので、紫外線吸収剤
の経時的なブリードアウトが防止される。特に有機系の
紫外線吸収剤がブリードアウトし易いポリオレフィン樹
脂の場合に有効であり、本発明で化粧シート(又は複層
の場合は表面シート)に採用する上記ポリオレフィン系
樹脂材料の場合にも好適である。
【0107】好ましくは、さらにその上塗り塗膜層の上
に、さらに艶調整保護コート層を形成することができ
る。バインダーとして塩素化ポリオレフィン、2液硬化
ポリウレタン等が好ましい。
【0108】III.用途 本発明の化粧シートは、そのまま化粧材として用いても
良いが、該シートを他の被着体(裏打材)に積層して使
用することもできる。積層は、被着体に化粧シート自体
が(熱融点等で)接着可能な場合は、接着剤層は省いて
も良く、また、化粧シート自体では被着体と接着しない
場合は、適当な接着剤にて積層してもよい。
【0109】被着体が最終製品であり、その表面化粧の
為に化粧シートを積層する場合も有れば、必要に応じ化
粧シートの力学的強度の補強、或いは隠蔽性の付与の為
化粧シート裏面に被着体を積層する場合も有る。
【0110】被着体としては各種素材の平板、曲面板等
の板材、立体形状物品〔成形品〕、シート(或いはフィ
ルム)等の各種形状の物品が対象となる。板材、立体形
状物品、或いはシート(フィルム)のいづれにも用いら
れる素材としては、杉、檜、松、ラワン、チーク等の樹
木からなる木材単板、木材合板、パーティクルボード、
中密度繊維板(MDF)等の木質板、鉄、アルミニウム
等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエ
ステル、ポリスチレン、ポリオレフイン、ABS、フェ
ノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム
等の樹脂、専ら板材、或いは立体形状物品として用いら
れる素材としては、硝子、陶磁器、等のセラミックス、
ALC(発泡軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カ
ルシウム、石膏等の非セメント窯業系材料、専らシート
(或いはフィルム)として用いられる素材としては、上
質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、硝
子、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等があ
る。
【0111】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで
加圧して積層する方法、特公昭50−19132号公
報、特公昭43−27488号公報等に記載される様
に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、
両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充填し
て後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化
粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート
方法、特公昭56−45768号公報、特公昭60−5
8014号公報等に記載される様に、成形品の表面に化
粧シートを間に接着剤層を介して対向乃至は載置し、成
形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを
成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、特公
昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等
に記載される様に、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方
向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、
複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する
複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆ
く、所謂ラッピング加工方法、実公大15−31122
号公報、特開昭48−47972号公報等に記載される
様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積
層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、
化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字
状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗
布した上で、該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成形する
所謂、Vカット又はUカット加工方法、等がある。
【0112】特に、本発明の化粧シートを凹凸立体物に
貼り合わせる方法としては、上記方法のうち、(a)ラ
ッピング加工法、(b)Vカット加工法、(c)射出成
形同時ラミネート法、(d)真空成形同時ラミネート法
等が好ましい。
【0113】本発明の化粧シートは各種被着体に積層
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いること
ができる。例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓
枠、扉、手摺、廻縁、幅木等の建具、乃至は造作部材の
表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表
