JP2001170490A - クロスカップリング反応用触媒及びそれを用いた芳香族アリル誘導体の製造方法 - Google Patents
クロスカップリング反応用触媒及びそれを用いた芳香族アリル誘導体の製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
条件によらず高収率かつ高選択率で得ることを可能と
し、安価な成分によって構成されるクロスカップリング
反応用触媒を提供し、これを用いた芳香族アリル誘導体
を効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 マンガン、鉄、コバルト及びニッケル化
合物からなる群より選ばれた少なくとも一員と、三級炭
素が燐原子に直結した構造を有するホスフィン化合物と
から成るクロスカップリング反応用触媒の存在下に、ハ
ロゲン化アリルと芳香族マグネシウムハライド及び/又
は芳香族リチウムとをクロスカップリング反応させる。
Description
なクロスカップリング反応に対し、極めて有効な触媒及
びそれを用いた有機化合物の製造方法に関するものであ
る。殊に医農薬中間体、香料原料、機能性高分子用モノ
マ−、配位アニオン重合用分子量調節剤・助触媒、ポリ
カーボネート・ポリエステル・アクリル樹脂硬化剤とし
て有用な芳香族アリル誘導体をクロスカップリング反応
を用いて製造する方法に関するものである。
これまでに種々のものが知られている。
名エストラゴールと言われ、香料であるアネトールの原
料となる。このp−メトキシアリルベンゼンの製造方法
としては、 i)メボウキ油等の天然精油から分離抽出蒸留する方法 ii)2,6−ジターシャリブチルフェニルアリルエー
テルのクライゼン転位反応と脱ブチル化反応により、p
−ヒドロキシアリルベンゼンを合成し、アルカリ条件下
にメチル化する方法 iii)トリ弗化ホウ素等とヨードソベンゼン触媒系共
存下、アニソールとアリルトリメチルシランを反応させ
て得られるメトキシアリルベンゼンのオルト体とパラ体
の混合物から蒸留分離する方法 等があるが、いずれも芳香環の修飾や合成後の異性体の
分離抽出等、前処理や後処理の工程が煩雑であり、より
効率的な合成方法の開発が望まれている。
を用いる方法についても報告されている。例えば、 iv)J.Am.Chem.Soc,95,7777
(1973)においては、リチウムジフェニルキュプレ
ート等の銅アート錯体とアリルトシレートを−20℃で
反応させ、89%の収率でアリルベンゼンを得ていお
り、 v)J.Am.Chem.Soc,106,4833
(1984)においては、パラジウムホスフィン系触媒
存在下、テトラヒドロフラン中、50℃の条件でフェニ
ルトリメチル錫とアリルクロライドを反応させ、72%
の収率でアリルベンゼンを得ている。また、 vi)富山工業高等専門学校紀要,20,45(198
6)では、フェニルマグネシウムブロミドとアリルクロ
ライドをニッケルアセチルアセトナート触媒存在下、ジ
エチルエーテル中で反応させ、アリルベンゼンを70%
の収率で得ている。
ドとアリルハライドのクロスカップリング反応の例とし
ては、 v)特公平05−43485号公報に記載の方法が挙げ
られる。同公報では、二座配位のホスフィン配位子を有
するニッケル錯体を触媒として用い、p位がメチル、メ
トキシ、クロロ、フルオロ、ブトキシで置換されたフェ
ニルマグネシウムクロライドとアリルクロライドをクロ
スカプリング反応させ、p−置換アリルベンゼンを80
%以上の収率で得る方法が提案されている。
たこれらのクロスカップリング反応を用いる製造方法
は、活性種が熱的に不安定である為に低温条件が必要で
あったり、パラジウム等の効果な活性種を用いる等の経
済的問題を有しており、また、副生成物としてホモカッ
プリング物等が副生する等の反応選択性の問題を有して
いた。
体、機能性高分子用モノマ−等の製造に応用されてはい
るものの、更に効果的で、汎用性があり、経済的なクロ
スカップリング反応用触媒及びそれを用いたクロスカッ
プリング反応が望まれていた。
であり、その目的は、触媒効率が高く、目的物を溶媒種
類等の反応条件によらず高収率かつ高選択率で得ること
を可能とし、安価な成分によって構成されるクロスカッ
