JPH11152345A - 化粧シート用フィルム - Google Patents
化粧シート用フィルムInfo
- Publication number
- JPH11152345A JPH11152345A JP9320993A JP32099397A JPH11152345A JP H11152345 A JPH11152345 A JP H11152345A JP 9320993 A JP9320993 A JP 9320993A JP 32099397 A JP32099397 A JP 32099397A JP H11152345 A JPH11152345 A JP H11152345A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- decorative sheet
- resin
- ultraviolet absorber
- polypropylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ブルームを防止しつつ、褪色・劣化を起こし
にくい、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を含むポリプロピレン系樹
脂シートからなる化粧シート用フィルムを提供すること
である。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂、不飽和基を有す
る紫外線吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系
樹脂（ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及びヒンダードアミン系
光安定剤を含有するフィルムからなる化粧シート用フィ
ルム。その組成はポリプロピレン系樹脂１００重量部当
たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の紫外線吸収剤基の含有量
が０．０１〜１０重量部、かつヒンダードアミン系光安
定剤の含有量も０．０１〜１０重量部であるのが好まし
い。
にくい、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を含むポリプロピレン系樹
脂シートからなる化粧シート用フィルムを提供すること
である。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂、不飽和基を有す
る紫外線吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系
樹脂（ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及びヒンダードアミン系
光安定剤を含有するフィルムからなる化粧シート用フィ
ルム。その組成はポリプロピレン系樹脂１００重量部当
たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の紫外線吸収剤基の含有量
が０．０１〜１０重量部、かつヒンダードアミン系光安
定剤の含有量も０．０１〜１０重量部であるのが好まし
い。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具類や建築内装
材等に用いられるプラスチック化粧合板やプラスチック
被覆鋼板等の化粧材用の樹脂製化粧シートに関するもの
である。
材等に用いられるプラスチック化粧合板やプラスチック
被覆鋼板等の化粧材用の樹脂製化粧シートに関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】一般にプラスチック化粧合板のような化
粧材は、下地材として合板等の木材や鋼板を用い、これ
に印刷・着色を施した単層または積層の樹脂シート（化
粧シート）を貼り付けたものが多く用いられている。こ
の化粧シートの素材としては、意匠性や接着性に優れる
塩化ビニル系樹脂が使用される例が多い。
粧材は、下地材として合板等の木材や鋼板を用い、これ
に印刷・着色を施した単層または積層の樹脂シート（化
粧シート）を貼り付けたものが多く用いられている。こ
の化粧シートの素材としては、意匠性や接着性に優れる
塩化ビニル系樹脂が使用される例が多い。
【０００３】しかしながら近年になって、用済後等の焼
却処分の際に発生する塩化水素ガスの処理やこれに用い
る焼却炉の炉材の選択等の問題から、ポリオレフィン系
樹脂に基づく化粧シートが用いられるようになってい
る。通常用いられる化粧シートは、透明な表面層、印刷
あるいは着色を施した印刷層を有しており、これらの各
層は必要に応じて接着層を介して積層されており、この
積層されたシートはその裏面に塗布または積層された接
着層を介して合板等に貼り付けて使用される。
却処分の際に発生する塩化水素ガスの処理やこれに用い
る焼却炉の炉材の選択等の問題から、ポリオレフィン系
樹脂に基づく化粧シートが用いられるようになってい
る。通常用いられる化粧シートは、透明な表面層、印刷
あるいは着色を施した印刷層を有しており、これらの各
