JPH10330307A - 芳香族アルデヒド類の製造方法 - Google Patents

芳香族アルデヒド類の製造方法

Info

Publication number
JPH10330307A
JPH10330307A JP13663397A JP13663397A JPH10330307A JP H10330307 A JPH10330307 A JP H10330307A JP 13663397 A JP13663397 A JP 13663397A JP 13663397 A JP13663397 A JP 13663397A JP H10330307 A JPH10330307 A JP H10330307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
reaction
aromatic compound
palladium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13663397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Mori
嘉彦 森
Yasuyuki Koie
泰行 鯉江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP13663397A priority Critical patent/JPH10330307A/ja
Publication of JPH10330307A publication Critical patent/JPH10330307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法では、芳香族アルデヒド類を製造
するに際し、長時間高温で反応させる必要があり、また
一酸化炭素と水素は80〜90気圧程度導入する等、か
なり厳しい反応条件で行う必要があり、触媒活性が低い
ため経済性が極めて低いという問題があった。 【解決手段】 触媒及び塩基の存在下、ハロゲン化芳香
族化合物、一酸化炭素及び水素より芳香族アルデヒドを
製造する方法において、ハロゲン化芳香族化合物として
下記構造式(1) 【化1】 で示される臭素化芳香族化合物及び/又はヨウ素化芳香
族化合物(例えば、ブロモベンゼン)を用い、触媒とし
てパラジウム金属化合物及びトリtert−ブチルホス
フィンからなる化合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族アルデヒド類
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、米国特許3960932号明細
書には、臭素化又はヨウ素化された、芳香族化合物、ビ
ニル系化合物又は複素環化合物と一酸化炭素及び水素と
を、50〜175℃の温度、1〜200気圧で、パラジ
ウム−ホスフィン錯体触媒を用いて反応させる方法が開
示されている。
【0003】米国特許3960932号明細書において
ホスフィンとはPR3又はP(OR)3で表される化合物
であり、リンに結合した置換基Rとしてはアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基等多種例
示されているが、実施例において具体的に使用されてい
るホスフィンはほとんどがトリフェニルホスフィンであ
り、僅かにトリp−トリルホスフィン、トリフェノキシ
ホスフィンが見られる程度である。
【0004】また、その他の臭素化芳香族化合物又はヨ
ウ素化芳香族化合物を原料にした芳香族アルデヒド合成
に関する研究例としては、例えば、J.Am.Che
m.Soc.105、7175(1983)、J.Or
g.Chem.49、4009(1984)、J.A
m.Chem.Soc.108、452(1986)、
J.Org.Chem.53、624(1988)等が
あるが、これらの文献においても配位子としてはトリフ
ェニルホスフィンを用いている。
【0005】さらに、その他のホスフィン配位子の研究
例としては、例えば、Bull.Chem.Soc.J
pn.67、2329(1994)があり、それによれ
ば、高活性を示すホスフィン配位子としてトリp−クロ
ロフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
p−トリルホスフィンが挙げられており、置換基の1つ
をアルキル基に変えたジフェニルイソプロピルホスフィ
ンは低活性であると記載されている。
【0006】また、特公平5−32377号公報にはハ
ロフェノール類のヒドロカルボニル化に、脂肪族ホスフ
ィンを使用することが記載されており、具体的には、そ
の実施例において、トリエチルホスフィンやトリシクロ
ヘキシルホスフィンが開示されている。
【0007】しかしながら、トリエチルホスフィンやト
リシクロヘキシルホスフィンは、本発明の芳香族アルデ
ヒド類の製造方法に使用した場合には、トリフェニルホ
スフィンよりも低い活性しか示さず、本系には適用でき
