JP2001152238A - 高清浄度低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

高清浄度低炭素鋼の溶製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来より予備処理負荷が少なく、真空脱ガス処
理における操業トラブルのない高清浄度低炭素鋼の溶製
方法を提供することを目的としている。 【解決手段】溶鋼を大気圧下で脱炭する一次精錬炉及び
該一次精錬炉から出鋼した溶鋼を再度真空下で精錬する
真空脱ガス装置を順次用いて、炭素濃度が0.02〜
0.06質量%の低炭素溶鋼を溶製するに際し、前記一
次精錬炉で溶鋼中の炭素濃度を0.02〜0.05質量
%まで脱炭すると共に、出鋼時に加炭処理し、出鋼した
溶鋼を真空脱ガス装置内で真空脱炭・脱酸して溶存酸素
の濃度を0.02質量%以下にしてから、さらに脱酸剤
を添加して脱酸処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高清浄度低炭素鋼
の溶製方法に係わり、とりわけ、炭素を0.02〜0.
06質量%含有し、且つ高度に清浄化された缶用鋼板素
材に好適な鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素鋼を溶製するには、転炉等で
主として脱炭、脱燐、脱硫等(以下、一次精錬というこ
とが多い)を行なった後、溶鋼中の介在物の浮上分離を
狙うため、出鋼時に金属アルミニウム、あるいは鉄−S
i合金を用いて不純物元素を酸化し、この酸化から鋳造
開始までの時間を長くする処置が取られていた。この一
次精錬後に生成した大量の酸化物(以下、介在物とい
う)を浮上させて溶鋼から除去するには、その後に真空
脱ガス装置、取鍋等で実施される所謂二次精錬におい
て、溶鋼中に吹き込む撹拌用ガスの増量、二次精錬時間
の延長、あるいは鋳造速度の規制等の手法が取られてき
た。また、大量に生成した介在物がスラグ中に一旦取り
込まれた後に再び溶鋼中に懸濁しないように、溶鋼に塩
基度(CaO/SiO2)の高いフラックスを投入し
て、二次精錬時に生じるスラグの融点を高め、固化させ
るといった手法も取られてきた。
【0003】しかしながら、上記のような二次精錬での
ガス流量の増大、二次精錬時間の延長、あるいはスラグ
の固化は、溶鋼の温度を著しく降下させる。そのため、
前段階での一次精錬では出鋼時の溶鋼温度を高くしなけ
ればならないので,精錬負荷の増大を招くばかりか、高
温による脱燐効率の減少、内張り耐火物の損耗量増大が
生じ、精錬コストを大幅に増加させていた。
【0004】そこで、特開昭50−8713号公報は、
最終の溶製目標炭素濃度よりもかなり高目の状態で、転
炉での脱炭精錬を終了して溶鋼中の溶存酸素濃度を低く
抑え、その後に、該溶鋼を真空脱ガス装置内で脱炭、脱
酸することを提案している。ところが、これらの技術で
は、本来脱燐反応に好適となる溶鋼中の酸素濃度及びス
ラグ中のFeO濃度が高くなる時期を経過せずに、転炉
より出鋼することになるので、溶鋼中の燐濃度が著しく
高くなり、最終的に鋼材の具備すべき性質を満足しなく
なる。そのため、一次精錬前に溶銑の脱燐等、所謂「溶
銑予備処理」が必須となり、該「溶銑予備処理」負荷の
増大や精錬コストの増大を招く。また、一次精錬後の燐
濃度が最終製品の目標範囲を超えることにより、転炉か
ら出鋼した溶鋼を二次精錬に供給できないというチャン
ス・ロスも生じる。さらに、上記したような精錬コスト
の増大、精錬負荷の増大を招く技術を用いているにもか
かわらず、精錬後に全ての大型介在物を浮上除去しきれ
ず、介在物濃度の指標であるトータル酸素濃度が目標範
囲を超えることにより、せっかく精錬した溶鋼を目標と
する鋼材の素材に使用できなかったり、あるいは鋳造後