層は必要に応じて接着層を介して積層されており、この
積層されたシートはその裏面に塗布または積層された接
着層を介して合板等に貼り付けて使用される。
【０００４】こうした印刷層が褪色したり、シート自体
が使用中に劣化したりしないようにするため、化粧シー
トの表面層や印刷層に耐候性助剤として紫外線吸収剤を
配合するのが一般的である。しかしポリオレフィン系の
化粧シートにおいては、基材であるポリオレフィン系樹
脂が無極性であるため、極性が高い紫外線吸収剤との相
溶性が小さく、褪色や劣化を有効に防止できる程度の量
を原料中に配合しても、シートを製造・二次加工する際
に、「ブルーム」と呼ばれる配合剤の噴き出し現象が発
生して、シートの表面や製造・加工用の金型・ロール等
の機器類を汚染したり、あるいは噴き出しにより紫外線
吸収剤が失われるために、本来の配合の目的を達成でき
ないという結果となる例が多い。
が使用中に劣化したりしないようにするため、化粧シー
トの表面層や印刷層に耐候性助剤として紫外線吸収剤を
配合するのが一般的である。しかしポリオレフィン系の
化粧シートにおいては、基材であるポリオレフィン系樹
脂が無極性であるため、極性が高い紫外線吸収剤との相
溶性が小さく、褪色や劣化を有効に防止できる程度の量
を原料中に配合しても、シートを製造・二次加工する際
に、「ブルーム」と呼ばれる配合剤の噴き出し現象が発
生して、シートの表面や製造・加工用の金型・ロール等
の機器類を汚染したり、あるいは噴き出しにより紫外線
吸収剤が失われるために、本来の配合の目的を達成でき
ないという結果となる例が多い。
【０００５】これを解決するために、不飽和基を有する
紫外線吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系樹
脂（以下「ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂」と略記する）を用い、
紫外線吸収剤のシート内部での拡散・移動を抑制し、シ
ートへの保持性を改良して耐候性を改良するという技術
が、例えば特開平７−１１０３１号公報や特開平８−２
０８７６５号公報において提案されている。しかしなが
らこの技術をブルーム改良に応用しようとすると、この
紫外線吸収剤成分が紫外線を吸収して生成したラジカル
に起因すると思われる、基材のポリプロピレン樹脂の劣
化が著しくなるという問題が発生した。
紫外線吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系樹
脂（以下「ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂」と略記する）を用い、
紫外線吸収剤のシート内部での拡散・移動を抑制し、シ
ートへの保持性を改良して耐候性を改良するという技術
が、例えば特開平７−１１０３１号公報や特開平８−２
０８７６５号公報において提案されている。しかしなが
らこの技術をブルーム改良に応用しようとすると、この
紫外線吸収剤成分が紫外線を吸収して生成したラジカル
に起因すると思われる、基材のポリプロピレン樹脂の劣
化が著しくなるという問題が発生した。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的
は、上記の問題点を解決した、ブルームを抑制しつつ、
かつ褪色・劣化を起こしにくい、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を
含むポリプロピレン系樹脂シートからなる化粧シート用
フィルムを提供することである。
は、上記の問題点を解決した、ブルームを抑制しつつ、
かつ褪色・劣化を起こしにくい、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を
含むポリプロピレン系樹脂シートからなる化粧シート用
フィルムを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下の
諸項目に存している。 （１）ポリプロピレン系樹脂、不飽和基を有する紫外線
吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系樹脂（Ｕ
Ｖ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及びヒンダードアミン系光安定剤
を含有するフィルムからなる化粧シート用フィルム。 （２）上記（１）項に記載のフィルムが、ポリプロピレ
ン系樹脂１００重量部当たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂Ｘ重
量部、及びヒンダードアミン系光安定剤Ｙ重量部を含有
し、かつＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の不飽和基を有する紫外
線吸収剤由来の成分の含有量がｍ重量％のとき、Ｘ及び
Ｙが下記の式を満足する（１）項に記載の化粧シート用
フィルム。
諸項目に存している。 （１）ポリプロピレン系樹脂、不飽和基を有する紫外線
吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系樹脂（Ｕ
Ｖ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及びヒンダードアミン系光安定剤
を含有するフィルムからなる化粧シート用フィルム。 （２）上記（１）項に記載のフィルムが、ポリプロピレ
ン系樹脂１００重量部当たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂Ｘ重
量部、及びヒンダードアミン系光安定剤Ｙ重量部を含有
し、かつＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の不飽和基を有する紫外
線吸収剤由来の成分の含有量がｍ重量％のとき、Ｘ及び
Ｙが下記の式を満足する（１）項に記載の化粧シート用
フィルム。
【０００８】
【数３】０．０１≦１００ｍＸ／｛１００００＋（１０
０−ｍ）Ｘ｝≦１０
０−ｍ）Ｘ｝≦１０
【０００９】
【数４】０．０１≦Ｙ≦１０
【００１０】（３）ポリプロピレン系樹脂として、メル
トフローレートが０．１〜３０（ｇ／１０分）、引張弾
性率が１０００〜１００００（ｋｇ／ｃｍ2 ）、結晶融
解熱量が３０〜１２０（Ｊ／ｇ）であるポリプロピレン
系樹脂を使用する上記（１）〜（２）項に記載の化粧シ
ート用フィルム。 （４）不飽和基を有する紫外線吸収剤がベンゾトリアゾ
ール化合物基を含むものである上記（１）〜（３）項の
いずれか１項に記載の化粧シート用フィルム。
トフローレートが０．１〜３０（ｇ／１０分）、引張弾
性率が１０００〜１００００（ｋｇ／ｃｍ2 ）、結晶融
解熱量が３０〜１２０（Ｊ／ｇ）であるポリプロピレン
系樹脂を使用する上記（１）〜（２）項に記載の化粧シ
ート用フィルム。 （４）不飽和基を有する紫外線吸収剤がベンゾトリアゾ
ール化合物基を含むものである上記（１）〜（３）項の
いずれか１項に記載の化粧シート用フィルム。
【００１１】（５）不飽和基を有する紫外線吸収剤がベ
ンゾトリアゾール系化合物基をアルコール残基側に有す
る（メタ）アクリル酸エステルである上記（４）に記載
の化粧シート用フィルム。 （６）ヒンダードアミン系光安定剤として分子量が１０
００以上のものを用いる上記（１）〜（５）項のいずれ
か１項に記載の化粧シート用フィルム。 （７）フィルムの厚さが０．０５〜１ｍｍである上記
（１）〜（６）のいずれか１項に記載の化粧シート用フ
ィルム。 （８）上記（１）〜（７）項のいずれか１項に記載の化
粧シート用フィルムの少なくとも片面に接着層が積層さ
れてなる接着性化粧シート用フィルム。 （９）上記（８）項に記載の化粧シート用フィルムの接
着層上に印刷層及び接着層が順次積層されてなる化粧シ
ート。
ンゾトリアゾール系化合物基をアルコール残基側に有す
る（メタ）アクリル酸エステルである上記（４）に記載
の化粧シート用フィルム。 （６）ヒンダードアミン系光安定剤として分子量が１０
００以上のものを用いる上記（１）〜（５）項のいずれ
か１項に記載の化粧シート用フィルム。 （７）フィルムの厚さが０．０５〜１ｍｍである上記
（１）〜（６）のいずれか１項に記載の化粧シート用フ
ィルム。 （８）上記（１）〜（７）項のいずれか１項に記載の化
粧シート用フィルムの少なくとも片面に接着層が積層さ
れてなる接着性化粧シート用フィルム。 （９）上記（８）項に記載の化粧シート用フィルムの接
着層上に印刷層及び接着層が順次積層されてなる化粧シ
ート。
【００１２】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧シート用フィルムは、ポリプロピレン系樹
脂、不飽和基を有する紫外線吸収剤をグラフト重合させ
たポリプロピレン系樹脂（ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及び
ヒンダードアミン系光安定剤を含有するフィルムからな
っている。この化粧シート用フィルムは、前述の積層タ
イプの化粧シートの透明な表面層として用いるのが最も
効果が発揮され好ましいが、印刷層として用いても、あ
るいはこのフィルム自体に必要に応じて印刷・着色を施
して単一層の化粧シートとして用いても同じように効果
を得ることが出来る。
本発明の化粧シート用フィルムは、ポリプロピレン系樹
脂、不飽和基を有する紫外線吸収剤をグラフト重合させ
たポリプロピレン系樹脂（ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂）、及び
ヒンダードアミン系光安定剤を含有するフィルムからな
っている。この化粧シート用フィルムは、前述の積層タ
イプの化粧シートの透明な表面層として用いるのが最も
効果が発揮され好ましいが、印刷層として用いても、あ
るいはこのフィルム自体に必要に応じて印刷・着色を施
して単一層の化粧シートとして用いても同じように効果
を得ることが出来る。
【００１３】本発明の化粧シート用フィルムの素材であ
るポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体ま