プリング反応用触媒を提供し、これを用い、芳香族アリ
ル誘導体を効率的に製造する方法を提供することであ
る。
課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、マンガン、
鉄、コバルト及びニッケル化合物からなる群より選ばれ
た少なくとも一員と、三級炭素が燐原子に直結した構造
を有するホスフィン化合物とから成る触媒系が、ハロゲ
ン化アリルと芳香族マグネシウムハライド及び/又は芳
香族リチウムとをクロスカップリング反応させ、芳香族
アリル誘導体を製造するに極めて有効であることを見出
し、本発明を完成させるに至った。更に本発明者らは、
その作用機構は不明であるが、精製した三級炭素が燐原
子に直結した構造を有するホスフィン化合物を用いずと
も、三級炭素がリチウム原子に直結した構造を有する有
機リチウム化合物とハロゲン化燐化合物もしくはアルコ
キシ燐化合物とマンガン、鉄、コバルト、ニッケル化合
物の群より選ばれた少なくとも一員とを混合して成る触
媒系が同等性能を有するクロスカップリング触媒となり
得ることを見出した。
群より選ばれた少なくとも一員と、三級炭素が燐原子に
直結した構造を有するホスフィン化合物とから成るクロ
スカップリング反応用触媒、 マンガン、鉄、コバルト及びニッケル化合物の群より
選ばれた少なくとも一員、三級炭素がリチウム原子に直
結した構造を有する有機リチウム化合物、及びハロゲン
化燐化合物若しくはアルコキシ燐化合物を混合して成る
クロスカップリング反応用触媒、及び それらクロスカップリング反応用触媒を用いた芳香族
アリル誘導体を高選択率かつ効率的に製造する方法であ
る。
バルト又はニッケル化合物としては、Mn(0),Mn
(I),Mn(II),Mn(III),Mn(I
V),Fe(0),Fe(II),Fe(III),C
o(0),Co(I),Co(II),Co(II
I),Ni(0),Ni(II)を金属種として有する
無機、有機化合物及び有機金属錯体を使用することがで
きる。
物として、具体的には、弗化マンガン(II),塩化マ
ンガン(II),臭化マンガン(II),沃化マンガン
(II)等のハロゲン化物、硫酸マンガン(II),硝
酸マンガン(II),硫酸アンモニウムマンガン(I
I),炭酸マンガン(II),ほう酸マンガン(I
I),酸化マンガン(IV)等の無機酸塩、蓚酸マンガ
ン(II),ぎ酸マンガン(II),酢酸マンガン(I
I),酢酸マンガン(III),安息香酸マンガン(I
I),4−シクロヘキシル酪酸マンガン(II),2−
エチルヘキサン酸マンガン(II),マンガン(II)
アセチルアセトナート,マンガン(III)アセチルア
セトナート等の有機酸マンガン塩を挙げることができ
る。これらの水和物の使用も、本発明の範囲に含まれ
る。
する数であり、Mnは、零乃至四価である。Xは、ハロ
ゲン原子,水素原子,炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、同一であっても異なっても良い。Lは、カルボニル
配位子、アミン配位子であり、同一であっても異なって
も良い。)の有機マンガン錯体、例えば、デカカルボニ
ルマンガン(0),ビスシクロペンタジエニルマンガン
(II)等を挙げることができる。
合物として、具体的には、弗化鉄(II),塩化鉄(I
I),臭化鉄(II),沃化鉄(II),弗化鉄(II
I),塩化鉄(III),臭化鉄(III),沃化鉄
(III)等のハロゲン化物、硫酸鉄(II),硫酸鉄
(III),硝酸鉄(III),燐酸鉄(III),二
燐酸鉄(III),過塩素酸鉄(III),硫化鉄(I
I)等の無機塩、蓚酸鉄(II),酢酸鉄(II),フ
マル酸鉄(II),乳酸鉄(II),グルコン酸鉄(I
I),クエン酸鉄(II)ナトリウム,クエン酸鉄(I
II),安息香酸鉄(II),ステアリン酸鉄(I
I),鉄(II)アセチルアセトナート,鉄(III)
アセチルアセトナート等の有機酸鉄塩を挙げることがで
きる。これらの水和物の使用も、本発明の範囲に含まれ
る。
する数であり、Feは、零価、一価、二価又は三価であ
る。Xは、ハロゲン原子,水素原子,炭素数1〜20の
炭化水素基であり、同一であっても異なっても良い。L
は、亜燐酸エステル配位子、カルボニル配位子、アミン
