JP3353046B2 - 有機ビスマス化合物を用いる有機化合物の製造法 - Google Patents
有機ビスマス化合物を用いる有機化合物の製造法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
に、有機ビスマス化合物と脱離基を有する有機化合物を
反応させることを特徴とする、新たな炭素−炭素結合の
形成による有機化合物の新規な製造法に関するものであ
る。炭素−炭素結合の形成は有機合成化学の最も基本的
な反応操作であり、新たな形成手法の開発は、医薬・農
薬等のファインケミカルズ、機能性高分子、等を含む広
い範囲の合成技術に応用されるものである。
機ビスマス化合物と脱離基を有する有機化合物を反応さ
せることによる2種の有機基を炭素−炭素結合により結
合させる方法を、特許出願(特願平10−19475
8)してきた。しかし、この方法では、脱離基を有する
有機化合物として、工業的に容易に得られる有機ハロゲ
ン化合物を用いた場合には、一般に反応性が低い欠点が
あった。
ス化合物を脱離基を有する有機化合物と反応させて2種
の有機基を結合させる反応の反応性を飛躍的に向上さ
せ、もって、脱離基を有する有機化合物として有機ハロ
ゲン化合物を用いた場合でも高収率を達することが可能
な方法を提供することを課題とする。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、該反応を塩基性化合
物の存在下に実施した場合には、予想外の加速効果が実
現されることを見いだし、それに基づいて本発明を完成
するに至った。即ち、本発明は、炭素−ビスマス結合を
少なくとも1個有する有機ビスマス化合物(A)と、少
なくとも1個の脱離基を有する有機化合物(B)とを、
遷移金属触媒および塩基性化合物の存在下に反応させ
て、有機ビスマス化合物(A)の有機基と有機化合物
(B)の有機残基とが新たな炭素−炭素結合で結合した
化合物を製造する方法に関する。
在下に、一般式(I) BiR1R2R3 (I) (式中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリー
ル基、複素環式基、アラルキル基の中から選ばれる1価
の基を示し、R2およびR3はアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、アリール基、複素環式基、アラルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基の中から選ばれる
1価の基を示し、R2およびR3は結合して環を形成し
ていてもよく、またその環のなかにヘテロ原子を含んで
いてもよい。)で表される有機ビスマス化合物と、一般
式(II) R4−Y (II) (式中、R4は、アリール基、複素環式基、アルケニル
基の中から選ばれる1価の基を示し、Yは脱離基を示
す。)で表される脱離基を有する有機化合物とを反応さ
せることを特徴とする一般式(III) R1−R4 (III) (式中、R1およびR4は、前記と同じ意味を有する)
で表される有機化合物の製造方法に関する。
する有機基であって、本発明の反応を阻害しないもので
あれば、特に制限はなく、本発明は一般式(I)で表さ
れる有機ビスマス化合物を用いて、遷移金属触媒および
塩基性化合物の存在下で、簡便で且つ高収率の新たな炭
素−炭素結合を生じさせる方法を提供するものである。
化合物(A)は、少なくとも1個の炭素−ビスマス結合
を有するものであり、ビスマスに結合する他の基は反応
に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はない。ま
た、当該炭素−ビスマス結合を形成している炭素原子を
有する基も、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特
に制限はなく、これらの基は反応に悪影響を及ぼさない
官能基を置換基として有していてもよい。本発明の好ま
しい有機ビスマス化合物としては、前記一般式(I)で
表される化合物を挙げることができる。前記一般式
(I)において式中のR1はアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、アリール基、複素環式基、アラルキル基の中から
選ばれる1価の基を示す。
ては、炭素数1〜30、好ましくは1〜20、より好ま
しくは1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基であ
り、アルケニル基としては、炭素数2〜30、好ましく
は2〜20、より好ましくは2〜10の直鎖状又は分枝
状のアルケニル基であり、アルキニル基としては、炭素
数2〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜
10の直鎖状又は分枝状のアルキニル基であり、シクロ
アルキル基としては、炭素数5〜30、好ましくは5〜
20、より好ましくは6〜10の単環、多環又は縮合環
式のシクロアルキル基であり、シクロアルケニル基とし
ては前記したシクロアルキル基であって少なくとも1個
以上の不飽和結合を有するものが好ましく、アリール基
としては、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より
好ましくは6〜10の単環、多環又は縮合環式のアリー
ル基であり、複素環式基としては、環中に少なくとも1
個以上の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有し、1個
の環の大きさが5〜20員、好ましく5〜10員、より
好ましく5〜7員であって、前記したシクロアルキル
