JP4958837B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
機能(1):ポリ塩化ビニル樹脂に匹敵する熱成形性。特に、温度変化にともなう一定荷重時伸度の変化がポリ塩化ビニル樹脂とほぼ同等の緩やかで連続的に変化すること。また、加熱から冷却への工程にともなって、強度低下等の材料力学的特性の劣化が生じないこと。
機能(2):耐クリープ変形性。外装材や内装材には建具や家具による定荷重が長時間かけられる場合が多く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれたり剥がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じない材料であることが求められる。
機能(3):耐寒折り曲げ強度。寒冷時にVカット加工等によって折り曲げ加工を行うと応力緩和が不十分な場合は、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じ易くなる。
機能(4):耐有機溶剤性。化粧シートと被着体を接着する接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤・変形するのを防止する。多層構造の化粧シートを得る場合も同様である。
機能(5):破断時伸度、耐衝撃強度。Vカット加工等によって折り曲げ加工をする際の折り曲げ部の亀裂を防止するために、この特性を求められる。
機能(6):適度な曲げ弾性率を持つ。曲げ加工部での化粧シートの追従性が十分であるためには必要とされる。
機能(7):透明性が良好。
機能(8):エンボス加工等にともなう加熱と冷却が加わっても、再結晶による白化、濁りを生じない。
機能(9):易接着性。特に基材シートの場合は、化粧シートの使用時に広範囲の接着剤を用いて容易に各種被着体に接着出来ることが要望される。
機能(10):耐候性に優れること。
機能(11):生産性が良いこと。
機能(12):長期の使用中に塗膜とポリオレフィン系樹脂シートとの密着強度が低下しないこと。すなわち、通常は化粧シートの耐擦傷性向上、艶調整等のため、該化粧シート表面に2液硬化型ポリウレタン等の樹脂からなる上塗り塗膜層(OP;Over Paint varnishとも言う)を形成することが多い。一方、化粧シートの耐候性を付与せしめるため、通常、化粧シートの少なくとも最表面側のポリオレフィン系樹脂シートには、耐候安定剤(光安定剤)、紫外線吸収剤を添加するが、これら耐候安定剤などは、一般のポリオレフィン系樹脂との相溶性が悪く、長期の使用中にシート表面にブリードし、該ブリードした耐候安定剤等が離型剤の如く作用して、上記上塗り塗膜層とシートとの密着性を低下せしめる。
具体的には、主原料がポリプロピレン、エラストマー、着色剤、及び無機充填剤からなる基材シートとしての着色フィルム上に、表面シートとして、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなる分子が複合立体構造を有する無色又は着色透明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層し、そして、必要に応じて、基材シート又は表面シートのいずれか又は両方に模様を施してなる化粧シートである(例えば、特許文献6参照。)。
機能(13):長期の使用においても外観が悪化しないこと。すなわち上記と同じくポリオレフィン系樹脂シートに配合した耐候添加剤が塗膜を通してブリードし、白化やべたつきなどによる外観の悪化が生じやすい。
機能(14):高濃度で耐候添加剤を配合できること。すなわち、更なる耐候性向上のために、従来以上に耐候添加剤濃度を増加させても上記不具合が発生しないこと。
すなわち、本発明は、製造工程においてシート表面が接する冷却ロールの汚れが少なく外観の優れた化粧シートを得ること、化粧シートの物性として、経時・耐熱試験におけるブリードが少ないこと、ポリオレフィン系樹脂が接する層(印刷層、透明上塗り塗膜層、基材シート)との密着を阻害しないこと、高濃度に配合しても耐候添加剤がブリードして外観を悪化させないことといった性能を備えた化粧シートを提供することを課題とする。また、ポリオレフィン系樹脂を用いながらポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートと同等以上の熱成形性及び耐候性、透明性を持つ化粧シートを提供することを課題とする。
1.ポリオレフィン系樹脂
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1系樹脂、もしくはこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、好ましくはポリエチレン系樹脂、又はポリプロピレン系樹脂、もしくはこれらの混合物である。
上記ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物としては、例えば、低密度ポリエチレンとプロピレン・エチレンランダム共重合体との混合物などを挙げることもできる。
しかし、本発明では、4−メチル−1−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、3−エチル−1−ヘキシル基、3−エチル−4−メチル−1−ペンチル基から選ばれる1種若しくは2種以上のイソオクチル基又はこれらの混合物を使用する。
また、上記式(1)で表されるトリアリールトリアジン誘導体は、市販のものを使用することもできる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、上記式(1)で表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤に加え、さらに光安定剤として、エチレンと下記式(2)で表される環状アミノビニル化合物との共重合体(以下、「エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体」という)を含有させることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、上述した紫外線吸収剤に加えて、他の付加的成分を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