配位子であり、同一であっても異なっても良い。)の有
機鉄錯体、例えば、ビス(シクロオクタテトラエン)鉄
(0)、二塩化ビス(亜燐酸トリフェニル)鉄(I
I)、二塩化ビス(亜燐酸トリエチル)鉄(II)、シ
クロペンタジエニルヒドリドジカルボニル鉄(II)、
ブロモトリカルボニル(アリル)鉄(II)、シクロペ
ンタジエニル(メチル)ジカルボニル鉄(II)、二塩
化(2,2′−ビピリジル)鉄(II)、二臭化(2,
2′−ビピリジル)鉄(II)、二沃化(2,2′−ビ
ピリジル)鉄(II)、ジエチル(2,2′−ビピリジ
ル)鉄(II)等を挙げることができる。
(シクロペンタジエニル)鉄(III)テトラクロロ鉄
(III)酸塩の如き、複核錯体の使用も本発明の範囲
に含まれる。
合物として、具体的には、弗化コバルト(II),塩化
コバルト(II),臭化コバルト(II),沃化コバル
ト(II),弗化コバルト(III),塩化コバルト
(III),臭化コバルト(III),沃化コバルト
(III)等のハロゲン化物、硫酸コバルト(II),
硫酸コバルト(III),硝酸コバルト(III),燐
酸コバルト(III),二燐酸コバルト(III),過
塩素酸コバルト(III),硫化コバルト(II)等の
無機塩、蓚酸コバルト(II),酢酸コバルト(I
I),フマル酸コバルト(II),乳酸コバルト(I
I),グルコン酸コバルト(II),クエン酸コバルト
(III),安息香酸コバルト(II),ステアリン酸
コバルト(II),コバルト(II)アセチルアセトナ
ート,コバルト(III)アセチルアセトナート等の有
機酸コバルト塩を挙げることができる。これらの水和物
の使用も、本発明の範囲に含まれる。
する数であり、Coは、零価、一価、二価又は三価であ
る。Xは、ハロゲン原子,水素原子,炭素数1〜20の
炭化水素基であり、同一であっても異なっても良い。L
は、亜燐酸エステル配位子、カルボニル配位子、アミン
配位子であり、同一であっても異なっても良い。)の有
機コバルト錯体、例えば、ヒドリドテトラキス(ホスホ
ン酸トリフェニル)コバルト(I)、ヒドリドテトラキ
ス(ホスホン酸トリエチル)コバルト(I)、トリカル
ボニル(アリル)コバルト(I)、二塩化(2,2′−
ビピリジル)コバルト(II)、二塩化ビス(亜燐酸ト
リフェニル)コバルト(II)、二塩化ビス(亜燐酸ト
リエチル)コバルト(II)、二臭化(2,2′−ビピ
リジル)コバルト(II)、二沃化(2,2′−ビピリ
ジル)コバルト(II)、ジエチル(2,2′−ビピリ
ジル)コバルト(II)トリス(アリル)コバルト(I
II)、沃化(シクロペンタジエニル)(シクロヘキサ
ジエニル)コバルト(III)、二沃化(シクロペンタ
ジエニル)(トリフェニルホスフィン)コバルト(II
I)等を挙げることができる。
(シクロペンタジエニル)コバルト(III)テトラク
ロロコバルト(III)酸塩の如き、複核錯体の使用も
本発明の範囲に含まれる。
的には、弗化ニッケル(II),塩化ニッケル(I
I),臭化ニッケル(II),沃化ニッケル(II)等
のハロゲン化物、硫酸ニッケル(II),硝酸ニッケル
(II),過塩素酸ニッケル(II),硫化ニッケル
(II)等の無機塩、ぎ酸ニッケル(II),蓚酸ニッ
ケル(II),酢酸ニッケル(II),フマル酸ニッケ
ル(II),乳酸ニッケル(II),グルコン酸ニッケ
ル(II),安息香酸ニッケル(II),ステアリン酸
ニッケル(II),スルファミン酸ニッケル(II),
アミド硫酸ニッケル(II),炭酸ニッケル(II),
ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機酸ニッ
ケル塩を挙げることができる。これらの水和物の使用
も、本発明の範囲に含まれる。
する数であり、Niは、零価、一価又は、二価である。
Xは、ハロゲン原子,水素原子,炭素数1〜20の炭化
水素基であり、同一であっても異なっても良い。Lは、
亜燐酸エステル配位子、カルボニル配位子,アミン配位
子であり、同一であっても異なっても良い。)の有機ニ
ッケル錯体、例えば、ビス(シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0)、(シクロドデカトリエン)ニッケル