ないという問題があった。
【0008】このようにホスフィン配位子としてはトリ
フェニルホスフィンを代表としたフェニル基が最も高活
性を示し、アルキル基は低活性であると従来考えられて
きた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、芳香族アルデヒド類を製造するに際し、長時間
高温で反応させる必要があり、また一酸化炭素と水素は
80〜90気圧程度導入する等、かなり厳しい反応条件
で行う必要があり、触媒活性が低いために経済性が極め
て低くなるという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは芳香族アル
デヒド類の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、原
料として特定のハロゲン化芳香族化合物を用い、触媒と
してパラジウム金属化合物及びトリtert−ブチルホ
スフィンからなる化合物を用いることにより、従来より
も穏和な反応条件で効率よく芳香族アルデヒド類の製造
が可能になることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち本発明は、触媒及び塩基の存在
下、ハロゲン化芳香族化合物、一酸化炭素及び水素より
芳香族アルデヒドを製造する方法において、ハロゲン化
芳香族化合物として下記構造式(1)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、Xは臭素又はヨウ素を表し、n1
は1又は2を表す。n1が2の場合にはXは互いに同一
でも異なっていてもよい。YはCH又はNを表す。Rは
フッ素、塩素、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、カルボニル基、エステル基、ニト
リル基又はホルミル基を表し、n2は1〜3の範囲の整
数を表す。n2が2以上の場合にはRは互いに同一でも
異なっていてもよい。またRは隣接炭素原子に結合し、
それらの炭素原子とともに炭化水素環又は複素環を形成
していてもよい。)で示される臭素化芳香族化合物及び
/又はヨウ素化芳香族化合物を用い、触媒としてパラジ
ウム金属化合物及びトリtert−ブチルホスフィンか
らなる化合物を用いることを特徴とする芳香族アルデヒ
ドの製造方法である。
【0014】本発明者らが上記課題を解決するため、ホ
スフィンについて検討したところ、置換基によって活性
が大きく異なることを見出し、従来検討されてきたトリ
フェニルホスフィンに代表されるフェニル基置換のホス
フィンよりも低活性な配位子と考えられてきたアルキル
基置換のホスフィンに属するトリtert−ブチルホス
フィンを使用した場合に、従来のトリフェニルホスフィ
ン配位子に代表されるフェニル基置換のホスフィンを凌
駕するほどの高活性を示すことを見出した。
【0015】しかしながら、特公平5−32377号に
開示されているようなハロフェノール類には有効な脂肪
族ホスフィンであっても、第1級アルキル基置換のトリ
n−ブチルホスフィンや第2級アルキル基置換のトリイ
ソプロピルホスフィン、シクロアルキル基置換のシクロ
ヘキシルホスフィン等は、従来のトリフェニルホスフィ
ンよりも低活性であり、トリtert−ブチルホスフィ
ンを使用した場合にこのような高活性を示すことは全く
予想し得ないことであった。
【0016】以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】本発明において、触媒としてはパラジウム
金属化合物及びトリtert−ブチルホスフィンからな
る化合物を用いる。
【0018】パラジウム金属化合物としては、公知の金
属化合物が使用でき、特に限定するものではないが、例
えば、ヘキサクロロパラジウム酸ナトリウム四水和物、
ヘキサクロロパラジウム酸カリウム等の4価のパラジウ
ム化合物類、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パ
ラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、ジクロロ
ビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ア
セトニトリル)パラジウム、ジクロロテトラアンミンパ
ラジウム、ジクロロ(シクロオクター1、5ージエン)
パラジウム、パラジウムトリフルオロアセテート、ビス
トリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド錯体等の
2価のパラジウム化合物類、トリス(ジベンジリデンア
セトン)二パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウムクロロホルム錯体、テトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウム錯体等の0価のパラジウム
化合物類が挙げられる。これらのうち、塩化パラジウ