基、シクロアルケニル基又はアリール基を縮合していて
もよい飽和又は不飽和の単環、多環又は縮合環式の複素
環式基であってもよく、アラルキル基としては前記した
アルキル基又はアルケニル基に前記のアリール基又は複
素環式基が置換しているものが挙げられる。
ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロ
アルケニル基、アリール基、複素環式基、又は、アラル
キル基は、反応を阻害しない置換基で置換されていても
よい。また、置換基が反応を阻害する可能性がある場合
には、必要に応じてこれらの置換基を保護基で保護する
こともできる。したがって、本発明の置換基としては、
反応中に保護基で保護することができる反応性の置換基
も包含している。一般式(I)中の前記したアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、又は、ア
ラルキル基の置換基としては、これらの基が相互に置換
することができる場合には、これらの基が相互に置換し
たものであってもよい。例えば、アルキル置換シクロア
ルキル基、アルキル置換アリール基、アルキル置換複素
環式基、アルキル置換アラルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、シクロアルキルアルケニル基、アルケニル置
換アリール基などが挙げられる。
ル基からなるアルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキ
ルアミノ基、トリアルキルシリル基、アルキル置換シロ
キシ基などの他に、塩素、臭素、フッ素などのハロゲン
原子、メチレンジオキシ、ジメチルメチレンジオキシ基
(アセトナイド)などのアルキレンジオキシ基、シアノ
基などが挙げられる。
基、シクロヘキシル基、フェニル基、4−ピリジル基、
ベンジル基、ビニル基、フェニルエチニル基等を例示す
ることができる。また、R2およびR3は前記したアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環式基、ア
ラルキル基などのほかに、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミノ基の中から選ばれる1価の基であってもよ
い。アルコキシ基としては前記したアルキル基から誘導
されるアルコキシ基、好ましくは低級アルコキシ基であ
り、アリールオキシ基としては前記したアリール基から
誘導されるアリールオキシ基であり、アミノ基は遊離の
アミノ基の他に前記したアルキル基やアリール基などで
N−置換されたアミノ基が包含される。R2およびR3
は結合して環を形成していてもよく、またその環のなか
に1個又は2個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。
また、R2及びR3がビスマス原子と共に環を形成した
場合に、当該環に含まれるヘテロ原子としては、酸素原
子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素などが挙げられる。当
該環は各種の置換基を有していてもよいし、シクロアル
キル環、アリール又は複素環などの他の環が結合してい
てもよい。
基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、4−ピ
リジル基、ベンジル基、ビニル基、フェニルエチニル
基、メトキシ基、フェノキシ基、1,2−エチレンジオ
キシ基、1,2−シクロヘキシレンジオキシ基、1,2
−フェニレンジオキシ基、2,6−ピリジンビス[1−
(1−メチルエチルオキシ)]基、2,6−ピリジンビ
ス[2−(1,1−ジフェニルエチルオキシ)]基、ジ
メチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N,N’−ジメ
チル−1,2−エチレンジアミノ基、N,N’−ビス
(ジメチルエチル)−1,2−フェニレンジアミノ基、
N,N’−ビス(ジメチルエチル)−ジメチルシリレン
ジアミノ基、2,6−ピリジンビス[N−フェニル(メ
チルアミノ)]基等を例示することができる。本発明の
ビスマス化合物は前記した3価の結合以外に他の結合を
有するものであってもよい。例えば、電子を供与し得る
原子又は基による配位結合を有していてもよい。
離基を有する化合物(B)は次の一般式(II) R4−Y (II) (式中、R4及びYは前記したものを示す。)で表さ
れ、脱離基Yは本発明の方法により新たな炭素−炭素結
合を形成するために脱離し得るものであれば特に制限は
ない。脱離基Yの例としては、スルフォナート基、ハロ
ゲン、アシルオキシ基などが挙げられるが、スルフォナ
ート基やヨード原子である場合に特に反応性が高い傾向
が認められる。
基、複素環式基、アルケニル基の中から選ばれる1価の
基を示し、R4の具体例としては、フェニル基、チエニ
ル基、ピリジル基、ビニル基、シクロヘキセニル基等を
例示することができる。
使用は必須であり、触媒が存在しない場合には、反応は
全く進行しない。遷移金属触媒としては、種々の構造の
ものを用いることができるが、好適なものは、いわゆる
低原子価の遷移金属錯体である。更に好ましい遷移金属
としては、ニッケル、パラジウム、コバルト、白金、イ
リジウム、ルテニウムなどが挙げられ、殊に、パラジウ
ム、ニッケル、白金触媒が優れている。本発明の触媒は
これらの遷移金属の化合物を使用することができる。ま
た、これらの触媒をそのまま反応系に加えてもよいが、
反応系中で容易に低原子価遷移金属錯体に変換される適
当な前駆錯体を用いることも好ましい態様である。