(0)、二塩化(2,2′−ビリジル)ニッケル(I
I)、二臭化(2,2′−ビピリジル)ニッケル(I
I)、二沃化(2,2′−ビピリジル)ニッケル(I
I)、ジエチル(2,2′−ビピリジル)ニッケル(I
I)、二塩化ビス(亜燐酸トリフェニル)ニッケル(I
I)、二塩化ビス(亜燐酸トリエチル)ニッケル(I
I)等を挙げることができる。
化ビス[2−(エトキシカルボニル)アリル]二ニッケ
ル塩の如き、複核錯体の使用も本発明の範囲に含まれ
る。
ホスフィン化合物としては、少なくとも1つの三級炭素
が燐原子に直結した構造を有するホスフィン化合物を使
用することができる。
フィン、トリターシャリーアミルホスフィン、1,2−
ビス(ジターシャリーブチルホスフィノ)エタン、1,
2−ビス(ジターシャリーブチルホスフィノ)プロパ
ン、1,2−ビス(ジターシャリーブチルホスフィノ)
ブタン、1,2−ビス(ジターシャリーアミルホスフィ
ノ)エタン、1,2−ビス(ジターシャリーアミルホス
フィノ)プロパン、1,2−ビス(ジターシャリーアミ
ルホスフィノ)ブタン等を挙げることができる。
造を有する有機リチウム化合物とハロゲン化燐化合物も
しくはアルコキシ燐化合物とマンガン、鉄、コバルト、
ニッケル化合物の群より選ばれた少なくとも一員とを混
合して成る触媒系も本発明の範囲に含まれる。
有する有機リチウム化合物としては、下記一般式(5) R1R2R3CLi (5) (式中、R1,R2,R3は、炭素数1〜20の炭化水素
基を示す。)で示される化合物を使用することができ
る。具体的には、ターシャリーブチルリチウム、ターシ
ャリーアミルリチウム、アダマンチルリチウムが挙げら
れる。
化合物としては、下記一般式(6) PXa(OR)3-a (6) (式中、Xはハロゲン原子を、aは0〜3の数を示し、
Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)で示される
化合物を使用することができる。具体的には、三塩化
燐、三臭化燐、亜燐酸トリメチル、亜燐酸トリエチル、
亜燐酸トリプロピル、亜燐酸トリブチル、亜燐酸トリフ
ェニル等が挙げられる。
カップリング反応は、下記一般式(7) ArLi (7) で示される芳香族リチウム化合物及び/又は一般式
(8) ArMgX (8) (式中、Arは、アリール基及び置換アリール基を示
し、Xは、ハロゲンを示す。)で示される芳香族マグネ
シウム化合物と、下記一般式(9) CH2=CHCH2X (9) (式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)で示されるアリ
ルハライドとで行うことができる。
族リチウム化合物として、具体的には、クロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、2−ジクロロベ
ンゼン、2−ジブロモベンゼン、2−ジヨードベンゼ
ン、3−ジクロロベンゼン、3−ジブロモベンゼン、3
−ジヨードベンゼン、4−ジクロロベンゼン、4−ジブ
ロモベンゼン、4−ジヨードベンゼン、2−ブロモクロ
ロベンゼン、3−ブロモクロロベンゼン、4−ブロモク
ロロベンゼン、2−ヨ−ドクロロベンゼン、3−ヨード
クロロベンゼン、4−ヨードクロロベンゼン、2−ヨ−
ドブロモベンゼン、3−ヨードブロモクロロベンゼン、
4−ヨードブロモベンゼン、4−フルオロクロロベンゼ
ン、4−フルオロブロモベンゼン、4−フルオロヨード
ベンゼン、4−トリルクロライド、4−トリルブロマイ
ド、4−トリルアイオダイド、2−トリルクロライド、
2−トリルブロマイド、2−トリルアイオダイド、2−
メトキシクロロベンゼン、2−メトキシブロモベンゼ
ン、2−メトキシヨードベンゼン、3−メトキシクロロ
ベンゼン、3−メトキシブロモベンゼン、3−メトキシ
ヨードベンゼン、4−メトキシクロロベンゼン、4−メ
トキシブロモベンゼン、4−メトキシヨードベンゼン、
4−エトキシクロロベンゼン、4−エトキシブロモベン
ゼン、4−エトキシヨードベンゼン、2−t−ブトキシ
クロロベンゼン、2−t−ブトキシブロモベンゼン、2
−t−ブトキシヨードベンゼン、3−t−ブトキシクロ
ロベンゼン、3−t−ブトキシブロモベンゼン、3−t