ム、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウムが好適なものとして例示される。
【0019】パラジウム金属化合物の使用量は、原料で
ある臭素化芳香族化合物及び/又はヨウ素化芳香族化合
物に対して原子比で0.00001〜0.1であるが、
好適には0.00005〜0.05である。
【0020】トリtert−ブチルホスフィンの使用量
は、パラジウム原子に対してモル比で2〜10000で
あり、好適には2〜100である。
【0021】パラジウム金属化合物とトリtert−ブ
チルホスフィンはいかなる形態をとっていてもよいが、
それらが金属錯体を形成していることが好ましい。
【0022】本発明において使用される原料は臭素化芳
香族化合物及び/又はヨウ素化芳香族化合物であり、下
記構造式(1)で示される。
【0023】
【化3】
【0024】(式中、Xは臭素又はヨウ素を表し、n1
は1又は2を表す。n1が2の場合にはXは互いに同一
でも異なっていてもよい。YはCH又はNを表す。Rは
フッ素、塩素、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、カルボニル基、エステル基、ニト
リル基又はホルミル基を表し、n2は1〜3の範囲の整
数を表す。n2が2以上の場合にはRは互いに同一でも
異なっていてもよい。またRは隣接炭素原子に結合し、
それらの炭素原子とともに炭化水素環又は複素環を形成
していてもよい。) Rがフッ素及び/又は塩素の例としては、具体的には、
フルオロブロモベンゼン、ジフルオロブロモベンゼン、
クロロブロモベンゼン、ジクロロブロモベンゼン、フル
オロクロロブロモベンエン、フルオロヨードベンゼン、
ジフルオロヨードベンゼン、クロロヨードベンゼン、ジ
クロロヨードベンゼン、フルオロクロロヨードベンエン
等が挙げられる。
【0025】Rがアルキル基の例としては、具体的に
は、ブロモトルエン、ブロモキシレン、トリメチルブロ
モベンゼン、エチルブロモベンゼン、メチルエチルブロ
モベンゼン、tert−ブチルブロモベンゼン、2ーエ
チルヘキシルブロモベンゼン、トリフルオロメチルブロ
モベンゼン、トリクロロメチルブロモベンゼン、ジフル
オロクロロメチルブロモベンゼン等が挙げられる。
【0026】Rがシクロアルキル基の例としては、具体
的には、シクロペンチルブロモベンゼン、シクロヘキシ
ルブロモベンゼン、シクロオクチルブロモベンゼン、シ
クロペンチルヨードベンゼン、シクロヘキシルヨードベ
ンゼン、シクロオクチルヨードベンゼン等が挙げられ
る。
【0027】Rがアルコキシ基の例としては、具体的に
は、ブロモアニソール、ジメトキシブロモベンゼン、ト
リメトキシブロモベンゼン、エトキシブロモベンゼン、
メトキシエトキシブロモベンゼン、プロポキシブロモベ
ンゼン、エトキシペントキシブロモベンゼン、ジフルオ
ロメトキシブロモベンゼン、トリフルオロメトキシブロ
モベンゼン、メチルメルカプトブロモベンゼン、フェノ
キシブロモベンゼン、ベンゾキシブロモベンゼン、フェ
ノキシフルオロブロモベンゼン、ヨードアニソール、ジ
メトキシヨードベンゼン、トリメトキシヨードベンゼ
ン、エトキシヨードベンゼン、メトキシエトキシヨード
ベンゼン、プロポキシヨードベンゼン、エトキシペント
キシヨードベンゼン、ジフルオロメトキシヨードベンゼ
ン、トリフルオロメトキシヨードベンゼン、メチルメル
カプトヨードベンゼン、フェノキシヨードベンゼン、ベ
ンゾキシヨードベンゼン、フェノキシフルオロヨードベ
ンゼン等が挙げられる。
【0028】Rがアリール基の例としては、具体的に
は、ブロモビフェニル、トルイルブロモベンゼン、キシ
リルブロモベンゼン、メトキシフェニルブロモベンゼ
ン、ヨードビフェニル、トルイルヨードベンゼン、キシ
リルヨードベンゼン、メトキシフェニルヨードベンゼン
等が挙げられる。
【0029】Rがカルボニル基の例としては、具体的に
は、アセトブロモベンゼン、プロポキソブロモベンゼ
ン、ブチロキソブロモベンゼン、アセトヨードベンゼ
ン、プロポキソヨードベンゼン、ブチロキソヨードベン
ゼン等があげられる。
【0030】Rがエステル基の例としては、具体的に
は、ブロモフェニルアセテート、ブロモフェニルプロピ
オネート、ブロモフェニルブチレート、ブロモ安息香酸
メチル、ブロモ安息香酸エチル、ブロモ安息香酸ブチ
ル、ブロモフタル酸ジメチル、ヨードフェニルアセテー
ト、ヨードフェニルプロピオネート、ヨードフェニルブ
チレート、ヨード安息香酸メチル、ヨード安息香酸エチ
ル、ヨード安息香酸ブチル、ヨードフタル酸ジメチル等
が挙げられる。
【0031】Rがニトリル基の例としては、具体的に
は、シアノブロモベンゼン、シアノヨードベンゼン等が
挙げられる。
【0032】Rがホルミル基の例としては、具体的に
は、ホルミルブロモベンゼン、ホルミルヨードベンゼン
等が挙げられる。
【0033】Rが炭化水素環又は複素環を形成した例と
しては、具体的には、ブロモナフタレン、メチルブロモ
ナフタレン、メチレンジオキシブロモベンゼン、エチレ