に冷間圧延して得た鋼帯の表面に、大型介在物に起因す
る疵欠陥を誘発していた。
【0005】また、最近、特開平10−317049号
公報及び特開平10−219337号公報は、転炉から
未脱酸出鋼した溶鋼をRH真空脱ガス装置で二次精錬す
る際に、脱ガス槽内で炭素含有物を溶鋼に添加して溶鋼
中酸素濃度を100ppm以下までに低減してからアル
ミニウムで脱酸する技術を提案している。また、特許第
2923182号公報では、同様にRHで炭材を用い、
鋼中の炭素濃度を350ppm以下とした上で、脱酸剤
を添加することを提案している。ところが、これらの技
術では、真空下に保持された溶鋼中に炭素を添加するた
め、急激に多量のCOガスが槽内に発生し、所謂「突
沸」現象を生じ、操業が極めて危険になるばかりでな
く、COガスと共に飛び散った溶鋼スプラッシュが真空
槽の内璧や排ガスタクト内に付着して操業を困難にした
り、あるいは真空排気速度を低下させる等の問題を生じ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の技術では、介在物を低減した高清浄度鋼を得ようとす
ると、予備処理負荷が著しく高まったり、真空脱ガス処
理での操業を困難にする等の問題があり、低コストで高
清浄度鋼を安定して溶製できなかった。本発明は、かか
る事情に鑑み、従来より予備処理負荷が少なく、真空脱
ガス処理に際して操業を阻害することのない高清浄度低
炭素鋼の溶製方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化し
た。
【0008】すなわち、本発明は、溶鋼を大気圧下で脱
炭する一次精錬炉及び該一次精錬炉から出鋼した溶鋼を
再度真空下で精錬する真空脱ガス装置を順次用いて、炭
素濃度が0.02〜0.06質量%の低炭素溶鋼を溶製
するに際し、前記一次精錬炉で溶鋼中の炭素濃度を0.
02〜0.05質量%まで脱炭すると共に、出鋼時に加
炭処理し、出鋼した溶鋼を真空脱ガス装置内で真空脱炭
・脱酸して溶存酸素の濃度を0.02質量%以下にして
から、さらに脱酸剤を添加して脱酸処理を行なうことを
特徴とする高清浄度低炭素鋼の溶製方法である。
【0009】その際、前記加炭処理で溶鋼中の炭素濃度
を0.06質量%以上に高めることが好ましく、さらに
は、一次精錬炉からの出鋼時又は出鋼後の真空精錬前
に、溶鋼が伴うスラグ中に還元剤を添加することが一層
好ましい。
【0010】本発明によれば、溶銑の予備処理や一次精
錬時の負荷を増大させることなく、最終製品の鋼材中に
含有される介在物量を著しく低減することができるよう
になる。また、COガスの発生を伴う加炭を一次精錬の
終了後、出鋼時に行なうようにしたので、二次精錬にお
いて操業を困難にするようなトラブルが発生しないよう
になる。その結果、介在物含有量に対して最も要求の厳
しい缶用鋼板の素材が低コストで安定して供給できるよ
うになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をより
詳細に説明する。
【0012】本発明で溶製の対象とする鋼は、炭素濃度
が0.02〜0.06質量%の低炭素鋼であり、より詳
しくは、飲料缶や食缶などの缶用鋼板素材であって、絞
り加工やしごき加工などの高度の成形加工をなされるた
めに、大型の非金属介在物の含有量を極限まで低減され
ることが望まれる鋼である。なお、炭素以外の成分の含
有量については、特に限定するものではない。
【0013】まず、このような鋼の溶製にあたって、本
発明では、溶鋼を大気圧下で脱炭、脱燐等をする一次精
錬炉において、予備処理を溶銑中燐濃度が0.10質量
%となるまでにしか施していない溶銑を用い、溶鋼中の
炭素濃度を0.02〜0.05質量%になるよう脱炭す
る。一次精錬炉としては、DCアーク炉やACアーク炉