なお、前記ポリオレフィン系樹脂組成物にヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤からなる光安定剤を添加する場合には、化粧シート(又は複層の場合は表面シート)に隣接するインキ層、接着剤層等の層にはウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の分子中に塩素原子を含まない樹脂を用いると耐候性向上の点で良好である。もし、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン等の分子中に塩素原子を含む樹脂を用いると、紫外線又は熱の作用によりこれらの樹脂から脱塩素反応で塩化水素が発生し、これがヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤と反応してその作用を失活・阻害するため、耐候性が十分に向上しない。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記必須成分と必要に応じて配合される付加的成分とを混合し、溶融混練することにより得られる。
溶融混練としては、例えば、粉末状、ペレット状等の形状の各成分を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用して行う。混練温度は、一般に180〜270℃で行われる。また、混練機は、上述したものの二種以上を組み合わせることもできる。
本発明の化粧シートは、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるシート(以下、単にポリオレフィン樹脂シートとも呼称する)であって、装飾処理が施されている。前記化粧シートは単層シートでも良く、また上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる表面シートと基材シートとを少なくとも有する複層シートとしても良い。
(1)シートの製造
本発明の化粧シートは、上述したポリオレフィン系樹脂組成物を、必要に応じて適宜ブレンドし、カレンダー製法、押出成形法等の常用の方法により製膜することにより得られる。前記化粧シートは、延伸シート、未延伸シートのいずれも使用可能である。化粧シートの厚みは、30〜200マイクロメータ、好ましくは40〜100マイクロメータである。
なお、前記化粧シートが単層シートのときは、前記のポリオレフィン樹脂シート自体に直接模様を印刷したり、接着剤を塗布することも可能であるが、インキや接着剤とポリオレフィン樹脂シートとの接着力を、より強固なものにする必要がある場合には、ポリオレフィン樹脂シート表面に易接着層の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことができる。
前記易接着層(プライマー層、或いはアンカー層とも云う)としては、例えば、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン(あるいはウレタン樹脂とも呼称する)、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンが使用されるが、特に前記ポリオレフィン樹脂シート表面に、コロナ放電処理等の易接着処理を施して、水酸基、カルボキシル基等の活性水素含有極性官能基を付与した後、該表面上にポリウレタンまたは塩素化ポリプロピレンの易接着層を形成することが望ましい。
ポリオールとは、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式イソシアネートが用いられる。あるいは、これらイソシアネートの付加体、または多量体も用いられる。
本発明の化粧シートに施される装飾処理としては、例えば、顔料添加による着色(透明又は不透明着色)、模様の印刷、エンボス加工(加熱プレス)やヘアライン加工等による凹凸模様賦形、金属薄膜層の形成等が挙げられる。
模様印刷に用いられるインキ(或いは塗料)としては、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、一種又は二種以上混合して用いる。これに前記に列挙した様な公知の顔料を添加した物を用いる。
凹凸模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参照)によって、着色インキを充填することもできる。着色インキとしては上記と同様のものが仕様可能である。但し、耐磨耗性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとするものが好ましい。
本発明の化粧シートが複層の場合、該化粧シートは、基材シート上に前記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる表面シートを積層し、必要に応じて前記基材シート又は表面シートのいずれか又は両方に装飾処理を施してなることを特徴とする。化粧シートが複層の場合は、例えば、基材シートには前述した化粧シートに要求される機能(1)〜(14)のうち、機能(1)〜(6)及び(9)を主に担わせることとし、基材シートの表面に積層する表面シートには機能(1)〜(8)及び(10)〜(14)を主に担わせることとすることができる。
基材シートは、ポリオレフィンを主体とする樹脂材料からなる。ポリオレフィンとしては、基本的性能が優れるものとして、前記ポリオレフィン系樹脂材料を用いてもよいが、その他ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロピレン・エチレン・3元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1・3元共重合体、ポリメチルペンテン、或いは特開平6−16832号公報等に記載のオレフィン系エラストマー等のエラストマーが使用される。厚さは30〜200μm程度で、延伸シート、未延伸シートのいずれも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適性上は、未延伸シートの方が良好である。
前記エラストマーの添加量としては、基材シートを構成する樹脂材料全量に対し、10〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。エラストマーが10重量%未満であると一定荷重時伸度の変化が急峻になり過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じ、又エラストマーが60重量%を超えると透明性、耐候性及び耐クリープ性の低下が生じる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環族)イソシアネートが用いられる。或いは、これらのイソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等がある。
本発明による化粧シートにおいて、上記のように必要に応じて装飾処理が施された基材シートの表面に、ポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムを表面シートとして積層する。前記ポリオレフィン系樹脂組成物としては、単層シートの場合に該シートを構成するポリオレフィン系樹脂組成物と同様の樹脂組成物が用いられる。ポリオレフィン系樹脂の好ましいものは、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体である。