ンジオキシブロモベンゼン、ヨードナフタレン、メチル
ヨードナフタレン、メチレンジオキシヨードベンゼン、
エチレンジオキシヨードベンゼン等が挙げられる。
【0034】Yが窒素の例としては、具体的には、ブロ
モピリジン、ブロモピコリン、ヨードピリジン、ヨード
ピコリン等が挙げられる。
【0035】本発明において塩基としては第3級アミン
が使用される。使用される第3級アミンは公知のものが
使用でき、特に限定するものではないが、例えば、下記
一般式(2) NR123 (2) (式中、R1、R2、R3は各々独立して1〜20個の炭
素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基又はアリ
ル基を表す。)で示される第3級アミンが挙げられる。
1、R2、R3としては、好適には1〜10個の炭素原
子を有するアルキル基、5〜10個の炭素原子を有する
シクロアルキル基であり、具体的にはトリエチルアミ
ン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、
トリシクロヘキシルアミン、メチルジブチルアミン、メ
チルジシクロヘキシルアミン、エチルジイソプロピルア
ミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、テトラメ
チルエチレンジアミン等が例示できる。
【0036】また、複素環式の第3級アミン、例えば、
ピリジン、ピコリン、トリエチレンジアミン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン等も使
用することができる。
【0037】塩基の量は反応により放出される酸を中和
するため用いられるので、中和が可能な量であればよ
く、好適には上記構造式(1)中のX(臭素又はヨウ
素)の化学量論量の1〜10倍である。
【0038】本発明において、必要であれば反応条件下
において不活性な溶媒を使用してもよい。使用される溶
媒としては飽和脂肪族又は脂環式炭化水素又は芳香族炭
化水素、エステル類、エーテル類を例示できる。具体的
にはヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ジブチルフタレート、テトラヒドラフラン、
ジオキサンを例示できる。
【0039】本発明の方法は液相で実施する。適当な場
合には触媒は金属錯体として固定化して使用してもよ
い。固定化する方法は公知の方法を用いることができ
る。本反応条件下において不活性な無機担体、有機高分
子体、イオン交換樹脂等を支持体として使用し、配位子
交換等の公知の方法で結合させ、固定化する方法が知ら
れている。
【0040】本発明の方法を実施する際の反応温度は5
0〜170℃の範囲内で行うことができ、好適には10
0〜150℃である。
【0041】使用する一酸化炭素と水素の圧力は全圧で
1〜50気圧の範囲で行うことができ、好適には1〜4
0気圧である。一酸化炭素と水素の容積比は広い範囲で
設定することができ、一般的には一酸化炭素/水素の容
積比で0.1〜10であり、好適には0.1〜2であ
る。
【0042】本発明の方法は公知の操作方法が利用で
き、例えば連続式、バッチ式で実施することができる。
【0043】本発明の方法をさらに明瞭にするため、反
応操作を以下に具体的に述べるが、この操作方法に限定
するものではない。
【0044】臭素化芳香族化合物、塩基、錯体触媒、及
び適当な場合には溶媒をオートクレーブ中に導入する。
これらはあらかじめ混合してから導入してもよく、別々
に導入してもよい。次にオートクレーブ中に一酸化炭素
と水素を所定量導入する。一酸化炭素と水素は反応条件
下の温度において設定圧となるように一括導入しておい
てもよく、設定温度まで加熱した後に設定圧まで導入し
てもよい。設定温度まで加熱した後に設定圧まで導入す
る場合、設定温度まで液相を保つ程度の圧力をあらかじ
め導入しておくことが好ましい。
【0045】反応期間中、反応の進行とともに一酸化炭
素及び水素が消費されるが、一酸化炭素及び水素を反応
開始時において反応に十分な量及び圧力で導入した場
合、オートクレーブを密閉して消費量を補充せず反応さ
せることができる。又は反応に必要な量の如何に関わら
ず、外部のガス容器と接続して消費分を補充することに
よって反応圧力を一定に保つことも可能である。また、
反応の全期間を通じて又は一定期間のみ一酸化炭素及び
水素を流通させて設定圧を保持しながら反応させること
も可能である。
【0046】反応の終了後、オートクレーブを冷却、反
応物質から分離して芳香族アルデヒドを得る。一般的な
分離方法として、以下の方法を例示できる。冷却した反
応物質を濾過して臭素(ヨウ素化芳香族化合物を使用し
た場合にはヨウ素)のアンモニウム塩を分離した後、濾
液を蒸留して目的の芳香族アルデヒドを得る。芳香族ア
ルデヒドを分離した後、残液中の触媒は新しい操作で再
使用するため、再循環に供することも可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法に従えば芳香族アルデヒド