に例示すると、以下の通りである。テトラカルボニルニ
ッケル、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケ
ル、(η2−エチレン)ビス(トリエチルホスフィン)
ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニ
ッケル、ジメチルビス(トリメチルホスフィン)ニッケ
ル、クロロ(η−シクロペンタジエニル)(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル等のニッケル触媒などが挙げら
れる。
ラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリメチルホ
スフィン)パラジウム、トリス(トリエチルホスフィ
ン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)パラジウム、テトラキス(トリエチルホスフィト)
パラジウム、テトラキス(トリフェニルアルシン)パラ
ジウム、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム、(η2−エチレン)ビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム、(η2−無水マレイン酸)
[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン] パ
ラジウム、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラ
ジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウ
ム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、クロ
ロ(メチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウ
ム、ジエチルビス(トリフェニルフォスフィト)パラジ
ウム、ジエチルビス(トリメチルフォスフィト)パラジ
ウム、ジエチルビス(トリ−i−プロピルフォスフィ
ト)パラジウム、ジメチル[1,2−ビス(ジメチルホ
スフィノ)エタン]パラジウム、ジメチル[1,3−ビ
ス(ジメチルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジメ
チル[1,2−ビス(ジメチルアミノ)エタン]パラジ
ウム、ジメチルビス(4−エチル−1−ホスファ−2,
6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン)
パラジウム、ビス(t−ブチルイソシアニド)ジメチル
パラジウムビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル
イソシアニド)ジメチルパラジウムジフェニルビス(メ
チルジフェニルホスフィニト)パラジウム、ジベンジル
ビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジエチニル
ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジネオペン
チル(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ブロモ(メ
チル)ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ベン
ゾイル(クロロ)ビス(トリメチルホスフィン)パラジ
ウム、シクロペンタジエニル(フェニル)(トリエチル
ホスフィン)パラジウム、η−アリル(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)パラジウム、π−アリル(1,5
−シクロオクタジエン)パラジウムテトラフルオロほう
酸塩、ビス(π−アリル)パラジウム、ビス(アセチル
アセトナト)パラジウム、ジクロロエチレンジアミンパ
ラジウム、塩化パラジウム、パラジウム炭素などの担持
パラジウム金属等のパラジウム触媒などが挙げられる。
金、ビス(トリフェニルホスフィン)エチレン白金、テ
トラキス(トリエチルフホスフィン)白金、ビス(1,
5−シクロオクタジエン)白金、ビス(ジベンジリデン
アセトン)白金、白金ブラック等の金属白金触媒等など
が挙げられる。
ボニルビス(トリフェニルホスフィン)二コバルト等の
コバルト触媒などが挙げられる。
ロジウム、ドデカカルボニル四ロジウム、ヒドリドテト
ラカルボニルロジウム、塩化ロジウム等のロジウム触
媒、ドデカカルボニル四イリジウム、クロロトリカルボ
ニルイリジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)イリジウム、クロロカルボニルビス(トリフェニル
ホスフィン)イリジウム等のイリジウム触媒などが挙げ
られる。
ドリド(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロ
ロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カル
ボニルクロロヒドリドトリス(トリフェルホスフィン)
ルテニウム等のルテニウム触媒などが挙げられる。
を精製せずそのまま用いてもよく、また二種以上の混合
系触媒として用いてもよい。さらに上記錯体と各種配位
子を系中で混合してそのまま用いてもよい。この反応の
触媒系にリン配位子を持つものを用いる場合、系中の触
媒金属原子と配位子中のリン原子の当量比は金属原子1
に対しリン原子0〜10望ましくは0.5〜5がよい。