好ましくは、さらにその表面シートの上に、耐擦傷性向上、艶調整のために上塗り塗膜層を形成することができる。バインダーとして塩素化ポリオレフィン、2液硬化ポリウレタン樹脂等が好ましい。
本発明の化粧シートには、該化粧シート(複層シートの場合は表面シート)の表面側に、分子中にイソシアネート基を有する樹脂からなる上塗り塗膜層を形成することができる。
分子中にイソシアネート基を有する樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、或いは1液硬化型ウレタン樹脂が用いられる。2液硬化型ウレタン樹脂としては、易接着層の樹脂系として前記したものと同様のポリオールとイソシアネートを混合したものを用いることができる。
好ましくは、さらにその上塗り塗膜層の上に、さらに艶調整保護コート層を形成することができる。バインダーとして塩素化ポリオレフィン、2液硬化ポリウレタン等が好ましい。
本発明の化粧シートは、そのまま化粧材として用いても良いが、該シートを他の被着体(裏打材)に積層して使用することもできる。積層は、被着体に化粧シート自体が(熱融点等で)接着可能な場合は、接着剤層は省いても良く、また、化粧シート自体では被着体と接着しない場合は、適当な接着剤にて積層してもよい。
被着体が最終製品であり、その表面化粧の為に化粧シートを積層する場合も有れば、必要に応じ化粧シートの力学的強度の補強、或いは隠蔽性の付与のため化粧シート裏面に被着体を積層する場合も有る。
特に、本発明の化粧シートを凹凸立体物に貼り合わせる方法としては、上記方法のうち、ラッピング加工法、Vカット加工法、射出成形同時ラミネート法、真空成形同時ラミネート法等が好ましい。
(1)チルロールの汚れ
Tダイ押出機にて製膜を行う場合、チルロールをあらかじめ溶剤にて拭き取りを行い、その後連続製膜を行いながらチルロールの汚れを目視にて観察した。
(2)エンボス版の汚れ
エンボス加工を行う場合のエンボス版をあらかじめ溶剤にて拭き取りを行い、その後連続でエンボス加工を行いながらエンボス版の汚れを目視にて観察した。
(1)耐熱促進試験
上塗り塗膜を施した化粧シートを、40℃、80℃、100℃の各温度に設定したオーブン中に入れて所定期間放置し(所定期間;40℃=400日まで、80℃=5週間まで、100℃=10日まで)、途中経時で外観を確認した(40℃=10日毎、80℃=1週間毎、100℃=1日毎)。また、上塗り塗膜層の密着性をセロハン粘着テープにて試験した(テープ密着試験)。具体的な試験方法としては、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社、商品名「セロテープ(登録商標)」、産業用24mm幅)を塗膜表面に貼り、室温(20℃)にて布でこすり圧着した。該テープ表面を室温にまで冷却し、手で一気にセロハン粘着テープを剥離した。塗膜のセロハン粘着テープへの付着の有無を目視で確認した。
(2)耐候性促進試験
カーボンアーク燈型サンシャインウエザオメーターを用いてブラックパネル温度63℃で、120分中18分降雨で試験した後(以下、S.W.O.M試験という)、目視で観察をして、OP層等の各層間の浮き、脱落などの異常の有無を検査した。
(3)耐候性促進試験
アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用いブラックパネル温度63℃にて、照度60mW/cm2、光源からの距離240mm、照射スペクトル帯域295〜450mm、5時間照射し、1時間結露で試験した後(以下、S−UV試験という)、目視で観察をして、OP層等の各層間の浮き、脱落などの異常の有無を検査した。
ポリエチレン樹脂(HDPE:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)HD・HJ560)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)をブレンダーで混合したのち、溶融押出して得られる樹脂組成物をTダイ押出機にて、80μmに成膜し、両面にコロナ放電処理を施した。
次に、着色インキ(バインダーはアクリルポリオール100重量部と1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート8重量部、顔料はアクリルウレタン系インキ弁柄、カーボンブラック、酸化チタンからなる)にて、木目模様をグラビア印刷し、反対面(表面)にアクリルポリオール100重量部と1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート10重量部、艶消し剤はシリカ粒子(平均粒径2μm)からなるインキをグラビア印刷にて2μm厚みの透明上塗り塗膜層(OP層)を形成し、化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
着色基材シートとして、アイソタクチックポリプロピレン100重量部に水素添加スチレン−ブタジエンゴム60重量部、炭酸カルシウム微粒子からなる無機充填剤25重量部、チタン白、弁柄、黄鉛計5重量部からなる着色顔料により着色した厚さ60μm厚みのポリオレフィン系樹脂シートを製造した。この着色原反に、コロナ放電処理後実施例1と同様のインキを用いグラビア印刷にて木目模様を印刷し、反対面(裏面)にもコロナ放電処理後、シリカを8重量%含むウレタン樹脂プライマーコート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート+アクリルポリオール)をグラビア印刷にて形成し、印刷済み着色基材シートを得た。
その後、該基材シートの印刷面上にポリエステルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからなる接着剤層を10μm形成し、あらかじめ成膜しておいた実施例1記載の樹脂組成物からなる80μm厚みの透明表面シートとドライラミネートにて貼り合わせた。着色絵柄印刷済み着色基材シートと透明表面シートからなる複層シートを更に加熱処理し、木目導管模様のエンボス(以下、「EM」とも呼称する)版を用いエンボス加工をした。該エンボス加工面にコロナ放電処理を行い、アクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び平均粒径2μmのシリカ粒子からなる透明上塗り塗膜層(OP層)をグラビアロールコーティングにて3μm厚みに形成し、化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