類を経済的に製造することが可能になり工業的に極めて
有用である。
【0048】
【実施例】本発明を次の例で具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0049】実施例1 窒素雰囲気下、酢酸パラジウム0.068g(0.3m
mol)とトリtert−ブチルホスフィン0.24g
(1.2mmol)をトルエン10mlに溶解した。ブ
ロモベンゼン1.56g(10mmol)、トリエチル
アミン1.52g(15mmol)及びトルエン20m
lを採取し、先に調製した触媒溶液を添加した。この様
にして調製した原料溶液を200mlのステンレス製オ
ートクレーブに注入した。オートクレーブ内に一酸化炭
素を6気圧導入し、置換した。この操作を3回繰り返し
た。一酸化炭素を10気圧導入した後、水素を10気圧
導入した。系内を密閉し、250rpmで攪拌しながら
110℃まで加熱した。110℃において全圧23.6
気圧を示した。5hr反応させた後、氷水で5℃まで急
冷し、反応液を収集した。GC分析によりブロモベンゼ
ンは100%転化し、ベンズアルデヒド収率93%を得
た。
【0050】実施例2 ブロモベンゼンを4−フルオロブロモベンゼンに変え、
反応温度を120℃にした以外は実施例1と同様に反応
を行った。120℃において全圧23.9気圧を示し
た。8hr反応させた後、氷水で5℃まで急冷し、反応
液を収集した。GC分析により4−フルオロブロモベン
ゼンは100%転化し、4−フルオロベンズアルデヒド
収率88%を得た。
【0051】実施例3 ブロモベンゼンを4−ブロモトルエンに変え、反応温度
を130℃にした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。130℃において全圧24.2気圧を示した。8h
r反応させた後、氷水で5℃まで急冷し、反応液を収集
した。GC分析により4−ブロモトルエンは100%転
化し、4−トルアルデヒド収率90%を得た。
【0052】実施例4 ブロモベンゼンを4−ブロモアニソールに変え、反応温
度を130℃にした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。120℃において全圧24.2気圧を示した。7h
r反応させた後、氷水で5℃まで急冷し、反応液を収集
した。GC分析により4−ブロモアニソールは100%
転化し、4−アニスアルデヒド収率85%を得た。
【0053】実施例5 ブロモベンゼンを2−ブロモトルエンに変え、反応温度
を130℃にした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。130℃において全圧24.2気圧を示した。6h
r反応させた後、氷水で5℃まで急冷し、反応液を収集
した。GC分析により2−ブロモトルエンは100%転
化し、2−トルアルデヒド収率89%を得た。
【0054】実施例6 ブロモベンゼンを4−ブロモベンズアルデヒドに変えた
以外は実施例1と同様に反応を行った。110℃におい
て全圧23.6気圧を示した。4hr反応させた後、氷
水で5℃まで急冷し、反応液を収集した。GC分析によ
り4−ブロモベンズアルデヒドは100%転化し、テレ
フタルアルデヒド収率87%を得た。
【0055】実施例7 ブロモベンゼンを4−トリフルオロメチルブロモベンゼ
ンに変えた以外は実施例1と同様に反応を行った。11
0℃において全圧23.6気圧を示した。4hr反応さ
せた後、氷水で5℃まで急冷し、反応液を収集した。G
C分析により4−トリフルオロメチルブロモベンゼンは
100%転化し、4−トリフルオロメチルベンズアルデ
ヒド収率85%を得た。
【0056】実施例8 ブロモベンゼンを3−ブロモピリジンに変えた以外は実
施例1と同様に反応を行った。110℃において全圧2
3.6気圧を示した。5hr反応させた後、氷水で5℃
まで急冷し、反応液を収集した。GC分析により3−ブ
ロモピリジンは100%転化し、3−ホルミルピリジン
収率80%を得た。
【0057】実施例9 酢酸パラジウムをトリス(ジベンジリデンアセトン)二
パラジウムに変えた以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。110℃において全圧23.6気圧を示した。5h
r反応させた後、氷水で5℃まで急冷し、反応液を収集
した。GC分析によりブロモベンゼンは100%転化
し、ベンズアルデヒド収率95%を得た。
【0058】実施例10 窒素雰囲気下、酢酸パラジウム0.068g(0.3m
mol)とトリtert−ブチルホスフィン0.24g
(1.2mmol)をトルエン10mlに溶解した。ブ
ロモベンゼン1.56g(10mmol)、トリエチル
アミン1.52g(15mmol)及びトルエン20m
lを採取し、先に調製した触媒溶液を添加した。この様
にして調製した原料溶液を200mlのステンレス製オ
ートクレーブに注入した。オートクレーブ内に一酸化炭
素を6気圧導入し、置換した。この操作を3回繰り返し