−ブトキシヨードベンゼン、4−t−ブトキシクロロベ
ンゼン、4−t−ブトキシブロモベンゼン、4−t−ブ
トキシヨードベンゼン、4−n−オクチル−2,3−ジ
フルオロフェニルクロライド、4−n−オクチル−2,
3−ジフルオロフェニルブロマイド、4−n−オクチル
−2,3−ジフルオロフェニルアイオダイド、4−n−
ペンチルビフェニルクロライド、4−n−ペンチルビフ
ェニルブロマイド、4−n−ペンチルビフェニルアイオ
ダイド3,4−ジフルオロクロロベンゼン、3,4−ジ
フルオロブロモベンゼン、3,4−ジフルオロヨードベ
ンゼン、3,3,4−トリフルオロクロロベンゼン、
3,3,4−トリフルオロブロモベンゼン、3,3,4
−トリフルオロフェニルヨードベンゼン、4−トリフル
オロメトキシクロロベンゼン、4−トリフルオロメトキ
シブロモベンゼン、4−トリフルオロメトキシヨードベ
ンゼン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシクロロベン
ゼン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシブロモベンゼ
ン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシヨードベンゼン
4−(2−ブテノキシ)クロロベンゼン、4−(2−ブ
テノキシ)ブロモベンゼン、4−(2−ブテノキシ)ヨ
ードベンゼン等のハライドを原料とする芳香族リチウム
化合物及び芳香族マグネシウム化合物を挙げることがで
きる。
ド、アリルブロマイド、アリルアイオダイドを用いるこ
とができる。
に限定するものではないが、窒素、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気下、有機反応及び錯体合成で一般的な溶媒、
例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、
n−デカン、ベンゼン、トルエン、アセトン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、n−ブチルメチル
エーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジ−n−ブチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シメチ
ルスルホキシド、トリエチルアミン、ヘキサメチルリン
酸トリアミド等の溶媒中で、−50〜200℃、好まし
くは、−20〜150℃の温度範囲で行うことができ
る。
媒量は、特に限定されるものではないが、上記の芳香族
リチウム化合物及び/又は芳香族マグネシウム化合物の
1.0molに対し、マンガン、鉄、コバルト及びニッ
ケル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一員が
0.0001〜1.0molとなるような範囲で使用す
ることが好ましく、特に好ましくは、0.001〜0.
1molの範囲である。
直結した構造を有するホスフィン化合物の使用量は、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル化合物からなる群より
選ばれる少なくとも一員1.0molに対し、0.1m
ol〜100molとなるような範囲で使用することが
好ましく、特に好ましくは、0.5mol〜50mol
の範囲である。
ル化合物の群より選ばれた少なくとも一員、三級炭素が
リチウム原子に直結した構造を有する有機リチウム化合
物及びハロゲン化燐化合物若しくはアルコキシ燐化合物
とを混合して成る触媒系を用いる際の、ハロゲン化燐化
合物又はアルコキシ燐化合物の使用量は、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル化合物からなる群より選ばれる
少なくとも一員1.0molに対し、0.1mol〜1
00molとなるような範囲で使用することが好まし
く、特に好ましくは、0.5mol〜50molの範囲
である。三級炭素がリチウム原子に直結した構造を有す
る有機リチウム化合物の使用量は、ハロゲン化燐化合物
もしくはアルコキシ燐化合物1.0molに対し、0.