面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内装、窓硝
子の化粧等である。
【0114】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。なお、以下の実施例及び比較例における各製品物性
の評価方法は以下の通りである。
【0115】(1)耐熱促進試験 上塗り塗膜を施した化粧シートを、40℃、80℃、1
00℃の各温度に設定したオーブン中に入れて所定期間
放置し(所定期間;40℃=1週間、80℃=2日、1
00℃=2時間)、外観を確認した。また、上塗り塗膜
層の密着性をセロハン粘着テープにて試験した。具体的
な試験方法としては、セロハン粘着テープ(ニチバン株
式会社、商品名「セロテープ」、産業用24mm幅)を
塗膜表面に貼り、室温(20℃)にて布でこすり圧着し
た。該テープ表面を室温にまで冷却し、手で一気にセロ
ハン粘着テープを剥離した。塗膜のセロハン粘着テープ
への付着の有無を目視で確認した。
【0116】(2)耐候性促進試験 カーボンアーク燈型サンシャインウエザオメーターを用
いてブラックパネル温度63℃で、120分中18分降
雨で試験した後(以下、S.W.O.M試験という)、
目視で観察をして、OP層等の各層間の浮き、脱落など
の異常の有無を検査した。
【0117】(3)耐候性促進試験 アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用
いブラックパネル温度63℃にて、照度60mW/cm
、光源からの距離240mm、照射スペクトル帯域2
95〜450mm、5時間照射し、1時間結露で試験し
た後(以下、S−UV試験という)、目視で観察をし
て、OP層等の各層間の浮き、脱落などの異常の有無を
検査した。
【0118】(4)耐折り曲げ白化試験 シートを10℃の雰囲気下で意匠面を外側に180℃折
り曲げ、外観を評価した。 (5)鉛筆硬度試験 JIS−K−5400(500g荷重)に準拠して測定
した。
【0119】
【実施例1】ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム(株)
製ノバテックPP・EG7 MFR=1.7g/10分
(230℃、JIS−K6758)、エチレン含量=
2.2重量%(NMR法))92重量%、低密度ポリエ
チレン樹脂(日本ポリケム(株)製ノバテックLD・L
C604 MFR=8g/10分(190℃、JIS−
K6760)、Q値=43)4重量%、エチレン・環状
アミノビニル化合物共重合体(上記式1のR、R
メチル基、Rが水素原子であるエチレン・環状アミノ
ビニル化合物共重合体)4重量%、トリアリールトリア
ジン型紫外線吸収剤(上記式(2)のRがオクチル
基、R〜Rがメチル基であるトリアリールトリアジ
ン化合物)0.5重量部、有機過酸化物(ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド)0.01重量部、及び0.05重量
部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−
(3'−5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン)をブレンダーで混合した
のち、溶融押出して樹脂材料を得た。得られた樹脂材料
のMFRは6g/10分(230℃、JIS−K675
8)、スウェル比は1.30であった。
【0120】次にこの樹脂材料をTダイ押出機にて、厚
み80μmの透明シートに成膜し、その表裏両面にコロ
ナ放電処理を施した。次に、該シートの裏面に着色イン
キ(バインダーはアクリルポリオール100重量部と
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート8重量部、顔
料は弁柄、黄鉛、カーボンブラック、酸化チタンからな
る)にて、木目模様をグラビア印刷し、反対面(表面)
にアクリルポリオール100重量部と1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート10重量部、艶消し剤はシリカ
粒子(平均粒径2μm)からなるインキをグラビア印刷
にて2μm厚みの上塗り塗膜層を形成し化粧シートを得
た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
【0121】
【実施例2】着色基材シートとして、アイソタクチック
ポリプロピレン100重量部に水素添加スチレン−ブタ
ジエンゴム60重量部、炭酸カルシウム微粒子からなる
無機充填剤25重量部、チタン白、弁柄、黄鉛計5重量
部からなる着色顔料により着色した厚さ60μm厚みの
ポリオレフィン系樹脂シートを製造した。この着色原反
に、コロナ放電処理後、実施例1と同様のインキを用い
てグラビア印刷にて木目模様を印刷し、反対面(裏面)
にもコロナ放電処理後、シリカを8重量%含むウレタン
樹脂プライマーコート(1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート+アクリルポリオール)(昭和インク工業株
式会社製)をグラビア印刷にて厚さ2μmに形成し、印
刷済み着色基材シートを得た。
【0122】その後、該基材シートの印刷面上にポリエ
ステルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネートからなる接着剤層を10μm形成し、あらかじめ
成膜しておいた実施例1記載の樹脂材料からなる80μ
m厚みの透明表面シートとドライラミネートにて貼り合
わせた。着色絵柄印刷済み着色基材シートと透明表面シ
ートからなる複層シートを更に加熱処理し、木目導管模
様のエンボス(以下、EMとも呼称する)版を用いエン
ボス加工をした。該エンボス加工面にコロナ放電処理を
行い、アクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート及び平均粒径2μmのシリカ粒子からな