た。一酸化炭素を10気圧導入した後、水素を20気圧
導入した。系内を密閉し、250rpmで攪拌しながら
110℃まで加熱した。110℃において全圧35.4
気圧を示した。5hr反応させた後、氷水で5℃まで急
冷し、反応液を収集した。GC分析によりブロモベンゼ
ンは100%転化し、ベンズアルデヒド収率90%を得
た。
【0059】比較例1〜比較例6 錯体触媒を表2に示す配位子を使用して調製した以外は
実施例10と同様の条件で反応を行った。その時の転化
率とアルデヒド収率を表1にあわせて示す。
【0060】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/575 C07C 47/575 67/313 67/313 69/76 69/76 Z 253/30 253/30 255/56 255/56 C07D 213/48 C07D 213/48 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒及び塩基の存在下、ハロゲン化芳香
    族化合物、一酸化炭素及び水素より芳香族アルデヒドを
    製造する方法において、ハロゲン化芳香族化合物として
    下記構造式(1) 【化1】 (式中、Xは臭素又はヨウ素を表し、n1は1又は2を
    表す。n1が2の場合にはXは互いに同一でも異なって
    いてもよい。YはCH又はNを表す。Rはフッ素、塩
    素、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ア
    リール基、カルボニル基、エステル基、ニトリル基又は
    ホルミル基を表し、n2は1〜3の範囲の整数を表す。
    n2が2以上の場合にはRは互いに同一でも異なってい
    てもよい。またRは隣接炭素原子に結合し、それらの炭
    素原子とともに炭化水素環又は複素環を形成していても
    よい。)で示される臭素化芳香族化合物及び/又はヨウ
    素化芳香族化合物を用い、触媒としてパラジウム金属化
    合物及びトリtert−ブチルホスフィンからなる化合
    物を用いることを特徴とする芳香族アルデヒドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 パラジウム金属化合物及びトリtert
    −ブチルホスフィンからなる化合物が、パラジウム−ト
    リtert−ブチルホスフィン錯体であることを特徴と
    する請求項1に記載の芳香族アルデヒドの製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化芳香族化合物が、臭素化芳香
    族化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の芳香族アルデヒドの製造方法。
JP13663397A 1997-05-27 1997-05-27 芳香族アルデヒド類の製造方法 Pending JPH10330307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13663397A JPH10330307A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 芳香族アルデヒド類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13663397A JPH10330307A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 芳香族アルデヒド類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10330307A true JPH10330307A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15179878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13663397A Pending JPH10330307A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 芳香族アルデヒド類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10330307A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001170490A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Tosoh Corp クロスカップリング反応用触媒及びそれを用いた芳香族アリル誘導体の製造方法
WO2006103148A1 (en) * 2005-03-30 2006-10-05 Degussa Gmbh Process for the preparation of aromatic aldehydes
