JP2000229243A - クロスカップリング反応用触媒、並びにそれを用いた置換スチレン誘導体又は置換ビアリール誘導体の製造方法 - Google Patents

クロスカップリング反応用触媒、並びにそれを用いた置換スチレン誘導体又は置換ビアリール誘導体の製造方法

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JP2000229243A JP11031106A JP3110699A JP2000229243A JP 2000229243 A JP2000229243 A JP 2000229243A JP 11031106 A JP11031106 A JP 11031106A JP 3110699 A JP3110699 A JP 3110699A JP 2000229243 A JP2000229243 A JP 2000229243A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒効率が高く、目的物を溶媒種類等の反応
条件によらず高収率かつ高選択率で得ることを可能と
し、安価な成分によって構成されるクロスカップリング
反応用触媒を提供すること、及びこれを用い置換スチレ
ン誘導体や置換ビアリール誘導体等の有機化合物を効率
的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 周期律表第四周期VIII族金属化合物
と、金属ヒドリド構造をもたない周期律表IIB族及び
IIIB族有機金属化合物からなる群より選ばれた少な
くとも一種を含有するクロスカップリング反応用触媒を
用い、置換スチレン誘導体や置換ビアリール誘導体を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶等の電子材
料、医農薬中間体、機能性高分子用モノマー等を製造を
するため有機合成上重要なクロスカップリング反応に対
し、極めて有効な触媒及びそれを用いた有機化合物の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロスカップリング反応用触媒として
は、これまでに種々のものが知られている。殊に、有機
マグネシウム化合物とハロゲン化有機化合物とを触媒存
在下、クロスカップリング反応を行う方法については、
数多くの提案があり、中でも近年、ホスフィン配位子を
有するNi種やPd種を用いたクロスカップリング反応
の提案が数多くなされている。例えば、(1)Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,49,1958(1
976)やOrganic Synthesis
,127には、種々のホスフィン配位子を有するニッ
ケル錯体を用いたアルキルマグネシウム化合物、アルケ
ニルマグネシウム化合物、アリールマグネシウム化合物
とアルキルハライド、アルケニルハライド、アリールハ
ライドとのカップリング反応について記載されており、
この応用技術として、(2)特公昭57−2692号公
報及び特公昭62−1927号公報において、触媒とし
てニッケル・ホスフィン錯体を用いたアルキルベンゼン
誘導体やスチレン誘導体の製造方法が開示されている。
しかしながら、特公昭62−1927号公報にも明確に
記載されている様に、THF単独溶媒系では、収率が低
下するか、クロスカップリング反応が全く進行しない場
合があったり、使用溶媒、触媒種が極めて限定される等
の問題点を有していた。
【0003】また、有機マグネシウム化合物以外にも、
有機亜鉛化合物や有機ホウ素化合物と有機ハライド化合
物とのクロスカップリング反応に関する研究及び応用技
術が提案されている。例えば、(3)J.Org.Ch
em.,42,1821(1977)には、Pd又はN
i触媒下に、アリール亜鉛化合物とアリールハライドと
のクロスカップリング反応させる方法が開示されてお
り、(4)Synth.Commun.,11,513
(1981)には、Pd触媒によるアリールホウ酸化合
物とアリールハライドとのクロスカップリング反応が提
案されている。
【0004】しかしながら、これら方法は、活性種とし
てPdを用いる為、経済性の面で問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術
は、現在でも、液晶等の電子材料、医農薬中間体、機能
性高分子用モノマー等の製造に応用されているものの、
更に効果的で、汎用性があり、経済的なクロスカップリ
ング反応用触媒及びそれを用いたクロスカップリング反
応が望まれていた。
【0006】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、本発明は、触媒効率が高く、目的
物を溶媒種類等の反応条件によらず高収率かつ高選択率
で得ることを可能とし、安価な成分によって構成される
クロスカップリング反応用触媒を提供すること、及びこ
れを用い置換スチレン誘導体や置換ビアリール誘導体等
の有機化合物を効率的に製造する方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、周期律表
第四周期VIII属金属化合物に、金属ヒドリド構造を
もたない周期律表IIB族及びIIIB族有機金属化合
物の群より選ばれた少なくとも一種を含有する触媒が、
上記したクロスカップリング反応に極めて有効であるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、周期律表第四周期VI
II族金属化合物と、金属ヒドリド構造をもたない周期
律表IIB及びIIIB族有機金属化合物からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種を含有するクロスカップリン
グ反応用触媒、及びそれを用いた置換スチレン誘導体又
は置換ビアリール誘導体の製造方法である。
【0009】以下の本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明において使用する周期律表第四周期
VIII族金属化合物としては、Fe(0)、Fe(I
I)、Fe(III)、Co(0)、Co(I)、Co
(II)、Co(III)、Ni(0)、Ni(II)
を金属種として有する無機化合物、有機化合物及び有機
金属錯体を使用することができる。
【0011】Fe(II)、Fe(III)を有する化
合物としては、具体的には、弗化鉄(II)、塩化鉄
(II)、臭化鉄(II)、沃化鉄(II)、弗化鉄
(III)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、沃
化鉄(III)等のハロゲン化物、硫酸鉄(II)、硫
酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、燐酸鉄(II
I)、二燐酸鉄(III)、過塩素酸鉄(III)、硫
化鉄(II)等の無機塩、蓚酸鉄(II)、酢酸鉄(I
I)、フマル酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、グルコン
酸鉄(II)、クエン酸鉄(II)ナトリウム、クエン
酸鉄(III)、安息香酸鉄(II)、ステアリン酸鉄
(II)、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(II
I)アセチルアセトナート等の有機酸鉄塩を挙げること
ができる。これらの水和物の使用も、本発明の範囲に含
まれる。
【0012】また、一般式(1) LnFeXm (1) (式中、Lは、置換ホスフィン配位子、カルボニル配位
子又はアミン配位子を示し、各々同一であっても異なっ
ても良く、置換ホスフィン配位子の場合、架橋されてい
ても良い。nは配位数を示し0〜6の整数である。Fe