たはプロピレンを主体とする共重合体、もしくはこれら
の２種類以上の混合物のことをいう。ポリプロピレン系
樹脂として、メルトフローレートが０．１〜３０（ｇ／
１０分）、引張弾性率が１０００〜１００００（ｋｇ／
ｃｍ2 ）、そして結晶融解熱量が３０〜１２０（Ｊ／
ｇ）のものを使用するとブルームの抑制効果が一層向上
するので特に好ましい。
るポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体ま
たはプロピレンを主体とする共重合体、もしくはこれら
の２種類以上の混合物のことをいう。ポリプロピレン系
樹脂として、メルトフローレートが０．１〜３０（ｇ／
１０分）、引張弾性率が１０００〜１００００（ｋｇ／
ｃｍ2 ）、そして結晶融解熱量が３０〜１２０（Ｊ／
ｇ）のものを使用するとブルームの抑制効果が一層向上
するので特に好ましい。
【００１４】本発明の化粧シート用フィルムに用いるＵ
Ｖ−ｇ−ＰＰ樹脂は、例えばポリプロピレン系樹脂（そ
のメルトフローレート、引張弾性率、結晶融解熱等は上
記に規定する範囲内のものが望ましく、更にシートの素
材としたポリプロピレン系樹脂と同じものを用いるの
が、相溶性、接着性の点でより好ましい）と、アリル
基、アクリル基及びメタクリル基等の不飽和基を有する
紫外線吸収剤とを、ラジカル発生剤とともに押出機等を
用いて加熱しながら混練することにより製造できる。
Ｖ−ｇ−ＰＰ樹脂は、例えばポリプロピレン系樹脂（そ
のメルトフローレート、引張弾性率、結晶融解熱等は上
記に規定する範囲内のものが望ましく、更にシートの素
材としたポリプロピレン系樹脂と同じものを用いるの
が、相溶性、接着性の点でより好ましい）と、アリル
基、アクリル基及びメタクリル基等の不飽和基を有する
紫外線吸収剤とを、ラジカル発生剤とともに押出機等を
用いて加熱しながら混練することにより製造できる。
【００１５】ここで用いることのできる不飽和基を有す
る紫外線吸収剤として、例えばベンゾフェノン系の化合
物としては、２−ヒドロキシ−４−（２’−メタクリロ
イルオキシエトキシ）ベンゾフェノン、２−ヒドロキシ
−４−（２’−アクリロイルオキシエトキシ）ベンゾフ
ェノン、またベンゾトリアゾール系化合物としては、２
−（２’−ヒドロキシ−３’−アリル−５’−ｔ−ブチ
ルフェニル）ベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロ
キシ−３’−アリル−５’−ｔ−オクチルフェニル）ベ
ンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−３’−イ
ソプロペニル−５’−ｔ−オクチルフェニル）ベンゾト
リアゾール、２−（２’−アクリロイルオキシ−５’−
メチル）ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの
内では、製品への着色性を考慮するとベンゾトリアゾー
ル系の化合物が好ましく、更にそのベンゾトリアゾール
系化合物基をアルコール残基側に有する（メタ）アクリ
ル酸エステルが好ましい。なお、ここで言う「（メタ）
アクリル酸エステル」とは、アクリル酸又はメタクリル
酸のエステルの意味である。
る紫外線吸収剤として、例えばベンゾフェノン系の化合
物としては、２−ヒドロキシ−４−（２’−メタクリロ
イルオキシエトキシ）ベンゾフェノン、２−ヒドロキシ
−４−（２’−アクリロイルオキシエトキシ）ベンゾフ
ェノン、またベンゾトリアゾール系化合物としては、２
−（２’−ヒドロキシ−３’−アリル−５’−ｔ−ブチ
ルフェニル）ベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロ
キシ−３’−アリル−５’−ｔ−オクチルフェニル）ベ
ンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−３’−イ
ソプロペニル−５’−ｔ−オクチルフェニル）ベンゾト
リアゾール、２−（２’−アクリロイルオキシ−５’−
メチル）ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの
内では、製品への着色性を考慮するとベンゾトリアゾー
ル系の化合物が好ましく、更にそのベンゾトリアゾール
系化合物基をアルコール残基側に有する（メタ）アクリ
ル酸エステルが好ましい。なお、ここで言う「（メタ）
アクリル酸エステル」とは、アクリル酸又はメタクリル
酸のエステルの意味である。
【００１６】本発明の化粧シート用フィルムは、ポリプ
ロピレン系樹脂１００重量部当たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹
脂Ｘ重量部、及びヒンダードアミン系光安定剤Ｙ重量部
を含有し、かつＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の不飽和基を有す
る紫外線吸収剤由来の成分の含有量がｍ重量％のとき、
Ｘ及びＹが下記の式を満足するような組成を有するもの
が好適である。