また、これらの触媒は無機担体や高分子に担持して使用
することができる。
媒量で良く、一般的には有機ビスマス化合物(A)に対
して20モル%以下で十分である。有機ビスマス化合物
(A)と有機化合物(B)との使用比率は、一般的には
(A)に含まれる一つの炭素−ビスマス結合に対して当
量の(B)を用いるのが好ましいが、これより大きくて
も小さくても、反応の生起を阻害するものではない。
ましい速度で進行するが、そのような塩基性化合物とし
ては、種々の塩基性の有機・無機化合物が好適に用いら
れ、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などの塩基性
無機化合物や、第3級アミンのような塩基性有機化合物
が特に好ましい。アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩
の塩としては、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物などの
無機塩や酢酸などの有機塩が挙げられる。好ましい、ア
ルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩としては、例えば、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、フッ化リチウム、フ
ッ化セシウム、フッ化ルビジウム、酢酸リチウム、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム、が挙げられる。第3級アミ
ンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど
のトリアルキルアミン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリンなどの芳香族第3級アミンな
どが挙げられる。本発明の塩基性化合物としては無機化
合物のほうが、価格や収率の点で特に好ましい結果が得
られる。塩基性化合物の使用量は、少量であっても相応
の効果は認められるが、一般には、一つの炭素−ビスマ
ス結合あたり1当量もしくはそれ以上であるのが好まし
い。
要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒として
は、炭化水素系、エーテル系、アミド系、ハロゲン化炭
化水素系の溶媒が好適に用いられるが、非プロトン性極
性溶媒中で実施するのが特に好ましい。非プロトン性極
性溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、
1,2−ジメトキシエタン(DME)、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトア
ミド(DMA)、ヘキサメチルホスホルトリアミド(H
MPA)、N,N’−ジメチルイミドゾリジノン(DM
I)、テトラヒドロフラン(THF)等が例示される。
な速度で進行せず、あまりに高温では触媒が分解するの
で、一般的には0℃ないし200℃の範囲から選ばれ、
好ましくは室温ないし150℃の範囲で実施される。
反応の実施は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気で
行うのが好ましい。反応混合物からの生成物の分離は、
蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等によって容易に達
成される。
るが、もとより本発明は、これら実施例に限定されるも
のではない。
レントリフルオロメタンスルフォナートを0.406m
モル、Pd(PPh3)4を0.0062mモル、炭酸
カリウムを0.375mモル、NMPを3mlを混合
し、窒素雰囲気下100℃で5時間攪拌した。反応混合
物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1−フェ
ニルナフタレンが92%の収率で生成していることが判
明した。
した。ガスクロマトグラフィーによる1−フェニルナフ
タレンの収率は11%に過ぎなかった。
を0.5mモル加え、場合により溶媒も代えて、100
℃で実施した結果を第1表にまとめて示した。
ナフタレンを0.406mモル、Pd(PPh3)4を
0.0062mモル、炭酸カリウムを0.5mモル、N
MPを3mlを混合し、窒素雰囲気下100℃で6時間
攪拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析
した結果、1−フェニルナフタレンが85%の収率で生
成していることが判明した。
した。ガスクロマトグラフィーによる1−フェニルナフ
タレンの収率は13%に過ぎなかった。
ナフタレンを0.406mモル、Pd(PPh3)4を
0.0062mモル、フッ化セシウムを1.0mモル、
DMEを3mlを混合し、窒素雰囲気下100℃で18
時間攪拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで
分析した結果、1−フェニルナフタレンが76%の収率
で生成していることが判明した。
施した。ガスクロマトグラフィーによる1−フェニルナ
フタレンの収率は1.4%に過ぎなかった。
ナフタレンを0.406mモル、Pd(PPh3)4を
0.0125mモル、フッ化カリウムを0.75mモ
ル、NMPを3mlを混合し、窒素雰囲気下100℃で
16時間攪拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、1−フェニルナフタレンが24%の
収率で生成していることが判明した。
h)を0.125mモル、1−ブロモナフタレンを0.