WO2013135552A2 (de) 2012-03-13 2013-09-19 Evonik Industries Ag Phosphinite und amidophosphinite als liganden in katalytischen reaktionen

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001170490A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Tosoh Corp クロスカップリング反応用触媒及びそれを用いた芳香族アリル誘導体の製造方法
JP4524506B2 (ja) * 1999-12-17 2010-08-18 東ソー株式会社 クロスカップリング反応用触媒及びそれを用いた芳香族アリル誘導体の製造方法
WO2006103148A1 (en) * 2005-03-30 2006-10-05 Degussa Gmbh Process for the preparation of aromatic aldehydes
JP2008534547A (ja) * 2005-03-30 2008-08-28 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 芳香族アルデヒドの製造方法
US7531697B2 (en) 2005-03-30 2009-05-12 Degussa Gmbh Process for the preparation of aromatic aldehydes
WO2013135552A2 (de) 2012-03-13 2013-09-19 Evonik Industries Ag Phosphinite und amidophosphinite als liganden in katalytischen reaktionen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7488698B2 (en) Microencapsulated metal catalyst
US6057456A (en) Transition metal-catalyzed process for preparing alpha-arylated carbonyl-containing compounds
JP3640435B2 (ja) パラダサイクル触媒を用いた芳香族オレフィンの製造方法
JP4565927B2 (ja) 炭素−炭素結合を生成するHeck反応用パラジウム触媒
US6072073A (en) Carbonyl arylations and vinylations using transition metal catalysts
JPS59101436A (ja) アリ−ルハロゲン化物のホルミル化方法
US6566571B1 (en) Method of producing biaryls
US6326517B1 (en) Method of producing benzamides
JPH10330307A (ja) 芳香族アルデヒド類の製造方法
US6323370B1 (en) Catalytic process
US6462242B1 (en) Process for preparing benzyl alcohols and their use
JPS6118437A (ja) グリコ−ルアルデヒドの製造方法及びそれに有用な触媒錯体
US4942240A (en) Preparation of aromatic aldehydes
JP3552934B2 (ja) 安息香酸アミド類の製造方法
JP2003522744A (ja) 多環式芳香族化合物の製造方法
JP5058288B2 (ja) 炭素−炭素結合生成反応用パラジウム触媒を使用するオレフィン基置換芳香族化合物の製造方法
CN114539097A (zh) 一种多取代烯基氰化物及其合成方法
US6268527B1 (en) Method for producing benzoic acid derivatives
US4943670A (en) Preparation of conjugated dienes
JP3443644B2 (ja) エステル類及びアミド類の製造方法
US4978801A (en) Preparation of aromatic aldehydes
JPH10218830A (ja) カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法
BG62848B1 (bg) Метод за получаване на естери на 3-пентеновата киселиначрез карбонилиране на алкоксибутени
JP2566063B2 (ja) フルオルベンゼンの製法
US4503232A (en) Method for the preparation of α-ketoamide imines