ロピレン系樹脂１００重量部当たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹
脂Ｘ重量部、及びヒンダードアミン系光安定剤Ｙ重量部
を含有し、かつＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の不飽和基を有す
る紫外線吸収剤由来の成分の含有量がｍ重量％のとき、
Ｘ及びＹが下記の式を満足するような組成を有するもの
が好適である。
【００１７】
【数５】０．１≦１００ｍＸ／｛１００００＋（１００
−ｍ）Ｘ｝≦５０
−ｍ）Ｘ｝≦５０
【００１８】
【数６】０．１≦Ｙ≦３０
【００１９】Ｘ、Ｙのいずれか一つでもこれらの式の下
限値（０．１）未満の値を与えるような場合は、紫外線
吸収効果や光安定化効果が不十分なものとなりやすい。
一方上限値を超えるような時は、添加量の増加に見合う
効果の増大は得られないだけでなく、ブルームの可能性
が大きくなるので、やはり好ましくない。本発明の化粧
シート用フィルムには、ヒンダードアミン系の光安定剤
を配合する。このヒンダードアミン系光安定剤として
は、分子量が１０００以上のものが安定化効果とブルー
ム防止の両面から好適である。また、ヒンダードアミン
系光安定剤としてエチレンと不飽和基を有するヒンダー
ドアミン系光安定剤とを１〜１０重量％共重合させたポ
リエチレン系樹脂を用いるのも、このヒンダードアミン
系光安定剤自体のブルームが少なくできるので好適であ
る。
限値（０．１）未満の値を与えるような場合は、紫外線
吸収効果や光安定化効果が不十分なものとなりやすい。
一方上限値を超えるような時は、添加量の増加に見合う
効果の増大は得られないだけでなく、ブルームの可能性
が大きくなるので、やはり好ましくない。本発明の化粧
シート用フィルムには、ヒンダードアミン系の光安定剤
を配合する。このヒンダードアミン系光安定剤として
は、分子量が１０００以上のものが安定化効果とブルー
ム防止の両面から好適である。また、ヒンダードアミン
系光安定剤としてエチレンと不飽和基を有するヒンダー
ドアミン系光安定剤とを１〜１０重量％共重合させたポ
リエチレン系樹脂を用いるのも、このヒンダードアミン
系光安定剤自体のブルームが少なくできるので好適であ
る。
【００２０】本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムに
は、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、着色剤、充
填剤、核剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で添加
しても構わない。またこれらの添加剤については、予め
ポリオレフィン系樹脂に高濃度で配合したもの（マスタ
ー・バッチ）を用いるのが一般的である。このポリプロ
ピレン系樹脂フィルムを製造するための方法としては、
一般的なポリオレフィン系樹脂シートの成形方法を用い
ればよく、特に限定されない。例えば、Ｔダイ押出法、
インフレーション成形法、及びカレンダー成形法などが
挙げられる。
は、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、着色剤、充
填剤、核剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で添加
しても構わない。またこれらの添加剤については、予め
ポリオレフィン系樹脂に高濃度で配合したもの（マスタ
ー・バッチ）を用いるのが一般的である。このポリプロ
ピレン系樹脂フィルムを製造するための方法としては、
一般的なポリオレフィン系樹脂シートの成形方法を用い
ればよく、特に限定されない。例えば、Ｔダイ押出法、
インフレーション成形法、及びカレンダー成形法などが
挙げられる。
【００２１】本発明の化粧シート用のポリプロピレン系
樹脂フィルムの厚みは、その使用部位（表面層用／印刷
層用）や最終製品である化粧シートの層構成により異な
るが、化粧シート全体の強度や後加工、あるいは取り扱
い易さの点から０．０５〜１ｍｍ程度が好ましい。この
化粧シート用フィルムの少なくとも片面に接着層を積層
することにより、接着性を有する化粧シート用フィルム
が得られる。この接着性化粧シート用フィルムの接着層
上に印刷層及び接着層を順次積層することにより化粧シ
ートを得ることができる。
樹脂フィルムの厚みは、その使用部位（表面層用／印刷
層用）や最終製品である化粧シートの層構成により異な
るが、化粧シート全体の強度や後加工、あるいは取り扱
い易さの点から０．０５〜１ｍｍ程度が好ましい。この
化粧シート用フィルムの少なくとも片面に接着層を積層
することにより、接着性を有する化粧シート用フィルム
が得られる。この接着性化粧シート用フィルムの接着層
上に印刷層及び接着層を順次積層することにより化粧シ
ートを得ることができる。
【００２２】なお、接着層や印刷層を積層するために
は、化粧シート用フィルムの各層を共押出する方法、フ
ィルムの成形と同時に圧着もしくは融着する方法、予め
個別に成形したフィルムをラミネーター等を用いて貼り
合わせる方法、あるいは液状又は糊状の接着剤や印刷イ