る透明上塗り塗膜層をグラビアロールコーティングにて
3μm厚みに形成し、化粧シートを得た。製品物性等の
評価結果を表1に示す。
【0123】
【実施例3】高密度ポリエチレン60重量%をベースに
熱可塑性エラストマーとして水素添加スチレン−ブタジ
エンゴムを30重量%、無機添加剤として炭酸カルシウ
ム10重量%、また、着色顔料として弁柄とカーボンブ
ラックを5重量%添加して、熱安定剤及びヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤を5重量%ブレンドしたものをカ
レンダー製法にて厚み60μmに成膜した不透明着色シ
ートを成製した。この着色基材シート(着色PE)に、
コロナ放電処理後グラビア印刷にて実施例1と同様のイ
ンキを用いて木目模様を印刷し、反対面にもコロナ放電
処理後、シリカを8重量%含むウレタン樹脂プライマー
コート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート+ア
クリルポリオール)(昭和インク工業株式会社製)をグ
ラビア印刷にて形成し、印刷済み着色基材シートを得
た。
【0124】その後、ポリエステルポリオールと1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネートからなる接着剤層を
10μm形成し、その面に実施例1記載の樹脂材料をT
ダイから樹脂温度240℃、60μm厚みにて溶融押出
し着色絵柄印刷済み基材シートと透明表面シートからな
る複層シートを得た。該複層シートを更に加熱処理し、
木目導管模様のEM版を用いてエンボス加工をした。該
エンボス加工面にコロナ放電処理を行い、EMによる凹
部に着色インキ(バインダーはアクリルポリオール10
0重量部と1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート8
重量部、顔料は弁柄とカーボンブラックからなる)を充
填し、さらにその表面にアクリルポリオールとイソシア
ネート及び平均粒径2μmの艶消し剤(シリカ粒子)か
らなる透明上塗り塗膜層をグラビアロールコーティング
にて2μm厚みに形成し、化粧シートを得た。製品物性
等の評価結果を表1に示す。
【0125】
【比較例1】ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム(株)
製ノバテックPP・EG7 MFR=1.7g/10分
(230℃、JIS−K6758)、エチレン含量=
2.2重量%(NMR法))96重量%、低密度ポリエ
チレン樹脂(日本ポリケム(株)製ノバテックLD・L
F440HB MFR=3g/10分(190℃、JI
S−K6760)、Q値=8)4重量%、ヒンダードア
ミン型光安定剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ
製Tinuvin783)を2000ppm、ベンゾトリアゾール
型紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ
製Tinuvin234)を3000ppm、及び0.05重量部
のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−
(3'−5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン)をブレンダーで混合した
のち、溶融押出しして樹脂材料を得た。得られた樹脂材
料のMFRは1.7g/10分(230℃、JIS−K
6758)、スウェル比は1.45であった。
【0126】次にこの樹脂材料をTダイ押出機にて、厚
み80μmの透明シートに成膜し、その表裏両面にコロ
ナ放電処理を施した。次に、該シート裏面に着色インキ
(バインダーはアクリルポリオール100重量部と1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート8重量部、顔料は
弁柄、黄鉛、カーボンブラック、酸化チタンからなる)
にて、木目模様をグラビア印刷し、該シートの反対面
(表面)にアクリルポリオール100重量部と1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート10重量部、艶消し剤
はシリカ粒子(平均粒径2μm)からなるインキを用
い、グラビア印刷にて2μm厚み透明上塗り塗膜層を形
成した。製品物性等の評価結果を表2に示す。
【0127】
【比較例2】着色基材シートとして、アイソタクチック
ポリプロピレン100重量部に水素添加スチレン−ブタ
ジエンゴム60重量部、炭酸カルシウム微粒子からなる
無機充填剤25重量部、チタン白、弁柄、黄鉛計5重量
部からなる着色顔料により着色した厚さ60μm厚みの
ポリオレフィン系樹脂基材シートを製造した。この着色
原反に、コロナ放電処理後グラビア印刷にて木目模様を
印刷し、反対面にもコロナ放電処理後、シリカを8重量
%含むウレタン樹脂プライマーコート(1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート+アクリルポリオール)(昭
和インク工業株式会社製)をグラビア印刷にて形成し、
印刷済み着色基材シートを得た。
【0128】その後、ポリエステルポリオールと1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネートからなる接着剤層を
10μm形成し、あらかじめ成膜しておいたポリプロピ
レン樹脂(日本ポリケム(株)製ノバテックPP・FX
4 MFR=7g/10分(230℃、JIS−K67
58)、エチレン含量=4.4重量%(NMR法))9
5重量%、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム
(株)製ノバテックLD・LF440HB MFR=3