高密度ポリエチレン60重量%をベースに熱可塑性エラストマーとして、水素添加スチレン−ブタジエンゴムを30重量%、無機添加剤として炭酸カルシウム微粒子10重量%、また、着色顔料として弁柄とカーボンブラックを5重量%添加して、熱安定剤及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を5重量%ブレンドしたものをカレンダー製法にて厚み60μmに成膜した不透明着色シートを得た。
この着色基材シート(着色PE)に、コロナ放電処理後グラビア印刷にて実施例1と同様のインキを用い木目模様を印刷し、反対面にもコロナ放電処理後、シリカを8重量%含むウレタン系プライマーコート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート+アクリルポリオール)をグラビア印刷にて形成し、印刷済み着色基材シートを得た。
その後、ポリエステルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからなる接着剤層を10μm形成し、その面に実施例1記載の樹脂組成物をTダイから樹脂温度240℃、60μm厚みにて溶融押出し、着色絵柄印刷済み基材シートと透明表面シートからなる複層シートを得た。該複層シートを更に加熱処理し、木目導管模様のEM版を用いエンボス加工をした。該エンボス加工面にコロナ放電処理を行い、EMによる凹部に着色インキ(バインダーはアクリルポリオール100重量部と1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート8重量部、顔料は弁柄とカーボンブラックからなる)を充填し、更にその表面にアクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び平均粒径2μmの艶消し剤(シリカ粒子)からなる透明上塗り塗膜層(OP層)をグラビアロールコーティングにて2μm厚みに形成し、化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基である誘導体49モル%、4−メチル−1−ヘプチル基である誘導体20モル%、3−エチル−4−メチル−1−ペンチル基である誘導体19モル%、2−エチル−1−ヘキシル基である誘導体10モル%を含有する誘導体組成物、イソオクチル誘導体の合計量は98モル%)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)をブレンダーで混合し、後は実施例1と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)をブレンダーで混合したのち、溶融押出して得られる樹脂組成物をTダイ押出機にて、80μmに製膜し、両面にコロナ放電処理を施し、透明表面シートを得た。
次に実施例2と同様にして印刷済み着色基材シートを得た後、透明表面シートとドライラミネーションにて張り合わせ、得られた複層シートに実施例2と同様にして装飾処理を施し、化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シート層に用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)0.1重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シート層に用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂(HDPE:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)HD・HJ560)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1がノルマルオクチル基0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を用いる他は実施例1と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1がノルマルオクチル基0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例2と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)6重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−ヘキシル基)0.05重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が2−エチル−1−ブチル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が4−メチル−1−ペンチル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1がシクロヘキシル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が3−エチル−1−オクチル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量%と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP:日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)PP・FG3D)100重量部に対し、トリアリールトリアジン誘導体(上記式(1)のR1が2,2−ジメチル−1−オクチル基)0.5重量部、及びエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(上記式(2)のR2、R3がメチル基、R4が水素原子であるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)4重量部と、0.05重量部のフェノール系安定剤(テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)からなる樹脂組成物を透明表面シートとして用いる他は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。製品物性等の評価結果を表3に示す。
2 顔料
3 化粧シート
4 プライマー層
5 模様
7 凹凸模様
8 着色インキ
11 基材シート
12 表面シート
13 模様
14 易接着層
15 凹凸模様
16 着色インキ
31 被着体
Claims (4)
- 化粧シートが、建築物の内装用、建具、乃至は造作部材の表面化粧用、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧用、車輛内装用、航空機内装用、または窓硝子の化粧用であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の化粧シート。
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