ンク等をコーターによって塗布する方法などが用いられ
る。
は、化粧シート用フィルムの各層を共押出する方法、フ
ィルムの成形と同時に圧着もしくは融着する方法、予め
個別に成形したフィルムをラミネーター等を用いて貼り
合わせる方法、あるいは液状又は糊状の接着剤や印刷イ
ンク等をコーターによって塗布する方法などが用いられ
る。
【００２３】この接着性化粧シート用フィルム及び化粧
シートは、紫外線吸収剤が保留性良く配合されているの
で、接着層の劣化も少なく、化粧シートとして使用した
際の層間剥離等のトラブルを削減することができる。こ
のような化粧シートを合板や鋼板等の下地材に貼り付け
ることにより化粧材を製造することができる。
シートは、紫外線吸収剤が保留性良く配合されているの
で、接着層の劣化も少なく、化粧シートとして使用した
際の層間剥離等のトラブルを削減することができる。こ
のような化粧シートを合板や鋼板等の下地材に貼り付け
ることにより化粧材を製造することができる。
【００２４】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
によって限定されるものでない。 ＜実施例１〜２、比較例１〜２＞シートの作成 下記の配合にて４０ｍｍφのＴダイ押出機（Ｔダイ：４
００ｍｍ巾）を用い、ダイス温度２２０℃の条件で、厚
さ１００μｍの透明シートを作成した。但し、紫外線吸
収剤としてＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を用いた場合は、そこに
含まれるモノマー量が紫外線吸収剤の量であるとして使
用量を算出した。（従って、表中の「添加量」はＵＶ−
ｇ−ＰＰ樹脂中のモノマー量に相当する。） 得られたシートについて下記の評価を行った。結果を表
に示す。 （配合）ポリプロピレン系樹脂 １００重量部 （ランダムPP、コモノマー：エチレン、MFR:10g/10分、 結晶融解熱:96J/g、融点:144℃（昇温速度10℃／分）） 紫外線吸収剤 所定量（表中に示す） ヒンダードアミン系光安定剤 ０．２ （コハク酸ジメチル−１−（２−ヒドロキシエチル）−
４−ヒドロキシ−２，２，６，６−テトラメチルピペリ
ジン重縮合物）
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
によって限定されるものでない。 ＜実施例１〜２、比較例１〜２＞シートの作成 下記の配合にて４０ｍｍφのＴダイ押出機（Ｔダイ：４
００ｍｍ巾）を用い、ダイス温度２２０℃の条件で、厚
さ１００μｍの透明シートを作成した。但し、紫外線吸
収剤としてＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を用いた場合は、そこに
含まれるモノマー量が紫外線吸収剤の量であるとして使
用量を算出した。（従って、表中の「添加量」はＵＶ−
ｇ−ＰＰ樹脂中のモノマー量に相当する。） 得られたシートについて下記の評価を行った。結果を表
に示す。 （配合）ポリプロピレン系樹脂 １００重量部 （ランダムPP、コモノマー：エチレン、MFR:10g/10分、 結晶融解熱:96J/g、融点:144℃（昇温速度10℃／分）） 紫外線吸収剤 所定量（表中に示す） ヒンダードアミン系光安定剤 ０．２ （コハク酸ジメチル−１−（２−ヒドロキシエチル）−
４−ヒドロキシ−２，２，６，６−テトラメチルピペリ
ジン重縮合物）
【００２５】評価方法 １）ヘイズ：ＪＩＳ Ｋ ７１０５に従い、曇価を測定
した。 ２）ＵＶ吸収率：分光光度計（日立Ｕ−３３０型）を用
いて波長２５０〜４００ｎｍにおけるＵＶ光の吸収率を
測定した。
した。 ２）ＵＶ吸収率：分光光度計（日立Ｕ−３３０型）を用
いて波長２５０〜４００ｎｍにおけるＵＶ光の吸収率を
測定した。
【００２６】
【表１】
【００２７】＊紫外線吸収剤 I：ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂＝モノマー量４．９ｗｔ％（グ
ラフト率６７％）、ベース樹脂ＭＦＲ４２ｇ／１０分、
モノマー＝２−（２′−アクリロイルオキシ−５′−メ
チル）ベンゾトリアゾール II：２，２−メチレンビス〔４−（１，１，３，３−テ
トラメチルブチル−６−（２Ｈ−ベンゾトリアゾール−
２−イル）フェノール〕
ラフト率６７％）、ベース樹脂ＭＦＲ４２ｇ／１０分、
モノマー＝２−（２′−アクリロイルオキシ−５′−メ
チル）ベンゾトリアゾール II：２，２−メチレンビス〔４−（１，１，３，３−テ
トラメチルブチル−６−（２Ｈ−ベンゾトリアゾール−
２−イル）フェノール〕
【００２８】結果の評価 本発明のＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂を配合したシートは、８０
℃×１４日間経過後も通常の単量体タイプの紫外線吸収
剤と比べてＵＶ吸収率の残率が高く、従って褪色・劣化
防止効果の持続性に優れている。またヘーズもほとんど
増加せず、ブルームの程度も少ないことが判る。
℃×１４日間経過後も通常の単量体タイプの紫外線吸収
剤と比べてＵＶ吸収率の残率が高く、従って褪色・劣化