g/10分(190℃、JIS−K6760)、Q値=
8)4重量%、エチレン・環状アミノビニル化合物共重
合体(上記式1のR 、Rがメチル基、Rが水素原
子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)
1重量%、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティー・ケ
ミカルズ製Tinuvin326)4000ppm、有機過酸化物
(ジ−t−ブチルパーオキサイド)0.01重量部及び
0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メ
チレン−3−(3'−5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン)をブレンダー
で混合したのち、溶融押出しして得られる樹脂材料(M
FR=13g/10分(230℃、JIS−K675
8)、スウェル比=1.10)からなる80μm厚みの
透明表面シートと実施例2と同じ接着剤層10μm厚み
を介してドライラミネートにて貼り合わせた。
【0129】着色絵柄印刷済み基材シートと透明表面シ
ートからなる複層シートを更に加熱処理し、木目導管模
様のEM版を用いエンボス加工をした。該エンボス加工
面にコロナ放電処理を行い、アクリルポリオールと1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び平均粒径2μ
mのシリカ粒子からなる透明上塗り塗膜層をグラビアロ
ールコーティングにて3μm厚みに形成し、化粧シート
を得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
【0130】
【比較例3】高密度ポリエチレン60重量%をベースに
熱可塑性エラストマーとして水素添加スチレン−ブタジ
エンゴムを30重量%、無機添加剤として炭酸カルシウ
ム10重量%、また、着色顔料として弁柄とカーボンブ
ラックを5重量%添加して、熱安定剤及びヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤(HALSともいう)を5重量%
ブレンドしたものをカレンダー製法にて厚み60μmに
成膜した不透明着色基材シートを作製した。この着色基
材シート(着色PE)に、コロナ放電処理後グラビア印
刷にて木目模様を印刷し、反対面にもコロナ放電処理
後、シリカを8重量%含むウレタン樹脂プライマーコー
ト(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート+アクリ
ルポリオール)(昭和インク工業株式会社製)をグラビ
ア印刷にて形成し、印刷済み着色基材シートを得た。
【0131】その後、ポリエステルポリオールと1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネートからなる接着剤層を
10μm形成し、その面に比較例2で使用した樹脂をT
ダイから樹脂温度240℃、60μm厚みにて押し出し
着色絵柄印刷済み基材シートと透明表面シートからなる
複層シートを得た。該複層シートを更に加熱処理し、木
目導管模様のEM版を用いエンボス加工をした。該エン
ボス加工面にコロナ放電処理を行い、EMによる凹部に
着色インキ(バインダーはアクリルポリオール100重
量部と1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート8重量
部、顔料は弁柄とカーボンブラックからなる)を充填
し、アクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート及び平均粒径2μmの艶消し剤(シリカ粒
子)からなる透明上塗り塗膜層をグラビアコーティング
にて2μm厚みに形成し、化粧シートを得た。製品物性
等の評価結果を表2に示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、オレフィン系樹
脂を用いた従来の化粧シートの持つ上記のような不都合
が解消され、製造工程においてはネックインやサージン
グ現象が生じ難い、物性としては耐傷性に優れ、経時・
耐熱試験におけるブリードが少ない、及び折り曲げた際
の白化が発生しにくいという利点を有する。また、オレ
フィン系樹脂を用いながらポリ塩化ビニル系樹脂を用い
た化粧シートと同等以上の熱成形性及び耐候性、透明性
を持つ。よって、特に建築物の内装、建具の表面化粧、
車両内装等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧シートが単層シートである場合
の層構成の一例を示した図である。
【図2】 本発明の化粧シートが複層シートである場合
の層構成の一例を示した図である。
【符号の説明】
1・・・ポリオレフィン系樹脂材料からなるシート 2・・・顔料 3・・・化粧シート 4・・・易接着層(プライマー層) 5・・・模様 7・・・凹凸模様 8・・・着色インキ 11・・・基材シート 12・・・表面シート 13・・・模様層 14・・・易接着層 15・・・凹凸模様 16・・・着色インキ 31・・・被着体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/20 CES C08J 3/20 CESZ 4J002 7/04 CES 7/04 CESF C08K 5/14 C08K 5/14 5/3492 5/3492 C08L 23/16 C08L 23/16 E04F 13/00 E04F 13/00 B //(C08L 23/16 (C08L 23/16 23:06 23:06 23:08 23:08 33:14) 33:14) (72)発明者 黒田 誠二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 柴田 