等の電気炉を使用しても良いが、一般的には、転炉の使
用が好ましい。この転炉は、上吹き転炉、底吹き転炉、
上底吹き転炉のいずれでも良い。また、電気炉を使用す
る場合には、酸素ガスを溶鋼に吹き付るランスを備えた
電気炉の使用が好ましい。
【0014】ここで、一次精錬炉での精錬終了時(吹止
め時)に、溶鋼中の炭素濃度を0.02〜0.05質量
%としたのは、0.05質量%以下だと溶鋼中の溶存酸
素濃度及びスラグ中のFeOが脱燐に寄与するのに十分
なだけ高まり、通常の製品鋼材中の燐濃度範囲である
0.020質量%以下が容易に達成できるからである。
一方、炭素濃度を0.02質量%未満にまで低下させる
と、スラグのFeO濃度が高くなり過ぎると共に、溶鋼
の温度が著しく高温となって、一次精錬炉の内張り耐火
物を傷めること、このようなスラグが出鋼時に取鍋に流
出することによって、溶鋼がスラグで再酸化し、真空脱
ガス終了後に介在物が増大する恐れがあること、及び溶
鋼中の溶存酸素が過度に高まって、その後に炭素添加し
てもそれ以下に酸素が低下しないことから、炭素濃度の
下限を0.02質量%とした。なお、この一次精錬での
溶鋼温度は、出鋼時で1610℃程度と通常の精錬時と
同等か、それ以下である。
【0015】次に、本発明では、このように適正な炭素
濃度で一次精錬を終了した溶鋼に対して、出鋼時に加炭
処理を行う。加炭する目的は、C−O反応によって溶鋼
中の酸素を除去し、炭素と平衡する溶存酸素の含有量を
低減して、引き続き行なわれる真空脱ガス処理におい
て、迅速に目標とする炭素濃度、酸素濃度の範囲に入る
ようにするためである。その加炭後の溶鋼中の炭素と酸
素の関係は、ほぼCO分圧1気圧(0.1MPa)に平
衡する関係にある。この関係は、図1に示すように、ほ
ぼそのまま真空脱ガス開始時まで保持される。加炭材
は、通常の製鋼で使用される黒鉛、コークス、高炭素フ
ェロマンガン等で良い。
【0016】そして、引き続き、本発明では、真空脱ガ
ス装置において真空脱炭・脱酸精錬を行ない、溶存酸素
濃度を0.02質量%以下とした後に、アルミニウム等
の脱酸剤を添加して最終脱酸処理を行なう。ここで、脱
酸剤添加直前の溶存酸素濃度を0.02質量%以下、且
つ炭素濃度を0.02〜0.06質量%の範囲に収める
には、CとOの当量関係(図1の点線で示した直線)の
傾きから見れば、真空脱ガス処理開始時(つまり、出鋼
時の加炭後)の炭素濃度を0.04〜0.065質量%
にしておけば良いことが予想される。しかし、現実に
は、真空脱ガス装置での大気のリーク、溶鋼上のスラグ
や取鍋耐火物からの再酸化等があるので、炭素濃度の低
下に比べ酸素濃度の低下が小さくなる傾向がある。そこ
で、本発明では、好ましい真空脱ガス処理開始時の炭素
濃度範囲として、加炭後の炭素濃度を上記の当量関係か
ら必要とされる範囲よりも高い0.06質量%以上にす
ることにした。
【0017】なお、この加炭後の炭素濃度の上限は、
0.10質量%とするのが好ましい。これは、0.10
質量%を超えると、目標の炭素濃度範囲まで脱炭するの
に長時間が必要となり、精錬の能率を低下させる他、耐
火物への負荷を増大したり、溶鋼温度を高めておく必要
があり、一次精錬での負荷が増大するからである。
【0018】また、最短時間で真空脱炭・脱酸処理する
には、スラグからの再酸化を防止することが好ましい。
そのため、本発明では、一次精錬炉からの出鋼時または
出鋼後に、溶鋼に伴なわれているスラグ中に金属アルミ
ニウム、アルミ滓などの還元剤を添加してスラグ中のF
eOやMnOなどの酸化性成分を低減しておくのが良
い。還元の目安としては、スラグ中のFeOを3.0質
量%以下にすることである。
【0019】
【実施例】溶銑予備処理により燐濃度を0.10質量%
程度とした溶銑を用い、生産能力260トンの底吹き転
炉で一次精錬した溶鋼に、本発明に従い、加炭処理(加