防止効果の持続性に優れている。またヘーズもほとんど
増加せず、ブルームの程度も少ないことが判る。
【００２９】
【発明の効果】本発明の不飽和基を有する紫外線吸収剤
をグラフト重合させたポリプロピレン系樹脂を配合した
フィルムは、紫外線吸収能力の持続性が良好で、褪色や
劣化を引き起こしにくく、またヘーズの増加もほとんど
なく、ブルームの発生する恐れも僅かである。
をグラフト重合させたポリプロピレン系樹脂を配合した
フィルムは、紫外線吸収能力の持続性が良好で、褪色や
劣化を引き起こしにくく、またヘーズの増加もほとんど
なく、ブルームの発生する恐れも僅かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｌ 23:26）
Claims (9)
- 【請求項１】 ポリプロピレン系樹脂、不飽和基を有す
る紫外線吸収剤をグラフト重合させたポリプロピレン系
樹脂（以下「ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂」と略記する）、及び
ヒンダードアミン系光安定剤を含有するフィルムからな
る化粧シート用フィルム。 - 【請求項２】 請求項１に記載のフィルムが、ポリプロ
ピレン系樹脂１００重量部当たり、ＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂
Ｘ重量部、及びヒンダードアミン系光安定剤Ｙ重量部を
含有し、かつＵＶ−ｇ−ＰＰ樹脂中の不飽和基を有する
紫外線吸収剤由来の成分の含有量がｍ重量％のとき、Ｘ
及びＹが下記の式を満足する請求項１に記載の化粧シー
ト用フィルム。 【数１】０．０１≦１００ｍＸ／｛１００００＋（１０
０−ｍ）Ｘ｝≦１０ 【数２】０．０１≦Ｙ≦１０ - 【請求項３】 ポリプロピレン系樹脂として、メルトフ
ローレートが０．１〜３０（ｇ／１０分）、引張弾性率
が１０００〜１００００（ｋｇ／ｃｍ2 ）、及び結晶融
解熱量が３０〜１２０（Ｊ／ｇ）であるポリプロピレン
系樹脂を使用する請求項１または２に記載の化粧シート
用フィルム。 - 【請求項４】 不飽和基を有する紫外線吸収剤がベンゾ
トリアゾール系化合物基を含むものである請求項１〜３
のいずれか１項に記載の化粧シート用フィルム。 - 【請求項５】 不飽和基を有する紫外線吸収剤がベンゾ
トリアゾール系化合物基をアルコール残基側に有する
（メタ）アクリル酸エステルである請求項４に記載の化
粧シート用フィルム。 - 【請求項６】 ヒンダードアミン系光安定剤として分子
量が１０００以上のものを用いる請求項１〜５のいずれ
か１項に記載の化粧シート用フィルム。 - 【請求項７】 フィルムの厚さが０．０５〜１ｍｍであ
る請求項１〜６のいずれか１項に記載の化粧シート用フ
ィルム。 - 【請求項８】 請求項１〜７のいずれか１項に記載の化
粧シート用フィルムの少なくとも片面に接着層が積層さ
れてなる接着性化粧シート用フィルム。 - 【請求項９】 請求項８に記載の化粧シート用フィルム
の接着層上に印刷層及び接着層が順次積層されてなる化
粧シート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9320993A JPH11152345A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 化粧シート用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9320993A JPH11152345A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 化粧シート用フィルム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11152345A true JPH11152345A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18127592
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9320993A Pending JPH11152345A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 化粧シート用フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11152345A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001181414A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧シート |
| JP2001181413A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧シート |
| WO2016125395A1 (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-11 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | ポリオレフィン系化粧シート用フィルム |