1mol〜100molとなるような範囲で使用するこ
とが好ましく、特に好ましくは、1mol〜10mol
の範囲である。
されないが、上記溶媒中で予め触媒成分を溶媒中で予め
混合し、投入する方法、上記三成分を反応系に別々に投
入する方法等の如何なる投入形態をも使用できる。
ルクロスカップリング反応を高効率かつ高選択的に行う
ことができることにあり、副生成物であるホモカップリ
ング物や重合体を低減できることにある。よって、機能
性高分子用モノマー、医農薬中間体、香料原料等を製造
するに極めて有利である。
りも、高性能かつ安価に、しかも大量に調達でき、経済
的に極めて有利なことにある。殊に、マンガン、鉄、コ
バルト及びニッケル化合物からなる群より選ばれた少な
くとも一員と、三級炭素がリチウム原子に直結した構造
を有する有機リチウム化合物と、ハロゲン化燐化合物又
はアルコキシ燐化合物とを混合して成るクロスカップリ
ング反応用触媒は、工業的に極めて有利である。
実施例によって何ら限定されるものではない。
冷却器、滴下濾斗、攪拌装置を備えた500mlのフラ
スコに、マグネシウムの21.4g(0.880mo
l)とテトラヒドロフラン69.2g(0.960mo
l)を仕込み、攪拌開始後、これに滴下濾斗より、4−
タ−シャリ−ブトキシクロロベンゼン149.2g
(0.800mol)とエチルブロマイド4.36g
(0.0400mol)をテトラヒドロフラン138.
5g(1.92mol)で希釈した溶液を、テトラヒド
ロフラン還流条件下に、2時間かけて滴下し、引き続
き、同還流条件下で4時間攪拌し、4−タ−シャリ−ブ
トキシフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフ
ラン溶液を得た。
00mlのシュレンク管に、上記で調製した4−タ−シ
ャリ−ブトキシフェニルマグネシウムクロリドのテトラ
ヒドロフラン溶液45.0mmolを取り、氷浴によ
り、内温を5℃まで冷却した。冷却後、マグネチックス
タ−ラにより攪拌しつつ、塩化鉄(II)0.0285
g(0.225mmol)とトリターシャリーブチルホ
スフィン0.0910g(0.450mmol)を添加
し、内温が10℃以下となる様に滴下濾斗より、アリル
クロライド4.31g(56.3mmol)をテトラヒ
ドロフラン10mlに溶解させた溶液を30分間で滴下
し、更に室温にて2時間攪拌した。反応終了の後、1N
の塩酸水溶液を投入し、反応を停止させ、トルエンとジ
エチルエ−テル混合溶媒で目的物である4−アリル−タ
ーシャリーブトキシベンゼンを抽出した。
シベンゼンをガスクロマトグラフ内部標準法により定量
したところ、8.13g(42.8mmol)であり、
これは、収率95.0%に相当した。結果を表1に示
す。
ゼンの同定]上記の4−アリル−ターシャリーブトキシ
ベンゼンの溶液からエバポレ−タにより、溶媒であるト
ルエンとジエチルエ−テルを留去させ、減圧蒸留によ
り、77℃/1.2mmHgの主留分を6.42g(3
3.8mmol)を得た。これは、単離収率75.0%
に相当した。得られた4−アリル−ターシャリーブトキ
シベンゼンのスペクトルデ−タを採取したところ以下の
とおりであった。
ppm(d,2H),5.07ppm(m,2H),
5.99ppm(m,1H),7.02ppm(m,4
H)13 C−NMR;29.3ppm(CH3),40.1p
pm(CH2),78.6ppm(C),116.0p
pm(CH2),124.7ppm(2CH),12
9.4ppm(2CH),135.4ppm(CH),
138.2ppm(C),154.1ppm(C) IR(cm-1);2978,1640,1608,15
05,1390,1366,1236,1163,93
4,898,849,563 実施例2 実施例1のクロスカップリング反応において、塩化鉄
(II)0.0285g(0.225mmol)に変え
て塩化コバルト(II)0.0292g(0.225m
mol)としたこと以外は、実施例1と同様に4−アリ
ル−ターシャリーブトキシベンゼンの合成を行った。結
果は、収率83.9%であった。結果を表1にあわせて
示す。
(II)0.0285g(0.225mmol)に変え
て塩化ニッケル(II)0.0292g(0.225m
mol)としたこと以外は、実施例1と同様に4−アリ
ル−ターシャリーブトキシベンゼンの合成を行った。結
果は、収率84.6%であった。結果を表1にあわせて
示す。
シュレンク管にトルエン10ml、テトラヒドロフラン
10ml及び亜リン酸トリエチル0.0523g(0.