は、零価、一価、二価又は三価である。Xは、ハロゲン
原子、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、各々同一であっても異なっても良い。mはFeの価
数に相当する数を示す。)で示される有機鉄錯体、例え
ば、ビス(シクロオクタテトラエン)鉄(0)、ビス
[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]エチ
レン鉄(0)、テトラカルボニル(トリフェニルホスフ
ィン)鉄(0)、トリカルボニルビス(トリフェニルホ
スフィン)鉄(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフ
ィン)鉄(II)、二臭化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)鉄(II)、二沃化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)鉄(II)、二塩化[1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン]鉄(II)、二臭化[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]鉄(II)、二沃化
[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]鉄
(II)、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]鉄(II)、二臭化[1,3−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)プロパン]鉄(II)、二沃化
[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]鉄
(II)、二塩化ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)
鉄(II)、二臭化ビス(トリ−t−ブチルホスフィ
ン)鉄(II)、二沃化ビス(トリ−t−ブチルホスフ
ィン)鉄(II)、二塩化[1,2−ビス(ジ−t−ブ
チルホスフィノ)エタン]鉄(II)、二臭化[1,2
−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]鉄(I
I)、二沃化[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)エタン]鉄(II)、二塩化[1,3−ビス(ジ−
t−ブチルホスフィノ)プロパン]鉄(II)、二臭化
[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパ
ン]鉄(II)、二沃化[1,3−ビス(ジ−t−ブチ
ルホスフィノ)プロパン]鉄(II)、ジヒドリドビス
[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]鉄
(II)、ジヒドリドビス[1,3−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパン]鉄(II)、ジヒドリドビス
[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]
鉄(II)、ジヒドリドビス[1,3−ビス(ジ−t−
ブチルホスフィノ)プロパン]鉄(II)、塩化(シク
ロペンタジエニル)[1,2−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]鉄(II)、シクロペンタジエニルヒド
リドジカルボニル鉄(II)、ブロモトリカルボニル
(アリール)鉄(II)、シクロペンタジエニル(メチ
ル)ジカルボニル、二塩化(2,2’−ビピリジル)鉄
(II)、二臭化(2,2’−ビピリジル)鉄(I
I)、二沃化(2,2’−ビピリジル)鉄(II)、ジ
エチル(2,2’−ビピリジル)鉄(II)等を挙げる
ことができる。また、これらの二種以上の混合物及びビ
ス(シクロペンタジエニル)鉄(III)テトラクロロ
鉄(III)酸塩のような複核錯体の使用も本発明の範
囲に含まれる。
【0013】Co(II)、Co(III)を有する化
合物としては、具体的には、弗化コバルト(II)、塩
化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、沃化コバ
ルト(II)、弗化コバルト(III)、塩化コバルト
(III)、臭化コバルト(III)、沃化コバルト
(III)等のハロゲン化物、硫酸コバルト(II)、
硫酸コバルト(III)、硝酸コバルト(III)、燐
酸コバルト(III)、二燐酸コバルト(III)、過
塩素酸コバルト(III)、硫化コバルト(II)等の
無機塩、蓚酸コバルト(II)、酢酸コバルト(I
I)、フマル酸コバルト(II)、乳酸コバルト(I
I)、グルコン酸コバルト(II)、クエン酸コバルト
(III)、安息香酸コバルト(II)、ステアリン酸
コバルト(II)、コバルト(II)アセチルアセトナ
ート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有
機酸コバルト塩を挙げることができる。これらの水和物
の使用も、本発明の範囲に含まれる。
【0014】また、一般式(2) LnCoXm (2) (式中、Lは、置換ホスフィン配位子、カルボニル配位
子又はアミン配位子を示し、各々同一であっても異なっ
ても良く、置換ホスフィン配位子の場合、架橋されてい
ても良い。nは配位数を示し0〜6の整数である。Co
は、零価、一価、二価又は三価である。Xは、ハロゲン
原子、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、各々同一であっても異なっても良い。mはFeの価
数に相当する数を示す。)で示される有機コバルト錯
体、例えば、ヘキサカルボニルビス(トリ−n−ブチル
ホスフィン)二コバルト(0)、塩化トリス(トリフェ
ニルホスフィン)コバルト(I)、臭化トリス(トリフ
ェニルホスフィン)コバルト(I)、沃化トリス(トリ
フェニルホスフィン)コバルト(I)、ヒドリドテトラ
キス(ホスホン酸トリフェニル)コバルト(I)、ヒド
リドテトラキス(ホスホン酸トリエチル)コバルト
(I)、(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニル
ホスフィン)コバルト(I)、トリカルボニル(アリー
ル)コバルト(I)、二塩化ビス(トリフェニルホスフ
ィン)コバルト(II)、二臭化ビス(トリフェニルホ
スフィン)コバルト(II)、二沃化ビス(トリフェニ
ルホスフィン)コバルト(II)、二塩化[1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン]コバルト(I
I)、二臭化[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)
エタン]コバルト(II)、二沃化[1,2−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]コバルト(II)、二塩
化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]
コバルト(II)、二臭化[1,3−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパン]コバルト(II)、二沃化
[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]コ
バルト(II)、二塩化ビス(トリ−t−ブチルホスフ
ィン)コバルト(II)、二臭化ビス(トリ−t−ブチ
ルホスフィン)コバルト(II)、二沃化ビス(トリ−
t−ブチルホスフィン)コバルト(II)、二塩化
[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]
コバルト(II)、二臭化[1,2−ビス(ジ−t−ブ
チルホスフィノ)エタン]コバルト(II)、二沃化
[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]
コバルト(II)、二塩化[1,3−ビス(ジ−t−ブ
チルホスフィノ)プロパン]コバルト(II)、二臭化
[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパ
ン]コバルト(II)、二沃化[1,3−ビス(ジ−t
−ブチルホスフィノ)プロパン]コバルト(II)、二
塩化ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)コバルト
(II)、二臭化ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)コバルト(II)、二沃化ビス(トリシクロヘキシ
ルホスフィン)コバルト(II)、二塩化ビス(トリエ
チルホスフィン)コバルト(II)、二臭化ビス(トリ
エチルホスフィン)コバルト(II)、二沃化ビス(ト
リエチルホスフィン)コバルト(II)、二塩化ビス
(トリプロピルホスフィン)コバルト(II)、二臭化
ビス(ジエチルフェニルホスフィン)コバルト(I
I)、二臭化ビス(エチルジフェニルホスフィン)コバ
ルト(II)、二臭化ビス(ジヘキシルホスフィン)コ
バルト(II)、ジヒドリドビス[1,2−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)エタン]コバルト(II)、ジヒド
リドビス[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)
エタン]コバルト(II)、二塩化(2,2’−ビピリ
ジル)コバルト(II)、二臭化(2,2’−ビピリジ
ル)コバルト(II)、二沃化(2,2’−ビピリジ
ル)コバルト(II)、ジエチル(2,2’−ビピリジ
ル)コバルト(II)トリス(アリール)コバルト(I
II)、沃化(シクロペンタジエニル)(シクロヘキサ
ジエニル)コバルト(III)、二沃化(シクロペンタ
ジエニル)(トリフェニルホスフィン)コバルト(II
I)等を挙げることができる。また、これらの二種以上
の混合物及びビス(シクロペンタジエニル)コバルト
(III)テトラクロロコバルト(III)酸塩の如
き、複核錯体の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0015】Ni(II)を有する化合物としては、具
体的には、弗化ニッケル(II)、塩化ニッケル(I
I)、臭化ニッケル(II)、沃化ニッケル(II)等
のハロゲン化物、硫酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル
(II)、過塩素酸ニッケル(II)、硫化ニッケル
(II)等の無機塩、ぎ酸ニッケル(II)、蓚酸ニッ
ケル(II)、酢酸ニッケル(II)、フマル酸ニッケ
ル(II)、乳酸ニッケル(II)、グルコン酸ニッケ
ル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ステアリン酸
ニッケル(II)、スルファミン酸ニッケル(II)、
アミド硫酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、
ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機酸ニッ
ケル塩を挙げることができる。これらの水和物の使用
も、本発明の範囲に含まれる。
【0016】また、一般式(3) LnNiXm (3) (式中、Lは、置換ホスフィン配位子、カルボニル配位
子又はアミン配位子を示し、各々同一であっても異なっ
ても良く、置換ホスフィン配位子の場合、架橋されてい
ても良い。nは配位数を示し0〜6の整数である。Ni
は、零価、一価又は二価である。Xは、ハロゲン原子、
水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、各々
同一であっても異なっても良い。mはFeの価数に相当
する数を示す。)で示される有機ニッケル錯体、例え
ば、トリカルボニル(トリフェニルホスフィンニッケル
(0)、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィンニ
ッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル(0)、二窒素ビス[ビス(トリシクロヘキシ
ルホスフィン)ニッケル(0)]、(エチレン)ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、ビス(シ
クロオクタジエン)ニッケル(0)、(シクロドデカト
リエン)ニッケル(0)、塩化トリス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル(I)、臭化トリス(トリフェニル
ホスフィン)ニッケル(I)、沃化トリス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル(I)、二塩化ビス(トリフェ
ニルホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化
[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッ
ケル(II)、二臭化[1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタン]ニッケル(II)、二沃化[1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(I
I)、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパン]ニッケル(II)、二臭化[1,3−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(I
I)、二沃化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパン]ニッケル(II)、二塩化ビス(トリ−t−
ブチルホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(ト
リ−t−ブチルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化
ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)ニッケル(I
I)、二塩化[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)エタン]ニッケル(II)、二臭化[1,2−ビス
(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]ニッケル(I
I)、二沃化[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)エタン]ニッケル(II)、二塩化[1,3−ビス
(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン]ニッケル(I
I)、二臭化[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル(II)、二沃化[1,3−ビ
ス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン]ニッケル
(II)、二塩化[1,2−ビス(ジシクロヘキシルホ
スフィノ)エタン]ニッケル(II)、二臭化[1,2
−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン]ニッケ
ル(II)、二沃化[1,2−ビス(ジシクロヘキシル
ホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、二塩化[1,
3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]ニ
ッケル(II)、二臭化[1,3−ビス(ジシクロヘキ
シルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、二沃化
[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパ
ン]ニッケル(II)、二塩化ビス(トリシクロヘキシ
ルホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(トリシ
クロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビ
ス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(I
I)、二塩化ビス(トリメチルホスフィン)ニッケル
(II)、二臭化ビス(トリメチルホスフィン)ニッケ
ル(II)、二沃化ビス(トリメチルホスフィン)ニッ
ケル(II)、二塩化ビス(トリエチルホスフィン)ニ
ッケル(II)、二臭化ビス(トリエチルホスフィン)
ニッケル(II)、二沃化ビス(トリエチルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二塩化ビス(トリi−プロピル
ホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(トリi−
プロピルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス
(トリi−プロピルホスフィン)ニッケル(II)、二
塩化ビス(トリn−ブチルホスフィン)ニッケル(I
I)、二臭化ビス(トリn−ブチルホスフィン)ニッケ
ル(II)、二沃化ビス(トリn−ブチルホスフィン)
ニッケル(II)、二塩化ビス(メチルジフェニルホス
フィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(メチルジフェ
ニルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス(メチ
ルジフェニルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化ビ
ス(ジメチルフェニルホスフィン)ニッケル(II)、
二臭化ビス(ジメチルフェニルホスフィン)ニッケル
(II)、二沃化ビス(ジメチルフェニルホスフィン)
ニッケル(II)、塩化(フェニル)ビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル(II)、臭化(フェニル)ビ
ス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、沃化
(フェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル
(II)、ジメチルビス(トリメチルホスフィン)ニッ
ケル(II)、テトラメチレンビス(トリフェニルホス
フィン)ニッケル(II)、塩化(シクロペンタジエニ
ル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、メ
チル(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(II)、塩化(ヒドリド)ビス(トリシ
クロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化
(2,2’−ビピリジル)ニッケル(II)、二臭化
(2,2’−ビピリジル)ニッケル(II)、二沃化
(2,2’−ビピリジル)ニッケル(II)、ジエチル
(2,2’−ビピリジル)ニッケル(II)等を挙げる
ことができる。また、これらの二種以上の混合物及び二
臭化ビス[2−(エトキシカルボニル)アリール]二ニ
ッケル塩の如き、複核錯体の使用も本発明の範囲に含ま
れる。
【0017】触媒成分である、金属ヒドリド構造をもた
ないIIB族有機金属化合物、IIIB族有機金属化合
物としては、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、
ガリウム等の有機金属化合物が使用できる。これらのう
ち好ましくは有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物
である。
【0018】有機亜鉛化合物としては、例えば、下記一
般式(4) R1 aZnY2-a (4) (式中、R1は、アルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基等の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Yはハ
ロゲンを示す。aは、2≧a>1なる数である。)及び
下記一般式(5) R2 3ZnM (5) (式中、R2は、アルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基等の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Mはリ
チウム又はハロゲン化マグネシウムである。)で示され
る有機亜鉛化合物を使用することができる。具体的に
は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、ジフ
ェニル亜鉛、塩化メチル亜鉛、臭化メチル亜鉛、沃化メ
チル亜鉛、塩化エチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、沃化エチ
ル亜鉛、塩化n−プロピル亜鉛、臭化n−プロピル亜
鉛、沃化n−プロピル亜鉛、塩化i−プロピル亜鉛、臭
化i−プロピル亜鉛、沃化i−プロピル亜鉛、塩化n−
ブチル亜鉛、臭化n−ブチル亜鉛、沃化n−ブチル亜
鉛、塩化i−ブチル亜鉛、臭化i−ブチル亜鉛、沃化i
−ブチル亜鉛、塩化sec−ブチル亜鉛、臭化sec−
ブチル亜鉛、沃化sec−ブチル亜鉛、塩化t−ブチル
亜鉛、臭化t−ブチル亜鉛、沃化t−ブチル亜鉛、塩化
フェニル亜鉛、臭化フェニル亜鉛、沃化フェニル亜鉛、
トリメチル亜鉛リチウム、トリエチル亜鉛リチウム、ト
リn−プロピル亜鉛リチウム、トリi−プロピル亜鉛リ
チウム、トリn−ブチル亜鉛リチウム、トリi−ブチル
亜鉛リチウム、トリsec−ブチル亜鉛リチウム、トリ
t−ブチル亜鉛リチウム、ジエチルn−ブチル亜鉛リチ
ウム、トリメチル亜鉛マグネシウムクロリド、トリエチ
ル亜鉛マグネシウムクロリド、トリn−プロピル亜鉛マ
グネシウムクロリド、トリi−プロピル亜鉛マグネシウ
ムクロリド、トリn−ブチル亜鉛マグネシウムクロリ
ド、トリi−ブチル亜鉛マグネシウムクロリド、トリs
ec−ブチル亜鉛マグネシウムクロリド、トリt−ブチ
ル亜鉛マグネシウムクロリド、ジエチルn−ブチル亜鉛
マグネシウムクロリド、トリメチル亜鉛マグネシウムブ
ロミド、トリエチル亜鉛マグネシウムブロミド、トリn
−プロピル亜鉛マグネシウムブロミド、トリi−プロピ
ル亜鉛マグネシウムブロミド、トリn−ブチル亜鉛マグ
ネシウムブロミド、トリi−ブチル亜鉛マグネシウムブ
ロミド、トリsec−ブチル亜鉛マグネシウムブロミ
ド、トリt−ブチル亜鉛マグネシウムブロミド、ジエチ
ルn−ブチル亜鉛マグネシウムブロミド、エチル亜鉛ア
イオダイド等を挙げることができる。
【0019】有機アルミニウム化合物としては、例え
ば、下記一般式(6) R3 bAlZ3-b (6) (式中、R3はアルキル基、アリール基、アルキルアリ
ール基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基等の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Zはハロ
ゲン原子又はアルコキシ基を示す。bは、3≧b>0な
る数である。)又は下記一般式(7) R4 4AlM (7) (式中、R4は、アルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基等の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Mはリ
チウム又はハロゲン化マグネシウムである。)の有機ア
ルミニウム化合物を使用することができる。具体的に
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミニウム
ジクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、ジメ
チルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリ
ド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、ジイソブ
チルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジブロ
ミド、メチルアルミニウムセスキブロミド、ジメチルア
ルミニウムブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、
エチルアルミニウムセスキブロミド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、イソブチルアルミニウムジブロミド、イ
ソブチルアルミニウムセスキブロミド、ジイソブチルア
ルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイ
ド、メチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニ
ウムセスキエトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシ
ド、エチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、イソブチル
アルミニウムセスキエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムエトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、テ
トラメチルアルミニウムリチウム、テトラエチルアルミ
ニウムリチウム、テトライソブチルアルミニウムリチウ
ム、テトラフェニルアルミニウムリチウム、メチルトリ
エチルアルミニウムリチウム、トリエチルn−ブチルア
ルミニウムリチウム、トリエチルi−ブチルアルミニウ
ムリチウム、トリエチルt−ブチルアルミニウムリチウ
ム、メチルトリi−ブチルアルミニウムリチウム、n−
ブチルトリi−ブチルアルミニウムリチウム、トリi−
ブチルt−ブチルアルミニウムリチウム、トリメチルフ
ェニルアルミニウムリチウム、トリエチルフェニルアル
ミニウムリチウム、テトラメチルアルミニウムマグネシ
ウムクロリド、テトラエチルアルミニウムマグネシウム
クロリド、テトライソブチルアルミニウムマグネシウム
クロリド、テトラフェニルアルミニウムマグネシウムク
ロリド、メチルトリエチルアルミニウムマグネシウムク
ロリド、トリエチルn−ブチルアルミニウムマグネシウ
ムクロリド、トリエチルi−ブチルアルミニウムマグネ
シウムクロリド、トリエチルt−ブチルアルミニウムマ
グネシウムクロリド、メチルトリi−ブチルアルミニウ
ムマグネシウムクロリド、n−ブチルトリi−ブチルア
ルミニウムマグネシウムクロリド、トリi−ブチルt−
ブチルアルミニウムマグネシウムクロリド、トリメチル
フェニルマグネシウムクロリド、トリエチルフェニルア
ルミニウムマグネシウムクロリド、テトラメチルアルミ
ニウムマグネシウムブロミド、テトラエチルアルミニウ
ムマグネシウムブロミド、テトライソブチルアルミニウ
ムマグネシウムブロミド、テトラフェニルアルミニウム
マグネシウムブロミド、メチルトリエチルアルミニウム
マグネシウムブロミド、トリエチルn−ブチルアルミニ
ウムマグネシウムブロミド、トリエチルi−ブチルアル
ミニウムマグネシウムブロミド、トリエチルt−ブチル
アルミニウムマグネシウムブロミド、メチルトリi−ブ
チルアルミニウムマグネシウムブロミド、n−ブチルト
リi−ブチルアルミニウムマグネシウムブロミド、トリ
i−ブチルt−ブチルアルミニウムマグネシウムブロミ
ド、トリメチルフェニルマグネシウムブロミド、トリエ
チルフェニルアルミニウムマグネシウムブロミド、メチ
ルトリエチルアルミニウムマグネシウムアイオダイド等
を挙げることができる。これら周期律表IIB族及びI
IIB族有機金属化合物からなる群より選ばれるの二種
以上の混合物の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0020】本発明においては触媒成分として更に電子
供与性化合物を使用することが好ましい。電子供与性化
合物としては、窒素原子、燐原子、酸素原子又は硫黄原
子を分子内に有する化合物が好ましく、これらのうちア
ミン化合物、ホスフィン化合物が特に好ましい。具体的
には、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジ
エチレントリアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、
N,N−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリイソオク
チルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、トリ
フェニルアミン、ピリジン、2,2’−ビピリジル、ト
リフェニルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2
−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン、1,3−
ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン、1,2−
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3−
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、トリシ
クロヘキシルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリ
エチルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、ト
リ−n−ブチルホスフィンホスフィン、メチルジフェニ
ルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィンを挙げるこ
とができる。これら電子供与性化合物の二種以上の混合
物の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0021】本発明においてクロスカップリング反応
は、下記一般式(8)、 ArLi (8) で示されるアリールリチウム化合物又は下記一般式
(9)(式中、Arはアリール基及び置換アリール基を
示す。) ArMX (9) (式中、Arはアリール基及び置換アリール基を示し、
Mは、Mg、Zn、B、Al、Si又はSnを示し、X
は、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。)で示され
る有機金属化合物と、下記一般式(10) RX (10) (式中、Rは、ビニル基、アリール基又は置換アリール
基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で示されるハロ
ゲン化炭化水素との間で行うことができる。
【0022】本発明においては、上記一般式(9)で示
される有機金属化合物のうち、MがMg又はZnである
アリール金属化合物と、上記一般式(10)で示される
ビニルハライド、アリールハライド又は置換アリールハ
ライドとの間でクロスカップリング反応を行うことが特
に好ましい。MがMg又はZnであるアリール有機金属
化合物としては、具体的には、クロロベンゼン、ブロモ
ベンゼン、ヨードベンゼン、2−ジクロロベンゼン、2
−ジブロモベンゼン、2−ジヨードベンゼン、3−ジク
ロロベンゼン、3−ジブロモベンゼン、3−ジヨードベ
ンゼン、4−ジクロロベンゼン、4−ジブロモベンゼ
ン、4−ジヨードベンゼン、2−ブロモクロロベンゼ
ン、3−ブロモクロロベンゼン、4−ブロモクロロベン
ゼン、2−ヨードクロロベンゼン、3−ヨードクロロベ
ンゼン、4−ヨードクロロベンゼン、2−ヨードブロモ
ベンゼン、3−ヨードブロモクロロベンゼン、4−ヨー
ドブロモベンゼン、4−フルオロクロロベンゼン、4−
フルオロブロモベンゼン、4−フルオロヨードベンゼ
ン、4−トリルクロライド、4−トリルブロマイド、4
−トリルアイオダイド、2−メトキシクロロベンゼン、
2−メトキシブロモベンゼン、2−メトキシヨードベン
ゼン、3−メトキシクロロベンゼン、3−メトキシブロ
モベンゼン、3−メトキシヨードベンゼン、4−メトキ
シクロロベンゼン、4−メトキシブロモベンゼン、4−
メトキシヨードベンゼン、2−t−ブトキシクロロベン
ゼン、2−t−ブトキシブロモベンゼン、2−t−ブト
キシヨードベンゼン、3−t−ブトキシクロロベンゼ
ン、3−t−ブトキシブロモベンゼン、3−t−ブトキ
シヨードベンゼン、4−t−ブトキシクロロベンゼン、
4−t−ブトキシブロモベンゼン、4−t−ブトキシヨ
ードベンゼン、2−アセトキシクロロベンゼン、2−ア
セトキシブロモベンゼン、2−アセトキシヨードベンゼ
ン、3−アセトキシクロロベンゼン、3−アセトキシブ
ロモベンゼン、3−アセトキシヨードベンゼン、4−ア
セトキシクロロベンゼン、4−アセトキシブロモベンゼ
ン、4−アセトキシヨードベンゼン、4−n−オクチル
−2,3−ジフルオロフェニルクロライド、4−n−オ
クチル−2,3−ジフルオロフェニルブロマイド、4−
n−オクチル−2,3−ジフルオロフェニルアイオダイ
ド、4−n−ペンチルビフェニルクロライド、4−n−
ペンチルビフェニルブロマイド、4−n−ペンチルビフ
ェニルアイオダイド等を原料ハライドとする有機マグネ
シウム化合物及び有機亜鉛化合物を挙げることができ
る。これらの有機金属化合物とクロスカップリング反応
させるビニルハライド、アリールハライド又は置換アリ
ールハライドとしては、ビニルクロライド、ビニルブロ
マイド、ビニルアイオダイド、4−クロロベンゾニトリ
ル、4−ブロモベンゾニトリル、4−ヨードベンゾニト
リル、2−フルオロ−4−クロロベンゾニトリル、2−
フルオロ−4−ブロモベンゾニトリル、2−フルオロ−
4−ヨードベンゾニトリル、3,4−ジフルオロクロロ
ベンゼン、3,4−ジフルオロブロモベンゼン、3,4
−ジフルオロヨードベンゼン、3,3,4−トリフルオ
ロクロロベンゼン、3,3,4−トリフルオロブロモベ
ンゼン、3,3,4−トリフルオロフェニルヨードベン
ゼン、4−トリフルオロメトキシクロロベンゼン、4−
トリフルオロメトキシブロモベンゼン、4−トリフルオ
ロメトキシヨードベンゼン、4−エトキシクロロベンゼ
ン、4−エトキシブロモベンゼン、4−エトキシヨード
ベンゼン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシクロロベ
ンゼン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシブロモベン
ゼン、2,3−ジフルオロ−4−エトキシヨードベンゼ
ン、4−(2−ブテノキシ)クロロベンゼン、4−(2
−ブテノキシ)ブロモベンゼン、4−(2−ブテノキ
シ)ヨードベンゼン等を挙げることができ、更に、上記
の有機マグネシウム化合物及び有機亜鉛化合物有機金属
化合物の原料であるハライドを使用することもできる。
【0023】本発明においてクロスカップリング反応の
反応条件は、特に限定されるものではないが、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気下、有機反応及び錯体合成
で一般的な溶媒、例えば、n−ペンタン、i−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、
アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、n−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエー
テル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、シメチルスルホキシド、トリエチルアミ
ン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶媒中で、−5
0〜200℃、好ましくは、−20〜150℃の温度範
囲で行うことができる。
【0024】クロスカップリング反応の際に使用する触
媒量は、特に限定されるものではないが、上記一般式
(8)で示されるアリールリチウム化合物又は一般式
(9)で示される有機金属化合物1.0molに対し、
周期律表第四周期VIII族金属化合物が0.0001
〜1.0molとなるような範囲で使用することが好ま
しく、特に好ましくは、0.001〜0.1molの範
囲である。
【0025】また、触媒成分である周期律表IIB族及
びIIIB族有機金属化合物の使用量は、周期律表第四
周期VIII族金属化合物1.0molに対し、0.0
1mol〜100molとなるような範囲で使用するこ
とが好ましく、特に好ましくは、0.1mol〜50m
olの範囲である。
【0026】また、電子供与性化合物は、周期律表第四
周期VIII族金属化合物1.0molに対し、0.0
1mol〜100molとなるような範囲で使用するこ
とが好ましく、特に好ましくは、0.1mol〜50m
olの範囲である。
【0027】触媒系の反応系への投入の条件は特に限定
されないが、上記溶媒中で予め触媒成分を溶媒中で予め
混合し、投入する方法、上記三成分を反応系に別々に投
入する方法等の如何なる投入形態をも使用できる。
【0028】以下に実施例を示すが、本発明は、これら
の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0029】
【実施例】実施例1 <有機マグネシウム化合物の合成>窒素雰囲気下、還流
冷却器、滴下濾斗、攪拌装置を備えた1Lのフラスコ
に、マグネシウムの38.3g(1.58mol)とテ
トラヒドロフラン129.8g(1.80mol)を仕
込み、攪拌開始後、これに滴下濾斗より、パラブロモク
ロロベンゼン287.2g(1.50mol)とエチル
ブロマイド8.20g(0.0753mol)をテトラ
ヒドロフラン259.6g(3.60mol)で希釈し
た溶液を、内温が40℃以下となるように水浴にて冷却
しつつ、2時間かけて滴下した。滴下終了の後、室温に
て2時間攪拌し、p−クロロフェニルマグネシウムブロ
ミドのテトラヒドロフラン溶液を得た。
【0030】<クロスカップリング反応>このp−クロ
ロフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン
溶液に、テトラヒドロフラン259.6g(3.60m
ol)を加え希釈し、塩化第二鉄(III)1.22g
(7.52mmol)にトリエチルアルミニウムの0.
94mol/Lのへキサン溶液40.0ml(37.6
0mmol)を混合した触媒を加えた。室温で5分間攪
拌の後、塩化ビニル93.8g(1.50mol)を積
算流量計により、反応系が40℃以下となるように、氷
浴により冷却しつつ、2時間で吹き込んだ。吹き込み終
了後、室温にて更に1時間攪拌した。
【0031】反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水
溶液1Lに加え反応を停止させた。この反応混合液にn
−ヘキサン1Lを加え、目的物であるp−クロロスチレ
ンを抽出した。得られたヘキサン溶液を硫酸マグネシウ
ムによる乾燥の後、生成したp−クロロスチレン量をガ
スクロマトグラフィーによる内部標準法により定量した
ところ、p−クロロスチレンは、129.5g(0.9
34mol)であり、これは、収率62.3%に相当し
た。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 実施例1のクロスカップリング反応において、p−クロ
ロフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン
溶液の希釈溶媒をテトラヒドロフラン259.6g
(3.60mol)に代えて、トルエン252.6g
(2.74mol)としたこと以外は、実施例1と同様
にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p−ク
ロロスチレン収率71.6%であった。結果を表1にあ
わせて示す。
【0034】比較例1 実施例1のクロスカップリング反応において、トリエチ
ルアルミニウムの0.94mol/Lのへキサン溶液4
0.0ml(37.60mmol)を触媒成分として添
加せず、塩化第二鉄(III)1.22g(7.52m
mol)のみを触媒成分とした以外は、実施例1と同様
にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p−ク
ロロスチレン収率25.8%であり、更にポリ(p−ク
ロロスチレン)が、p−クロロスチレンユニット換算で
71.3%の収率で回収された。結果を表1にあわせて
示す。
【0035】比較例2 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)1.22g(7.52m
mol)にトリエチルアルミニウムの0.94mol/
Lのへキサン溶液80.0ml(75.20mmol)
を混合し、室温にて1時間攪拌の後、ヘキサンでトリエ
チルアルミウムが検出されなくなるまで洗浄した鉄触媒
系を用いたこと以外は、実施例1と同様にp−クロロス
チレンの合成を行った。結果は、p−クロロスチレン収
率19.9%であり、更にポリ(p−クロロスチレン)
が、p−クロロスチレンユニット換算で77.5%の収
率で回収され、トリエチルアルミニウムの共存が必須で
あることが示された。結果を表1にあわせて示す。
【0036】実施例3 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン]鉄(II)4.05g(7.52mm
ol)にトリイソブチルアルミニウムの0.96mol
/Lのへキサン溶液39.2ml(37.60mmo
l)を混合した触媒系を用いたこと以外は、実施例1と
同様にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p
−クロロスチレン収率59.0%であった。結果を表1
にあわせて示す。
【0037】比較例3 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン]鉄(II)4.05g(7.52mm
ol)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にp−
クロロスチレンの合成を行った。結果は、p−クロロス
チレン収率11.6%であった。更にポリ(p−クロロ
スチレン)が、p−クロロスチレンユニット換算で6
9.6%の収率で回収され、トリイソブチルアルミニウ
ムの共存が必須であることが示された。結果を表1にあ
わせて示す。
【0038】実施例4 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]コバルト(II)3.97g(7.52
mmol)にトリエチルアルミニウムの0.94mol
/Lのへキサン溶液40.0ml(37.60mmo
l)を混合した触媒系を用いたこと以外は、実施例1と
同様にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p
−クロロスチレン収率64.2%であった。結果を表1
にあわせて示す。
【0039】比較例4 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]コバルト(II)3.97g(7.52
mmol)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様に
p−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p−クロ
ロスチレン収率55.6%であった。結果を表1にあわ
せて示す。
【0040】実施例5 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン]ニッケル(II)4.08g(7.5
2mmol)にトリイソブチルアルミニウムの0.96
mol/Lのへキサン溶液39.2ml(37.60m
mol)を混合した触媒系を用いたこと以外は、実施例
1と同様にp−クロロスチレンの合成を行った。結果
は、p−クロロスチレン収率79.9%であった。結果
を表1にあわせて示す。
【0041】実施例6 実施例1のクロスカップリング反応において、触媒成分
として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミウ
ムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]ニッケル(II)3.97g(7.52
mmol)にトリイソブチルアルミニウムの0.96m
ol/Lのへキサン溶液39.2ml(37.60mm
ol)を混合した触媒系を用いたこと以外は、実施例1
と同様にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、
p−クロロスチレン収率69.0%であった。結果を表
1にあわせて示す。
【0042】比較例5 実施例1の有機マグネシウム化合物の合成において、パ
ラブロモクロロベンゼンに変えてパラジクロロベンゼン
を用い、更にクロスカップリング反応において、触媒成
分として、塩化第二鉄(III)及びトリエチルアルミ
ウムに変えて、二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホス
フィノ)プロパン]ニッケル(II)4.08g(7.
52mmol)のみを用いたこと以外は、実施例1と同
様にp−クロロスチレンの合成を行った。結果は、p−
クロロスチレン収率9.6%であり、未反応p−クロロ
フェニルマグネシウムクロリドに由来するクロロベンゼ
ンを収率78.8%で回収した。
【0043】このように、テトラヒドロフラン単一溶媒
及び二塩化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパン]ニッケル(II)触媒を用いたクロスカップリ
ング反応は、進行し難いことが確認された。結果を表1
にあわせて示す。
【0044】
【発明の効果】本発明の第一の効果は、ビニル−アリー
ルクロスカップリング反応及びアリールアリールクロス
カップリング反応を高効率かつ高選択的に行うことがで
きることにあり、副生成物であるホモカップリング物や
重合体を低減できることにある。よって、機能性高分子
用モノマー、液晶等の電子材料、医農薬中間体を製造す
るに極めて有利である。
【0045】第二の効果は、触媒系が従来技術のそれよ
りも、安価にかつ大量に調達でき、経済的に極めて有利
なことである。殊に、ハロゲン化鉄とアルキルアルミニ
ウムとから成る触媒系は、工業的に極めて有利である。
【0046】第三の効果は、従来困難であったテトラヒ
ドロフラン単一溶媒中でのビニル−アリールクロスカッ
プリング反応を円滑に進行させることが可能なことであ
り、機能性高分子用モノマー製造に殊に有効なことにあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 17/263 C07C 17/263 25/28 25/28 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA09 BA21C BA27A BA27B BB08A BB08B BB09A BB10A BB12A BB14A BC15A BC16A BC16B BC17A BC34A BC35A BC36A BC37A BC65A BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BD12B BE01A BE01B BE08A BE11A BE14C BE26A BE26C BE27A BE27B BE37A BE45A BE46B CB01 CB25 DA02 FC04 4H006 AA02 AC22 BA05 BA07 BA09 BA19 BA20 BA21 BA32 BA34 BA35 BA36 BA37 BA44 BA45 BA47 4H039 CA21 CA41 CD20 CD90

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表第四周期VIII族金属化合物
    と、金属ヒドリド構造をもたない周期律表IIB族及び
    IIIB族有機金属化合物からなる群より選ばれた少な
    くとも一種を含有するクロスカップリング反応用触媒。
  2. 【請求項2】 周期律表第四周期VIII族金属化合
    物、金属ヒドリド構造をもたない周期律表IIB族及び
    IIIB族有機金属化合物からなる群より選ばれた少な
    くとも一種、並びに電子供与性化合物を含有することを
    特徴とする請求項1に記載のクロスカップリング反応用
    触媒。
  3. 【請求項3】 周期律表第四周期VIII族金属化合物
    が、ハロゲン化鉄化合物又はハロゲン化コバルト化合物
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    クロスカップリング反応用触媒。
  4. 【請求項4】 金属ヒドリド構造をもたない周期律表I
    IB族及びIIIB族有機金属化合物が、有機アルミニ
    ウム化合物又は有機亜鉛化合物であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のクロスカップ
    リング反応用触媒。
  5. 【請求項5】 電子供与性化合物が、アミン化合物及び
    /又はホスフィン化合物であることを特徴とする請求項
    2乃至請求項4のいずれかに記載のクロスカップリング
    反応用触媒。
  6. 【請求項6】 下記一般式(8) ArLi (8) (式中、Arは、アリール基及び置換アリール基を示
    す。)で示されるアリールリチウム化合物又は下記一般
    式(9) ArMX (9) (式中、Arは、アリール基及び置換アリール基を示
    し、Mは、Mg、Zn、B、Al、Si又はSnを示
    し、Xは、ハロゲン又はアルコキシ基を示す。)で示さ
    れる有機金属化合物と、下記一般式(10) RX (10) (式中、Rはビニル基、アリール基又は置換アリール基
    を示し、Xはハロゲンを示す。)で示されるハロゲン化
    炭化水素を、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    クロスカップリング反応用触媒の存在下反応させること
    を特徴とする置換スチレン誘導体又は置換ビアリール誘
    導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 置換フェニルブロミドと塩化ビニルを反
    応させることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 単一のエーテル溶媒中でクロスカップリ
    ング反応を行なうことを特徴とする請求項6又は請求項
    7に記載の製造方法。
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