炭材は黒鉛を使用)、真空脱ガス装置での真空脱炭・脱
酸処理及び脱酸剤の添加を順次施した。また、発明の効
果確認のため、前記溶鋼を、加炭処理せずに真空脱ガス
装置で単に真空脱炭・脱酸処理した場合も実施した。な
お、一次精錬の出鋼時における溶鋼温度は、1600〜
1620℃の範囲であった。
【0020】以下、これらの実施結果を、図1〜図5に
基づき説明する。
【0021】溶鋼中の炭素濃度と溶存酸素濃度との関係
を図1に示す。図1では、RH真空脱ガス装置での真空
脱炭・脱酸処理前の溶鋼を中抜きの丸印で、真空脱炭・
脱酸処理後の溶鋼を黒塗りつぶし丸印で表わしている。
また、丸印の大きいものは、加炭を実施した場合であ
り、小さいものは、加炭しなかった場合である。つま
り、大きい丸印が本発明に、小さい丸が比較例に相当す
る。
【0022】図1より、出鋼中に黒鉛を添加せず、真空
脱炭・脱酸処理前の炭素濃度が0.04質量%以下の場
合は(比較例)、真空脱炭・脱酸処理後の酸素濃度が2
00ppm以下とならない。一方、本発明のように、一
次精錬後の出鋼途中で黒鉛を添加した場合には、真空脱
炭・脱酸処理処理後の溶存酸素濃度を200ppm以下
とすることができる。特に、真空脱炭・脱酸処理前の炭
素濃度を0.06質量%以上とした場合には、真空脱炭
・脱酸処理後の溶存酸素濃度を100ppm以下とする
ことができた。
【0023】このようにして真空脱炭・脱酸処理した後
に、溶鋼にアルミニウムを添加して最終脱酸処理を施し
た。このようにして溶製した溶鋼は、連続鋳造機に搬送
され、タンディッシュを介して鋳型に注入し、連続鋳造
した。そして、連続鋳造を開始してから取鍋内の溶鋼量
の1/4、1/2、3/4、全量鋳込んだ時点でタンデ
イッシュ内の溶鋼からサンプルを採取し、それに含まれ
る全酸素量(溶存酸素と介在物となって含まれている酸
素との合計量、以下、Tot.Oと略記)を分析した。
分析結果を、真空脱炭・脱酸処理後の溶存酸素とタンデ
ィッシュ内サンプル中のTot.Oとの関係で整理し図
2に示す。なお、図2では、上記鋳込み1/4時を白
丸、2/4時を黒丸、3/4時を黒塗りつぶし三角、全
量鋳込時を四角で表している。
【0024】図2より、真空脱炭・脱酸処理を終了して
金属アルミニウムによる脱酸処理を行う際に、従来法で
溶製した溶鋼中の溶存酸素濃度が200ppmを超えて
いる場合には、介在物の発生量が多いばかりでなく、T
ot.Oの測定値そのものも「ばらつき」が大きくなる
ことが明らかである。これは、サンプル中に大型介在物
が多量に偏在しているために他ならない。一方、本発明
による溶製の場合には、金属アルミニウムによる脱酸処
理を行う際の溶存酸素濃度を200ppm以下とするこ
とで、介在物の発生量が少なく、Tot.Oの測定値そ
のものの「ばらつき」が著しく小さくなっている。つま
り、図2は、本発明によれば、サンプリングによる溶鋼
清浄度の判定が明確になり、判定の信頼性も向上するこ
とを示している。
【0025】次に、上記と同様にして採取した溶鋼のサ
ンプルをエレクトロンビーム(EBと記す)によって溶
解し、浮上して得られた単位重量あたりの介在物面積率
を調べ、その調査結果を図3に示す。図3より、本発明
を適用した場合には、タンディッシュ内の溶鋼に含まれ
る介在物を著しく低減できることが明らかである。つま
り、本発明により、溶鋼の清浄度が従来に比べ格段に向
上している。
【0026】また、連続鋳造によって得られた鋳片(ス
ラブ)の任意の位置からブロック状サンプルを切り出
し、該サンプルから公知のスライム抽出法を用いて介在
物を分離した。そして、それらの介在物を粒径別に分類
し、従来法と本発明法によって溶製された場合を比較し
て、図4に整理した。図4では、従来法によるサンプル
を黒塗りつぶし記号で、本発明法によるサンプルを中抜
き記号で示している。図4より、本発明によれば、20
μm以上の大型介在物を著しく減少できることが明らか
である。
【0027】さらに、連続鋳造によって得られた前記ス
ラブを、実際に熱間圧廷あるいは冷間圧延して薄鋼板を
製造した。そして、それらの薄鋼板で一定サイズの缶を
製作し、使用鋼板に含まれる介在物に起因して製缶不良
となり、不合格品とされる比率を調査した。調査結果を
図5に示す。なお、不合格判定の基準とした疵は、缶の
フランジ部クラック、ネッキングクラック、ピンホール
及び胴の破れである。
【0028】従来法で溶製した鋼板は、アルミニウム脱
酸時に生成する介在物量が多かったために、鋼板中に含
まれる介在物量が多い。そのため、図5より明らかなよ
うに、従来法で溶製した鋼板を用いた場合には、製缶時
の不合格品の量が百万缶に数10〜数100個という膨
大な量であった。一方、本発明を適用して溶製した場合
の鋼板を用いると、アルミニウム脱酸によって生成する
介在物に起因する製缶時の不合格品数が皆無となり、製
缶時の歩止りが従来より著しく向上した。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、予備
精錬、及び一次精錬時の負荷を増大させることなく、溶
鋼中に含有される介在物量を著しく低減することができ
た。その溶鋼は、介在物含有量に対して最も要求の厳し
い缶用鋼板にしても、介在物に起因する製缶不良を著し
く減少させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶鋼中の炭素濃度と溶存酸素濃度との関係を示
す図である。
【図2】真空脱炭・脱酸処理後の溶存酸素とタンディッ
シュ内サンプル中のTot.Oとの関係を示す図であ
る。
【図3】溶鋼中に含まれる介在物を調査した結果を示す
図である。
【図4】介在物の粒径分布を調査した結果を示す図であ
る。
【図5】使用鋼板に含まれる介在物に起因して不合格品
とされる比率を調査した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/00 101 C21C 7/00 101A 7/04 7/04 B 7/068 7/068 7/10 7/10 Z Fターム(参考) 4K013 AA07 BA08 CA04 CA15 CB06 CD01 CE06 CF02 DA03 DA08 DA12 EA05 EA19 EA30 EA32 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼を大気圧下で脱炭する一次精錬炉及
    び該一次精錬炉から出鋼した溶鋼を再度真空下で精錬す
    る真空脱ガス装置を順次用いて、炭素濃度が0.02〜
    0.06質量%の低炭素溶鋼を溶製するに際し、 前記一次精錬炉で溶鋼中の炭素濃度を0.02〜0.0
    5質量%まで脱炭すると共に、出鋼時に加炭処理し、出
    鋼した溶鋼を真空脱ガス装置内で真空脱炭・脱酸して溶
    存酸素の濃度を0.02質量%以下にしてから、さらに
    脱酸剤を添加して脱酸処理を行なうことを特徴とする高
    清浄度低炭素鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】 前記加炭処理で溶鋼中の炭素濃度を0.
    06質量%以上に高めることを特徴とする請求項1に記
    載の高清浄度低炭素鋼の溶製方法。
  3. 【請求項3】 一次精錬炉からの出鋼時又は出鋼後の真
    空精錬前に、溶鋼が伴うスラグ中に還元剤を添加するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の高清浄度鋼の溶
    製方法。
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