450mmol)を仕込み、これに攪拌しつつ、1.4
8mol/Lのターシャリーブチルリチウムのペンタン
溶液を0.912ml(1.35mmol)を室温にて
ゆっくりと加えた。これに塩化鉄(II)0.0285
g(0.225mmol)を添加し、室温で5分攪拌
し、クロスカップリング反応用触媒とした。
ロスカップリング反応において、塩化鉄(II)とトリ
ターシャリーブチルホスフィンに変えて、上記で調製し
たクロスカップリング反応用触媒としたこと以外は、実
施例1と同様に4−アリル−ターシャリーブトキシベン
ゼンの合成を行った。結果は、収率89.7%であっ
た。結果を表1にあわせて示す。
(II)とトリターシャリーブチルホスフィンに変えて
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン二塩化鉄
(II)0.118g(0.225mmol)としたこ
と以外は、実施例1と同様に4−アリル−ターシャリー
ブトキシベンゼンの合成を行った。結果は、収率39.
6%であった。結果を表1にあわせて示す。
(II)とトリターシャリーブチルホスフィンに変えて
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン二塩化コ
バルト(II)0.119g(0.225mmol)と
したこと以外は、実施例1と同様に4−アリル−ターシ
ャリーブトキシベンゼンの合成を行った。結果は、収率
19.8%であった。結果を表1に示す。
(II)とトリターシャリーブチルホスフィンに変えて
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン二塩化ニ
ッケル(II)0.119g(0.225mmol)と
したこと以外は、実施例1と同様に4−アリル−ターシ
ャリーブトキシベンゼンの合成を行った。結果は、収率
66.9%であった。結果を表1に示す。
(II)とトリターシャリーブチルホスフィンに変えて
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン二塩化パ
ラジウム(II)0.130g(0.225mmol)
としたこと以外は、実施例1と同様に4−アリル−ター
シャリーブトキシベンゼンの合成を行った。結果は、収
率42.0%であった。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 マンガン、鉄、コバルト及びニッケル化
合物からなる群より選ばれた少なくとも一員と、三級炭
素が燐原子に直結した構造を有するホスフィン化合物と
から成るクロスカップリング反応用触媒。 - 【請求項2】 三級炭素が燐原子に直結した構造を有す
るホスフィン化合物が、トリターシャリーブチルホスフ
ィンである請求項1に記載のクロスカップリング反応用
触媒。 - 【請求項3】 マンガン、鉄、コバルト及びニッケル化
合物の群より選ばれた少なくとも一員と、三級炭素がリ
チウム原子に直結した構造を有する有機リチウム化合物
と、ハロゲン化燐化合物又はアルコキシ燐化合物とを混
合して成るクロスカップリング反応用触媒。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
のクロスカップリング反応用触媒存在下に、ハロゲン化
アリルと芳香族マグネシウムハライド及び/又は芳香族
リチウムとをクロスカップリング反応させることを特徴
とする芳香族アリル誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 芳香族マグネシウムハライド及び/又は
芳香族リチウムが、p−置換フェニルマグネシウムハラ
イド及び/又はp−置換フェニルリチウムであることを
特徴とする請求項4に記載の製造方法。 - 【請求項6】 p−置換フェニルマグネシウムハライド
及び/又はp−置換フェニルリチウムが、p−アルコキ
シフェニルマグネシウムハライド及び/又はp−アルコ
キシフェニルリチウムであることを特徴とする請求項5
に記載の製造方法。 - 【請求項7】 p−アルコキシフェニルマグネシウムハ
ライド及び/又はp−アルコキシフェニルリチウムが、
p−ターシャリーブトキシフェニルマグネシウムハライ
ド及び/又はp−ターシャリーブトキシフェニルリチウ
ムであることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
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