125mモル、Pd(PPh3)4を0.0125mモ
ル、トリエチルアミンを0.375mモル、NMPを3
mlを混合し、窒素雰囲気下60℃で12時間攪拌し
た。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、1−フェニルナフタレンが17%の収率で生成して
いることが判明した。
に代えてトルエンを溶媒に用い、反応時間を20時間に
延長して同様に実施した。ガスクロマトグラフィーによ
る1−フェニルナフタレンの収率は8%に過ぎなかっ
た。
h)を0.125mモル、1−ブロモナフタレンを0.
125mモル、Pd(PPh3)4を0.0125mモ
ル、NMPを3mlを混合し、種々の添加物(0.37
5mモル)の存在下、窒素雰囲気下100℃で反応させ
た。ガスクロマトグラフィーによる反応溶液の分析に基
づく1−フェニルナフタレンの収率を第2表にまとめて
示した。
(実施例17〜26)、前記実施例13〜16で使用し
たビスマス化合物(表3中では、実施例番号の後の「*
3」で示す。)(実施例27)、または、次式
は、実施例番号の後の「*4」で示す。)(実施例2
8)と、脱離基を有する種々の有機化合物の反応結果
を、反応の実施方法・条件と共に第3表にまとめて示し
た。表3に示す方法は、ビスマス化合物0.125ミリ
モル、脱離基を有する有機化合物0.406ミリモル、
Pd(PPh3)40.0062ミリモル、NMP溶媒
を3ml用いて、100℃にて反応させたものである。
ス化合物に対する当量であることを示し、「*2」の注
は(実施例24〜26)、溶媒としてNMPに代えてD
MEを使用ことを示す。
脱離基を有する種々の有機化合物の反応により有機基の
交差結合生成反応を高い収率で実現でき、生成物の分離
も容易である。2種類の有機基の交差結合生成反応は医
農薬の合成において極めて重要な反応であり、また、有
機系電子材料をはじめとする各種有機系材料の製造にも
有用である。従って本発明の産業的意義は多大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(I) BiR1R2R3 (I) (式中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリー
ル基、複素環式基、アラルキル基の中から選ばれる1価
の基を示し、R2およびR3は、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケ
ニル基、アリール基、複素環式基、アラルキル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アミノ基の中から選ばれ
る1価の基を示し、R2およびR3は結合して環を形成
していてもよく、またその環のなかにヘテロ原子を含ん
でいてもよい。)で表される有機ビスマス化合物Aと、 一般式(II) R4−Y (II) (式中、R4はアリール基、複素環式基、アルケニル基
の中から選ばれる1価の基を示し、Yは脱離基を示
す。)で表される有機化合物(B)とを、遷移金属触媒
および塩基性化合物の存在下に反応させて、有機ビスマ
ス化合物(A)の有機基と有機化合物(B)の有機残基
とが新たな炭素−炭素結合で結合した化合物を製造する
方法。 - 【請求項2】 遷移金属触媒が、パラジウム化合物、ニ
ッケル化合物又は白金化合物である請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 反応操作を非プロトン性極性溶媒中で行
う請求項1又は2に記載の方法。
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---|---|---|---|
JP2000070913A JP3353046B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | 有機ビスマス化合物を用いる有機化合物の製造法 |
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