-
1997
- 1997-11-21 JP JP9320993A patent/JPH11152345A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001181414A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧シート |
| JP2001181413A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧シート |
| WO2016125395A1 (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-11 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | ポリオレフィン系化粧シート用フィルム |
| JP6002866B1 (ja) * | 2015-02-03 | 2016-10-05 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | ポリオレフィン系化粧シート用フィルム |
| JP2016216743A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-12-22 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | ポリオレフィン系化粧シート用フィルム |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP1093911B1 (en) | Impact resistant protective multilayer film | |
| CN101374656B (zh) | 在层压安全玻璃中使用的热塑性树脂组合物 | |
| JP7183550B2 (ja) | 化粧シート及び化粧部材 | |
| WO2009128411A1 (ja) | 樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いた多層構造体 | |
| JP2009078561A (ja) | 積層樹脂シート、エンボス付与シート及び被覆基材 | |
| JPH1067080A (ja) | 化粧シート | |
| JP2010013597A (ja) | 耐候性アクリル系フィルムおよびシート | |
| JPH11152345A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
| JPH11152343A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
| JP2018062071A (ja) | エンボス化粧シート及びその製造方法 | |
| JPH0577371A (ja) | 積層フイルム | |
| JP4536192B2 (ja) | 化粧シート | |
| JP3391187B2 (ja) | 化粧シート | |
| JP5185182B2 (ja) | 樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いた多層構造体 | |
| JPH11151787A (ja) | 化粧シート用積層フィルム | |
| JPH11152344A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
| US11945945B2 (en) | Resin having a catalyst for reactive adhesion to a polyester | |
| JP4108185B2 (ja) | 化粧シート | |
| JP2001261906A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、その製法及びその用途 | |
| JP2001288314A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
| US6221465B1 (en) | Film for decorative sheet and decorative sheet comprising the same | |
| JP2000246845A (ja) | アクリル系樹脂積層体とその製造方法、および積層構造体 | |
| JP2001114946A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
| JP2015217620A (ja) | ポリオレフィン樹脂系化粧シート用基材フィルム、化粧シート及び建築内装用化粧材 | |
| JP7451887B2 (ja) | 化粧シート |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |