JP4321131B2 - カップリング化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップリング化合物の製造方法に関し、詳しくはニッケル化合物と配位子からなる触媒を用い、有機ハロゲン化物とホウ素化合物とを反応させることを特徴とするカップリング化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップリング化合物類は、医薬、農薬、液晶材料、有機EL材料等、またはそれらの合成中間体として有用な化合物であり、中でも、ビアリール骨格を有する化合物の需要が高まっている。ビアリール骨格を有するカップリング化合物類の製造方法としては、ホウ素化合物と、アリールハライド類を、パラジウムまたはニッケル系触媒とホスフィン系化合物を配位子として用いて縮合させる、鈴木カップリング反応が、汎用性の高い方法として挙げられる。
ここで用いられるパラジウムまたはニッケル系触媒は、0価または2価触媒であり、パラジウムが、稀少貴金属であるのに対して、ニッケルはより安価であり、工業的にはニッケル系触媒が望まれている。
一方、ニッケル系触媒を用いた鈴木カップリング反応は、パラジウム触媒ほど研究されていない。ニッケル錯体触媒を用いる製造方法に関する報告としては、(i)0価ニッケル触媒存在下で製造する方法(例えば、非特許文献1参照。)、(ii)二価ニッケル触媒存在下で製造する方法(例えば、特許文献2、3参照。)等が挙げられる。
しかし、前記(i)および(ii)の方法では、ニッケル化合物の塩基による失活を防ぐ対策がされておらず、基質の仕込み方により反応成績が異なる等の不具合がみられ、安定した反応収率が得られるための工業的製法の開発が求められていた。
【0003】
【非特許文献1】
J.Organic.Chemistry 第62巻、8024頁、1997年
【特許文献2】
特開2000-302697号公報
【特許文献3】
特開2000-302720号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明者らは、有効なカップリング反応の触媒の開発について鋭意検討した結果、ホウ素化合物と塩基を反応させることにより、カップリング化合物を再現性よく高収率で得られる製造法を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、ニッケル化合物及び配位子からなる触媒組成物と、
式(1):
(R1X1 n) (1)
で示される不飽和有機化合物のn’モルと式(2):
{R2(BX2 2)n'} (2)
で示されるホウ素化合物のmモル
〔上記式(1)および式(2)において、R1は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、R2は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルケニル基または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、X1は脱離基を表し、X2は水酸基またはアルコキシル基を表し、nおよびn’はそれぞれ1または2を表す。ただし、nとn’は同時に2を表すことはない。mは、1または2を表し、m≦nである。〕
及び塩基を用いた式(3):
(Y−)(n -1 )R1-R2−(R1)(n '-1 ) (3)
(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、Yは、R2またはX1を表す。)
で示されるカップリング化合物の製造方法において、式(2)で示されるホウ素化合物と塩基を溶媒中で混合させ、得られた混合液(A)と触媒組成物と式(1)で示される不飽和有機化合物を任意の順に加えることを特徴とする製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法において用いるニッケル化合物としては、例えば、ニ価もしくは零価のニッケル化合物が例示され、さらに詳しくは、ニッケルの塩、ニ価ニッケル化合物の錯塩、ニッケル水酸化物、二価または零価のニッケルのπ錯体化合物が例示される。
【0006】
ニッケルの塩としては、例えば、ニッケルと無機酸もしくは有機酸との塩が例示され、さらに詳しくは、ニッケルの無機酸塩としては、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)等のニッケルハロゲン化物、硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、次亜リン酸ニッケル(II)等が例示される。
ニッケルの有機酸塩としては、例えば、酢酸ニッケル(II)、ギ酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、シクロヘキサンブチレートニッケル(II)、クエン酸ニッケル(II)、ナフテン酸ニッケル(II)等が例示される。
ニ価ニッケル化合物の錯塩としては、ニ価ニッケルのアミン錯体(例えば、塩化ヘキサアンミンニッケル(II)、ヨウ化ヘキサアンミンニッケル(II))または二価ニッケルのアセチルアセトン錯塩であるニッケルアセチルアセトナート等が例示される。
ニッケル水酸化物としては、水酸化ニッケル(II)などが例示される。
二価ニッケルπ錯体化合物としては、例えば,ビス(η3−アリル)ニッケル(II)、ビス(η−シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、塩化アリルニッケルニ量体等が例示される。
零価ニッケルπ錯体化合物としては、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ニッケルカルボニル(0)、等が例示される。
かかるニッケル化合物は、無水物体でも水和物体でもよい。
好ましいニッケル化合物としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル及びビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)等が挙げられる。
本発明の反応において、ニッケル化合物の使用量は、有機ハロゲン化物1モルに対し通常、0.00001モル以上から1モル以下、好ましくは0.00001モル以上から0.2モル以下程度である。
【0007】
本発明の製造方法において用いる配位子としては、例えば、リン化合物とアミン化合物が例示される。
リン化合物としては、例えば、単座配位子もしくは二座配位子が例示され、単座配位子としては、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリメトキシホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン等が例示される。
二座配位子としては、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセン、1,3−ジシキクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシキクロヘキシルホスフィノブタン、1,1’−ジシクロヘキシルホスフィノフェロセン等が例示される。
アミン化合物としては、2,2’−ビピリジル、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が例示される。
【0008】
また配位子を反応溶媒に溶解しない樹脂などの担体に担持させて不均一系で反応させることもできる。
【0009】
配位子はニッケル化合物のニッケル原子に対して、通常0.1当量倍以上用い、好ましくは1〜10当量倍用いられる。本発明の製造方法において、ホスフィン系化合物とアミン系化合物を併用して用いてもよい。
【0010】
本発明で用いられる触媒は、それぞれ前記ニッケル化合物および配位子で示される化合物を成分として両者からなる触媒であり、ここで、予め配位子がニッケル化合物に配位した化合物を単離して用いてもよいし、溶媒中で調整された触媒を含む触媒調整液をそのままカップリング反応に用いてもよい。またカップリング反応の反応系にニッケル化合物および配位子を別々に加えて使用してもよい。本発明の触媒の調整において、ニッケルの価数が二価のニッケル化合物を使用する場合には、還元剤を反応させてもよい。還元剤は特に限定されないが、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、アルキルグリニヤール試薬、アルキルリチウム、金属亜鉛などが挙げられる。この場合、触媒を調製するにあたって、二価ニッケル化合物、配位子、還元剤、および必要に応じて還元剤と反応しない適当な溶媒を加えるが、その順序は、特に限定されない。該溶媒としては、下記のカップリング反応において使用される溶媒として例示されているものと同様のものが例示され、好ましくは、エーテル溶媒または炭化水素系溶媒が用いられる。ニッケル化合物は反応系内で完溶していてもよいし、懸濁していてもよい。ニッケル化合物はそのまま用いてもよいし、かかる反応に使用する溶媒に溶解しない物質,例えば炭素、シリカ、アルミナなどに担持してもよい。
【0011】
本発明のカップリング反応には、下記のカップリング反応が含まれる。
n=n'=1のとき、
R1-X1 + R2−(BX2 2) → R1-R2 (3a)、
n=2、n'=1(m=1)のとき,
X1−R1-X1 + R2−(BX2 2)→ X1−R1-R2 (3b)、
n=2、n'=1(m=2)のとき,
X1−R1-X1 + 2{R2−(BX2 2)}→ R2−R1-R2 (3c)、
n=1、n'=2のとき
2R1-X1 + (BX2 2)−R2−(BX2 2)→ R1-R2−R1 (3d)。
【0012】
本発明のカップリング反応に用いる不飽和有機化合物(1)について説明する。
式(1)で示される不飽和有機化合物において、R1はそれぞれ置換もしくは無置換の、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖状または環状のアルケニル基を表す。
R1は、1つまたは複数の置換基で任意に置換されていてもよいが、R1が単環の基の場合、脱離基X1のオルト位の一方は無置換であることが好ましく、R1がオルト縮合またはオルト、ペリ縮合の芳香環の場合には、脱離基X1のオルト位の一つは、縮合環の共有する炭素原子であるか水素原子であることが好ましい。
【0013】
R1におけるアリール基としては、特に限定されないが、例えば、6〜16の炭素原子からなる1ないし3環のアリール基等が挙げられる。
該アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、インデニル基、フルオレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
R1におけるヘテロアリール基としては、ピリジル基、キナゾリル基、キノリル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基,ピロリル基,イミダゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
R1がアリール基である式(1)で示される不飽和有機化合物の好ましいものとしては、式(4):
(式中、R3は同一または相異なり、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、あるいはベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているR3は、任意に結合して、ベンゼン環とオルト縮合またはオルト、ペリ縮合した縮合多環性芳香環を表し、X1はベンゼン環または縮合環に結合した脱離基を表す。lは0または1を表し、kは0から5の整数を表す。 ただし、それぞれの脱離基X1の少なくとも一つのオルト位は、縮合環の共通原子、もしくは水素原子であり、ベンゼン環が縮合環でないときは、k + l≦5である。)
で示される化合物が挙げられる。
脱離基としては、上記で挙げられるものと同様のものが例示される。
R3の置換基としては、以下に記載するR1で挙げる例と同様のものが例示される
【0014】
R1におけるアルケニル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜10の、1または複数の二重結合を有する置換アルケニル基が例示される。ここで、本発明におけるアルケニル基においては、X1は、ビニル炭素と結合している。該アルケニル基としては、前記の含窒素環状化合物の置換基として例示したものと同様のビニル基、1−プロペニル基等が例示される。
【0015】
R1におけるシクロアルケニル基は、特に限定されないが、例えば、5〜8員の、1または2個の二重結合を含むシクロアルケニル基を表し、該シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等が挙げられる。ここで、本発明におけるシクロアルケニル基は、下式のように、二重結合部分でX1と結合している。
該シクロアルケニル基は、オキソ基で置換されていてもよく、オキソ基で置換されたシクロアルケニル基としては、1,4−ベンゾキノニル基、6−オキソシクロヘキセ−1−エニル基、5−オキソシクロペンテ−1−エニル基等が挙げられる。
【0016】
本発明において、X1は、縮合反応において、ホウ素化合物と反応することによって脱離する基(脱離基)である。かかる脱離基としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メシル基、トリフルオロメタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などのスルホネート基、または、ジアゾニウム塩等が挙げられ、各々同一であっても異なっていてもよい。
X1の好ましいものとしては、塩素原子、臭素原子、メシル基、トリフルオロメタンスルホネート基等が挙げられる。
nは1または2の整数をあらわす。
【0017】
式(1)で示される不飽和有機化合物において、R1が置換されていてもよい置換基としては、フッ素原子、例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、例えばエトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、例えばメチルチオ基などのアルキルチオ基、例えばフェニルチオ基などのアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、例えばジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などの置換アミノ基、例えばt−ブチルカルバメート基、メチルカルバメート基などのカルバメート基、例えばベンゼンスルホンアミド基、メタンスルホンアミド基のようなスルホンアミド基、イミノ基、例えばフタルイミド基などのイミド基、ホルミル基、カルボキシル基、例えばメトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、例えばp−メトキシフェノキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基、例えばカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などの無置換または置換カルバモイル基、例えばピリジル基、キナゾリニル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基,ピロリル基,イミダゾリル基などのヘテロ環基、例えばフェニル基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。
これらの置換基の内で隣合う炭素原子上の2個の置換基が結合して、R1と縮合環を形成していてもよい、またこれらの置換基はさらに置換されていてもよい。
【0018】
不飽和有機化合物類(1)の具体例としては、例えばフェニルブロマイド、o−トリルブロマイド、p−t−ブチルフェニルブロマイド、3,5−ジメチルフェニルブロマイド、2−ヒドロキシルエチルフェニルブロマイド、4−シクロヘキシルフェニルブロマイド、3−ブロモベンゾトリフルオリド、β−ブロモスチレン、3−ブロモ−4−クロロベンゾトリフルオリド、2−ナフチルブロマイド、9,10−ジブロモアントラセン、9−ブロモアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジブロモアントラセン、1,3−ジブロモベンゼン、m−メトキシフェニルブロマイド、4−ブロモベンズアルデヒド、1,4−ジブロモ−2−フルオロベンゼン、2−ブロモフェニル酢酸メチル、3−ブロモフェニル酢酸メチル、4−ブロモフェニル酢酸エチル、3−ブロモ桂皮酸メチル、5−ブロモサリチル酸メチル、4−ブロモベンズアミド、4−ブロモベンゾニトリル、9−ブロモフェナントレン、2−ブロモフルオレン、5−ブロモインダノン、2,7−ジブロモフルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジノニルフルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン、6−ブロモ−2−ナフトール、4,4'−ジブロモビフェニル、2−ブロモピリジン、2−ブロモフラン、3−ブロモフラン、2−ブロモチオフェン、4−ブロモピラゾール、5−ブロモウラシル、8−ブロモキノリン、4−ブロモイソキノリン、1−ベンジル−5−ブロモテトラゾール、フェニルクロライド、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、p−t−ブチルフェニルクロライド、3,5−ジメチルフェニルクロライド、4−シクロヘキシルフェニルクロライド、2−クロロ−4−フルオロトルエン、1−クロロ−4−ニトロベンゼン、2−クロロフェニル酢酸メチル、3−クロロフェニル酢酸メチル、4−クロロフェニル酢酸エチル、3−クロロベンゾフェノン、4−クロロ−1−ナフトール、4−クロロアニリン、4−クロロ−N,N'−ジメチルアニリン、4−クロロ−N,N'−ジフェニルアニリン、5−クロロ−N,N'−ジメチルアニリン、5−クロロー2−メトキシアニリン、4−クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸メチル、2−クロロ安息香酸フェニル、2−クロロアセトアミド、4−クロロアセトアミド、2−クロロベンジルシアナイド、2−ナフチルクロライド、9,10−ジクロロアントラセン、9−クロロアントラセン、1,3−ジクロロベンゼン、o−メトキシフェニルクロライド、m−メトキシフェニルクロライド、p−メトキシフェニルクロライド、3,5−ジメトキシクロロトルエン、3−クロロベンゾニトリル、2,7−ジクロロ−9−フルオレノン、2−クロロ−3−モルホリノ−1,4−ナフトキノン、3−クロロベンズアルデヒド、1,4−ジクロロ−2−フルオロベンゼン、2−クロロピリジン、2−クロロー6−トリフルオロメチルピリジン、1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、3−クロロチオフェン、5−クロロ−1−メチルイミダゾール、5−クロロ−1−フェニル−1H−テトラゾール、クロロインドール、2−クロロベンゾイミダゾール、8−クロロー5−メトキシキノリン、2,6−ジクロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、6−クロロプリン、クロロピラジン、1,4−ジクロロフタラジン、2,4−ジクロロピリミジン、フェニルアイオダイド、2−ヨードトルエン、p−t−ブチルフェニルアイオダイド、3,5−ジメチルフェニルアイオダイド、4−ヨードアセトフェノン、2−ヨード安息香酸、2−ナフチルアイオダイド、9,10−ジヨードアントラセン、1,3−ジヨードベンゼン、m−メトキシフェニルアイオダイド、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヨードフェニルアラニンメチルエステル、4,4'−ジヨードビフェニル、1,4−ジヨード−2−フルオロベンゼン、2−ヨードピリジン、2,7−ジヨード−9,9−ジノニルフルオレン、ビニルクロライド、ビニルブロマイド、1,2−ジクロロエチレン、アリルクロライド、アリルブロマイド、シクロヘキセン−1−イル−ブロマイド、シクロペンテン−1−イル−クロライド、2−トリフルオロメタンスルホネートピリジン、1,1'−ビ−2−ナフトールビス(トリフルオロメタンスルホネート)、1,2,2−トリメチルビニルトリフルオロメタンスルホネート、シクロヘキセン−1−イル−トリフルオロメタンスルホネート、4−ブロモフェニルトリフルオロメタンスルホネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート塩などが挙げられる。
【0019】
本発明における式(2)で示されるホウ素化合物において、R2は置換されていてもよい、アリール基、アルケニル基を表す。 R2は、先に記載した有機ハロゲン化物の置換基として例示されたものと同様の置換基で置換されていてもよい。
R2におけるアリール基としては、特に限定されないが、例えば、6〜16の炭素原子からなる1ないし4環のアリール基等が挙げられる。
該アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、インデニル基、フルオレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
R2におけるヘテロアリール基としては、ピリジル基、キナゾリル基、キノリル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基,ピロリル基,イミダゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
R2におけるアルケニル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜10の、1または複数の二重結合を有する置換アルケニル基が例示される。ここで、本発明におけるアルケニル基においては、B1は、ビニル炭素と結合している。該アルケニル基としては、前記の有機ハロゲン化物の置換基として例示したものと同様のビニル基、1−プロペニル基等が例示される。
X2は水酸基,または例えばメトキシ基などのアルコキシル基である,また二つのアルコキシル基は架橋されていてもよく、たとえばボロン酸ピナコールエステルやボロン酸カテコールエステルのような形をとっていてもよいし、R2が、下記のようにボロン酸3量体無水物を形成するとき、X2 2で、−O−B(R2)−O−B(R2)−O− 基を表す。
R2は、1つまたは複数の置換基で置換されている場合であって、R2が単環もしくはオルト縮合またはオルト、ペリ縮合環のときは、BX2 2基のオルト位の一方は無置換であることが好ましい。
R2がアリール基である式(2)で示されるホウ素化合物の好ましいものとしては、式(2)で示されるホウ素化合物が、式(4):
(式中、R5は、水素原子を表し、X2は水酸基またはアルコキシル基を表し、該アルコキシル基は、互いに末端で結合してアルキレンジオキシ基を形成していてもよい、あるいはX2 2で、−O−B(R2)−O−B(R2)−O− 基を表す。ここで、R2は、前記と同じ意味を表す。rは、0から4の整数を表し、sは、0または1を表す。また、ベンゼン環が縮合芳香環でないときは、r + s≦4である。
R6は、同一または相異なり、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、また、ベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているR6は任意に結合して、ベンゼン環とオルト縮合またはオルト、ペリ縮合した縮合多環性芳香環を表す。)
で示される化合物が挙げられる。
【0020】
またX2が水酸基の場合、式(2)で示されるホウ素化合物が、下記式(5)のような酸無水物となっていてもよい。
【0021】
ホウ素化合物類の具体例としては、例えば、フェニルボロン酸、2−メチルフェニルボロン酸、3−メチルフェニルボロン酸、4−メチルフェニルボロン酸、2,3−ジメチルフェニルボロン酸、2,4−ジメチルフェニルボロン酸、2,5−ジメチルフェニルボロン酸、2−エチルフェニルボロン酸、4−n−プロピルフェニルボロン酸、4−イソプロピルフェニルボロン酸、4−n−ブチルフェニルボロン酸、4−t−ブチルフェニルボロン酸、1−ナフチルボロン酸、2−ナフチルボロン酸、2−ビフェニルボロン酸、3−ビフェニルボロン酸、4−ビフェニルボロン酸、2−フルオロ−4−ビフェニルボロン酸、2−フルオレニルボロン酸、9−フルオレニルボロン酸、9−フェナンスレニルボロン酸、9−アントラセニルボロン酸、1−ピレニルボロン酸、2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、4−トリフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、2−メトキシフェニルボロン酸、3−メトキシフェニルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、2,5−ジメトキシフェニルボロン酸、4,5−ジメトキシフェニルボロン酸、2,4−ジメトキシフェニルボロン酸、2−エトキシフェニルボロン酸、3−エトキシフェニルボロン酸、4−エトキシフェニルボロン酸、4−フェノキシボロン酸、3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸、2−フルオロフェニルボロン酸、3−フルオロフェニルボロン酸、4−フルオロフェニルボロン酸、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸、2,5−ジフルオロフェニルボロン酸、4,5−ジフルオロフェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸、3−ホルミルフェニルボロン酸、4−ホルミルフェニルボロン酸、3−ホルミル−4−メトキシフェニルボロン酸、2−シアノフェニルボロン酸、3−シアノフェニルボロン酸、4−シアノフェニルボロン酸、3−ニトロフェニルボロン酸、3−アセチルフェニルボロン酸、4−アセチルフェニルボロン酸、3−トリフルオロアセチルフェニルボロン酸、4−トリフルオロアセチルフェニルボロン酸、4−メチルチオフェニルボロン酸、4−ビニルフェニルボロン酸、3−カルボキシフェニルボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸、フラン−2−ボロン酸、フラン−3−ボロン酸、4−ホルミル−2−フランボロン酸、ジベンゾフラン−4−ボロン酸、ベンゾフラン−2−ボロン酸、チオフェン−2−ボロン酸,チオフェン−3−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、5−クロロチオフェン−2−ボロン酸、4−メチルチオフェン−2−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、2−アセチルチオフェン−5−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、ベンゾチオフェン−2−ボロン酸、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸、ピラゾール−4−ボロン酸、3−メチルピラゾール−4−ボロン酸、ピリジン−3−ボロン酸、ピリジン−4−ボロン酸、ピリミジン−5−ボロン酸、キノリン−8−ボロン酸、イソキノリン−4−ボロン酸、1,4−ベンゼンビス(ボロン酸)、フェニルボロン酸ピナコールエステル、4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルなどが挙げられる。
【0022】
本発明の製造方法には通常、塩基が用いられ、かかる塩基としては、無機塩基であるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコキシド等が挙げられる。ここで、用いられる塩基の形態としては、無水物体であってもよいし、水和物体であってもよい。好ましくはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩が挙げられ、さらに詳しくは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等が例示される。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が例示される。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が例示される。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のリン酸塩としては、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が例示される。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカルボン酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が例示される。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基としては、炭酸塩およびリン酸塩がより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウムがより好ましい。
塩基はホウ素化合物(2)に対して、通常0.1〜20当量倍用い、好ましくは1〜5当量倍用いられる。また、2種類以上の塩基を併用して用いてもよい。
【0023】
本発明の製造方法には通常、溶媒が用いられ、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。また水などの溶媒も用いることができる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒などが挙げられる。かかる溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組合わせて用いられ、その使用量は有機ハロゲン化物に対して通常は1重量倍以上200重量倍以下、好ましくは5重量倍以上100重量倍以下程度である。かかる溶媒の中でもエーテル溶媒又は非プロトン性溶媒が望ましい。
【0024】
反応温度は有機ハロゲン化物の構造によるが、通常は0℃以上200℃以下であり、好ましくは20℃から140℃程度である。
反応時間は特に制限されるものではなく、原料の有機ハロゲン化物またはホウ素化合物が消失した時点を反応終点とすることができる。
通常、数分〜72時間の範囲であるが、反応速度の遅いものは有機ハロゲン化物またはホウ素化合物が消失する時点までさらに延長すれば反応収率が向上する。
また、反応中に酸素による触媒の失活を防ぐ為に、反応は不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。例えば、窒素ガスやアルゴンガスなどが挙げられる。また、反応圧力は特に制限されないが、通常は大気圧下で行なう。
【0025】
本発明の製造方法において、ホウ素化合物(2)と塩基を適当な溶媒を用いて混合させ、得られた混合液(A)に、ニッケル化合物及び配位子、不飽和有機ハロゲン化物(1)を任意の順番で加えることができるが、還元剤を使用する場合には、該還元剤が不飽和有機ハロゲン化物と反応する可能性があるときは、これを回避する順に仕込むことが好ましい。例えば予め不飽和有機ハロゲン化物、混合液(A)ならびに必要に応じて適当な溶媒を任意の順番に加えた系にニッケル化合物、配位子、還元剤から調整された混合物を仕込む方法または、ニッケル化合物、配位子および還元剤から調整された混合物に不飽和有機ハロゲン化物、混合液(A)ならびに必要に応じて適当な溶媒を任意の順番で仕込むのが好ましい。またこの場合、ニッケル化合物と配位子の代わりに、配位子がニッケル化合物に配位した化合物を使用してもよい。
混合液(A)、ニッケル化合物及び配位子、不飽和有機ハロゲン化物(1)の仕込み方法としては、混合液(A)に、次いでニッケル化合物及び配位子、不飽和有機ハロゲン化物(1)を仕込む方法が好ましい。
【0026】
本発明の製造方法において、ホウ素化合物(2)と塩基を適当な溶媒を用いて混合させた後に、溶媒を留去することにより、得られた反応物を単離してもよい。この場合、得られた混合物に対して、ニッケル化合物、配位子、不飽和有機ハロゲン化物(1)と適当な溶媒を任意の順に仕込むことにより、カップリング化合物を得ることができる。
【0027】
ホウ素化合物(2)と塩基を適当な溶媒を用いて反応させる際の温度は、通常、使用する溶媒の凝固点以上沸点以下であり、好ましくは20℃から140℃程度である。
【0028】
反応後、生成したカップリング化合物(3)は、例えば反応液に希塩酸または希硫酸等の鉱酸の水溶液などを加えて、酸性にした後、必要に応じて有機溶媒で抽出、水洗した後、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたカップリング化合物は、必要に応じて蒸留、再結晶、各種クロマトグラフィー等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
【0029】
カップリング化合物(3)の具体例としては、例えば、ビフェニル、4−t−ブチルビフェニル、2−メトキシビフェニル、4−t−ブチル−3’−メチルビフェニル、4−メトキシビフェニル、4−ホルミルビフェニル、3−メトキシ−2’−メトキシビフェニル、2−フェニルフェニル酢酸エチル、3−フェニルフェニル酢酸エチル、4−フェニルフェニル酢酸エチル、3−ニトロビフェニル、4−ニトロビフェニル、9−フェニルフェナントレン、1−ベンジルー5−フェニルテトラゾール、4−フェニル−アセトフェノン、4−フェニル−N,N’―ジメチルアニリン、2,4−ジフルオロビフェニル、4−カルボキシビフェニル、1,4−ジフェニル−2−フルオロベンゼン、5−(3−メチルフェニル)−2−メトキシアニリン、2−フェニルベンゾフラン、4−(4−メトキシベンゼン)ベンゾトリフルオライド、2−(3,5−ジフルオロフェニル)ナフタレン、4−ナフチルベンズアミド、9,10−ジフェニルアントラセン、9−(4−カルボキシフェニル)−10−(3−メトキシフェニル)アントラセン、2−(2−エトキシフェニル)フルオレン、4−(2,5−ジフルオロフェニル)ベンズアルデヒド、4−(3−シアノフェニル)ベンズアルデヒド、4−(4−フルオロフェニル)フェニル酢酸、4−カルボキシ−3‘,5’−ジフルオロビフェニル、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェノール、1−ビニル−2,5−ジフルオロベンゼン、4−(3−メチルフェニル)フェニル酢酸エチル、2−(3−シアノフェニル)ピリジン、5−(フェニル)−1−メチルイミダゾール、2,5−ジメチルビフェニル、2−メチル−2’−メチルビフェニル、2−(3−(N,N’−ジメチルアミノ)フェニル)トルエン、4−(2−エトキシフェニル)ベンズアミド、2−ピリジルベンゾチオフェン、2−ビニル−5−メチルチオフェン、5−(2−メチルフェニル)ウラシル、3−(4−アセチルフェニル)トルエン、2−(4−アセチルフェニル)チオフェン、2−(3−カルボキシフェニル)トルエン、5−(4−メチルフェニル)−2−メチルベンゾオキサゾール、6−フェニル2−メチルプリン、5−(3−フリル)ウリジン、3,6−ジ(2−ピリジル)ピリダジン、2−(3−ニトロフェニル)トルエン、2−(4−シアノフェニル)トルエン、2−(2−メチルフェニル)ベンゾイミダゾール、3−(1−フェニル−1H−テトラゾール)チオフェン、2−(2,4−ジメチルフェニル)ベンジルシアナイド、2−フルオロ−2’,6’−ジメチルビフェニル、3−カルボキシ−2’,6’−ジメチルビフェニル、3−ビフェニル−2’,6’−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、選択性よくカップリング反応をおこなうことができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の表において反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し,目的物と副生物と未反応有機ハロゲン化物のガスクロマトグラムのピーク面積値総和に対する目的物、副生物および未反応有機ハロゲン化物それぞれのピーク面積値の比率を百分率で示した。
【0032】
実施例1
アルゴン雰囲気下中、硝酸ニッケル六水和物0.055mmol(4.1mg)、トリフェニルホスフィン0.109mmol(29mg)、エチレングリコールジメチルエーテル3mlを混合し、その後、1時間攪拌させることにより触媒液を作成した。
別途、アルゴン雰囲気下中、4−メチルフェニルボロン酸2.37mmol(322mg)、リン酸カリウム3.77mmol(800mg)、エチレングリコールジメチルエーテル3mlを混合し、反応液を80℃に昇温した。同温度で1時間加熱攪拌した後に、4−メトキシフェニルクロライドを1.82mmol(260mg)、上記で得られた触媒液を順に加え、同温度で3時間加熱攪拌を行なった。反応終了後、室温まで放冷し、1N塩酸水10mlを加えて過剰のリン酸カリウムを溶解させた後、反応液は分液ロートに移し酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄した。目的物4−メトキシ−4‘−メチルビフェニルの反応率は91%であった。未反応不飽和有機化合物である4−メトキシフェニルクロライドの残存率は9%であった。
【0033】
実施例2〜43
実施例1において、4−メチルフェニルボロン酸の代わりに、表に示したホウ素化合物を用い、4−メトキシフェニルクロライドの代わりに、表に示した不飽和有機化合物を用い、トリフェニルホスフィンの代わりに、表に示した配位子を用い、硝酸ニッケル六水和物の代わりに、表に示したニッケル化合物を用い、エチレングリコールジメチルエーテル表示した溶媒を用い、リン酸カリウムの代わりに、表に示した塩基を用い、実施例1に準拠して実施することにより目的物が得られる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
比較例1
アルゴン雰囲気下中、硝酸ニッケル六水和物0.055mmol(4.1mg)、トリフェニルホスフィン0.109mmol(29mg)、リン酸カリウム3.77mmol(800mg)およびエチレングリコールジメチルエーテル3mlを混合した。その後、反応液を1時間攪拌した後に、4−メトキシフェニルクロライド1.82mmol(260mg)次いで4−メチルフェニルボロン酸を2.37mmol(360mg)、エチレングリコールジメチルエーテル3mlを加えた後に、反応液を80℃に昇温した。同温度で3時間加熱攪拌を行なった。反応終了後、室温まで放冷し、1N塩酸水10mlを加えて過剰のリン酸カリウムを溶解させた後、反応液は分液ロートに移し酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄した。目的物4−メトキシ−4‘−メチルビフェニルの反応率は0%であった。未反応不飽和有機化合物である4−メトキシフェニルクロライドの残存率は100%であった。
Claims (6)
- ハロゲン化ニッケル、ニッケルの有機酸塩、硝酸ニッケル、これら化合物のアミン錯体、およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルから選ばれるニッケル化合物、並びに単座配位子もしくは二座配位子となりうるリン化合物である配位子からなる触媒組成物と、
式(1):
(R1X1 n) (1)
で示される不飽和有機化合物のn’モルと式(2):
{R2(BX2 2)n'} (2)
で示されるホウ素化合物のmモル
〔上記式(1)および式(2)において、R1は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、R2は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルケニル基または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、X1は、ハロゲン原子、スルホネート基およびジアゾニウム塩から選ばれる脱離基を表し、X2は水酸基またはアルコキシル基を表し、nおよびn’はそれぞれ1または2を表す。ただし、nとn’は同時に2を表すことはない。mは、1または2を表し、m≦nである。〕
および塩基を用いた式(3):
(Y−)(n -1 )R1-R2−(R1)(n '-1 ) (3)
(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、Yは、R2またはX1を表す。)
で示されるカップリング化合物の製造において、式(2)で示されるホウ素化合物と、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩およびアルコキシドから選ばれる塩基を有機溶媒中で混合し反応させた後に得られた混合液(A)と触媒組成物と式(1)で示される不飽和有機化合物を任意の順に加えることを特徴とする製造方法。 - 混合液(A)に、触媒組成物と式(1)で示される不飽和有機化合物を任意の順に加えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 式(1)で示される不飽和有機化合物が、式(4):
(式中、R3は同一または相異なり、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、あるいはベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているR3は、任意に結合して、ベンゼン環とオルト縮合またはオルト、ペリ縮合した縮合多環性芳香環を表し、X1はベンゼン環または縮合環に結合した脱離基を表す。
lは0または1を表し、kは0から5の整数を表す。 ただし、それぞれの脱離基X1の少なくとも一つのオルト位は、縮合環の共通原子、もしくは水素原子であり、ベンゼン環が縮合環でないときは、k + l≦5である。)
で示される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - 式(2)で示されるホウ素化合物が、式(5):
(式中、R4は、水素原子を表し、X2は水酸基あるいはアルコキシル基を表すか、または該アルコキシ基は、互いに末端で結合してアルキレンジオキシ基を形成するか、あるいはX2 2で、−O−B(R2)−O−B(R2)−O− 基を表す。ここで、R2は、前記と同じ意味を表し、pは、0から4の整数を表す。qは、0または1を表す。
ベンゼン環が縮合芳香環でないときは、p + q≦4である。
R5は、同一または相異なり、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の直鎖状または環状のアルケニル基を表し、あるいはベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているR5は、任意に結合して、ベンゼン環とオルト縮合またはオルト、ペリ縮合した縮合多環性芳香環を表す。)
で示される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - ニッケル化合物が、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケルまたはビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- X1の脱離基が、ハロゲン原子またはスルホネート基である請求項1〜5に記載の製造方法。
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