雅之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 石原 稔久 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 3B005 EB01 FA03 FA08 FA16 FB13 FB23 FC01Y FC01Z 4F006 AA12 AB37 BA01 CA00 DA04 4F070 AA13 AA16 AC45 AC56 AC66 AE03 FA03 FA17 FB06 FC03 FC04 FC05 FC06 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA33 AA33X AC08 AC19 AE05 AH03 BA01 BB04 BB06 BB07 BC01 4F100 AH07H AH07J AK03A AK04J AK06A AK31J AK51C AK61A AK64A AL01A AL05A AT00B BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA07A CA30A GB08 GB33 GB81 HB00C HB01 JA06A JA20A JK14 JL01 JL04 JL09 JN01 YY00A 4J002 BB032 BB073 BB151 BG073 EK017 EK027 EK037 EK047 EK057 EK067 EU186 FD040 FD056 GL01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の成分(a)、(b)及び(c)を
    含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなり、230
    ℃におけるMFRが2〜10g/10分であって且つ1
    90℃におけるスウェル比が1.20〜1.40である
    ポリオレフィン系樹脂材料により形成されるシートであ
    って、装飾処理を施してなる化粧シート。 (a)NMR法によるエチレン含有量が1〜4重量%の
    エチレン・プロピレンランダム共重合体;75〜96重
    量% (b)190℃におけるMFRが1〜10g/10分、
    Q値が25以上の低密度ポリエチレン;2〜15重量% (c)エチレンと下記式(1)で示される環状アミノビ
    ニル化合物との共重合体;2〜10重量% 【化1】 (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又
    はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜4の
    アルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 基材シートと表面シートとを少なくとも
    有する複層シートであって、前記表面シートが、以下の
    成分(a)、(b)及び(c)を含有するポリオレフィ
    ン系樹脂組成物からなり、230℃におけるMFRが2
    〜10g/10分であって且つ190℃におけるスウェ
    ル比が1.20〜1.40であるポリオレフィン系樹脂
    材料により形成されており、且つ必要に応じて前記基材
    シート及び表面シートのいずれか又は両方に装飾処理を
    施してなる、化粧シート。 (a)NMR法によるエチレン含有量が1〜4重量%の
    エチレン・プロピレンランダム共重合体;75〜96重
    量% (b)190℃におけるMFRが1〜10g/10分、
    Q値が25以上の低密度ポリエチレン;2〜15重量% (c)エチレンと下記式(1)で示される環状アミノビ
    ニル化合物との共重合体;2〜10重量% 【化2】 (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又
    はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜4の
    アルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 前記シートの表面に、イソシアネート基
    を有する樹脂からなる上塗り塗膜層を積層してなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物が、さらに以下の成分
    (d)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の化粧シート。 (d)下記式(2)で表されるトリアリールトリアジン
    型紫外線吸収剤;前記成分(a)、(b)及び(c)の
    合計100重量部に対し0.1〜1重量部 【化3】 (式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜1
    0のアルキル基を表す。)
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂材料が、前記
    成分(a)、(b)及び(c)を含有する樹脂組成物1
    00重量部に対し、有機過酸化物を0.005〜0.1
    重量部配合してなる樹脂混合物を溶融混練して得られる
    ものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
    に記載の化粧シート。
  6. 【請求項6】 前記ポリオレフィン系樹脂材料が、前記
    成分(a)、(b)、(c)及び(d)を含有する樹脂
    組成物100重量部に対し、有機過酸化物を0.005
    〜0.1重量部配合してなる樹脂混合物を溶融混練して
    得られるものであることを特徴とする請求項4記載の化
    粧シート。
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